JP4995608B2 - 煙感知器 - Google Patents
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Description
従来から、煙感知器として種々のものが提案されているが、以下にその一例として特開昭63−9845号公報により開示された「微粒子検知方法およびその装置」の概要を説明する。
即ち、検煙部において、第1供給系の気体と第2供給系の気体とが混在することがある。この場合、微粒子が存在しているときの受光器出力と、微粒子が存在していないときの受光器出力との差が小になり、変動分を除いた微粒子の散乱光によるものだけの検出値が得にくくなる。
更に、煙検知装置を長期間にわたって使用していると、装置内の壁面が汚れ、付着した微小な塵埃等が検煙部近傍に浮遊する可能性がある。この現象が発生すると、煙検知と同様の散乱光が発生するので、甚だしい場合は火災発生と誤認する恐れがある。
即ち、発光素子から発光した光を集光レンズにて光トラップ近傍に集光し、感知対象となる煙が空気とともに流入する検煙部を透過させる。検煙部には、第1のフィルタにより得たサンプリングエアと、その外周を囲むようにして、前記サンプリングエアを第2のフイルタにより再濾過して得た清浄な空気、または別系統で得た清浄な空気とを通過させる。
また、受光素子の受光切換、開閉弁の切換等が一切不要であり、構成動作とも大幅に簡略化することができ、これも煙感知器の信頼性向上の一因になる上、小型軽量化を図ることができる。
サンプリングエアの拡散と不所望な浮遊物の混入を防止するため、検煙部に流入させるサンプリングエアの外側を囲むようにして清浄な空気を流入する。この結果、サンプリングエアに対し、清浄な空気が恰もエアカーテンのように作用する。火災発生時には、サンプリングエアに煙粒子が含まれるが、煙粒子が拡散しないので火災発生を正確に且つ高感度で感知することができる。
図1を参照して煙感知器1の全体構成を説明すると、略円筒形状に構成した光学ケース2内に、例えば赤外線を発光する発光素子3と、該発光素子2に対向する位置に迷光部4を配設し、両者の間に発光した光Lを迷光部4に集光させる集光レンズ5、検知対象となる空気を通過させる検煙部6、散乱光を受光する受光素子7等を設けたものである。なお、適宜間隔でアパーチャ8が設けられ、照射光による遮光及び回折光を制限するようになっている。
また、図1では図示を省略しているが、発光素子3や受光素子7、更に図4に示したファン31等に電源を供給するための電源部も備えている。
検煙部6は、単に検知対象となる空気(サンプリングエア)a、即ち火災時に煙を含む気体を流通させるだけでなく、中心部にサンプリングエアaを流通させるとともに、その周囲を円環状に囲むようにして清浄な空気を流通させる構成になっている。
この構成を更に詳細に説明すると、図2に示したように監視空間から吸引した空気Aを第1のフィルタ21に供給し、粗く濾過した空気の一部をサンプリングエアaとして検煙部6に流通させる。更に、第1のフィルタ21で濾過した空気の一部を第2のフィルタ22に供給して二重濾過し、サンプリングエアaに対し比較的に清浄な空気bを得る。そして、清浄な空気bをサンプリングエアaの周囲に円環状に流通させる。なお、第1及び第2のフィルタ21,22としては、HEPAフィルタ等を適用してよい。
ここで火災監視空間の空気Aの循環について説明すると、図4に示したように、前記空気Aは、ファン31によって吸引され、配管32を介して排気側に送風されるが、その一部が矢印A1で示したように、第1のフィルタ21側に吸引される。そして、第1のフィルタ21により濾過されてサンプリングエアaが得られ、これと同時に第2のフィルタ22から清浄な空気bが得られて、前記のように検煙部6に供給される。
火災判断部11が光学ケース2内の煙濃度上昇を検出したときは、サンプリングエアaの供給量を多くすると、検出レベルが早く閾値以上に達する。一方、火災判断部11が光学ケース2内の汚れを検出した時は、サンプリングエアaを供給停止し、清浄な空気bの供給量を多くすると、光学ケース2内に滞留した塵埃等を吹き飛ばすことができる。これらは火災判断部11により制御される。
清浄な空気bがサンプリングエアaに対しエアカーテンのように作用するので、サンプリングエアaが拡散することがなく、火災感知が正確に行われる。
また、光学ケース2内の汚れを低減することができる。
更に、光学ケース2内の壁面に付着していた塵埃等が気中に浮遊しても、サンプリングエアa中に混入することがなく、火災感知のS/N比を向上させることができる。
本実施例は、前記サンプリングエアaとは別系統で清浄な空気bを得るように構成したものである。
即ち、ファン31の二次側に排気される、監視区域の空気Aの一部A1と、他の外気Cとをポンプ又はファン32によって吸引するとともに混合し、第2のフィルタ22に供給するように構成した。また、清浄な空気bは、監視区域の空気Aの一部A1若しくは外気Cのいずれか一方のみから供給してもよい。
第2のフィルタ22から得られた清浄な空気bは、前記同様に光学ケース2内において、サンプリングエアaの外周囲に排出される。
その上、サンプリングエアaの流速に対し清浄な空気bの流速を自在に変更できるので、例えば一時的に流速を早くして清掃モードとし、光学ケース2内に滞留した塵埃を吹き飛ばすなどの多目的利用を図ることもできる。この場合も、サンプリングエアaの拡散防止は行われるので、煙感知に誤動作は生じない。
2 光学ケース
3 発光素子
4 迷光部
5 集光レンズ
6 検煙部
7 受光素子
11 火災判断部
21 第1 のフィルタ
22 第2のフィルタ
23 吸引部
31 ファン
32 ポンプ又はファン
a サンプリングエア
b 清浄な空気
L 光
Claims (2)
- 内部が暗箱である光学ケースと、
監視空間から吸引した空気を、第1のフィルタを介して濾過して、検知対象となる気体として、該光学ケース内に流入させて検煙部を構成する第1の空気通路と、
前記監視空間から吸引した空気を、第2のフィルタを介して濾過して、清浄気体として、流通させるための経路であって、前記第1の空気通路の周囲を環状に囲む第2の空気通路と、
前記光学ケース内に配設した発光素子と、
該発光素子から発光した光が前記検煙部に存在する煙粒子によって生じる散乱光を受光する受光素子と、
前記発光素子に対向配置されて迷光を減衰させる光トラップと、
前記受光素子の出力信号を増幅する受光増幅回路と、
増幅された前記出力信号をA/D変換した検出レベルが閾値以上で火災判別する火災判断部と、
を設けたことを特徴とする煙感知器。 - 前記火災判断部は、前記検煙部の煙濃度上昇または汚れを検出した時、前記第1の空気通路または前記第2の空気通路の気体供給量を調整する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の煙感知器。
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