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JP4974025B2 - 基礎と柱の連結構造、連結金物 - Google Patents

基礎と柱の連結構造、連結金物 Download PDF

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JP4974025B2 JP2006340538A JP2006340538A JP4974025B2 JP 4974025 B2 JP4974025 B2 JP 4974025B2 JP 2006340538 A JP2006340538 A JP 2006340538A JP 2006340538 A JP2006340538 A JP 2006340538A JP 4974025 B2 JP4974025 B2 JP 4974025B2
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Description

この発明は、木造構造物において、コンクリート製の基礎と柱とを強固に連結し、取り分け柱の引抜力を高めることを目的とした基礎と柱の連結構造、およびこの連結構造に使用する連結金物に関する。
従来、木造構造物では、基礎の上面に土台を固定し、土台に柱を立てていた。この場合、基礎と土台と柱を一体に構成するために、例えば、基礎と土台を連結するために、基礎に埋設したアンカーボルトの上端部を土台の縦孔に挿通して、アンカーボルトの上端部に各種ナットを螺合して土台の上面に固定していた。また、基礎と柱とを連結するために、柱の側面に引き寄せ金物(ホールダウン金物)を固定し、土台の縦孔を貫通したアンカーボルトの上端部にナットを螺合して引き寄せ金物に係止固定していた。
この場合、「土台と基礎」「基礎と柱」は接合されるが、3部材が接合されないことを解決し、また土台用、基礎用の別々のアンカーボルトが必要となりアンカーボルトの本数が増えることを解決するため、アンカーボルトの上端部につば付きナット(座付きつなぎナット)で土台に固定し、つば付きナットに、引き寄せ金物に頭部を係止固定するボルトの先端部を螺合緊結する構造が提案されていた(特許文献2、3)。また、筋かい固定用の金物を土台に固定するために、筋かい固定金物の上面でアンカーボルトの上端部を長ナットで固定し、長ナットに引き寄せ金物に係止固定したボルトの下端部を螺合緊結する構造も提案されている(特許文献1)。
また、アンカーボルトの軸と引き寄せ金物の取り付け軸とが一致していることが望ましいが、これがずれた場合を考慮して、アンカーボルトの上端部と引き寄せ金物に頭部を係止固定したボルトの下端部を、偏芯した螺穴を有する連結調整ナット(偏心調整金物)を介して連結する構造が提案されている(特許文献4、5)。
特開平10−18425 特開2001−241115 特開2002−167867 特開2002−302999 特開2003−129567
前記従来の技術では、基礎と土台と柱の緊結は強化されるが、柱の引抜力自体を高めることはできなかった。柱自体の材料強度を限度として、一つの柱で負担すべき引抜力を高めるためには、アンカーボルトや引き寄せ金物の材料強度を高め、あるいは柱に連結されるアンカーボルトと引き寄せ金物の数を増やさなければならかった。この場合、土台22、22の隅部では、柱36の隣接する2側面に(図4(b))、土台22の中間部では柱36の対向する2側面に(図4(a))、夫々引き寄せ金物42を固定して、対応するアンカーボルト25を埋設する構造、あるいは柱36の1側面に2つの引き寄せ金物42、42を並べる構造も考えられた(図4(c))。
しかし、これらの方法では、柱36の同一高さに、引き寄せ金物42が固定されるため柱36と引き寄せ金物42とを固定するためのボルトやスクリューボルトの本数が集中して、柱36の断面欠損が大きくなり、曲げなどに対する柱36の強度が軽減される問題点があった。また、第三の構造では、基礎の巾方向にアンカーボルト25、25が並列するため、アンカーボルト25、25のコンクリートかぶり厚を確保し難い問題点もあった。
然るに、この発明は、柱の側面に、第一挿通孔を有する第一連結部と第二第三挿通孔を有する第二連結部を軸を一致させて上下に縦列した連結金物を使用し、あるいは、第一挿通孔を有する第一連結部を固定した連結金物と、第二第三挿通孔を有する第二連結部を固定した連結金物とを軸を一致させて縦列したので、前記問題点を解決した。
即ちこの発明は、基礎上に、土台を介してあるいは直接に、柱を立設した構造であって、以下の要件を具備して構成したことを特徴とする基礎と柱の連結構造である。
(1) 前記柱の側面に、上方から順に第一連結金物、第二連結金物を縦列固定すると共に、前記第一連結金物は第一挿通孔を有する第一連結部を有し、前記第二連結金物は第二挿通孔及び第三挿通孔を有する第二連結部を有する。かつ前記第一挿通孔と前記第二挿通孔とは柱の軸と平行な軸と同軸に配置した。
(2) 前記基礎に埋設されたアンカーボルトで、前記柱の側面に近い側を第一アンカーボルト、遠い側を第二アンカーボルトとし、前記第二挿通部を通過した前記第一アンカーボルトの上端部を直接に、あるいは接続金物を介して、前記第一連結金物の第一連結部に連結する。
(3) 前記第二アンカーボルトの上端部を、前記第二連結金物の第二連結部に連結する。
また、他の発明は、基礎上に土台を介してあるいは直接に、柱を立設した構造であって、以下の要件を具備して構成したことを特徴とする基礎と柱の連結構造である。
(1) 前記柱の側面に、連結金物を固定し、該連結金物は、上方から順に第一連結部、第二連結部を備え、前記第一連結部には第一挿通孔を有し、前記第二連結部には前記第一挿通孔と同軸の第二挿通孔及び第三挿通孔を有する。かつ前記第二挿通孔と第三挿通孔は柱の側面と略平行に配置し、かつ前記第二挿通孔を前記柱からから近い側、第三挿通孔を前記柱から遠い側に夫々位置させる。
(2) 前記基礎に埋設されたアンカーボルトで、前記柱の側面に近い側を第一アンカーボルト、遠い側を第二アンカーボルトとし、前記第二挿通部を通過した前記第一アンカーボルトの上端部を直接に、あるいは接続金物を介して、前記第一連結部に連結する。
(3) 前記第二アンカーボルトの上端部を、前記連結金物の第二連結部に連結する。
さらに、他の発明は、以下のような条件を満たすことを特徴とする連結金物である。
(1) 柱の側面に固定できる基板の上部に、第一連結部を形成し、下部に第二連結部を形成する。
(2) 前記第一連結部は、基礎に埋設したアンカーボルトの上端部を挿通可能な第一挿通孔を有し、第二連結部は、前記アンカーボルトを挿通できる第二挿通孔と、他のアンカーボルトを挿通できる第三挿通孔とを有する。かつ前記第一挿通孔と前記第二挿通孔とを同軸に形成する。
(3) 前記第一連結部は、前記アンカーボルト又は前記アンカーボルトの上縁に連結する接続棒材を係止固定できる第一係止縁を有し、第二連結部は、他のアンカーボルトの上端を係止固定できる第二係止縁を有する。
前記における「連結」とは荷重を受けるように接続することを指し、螺合、係止等その構造は任意である。
この発明は、柱の側面に、第一挿通孔を有する第一連結部と第二第三挿通孔を有する第二連結部とを、軸を一致させて上下に縦列した連結金物を使用し、あるいは、第一挿通孔を有する第一連結部を固定した連結金物と、第二第三挿通孔を有する第二連結部を固定した連結金物とを軸を一致させて縦列したので、1つの柱の一つの側面に対して、2つのアンカーボルトを連結することができ、コンクリート製の基礎と柱の連結を高め、柱の引抜力を強化できる効果がある。また、連結金物、アンカーボルトなどが同軸で縦に一列に並ぶので、柱側面に余裕ができ、和室の真壁構造などに有効に対応できる。
また、1つの柱の側面に対して、連結金物の連結部の数を増やし、あるいは、連結部を有する連結金物の数を縦に増やすことにより、使用するアンカーボルトの数を調節して、引抜力の調節が容易にできる効果がある。
(1) 鋼板製の基板1の表面1aの中央部及び下側3に、基端部10a、13aを表面1aに当接して、断面逆U字状の第一連結部10、第二連結部13を夫々固着する。連結部10、13の高さ(U字状の凸の先端10b、13bまでの距離)L、Lを、
<L
とする(図1(b))。また、第一連結部10のU字状曲面部分の内側に第一挿通孔11を形成し、第二連結部13の基端部12a、12a側の空間に、第一挿通孔11と同軸の第二挿通孔14を形成し、第二連結部12の先端13b側に第三挿通孔15を形成する(図1(c)(d)(e))。また、第一連結部10の第一挿通孔11の上端11a(一側2の縁)を係止縁とし、第二連結部13の第二挿通孔14、第三挿通孔15の上端14a、15a(一側2の縁)を夫々係止縁とする。基板1で、第一連結部10と第二連結部13の間、基板1の一側2側に、ビス類を挿通する透孔8、8を多数穿設して、連結金物17を構成する(図1)。
(2) コンクリート製の基礎20に、アンカーボルト25A、25Bの下端部が埋設され、アンカーボルト25A、25Bは基礎20の長さ方向に、緩衝しないにように、間隔(距離)L(L≒L−L)を空けてあり、上端部26A、26Bが、基礎20の上面21から突出している(図1(b)(c)。
基礎20の上面21に、縦孔24、24にアンカーボルト25A、25Bを挿通しながら、土台22を連結する。土台22の上面23に、柱36を立設すると共に、上面23に突出しているアンカーボルト25Aの上端部26Aを第二挿通孔14、第一連結部10の第一挿通孔11に挿通し、アンカーボルト25Bの上端部26Bを、第三挿通孔15に挿通しながら、各連結部10、13にアンカーボルト25A、25Bを係止固定して、柱36の側面37に連結金物17を固定する。以上のようにして、連結構造40を構成する(図2)。
(3) 連結金物17は、第一連結部10を含む上側の連結金物17Aと、第二連結部13を含む下側の連結金物17Bとに分割して、連結構造40を構成することもできる(図3)。
図1、図2に基づきこの発明の実施例を説明する。
1.連結金物17の構成
(1) 所定厚さの鋼板から、柱36の側面37に当設して、柱36の側面37に固定される基板1とする。基板1は、柱36の軸方向に沿って長い長方形状に形成される。基板1は、柱36に当設する側の面を裏面1b、他側を表面1aとし、使用時に上に位置する側を一側2とし、使用時に下に位置する側を他側3とする。
基板1の中央部4に、長さ方向に沿った軸上に、表面1a側に凸となるように、補強リブ5を形成する。同様に、基板1の他側3に、長さ方向に沿った軸上に、表面1a側に凸となるように、補強リブ6を形成する。補強リブ5、6は、基板1の裏面1b側に凹部5b、6bが形成され、軸方向に長い長方形状で両端5a、5a、6a、6aが円弧状に形成されている。
基板1の補強リブ5、補強リブ6の間、基板1の一側2側に、柱36と固定する為のビス類を挿通する透孔8、8を多数穿設する。
(2) 基板1の表面1a側で、補強リブ5を跨ぐように、断面逆U字状の第一連結部10、補強リブ6を跨ぐように、断面逆U字状の第二連結部13を夫々固着する。連結部10、13の基端部10a、13aは、軸方向で補強リブ5、6の中央部両側に夫々位置し、表面1aに当設固着されている。即ち、基板1の表面1aに対して、U字状の凸となっており、基板1の表面1aから第二連結部13の先端13bまでの距離Lは、基板1の表面1aから第一連結部10の先端10bまでの距離Lより、長く形成されている(図1(b))。
また、第一連結部10のU字状曲面部分の内側が第一挿通孔11を形成している。第二連結部12の基端部12a、12a側の空間に、第一挿通孔11と基板1の長さ方向(柱の軸方向)で同軸となるような第二挿通孔14が形成され、第二挿通孔14より先端13b側(即ち、U字状曲面部分の第二連結部13のU字状曲面部分の内側)に第三挿通孔15が形成されている。第二挿通孔14及び第三挿通孔15は、U字状の第一連結部13の内側の同じ空間に位置している(図1(c)(d)(e))。
また、補強リブ5、6が、夫々連結部10、13の第一挿通孔11、第二挿通孔14を夫々貫通して、補強リブ5、6の中間部は連結部10、13内に位置し、補強リブ5、6の両側5a、6aが連結部10、13の外側に位置している。
また、第一連結部10の第一挿通孔11の上端11a(一側2の縁)が係止縁を構成し、第二連結部13の第二挿通孔14、第三挿通孔15の上端14a、15a(一側2の縁)が夫々係止縁を構成する。
以上のようにして、連結金物17を構成する(図1)。
2.基礎20と柱36の連結構造40
(1) 通常の方法により、コンクリート製の基礎20を構築し、この際、通常の方法により基礎20に、アンカーボルト25A、25Bが埋設され、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bが、基礎20の上面21から突出している。アンカーボルト25A、25Bは土台22の長さ方向に並列され、その距離Lは、コンクリート製の基礎20内で必要なかぶり厚を確保するなど緩衝しないような距離で形成されている。また、
≒L−L
で形成されている(図1(b)(c))。
基礎20の上面21に土台22を載せる。土台22には、予めアンカーボルト挿通用の縦孔24、24が穿設され、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bは縦孔24を貫通して、土台22の上面23から上方に突出している。アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bは、連結金物17の第一連結部10、第二連結部13の高さに応じて突出量を予め定めてあり、アンカーボルト25Aの上端部26Aが上端部26Bより高く位置している。また、必要ならば、土台22は他のアンカーボルトで基礎20に固定する(図示していない)。
柱36の側面37に、アンカーボルト25A、25Bの固定位置に合わせて、連結金物17をスクリューボルト38、38で固定する。柱36の柱脚側(下端)36aに連結金物17の基板1の他側3が位置するように配置され、柱36の軸37bと連結金物17の軸18とを一致させてある(図1(b)、図2)。
柱36を通常の方法により土台22の上面23に立て、アンカーボルト25Aの上端部26Aを連結金物17の第二連結部13の第二挿通孔14に挿通して、第一連結部10の連の第一挿通孔11を挿通する。また、アンカーボルト25Bの上端部26Bを、連結金物17の第二連結部13の第三挿通孔15に挿通する。
(2) 続いて、アンカーボルト25Bの上端部26Bにワッシャー35aを通してナット35を螺合して、ワッシャー35aを第二連結部13の第三挿通孔15の上端15a(第二連結部13の上縁)に係止固定する。同様に、アンカーボルト25Aの上端部26Aにワッシャー34aを通してナット34を螺合して、ワッシャー34aを第一連結部10の第一挿通孔11の上端11a(第一連結部10の上縁)に係止固定する。
尚、ここで、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bを直接に、第一連結部10、第二連結部13に連結したが、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bに長ナットを介して螺杆(両端部にねじを形成した鋼棒やボルト)を連結して、螺杆の上端にナットを螺合して第一連結部10、第二連結部13に連結することもできる(図示していない)。
(3) 続いて、通常の方法により、筋かい、壁、床を構築する(図示していない)。この際、連結金物17は従来と同様の巾で形成できるので、従来の接合用金物を使用した施工方法と同様の方法を採用できる。とりわけ、和室などの真壁造りの仕上げをする場合に好都合の柱を構成できる。
3.他の実施例
前記実施例において、補強リブ5、6と連結部10、13は2つ形成したが、3つ以上形成することもできる(図示していない)。この場合、基板1の他側3を延長して、第二連結部13の他側3側(下方)に、先端までの距離L(L>L、L≒L+L)の第三連結部を固定する(図示していない)。
また、前記実施例において、補強リブ5、6を形成すれば、第一連結部10、第二連結部13の取り付け部分の基板1を補強できるので、結果として連結金物17全体の強度を高められるので好ましいが、補強リブ5、6は省略できる(図示していない)。
また、前記実施例において、連結金物17を、軸18を一致させて、複数個を柱36の側面37に縦列して固定することもできる(図示していない)。また、連結金物17の上方に、従来の引き寄せ金物を、軸18を一致させて配置し、柱36の側面37に縦列して固定することもできる(図示していない)。
また、前記実施例において、予め柱36に連結金物17を取り付けたが、土台22に柱36を立設した後に、連結金物17を柱36に固定して連結構造40を構成することもできる。即ち、連結金物17の各連結部10、13の各挿通孔11、14、15にアンカーボルト25A、25Bを挿通しながら、連結金物17を柱36の側面37に当てる。その後、透孔8、8にスクリューボルト38、38を打ち込み、連結金物17を柱36に固定する。また、この場合、アンカーボルト25Aの長さを短めに形成して、第二連結部13の第二挿通孔14を通過した上方で、長ナットなどを介して螺杆を繋ぎ、螺件を第一連結部10に係止固定することが望ましい(図示していない)。
図3に基づきこの発明の実施例を説明する。
1.連結金物17A、17B
この実施例に使用する連結金物は、実施例1の連結金物17において、第一連結部10を有する連結金物17Aと、第二連結部13を有する連結金物17Bとに分割したもので、両連結金物17A、17Bを縦列して使用した構造である。
即ち、所定厚さの鋼板から、柱36の側面37に当設して、柱36の側面37に固定される基板1とし、基板1の他側(下側)3に、補強リブ5を形成する。基板1の一側2側(上側)に、柱36と固定する為のビス類を挿通する透孔8、8を多数穿設する。基板1の表面1a側で、補強リブ5を跨ぐように、断面逆U字状の第一連結部10を当設固着して、連結金物17Aを構成する(図3)。
また、所定厚さの鋼板から、柱36の側面37に当設して、柱36の側面37に固定される基板1とし、基板1の他側(下側)3に、補強リブ6を形成する。基板1の一側(上側)2に、柱36と固定する為のビス類を挿通する透孔8、8を多数穿設する。基板1の表面1a側で、補強リブ6を跨ぐように、断面逆U字状の第二連結部13を当設固着して、連結金物15A、15Bを構成する(図3)。
第一連結部10、第二連結部13の構成は前記実施例1と同様である。即ち、基板1の表面1aに対して、U字状の凸となっており、基板1の表面1aから第二連結部13の先端13bまでの距離Lは、基板1の表面1aから第一連結部10の先端10bまでの距離Lより、長く形成されている。
また、第一連結部10のU字状曲面部分の内側が第一挿通孔11を形成している。第二連結部12の基端部12a、12a側の空間に、第一挿通孔11と基板1の長さ方向(柱の軸方向)で同軸となるような第二挿通孔14が形成され、第二挿通孔14より先端13b側(即ち、U字状曲面部分の第二連結部13のU字状曲面部分の内側)に第三挿通孔15が形成されている。第二挿通孔14及び第三挿通孔15は、U字状の第二連結部13の内側の同じ空間に位置している。
2.基礎20と柱36の連結構造40
この実施例の連結構造40は、実施例1では1つの連結金物17を使って形成されたが、この実施例では、2つに分割された連結金物17A、17Bを縦列した相違だけであり、他は同様である。
(1) 通常の方法により、コンクリート製の基礎20にアンカーボルト25A、25Bを埋設して、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bを基礎20の上面21から突出させる。アンカーボルト25A、25Bは土台22の長さ方向に並列され、その距離L0は、コンクリート製の基礎20内で必要なかぶり厚を確保するなど緩衝しないような距離で形成されている。また、
≒L−L
で形成されている。
基礎20の上面21に土台22を載せ、土台22の縦孔24、24を通して、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bを、上面23から上方に突出させる。アンカーボルト25Aの上端部26Aを、連結金物17Aの第一連結部10の高さに位置させ、アンカーボルト25Bの上端部26Bは、連結金物17Bの第二連結部13の高さに位置させる。また、土台22は必要ならば、他のアンカーボルトで基礎20に固定する(図示していない)。
柱36の側面37に、アンカーボルト25A、25Bの固定位置に合わせて、連結金物17A、17Bをスクリューボルト38、38で固定し、柱36の柱脚側(下端)36aに連結金物17A、17Bの基板1の他側3が夫々位置し、柱36の軸37bと連結金物17A、17Bの軸18とを一致させてある(図3)。
柱36を通常の方法により土台22の上面23に立て、アンカーボルト25Aの上端部26Aを連結金物17Bの第二連結部13の第二挿通孔14に挿通して、連結金物17Aの第一連結部10の第一挿通孔11を挿通する。また、アンカーボルト25Bの上端部26Bを連結金物17Bの第二連結部13の第三挿通孔15に挿通する。
(2) 続いて、アンカーボルト25Bの上端部26Bにワッシャー35aを通してナット35を螺合して、ワッシャー35aを、連結金物17Bの第二連結部13の第三挿通孔15の上端15a(第二連結部13の上縁)に係止固定する。同様に、アンカーボルト25Aの上端部26Aにワッシャー34aを通してナット34を螺合して、ワッシャー34aを、連結金物17Aの第一連結部10の第一挿通孔11の上端11a(第一連結部10の上縁)に係止固定する。
また、前記実施例1と同様に、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bを直接に、第一連結部10、第二連結部13に連結したが、アンカーボルト25A、25Bの上端部26A、26Bに、長ナットなどを介して螺杆(両端部にねじを形成した鋼棒、ボルト)を連結して、螺杆の上端にナットを螺合して第一連結部10、第二連結部13に連結することもできる(図示していない)。
(3) 続いて、通常の方法により、筋かい、壁、床を構築する(図示していない)。この際、連結金物17は従来と同様の巾で形成できるので、従来の接合用金物を使用した施工方法と同様の方法を採用できる。とりわけ、和室などの真壁造りの仕上げをする場合に好都合の柱を構成できる。
3.他の実施例
前記実施例において、連結金物15A、15Bを2つ使用して、2本のアンカーボルト25A、25Bに対応したが、連結金物、アンカーボルトを3つ以上使用することもできる(図示していない)。この場合、増加する連結金物17Cは、連結金物1の下方に配置して使用し、基板1の表面1aから先端までの距離L(L>L、L≒L+L)の第三連結部を固定して構成する。アンカーボルト25Cは、同様に第三連結部に対応して埋設する(図示していない)。
また、前記実施例において、増加する連結金物として、実施例1の連結金物17を使用することもできる(図示していない)。また、前記実施例において、連結金物17Aは同様の構成の第一挿通孔11を含む第一連結部10を有し、連結金物17Bは同様の構成の第二第三挿通孔14、15を含む第二連結部13を有する構成であれば、従来の引き寄せ金物(ホールダウン金物)を使用することもできる(図示していない)。
また、前記実施例において、予め柱36に連結金物17A、17Bを取り付けたが、実施例1と同様に、土台22に柱36を立設した後に、連結金物17A、17Bを柱36に固定して連結構造40を構成することもできる。即ち、連結金物17A、17Bの各連結部10、13の各挿通孔11、14、15にアンカーボルト25A、25Bを挿通しながら、連結金物17A、17Bを柱36の側面37に当てる。その後、透孔8、8にスクリューボルト38、38を打ち込み、連結金物17A、17Bを柱36に固定する。また、この場合、アンカーボルト25Aの長さを短めに形成して、連結金物17Bの第二連結部13の第二挿通孔14を通過した上方で、長ナットなどを介して螺杆を繋ぎ、螺件を連結金物17Aの第一連結部10に係止固定することが望ましい(図示していない)。
この発明の実施例の連結金物で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)はA−A断面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図である。 この発明の実施例1の連結構造の斜視図である。 同じく実施例2の連結構造の斜視図である。 (a)〜(c)は、従来例の斜視図である。
符号の説明
1 基板
1a 基板の表面
2b 基板の裏面
2 基板の一側(上側)
3 基板の他側(下側)
4 基板の中央部
5 補強リブ
6 補強リブ
8 透孔
10 第一連結部
10a 第一連結部の基端
10b 第一連結部の先端
11 第一挿通孔
11a 第一挿通孔の上端(係止縁)
13 第二連結部
13a 第二連結部の基端
13b 第二連結部の先端
14 第二連結孔
14a 第二挿通孔の上端(係止縁)
17、17A、17B 連結金物
20 基礎
21 基礎の上面
22 土台
23 土台の上面
25A、25B アンカーボルト
26A、26B アンカーボルトの上端部
34、35 ナット
34a、35a ワッシャー
36 柱
37 柱の側面
40 連結構造
42 引き寄せ金物(従来例)

Claims (3)

  1. 基礎上に、土台を介してあるいは直接に、柱を立設した構造であって、以下の要件を具備して構成したことを特徴とする基礎と柱の連結構造。
    (1) 前記柱の側面に、上方から順に第一連結金物、第二連結金物を縦列固定すると共に、前記第一連結金物は第一挿通孔を有する第一連結部を有し、前記第二連結金物は第二挿通孔及び第三挿通孔を有する第二連結部を有する。かつ前記第一挿通孔と前記第二挿通孔とは柱の軸と平行な軸と同軸に配置した。
    (2) 前記基礎に埋設されたアンカーボルトで、前記柱の側面に近い側を第一アンカーボルト、遠い側を第二アンカーボルトとし、前記第二挿通部を通過した前記第一アンカーボルトの上端部を直接に、あるいは接続金物を介して、前記第一連結金物の第一連結部に連結する。
    (3) 前記第二アンカーボルトの上端部を、前記第二連結金物の第二連結部に連結する。
  2. 基礎上に土台を介してあるいは直接に、柱を立設した構造であって、以下の要件を具備して構成したことを特徴とする基礎と柱の連結構造。
    (1) 前記柱の側面に、連結金物を固定し、該連結金物は、上方から順に第一連結部、第二連結部を備え、前記第一連結部には第一挿通孔を有し、前記第二連結部には前記第一挿通孔と同軸の第二挿通孔及び第三挿通孔を有する。かつ前記第二挿通孔と第三挿通孔は柱の側面と略平行に配置し、かつ前記第二挿通孔を前記柱からから近い側、第三挿通孔を前記柱から遠い側に夫々位置させる。
    (2) 前記基礎に埋設されたアンカーボルトで、前記柱の側面に近い側を第一アンカーボルト、遠い側を第二アンカーボルトとし、前記第二挿通部を通過した前記第一アンカーボルトの上端部を直接に、あるいは接続金物を介して、前記第一連結部に連結する。
    (3) 前記第二アンカーボルトの上端部を、前記連結金物の第二連結部に連結する。
  3. 以下のような条件を満たすことを特徴とする連結金物。
    (1) 柱の側面に固定できる基板の上部に、第一連結部を形成し、下部に第二連結部を形成する。
    (2) 前記第一連結部は、基礎に埋設したアンカーボルトの上端部を挿通可能な第一挿通孔を有し、第二連結部は、前記アンカーボルトを挿通できる第二挿通孔と、他のアンカーボルトを挿通できる第三挿通孔とを有する。かつ前記第一挿通孔と前記第二挿通孔とを同軸に形成する。
    (3) 前記第一連結部は、前記アンカーボルト又は前記アンカーボルトの上縁に連結する接続棒材を係止固定できる第一係止縁を有し、第二連結部は、他のアンカーボルトの上端を係止固定できる第二係止縁を有する。
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