JP4903173B2 - 衝突回避機能を有するロボット - Google Patents
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Description
ゼロスペースは、対応の関数値が0となるようにする線形演算子の独立変数のセットである。冗長自由度システムは、主要なタスクを妨害することなく、運動学的条件のような副次的な目的を処理するために用いることのできる、(局所的な)ゼロスペースを有する。
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ロボットのモーションに対する目標を規定するステップと、
ロボットが前記目標に到逹するために適切なモーション制御信号を算出するステップと、
少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結されたロボットの異なるセグメント、またはロボットのセグメントと他の対象物の最も近いポイントに基づいて衝突回避制御信号を算出するステップと、
重み付けモーション制御信号と重み付け衝突回避制御信号とを結合させるステップと、
結合された重み付け信号によってロボットのモーションを制御するステップと、を備え、
算出された衝突危険がより低くなるほど、モーション制御出力信号の重み付け値が高くなり、算出された衝突危険がより高くなるほど、衝突回避制御出力信号の重み付け値が高くなる。
少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結されたロボットの異なるセグメント、またはロボットのセグメントと他の対象物の最も近い2つのポイントを算出して、出力する距離算出モジュールと、
モーション制御モジュールと、
前記距離算出モジュールからの出力信号が供給される衝突回避モジュールと、
モーション制御モジュールと衝突回避制御モジュールの重み付け出力制御信号を結合する混合制御ユニットと、を備え、
算出された衝突危険がより低くなるほど、モーション制御出力信号の重み付け値が高くなり、算出された衝突危険がより高くなるほど、衝突回避制御出力信号の重み付け値が高くなる。
衝突回避のために、ジョイントにより分離された物理的なリンクであるセグメント同士の間の距離および最も近いポイントを算出することが必要である。算出時間に対して、人間型ロボットのすべての可能なセグメントの対に対する実際の距離及び最も近いポイントを算出することは、本発明が、ロボットに組み込まれているコンピュータで算出しようとするとき、より複雑である。
衝突回避の役割は、お互い近くにあるセグメントを、遠ざかるように移動させることである。この移動のための最も有効な方向の1つは、セグメントの最も近いポイントを連結するベクトルに沿って揃えたものである。本発明は、衝突回避制御において、タスク・スペース・モーションのための衝突回避座標システムを規定する。衝突回避座標システムの例が、図2に示されているように規定される。原点は、下方のアームにある最も近いポイントである。yは、最も近いポイントを連結する線に沿って揃えるため、回避方向は、この軸に沿って揃えられる。xは、ヒジから手首の位置に向かうベクトルに沿って揃えられる。z方向は、x軸とy軸の単位ベクトルの外積である。衝突回避は、この座標システムにおいて、セグメントをただy方向にのみ移動させる。
一般的に、ロボットのエフェクタの直交座標位置及び方位xは、マニピュレータのジョイント変数qのベクトルの関数として表わすことができる。
x=f(q)
f(g(x))=x
で構成する代わりに、上記問題は、しばしばf(q)の偏微分導関数を用いて、速度で再公式化される。
Ncaは、ξをゼロスペース内にマッピングする行列である。
f(d)は、0ないし1の値を有することができ、衝突の危険の程度を、例えば、セグメントの間の最も短い距離の関数で表す、利得係数である。f(d)が1になると、衝突回避が制御を完全に引き取る。f(d)が0になると、ロボット・コントローラが制御を完全に引き取る。f(d)は、以下のように定義される。
ここで、いくつかの実験の例を記述する。衝突回避のための足の動作は不可能であり、そうでなければ、ロボットは、衝突を回避するためにアームを動かさずに、ただ足さえ動けばよいことになるだろう。
与えられた目標がボディー内にある。最も短い距離がdaよりも短い場合、ロボットは、衝突回避によって下方のアームとボディーとの間に加えられる仮想の力のせいで後退する。一方、ロボットは、モーション制御(8)によって目標に向かって移動するが、衝突回避がアーム・ジョイントを用い、目標がボディー内にあるため、すべてのアーム・ジョイントを用いることができるわけではない。したがって、全身モーションは、使用可能な足の位置を用いることにより、モーションの補正を行う。つまり、ロボットは、仮想の力によって後方に押される。次の実験は、回避のためのアーム・モーションを明確にするため、衝突回避のために足の動作は使用しない。
右アームの目標がボディー内にある。衝突回避が非活性化される場合、下方のアームは、ボディーと衝突する。
右アームの目標が左アームの内部にある。左アームも同様の方式である。
現在の位置と目標位置との間の軌道上にボディーが存在する。これが、ロボットが衝突回避を介さずには目標に到逹することができない、典型的な場合である。衝突回避は、腕肢(arm limbs)がボディーまたは足を妨害する際に、仮想の力によって外方へ押す。最も短い距離が回避閾値距離daよりも短い場合、仮想の力が生成される。
歩き始めたとき、目標は、ロボットの後ろにある。足の位置は動くものの、貢献することはなく、衝突回避は、足動作を使用しないことに注目されたい。
最終的に、視覚で与えられた目標のトラッキングのための衝突回避の試験を行った。ロボットは、交差している2つの目標に従う。目標は交差されて、これは、右アームと左アームとが交差することを意味する。
距離算出に用いられる衝突モデルは、空間内のどこでも規定することができ、衝突回避は、これを簡単に回避する。
本発明は、多関節ロボットのハードウェアとその環境を保護する安全メカニズムのための技術に関する。特に、本発明は、動的環境と相互作用するロボットに用いることができる。リアルタイムで予測することは、困難である。以下は、この技術を適用することができるロボットに関するいくつかの例である。
ロボットは、予測することのできない移動目標に従わなければならず、同時に自己衝突を回避しなければならない。
ロボットは、タスクによって、両方のアームを同時に動かす。それぞれのアームは、個別に目標を有し、時々互いに交差する。
ロボットは、人間などを回避しなければならない。
1.衝突回避制御でのゼロスペース
2.ロボット制御でのタスク・スペース
により助長される。
エフェクタ(Effector)
産業用ロボットにおいて、エフェクタは、通常、マニピュレータである。人間型ロボットにおいて、エフェクタは、しばしば手の基準ポイント(例えば、指先など)として規定される。また、エフェクタは、特定のポイントまたは特定の方向を眺めるように制御されたヘッド部であってもよい。
タスク座標(Task coordinates)
エフェクタの運動が描写される座標。エフェクタのモーションを描写する多くの方式が存在する。エフェクタの位置の場合、一般的に、位置ベクトルのx成分、y成分、及びz成分が選択される。空間的定位の場合、タスクは、しばしばオイラー角または四元数で描写される。多くの場合、タスクに対する特別な描写が用いられる。
タスク・スペース(Task space)
タスク座標によって表される空間。例えば、x方向、y方向、及びz方向におけるロボットの手の位置が制御される場合、タスク・スペースは3次元を有し、これらの座標によって計測される。
ゼロスペース(Null space)
モーションが、タスク・スペース・モーションに影響を与えない空間。例えば、ロボットが自由度7を有し、タスクベクトルが3次元である手の位置の場合、ゼロスペースは、4次元を有する。システムは、タスクに対して冗長自由度を有する。タスク・モーションに干渉しないアームのすべてのモーションが、ゼロスペース・モーションと呼ばれる。
軌道(Trajectory)
システムのモーションを表わす連続的な経路。軌道は、個別ジョイントの経路、またはタスク座標上において表示された経路を示すことができる。
Claims (9)
- ロボットの制御方法であって、
前記ロボットのモーションに対する目標を規定するステップと、
前記ロボットが前記目標に到逹するために適切なモーション制御信号を算出するステップと、
少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結された前記ロボットの異なるセグメント、または前記ロボットのセグメントと他の対象物の最も近いポイントに基づいて衝突回避制御信号を算出するステップと、
重み付けモーション制御信号と重み付け衝突回避制御信号とを結合させるステップと、
前記結合された重み付け信号によって前記ロボットのモーションを制御するステップと、
を備え、
算出された衝突危険がより低くなるほど、モーション制御出力信号の重み付け値が高くなり、算出された衝突危険がより高くなるほど、衝突回避制御出力信号の重み付け値が高くなり、
かつ、モーション制御信号の算出においては、衝突回避モーションをゼロスペース内に、目標到達モーションをタスク・スペース内にマップし、衝突回避制御においては、衝突回避モーションをタスク・スペース内に、目標到達モーションをゼロスペース内にマップする、方法 - モーションによる目標到達と衝突回避との間でのなめらかなタスクの切り替えを遂行するために、モーション制御出力信号の重み付け値および衝突回避制御出力信号の重み付け値が徐々に変更される、請求項1に記載の方法。
- 最も近いポイントの間の距離が、所定の回避閾値距離よりも大きい限り、衝突回避出力信号の重み付け値は0である、請求項1又は2に記載の方法。
- 少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結された前記ロボットの異なるセグメント、または前記ロボットのセグメントと他の対象物の最も近い2つのポイントを算出し、
単に最も近いポイントの間の連結線に沿った次元においてのみ、前記ロボットの衝突回避モーションを制御することによって、衝突回避制御を行うステップを備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。 - 前記衝突回避制御のゼロ空間が、モーションによる目標到達に割り当てられる、請求項4に記載の方法。
- ロボットの制御方法であって、
少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結された前記ロボットの異なるセグメント、または前記ロボットのセグメントと他の対象物の最も近い2つのポイントを算出するステップと、
単に最も近いポイントの間の連結線に沿った次元においてのみ、前記ロボットの衝突回避モーションを制御するステップと、
によって衝突回避制御を行うステップと、
を備え、
かつ、モーション制御信号の算出においては、衝突回避モーションをゼロスペース内に、目標到達モーションをタスク・スペース内にマップし、衝突回避制御においては、衝突回避モーションをタスク・スペース内に、目標到達モーションをゼロスペース内にマップする、方法 - 演算装置で実行されるとき、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法を実施する、コンピュータ・プログラム。
- モーション制御ユニットを有するロボットであって、
前記ロボットのモーション制御ユニットは、
少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結された前記ロボットの異なるセグメント、または前記ロボットのセグメントと他の対象物の最も近い2つのポイントを算出して、出力する距離算出モジュールと、
モーション制御モジュールと、
前記距離算出モジュールからの出力信号が供給される衝突回避モジュールと、
前記モーション制御モジュールと衝突回避制御モジュールの重み付け出力制御信号を結合する混合制御ユニットと、を備え、
算出された衝突危険がより低くなるほど、モーション制御出力信号の重み付け値が高くなり、算出された衝突危険がより高くなるほど、衝突回避制御出力信号の重み付け値が高くなり、
かつ、モーション制御信号の算出においては、衝突回避モーションをゼロスペース内に、目標到達モーションをタスク・スペース内にマップし、衝突回避制御においては、衝突回避モーションをタスク・スペース内に、目標到達モーションをゼロスペース内にマップする、ロボット。 - モーション制御ユニットを有するロボットであって、
前記ロボットのモーション制御が、
少なくとも一つのジョイントを介して互いに連結された前記ロボットの異なるセグメント、または前記ロボットのセグメントと他の対象物の最も近い2つのポイントを算出するように、そして
単に最も近いポイントの間の連結線に沿った次元においてのみ、衝突回避作用を制御するように設計されている衝突回避モジュールを備える、
かつ、モーション制御信号の算出においては、衝突回避モーションをゼロスペース内に、目標到達モーションをタスク・スペース内にマップし、衝突回避制御においては、衝突回避モーションをタスク・スペース内に、目標到達モーションをゼロスペース内にマップする、ロボット。
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