JP4904616B2 - 電解液及びこれを用いた電気化学素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は非水溶媒にフッ素を含むホウ素化合物が溶解している電解液、及びこの電解液を用いたリチウム電池、電気二重層キャパシタ、アルミニウム電解コンデンサなどの電気化学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気化学素子に用いる非水電解液としては、従来から多くのものが知られている。例えばリチウム電池の非水電解液としては、ヘキサフルオロリン酸リチウムを炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの混合溶媒に溶解したもの(芳尾真幸、小沢昭弥編、リチウムイオン二次電池、第6章、83頁、1996年、日刊工業新聞社)、パーフルオロアルキルフルオロリン酸リチウムをエチレングリコールジメチルエーテルなどに溶解したもの(WO98/15562号公報)などが知られている。電気二重層キャパシタの電解液としては、テトラフルオロホウ酸の四級アンモニウム塩を炭酸プロピレンなどに溶解したもの(宇恵誠、電気化学、66卷、904頁、1998年)が知られている。また、アルミニウム電解コンデンサの電解液としては、フタル酸などの有機酸の四級アンモニウム塩(宇恵誠ら、ニューキャパシタ、3卷、2号、55頁、1996年)や四級アミジニウム塩を、γ−ブチロラクトンやエチレングリコールなどに溶解したもの(WO95/15572号公報、特開平9−283379号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気化学素子に用いられる非水電解液は、その水分含有量が極力少なくなるように製造されているが、それでも通常は数十ppmの水分を含んでいる。また非水電解液を用いて電気化学素子を製作する際に雰囲気中の水分が非水電解液中に混入することがあり、電気化学素子の部品などに付着している水分が非水電解液中に溶出することもあるので、電気化学素子に用いられている非水電解液には必ずといってよいほど数十ppm以上の水分が存在している。
【0004】
電気化学素子に用いられている非水電解液に水分が存在すると、溶解している電解質が加水分解されるという問題がある。例えばリチウム二次電池の非水電解液に用いられているヘキサフルオロリン酸リチウムは、下式のように加水分解してフッ化水素を生成する。
LiPF6+H2O → LiF+POF3+2HF
フッ化水素は反応性に富んでおり、電気化学素子の金属部分を腐食させたり、非水電解液を分解させるなどの好ましくない反応を惹起する。これらの反応が起ると、電気化学素子の諸特性、例えば電気容量、充放電効率、耐電圧などが低下したり、ガス発生による素子の膨張などの外観不良が起る。従って微量の水分が存在しても加水分解を起し難い非水電解液が求められている。本発明はこのような要求に応えようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電解液は、非水溶媒中に式(1)で示されるホウ素化合物が溶解していることを特徴とするものである。
X+[(Rf)nBF4-n]- …(1)
[式中、X+はアルカリ金属イオン又はオニウムイオンを示し、Rfはパーフルオロアルキル基を示し、nは1ないし4の整数を示す。なお、nが2以上の場合には、複数のRfは相互に異っていてもよく、また複数のRfが相互に結合してホウ素と共に環構造を形成していてもよい。]
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電解液においては、電解質として上記の式(1)で示されるフッ素を含むホウ素化合物を用いる。X+で示されるカチオンとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属カチオン;テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウムなどの四級アンモニウムカチオン;1−エチル−2−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムなどの四級アミジニウムカチオン;テトラメチルホスホニウム、エチルトリメチルホスホニウム、ジエチルジメチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムなどの四級ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。なかでもリチウム電池の電解液の場合にはX+はリチウムイオンであるのが好ましい。また電気二重層キャパシタの電解液の場合にはトリエチルメチルアンモニウムなどの四級アンモニウムイオン、アルミニウム電解コンデンサの電解液の場合には1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムなどの四級アミジニウムイオンであるのが好ましい。
【0007】
Rfで示されるパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基など炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基が挙げられる。また複数のRfが相互に結合したものとしては、オクタフルオロテトラメチレン基やデカフルオロペンタメチレン基などが挙げられる。(1)式の化合物において、Rfで示されるフッ素化炭化水素基の炭素の合計は12以下であるのが好ましい。これらのフッ素化炭化水素基を有する(1)式の化合物の例としては、トリフルオロメチルトリフルオロボレート、ビス(トリフルオロメチル)ジフルオロボレート、トリス(トリフルオロメチル)フルオロボレート、テトラキス(トリフルオロメチル)ボレート、ペンタフルオロエチルトリフルオロボレート、ビス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロエチル)フルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロエチル)ボレート、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロボレート、ビス(ヘプタフルオロプロピル)ジフルオロボレート、トリス(ヘプタフルオロプロピル)フルオロボレート、テトラキス(ヘプタフルオロプロピル)ボレート、ノナフルオロブチルトリフルオロボレート、ビス(ノナフルオロブチル)ジフルオロボレート、トリス(ノナフルオロブチル)フルオロボレート、ウンデカフルオロペンチルトリフルオロボレート、ビス(ウンデカフルオロペンチル)ジフルオロボレート、パーフルオロヘキシルトリフルオロボレート、ビス(パーフルオロヘキシル)ジフルオロボレート、パーフルオロオクチルトリフルオロボレート、パーフルオロデシルトリフルオロボレート、パーフルオロウンデシルトリフルオロボレート、トリフルオロメチルペンタフルオロエチルジフルオロボレート、ビス(トリフルオロメチル)ペンタフルオロエチルフルオロボレート、トリス(トリフルオロメチル)ペンタフルオロエチルボレート、トリフルオロメチルビス(ペンタフルオロエチル)フルオロボレート、ビス(トリフルオロメチル)ビス(ペンタフルオロエチル)ボレート、トリフルオロメチルトリス(ペンタフルオロエチル)フルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロエチル)ボレート、パーフルオロ(B,B−テトラメチレン)ジフルオロボレート、パーフルオロ[ビス(B,B−テトラメチレン)ボレート]、パーフルオロ(B,B−ペンタメチレン)ジフルオロボレート、パーフルオロ[ビス(B,B−ペンタメチレン)ボレート]などが挙げられる。一般に(1)式の化合物は分子量が大きくなるにつれて、これを電解質とする電解液の電気伝導度が低下する傾向にある。従って電解質としては、トリフルオロメチルトリフルオロボレート又はビス(トリフルオロメチル)ジフルオロボレートを用いるのが好ましい。なお、(1)式の化合物は2種以上を併用することもできる。
【0008】
(1)式で示される化合物は公知の方法によって合成することができる。例えばトリフルオロメチルトリフルオロボレートは、R.D.Chambers et al.,J.Am.Chem.Soc.,82,5298(1960)に記載の方法によって合成することができる。ビス(トリフルオロメチル)ジフルオロボレートは、G.Pawellke et al.,J.Organomet.Chem.,178,1(1979)に記載の方法によって合成することができる。また、(1)式で示される化合物のカチオン(X+)は、公知の適宜の方法により、他のカチオンに変換することができる。例えば(1)式の化合物の溶液をH型の陽イオン交換樹脂で処理してカチオンが水素イオンに変換された溶液とし、これに所望のカチオンの水酸化物又は炭酸水素塩の溶液を添加したのち溶媒を留去することにより、所望のカチオンを有する(1)式の化合物を得ることができる。また別法として、(1)式の化合物の溶液に所望のカチオンの塩を添加し、(1)式の化合物のカチオンを不溶性塩として沈澱させて除去したのち、溶媒を留去することにより所望のカチオンを有する(1)式の化合物を得ることもできる。(1)式の化合物を電気化学素子の電解質として用いる場合には、極めて高純度であることが要求されるので、通常は上記により得られた(1)式の化合物は、再結晶や溶媒抽出などにより、所望の純度にまで精製して用いる。
【0009】
電解液の溶媒としては、例えば炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレンなどの炭酸エステル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどのカルボン酸エステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリルなどのニトリル類;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなどのスルホン類;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸エチレン、硫酸プロピレンなどの硫酸エステル類;亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチル、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレンなどの亜硫酸エステル類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチルなどのリン酸エステル類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、ニトロメタンなどが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を併用することもできる。これらの溶媒のなかでも炭酸エステルやカルボン酸エステルないしはこれらを主体とする、すなわち50重量%以上が炭酸エステルやカルボン酸エステルであるものを用いるのが好ましい。
【0010】
本発明に係る電解液は、上記の溶媒に上記のフッ素を含有するホウ素化合物を溶解したものである。一般に電解液の電気伝導度は高い方が好ましいので、電解液中のホウ素化合物の濃度は、温度変化などにより析出しない範囲で、できるだけ高い方が好ましい。ホウ素化合物としてトリフルオロメチルトリフルオロボレートやビス(トリフルオロメチル)ジフルオロボレートを用いる場合には、電解液中のこれらの化合物の濃度は通常0.1〜3モル/Lであり、好ましくは0.5〜2モル/Lである。
【0011】
本発明に係る電気化学素子は、基本的にセパレータを介して正極及び負極を対向配置し、これに上記で調製された電解液を含浸させた構造を有している。リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池などのリチウムイオン電池の場合には、正極活物質としてはLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4などのリチウムと遷移金属との複合酸化物;MnO2、V2O5などの遷移金属酸化物;MoS2、TiSなどの遷移金属硫化物;ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子;ポリ(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)などのジスルフィド化合物などが用いられる。負極活物質としては、リチウム金属や、リチウムアルミニウム合金などのリチウム合金、またはリチウムを吸蔵・放出できる炭素質材料、例えば黒鉛、フェノール樹脂、フラン樹脂などの高分子化合物の炭化物、ピッチコークス、石油コークス、ニードルコークスなどのコークス類、炭素繊維、ガラス状炭素、熱分解炭素、活性炭などが用いられる。電解液としてはカチオン(X+)がリチウムである(1)式の化合物を、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの環状炭酸エステルと、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチルなどの鎖状炭酸エステルとの混合溶媒に溶解したものを用いるのが好ましい。
【0012】
電気二重層キャパシタの場合には、正極及び負極に用いる分極性電極の材料としては、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ適度の導電性を有する点で炭素質物質を用いるのが好ましい。なかでも好ましいのは、電荷が蓄積する電極界面の面積が大きい活性炭である。電解液としては、カチオン(X+)が四級アンモニウム、四級アミジニウム又は四級ホスホニウムである(1)式の化合物を、炭酸プロピレンに溶解したものを用いるのが好ましい。
【0013】
アルミニウム電解コンデンサの場合には、正極としては表面に陽極酸化処理などによって絶縁性のアルミナ層を形成したアルミニウム箔、負極としてはアルミニウム箔を用いる。これらのアルミニウム箔は表面積の拡大のため通常はエッチング処理して用いる。電解液としては、カチオン(X+)が四級アンモニウム、四級アミジニウム又は四級ホスホニウムである(1)式の化合物を、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、スルホランまたはこれらのいずれかの混合溶媒に溶解したものを用いるのが好ましい。
【0014】
電気化学素子に用いるセパレータとしては、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製など、常用のものを用いればよい。また電極活物質で電極を製作する際に用いられる導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウムやニッケルなどの金属繊維などを用いるのが好ましい。なかでも好ましいのは、少量の配合で所望の導電性を確保できるアセチレンブラック又はケッチェンブラックを用いることである。導電助剤は電極活物質に対して通常5〜50重量%となるように配合するが、10〜30重量%となるように配合するのが好ましい。
【0015】
また、導電助剤と共に用いられるバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂などを用いるのが好ましい。なかでもポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他のフッ素含有モノマーの(共)重合体又はこれらのモノマーと他のモノマーとの共重合体を用いるのが好ましい。
本発明に係る電解液は、溶存している電解質が水と難反応性なので、電解液中に微量の水が存在していても、フッ化水素を発生させる傾向が小さい。従ってこの電解液を用いて製作された電気化学素子は、長期間に亘りその特性を安定して維持することができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0017】
電解液;
表1に示す溶媒及び電解質を用いて電解液を調製し、25℃における電導度及び水分量を測定した。またフッ化水素の含有量をイオンクロマトグラフィー法により測定し、更にこの電解液をステンレス製密閉容器中で、70℃で50時間保持したものについて再度フッ化水素の含有量を測定し、加熱によるフッ化水素濃度の増加量を算出した。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
リチウム二次電池;
リチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)90重量部、アセチレンブラック5重量部、及びポリフッ化ビニリデン5重量部を混合し、これにN−メチルピロリジノンを加えてスラリーとした。これをアルミニウム箔に塗布・乾燥したのち、直径12.5mmの円形に打抜き、正極とした。ステンレス製ケース(直径20mm、厚さ1.6mm)に、セパレータ(厚さ0.3mmの多孔性ポリプロピレンシート)を介して正極及び負極(直径12.5mm、厚さ1.0mmのリチウム金属板)を収容し、これに表1のNO.1の電解液を真空含浸させたのち、ポリプロピレン製ガスケットを介して蓋をかぶせ、かしめてコイン型リチウム二次電池を製作した。この電池について、充放電電流密度0.6mA/cm2、電圧範囲4.3〜3.5Vで充放電試験を行ったところ、初期放電容量は123mAh/gであり、20サイクル目の充放電効率は97%であった。
これに対し、電解液として表1のNO.4のものを用いた以外は全く同様にして製作したリチウム二次電池について同様の試験を行ったところ、初期放電容量は122mAh/gでほぼ同じであったが、20サイクル目の充放電効率は88%と低く、サイクル劣化が大きかった。
【0020】
電気二重層キャパシタ;
ヤシガラ活性炭粉末(比表面積1700m2/g、平均粒径10μm)80重量部、アセチレンブラック10重量部、及びポリテトラフルオロエチレン10重量部を混合し、混練・成型して正極及び負極を製作した。ステンレス製ケース(直径20mm、厚さ1.6mm)に、セパレータ(厚さ0.3mmのポリプロピレン製不織布)を介して正極及び負極を収容し、これに表1のNO.2の電解液を真空含浸させたのち、ポリプロピレン製のガスケットを介して蓋をかぶせ、かしめてコイン型の電気二重層キャパシタを製作した。これについて70℃、印加電圧3.0Vで50時間にわたり定電圧連続印加試験を行い、静電容量の変化を調べた。5mAでの定電流放電曲線から算出した静電容量は、試験前は1.3Fであり、試験後の静電容量維持率は98%であった。これに対し、電解液として表1のNO.5のものを用いた以外は全く同様にして製作した電気二重層キャパシタについて同様の試験を行ったところ、試験前の静電容量は1.3Fと同じであったが、試験後の静電容量維持率は92%と低く、比較的劣化が大きかった。
【0021】
アルミニウム製コンデンサ;
ケースサイズ10mmφ×16mmL、定格電圧10V、定格静電容量1000F仕様のアルミニウム電解コンデンサ素子(表面に誘電体であるアルミナ層を有するエッチングされたアルミニウム箔と、紙製セパレータと、エッチングしたアルミニウム箔とを巻回し、テープで留めたもの)に、表1のNO.3の電解液を真空含浸した。これをアルミニウム製のケースに、ブチルゴム製の封口ゴムを介して収容し、かしめることによりCEO4型のアルミニウム電解コンデンサを製作した。このものについて105℃で1000時間の負荷試験を行い、100kHzにおけるインピーダンスを測定したところ、試験前が0.05Ω、試験後が0.07Ωであった。これに対して、電解液として従来から用いられている、γ−ブチロラクトンに1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム・フタル酸水素塩を0.5モル/Lとなるように溶解したもの(25℃における電導度9.1mS/cm、水分量50ppm)を用いた以外は全く同様にして製作したアルミニウム電解コンデンサは、同じ試験を行ったところ、試験前のインピーダンスは0.05Ωであったが、試験後のインピーダンスは0.10Ωに増加していた。
Claims (4)
- 非水溶媒中に式(1)で示されるホウ素化合物が溶解していることを特徴とする電解液。
X+[(Rf)nBF4-n]- …(1)
[式中、X+はリチウムイオン、四級アンモニウムイオン及び四級アミジニウムイオンより成る群から選ばれるイオンを示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基を示し、nは1ないし4の整数を示す。なお、nが2以上の場合には、複数のRfは相互に異なっていてもよく、また複数のRfが相互に結合してホウ素と共に環構造を形成していてもよい。]
(ただし、以下の電解液を除く。
1.更にLiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6からなる群より選ばれた少なくとも1種の電解質塩を含む電解液。
2.体積混合比率1:3のエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒に、LiBF2(CF3)2を1.0M溶解した電解液および体積混合比率1:3のエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒に、LiBF2(C2F5)2を1.0M溶解した電解液。) - 非水溶媒が、炭酸エステル及びカルボン酸エステルより成る群から選ばれたエステルが50重量%以上を占めるものであることを特徴とする請求項1に記載の電解液。
- 請求項1または2に記載の電解液を用いたことを特徴とする電気化学素子。
- 電気化学素子が、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ又は電解コンデンサであることを特徴とする請求項3記載の電気化学素子。
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