JP4918747B2 - グラビア印刷用塗工紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア印刷用塗工紙に関し、操業性に優れ、優れた印刷適性を備えたグラビア印刷用塗工紙及びそのグラビア印刷用塗工紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷は、版の凹部分のインキを加圧下で転移するという凹版印刷であり、階調再現性に優れているため、雑誌、カタログ、パンフレットなどの商業印刷分野等で用いられている。
【0003】
グラビア印刷では、オフセット印刷と比較して版が硬質の金属ロールで、印刷時に版が用紙に完全に密着しにくいために、グラビア印刷時に網点が欠落するミッシングドットが生じる。そのため、グラビア印刷用塗工紙の原紙と塗工層には、平滑性およびクッション性などが要求される。
【0004】
近年、郵便料金の改定等を反映し、書籍も重厚なものから軽いものが好まれるようになってきた。これに伴い、紙にも軽量化が求められてきている。また環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上でも紙の軽量化は避けて通れない問題であり、グラビア印刷用塗工紙の分野においても、軽量化の傾向にある。
【0005】
従来のグラビア印刷用塗工紙に軽量化を試みた場合、原紙坪量を相対的に低くする必要があり、不透明度が低く、剛直性に欠ける塗工紙となる。また、低坪量化にともない塗工量も減少させざるをえなくなるため、従来の技術に基づきグラビア印刷用塗工紙を生産した場合、印刷光沢度も低下する。
【0006】
また、塗工原紙を嵩高にし、低塗工量で原紙被覆性を良好にする方法もある。
【0007】
原紙の低密度化の方法として、紙の主原料である製紙用パルプの検討があげられる。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されている。低密度化のためのパルプとしては、化学薬品により繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプより、薬品は使用せずリファイナーやグラインダーで木材を磨り潰すことにより製造される機械パルプの方が繊維は剛直であり、低密度化には有利である。その中でもグランドパルプ(GP)は低密度化への寄与は大きい。通常製紙用パルプは叩解処理によって繊維を柔軟にし、フィブリル化するが、叩解処理は低密度化とは相反する処理であり、出来るだけ行わないことが低密度化のためには望ましい。
【0008】
パルプ化樹種の選択によっても、紙の密度は大きく影響を受ける。すなわち、木材繊維自体が粗大な方が低密度化が可能である。例えば広葉樹材においては、比較的低密度化が可能な樹種としてはガムウッド、メープル、バーチなどが上げられる。しかしながら、現在の環境保護気運の高まりの中では特にこれら樹種のみを特定して集荷しパルプ化することは困難である。
【0009】
近年の環境保護気運の高まりや、資源保護の必要性から古紙パルプの配合増が求められている。古紙パルプは上質紙、新聞紙、雑誌、チラシ、塗工紙等その紙質上から明確に分類してパルプ化される場合は少なく、混合されたままパルプ化されるため、パルプの性質としてバージンの機械パルプと比較して密度は高くなる傾向にある。この理由として古紙パルプの繊維分は化学パルプ、機械パルプの混合物であることがあげられる。また、紙中に含まれる填料分あるいは塗工紙の填料成分として、一般的に使用されるタルク、カオリン、クレーはその配合により密度を高くする傾向にある。このように古紙パルプの配合増は用紙密度を高くする傾向がある。
【0010】
以上のように、従来の手法をベースにパルプのみを変更してグラビア印刷用塗工原紙を得たとしても、不透明度および剛直性は十分なものでは無く、この手法のみでは軽量化されたグラビア印刷用塗工紙を得ることは困難である。
【0011】
抄造時における低密度化の検討としては、抄造時にはそのプレス行程で出来るだけプレス圧を低くすること、また紙の表面に平滑性を付与するために行われるカレンダー処理は行わない方がよい。
【0012】
このようなパルプ化、抄造時の工夫のほかに、塗工原紙に対してパルプに次いで多く配合されている填料分の検討も行われている。例えば、填料分として中空の合成有機物のカプセルを配合することにより低密度化を達成する方法が知られている。また、抄紙時のドライヤー部での熱にて膨張することにより低密度化を達成する合成有機発泡性填料(例えば商品名:EXPANSEL、日本フィライト株式会社製)も提案されている。しかしながら、これらの合成有機発泡性填料を用いる方法では抄紙時の乾燥条件が難しく、またこの手法のみで変更してグラビア印刷用塗工紙を得た場合においても、低密度かつ印刷光沢度が優れたグラビア印刷用塗工紙の製造は困難である。
【0013】
また、填料分ではないが、微細フィブリル化セルロースを添加する方法も提案されている(特許文献1参照)。この微細フィブリル化セルロースを用いる方法では、微細セルロースを特別に調整する必要があり、さらに抄紙時にパルプのフリーネスをCSF400ml以上、好ましくはCSF500ml以上にする必要があり、機械パルプを多く配合した紙料ではフリーネスを調整することが困難である。
【0014】
上記の方法を組み合わせて嵩高原紙を抄造したとしても、嵩高原紙は一般の原紙と比較して空隙量が多いため、塗料は原紙内部に浸透しやすく、原紙被覆性は一般原紙に塗工する場合と比較して劣る。塗料による原紙被覆性が劣る場合、印刷光沢度も低くなる。
【0015】
次に、塗工原紙に塗工層を設けて原紙被覆性を良好にする手法として、顔料として堆積分布平均粒径3.5〜20μmであるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部あたり30〜90重量部含有することにより、低密度原紙に塗工した場合においても原紙被覆性が良好になることが知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、近年の更なる低坪量化、嵩高化に対しては、低塗工量で十分な原紙被覆性を維持することは困難である。また、顔料として堆積分布平均粒径3.5〜20μmであるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部あたり30〜90重量部含有させた場合、塗料粘度は相対的に高くなり、塗工速度800m/min以上の高速塗工に適さないこと、カレンダ処理後においても白紙光沢度を高くすることは困難であった。
【0016】
グラビア印刷適性を向上させる手法として、平滑性を付与する手法が考えられるが、一般的な方法である高線圧でスーパーカレンダー処理した場合、塗工層表面は平滑になるが、塗工紙密度が高くなる。
【0017】
印刷方式の多様化にともない、印刷用紙に対する要求も高くなり、それに伴い様々な技術が開発されている。カレンダ仕上げ方法においても、従来のスーパーカレンダに代わり、高温カレンダによる方法が多数提案されており、仕上げ速度の高速化とともに、印面光沢度、不透明度および剛度等が相対的に向上されることが報告されているが、この手法のみを変更してグラビア印刷用塗工紙を得た場合においても、低密度のものを得ることは困難である。
【0018】
また、グラビア印刷用塗工紙の製造方法においては、できるだけ高品質を維持し、生産性を上げコストダウンを図ることも重要である。この方法としては、塗工速度を上げて操業性を向上することが必要である。但し、塗工速度を上げた場合には、塗工適性の良好な塗工液を用いる必要があり、一般的な塗料を用いて塗工速度を上げた場合、原紙に転写された塗料をブレードで掻き取る際に塗料にかかる剪断力は高くなり、塗工液の流動性が悪化し、ストラクタイト、スクラッチ、ストリーク等が発生し、操業性に劣る問題があった。
【0019】
本発明者等は、塗工層の顔料として、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれるカオリンを顔料100重量部当たり50重量部以上で、ガラス転移温度が−50〜0℃の共重合ラテックスを接着剤として使用することにより、低密度で、高い白紙光沢度を有し、グラビア適性のスペックル等が改善されたグラビア印刷用塗工紙を得ることを示した(特許文献3参照)。しかしながら、塗工速度が600m/分以上になるとストラクタイト、スクラッチ、ストリーク等が発生し、操業性に劣る場合があった。
【0020】
このように、従来の技術の単なる応用では、操業性に優れ、所望の特性を持ったグラビア印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
【0021】
【特許文献1】
特開平8−13380号公報
【特許文献2】
特開2002−105889号公報
【特許文献3】
特開2002−88679号公報
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、低密度で優れた印刷適性を備え、操業性に優れたグラビア印刷用塗工紙を提供することであり、また印刷適性、及び操業性に優れたグラビア印刷用塗工紙の製造方法を提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原紙上に、顔料および接着剤を含有する塗工層を有するグラビア印刷用塗工紙において、密度が0.3〜0.8g/cm3である原紙にマルバーン社製マスターサイザーSを用いて測定したレーザー法およびマイクロメトリクス社製セディグラフ5100を用いて測定した沈降法で測定した顔料平均粒子径の比(レーザー法/沈降法)が4.0〜8.0の範囲である無機顔料を含有した塗工層を有することにより、操業性に優れ、低密度で、グラビア印刷時における網点欠落率が低く、優れた印刷適性を備えたグラビア印刷用塗工紙を得ることができ、また原紙上に、マルバーン社製マスターサイザーSを用いて測定したレーザー法およびマイクロメトリクス社製セディグラフ5100を用いて測定した沈降法で測定した顔料平均粒子径の比(レーザー法/沈降法)が4.0〜8.0の範囲である無機顔料を無機顔料100重量部当たり50重量部以上含む塗工液を塗工することにより、網点欠落率が低く、優れた印刷適性を備え、操業性が良好で効率よくグラビア印刷用塗工紙を製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
特に、平均粒径が0.1〜0.6μmの中空有機顔料とレーザー法および沈降法で測定した顔料粒子径の比(レーザー法/沈降法)が3.0〜10の範囲である無機顔料と組み合わせることにより、塗工液粘度が最適化され、操業性が更に良好になり、白紙光沢度、印刷光沢度が向上する。また、低線圧でカレンダ処理した場合においても光沢度発現性、平滑度発現性が向上し、有機顔料自体の密度も低いため、塗工紙の密度はより低くなり、不透明度、剛度は高くなる。前記中空有機顔料の含有量は、無機顔料100重量部に対して2〜30重量部含有することが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明においては、レーザー法および沈降法で測定した顔料粒子径の比(レーザー法/沈降法)が3.0〜10の範囲である無機顔料を使用することが重要である。例えばクレー等の板状顔料の粒径をレーザー法で測定した場合、最も大きな面の粒径を中心に測定される傾向にある。一方、沈降法で顔料の粒径を測定した場合、板状顔料の厚さが沈降する際の抵抗に影響を与えるため、厚さが薄い顔料ほど粒径の測定値がより小さくなる傾向にある。従って、レーザー法および沈降法で測定した顔料粒子径の比(レーザー法/沈降法の値、以下形状指数と略)を測定することにより、顔料の形状を評価することができ、この値が大きい顔料は板状面積に対する厚さが小さいことを意味する。特に低密度の原紙を使用する場合、塗工液は浸透しやすく、一般的に塗工適性及び品質も劣る傾向にあるが、本発明の特定の粒径を規定した無機顔料と小粒径の中空有機顔料を含有する塗工液を塗工した場合、塗工液が原紙に浸透しにくくなり、塗工適性が良好で、光沢発現性等の品質にも優れる。形状指数が3.0未満の場合、顔料形状はよりブロック状に近づき、同塗工量で比較した場合、原紙被覆性は相対的に劣る。形状指数が10を越える場合は、顔料は薄く板状になるが、同体積あたりの比表面積は大きくなり塗料粘度が極めて高くなり、塗工適性および原紙被覆性は相対的に劣る。低塗工量で塗料による原紙被覆性を良好にし、白紙光沢度および印刷光沢度を向上させ、かつ塗工適性を良好にするには、形状指数が3.0〜10の範囲である顔料を用いることが重要である。顔料による原紙被覆性および塗工適性を最適化させるには、形状指数が4.0〜8.0の範囲であることがより好ましい。また、顔料の平均粒子径としては、レーザー法で測定した値が0.5〜8.0μmが好ましく、沈降法で測定した値は、0.2〜2.0μmが好ましい。
【0025】
形状指数が3.0〜10の範囲である無機顔料の配合量は、無機顔料100重量部当たり50重量部以上、好ましくは70重量部以上である。また、上記の顔料を使用した場合、白紙光沢度および印刷光沢度が向上し、被覆性に優れる塗工層を得ることができるため、塗工量を減らし、原紙坪量を増やし、更なる低密度化をはかることが可能になる。
【0026】
無機顔料としては、レーザー法および沈降法で測定した顔料粒子径の比(レーザー法/沈降法)が3.0〜10の範囲である無機顔料を使用すれば、本発明に用いられる無機顔料としては特に制限はなく、発明の目的を損なわない範囲で複数の無機顔料を併用することができる。無機顔料としては、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料であり、これらの無機顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。好ましい顔料としては、印刷適性向上の点から、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレーである。また、本発明で用いられる形状指数が3.0〜10の範囲外の無機顔料としては、塗工用顔料として従来から用いられているカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料 を併用することもできる。また、無機顔料以外に有機顔料も使用することができる。
【0027】
また、本発明に用いられる有機顔料は、平均粒径が0.1〜0.6μmかつ中空であることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、カレンダ処理時の光沢度発現性が相対的に劣る。平均粒径が0.6μmを越える場合、レーザー法および沈降法で測定した顔料粒子径の比(レーザー法/沈降法)が3.0〜10の範囲である無機顔料と組み合わせて使用した場合、塗工液粘度が高くなり、塗工適性が悪く均一な塗工層を得ることが困難になり、カレンダ処理時の平滑度発現性が相対的に劣る。中空有機顔料の含有量が無機顔料100重量部に対して2〜30重量部含有させた場合、レーザー法および沈降法で測定した顔料粒子径の比(レーザー法/沈降法)が3.0〜10の範囲である無機顔料と組み合わせた塗工液の粘度は最適化され、操業性が更に良好になる。有機顔料として粒径が0.1〜0.6μmかつ中空のものを配合すれば、密実型等の有機顔料を、発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
【0028】
本発明の塗工層に用いられる接着剤としては特に制限はなく、発明の目的を損なわない範囲で複数の接着剤を併用することができる。接着剤としては塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいは無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉などの通常の塗工紙用接着剤1種以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤の総量は無機顔料100重量部当たり3〜50重量部、より好ましくは3〜12重量部程度の範囲で使用される。本発明で使用する接着剤としては、ガラス転移温度は、−10℃〜−50℃の共重合体ラテックスであることが好ましい。この範囲のものを使用することによって、グラビア印刷に適したクッション性を有する塗工層となる。
【0029】
本発明の塗工液には、分散剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使用しても良い。本発明で使用する助剤としては、アクリル系合成保水剤、ヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましく、会合型のアクリル系合成保水剤を使用するのがより好ましい。会合型アクリル系合成保水剤は、塗工液の保水性を向上させ、かつ塗工液の高ずり粘度を低くする働きがある。そのため、高速塗工に適するとともに、塗工時に塗料が塗工原紙内部に押し込まれず、原紙上の塗工層を嵩高にし、塗工層のクッション性が向上するため、グラビア印刷時の網点欠落率は低くなりやすい。また、ヒドロキシエチルセルロースも同様の効果がある。尚、アクリル系合成保水剤および/またはヒドロキシエチルセルロースを用いる場合、配合量としては、無機顔料100重量部に対して0.1〜1.0重量部が好ましい。
【0030】
本発明おいて原紙は、密度が0.3〜0.8g/cm3であることが好ましく、より好ましくは密度が0.3〜0.7g/cm3であり、更に好ましくは0.3〜0.6g/cm3である。密度が0.3〜0.8g/cm3である原紙を用いることにより、塗工量を減らしても、原紙被覆性が良好なため、印刷適性に優れ、更なる低密度化が可能になる。また塗工適性も良好である。原紙の密度が0.3g/cm3未満の時は、形状指数が3.0〜10の範囲である無機顔料を顔料100重量部当たり50重量部以上含有した塗料を用いても、塗料の浸透性は大きくなり、塗工適性が劣る傾向にある。
【0031】
原紙を構成するパルプは、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることできるが、機械パルプを10重量%以上含有させることが好ましい。機械パルプは化学パルプに比べ繊維が剛直なので、機械パルプを配合した原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れることが少なく、全体として嵩高になるから、原紙内部の空隙量が増し、不透明度が向上し、同時に剛度も大きくなる。機械パルプの中でもグランドパルプは低密度化への寄与が高く好ましく用いることができる。機械パルプの配合量が10重量%未満では、填料やカレンダー条件を最適化しても相対的に不透明度および剛度が劣る。機械パルプは白色度や塗工適正等の点から製紙用パルプの60重量%以下とすることが好ましい。特に古紙パルプの使用は、資源の有効使用及び環境に優しいという点で好ましい。
【0032】
原紙に用いる填料は、無定型シリケート、無定型シリカ、タルク、カオリン、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができ、配合量は、パルプ重量に対して3〜20重量%程度である。本発明においては、無定形シリケートを原紙重量あたり3〜12重量%含有した原紙を使用することにより、塗工紙密度は低く、十分な剛度を備えた塗工紙を製造することができるため好ましい。また、より低密度で、表面強度を良好にするために、無定形シリケートの嵩比重は、0.2〜0.8g/mlであることが望ましく、更に好ましくは、無定形シリケートの嵩比重は、0.4〜0.8g/mlであることが望ましい。
【0033】
これらの紙料に必要に応じ通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤、嵩高剤、柔軟化剤などを添加し、抄紙する。
【0034】
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用したマシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、新聞古紙から得られる回収古紙パルプを含む中質原紙も使用できる。また、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレスを使用して、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用できる。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が30〜400、好ましくは、30〜200g/m2程度のものが適宜用いられる。
【0035】
調整された塗工液は、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工する。本発明が最も効果的である塗工量の範囲は、片面当たり5g/m2以上25g/m2以下、5g/m2以上16g/m2以下である。本発明においては、塗工速度が600m/分以上、より好ましくは、塗工速度が1000m/分以上の高速でも操業性が優れるものである。
【0036】
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
【0037】
以上の様に塗工乾燥された塗工紙は、カレンダ処理を施さないまま、もしくはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行う。本発明の効果は、特に坪量が40g/m2以上120g/m2以下の塗工紙において優れ、特に白紙光沢度70%以上で、密度が1.10〜0.40g/cm3のグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。
【0038】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。尚、塗工液および得られたグラビア印刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
〈評価方法〉
(1)形状指数:固形分濃度8%の顔料スラリーを超音波分散処理し、顔料粒径測定に用いた。レーザー回折・散乱法(Malvern社製Mastersizer Sを用いて測定)で測定した顔料の平均粒子径の値を、沈降法(Micromeritics社製Sedigraph 5100を用いて測定)で測定した値で除した値を形状指数と定義した。
(2)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(3)印刷光沢度:大蔵省式グラビア単色印刷機を用いて、印刷速度40m/min、印圧10kgf/cmで印刷し、得られた印刷物の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(4)網点欠落率:上記したグラビア単色印刷方式により印刷された塗工紙の網点欠落率は、目視により評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(5)剛度:JIS P 8143に基づいて測定し、評価は以下の基準で行った。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(6)不透明度:JIS P 8138に基づいて測定し、評価は以下の基準で行った。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(7)塗工適性:ブレード塗工時のストラクタイト、ストーリーク、スクラッチの発生状況を目視で評価した。◎:全く発生しない、○:ほとんど発生しない、△:少し発生する、×:発生する
[実施例1]
エンジニアードカオリン(イメリス社製 Contour1500, 形状指数4.6)100部からなる無機顔料に、分散剤として対無機顔料でポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加してセリエミキサーで分散し、固形分濃度が65%の顔料スラリーを調成した。このようにして得られた顔料スラリーに、中空有機顔料(日本ゼオン社製 MH5055,平均粒径0.5μm)10部、アルカリ増粘型のスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度−20℃、ゲル含量85%)10部、およびヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)1部、会合型アクリル系合成保水剤(アルコケミカル社製L−89)0.2部を加え、さらに水を加えて固形分濃度58%の塗工液を得た。
【0039】
填料として含水ケイ酸アルミニウムソーダを原紙重量当たり4%(嵩比重 0.4g/ml)、タルクを6%含有し、製紙用パルプとして機械パルプを30%、クラフトパルプを50%、古紙パルプを20%含有する坪量52g/m2、密度0.60g/cm3の中質紙を塗工原紙として用いた。
【0040】
上記の原紙に前述の塗工液を片面当たりの塗工量が10g/m2になるように、1100m/分の塗工速度のブレードコーターで両面塗工を行い、塗工紙水分が5.5%になるように乾燥した。
【0041】
次いで、ロール温度70℃、2ニップ、カレンダー線圧100kg/cm、通紙速度10m/分でスーパーカレンダー処理を行いグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、原紙用の填料として含水ケイ酸アルミニウムソーダを紙重量あたり6%(嵩比重 0.4g/ml)、タルクを6%のかわりにタルクを12重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、中空有機顔料(日本ゼオン社製 MH5055,平均粒径0.5μm)10部を35部に変更した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において、無機顔料を大粒径カオリン(エンゲルハルド社製 Ultimatte, 形状指数5.8)60部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT−90,形状指数1.1)40部を用いた以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、顔料をエンジニアードカオリン(イメリス社製 Contour1500, 形状指数4.6)60部、微粒クレー(Cadam社製Amazon SB,形状指数1.9)40部を用い、中空有機顔料を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、無機顔料をエンジニアードカオリン(エンゲルハード社製ECLIPS650,形状指数2.2)80部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT−90,形状指数1.1)20部からなる無機顔料に変更した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、顔料をエンジニアードカオリン(イメリス社製 Contour1500, 形状指数4.6)40部、微粒クレー(Cadam社製Amazon SB,形状指数1.9)30部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT−90,形状指数1.1)30部を用いた以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
無機顔料として、カオリン(形状指数11.0)100部に変更した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
【0042】
以上の結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明により、操業性に優れ、低密度で、白紙光沢度、印刷光沢度が高く、網点欠落率が少ない、優れた印刷適性を備えたグラビア印刷用塗工紙を得ることができ、また操業性に優れ、白紙光沢度、印刷光沢度が高く、網点欠落率が少ない、優れた印刷適性を備えたグラビア印刷用塗工紙を効率よく製造することができる。
Claims (6)
- 原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工層を設けてなるグラビア印刷用塗工紙において、密度が0.3〜0.8g/cm3である原紙上に、マルバーン社製マスターサイザーSを用いて測定したレーザー法およびマイクロメトリクス社製セディグラフ5100を用いて測定した沈降法で測定した顔料平均粒子径の比(レーザー法/沈降法)が4.0〜8.0の範囲である無機顔料を無機顔料100重量部当たり50重量部以上含む塗工層を有するグラビア印刷用塗工紙。
- 塗工層に平均粒径が0.1〜0.6μmの中空有機顔料を含有することを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷用塗工紙。
- 前記中空有機顔料の含有量が無機顔料100重量部に対して2〜30重量部含有することを特徴とする請求項1または2記載のグラビア印刷用塗工紙。
- 原紙に、顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工するグラビア印刷用塗工紙の製造方法において、原紙上に、マルバーン社製マスターサイザーSを用いて測定したレーザー法およびマイクロメトリクス社製セディグラフ5100を用いて測定した沈降法で測定した顔料平均粒子径の比(レーザー法/沈降法)が4.0〜8.0の範囲である無機顔料を無機顔料100重量部当たり50重量部以上含む塗工液を塗工するグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
- 前記無機顔料の平均粒子径が、レーザー法で測定した値が0.5〜8.0μmであり、かつ、沈降法で測定した値が0.2〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラビア印刷用塗工紙。
- 前記無機顔料の平均粒子径が、レーザー法で測定した値が0.5〜8.0μmであり、かつ、沈降法で測定した値が0.2〜2.0μmであることを特徴とする請求項4に記載のグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
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