JP4978577B2 - 発光素子の製造方法 - Google Patents
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この電流拡散層は例えば、全体として200μm程度の厚さにまで成長されることがある。
このため、Siは電流拡散層がp型のときn型ドーパントとして働き、第一電流拡散層と第二電流拡散層の界面に反転n型層が形成されてしまい、得られる発光素子の駆動時の順方向電圧(Vf)が増大するという不具合につながる。同様に、界面の酸素濃度が高くなることで抵抗率が上昇し、順方向電圧(Vf)が増大して消費電力が大きくなっていた。
このように製造された発光素子であれば、設計値に比べて順方向電圧(Vf)が大きくなるといった不具合がほとんど生じないため、消費電力の増大を防ぐことができる。
このように、p型第二電流拡散層が成長開始してから2μm成長するまで、本発明の熱処理工程から続けて水素を上記の線速で流すことにより、界面から成長初期のp型第二電流拡散層におけるSiや酸素等の不純物汚染が低減されるため、発光素子の順方向電圧(Vf)の増大を、より効果的に低減することができる。
このように、特に不純物汚染が発生しやすい成長温度まで昇温する過程中に、本発明の熱処理工程を行うことで、p型第二電流拡散層の界面や成長初期段階の汚染をより効果的に低減することができ、さらには成長温度に昇温後、すぐにエピタキシャル成長させることができるので効率的である。
このように、p型第一電流拡散層との界面から2μmまでのp型第二電流拡散層のSi濃度、酸素濃度が上記の範囲の発光素子であれば、電流拡散層がp型の時にn型ドーパントとして働くSiや、抵抗率を上昇させる酸素の濃度が低いため、順方向電圧(Vf)が設計値に比べて高くなる不具合が防止されて、消費電力の増大が低減された発光素子となる。
このように、Si濃度、酸素濃度が上記の範囲であれば、さらに消費電力の増大が低減された発光素子となる。
このように製造された発光素子であれば、p型第一電流拡散層との界面から例えば2μmまでのp型第二電流拡散層のSi濃度、酸素濃度が非常に低減された発光素子とすることができるため、順方向電圧(Vf)が設計値に比べて高くなるといった不具合がほとんど発生せず、消費電力の増大を防ぐことができる。
まず、図2に示すように、本発明の発光素子は、n型GaAs単結晶基板(以下、単に基板という)の第一主表面上に発光層部が形成されている。
詳しくは、基板の第一主表面と接するようにn型GaAsバッファ層が形成され、そのバッファ層上にAlGaInPからなる4元発光層部が形成される。そして、その発光層部の上にMOVPE法により例えばp型GaPからなる第一電流拡散層が形成され、更にHVPE法によりp型GaPからなる第二電流拡散層が形成されている。そして、その電流拡散層の上に、発光層部に発光駆動電圧を印加するための第一電極が形成されている。また、基板の第二主表面側には第二電極が全面に形成されている。
なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm3程度を上限とする)をも排除するものではない。
また、本発明の発光素子のp型第二電流拡散層は、p型第一電流拡散層との界面から2μmまでの酸素濃度が1×1016〜1×1018個/cm3であり、好ましくは1×1016〜5×1017個/cm3の範囲にある。
このように本発明の発光素子では、例えばp型GaPからなるp型第二電流拡散層は、その界面から2μmまでのSi濃度、酸素濃度が低く抑えられているため、発光素子の順方向電圧(Vf)が設計値に比べて高くなってしまうといった不具合が生じることがなく、消費電力の増大を抑制することができる。
まず、図1の工程(a)に示すように、成長用単結晶基板としてのn型GaAs単結晶基板を準備して洗浄した後、MOVPE炉に入れて、n型GaAs単結晶基板上に、n型GaAsバッファ層を、例えば0.5μmエピタキシャル成長させる。
Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など。
Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など。
In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
P源ガス:トリメチルリン(TMP)、トリエチルリン(TEP)、ホスフィン(PH3)など。
(p型ドーパント)
Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)など。
Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
エピタキシャル成長させる際には、第一室と第二室の内部は、HVPE反応が十分に進むよう、適正な成長温度に昇温され、成長容器15内にはガス導入口14より例えば塩化水素ガスと、キャリアガスと、P源ガスと、ドーパントガスが導入される。本発明の熱処理工程では、このガス導入口14から水素を上記の線速で流しながら行う。
また、本発明の、「水素を線速12(m/min)以上」とは、炉内の成長容器に1分間当り流す水素の流量(m3/min)を成長容器の断面積(m2)で割った値である。
また、ここで本発明の熱処理工程が行われる、p型第一電流拡散層を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程の後、p型第二電流拡散層をHVPE法によりエピタキシャル成長させる工程の前とは、p型第一電流拡散層をエピタキシャル成長させる工程後から、基板をHVPE炉内に投入して炉内温度が成長温度まで上がり、原料ガスを流入させることでp型第二電流拡散層が実際に成長開始するまでのことをいう。
このように、昇温の際に、従来は線速6(m/min)程度の水素を炉内へ流しながら行っていたが、成長温度まで昇温する過程の不純物汚染が発生しやすい間に、本発明の熱処理工程により水素を従来の倍以上で流しながら昇温することで、p型第二電流拡散層の界面や初期段階の汚染をより効果的に低減することができ、さらには成長温度で熱処理を行ってから、そのまま不純物濃度が低い状態で後の工程のエピタキシャル成長を行うことができるため、効率的に発光素子の製造を行うことができる。
Ga(液体)+HCl(気体)→GaCl(気体)+1/2H2(気体)‥‥(1)
また、V族元素であるPは、PH3を、キャリアガスであるH2とともに基板上に供給して、下記(2)式の反応によりGaPを生成させる。さらに、p型ドーパントであるZnは、DMZn(ジメチルZn)の形で供給する。
GaCl(気体)+PH3(気体)
→GaP(固体)+HCl(気体)+H2(気体)‥‥(2)
このように、本発明の熱処理工程における、HVPE炉内に水素を線速12(m/min)以上で流すことを、p型第二電流拡散層のエピタキシャル成長開始後にも継続して2μm成長するまで水素を上記線速で流すことで、特に不純物汚染が発生しやすい成長初期において、炉内の酸素やSiの濃度を非常に低くすることができ、界面近傍や層全体の汚染をより低減することができる。
図1に示す工程に従い、発光素子を製造するに際し、厚さ280μmのn型GaAs基板上にn型GaAsバッファ層を0.5μm成長させた後、MOVPE法でAlGaInP発光層を6.5μm形成し、更にp型GaPからなる第一電流拡散層を1μm形成する。
以上の工程で製造された複数のエピタキシャルウエーハについて、HVPE炉に移してp型GaPからなる第二電流拡散層を成長させるため常温から所定の成長温度である750℃に昇温する間、水素ガスの線速を従来法の5.5(m/min)から45.7(m/min)の間でそれぞれ線速を変えて、本発明の熱処理工程を行った。
次に、それぞれのエピタキシャルウエーハに真空蒸着法により第一電極及び第二電極を形成し、更に第一電極上にボンディングパッドを配置して、適当な温度で電極定着用のベーキングを施し、その後、ダイシングによりチップ化して発光素子を得た。
結果を図4−7に示す。
なお、濃度の値は、界面から第二電流拡散層2μmの位置までの最大値を表す。
13…融液、 14…ガス導入口、15…成長容器、 W…基板。
Claims (3)
- 少なくとも、GaAs基板上にAlGaInPからなる4元発光層をエピタキシャル成長させる工程と、該成長させた4元発光層上にp型第一電流拡散層を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、該成長させたp型第一電流拡散層上にp型第二電流拡散層をハイドライド気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程とを有する発光素子の製造方法であって、
少なくとも、前記p型第一電流拡散層を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程の後、前記p型第二電流拡散層をハイドライド気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程の前に、HVPE炉内に水素を線速12(m/min)以上で流しながら前記基板を熱処理する工程を有することを特徴とする発光素子の製造方法。 - 前記HVPE炉内に水素を線速12(m/min)以上で流すことを、前記p型第二電流拡散層をハイドライド気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程において前記p型第二電流拡散層が2μmに成長するまで継続することを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
- 前記熱処理する工程を、前記p型第二電流拡散層をハイドライド気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程のための成長温度まで昇温する際に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子の製造方法。
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