JP4973183B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
このように構成することにより、総負荷を分担して各エンジンを小型化し、単一の高出力の大型エンジンを搭載する場合に比較して、安価に提供しようとするものである。
また、上述の特許文献1に記載された作業車輌においては、第1エンジンと第2エンジンとの左右方向での位置関係が記載されておらず、この第1エンジンと第2エンジンとが機体の左右方向の重量バランスを改善する位置に配置されるものか不明である。
即ち、請求項1記載の発明は、左右のクローラ(12)を有する走行装置(1)を備え、該走行装置(1)上側の前部右側の部位に操縦部(2)を設け、該操縦部(2)の後側に穀粒貯留装置(3)を設け、該穀粒貯留装置(3)の左側にフィードチェン(25)を備える脱穀装置(4)を設け、該脱穀装置(4)の前側に刈取装置(5)を設けたコンバインにおいて、水冷式の第1原動機(6)を右側のクローラ(12)の上方の部位に配置すると共に、空冷式の第2原動機(68)を脱穀装置(4)と刈取装置(5)の間における左側のクローラ(12)の上方の部位に配置することで、該第1原動機(6)と第2原動機(68)を機体全体の重心位置に対して左右方向に振り分けて配置し、前記第1原動機(6)によって走行駆動用の第1静油圧式無段変速装置(47)と脱穀装置(4)におけるフィードチェン(25)を除いた部位と穀粒排出装置を駆動し、前記第2原動機(68)によって刈取装置(5)とフィードチェン(25)を駆動する第2静油圧式無段変速装置(71)を駆動する構成とし、第1原動機(6)の外側部に第1冷却ファン(42)を設け、該第1原動機(6)から機体内側方へ突出した第1出力軸(44)の先端部には第2冷却ファン(46)を取り付け、該第2冷却ファン(46)からの送風によって前記第2原動機(68)を冷却する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものである。
また、空冷式の第2原動機(68)を、脱穀装置(4)と刈取装置(5)の間における左側のクローラ(12)の上方の部位に配置することで、第2エンジン(68)からの伝動系のメンテナンスを機体の左側面から容易に行なうことができる。
また、第1原動機(6)によって走行駆動用の静油圧式無段変速装置(47)と脱穀装置(4)におけるフィードチェン(25)を除いた部位と穀粒排出装置を駆動し、第2原動機(68)によって刈取装置(5)とフィードチェン(25)を駆動する静油圧式無段変速装置(71)を駆動する構成とすることで、バランスの良い伝動構成とすることができる。
また、第1原動機(6)から機体内側方へ突出した第1出力軸(44)の先端部には第2冷却ファン(46)を取り付け、この第2冷却ファン(46)からの送風によって第2原動機(68)を冷却する構成としたので、第1原動機(6)の駆動力を利用して第2原動機(68)を冷却でき、この冷却風が操縦部(2)とは反対の側に排風されるため、操縦部(2)の熱気も連れ出して、操縦部(2)を冷却することができる。
請求項5記載の発明によると、上記請求項2記載の発明の効果に加えて、第1原動機(6)によって走行駆動用の静油圧式無段変速装置(47)と脱穀装置(4)におけるフィードチェン(25)を除いた部位と穀粒排出装置を駆動し、第2原動機(68)によって刈取装置(5)とフィードチェン(25)と第2唐箕(29b)を駆動する静油圧式無段変速装置(71)を駆動する構成とすることで、バランスの良い伝動構成とすることができる。
請求項6記載の発明によると、上記請求項1から請求項4のいずれか一項記載の発明の効果に加えて、第2原動機(68)を静油圧式無段変速装置(71)を一体構成することで、第2原動機(68)と静油圧式無段変速装置(71)との間の伝動機構を簡略化して安価に製造できると共に故障を少なくすることができる。
図1〜図3に示すように、コンバインの機体は、走行装置1上側の前部一側に操縦部2を搭載し、該操縦部2の後側に穀粒貯留装置3を搭載し、該穀粒貯留装置3の側方に脱穀装置4を搭載し、該脱穀装置4の前側に刈取装置5を昇降自在に支持して構成する。
まず、第1エンジン6による伝動機構について説明する。
図1に示すように、水冷式の第1エンジン6は、右側のクローラ12の上方に配置され、機体全体の重心位置に対して右側に偏倚して搭載される。該第1エンジン6の外側部に冷却ファン(第1冷却ファン)42を設け、該冷却ファン42の外側にはラジエータ43を配置する。そして、該第1エンジン6の内側部から突出する出力軸(第1出力軸)44に3つの出力プーリ45を設けると共に、該出力軸44の先端部に第2冷却ファン46を取り付ける。
該空冷式の第2エンジン68は、前記脱穀装置4と刈取装置5との間に配置することにより、左側のクローラ12の上方に配置され、機体全体の重心位置に対して左側に偏倚して搭載される。該第2エンジン68の出力軸(第2出力軸)69は、該第2エンジン68の外側に突出して設けられ、該突出端部に出力プーリ70を設ける。これにより、第2エンジン68の伝動系のメンテナンスを機体の左側面から容易に行うことができる。そして、該出力プーリ70と、刈取装置5駆動用の静油圧式無段変速装置(第2静油圧式無段変速装置)71の入力軸に設けた入力プーリ72との間に伝動ベルト(第1伝動ベルト)73を巻き掛ける。前記刈取装置5駆動用の静油圧式無段変速装置71の出力軸に2つの出力プーリ74,74を設け、該一方の出力プーリ74と刈取装置5の入力軸に設けた入力プーリ75との間に伝動ベルト(第2伝動ベルト)76を巻き掛ける。また、前記他方の出力プーリ74とフィードチェン駆動軸77の内側端部に設けた入力プーリ78との間に伝動ベルト(第3伝動ベルト)79を巻き掛ける。前記フィードチェン駆動軸77の外側端部にはフィードチェン駆動スプロケット80を取り付けてフィードチェン25の前端部を巻き掛ける。また、前記フィードチェン駆動軸77の中間部に設けた出力プーリ81と、前記第2唐箕29bの回転軸端部に設けた入力プーリ82との間に伝動ベルト(第4伝動ベルト)83を巻き掛ける。尚、前記第2唐箕29bの回転軸端部と入力プーリ82との間には、逆転を防止するワンウェイクラッチ84を設ける。また、前記第1エンジン6の出力軸44の先端部に設けた第2冷却ファン46からの送風によって、第2エンジン68を冷却できるように構成する。これにより、第1エンジン6の駆動力を利用して第2エンジン68を冷却でき、また、この冷却風が操縦部2とは反対の側に排風されるため、操縦部2の熱気も連れ出され、操縦部2を冷却することができる。
また、前記詰まりセンサー104及び第1エンジン停止検出センサー109又は第2エンジン停止検出センサー110によって、第1エンジン6又は第2エンジン68のいずれかが過負荷によって停止したことが検出されると、コントローラ103から第2エンジン停止アクチュエータ112又は第1エンジン停止アクチュエータ111に出力がなされ、駆動していた側のエンジンが自動停止するように構成してもよい。即ち、一方のエンジンが過負荷で停止した場合には、刈取脱穀作業が行なえなくなるため、他方のエンジンも停止させることによって、トラブルを未然に防止することができる。
2 操縦部
3 穀粒貯留装置
4 脱穀装置
5 刈取装置
6 第1エンジン(第1原動機)
12 クローラ
23 穀粒排出装置
25 フィードチェン
29b 第2唐箕
42 冷却ファン(第1冷却ファン)
44 出力軸(第1出力軸)
46 第2冷却ファン
47 静油圧式無段変速装置(第1静油圧式無段変速装置)
68 第2エンジン(第2原動機)
69 出力軸(第2出力軸)
69b 伝動軸
71 静油圧式無段変速装置(第2静油圧式無段変速装置)
73 伝動ベルト(第1伝動ベルト)
76 伝動ベルト(第2伝動ベルト)
77 フィードチェン駆動軸
79 伝動ベルト(第3伝動ベルト)
80 フィードチェン駆動スプロケット
81 出力プーリ
82 入力プーリ
83 伝動ベルト(第4伝動ベルト)
84 ワンウェイクラッチ
93 マフラー
94 第1排気管
95 第2排気管
96 排気管(第3排気管)
97 伝動ケース
97a ギヤ伝動機構
97b 出力軸
98 油圧ポンプ
99 油圧モータ
100 刈取出力プーリ
101 フィードチェン出力プーリ
103 連繋手段
109 第1エンジン停止検出センサー(第1原動機停止検出センサー)
110 第2エンジン停止検出センサー(第2原動機停止検出センサー)
Claims (6)
- 左右のクローラ(12)を有する走行装置(1)を備え、該走行装置(1)上側の前部右側の部位に操縦部(2)を設け、該操縦部(2)の後側に穀粒貯留装置(3)を設け、該穀粒貯留装置(3)の左側にフィードチェン(25)を備える脱穀装置(4)を設け、該脱穀装置(4)の前側に刈取装置(5)を設けたコンバインにおいて、水冷式の第1原動機(6)を右側のクローラ(12)の上方の部位に配置すると共に、空冷式の第2原動機(68)を脱穀装置(4)と刈取装置(5)の間における左側のクローラ(12)の上方の部位に配置することで、該第1原動機(6)と第2原動機(68)を機体全体の重心位置に対して左右方向に振り分けて配置し、前記第1原動機(6)によって走行駆動用の第1静油圧式無段変速装置(47)と脱穀装置(4)におけるフィードチェン(25)を除いた部位と穀粒排出装置を駆動し、前記第2原動機(68)によって刈取装置(5)とフィードチェン(25)を駆動する第2静油圧式無段変速装置(71)を駆動する構成とし、第1原動機(6)の外側部に第1冷却ファン(42)を設け、該第1原動機(6)から機体内側方へ突出した第1出力軸(44)の先端部には第2冷却ファン(46)を取り付け、該第2冷却ファン(46)からの送風によって前記第2原動機(68)を冷却する構成としたことを特徴とするコンバイン。
- 前記脱穀装置(4)下部に備えた選別室の前壁の前側から選別風を吹き込む第2唐箕(29b)を設け、該第2唐箕(29b)を第2静油圧式無段変速装置(71)で駆動する構成とした請求項1記載のコンバイン。
- 前記脱穀装置(4)と穀粒貯留装置(3)の間の空間部に単一のマフラー(93)を配置し、前記第1原動機(6)と第2原動機(68)の夫々から第1排気管(94)と第2排気管(95)を介してマフラー(93)に排気を送る構成とし、該マフラー(93)の後端部には機体後方へ向けて設けた第3排気管(96)を接続した請求項1または請求項2記載のコンバイン。
- 機体各部に設けた異常検出手段(104)と第1原動機(6)の停止を検出する第1原動機停止検出センサー(109)とによって前記第1原動機(6)が過負荷によって停止したことが検出されるか、または、前記異常検出手段(104)と第2原動機(68)の停止を検出する第2原動機停止検出センサー(110)によって前記第2原動機(68)が過負荷によって停止したことが検出された場合に、該第1原動機(6)と第2原動機(68)のうちの過負荷によって停止した一方の原動機とは別の他方の原動機を自動的に停止させる連繋手段(103)を設けた請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバイン。
- 前記第2原動機(68)から機体外側方へ突出した第2出力軸(69)と前記第2静油圧式無段変速装置(71)の入力軸とを第1伝動ベルト(73)で連動し、第2静油圧式無段変速装置(71)の出力軸と刈取装置(5)の入力軸とを第2伝動ベルト(76)で連動し、該第2静油圧式無段変速装置(71)の出力軸とフィードチェン駆動軸(77)とを第3伝動ベルト(79)で連動し、前記フィードチェン駆動軸(77)の外側端部に設けたフィードチェン駆動スプロケット(80)にフィードチェン(25)の前端部を巻き掛け、前記フィードチェン駆動軸(77)の中間部に設けた出力プーリ(81)と第2唐箕(29b)の回転軸の端部に逆転防止用のワンウェイクラッチ(84)を介して設けた入力プーリ(82)との間に第4伝動ベルト(83)を巻き掛けたことを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
- 前記第2原動機(68)を、ギヤ伝動機構(97a)を内装した伝動ケース(97)の一側面に取り付け、前記第2静油圧式無段変速装置(71)を伝動ケース(97)の他側面に取り付け、前記第2原動機(68)から突出した第2出力軸(69)に接続する伝動軸(69b)を伝動ケース(97)を貫通させて設け、該伝動軸(69b)から第2静油圧式無段変速装置(71)の油圧ポンプ(98)を駆動する構成とし、該第2静油圧式無段変速装置(71)の油圧モータ(99)の出力軸を前記ギヤ伝動機構(97a)に連動させ、該ギヤ伝動機構(97a)の出力軸(97b)に刈取出力プーリ(100)とフィードチェン出力プーリ(101)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバイン。
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