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JP4971852B2 - グラビア印刷用塗被紙 - Google Patents

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本発明は、寸法安定性が良く、耐溶剤性があり、油性、水性どちらでもグラビア印刷適性に優れたグラビア印刷塗被紙に関するものである。
従来の建材用水性グラビア用紙には、紙の収縮及びこれに伴うシワ入りがなく、断紙を防止でき、しかも水性インキの受理性に優れ、見栄えの良いものがある(例えば、特許文献1参照。)。これには、合板表面に対して貼合され、表面に水性インキを用いてグラビア印刷される用紙であって、L−BKP:N−BKP=75:25〜95:5、濾水度200mlcsfを超え300mlcsf以下とし、サイズ剤を20〜40kg/T、紙力増強剤を185〜220kg/T、湿潤紙力増強剤を35〜45/T、硫酸バンドを44〜55kg/Tを主たる内添剤として抄造した技術が記載されている。
また、塗被紙の平滑度、光沢度が良好で、水性グラビアインキでの印刷適性に優れたものがある(例えば、特許文献2参照。)。これには、顔料成分として、平均粒子径1.0〜2.0μmのカオリンを20〜80重量部、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを80〜20重量部含有した塗被組成物100重量部に対して、助剤として分散剤を0.2〜0.7重量部、接着剤としてラテックスを10〜15重量部の割合で含有した塗被液を塗被した水性グラビア印刷用塗被紙であって、前記水性グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2 以上である技術構成が記載されている。
さらに、水性インキを使用するグラビア印刷に適したものがある(例えば、特許文献3参照。)。ここには、顔料と接着剤を主成分とする顔料塗被層を、原紙の少なくとも片面に設けてなる印刷用塗被紙において、該塗被紙の特性として、接触時間25ミリ秒における水吸収量が10ml/m以下で、かつ、塗被紙の顔料塗被層に水を滴下して0.1秒後の接触角が75度以下であり、更に、J.TAPPI紙パルプ試験法No.5に記載の王研式透気度が10000秒以上である技術構成が記載されている。
また、グラビア印刷用キャストコート紙として優れた水性グラビア印刷適性、特にインク乾燥性及びインク発色性に優れたものがある(例えば、特許文献4参照。)。これには、主成分として顔料、水溶性及び/又は水分散性接着剤からなる塗工層を設けたキャストコート紙において、顔料として全顔料100重量部中に占める比沈降容積が1.20ml/g以上である顔料の比率が10〜80重量部であり、かつ、水溶性及び/又は水分散性接着剤として少なくとも水性ウレタン樹脂を顔料100重量部当たり1〜30重量部含有し、更に水溶性高分子を顔料100重量部当たり1〜25重量部含有する塗工層を設けた後、キャスト仕上げする技術構成が記載されている。
またさらに、寸法安定性の優れたグラビア印刷用紙として優れた水性グラビア印刷適性をもつものがある(例えば、特許文献5参照。)。ここには、原紙にポリオレフィン系合成パルプを20〜60質量%含み、塗被液に2.0μm以下の粒径が75%以上であるエンジニアードカオリンを顔料成分の20〜100重量部含有し、塗被する技術構成が記載されている。
特許第3103631号公報 特開2004−043991号公報 特開2003−201697号公報 特許第2817643号公報 特願2006−038006号
以上に述べた従来のグラビア印刷用塗被紙では、油性インキを使用してグラビア印刷するときに溶剤に対する伸びによって印刷の見当づれが発生すること、また、水性グラビア印刷の場合、紙が水を吸収することによって、湿潤強度の低下による断紙が発生することを解消できなかった。
本発明の目的は、このような従来の技術構成が有していた問題点を解決しようとするものであり、溶剤に対する紙の伸びを防止すること、紙が水を吸収することによって、湿潤強度の低下による断紙を防止することとともに、インキ受理不良を解消したグラビア印刷用塗被紙を提供することにある。なお、本発明のグラビア印刷用塗被紙は、油性のみならず水性グラビア印刷用塗被紙としても、充分に使用できる。
本発明は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、次に示す発明によって前記課題を解決しようとするものである。
すなわち本発明は、前記目的を達成するため、グラビア印刷用塗被面(表面、印刷面)の反対面(裏面)にだけポリエステルとアクリル樹脂とのTg40〜50℃の樹脂混合体(以下、耐溶剤性の樹脂混合体と言う。)を乾燥質量(以下、乾燥質量を省略することもある。)として5g/m〜20g/m、8g/m〜19g/m、特に好ましくは10g/m〜18g/m塗被し、更に、表面と裏面の貼り付き防止のため、耐溶剤性の樹脂混合体を基準として、炭酸カルシウムを5〜100質量%添加した塗被液(以下、「裏面塗被液」と略す。)を塗被することである。また、本発明の解決手段は、グラビア印刷用塗被紙の表面に用いるグラビア用塗被液(以下、「表面塗被液」と略す。)の顔料成分として、2.0μm以下の粒径が75%以上含まれるエンジニアードカオリンを、表面塗被液の全顔料を基準として20〜100質量%含む構成としたものである。さらに、本発明の解決手段としては、前記グラビア印刷用塗被紙のJAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」による酢酸n−ブチル浸漬の横の伸びが1.0%以下にしたものである。またさらに、前記水性グラビア印刷用塗被紙にカレンダー処理を施すことをすることは、当然のことである。
上記の課題解決手段による作用は、表面に油性インキまたは水性インキを用いてグラビア印刷される塗被紙にあって、裏面に耐溶剤性の樹脂混合体を5〜20/m塗被し、同様に裏面に、前記耐溶剤性の樹脂混合体を基準として、炭酸カルシウムを5〜100質量%添加した塗被液を塗被することにより、油性グラビア印刷インキまたは水性グラビア印刷インキの溶剤による伸びの発生を防止することが出来る。さらに、表面に2.0μm以下の粒径が75%以上であるエンジニアードカオリンを全顔料の20〜100質量%含む表面塗被液を塗被することによって、表面平滑性が増し、油性、水性グラビア印刷インキの受理性などの問題点を解決できる。
前述したように本発明のグラビア印刷用塗被紙は、通常の原紙の表面に2.0μm以下の粒径が75%以上であるエンジニアードカオリンを20〜100質量%の表面塗被液を塗被し、裏面に耐溶剤性の樹脂混合体を5〜20/m塗被することによって、溶剤による寸法安定性が良好になり、水によるシワの発生もなくなったため、断紙もなく、強度も良好なグラビア印刷用塗被紙を提供できる。また、塗被液にエンジニアードカオリンを配合することによって、平滑性が増し、グラビアインキによる印刷適性が向上し、優れた印刷適性を持ったグラビア印刷用塗被紙を提供できる。
本発明は、通常の原紙に顔料、助剤及び接着剤を主成分とする表面塗被層を設け、裏面に耐溶剤性の樹脂混合体を塗被してカレンダー処理してなるグラビア印刷用塗被紙である。
油性グラビア印刷インキに使用される溶剤は一般に沸点が60〜150℃の低沸点有機油剤、例えば脂肪族炭化水素、例えばノルマルヘキサン、シクロヘキサン等;芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン等;アルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等;エステル、例えば酢酸エステル、酢酸ブチル等;ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等であり、そして水性グラビア印刷インキに使用される溶剤は水であり、本発明における耐溶剤性の樹脂混合体は、これらの溶剤に対して耐久性のある樹脂を意味する。勿論、油性グラビア印刷インキにも水性グラビア印刷インキにも耐久性のある樹脂もあれば、油性グラビア印刷インキまたは水性グラビア印刷インキに対してのみ有効な樹脂もある。耐溶剤性樹脂混合体はそれぞれの目的に対応して選択される。油性グラビア印刷インキおよび水性グラビア印刷インキの両方において耐溶剤性の樹脂には、種々の樹脂があるが、本発明においてはポリエステルとアクリル樹脂との樹脂混合体で、ガラス転移点(Tg)の比較的に高い、Tg40〜50℃の樹脂が好適に用いられる。例えば、高松油脂(株)からペスレジンの商品名で市販されているものを使用できる。本発明では勿論、このペスレジンに限定されるものではない。
本発明で原紙に使用する木材パルプとしては、主にN−BKP(針葉樹晒クラフトパルプ)に代表される木材漂白化学パルプが使用される。必要に応じて木材漂白化学パルプのL−BKP(広葉樹晒クラフトパルプ)と、GP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、BCTMP(晒ケミサーモメカニカルパルプ)などの機械パルプと、DIP(脱墨古紙パルプ)とを適宜配合することもできる。
本発明で使用する原紙の製造方法は、特に規定はなく、通常の抄紙機で製造されるものを使用できるが、容器包装リサイクル法の立場から考えて、塗被液と合わせ、木材パルプ配合率51%以上にすることが望ましい。また、広葉樹系のパルプと針葉樹系のパルプとの配合比は特に限定されるものではない。
原紙中には前記パルプの他に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、一般的に使用されている各種の歩留り向上剤、紙力向上剤、内添サイズ剤、ピッチコントロール剤、消泡剤などの薬品類を適宜使用できる。
原紙は、長網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、長網と円網のコンビネーションマシンなどの一般的な抄紙機によって製造される。
本発明の表面塗被液に用いる顔料は、2.0μm以下の粒径が75%以上であるエンジニアードカオリンを20〜100質量%配合することによって表面が平らなグラビア印刷用塗被紙を得ることができる。
本発明の表面塗被液に用いる接着剤は、ラテックスを使用することができる。ラテックスは、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体若しくは共重合体等のビニル系重合体ラテックス、又はこれらを更にカルボキシル基などの官能基含有単量体で変性したものである。
本発明の表面および裏面塗被液に用いる助剤は、分散剤以外に、潤滑剤、防腐剤、消泡剤、耐水化剤、染料などがあり、これらを適宜添加することができる。
本発明のグラビア印刷用塗被紙のカレンダー処理は、原紙に塗被層を形成後に行われ、紙厚の均一化、表面平滑度の向上、光沢度の向上の目的に行われる。前記カレンダー処理は、オンマシンで配置されているマシンカレンダー、その他にスーパーカレンダー、フリクションカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシカレンダー、マットカレンダー、ソフトカレンダーなどを用いることができ、カレンダーの種類は特に限定されるものではない。
本発明のグラビア印刷用塗被紙の製造に用いる塗被装置は、特に限定されるわけではなく、例えば、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーターなどを用いることができる。
本発明のグラビア印刷用塗被紙の製造方法に関しては、オフマシンで原紙に表面および裏面塗被液を塗布しても、オンマシンで原紙に表面および裏面塗被液を塗布してもよいが、生産効率の観点から、オンマシンにて行うことが好ましい。
[作用]
本発明のグラビア印刷用塗被紙では、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」による酢酸n−ブチル浸漬の横の伸びが1.0%以下にしたものが好ましい。横の伸び1.0%を超えたものは、印刷のダブリなどの問題のため、好ましくない。
[実施例]
本発明を実施例によって、更に詳細に説明するが、本発明は、勿論これに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部又は添加%は、固形分換算での質量部又は質量%である。
<原紙の製造>
L−BKP/N−BKP=70/30%配合のパルプを混合し、カナディアンスタンダードフリーネス(以下「フリーネス」と略す。)450mlのパルプスラリーを得、該スラリーに内添サイズ剤としてロジン系エマルジョン(星光PMC社製、AL−120)を対パルプ0.3%、硫酸バンドを対パルプ1%、カチオン化澱粉(日本食品化工社製、ネオタック40T)を対パルプ1%添加して、紙料を調製した。該紙料を丸網抄紙機にて、各層の坪量58g/mの4層抄きによって232g/mの紙を抄紙し、サイズプレスにて、表面紙力剤として変性ポリアクリルアミド系樹脂(星光PMC社製、ST−5000)を2.5%のサイズプレス液として両面で40ml/m塗布し、ドライヤーで乾燥後、本発明の原紙を製造した。
<グラビア印刷用塗被紙の表面(印刷面)の形成>
前記に示したサイズプレス液を塗布し、乾燥した原紙を一旦巻き取ることなく、該丸網抄紙機内に設備されているエアーナイフコーターにて次に示す表面塗被液を原紙の表面に15g/m(固形分)塗被し、乾燥し、本発明のグラビア印刷用塗被紙の表面(印刷面)を形成した。
<表面塗被液の製造>
水に分散剤(サンノプコ社製、SN5034)を顔料に対して、0.1%添加し、エンジニアードカオリン(イメリス ミネラルズ・ジャパン社製、カピムNP)100部をカウレス分散機で68%濃度の顔料スラリーを調成した。この顔料スラリーに追加水を入れ、SBRラテックス(旭化成社製、G−1578)を7.5部入れ、苛性ソーダ0.2部、澱粉27%溶液(日本食品加工社製、MS−4600)を2.0部、潤滑剤(サンノプコ社製、NH−237)を1.9部、保水剤(ソマール社製、ソマレックス300)を0.1部添加し、固形分63%の表面塗被液を得た。
<グラビア印刷用塗被紙の裏面(非印刷面)の形成>
上記に示した表面にエアーナイフコーターによって15g/m(固形分)塗被し乾燥し表面(印刷面)を形成した後、エアーナイフコーターによって次に示す裏面塗被液を紙の裏面に15g/m(固形分)塗被し、乾燥し、本発明のグラビア印刷用塗被紙の裏面(非印刷面)を形成した。
<グラビア印刷用塗被紙の製造>
前記裏面(非印刷面)の形成後、オンマシンキャレンダー処理を行い、本発明のグラビア印刷用塗被紙を製造した。
<裏面塗被液の製造>
耐溶剤樹脂混合体(高松油脂社製、ペスレジンA−615GE、Tg=47)に対して、30質量%の炭酸カルシウム(白石工業社製、PZ)を入れ、カウレス分散機で調成した。この液に対して、0.2%の消泡剤(高松油脂社製、CS−703)を添加し、混合し裏面塗被液を得た。
本発明を実施例によって、更に詳細に説明する。
なお、実施例における平滑度、水中伸度、グラビア印刷適性は、次の内容にて評価した。
(平滑度)
JIS P 8119:1998「紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に従い、塗被面の平滑度を測定した。
(溶剤伸度)
JAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」において、幅15mm、長さ150mmの横方向の試験片をフェンチェル伸縮度試験器にて、23℃の酢酸n−ブチルに5分間浸漬させ、その伸びを%で表示した。
(水中伸度)
JAPAN TAPPI紙パルプ試験法No.27:2000「紙及び板紙−水中伸度試験方法」によるB法に従い、幅15mm、長さ150mmの横方向の試験片をフェンチェル伸縮度試験器にて、23℃の水に5分間浸漬させ、その伸びを%で表示した。
(グラビア印刷適性)
大蔵省式グラビア印刷適性試験機PM−9004GPにて印刷速度60m/min、印圧100kg/cm、ブレード圧2kg/cmの条件で、水性インキ(東洋インキ社製、アクワプラスF15)及び油性インキ(東洋インキ社製OGH91)で印刷し、得られた印刷物表面の網点欠落率を網点グラビア10%部分の4557個の中の欠落数を数え、欠落率を%で表示した。
(ブロッキング性)
5cm×5cmのサンプル4枚の表裏をそれぞれ重ね合わせ、10kgの錘を乗せ、40℃の乾燥機の中で12時間放置後、表裏のくっ付きを次の状態によって判断し、評価した。
○:全く表裏がくっ付いておらず、実用上問題がない。
△:幾分くっ付いているが、剥けずに剥がれ、実用上問題がある。
×:完全に表裏がくっ付いており、剥けてしまい、実用上問題がある。
(実施例2)
実施例1の裏面塗被液の耐溶剤樹脂混合体に対して、50質量%の炭酸カルシウムを配合した塗被液にした以外、実施例1と同様にして、本発明のグラビア印刷用塗被紙を得た。
(実施例3)
実施例1の裏面塗被液の耐溶剤樹脂混合体に対して、100質量%の炭酸カルシウムを配合した塗被液にした以外、実施例1と同様にして、本発明のグラビア印刷用塗被紙を得た。
(比較例1)
実施例1の裏面に、裏面塗被液の代わりに表面塗被液を塗被した以外、実施例1と同様にして、グラビア印刷用塗被紙を得た。
(比較例2)
実施例1の裏面塗被液の耐溶剤樹脂混合体の代わりにアクリル樹脂(ジョンソンポリマー社製、J−450)を用いた以外、実施例1と同様にして、グラビア印刷用塗被紙を得た。
(比較例3)
実施例1の裏面塗被液の耐溶剤樹脂混合体の代わりにスチレンブタジエン+ワックス(DIC社製、HB−527)を用いた以外、実施例1と同様にして、グラビア印刷用塗被紙を得た。
(比較例4)
実施例1の裏面塗被液の耐溶剤樹脂混合体に対して、110質量%の炭酸カルシウムを配合した裏面塗被液にした以外、実施例1と同様にして、グラビア印刷用塗被紙を得た。
Figure 0004971852
表1からわかるように、本発明の裏面塗被液を塗被した実施例1の場合には、グラビア印刷用溶剤の水に対しても酢酸n−ブチルに対しても横伸びが僅かであり、本発明の耐溶剤性樹脂混合体を塗被していない比較例1〜3と比較して明らかに優れている。耐溶剤性樹脂混合体の代わりにアクリル樹脂を用いた比較例2およびスチレンブタジエン+ワックスを用いた比較例3の場合には、液中の横伸度が本発明の実施例1に匹敵するが、ブロッキング性が顕著であり、実用に耐えないことがわかる。本発明の耐溶剤性樹脂混合体を用いることによって、液体中伸度の改善だけでなく、ブロッキング性も改善されることがわかる。
耐溶剤性樹脂混合体を基準として、炭酸カルシウムを50質量%および100質量%(5〜100質量%)添加した裏面塗被液を用いる実施例2および3と炭酸カルシウムを110質量%添加した裏面塗被液を用いる比較例4とを比較すると、比較例4の場合にも実施例2および3と同様にブロッキング評価は良好であるが、液体中伸度が特に酢酸n−ブチルの場合に悪い。従って、裏面塗被液中の炭酸カルシウムの量は5〜100質量%であるのが有利であることがわかる。

Claims (4)

  1. グラビア印刷用塗被紙において、該塗被紙の裏面にだけポリエステルとアクリル樹脂とのTg40〜50℃の樹脂混合体(以下、耐溶剤性の樹脂混合体と言う。)を乾燥質量として5g/m〜20g/m塗被し、同様に裏面に、前記耐溶剤性の樹脂混合体を基準として、炭酸カルシウムを5〜100質量%添加した塗被液を塗被することを特徴とするグラビア印刷用塗被紙。
  2. 前記グラビア印刷用塗被紙の表面に用いる塗被液として、塗被液の顔料組成中に2.0μm以下の粒径75%以上であるエンジニアードカオリンを、塗被液の全顔料を基準として20〜100質量%含むことを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷用塗被紙。
  3. 前記グラビア印刷用塗被紙において、Japan TAPPI紙パルプ試験法No.27による酢酸n−ブチル中浸漬での横の伸びが1.0%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のグラビア印刷用塗被紙。
  4. 前記グラビア印刷用塗被紙において、Japan TAPPI紙パルプ試験法No.27による水中伸度が縦0.3%以下で、かつ、横1.0%以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のグラビア印刷用塗被紙。
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