JP4961220B2 - 導電性膜の製造方法、並びに、透光性電磁波シールド膜、光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Description
また、透明性に関する要求レベルは、CRT用として凡そ70%以上、PDP用として80%以上の可視光透過率が要求されており、更に一層高い透明性が望まれている。
例えば、特許文献1には、導電性繊維からなる電磁波シールド材が開示されている。しかし、このシールド材はメッシュ線幅が太くディスプレイ画面をシールドすると、画面が暗くなり、ディスプレイに表示された文字が見えにくいという欠点があった。
無電解めっき触媒を印刷法で格子状パターンとして印刷し、次いで無電解めっきを行う方法が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3など)。しかし、印刷される触媒の線幅は60μm程度と太く、比較的小さな線幅、緻密なパターンが要求されるディスプレイの用途としては不適切であった。
さらに、無電解めっき触媒を含有するフォトレジストを塗布して露光と現像を行うことにより無電解めっき触媒のパターンを形成した後、無電解めっきする方法が提案されている(例えば、特許文献4)。しかし、導電膜の可視光透過率は72%であり、透明性が不十分であった。更には、露光後に大部分を除去する無電解めっき触媒として極めて高価なパラジウムを用いる必要があるため、製造コストの面でも問題があった。
フォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工により、透明基体上に金属薄膜のメッシュを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献5〜8など)。この方法では、微細加工が可能であるため、高開口率(高透過率)のメッシュを作成することができ、強力な電磁波が放出されても遮蔽できるという利点を有する。しかし、その製造工程は煩雑かつ複雑で、生産コストが高価になるという間題点があった。また、エッチング法によるところから、格子模様の交点部が直線部分の線幅より太い問題があることが知られている。また、モアレの問題も指摘され、改善が要望されていた。
ハロゲン化銀を現像して得られる導電性金属銀で導電性メッシュを形成する方法、あるいは該導電性メッシュにさらに金属銅をめっきしてメッシュを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献9、10)。
例えば特許文献10に開示された技術は、他の方式に比べて、メッシュの形状を精密に制御でき、高い透明性を付与し、安価に大量生産が可能なことなどの優れた点があるが、現像銀の導電性メッシュの抵抗が高いために、直接電解めっきを行うことが困難で、めっき処理を大面積フィルムに対して行う際には無電解めっきと電解めっきを併用する必要がある。したがって、生産性が悪化し、めっきコストが高い等の問題があり改善が望まれていた。
そこで電解めっきを容易に行うために、現像銀のメッシュを低抵抗なものとすることが望まれるが、低抵抗な現像銀メッシュを得る場合、未露光部でも現像が起こる問題が生じることが判明した。未露光部での現像銀の発生は、カブリと呼ばれるものである。
また、特許文献1では、電解めっき処理を枚葉処理でかつバッチ処理により行っている。表面抵抗が1Ω/sq以上と大きいフィルムに対して枚葉処理により電解めっきを行うと、めっき液と接触しているフィルム部分のうち、電流を流した側に近い部分で多くめっきされる。特に、めっき開始時、即ち最初の給電時にこの現象がおき、その後めっきを続けてもめっきを均一に付けることが困難であった。
また、従来のメッシュの形成方法のいくつかは、ある一定の面積しか断線のないメッシュを作成することができなかった。例えば上記の無電解めっき触媒を印刷法で格子状パターンとして印刷し、次いで無電解めっきを行う方法は、例えばスクリーン印刷を利用した場合、めっき触媒核のパターニングがスクリーンまたは凹版などのサイズ単位で途切れ、結果としてメッシュが断線してしまう。また、フォトリソグラフィー法を利用した場合は、露光マスクサイズ単位にメッシュが途切れてしまう。その理由は、露光方式が枚葉のフォトマスクである為に露光フォトレジストへの露光を長いロールフィルム全体に渡って連続で露光することができず、フォトマスクの大きさの範囲の露光を1回1回繰り返さなければならないからである。
このため、例えば、PDP用途の場合では、作成したシールド膜のメッシュのパターンとPDPのモジュールないしは前面板またはガラス等を基体とした光学フィルター材料に電磁波シールド膜を位置あわせする製造方法がとられてきた。しかし生産性を向上するためにロール状の電磁波シールド膜を連続的に貼り合わせようとしても、位置合せに時間がかかり、生産速度を十分に上げることができなかった。また、電磁波シールド膜に損失が発生するという問題点もあった。
この近赤外カット機能を付与するために、その機能を有するフィルムを電磁波シールド膜と貼り合わせるなどの方法が考えられるが、電磁波シールド膜が上記のように断続的なものである限り、近赤外カット機能を有するフィルムもまた、断続的にしか利用されない欠点を抱えている。また近赤外カット機能を有するフィルムは一般的にロール状で供給されるため、製作時に材料の損失が発生するという問題点があった。
加えて、PDP用途においては、上記の電磁波シールド能、近赤外線カット能に加え、反射防止機能が不可欠である。この反射防止機能を有するフィルムまたは機能膜も、近赤外線カット機能を有するフィルムと同様、ロール状のフィルムとして供給されるため、電磁波シールド膜の導電性メッシュが途切れていると、材料に損失が発生するという問題点があった。
前述のように、PDPに電磁波シールド機能を付与する手段は、電磁波シールド膜を画像表示パネルに接着剤を利用して貼り合わせる、ガラスやプラスチックシート、プラスチックフィルムなどの基材を有するPDP用光学フィルターに電磁波シールド膜を貼り合わせる、などの方法が採られる。電磁波シールド膜をガラスやプラスチックに貼り合わせる場合、接着剤が利用されるが、従来、写真フィルムにおいては、このような接着剤によってガラスやプラスチックへの貼り合せを行う用途が極めて少なかった。更に、従来、写真フィルムで利用されている支持体面をガラスに貼り合せた場合、貼り合せ面の剥離強度が不足し、経時で剥れが生じる問題があることが判明した。
また、第2の目的は、感光材料から得られる電磁波シールドフィルムのガラス基材などへの接着性(剥離強度)に優れた電磁波シールドフィルムを提供することである。
本発明のさらなる目的は、感光材料を現像して得られる導電性膜上の未露光部に現像銀が実質的に形成しない、即ちカブリを生じることのない、易接着層を有する感光材料、及び、電磁波シールドフィルムを提供することである。
さらに本発明の別目的は、高い電磁波シールド性と高い近赤外線カット性能が両立した透光性電磁波シールド膜を提供することである。
また、本発明のさらなる目的は、高い電磁波シールド性と高い近赤外線カット性能を有する光学フィルターおよびプラズマディスプレイを提供することである。
<1>
支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像処理する現像工程を含む導電性膜の製造方法であって、
さらに、前記感光フィルムの表面に還元剤を接触させる還元処理工程と、
前記感光フィルムを線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行われるカレンダー処理により平滑化する平滑化処理工程と、
を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。
<2>
支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像処理することにより金属銀部を形成する現像工程と、
前記金属銀部の表面に還元剤を接触させる還元処理工程と、
前記還元処理が施された感光フィルムを線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行われるカレンダー処理により平滑化する平滑化処理工程と、
を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。
<3>
前記還元剤がアルカリであることを特徴とする<1>または<2>に記載の導電性膜の製造方法。
<4>
前記還元剤がソジウム トリアセトキシボロハイドライド、ジメチルアミンボラン又は水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする<1>または<2>に記載の導電性膜の製造方法。
<5>
前記金属銀部がAgを50〜100質量%含有することを特徴とする<2>に記載の導電性膜の製造方法。
<6>
前記金属銀部には、物理現像およびめっき処理のうち少なくともいずれかが実質的に施されていないことを特徴とする<2>に記載の導電性膜の製造方法。
<7>
前記金属銀部に電気めっき処理が施される電解メッキ処理工程をさらに有することを特徴とする<2>に記載の導電性膜の製造方法。
<8>
前記電解めっき処理が、10段以下のめっき浴での処理であることを特徴とする<7>に記載の導電性膜の製造方法。
<9>
前記金属銀部が銀イオン配位子で処理されていることを特徴とする<2>に記載の導電性膜の製造方法。
<10>
<2>〜<9>のいずれか一項に記載の導電性膜の製造方法を用いて製造された、支持体上にメッシュ状の金属銀部を形成してなる透光性電磁波シールド膜であって、前記メッシュ状の金属銀部がAgを50〜100質量%含有する線幅が18μm以下の金属銀細線が開口率85%以上のメッシュ状に組み合わされてなる金属銀部であり、かつ、前記シールド膜が表面抵抗値が5Ω/sq以下で、長手方向に前記メッシュ状の金属銀部が3m以上連続し、かつ前記メッシュ状の金属銀部の断線が10箇所/m 2 以下であるシールド膜であることを特徴とする透光性電磁波シールド膜。
<11>
光の透過によって生じるヘイズが10%以下であることを特徴とする<10>に記載の透光性電磁波シールド膜。
<12>
<10>または<11>に記載の透光性電磁波シールド膜を用いて製造された、プラズマディスプレイパネル用透光性電磁波シールド膜、光学フィルター、またはプラズマディスプレイパネル。
本発明は上記<1>〜<12>に関するものであるが、参考のためその他の事項についても記載した。
すなわち、本発明の第一の導電性膜の製造方法は、支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像処理する現像工程を含む導電性膜の製造方法であって、
さらに、前記感光フィルムの表面に還元剤を接触させる還元処理工程と、
前記感光フィルムを平滑化する平滑化処理工程とを有する。ここで、還元処理と平滑化処理の順番は、還元処理後に平滑化処理を行ってもよく、平滑化処理後に還元処理を行ってもよい。
また、本発明の第二の導電性膜の製造方法は、支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像処理することにより金属銀部を形成する現像工程と、
前記金属銀部の表面に還元剤を接触させる還元処理工程と、
前記還元処理が施された感光フィルムを平滑化する平滑化処理工程と、を有する。
上記本発明の第一及び第二の導電性膜の製造方法によれば、得られる導電性膜の電気抵抗を低減することができる。なお、導電性膜の電気抵抗を低減できる理由は定かではないが、本発明の製造方法では、導電性膜上に形成される導電性金属(金属銀または電解メッキ処理により形成される銅など)の表面に、製造工程中にできた酸化物や硫化物を還元することができ、この結果、電気抵抗を低減できたと推察される。なお、本発明の製造方法においては、平滑化処理を行わずに、還元処理のみを実施してもよいが、平滑化処理および還元処理を併用することで、導電性膜の電気抵抗を十分に低減することができる。
また、本発明の第一及び第二の導電性膜の製造方法においては、前記平滑化処理がカレンダー処理であり、カレンダー処理が線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行われることが好ましい。
また、本発明の第一及び第二の導電性膜の製造方法では、還元剤がアルカリ水溶液であること、前記還元剤がソジウムトリアセトキシボロハイドライド、ジメチルアミンボラン又は水素化ホウ素ナトリウムであることが好ましい。
本発明の第二の導電性膜の製造方法においては、前記金属銀部がAgを50〜100質量%含有することが好ましい。このような形態の場合には、金属銀部には物理現像および/またはめっき処理が実質的に施されていなくてもよい。なお、金属銀部に対して物理現像および/またはめっき処理を行わない場合には、電気抵抗を低減することが難しいが、本発明では、還元処理及び/又は平滑化処理が行われることから、このような場合にも十分に電気抵抗を低減することができる。また、電気抵抗を十分に低減する観点からは、金属銀部に電気めっき処理が施される電解メッキ処理工程をさらに有してもよく、電解めっき処理が、10段以下のめっき浴を用いて行われることが好ましい。
本発明の第二の導電性膜の製造方法においては、還元処理に代えて、又は還元処理にさらに加えて、金属銀部が銀イオン配位子で処理されていることが好ましい。この処理を施すことで、さらに十分に電気抵抗を低減できる。
また、本発明は、支持体上にメッシュ状の金属銀部を形成してなる透光性電磁波シールド膜であって、前記メッシュ状の金属銀部がAgを50〜100質量%含有する線幅が18μm以下の金属銀細線が開口率85%以上のメッシュ状に組み合わされてなる金属銀部であり、かつ、前記シールド膜が表面抵抗値が5Ω/sq以下で、長手方向に前記メッシュ状の金属銀部が3m以上連続し、かつ前記メッシュ状の金属銀部の断線が10箇所/m2以下であるシールド膜であることを特徴とする透光性電磁波シールド膜にもある。この透光性電磁波シールド膜は、光の透過によって生じるヘイズが10%以下であることが好ましい。このような透光性電磁波シールド膜は、上記本発明の第一及び第二の導電性膜の製造方法により製造された導電性膜を用いて製造することができる。
また、本発明は、上記透光性電磁波シールド膜を用いて製造された、プラズマディスプレイパネル用透光性電磁波シールド膜、光学フィルター、またはプラズマディスプレイパネルにもある。
また、本発明は、以下の形態としてもよい。
1) 支持体上にメッシュ状の金属銀部を形成してなる透光性電磁波シールド膜であって、前記メッシュ状の金属銀部がAgを50〜100質量%含有する線幅が18μm以下の金属銀細線が開口率85%以上のメッシュ状に組み合わされてなる金属銀部であり、かつ、前記シールド膜が表面抵抗値が5Ω/sq以下で、長手方向に前記メッシュ状の金属銀部が3m以上連続し、かつ前記メッシュ状の金属銀部の断線が10箇所/m2以下であるシールド膜であることを特徴とする透光性電磁波シールド膜。
2)ヘイズが10%以下であることを特徴とする上記1)に記載の透光性電磁波シールド膜。
3)前記メッシュ状の金属銀部には、物理現像および/またはめっき処理が実質的に施されていないことを特徴とする上記1)または2)に記載の透光性電磁波シールド膜。
4)前記メッシュ状の金属銀部に、電気めっき処理が施されていることを特徴とする上記1)または2)に記載の透光性電磁波シールド膜。
5)前記電気めっき処理が、10段以下のめっき浴での処理であることを特徴とする上記4)に記載の透光性電磁波シールド膜。
6)カレンダー処理が施されていることを特徴とする上記1)〜5)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
7)前記カレンダー処理が、線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行われたことを特徴とする上記6)に記載の透光性電磁波シールド膜。
8)前記メッシュ状の金属銀部が還元剤で処理されていることを特徴とする上記1)〜7)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
9)前記メッシュ状の金属銀部が銀イオン配位子で処理されていることを特徴とする上記1)〜8)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜。
10)上記1)〜9)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を含んでなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用透光性電磁波シールド膜。
11)上記1)〜9)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を含んでなることを特徴とする光学フィルター。
12)上記1)〜9)のいずれかに記載の透光性電磁波シールド膜を有するプラズマディスプレイパネル。
また、感光材料から得られる電磁波シールドフィルムのガラス基材などへの接着性(剥離強度)に優れた電磁波シールドフィルムを提供することができる。
さらにまた、感光材料を現像して得られる導電性膜上の未露光部に現像銀が実質的に形成しない、即ちカブリを生じることのない、易接着層を有する感光材料、及び、電磁波シールドフィルムを提供することができる。
加えて、高い電磁波シールド性と高い近赤外線カット性能が両立した透光性電磁波シールド膜を提供することができ、高い電磁波シールド性と高い近赤外線カット性能を有する光学フィルターおよびプラズマディスプレイを提供することができる。
したがって本発明によれば、優れた生産性、低コスト性を有し、カブリが発生せず、高い電磁波シールド性を有する透光性電磁波シールド膜、これを用いた光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
連続メッシュパターンとは、細線が実質的に切断されてなく(10箇所/m2以下)、長距離に亘って連続しているパターンであって、貼り合わせる対象物のサイズに合わせて任意の位置で裁断・製作ができるので透光性電磁波シールド膜の生産性が高い。
また、「導電性膜(電磁波シールドに使用する場合には、電磁波シールド膜と呼ぶ)」はフィルム状の支持体に担持されているので、積層される他の構成要素(構成フィルム)との混乱がない限り「電磁波シールドフィルム」又は単に「フィルム」と呼ぶこともある。
(各層の厚みの概要)
本発明の透光性電磁波シールド膜における支持体の厚さは、200μm以下であり、20〜180μmであることが好ましく、50〜120μmであることがさらに好ましい。10〜200μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、かつ取り扱いも容易である。
本発明では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する透光性電磁波シールド膜であっても容易に形成することができる。
本発明の好ましい易接着層について説明する。易接着層は1層で構成されていてもよく、2層以上で構成されていてもよい。
本発明において、支持体の金属銀部が設けられない側の表面には、下記のような二層構成の易接着層が設けることが好ましい。
(組成)
一層目:水分散性あるいは水溶性合成樹脂、カルボジイミド化合物および導電性金属酸化物粒子を必須成分とした帯電防止層
二層目:水分散性あるいは水溶性合成樹脂、および架橋剤を必須成分とした表面層(他の構成層と積層することによって表面層ではなくなるが、易接着層の最上層という意味)
易接着層は、支持体上に帯電防止層と表面層がこの順で設けられる。本発明における帯電防止層においては、支持体上に帯電防止層を設けて得られる低帯電性支持体のヘイズが3%以下にあり、そして得られる感材の表面層の表面電気抵抗が8×106〜6×108 Ωの範囲にあるように、導電性が付与されている。帯電防止層を付与することで、プラスチック支持体をハンドリングする製造プロセスにおいて発生する静電気起因のゴミ付き故障の発生、および感光材料のスタチック放電カブリの発生を抑制することができる。
なお本明細書でいうヘイズは、25℃,60%RHの測定条件において、ヘイズメーター(NDH2000、日本電色製)を用い、JIS K−7105に従って測定した値である。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。
有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。
また、本発明に用いうるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡社製)などの市販品としても入手可能である。
カルボジイミド系化合物はバインダーに対して1〜200質量%、より好ましくは5〜100質量%の範囲で添加することが好ましい。
エポキシ化合物としては、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジクリシジル−5−(γ−アセトキシ−β−オキシプロピル)イソシヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロ−ルポリグルシジルエーテル、1,3,5−トリグリシジル(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリセロールエーテル類およびトリメチロ−ルプロパンポリグリシジルエーテル類等のエポキシ化合物が好ましく、その具体的な市販品としては、例えばデナコールEX−521やEX−614B(ナガセ化成工業(株)製)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、感光特性に影響を与えない添加量の範囲では、他の架橋性化合物との併用も可能であり、例えばC.E.K.Meers およびT.H.James著「The Theory of the Photographic Process」第3版(1966年)、米国特許第3316095号、同3232764号、同3288775号、同2732303号、同3635718号、同3232763号、同2732316号、同2586168号、同3103437号、同3017280号、同2983611号、同2725294号、同2725295号、同3100704号、同3091537号、同3321313号、同3543292号及び同3125449号、並びに英国特許994869号及び同1167207号の各明細書等に記載されている硬化剤などがあげられる。
代表的な例としては、二個以上(好ましくは三個以上)のメチロール基およびアルコキシメチル基の少なくとも一方を含有するメラミン化合物またはそれらの縮重合体であるメラミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂、さらにはムコクロル酸、ムコブロム酸、ムコフェノキシクロル酸、ムコフェノキシプロム酸、ホルムアルデヒド、グリオキザール、モノメチルギリオキザール、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、2,3−ジヒドロキシ−5−メチル−1,4−ジオキサンサクシンアルデヒド、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン及びグルタルアルデヒド等のアルデヒド系化合物およびその誘導体;ジビニルスルホン−N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセトアミド)、1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、メチレンビスマレイミド、5−アセチル−1,3−ジアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘサヒドロ−s−トリアジン及び1,3,5−トリビニルスルホニル−ヘキサヒドロ−s−トリアジンなどの活性ビニル系化合物;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(4−スルホアニリノ)−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−s−トリアジン及びN,N’−ビス(2−クロロエチルカルバミル)ピペラジン等の活性ハロゲン系化合物;ビス(2,3−エポキシプロピル)メチルプロピルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、2,4,6−トリエチレン−s−トリアジン、1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素およびビス−β−エチレンイミノエチルチオエーテル等のエチレンイミン系化合物;1,2−ジ(メタンスルホンオキシ)エタン、1,4−ジ(メタンスルホンオキシ)ブタン及び1,5−ジ(メタンスルホンオキシ)ペンタン等のメタンスルホン酸エステル系化合物;ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−ジシクロヘキシル−3−(3−トリメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物;2,5−ジメチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール系化合物;クロム明ばん及び酢酸クロム等の無機系化合物;N−カルボエトキシ−2−イソプロポキシ−1,2−ジヒドロキノリン及びN−(1−モルホリノカルボキシ)−4−メチルピリジウムクロリド等の脱水縮合型ペプチド試薬;N,N’−アジポイルジオキシジサクシンイミド及びN,N’−テレフタロイルジオキシジサクシンイミド等の活性エステル系化合物:トルエン−2,4−ジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;及びポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン反応物等のエピクロルヒドリン系化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明に好ましく用いられる接着剤層について説明する。
本発明の透光性電磁波シールド膜は、光学フィルターや、液晶表示板、プラズマディスプレイパネル、その他の画像表示パネルなどに組み込まれる際には、接着剤層を介して接合される。
上の加圧により流動性を示す接着剤であることが好ましい。流動できるので接着剤層を設けた透光性電磁波シールド膜(電磁波シールド性接着フィルム)を被着体にラミネートや加圧成形、特に加圧成形により貼りあわせることができる。また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着することができる。このためには、接着剤の軟化温度が200℃以下であると好ましい。電磁波シールド性接着フィルムの用途から、使用される環境が通常80℃未満であるので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度は、粘度が1012ポイズ以下になる温度のことで、通常その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認められる。
これらは、好適な可視光透過率を発現する。
本発明の透光性電磁波シールド膜とガラス基板との密着強度は、以下のようなものであることが好ましい。
フィルム試料をガラスに貼り付け、引っ張り速度100mm/minで接合面に対して180°方向に引っ張って剥離強度を測定した場合に、20N/m以上の剥離強度であることが好ましい。更には、60℃の温度で相対湿度90%のもとで72時間経時した後の上記剥離強度で、20N/m以上の剥離強度であることが好ましい。
本発明の透光性電磁波シールド膜は、好ましくは支持体上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことによって露光部および未露光部に、それぞれ金属銀部および光透過性部を形成して得られる。さらに必要に応じて前記金属銀部に物理現像および/またはめっき処理を施すことによって前記金属銀部に導電性金属を担持させてもよい。以下の本明細書においては、支持体上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことを主体に説明するが、フォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料についてもシールド膜を作製できる。
本発明の透光性電磁波シールド膜の形成方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(I)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる方法
(II)物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる方法
(III)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる方法
上記(I)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に金属銀が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(II)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に金属銀が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面は小さい球形である。
上記(III)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に金属銀が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理および反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、及び溶解物理現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 第4版」(Mcmillan社、1977刊行)に解説されている。本件は液処理であるが、その他の出願については現像方式として、熱現像方式も適用される。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号、特願2004−244080号、同2004−085655号などの各公報が適用できる。
以下、感光材料および上記各工程について説明する。
(1−1)支持体
本発明の製造方法に用いられる感光材料の支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができる。
上記プラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム又はトリアセチルセルロース(TAC)であることが好ましい。
本発明におけるプラスチックフィルムおよびプラスチック板は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
用いられる感光材料は、後述する乳剤層上に保護層を設けていてもよい。本発明において「保護層」とは、ゼラチンや高分子材料などのバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層に形成される。上記保護層はめっき処理する上では設けない方が好ましく、設けるとしても薄い方が好ましい。その厚みは0.2μm以下が好ましい。上記保護層の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
本発明の製造方法に用いられる感光材料は、支持体上に、光センサーとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有することが好ましい。本発明における乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれていてもよい。該染料は、フィルター染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
本発明で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩が挙げられる。本発明においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明では、光センサーとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号などの各公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物としてはテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンなどが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号公報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において速く銀を成長させることが好ましい。本発明における乳剤層の形成に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
これらのロジウム化合物は、水或いは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、或いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルルテニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
〔ML6〕−n
(ここで、MはRu、またはOsを表し、nは0、1、2、3または4を表す。)
この場合、対イオンは重要性を持たず、例えば、アンモニウム若しくはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
このPd含有ハロゲン化銀粒子は、物理現像や無電解めっきの速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、無電解めっき触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本発明の製造方法における銀塩含有層中に含有されるバインダーの含有量は、分散性と密着性とを発揮し得る範囲で適宜決定することができる。金属粒子同士が互いに接触しやすく、高い導電性を得るため、銀塩含有層中のバインダーの含有量は、Ag/バインダー体積比で1/2〜1/0.1であることが好ましく、1/1〜1/0.5であることがさらに好ましい。
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等アルコール類、アセトンなどケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本発明に係る感光材料の乳剤層およびその他の親水性コロイド層は、硬膜剤によって硬膜されることが好ましい。
硬膜剤としては、無機又は有機のゼラチン硬化剤を単独又は組合せて用いることができる。例えば活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕など)活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、N−カルバモイルピリジニウム塩類((1−モルホリノカルボニル−3−ピリジニル)メタンスルホナートなど)、ハロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム−2−ナフタレンスルホナートなど)を単独または組合せて用いることができる。
なかでも、特開昭53−41220号、同53−57257号、同59−162546号、同60−80846号などの各公報に記載の活性ビニル化合物および米国特許3,325,287号明細書に記載の活性ハロゲン化合物が好ましい。以下にゼラチン硬化剤の代表的な化合物例を示す。
乳剤層へ添加する硬膜剤量の好ましい範囲は、硬膜剤添加後の感光材料の保存温湿度、保存期間、感光材料の膜pHおよび感光材料に含まれるバインダー量等によって異なるため、一概には決まらない。特に硬膜剤はバインダーと反応する前に感光材料の同一面側に位置する全層にわたって拡散し得るため、硬膜剤の好ましい添加量は乳剤層を含む感光材料の同一面側の全バインダー量に依存する。本発明の感光材料の、好ましい硬膜剤の含有量は、乳剤層を含む感光材料の同一面側の総バインダー量に対して0.2質量%〜15質量%の範囲であり、より好ましくは0.5質量%〜6質量%の範囲である。
また前述のように硬膜剤は拡散し得るため、硬膜剤の添加位置は乳剤層である必要は無く、乳剤層と同一面側のいずれの層にも好ましく添加でき、また複数の層に分割して添加することも好ましい。
(2−1)露光
本発明では、支持体上に設けられた銀塩含有層またはフォトリソグラフィー用フォトポリマーを塗工した感光材料へのパターン形成用、すなわち照射部がパターン上または非照射部がパターン状(反転)露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光、X線などの放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
露光のエネルギーとしては、ハロゲン化銀を用いる場合には、照射エネルギー量は1mJ/cm2以下が好ましく、100μJ/cm2以下がより好ましく、50μJ/cm2以下がさらに好ましい。
本発明では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フィルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72などの各現像液、またはそれらのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
リス現像液としては、KODAK社処方のD85などを用いることができる。本発明では、上記の露光および現像処理を行うことにより露光部に金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、未露光部に後述する光透過性部が形成される。
上記p−アミノフェノール系補助現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は、通常0.05〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好ましいが、本発明においては、0.23モル/リットル以上で使用するのが特に好ましい。さらに好ましくは、0.23〜0.6モル/リットルの範囲である。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類若しくはp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には、前者を0.23〜0.6モル/リットル、さらに好ましくは0.23〜0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル以下、さらに好ましくは0.03モル/リットル〜0.003モル/リットルの量で用いるのが好ましい。
上記有機カルボン酸としては、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、アシエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
上記アミノホスホン酸としては、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロージャー18170号、特開昭57−208554号、同54−61125号、同55−29883号の各公報および同56−97347号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
すなわち、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、必要により酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、タイロン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸これらの塩等を含むことが好ましい。近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が好ましい。本発明に用いられる定着液の定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどが挙げられ、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、近年の環境保護の観点からチオ硫酸ナトリウムが使われてもよい。これら既知の定着剤の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リットルである。特に好ましくは、0.2〜1.5モル/リットルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。
上記湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。また、上記定着促進剤としては、例えば特公昭45−35754号、同58−122535号、同58−122536号の各公報に記載のチオ尿素誘導体;分子内に3重結合を持つアルコール;米国特許US第4126459号明細書記載のチオエーテル化合物;特開平4−229860号公報記載のメソイオン化合物などが挙げられ、特開平2−44355号公報記載の化合物を用いてもよい。また、上記pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、アジピン酸などの有機酸や、ホウ酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用できる。上記pH緩衝剤として好ましくは、酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用いられる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、好ましくは0.01〜1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.6モル/リットル程度用いる。定着液のpHは4.0〜6.5が好ましく、特に好ましくは4.5〜6.0の範囲である。また、上記色素溶出促進剤として、特開昭64−4739号公報記載の化合物を用いることもできる。
本発明の電磁波シールド膜はロール状などの連絡パターンを担持した形状で得られることが生産性や光学フィルター作製の容易さの点で好ましいので、ロール用現像機を用いることが有利であり、とくにローラー搬送型自動現像機を用いることが好ましい。
ローラー搬送型の自動現像機については米国特許US第3025779号明細書、同第3545971号明細書などに記載されており、本明細書においては単にローラー搬送型自動現像機として言及する。また、ローラー搬送型自動現像機は現像、定着、水洗および乾燥の四工程からことが好ましく、本発明においても、他の工程(例えば、停止工程)を除外しないが、この四工程を踏襲するのが最も好ましい。また、水洗工程の代わりに安定工程による四工程でも構わない。
本発明においては、還元剤又は銀イオン配位子による処理を行うことが好ましい。
還元剤としては、銀イオンを金属銀に還元可能であればよく、例えば、二酸化チオ尿素、ロンガリット、塩化錫(II)、水素化ホウ素ナトリウム、ソジウムトリアセトキシボロハイドライド、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン、ピリジンボラン、ボランなどが挙げられる。これらの中でも、アルカリが好ましく、ソジウム トリアセトキシボロハイドライド、ジメチルアミンボラン又は水素化ホウ素ナトリウムであることが特に好ましい。
銀イオン配位子としては、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等のハロゲンイオン、チオシアネートイオンなどの擬ハロゲンイオン、ピリジン、ビピリジン等の含窒素ヘテロ環化合物、亜硫酸イオン、また、1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート類(例えば、1,2,4-トリメチル-1,2,4-トリアゾリウム-3-チオラート)などのメソイオン化合物、3,6-ジチアオクタン-1,8-ジオールなどのチオエーテル化合物などが挙げられる。
本発明においては、メッシュ状の金属銀部はカレンダーロールで処理されることが好ましい。これによりメッシュ状の金属銀部の導電性を向上させることが可能であり、電磁波シールド性能を高めることが可能である。
カレンダーロールは、通常1対以上のロールから成る。カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミドなどのプラスチックロールまたは金属ロールが用いられる。特に金属ロール同士で処理することが好ましい。線圧力は好ましくは、1960N/cm(200kgf/cm)以上、更に好ましくは、2940N/cm(300kgf/cm)以上である。
カレンダーロール処理の温度は、10℃〜100℃が好ましく、より好ましくは10℃〜50℃である。
このカレンダー処理は、ロール状の長いフィルムを連続処理できる。
本発明では、前記露光および現像処理により形成された金属銀部に導電性を付与する目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像および/またはめっき処理を行うこともできる。本発明では物理現像またはめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属銀部に担持させることが可能であるが、さらに物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させることもできる。尚、金属銀部に物理現像および/またはめっき処理を施したものを「導電性金属部」と称する。
本発明における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオンなどの金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフィルム、インスタントスライドフィルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本発明では、露光および現像処理後の金属銀部を、さらに無電解めっき用溶液で処理することもできる。無電解めっきには、パラジウム化合物水溶液で処理する方法、還元剤又は銀イオン配位子あるいはその両方で処理する方法が好ましい。
前者については、露光および現像処理後の金属銀部を、Pdを含有する溶液で処理することによって行われる。Pdは、2価のパラジウムイオンであっても金属パラジウムであってもよい。この処理により無電解めっきまたは物理現像速度を促進させることができる。パラジウムによる無電解めっきは、日本科学会編、化学便覧応用化学編の「無電解めっき」の章に詳記されている。
以下に電解めっき処理方法の好ましい態様について図面を参照して具体的に説明する。上記の電解めっき処理を好適に実施するためのめっき装置は、乳剤層を露光し、現像処理したフィルムが巻き付けられた繰り出し用リール(図示せず)から、順次繰り出されたフィルムを電気めっき槽に送り込み、めっき後のフィルムを巻取り用リール(図示せず)に順次巻き取る構成となっている。
アノード板13は、電線(図示せず)を介して電源装置(図示せず)のプラス端子に接続され、給電ローラ12a,12bは、電源装置(図示せず)のマイナス端子に接続されている。
まずめっき浴11にめっき液15を貯留する。めっき液としては、銅めっきの場合は、硫酸銅5水塩を30g/L〜300g/L、硫酸を30g/L〜300g/Lを含むものを用いることができる。なお、ニッケルめっきの場合は、硫酸ニッケル、塩酸ニッケル等、鉄銀めっきの場合は、シアン化銀等を含むものを用いることができる。また、めっき液には、界面活性剤、硫黄化合物、窒素化合物等の添加剤を添加してもよい。
アノード板13および給電ローラ12a,12bに電圧を印加し、フィルム16を給電ローラ12a,12bに接触させながら搬送する。フィルム16をめっき浴11に導入し、めっき液15に浸せきして銅めっきを形成する。液切りローラ17間を通過する際に、フィルム16に付着しためっき液15を拭い取り、めっき浴11に回収する。これを複数の電解めっき槽で繰り返し、最後に水洗した後、巻取りリール(図示せず)に巻き取る。
フィルム16の搬送速度は、1〜30m/分の範囲で設定される。フィルム16の搬送速度は、好ましくは、1〜10m/分の範囲であり、より好ましくは、2〜5m/分の範囲である。
給電ローラ12a,12bはフィルム全面(接触している面積のうちの実質的に電気的に接触している部分が80%以上)と接触していることが好ましい。
無電解めっきを行う場合は、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板などで用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
無電解銅めっき液に含まれる化学種としては、硫酸銅や塩化銅、還元剤として、ホルマリンやグリオキシル酸、銅の配位子として、EDTA,トリエタノールアミン等、その他、浴の安定化やめっき皮膜の平滑性向上の為の添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジン等が挙げられる。
本発明では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像および/またはめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン処理など、種々の酸化剤を用いた公知の方法が挙げられる。上述の通り、酸化処理は、乳剤層の露光および現像処理後、或いは物理現像またはめっき処理後に行うことができ、さらに現像処理後と物理現像またはめっき処理後のそれぞれで行ってもよい。
本発明において、導電性金属部は、透光性電磁波シールド材料としての用途である場合、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。EMIシールド性の観点からは三角形の形状が最も有効であるが、可視光透過性の観点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がり可視光透過性が大きくなるので有利である。モアレを生じにくくする観点ではこれらの幾何学模様をランダムに配置したり、ライン幅を周期性なしに変化させることも好ましい。
なお、導電性配線材料の用途である場合、前記導電性金属部の形状は特に限定されず、目的に応じて任意の形状を適宜決定することができる。
本発明における「光透過性部」とは、透光性電磁波シールド膜のうち導電性金属部以外の透明性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
同様の理由により支持体の厚みは200μm以下が好ましく、更に好ましくは20μm以上180μm以下、最も好ましくは50μm以上120μm以下である。
値の強度をとる。
また、本発明の透光性電磁波シールド膜の金属銀部の断線は、10箇所/m2以下であることが必要である。これにより、導電性が確保されて電磁波シールド機能が発揮される。好ましくは、4箇所/m2以下であり、さらに好ましくは1箇所/m2以下である。
本発明の透光性電磁波シールド膜は、剥離可能な保護フィルムを設けることができる。保護フィルムは、透光性電磁波シールド膜の両面に設ける必要はなく、導電性金属部上のみ、あるいはその逆側のみに設けることもできる。保護フィルムは、導電性金属部上に設けた場合は、いわゆる剥離可能であることが望ましい。
本発明のロール状透光性電磁波シールド膜や、それを組み込んだ光学フィルムは、黒化処理を施したものであってもよい。
黒化処理については、例えば特開2003−188576号公報に開示されている。黒化処理により形成さえた黒化層は、防錆効果に加え、反射防止性を付与することができる。黒化層は、例えば、Co−Cu合金めっきによって形成され得るものであり、金属箔の表面の反射を防止することができる。さらにその上に防錆処理としてクロメート処理をしてもよい。クロメート処理は、クロム酸もしくは重クロム酸塩を主成分とする溶液中に浸漬し、乾燥させて防錆被膜を形成するもので、必要に応じ、金属箔の片面もしくは両面に行なうことができるが、市販のクロメート処理された銅箔等を利用してもよい。なお、予め黒化処理された金属箔を用いることもできるが、後の適宜な工程において、黒化処理してもよい。黒化層の形成は、レジスト層となり得る感光性樹脂層を、黒色に着色した組成物を用いて形成し、エッチングが終了した後に、レジスト層を除去せずに残留させることによっても形成できるし、黒色系の被膜を与えるめっき法によってもよい。
(7)その他の機能層
本発明では、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレイ用電磁波シールド材用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレアー層またはアンチグレア層(共にぎらつき防止機能を有する)、近赤外線を吸収する化合物や金属からなる近赤外線吸収層、特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、導電性金属部と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの機能層を設けた材料を光学フィルター(または単にフィルター)と呼ぶ。
透光性電磁波シールド膜をディスプレイ(特にプラズマディスプレイ)に用いる場合には、以下に説明する機能層(機能性フィルム)を貼付することにより、各機能性を付与することが好ましい。機能性フィルムは接着剤等を介して透光性電磁波シールド膜に直接または間接的に貼付することができる。機能性フィルムは、適当な透明基材上に反射防止性・防眩性を有する機能層を設けることにより形成することができる。
(反射防止性・防眩性)
透光性電磁波シールド膜には、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能性を付与することが好ましい。
これらの性能により、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうのを防止できる。また、膜表面の可視光線反射率が低くすることにより、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。反射防止性・防眩性を有する機能性フィルムを透光性電磁波シールド膜に貼付した場合の可視光線反射率は、2%以下であることが好ましく、より好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
粒子の平均粒径は、1〜40μm程度が好ましい。
また、防眩性層としては、上記の熱硬化型または光硬化型樹脂を塗布した後、所望のグロス値または表面状態を有する型を押しつけ硬化することによっても形成することができる。
防眩性層を設けた場合の透光性電磁波シールド膜の光透過の際に生じるヘイズは0.5%以上20%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、例えば1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩性が不十分であり、ヘイズが大きすぎると透過像鮮明度が低くなる傾向がある。
透光性電磁波シールド膜に耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有していることも好適である。ハードコート層としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。ハードコート層の厚さは、1〜50μm程度であることが好ましい。ハードコート層上に上記の反射防止層および/または防眩層を形成すると、耐擦傷性・反射防止性および/または防眩性を有する機能性フィルムが得られ好適である。
ハードコート性が付与された透光性電磁波シールド膜の表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともHであることが好ましく、より好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。
静電気帯電によるホコリの付着や、人体との接触による静電気放電を防止するため、透過性電磁波シールド膜には、帯電防止性が付与されることが好ましい。
帯電防止性を有する機能性フィルムとしては、導電性の高いフィルムを用いることができ、例えば導電性が面抵抗で1011Ω/sq程度以下であればよい。
導電性の高いフィルムは、透明基材上に帯電防止層を設けることにより形成することができる。帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。他に、ITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜で帯電防止層を形成してもよい。上述のハードコート層、反射防止層、防眩層等に、導電性微粒子を含有させる等して帯電防止性を付与してもよい。
透光性電磁波シールド膜が防汚性を有していると、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるので好適である。
防汚性を有する機能性フィルムは、例えば透明基材上に防汚性を有する化合物を付与することにより得られる。防汚性を有する化合物としては、水および/または油脂に対して非濡性を有する化合物であればよく、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。フッ素化合物として具体的には商品名オプツール(ダイキン社製)等が挙げられ、ケイ素化合物としては、商品名タカタクォンタム(日本油脂社製)等が挙げられる。
透光性電磁波シールド膜には、後述する色素や透明基材の劣化等を防ぐ目的で紫外線カット性を付与することが好ましい。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、透明基材自体に紫外線吸収剤を含有させる方法や透明基材上に紫外線吸収層を設けることにより形成することができる。
色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、紫外線吸収剤や紫外線を反射または吸収する無機化合物を含有する層を透明基材上に形成することにより得られる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。
また、機能性フィルムに後述する色素を含有する層が形成されている場合は、その層よりも外側に紫外線カット性を有する層が存在することが望ましい。
透光性電磁波シールド膜を常温常湿よりも高い温度・湿度環境化で使用すると、水分により後述する色素が劣化したり、貼り合せに用いる接着剤中や貼合界面に水分が凝集して曇ったり、水分による影響で接着剤が相分離して析出して曇ったりすることがあるので、透光性電磁波シールド膜はガスバリア性を有していることが好ましい。
このような色素劣化や曇りを防ぐためには、色素を含有する層や接着剤層への水分の侵入を防ぐことが肝要であり、機能性フィルムの水蒸気透過度が10g/m2・day以下、好ましくは5g/m2・day以下であることが好適である。
プラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生するため、透光性電磁波シールド膜を特にプラズマディスプレイに用いる場合は、近赤外線カット性を付与することが好ましい。
近赤外線カット性を有する機能性フィルムとしては、波長領域800〜1000nmにおける透過率を25%以下であるものが好ましく、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
また、色素によっては耐光性に乏しいものもあるが、このような色素を用いることでプラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、前述のように機能性フィルムに紫外線吸収剤を含有させたり、紫外線を透過しない層を設けることによって、紫外線や可視光線による色素の劣化を防止することが好ましい。
熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化すると光学フィルターの透過特性が変わってしまい、色調が変化したり近赤外線カット能が低下する場合がある。
また、透明基材を形成するための樹脂組成物や、塗布層を形成するための塗布組成物中に溶解又は分散させるために、色素は溶媒への溶解性や分散性も高いことが好ましい。
機能性フィルムに色素を含有させる場合、透明基材の内部に含有していてもよいし、基材表面に色素を含有する層をコーティングしてもよい。また、異なる吸収波長を有する色素2種類以上を混合して一つの層中に含有させてもよいし、色素を含有する層を2層以上有していてもよい。
ここで、透光性電磁波シールド膜の電磁波シールド能が低下させないために、導電性金属部にアースをとることが望ましい。このため、透光性電磁波シールド膜上にアースをとるための導通部を形成し、この導通部がディスプレイ本体のアース部に電気的に接触するようにすることが望ましい。導通部は、透光性電磁波シールド膜の周縁部に沿って導電性金属部の周りに設けられていることが好適である。
導通部はメッシュパターンにより形成されていてもよいし、パターニングされていない、例えば金属箔ベタにより形成されていてもよいが、ディスプレイ本体のアース部との電気的接触を良好とする為には、金属箔ベタのようにパターニングされていないことが好ましい。
電極に用いる材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使用できる。ペーストの印刷、塗工には従来公知の方法を採用できる。また市販の導電性テープも好適に使用できる。導電性テープは両面ともに導電性を有するものであって、カーボン分散の導電性接着剤を用いた片面接着タイプ、両面接着タイプが好適に使用できる。電極の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数mm程度である。
(乳剤Aの調整)
・1液
水 750ml
ゼラチン 20g
塩化ナトリウム 1.6g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
・2液
水 300ml
硝酸銀 150g
・3液
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(0.005% KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001% NaCl 20%水溶液) 7ml
3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(0.005% KCl 20%水溶液)および
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001% NaCl20% 水溶液)は、粉末をそれぞれKCl 20%水溶液、NaCl20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱して調製した。
水 100ml
硝酸銀 50g
・5液
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
下記に示す両面が塩化ビニリデンを含む防湿層下塗りからなるポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に、UL層/乳剤層の構成となるように塗布して試料1−1を作製した。以下に各層の調製方法、塗布量および塗布方法を示す。
<乳剤層>
乳剤Aに増感色素(sd-1)5.7×10-4モル/モルAgを加えて分光増感を施した。さら
にKBr3.4×10-4モル/モルAg、化合物(Cpd-3)8.0×10-4モル/モルAgを加え、
良く混合した。
次いで1,3,3a,7-テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、界面活性剤(Sa-1)、(Sa-2)、(Sa-3)を各々塗布量が60mg/m2、40mg/m2、2mg/m2になるように添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。このようにして調製した乳剤層塗布液を下記支持体上にAg7.6g/m2、ゼラチン1.1g/m2になるように塗布した。
ゼラチン 0.23g/m2
化合物(Cpd-7) 40mg/m2
化合物(Cpd-14) 10mg/m2
防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
三酸化アンチモンを主触媒として重縮合した固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート樹脂を含水率50ppm以下に乾燥させ、ヒーター温度が280〜300℃設定の押し出し機内で溶融させた。
溶融させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させ、非結晶ベースを得る。得られた非結晶ベースをベース進行方向に3.1倍に延伸後、巾方向に3.9倍に延伸し、厚さ96μmの支持体をロール形態で製造した。
本発明で使用した試料は下記組成の塗布液を下記塗布条件にて、逐次、塗工、乾燥し、下記バック層(易接着層)を形成した。
二軸延伸した上記ポリエチレンテレフタレート支持体を、搬送速度105m/分条件で搬送した状態で、該支持体表面を印加エネルギー727J/m2条件でコロナ放電処理を行ったのち、下記組成からなる帯電防止層用塗布液を塗布量、7.1cc/m2でバーコート法により塗布した。続いてエアー浮上乾燥ゾーンで180℃1分乾燥することで帯電防止層を得た。
蒸留水 781.7質量部
ポリアクリル樹脂(ジュリマーET-410:日本純薬製、固形分30%) 30.9質量部
針状構造酸化スズ粒子(FS-10D:石原産業製、固形分20%) 131.1質量部
カルボジイミド化合物(カルボジライトV-02-L2:日清紡製、固形分40%) 6.4質量部
界面活性剤(サンデットBL:三洋化成工業製 固形分44.6%) 1.4質量部
界面活性剤(ナロアクティーHN-100:三洋化成工業製 固形分100%) 0.7質量部
シリカ微粒子分散液(シーホスターKE-W30:日本触媒製 0.3μm 固形分20%) 5.0質量部
蒸留水 941.0質量部
ポリアクリル樹脂(ジュリマーET-410:日本純薬製、固形分30%) 57.3質量部
エポキシ化合物(デナコールEX-521:ナガセ化成工業製、固形分100%) 1.2質量部
界面活性剤(サンデットBL:三洋化成工業製 固形分44.6%) 0.5質量部
上記ポリエチレンテレフタレート支持体のバック層を形成する面とは反対面に、下記組成の下塗塗布液を、バック層塗工時に同時塗工することで、乳剤層用の下塗り層とした。
即ち、搬送速度105m/分条件で搬送した状態で、該支持体の反対面表面を467J/m2条件でコロナ放電処理を行い、下記組成からなる下塗層1層目用塗布液をバーコート法により塗布した。塗布量は、5.05cc/m2とし、バック層帯電防止層乾燥ゾー
ンと同じ、エアー浮上乾燥ゾーンで180℃1分乾燥することで下塗り層1層目を得た。
蒸留水 823.0質量部
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
(Nipol Latex LX407C5:日本ゼオン製 固形分40%) 151.5質量部
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩
(H-232:三協化学製 固形分8%) 25.0質量部
ポリスチレン微粒子(平均粒径2μ)
(Nipol UFN1008:日本ゼオン製 固形分10%) 0.5質量部
上乾燥ゾーンで160℃1分乾燥することで下塗り層2層目を得た。
蒸留水 980.5質量部
ゼラチン(アルカリ処理) 14.8質量部
メチルセルロース(TC-5:信越化学工業製) 0.46質量部
化合物(Cpd-21) 0.33質量部
プロキセル(Cpd-22 固形分3.5%) 2.0質量部
上記下塗層を施した支持体上に、まず乳剤面側として支持体に近い側よりUL層、乳剤層の順に2層を、35℃に保ちながらスライドビードコーター方式により同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させた。ここで、硬膜剤であるCpd-7は塗布直前にUL層へ前述の量添加し、UL層から拡散させることにより乳剤層へ含有させた。そして、乳剤面とは反対側には、上記のようにバック層を形成し、最後に冷風セットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセットゾーンを通過した時点では、塗布液は充分なセット性を示した。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に乾燥した。
膨潤率(%)=100×((b)−(a))/(a)
乾燥させた試料の乳剤層上にライン/スペース=15μm/285μm(ピッチ300μm)の現像銀像を与えうる格子状のパターンを、大日本スクリーン(株)製のイメージセッターFT-R5055を使用して露光した。このとき露光量は各試料に合わせて最適となるよう調節した。
露光後の試料に対し、続いて現像処理を施し、金属銀部を作成した。
処理工程 温 度 時 間
黒白現像 20℃ 60秒
定着 35℃ 40秒
リンス1* 35℃ 60秒
リンス2* 35℃ 60秒
乾 燥 50℃ 60秒
・めっき処理
酸洗浄 35℃ 30秒
電解めっき1 35℃ 30秒
電解めっき2 35℃ 30秒
電解めっき3 35℃ 30秒
電解めっき4 35℃ 30秒
リンス3* 35℃ 10秒
リンス4* 35℃ 10秒
防錆液 35℃ 30秒
リンス5* 25℃ 60秒
リンス6* 25℃ 60秒
乾 燥 50℃ 60秒
* 水洗過程は、リンス2から1、リンス4から3、リンス6から5への2タンク向流方式とした。
〔黒白現像液 1L処方〕
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
ATS 1.2 モル
沃化アンモニウム 5 g
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
硫酸 190 g
塩酸(35%) 0.06 mL
カパーグリームPCM 5 mL
(ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)
純水を加えて 1 L
・電解銅めっき液組成(補充液も同組成)
硫酸銅五水塩 75 g
硫酸 190 g
塩酸(35%) 0.06 mL
カパーグリームPCM 5 mL
(ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)
純水を加えて 1 L
ベンゾトリアゾールの0.01モル/L水溶液を用いた。
脱イオン水(導電率5μS/cm以下) 1000 mL
pH 6.5に調製
表1に示すように、乳剤のバインダーに使用するゼラチン(Gel)量を変更することで表1に示す試料を作成した。また、めっき処理を行わない試料、現像処理後に還元処理を行った試料、カレンダー処理を行った試料を作成した。
還元処理は、ソジウム トリアセトキシボロハイドライドの0.01モル/L水溶液で5分間処理することで行った。またカレンダー処理は、カレンダーロールにて線圧力2940N/cm(300kg/cm)をかけて、2対の金属製ロールから成るカレンダーローラー間に試料を通すことで行った。
(表面抵抗)
三菱化学(株)低抵抗率計ロレスターGP/ASPプローブを用いて表面抵抗率を測定した。
(カブリの評価)
各試料を未露光のまま現像処理を行い、目視により各試料上を観察して黒色でスポット状または線状の現像銀が形成されているか否かを評価した。なお、評価基準は以下の通りとした。
<カブリの発生頻度の評価基準(現像後の試料1m2を観察)>
レベルA:黒色スポットまたは線状の現像銀の個数 0〜3個。
レベルB:黒色スポットまたは線状の現像銀の個数 4個〜10個。
レベルC:黒色スポットまたは線状の現像銀の個数 10個以上。
各試料を現像処理し、目視により各試料上を観察してメッシュの断線を評価した。なお、評価基準は以下の通りとした。
<かぶりの発生頻度の評価基準(現像後の試料1m2を観察)>
レベルA:断線の個数 0〜10個。
レベルB:断線の個数 11個以上。
レベルC:断線の個数 20個以上。
得られた評価結果を表1に示す。
なお、表1において、試料1−4は、「本発明」とあるのを「参考例」と読み替えるものとする。
上記実施例1 (試料1-7)で得た透光性電磁波シールド能を有するフィルムを用い、
外縁部20mmを除いた内側の透光性電磁波シールド膜上に、厚さ25μmのアクリル系透光性粘着材を介して、ガラス板を貼り合わせた。該アクリル系透光性粘着材層中には光学フィルターの透過特性を調整する調色色素(三井化学製PS−Red−G、PS−Violet−RC)を含有させた。さらに、該ガラス板の反対の主面には、粘着材を介して近赤外線カット能を有する反射防止フィルム(日本油脂(株)製 商品名リアルック772UV)を貼り合わせ、光学フィルターを作製した。
11 めっき浴
12a,12b 給電ローラ
13 アノード板
14 ガイドローラー
16 フィルム
17 液切ローラー
21 導電性膜
22 導電性機能層
23 支持体
24 露光部(金属銀部)
25 未露光部
26 電解めっき処理部
27 電解めっき処理部
28 ハロゲン化銀乳剤層
Claims (12)
- 支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像処理する現像工程を含む導電性膜の製造方法であって、
さらに、前記感光フィルムの表面に還元剤を接触させる還元処理工程と、
前記感光フィルムを線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行われるカレンダー処理により平滑化する平滑化処理工程と、
を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。 - 支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像処理することにより金属銀部を形成する現像工程と、
前記金属銀部の表面に還元剤を接触させる還元処理工程と、
前記還元処理が施された感光フィルムを線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行われるカレンダー処理により平滑化する平滑化処理工程と、
を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。 - 前記還元剤がアルカリであることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性膜の製造方法。
- 前記還元剤がソジウム トリアセトキシボロハイドライド、ジメチルアミンボラン又は水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性膜の製造方法。
- 前記金属銀部がAgを50〜100質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の導電性膜の製造方法。
- 前記金属銀部には、物理現像およびめっき処理のうち少なくともいずれかが実質的に施されていないことを特徴とする請求項2に記載の導電性膜の製造方法。
- 前記金属銀部に電気めっき処理が施される電解メッキ処理工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の導電性膜の製造方法。
- 前記電解めっき処理が、10段以下のめっき浴での処理であることを特徴とする請求項7に記載の導電性膜の製造方法。
- 前記金属銀部が銀イオン配位子で処理されていることを特徴とする請求項2に記載の導電性膜の製造方法。
- 請求項2〜9のいずれか一項に記載の導電性膜の製造方法を用いて製造された、支持体上にメッシュ状の金属銀部を形成してなる透光性電磁波シールド膜であって、前記メッシュ状の金属銀部がAgを50〜100質量%含有する線幅が18μm以下の金属銀細線が開口率85%以上のメッシュ状に組み合わされてなる金属銀部であり、かつ、前記シールド膜が表面抵抗値が5Ω/sq以下で、長手方向に前記メッシュ状の金属銀部が3m以上連続し、かつ前記メッシュ状の金属銀部の断線が10箇所/m2以下であるシールド膜であることを特徴とする透光性電磁波シールド膜。
- 光の透過によって生じるヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項10に記載の透光性電磁波シールド膜。
- 請求項10または11に記載の透光性電磁波シールド膜を用いて製造された、プラズマディスプレイパネル用透光性電磁波シールド膜、光学フィルター、またはプラズマディスプレイパネル。
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---|---|---|---|
JP2007019747A JP4961220B2 (ja) | 2006-01-31 | 2007-01-30 | 導電性膜の製造方法、並びに、透光性電磁波シールド膜、光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル |
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