JP4958594B2 - 反射防止膜、光学素子および光学系 - Google Patents
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Description
光学部材と接着層との間に設けられ、前記接着層の側から順に積層された第1から第6の層を少なくとも含む多層膜からなり、
前記多層膜の全体としての等価屈折率は、前記光学部材の屈折率よりも低く、かつ、前記接着層の屈折率よりも高く、
前記第1および第3の層は、d線に対して1.35以上1.50以下の屈折率を示す低屈折率材料からなり、
前記第2,第4および第6の層は、d線に対して1.55以上1.85以下の屈折率を示す中間屈折率材料からなり、
前記第5の層は、d線に対して1.70以上2.50以下の範囲において前記中間屈折率材料よりも高い屈折率を示す高屈折率材料からなり、
以下の条件式(1)〜(6)を全て満足することを特徴とする反射防止膜。
0.06×λ0≦N1・d1≦0.11×λ0 …… (1)
0.07×λ0≦N2・d2≦0.13×λ0 …… (2)
0.06×λ0≦N3・d3≦0.18×λ0 …… (3)
0.31×λ0≦N4・d4≦0.43×λ0 …… (4)
0.04×λ0≦N5・d5≦0.09×λ0 …… (5)
0.06×λ0≦N6・d6≦0.18×λ0 …… (6)
ただし、
λ0:中心波長
N1〜N6:第1から第6の層における中心波長λ0に対する屈折率
d1〜d6:第1から第6の層における物理的膜厚
[2]
さらに、前記第6の層の光学部材側に、第7の層と第8の層とが順に積層されており、
前記第8の層は、d線に対して1.55以上1.85以下の屈折率を示す中間屈折率材料からなり、
前記第7の層は、d線に対して1.70以上2.50以下の範囲において前記中間屈折率材料よりも高い屈折率を示す高屈折率材料からなり、
以下の条件式(7)および(8)を共に満足することを特徴とする上記[1]に記載の反射防止膜。
0.05×λ0≦N7・d7≦0.14×λ0 …… (7)
0.04×λ0≦N8・d8≦0.07×λ0 …… (8)
ただし、
λ0:中心波長
N7,N8:第7層および第8層における中心波長λ0に対する屈折率
d7,d8:第7層および第8層における物理的膜厚
[3]
前記低屈折率材料は、フッ化マグネシウム(MgF 2 )、二酸化珪素(SiO 2 )およびフッ化アルミニウム(AlF 3 )のうちの少なくとも1種を含むものであり、
前記中間屈折率材料は、プラセオジウムアルミネート(PrAlO 3 )、ランタンアルミネート(La 2X Al 2Y O 3(X+Y) )、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )、酸化ゲルマニウム(GeO 2 )および酸化イットリウム(Y 2 O 3 )のうちの少なくとも1種を含むものであり、
前記高屈折率材料は、チタン酸ランタン(LaTiO 3 )、酸化ジルコニウム(ZrO 2 )、酸化チタン(TiO 2 )、酸化タンタル(Ta 2 O 5 )、酸化ニオブ(Nb 2 O 5 )、酸化ハフニウム(HfO 2 )および酸化セリウム(CeO 2 )のうちの少なくとも1種を含むものである
ことを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の反射防止膜。
[4]
前記光学部材はd線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を示し、
前記接着層はd線に対して1.45以上1.60以下の屈折率を示す
ことを特徴とする上記[1]から上記[3]のいずれか1項に記載の反射防止膜。
[5]
d線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を有する光学部材と、他の光学部材とが接着層を介して接合された光学素子であって、
前記光学部材と前記接着層との間に、上記[1]から上記[3]のいずれか1項に記載の反射防止膜が設けられている
ことを特徴とする光学素子。
[6]
前記他の光学部材はd線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を有し、
前記他の光学部材と前記接着層との間にも上記[1から上記[3のいずれか1項に記載の反射防止膜が設けられている
ことを特徴とする上記[5]に記載の光学素子。
[7]
上記[5]または上記[6]に記載の光学素子を備えたことを特徴とする光学系。
本発明は、上記[1]〜[7]に関するものであるが、参考のためにその他の事項についても記載した。
本発明の反射防止膜は、光学部材と接着層との間に設けられ、接着層の側から順に積層された第1から第6の層を少なくとも含む多層膜からなるものである。ここで、多層膜の全体としての等価屈折率は、光学部材の屈折率よりも低く、かつ、接着層の屈折率よりも高くなっている。また、第2,第4および第6の層の屈折率は、第1および第3の層の屈折率よりも高く、かつ、第5の層の屈折率よりも低くなっている。また、本発明の光学素子は、d線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を有する光学部材と他の光学部材とが接着層を介して接合されたものあって、光学部材と接着層との間に本発明の反射防止膜を設けるようにしたものである。さらに、本発明の光学系は、本発明の光学素子を備えるようにしたものである。
0.06×λ0≦N1・d1≦0.11×λ0 …… (1)
0.07×λ0≦N2・d2≦0.13×λ0 …… (2)
0.06×λ0≦N3・d3≦0.18×λ0 …… (3)
0.31×λ0≦N4・d4≦0.43×λ0 …… (4)
0.04×λ0≦N5・d5≦0.09×λ0 …… (5)
0.06×λ0≦N6・d6≦0.18×λ0 …… (6)
0.05×λ0≦N7・d7≦0.14×λ0 …… (7)
0.04×λ0≦N8・d8≦0.07×λ0 …… (8)
図1は、本発明における第1の実施の形態としての反射防止膜C1の構成を示す概略断面図である。図1の反射防止膜C1は、後述の第1の数値実施例(図4〜図10)に対応している。
0.07×λ0≦N2・d2≦0.13×λ0 …… (2)
0.06×λ0≦N3・d3≦0.18×λ0 …… (3)
0.31×λ0≦N4・d4≦0.43×λ0 …… (4)
0.04×λ0≦N5・d5≦0.09×λ0 …… (5)
0.06×λ0≦N6・d6≦0.18×λ0 …… (6)
図2は、本発明における第2の実施の形態としての反射防止膜C2の構成を示す概略断面図である。図2の反射防止膜C2は、後述の第2の数値実施例(図10〜図16)に対応している。
0.04×λ0≦N8・d8≦0.07×λ0 …… (8)
図3は、本発明における第3の実施の形態としてのズームレンズの構成例を示している。このズームレンズには、上記第1の実施の形態における反射防止膜C1、または第2の実施の形態における反射防止膜C2が設けられたものである。
第1の数値実施例(実施例1−1〜1−6)を図4〜図9に示す。ここで図4(A),図5(A),図6(A),図7(A),図8(A)および図9(A)が、図1に示した反射防止膜C1に対応する実施例1−1〜1−6の基本データをそれぞれ示している。さらに、図4(B),図5(B),図6(B),図7(B),図8(B)および図9(B)が実施例1−1〜1−6の反射率分布をそれぞれ示している。
第2の数値実施例(実施例2−1〜2−6)を図11〜図16に示す。
ここで、上記第1および第2の数値実施例に対する比較例として、図18に示した反射防止膜C101の構成を有する比較例1−1〜1−5を図19〜図23に示す。図18において、反射防止膜C101は全体として光学基板100と接着層200との中間の屈折率を有する。第1の層11および第2の層12は、いずれも、例えばd線に対して1.55以上1.85以下の屈折率を示す中間屈折率材料からなる中間屈折率層であるが、第2の層12のほうが第1の層11よりも高い屈折率を有している。具体的な比較例1−1〜1−5の基本データは、図19(A),図20(A),図21(A),図22(A)および図23(A)に示した通りである。第1の層11にはAl2 O3 を用い、第2の層12には「sub−m2」で表示したランタンアルミネート(La2 O3 ・3.3Al2 O3 )を主成分とするサブスタンスM2(独国メルク社)を用いた。なお、光学膜厚N・dの欄に示した中心波長λ0については全て520nmとした。
Claims (7)
- 光学部材と接着層との間に設けられ、前記接着層の側から順に積層された第1から第6の層を少なくとも含む多層膜からなり、
前記多層膜の全体としての等価屈折率は、前記光学部材の屈折率よりも低く、かつ、前記接着層の屈折率よりも高く、
前記第1および第3の層は、d線に対して1.35以上1.50以下の屈折率を示す低屈折率材料からなり、
前記第2,第4および第6の層は、d線に対して1.55以上1.85以下の屈折率を示す中間屈折率材料からなり、
前記第5の層は、d線に対して1.70以上2.50以下の範囲において前記中間屈折率材料よりも高い屈折率を示す高屈折率材料からなり、
以下の条件式(1)〜(6)を全て満足することを特徴とする反射防止膜。
0.06×λ0≦N1・d1≦0.11×λ0 …… (1)
0.07×λ0≦N2・d2≦0.13×λ0 …… (2)
0.06×λ0≦N3・d3≦0.18×λ0 …… (3)
0.31×λ0≦N4・d4≦0.43×λ0 …… (4)
0.04×λ0≦N5・d5≦0.09×λ0 …… (5)
0.06×λ0≦N6・d6≦0.18×λ0 …… (6)
ただし、
λ0:中心波長
N1〜N6:第1から第6の層における中心波長λ0に対する屈折率
d1〜d6:第1から第6の層における物理的膜厚 - さらに、前記第6の層の光学部材側に、第7の層と第8の層とが順に積層されており、
前記第8の層は、d線に対して1.55以上1.85以下の屈折率を示す中間屈折率材料からなり、
前記第7の層は、d線に対して1.70以上2.50以下の範囲において前記中間屈折率材料よりも高い屈折率を示す高屈折率材料からなり、
以下の条件式(7)および(8)を共に満足することを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
0.05×λ0≦N7・d7≦0.14×λ0 …… (7)
0.04×λ0≦N8・d8≦0.07×λ0 …… (8)
ただし、
λ0:中心波長
N7,N8:第7層および第8層における中心波長λ0に対する屈折率
d7,d8:第7層および第8層における物理的膜厚 - 前記低屈折率材料は、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化珪素(SiO2)およびフッ化アルミニウム(AlF3)のうちの少なくとも1種を含むものであり、
前記中間屈折率材料は、プラセオジウムアルミネート(PrAlO3 )、ランタンアルミネート(La2X Al2Y O3(X+Y) )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、酸化ゲルマニウム(GeO2)および酸化イットリウム(Y2O3)のうちの少なくとも1種を含むものであり、
前記高屈折率材料は、チタン酸ランタン(LaTiO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)および酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも1種を含むものである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止膜。 - 前記光学部材はd線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を示し、
前記接着層はd線に対して1.45以上1.60以下の屈折率を示す
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の反射防止膜。 - d線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を有する光学部材と、他の光学部材とが接着層を介して接合された光学素子であって、
前記光学部材と前記接着層との間に、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の反射防止膜が設けられている
ことを特徴とする光学素子。 - 前記他の光学部材はd線に対して1.75以上2.10以下の屈折率を有し、
前記他の光学部材と前記接着層との間にも請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の反射防止膜が設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の光学素子。 - 請求項5または請求項6に記載の光学素子を備えたことを特徴とする光学系。
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