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JP4971926B2 - 高強度高導電性二相銅合金圧延条 - Google Patents

高強度高導電性二相銅合金圧延条 Download PDF

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Description

本発明は強度と曲げ加工性に優れ、例えば電子機器用のばね材に好適に適用できる高強度高導電性二相銅合金圧延条に関する。
コネクタ製品の高密度化,小型化が飛躍的に進んでいることから、コネクタ用材料には充分な接触圧を持ちつつ,曲げ半径が小さいこと、つまり強度と曲げ加工性の両立が要求されている。
一般に、Cuに強化元素を添加して高強度化すると導電率が低下し、一方で導電率を上昇させるためCu純度を高めると低強度となる関係がある。そこで、Cu母相中に第二相を晶出させた合金系(複相合金)が開発された。この合金は、強加工することにより第二相がファイバ状に分散され、りん青銅と同等の強度を持ちつつ、母相はCuであるため、導電率が60%IACS(international annealed copper standard、焼鈍標準軟銅に対する電気伝導度の比)を超える高導電性材が得られている。この複相合金系としては、Cu-Cr、Cu-Agなどが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。又、Cu-Fe系合金も報告されている(特許文献4参照)。
特開平9-249925号公報 特開平06-279894号公報 特開平10-53824号公報 特開平11-213761号公報
しかしながら、従来の複相銅合金の場合,第二相の効果により材料強度は向上するものの,曲げ加工性が充分とはいえない。又、複相合金はその加工方向,すなわち第二相の延伸方向の強度や加工性に優れるため,複相合金を線材に用いる場合には強度上の問題は生じない。一方,複相合金を圧延材として用いる場合、プレス打抜き等の加工を行うため、圧延方向,圧延直角方向ともに充分な曲げ加工性を要求される。
ところが、複相合金の圧延材においては,圧延直角方向の曲げ加工性が圧延平行方向に比べて劣るという問題がある。これは上述した第二相の延伸方向と強度との関係(異方性)に起因する。特に,第二相を微細に分散させて強度を向上させることを目的として複相合金を強加工すると、材料組織の異方性が顕著となり曲げ加工性が低下する。
従って,従来の複相合金は強度と曲げ加工性を両立することができなかった。
又、特許文献4に記載されたようなCu-Fe系合金を用いる場合、一般の銅合金程度の高い強度を得るためにはFeを10質量%を超えて添加する必要があるが、合金の溶解温度が一般の銅合金より極めて高くなるという問題がある(Cu-15%Feで溶解温度が1450℃以上)。この場合、高温の溶湯を冷却して合金を鋳造するため冷却時間が長くなり,鋳造によって得られたFe晶出物が粗大となるため,高強度かつ高導電率という特性が得られない。
つまり、Cu-Fe系複相合金は,溶解が困難であるだけでなく充分な特性が得られず、現実的に製造が困難であるとされている。従来、Feを10%を超えて添加しないと一般の銅合金程度の強度が得られないとされてきた。しかしながら、多量(15%程度)のFeを添加すると溶解温度が高くなり、適切な炉材が少ないと共に、冷却時間が長くなるためにFe晶出物が粗大になるという問題があり、Cu-Fe系合金は実際には製造が困難である。一方、溶解温度を低減するにはFe添加量を 4-6%程度に低減することが有効であるが、この場合には第二相による強度向上効果が不充分となる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、強度と曲げ加工性に優れたCu-Fe系の高強度高導電性二相銅合金圧延条の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、Cu-Fe系二相合金を採用し、合金中にMgを固溶させることで、Fe添加量が10%以下であっても、Fe濃度が高い(10-30%)場合より合金の強度を向上させることに成功した。これはMgにより晶出物が微細化して従来の複相合金よりも相間の界面積が大きくなること、及びMgが主に銅母相に固溶してCu母相が強化されるためFe相が延伸して微細化して高強度となることによる。
上記の目的を達成するために、本発明の高強度高導電性二相銅合金圧延条は、質量%でFeを4%以上10%以下含有し0.01〜0.5%のMgが合金中に固溶し、残部Cu及び不可避的不純物からなり、0.2%耐力が700MPa以上であって、圧延直角方向の曲げ加工性(MBR/t)が1以下であり、Cu母相と第二相とからなる。
又、本発明の高強度高導電性二相銅合金圧延条は、質量%でFeを4%以上10%以下含有し0.01〜0.5%のMgが合金中に固溶し、残部Cu及び不可避的不純物からなり、0.2%耐力が700MPa以上であって、圧延直角方向の曲げ加工性(MBR/t)が圧延平行方向の曲げ加工性(MBR/t)と同一であり、Cu母相と第二相とからなる。
圧延直角断面から見たときの前記第二相の厚みが1μm以下であることが好ましい。
圧延直角断面から見たとき、隣接する前記第二相の間隔が1μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、強度と曲げ加工性に優れたCu-Fe系高強度高導電性二相銅合金圧延条が得られる。
以下、本発明に係る高強度高導電性二相銅合金圧延条の実施の形態について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
[Fe]
上記銅合金はFeを4%以上10%以下含有する。Feが4%以上含有されるとCu母相中に第二相として晶出し、いわゆる「複相合金」を構成する。Fe含有量が4%未満であるとFeはまったく晶出せず、第二相による複合強化の効果が少ない。
なお、Cu-Fe系合金として報告された文献においては、Fe10-30%まで添加した例がほとんどであり、強度はFe濃度に比例して高くなる傾向が見られる。しかしながらFe濃度が高くなるにつれて溶解温度が高くなり,晶出相が粗大になるため、Fe濃度が10%を超えても強度はほとんど向上せず効果が飽和する。
従来、Feを10%以上添加しないと一般の銅合金程度の強度が得られないとされてきた。しかしながら、多量(15%程度)のFeを添加すると溶解温度が高くなり、適切な炉材が少ないと共に、冷却時間が長くなるためにFe晶出物が粗大になるという問題があり、Cu-Fe系合金は実際には製造が困難である。一方、溶解温度を低減するにはFe添加量を 4-6%程度に低減することが有効であるが、この場合には第二相による強度向上効果が不充分となる。
そこで本発明においては,合金中にMgを固溶させることにより、合金の強度及び曲げ加工性の向上に成功した。
[第二相]
第二相は、Cu及び他の化学成分を含む合金溶湯から鋳造時にこれらの元素が晶出したものであり、晶出の際、第二相にFeが多く分配される。Cu,Feは互いに固溶する元素であり,Cu母相中に晶出する第二相はCuとFeを含むが、X線による定性分析によれば、第二相中のFe濃度は約80%以上と考えられる。但し、これに限定されるものではない。
又、第二相は,Cu母相内に例えば針状に晶出するが,晶出形態はこれに限定されない。第二相は、最終工程終了後の圧延組織の断面を研磨した後、SEM(走査型電子顕微鏡)のBSE(反射電子)像により、母相と異なる組成として観察することができる。組織が観察しにくい場合は、エッチング又は電解研磨を行ってもよい。
[Mg]
0.01〜0.5%のMgを合金中に添加すると、Mgが主にCu母相に固溶し、溶解鋳造時に晶出相を微細化する.微細化された晶出相は加工によって延伸し,さらに相間の界面積が増大することで高強度が得られる.その際,固溶したMgは第二相を延伸しやすくする効果がある。Mgは状態図から見て、第二相にはほとんど固溶せず、本発明の合金を実際にEPMAを用いた特性X線分析したところ、Mgが検出限界以下であったことを本発明者らは確認している。MgはFe晶出物(第二相)を微細化する。Mgの添加濃度を0.01〜0.5%とする。Mgの添加濃度が0.01%未満であると、Fe第二相を微細化する効果が得られず、0.5%を超えるとMgがCu母相へ固溶し難くなって酸化物(MgOなど)として晶出する。なお、Mgの添加濃度が0.3%を超えると粗大な粒子(酸化物、ノロ)が発生して曲げ加工性の劣化を招くと共に、この粗大粒子の粒径が第二相間の間隔よりも大きいため第二相を分断し,結果的に第二相の延伸を抑制してしまうため,強度が低下する。従って、好ましくはMg の含有量を0.3%以下とする。
さらに、Mgは銅合金を固溶強化させると共に、銅合金の再結晶温度を上昇させるので、耐熱性(半軟化温度)が向上する。
以上のように、Mgを添加することで、Cu-Fe系合金のFe濃度を10%以下に低減しても高強度が得られる。特に、4〜7%のFe濃度の範囲で,ばね材として要求される強度,0.2%耐力で700MPa以上の強度が得られ、40%IACS以上の高導電率が得られる。
合金中の固溶元素の含有割合の測定方法は、例えば得られた材料の表面又は断面をオージェ電子分光分析法(AES:Auger Electron Spectroscopy)により分析し、元素定量を行うことで求めることができる。この場合、予め、各元素の純物質に対して検量線を作成しておき、定量を行えばよい。
又、波長分散型(WDS;Wave-length Dispersive Spectroscopy)のEPMAを用いて、合金の定量分析を行うこともできる。
なお、同一供試材においても析出物の含有割合には、ばらつきがある。そこで、例えば1つの合金試料において50点に対し固溶元素の含有割合を測定し,その最大値を固溶元素の含有割合とすることができる。
本発明においては、合金中に添加したFeはCuと二相合金を形成する。通常、FeをCu母相に析出させる熱処理(時効処理)はなくてもよいが、時効処理しなくとも溶解鋳造,熱間圧延等の高温での工程では冷却時に意図的ではない析出物が析出することもある。ただし,これらの析出物は,数が少なく特性に影響を及ぼさない。Feは第二相として晶出した際、Cu母相にFeが所定濃度で固溶する。この場合、状態図によれば、Cu中に固溶するFeの固溶限は1094℃における平衡状態において約3.8%である。但し、溶解鋳造時の冷却速度によってFeの晶出量及び析出量は変化する。本発明者らの検討によれば、実質的に4%以上のFe濃度で二相合金が形成されることを確認している。
なお、上記したように、本発明においては、Mgによる微細化効果によって、充分な強度と導電性が得られる。
上記銅合金中の不可避的不純物の含有量は、JISに規格する無酸素銅と同一であるのが好ましい。例えば、JIS H 2123に規格する無酸素形銅C1011における、不純物の含有量と同等にすることができる。
これらの不純物としては、Gd,Y,Yb,Nd,In,Pd,Teを挙げることができる。
ところで、複相合金は,複合則を利用し、又は異相界面の面積を増加させることで強化する合金であり、異相界面の面積を増加することによる効果が大きい。このため、i)第二相が合金中に数多く分散している(同じ体積分率なら微細に分散している)ほど、ii)第二相が引き伸ばされやすいほど、iii)加工度が大きくなるほど、高強度化される。これらの理由から,第二相の形状及び大きさを制御するとより高い強度が得られる。
上記i)については, Mgを合金中に添加することにより、溶解鋳造時の晶出物を微細化することで実現できる。本発明者らは、溶解鋳造時のデンドライトアームスペースが1μm以下となることを観察している。ii)については,Mgが銅母相へ固溶することにより、第二相が延伸し易くなるとともに,Fe相を微細化する。
iii)については,従来の複相合金と同様、加工度を大きくすればよく、複相合金に通常用いられる加工度で十分な強度が得られる。例えば,加工度80%以上とすると、0.2%耐力で700MPa程度まで高強度化される。但し、本発明においては、Mgによる晶出物の微細化効果により,低加工度でも高強度が得られる。
次に、第二相の形態について説明する。図1は、本発明の合金の圧延材組織を模式的に示したものである。この図において、圧延材組織は、Cu母相2のマトリクス中に第二相4が分散されている。そして、「板幅方向を「圧延直角方向T」とし、板の長手方向を「圧延平行方向L」とする。本発明においては、好ましくは第二相は圧延平行方向の長さが厚みtの10倍以上であり、例えばリボン状(舌片状)の形態を示す。
[第二相の厚み]
図1において、圧延直角断面から見たとき、第二相の厚み(圧延方向の第二相長さに相当)t1とし、隣接する第二相の間隔(圧延方向の距離)をdとする。圧延直角断面とは、圧延直角方向Tに沿い圧延表面に垂直な面で圧延材を切断した時の断面をいう。圧延平行方向は、例えば圧延表面に形成された圧延ロールの目を圧延平行方向と定めればよい。
第二相の厚みt1が小さくなるほど、強度が高くなる。又、dは、圧延加工度を高くすることで小さくすることができる。但し、本発明においては、Mgによる晶出物の微細化効果により、加工度を過度に高くする必要はないが,加工度を高くすることでより大きな効果が得られる。
本発明の合金の場合、t1を1μm以下とすることで、より高い強度が得られ、t1を0.3μm以下とするとさらに好ましい。
t1を小さくすると、強度が向上する理由についてさらに説明する。複相合金は複合則を利用した強化機構であり,通常、複合則では材料の強度(σ:応力)は、第一相及び第二相の体積分率(それぞれV1,V2)に依存するが(σ=V1σ1+V2σ2)、第二相の体積分率よりはむしろ分散した第二相間の距離の方が強度への寄与が大きい。つまり、第二相同士の間隔が加工によって狭まること、つまりCu母相と第二相の異相界面の面積を増大させること、すなわち、Cu母相厚みが薄くなることが最も高強度化につながる。
そして、第二相同士の間隔を狭めるためには、個々の第二相が微細となり、その厚みも小さくなっていることが必要である。すなわち、複相合金を強化するためには,第二相の初期晶出物を微細とさせ、さらにその後の加工により第二相を変形させて厚みを小さくして互いに近接させることが重要である。
[隣接する第二相の間隔]
又、上記したように、圧延直角断面から見て、隣接する第二相の間隔dが小さいほど高強度が得られるため、dを1μm以下とすることが好ましい。厚さt1が減少するのと同様の理由により、強度は界面積に依存する。すなわち,組織写真上の第二相の積層方向(圧延による圧下がかかる方向)に垂直に線を引いた際、この線を通過する母相と第二相(リボン状組織)の界面の数に強度が依存する。そして、加工した際に第二相がすべて剪断されるだけの強度がこの材料の強度を示し、上記界面の数が多いほど強度が高くなると考えられる。
dを0.2〜0.65μm以下とするとさらに好ましい。
なお、t1及びdの値は、Mgの添加量によって制御できる。
以上のようにして、第二相の間隔dを1μm以下とし、微細な析出物を母相に析出させることで、0.2%耐力が700MPa以上の銅合金が得られる。
[製造]
電気銅又は無酸素銅を主原料とし、上記化学成分その他を添加した組成を溶解炉にて溶解し、インゴットを作製する。インゴットを例えば均質化焼鈍、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延、焼鈍(歪取焼鈍)を順次行うことで、圧延材が得られる。冷間圧延は、例えば総加工度95%以上で行うことが好ましい。但し、製造方法は上記に限定されない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。
本発明の銅合金は、ばね用材料(条)、箔等の種々の形態とすることができる。例えば、本発明の銅合金をばね材用の条とした場合、コネクタ等の電子機器に適用可能である。コネクタとしては、公知のあらゆる形態、構造のものに適用できるが、通常はオス(ジャック、プラグ)とメス(ソケット、レセプタクル)からなっている。端子は、例えば串状の多数のピンが並設され、他のコネクタと嵌合した際に端子同士が電気的に接触するよう、適宜折り曲げられてバネのようになっていることがある。そして、通常、コネクタの端子が上記電子機器用銅合金で構成されている。
以上のように、本発明の銅合金は、端子,コネクタ,スイッチ,リレー等の電気・電子機器用のばね材として有効である。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.試料の作製
電気銅に表1、表2に示す組成の元素をそれぞれ添加して真空溶解してインゴットを鋳造し、これを800℃の温度で3時間の条件で均質化焼鈍し、950℃で溶体化処理後、熱間圧延を施した。さらに面削して冷間圧延を行い、仕上げ冷間圧延を行い、板厚0.080mmのばね材用試料を作製した。冷間圧延の総圧延加工度を99.7%とした。なお、必要に応じて最後に歪取焼鈍を行った(500℃で15秒)。歪取焼鈍を行うことで曲げ加工性が向上する。
又、第二相の形態(厚みt1、d)は、試料の断面SEMのBSE像から求めた。析出物の粒径は、最終冷間圧延前の合金条を圧延方向に平行に厚み直角に切断し、断面の析出物を走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡により10視野観察して求めた。
合金中の固溶元素の含有割合の測定方法は、試料の断面を波長分散型(WDS;Wave-length Dispersive Spectroscopy)のEPMA(日本電子株式会社製のFE-EPMA)により分析して求めた。この場合、予め、各元素の純物質に対して検量線を作成しておき、定量を行った。
<試料の評価>
(1)強度の評価
JIS-Z2241に従い、試料の引張強度を測定し、0.2%耐力(YS:yielding strength)を求めた。試料はJISに従って作製した。
(2)導電性の評価
四端子法にて、試料の導電率を求めた。単位の%IACS(international annealed copper standard)は、焼鈍標準軟銅に対する電気伝導度の比である。ただし、合金に上記添加元素(Sn等)を含む場合,導電率が低下するので、添加元素を含まない場合は50%IACS以上,添加元素を含む場合は45%IACS以上であれば、導電性が良好であると評価した。
(3)曲げ加工性の評価
日本伸銅協会技術標準(JBMA T307)に従ってW曲げ試験を行った。圧延直角方向に延びる10mm幅の試料(t:試料厚さ)について最小曲げ半径(MBR)を求めた。基準例のMBR/tは1程度であり、MBR/tの値が小さいほど曲げ加工性が良好である。
得られた結果を表1〜表2に示す。
表1〜表2から明らかなように、各実施例の場合、0.2%耐力が700MPa以上に向上し導電率も40%IACSであった。
特に、最後に歪取焼鈍を行った実施例1、9、10、14、15の場合、圧延直角方向の曲げ加工性が著しく向上した。
一方、Feの含有量が4%未満である比較例1、3、4の場合、二相合金が得られず、強度が低下した。
Mgを含まない比較例2の場合、第二相が粗大化し(厚さ3.4μm以上)、強度が低下した。
Mgの含有量が0.5%を超えた比較例5、7の場合、酸化物が大量に発生して100nmを超える粗大粒が析出し、曲げ加工性が低下した。
Mgを含有しなかった比較例6の場合、強度が低下した。
本発明の合金の圧延材組織を模式的に示した図である。
符号の説明
2 Cu母相
4 第二相

Claims (4)

  1. 質量%でFeを4%以上10%以下含有し0.01〜0.5%のMgが合金中に固溶し、残部Cu及び不可避的不純物からなり、0.2%耐力が700MPa以上であって、圧延直角方向の曲げ加工性(MBR/t)が1以下であり、Cu母相と第二相とからなる高強度高導電性二相銅合金圧延条
  2. 質量%でFeを4%以上10%以下含有し0.01〜0.5%のMgが合金中に固溶し、残部Cu及び不可避的不純物からなり、0.2%耐力が700MPa以上であって、圧延直角方向の曲げ加工性(MBR/t)が圧延平行方向の曲げ加工性(MBR/t)と同一であり、Cu母相と第二相とからなる高強度高導電性二相銅合金圧延条
  3. 圧延直角断面から見たときの前記第二相の厚みが1μm以下である請求項1又は2に記載の高強度高導電性二相銅合金圧延条
  4. 圧延直角断面から見たとき、隣接する前記第二相の間隔が1μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の高強度高導電性二相銅合金圧延条
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