JP2004302113A - 反射防止膜、光学部材、光学系及び投影露光装置、並びに反射防止膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数層が積層され、入射媒質に接する第1層の屈折率が1.3以下であり、2層構造乃至6層構造にした。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ、プリズム、反射ミラー等の表面に積層される光学薄膜、この光学薄膜を備えた光学部材、この光学部材を備えた光学系及び投影露光装置、並びに前記光学薄膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投影露光装置(ステッパー)では、多数のレンズが使用されており、結像系だけでも数十面のレンズ枚数が使用されている。このような装置では、レンズ等の光学部材の表面反射が大きいと、フレヤーゴーストが生じて結像性能が悪化したり、光源からウエハーまでに到達する光量が小さくなることから、露光効率が悪化する。例えば、一面当りの反射率が0.3%であると、光学部品の枚数が50枚(100面)の場合、1−(1−0.003)100より26%近い光量がロスすることになる。
【0003】
そのため、ステッパーの光学系においては、レンズ等の光学部材の表面反射による光量損失やフレアー・ゴースト等の低減等を目的に、光学部材の表面に反射防止膜が形成されている。従って、この光学部材に施される反射防止膜では、露光波長において0%反射に近いことが要求される。
【0004】
また、近年、半導体素子の集積度を増すために、ステッパーの高解像化の要求が高まっている。このステッパーによるフォトリソグラフィーの解像度を上げる一つの方法として、光源波長の短波長化が挙げられる。最近では、水銀ランプよりも短波長域の光を発振でき、かつ高出力なエキシマレーザーを光源としたステッパーの実用化が普及してきた。そのため、反射防止膜としても、そのような短波長の光を透過できる必要があり、該短波長の光を透過可能な限られた成膜材料により構成される必要がある。
【0005】
図1は、短波長の光を透過可能な従来の反射防止膜の例を示す模式図である。図において、10は基材14の表面に積層された反射防止膜であり、入射媒質側から基材10側までの層構成は、緻密に形成された低屈折率物質からなる第1層11、高屈折率物質からなる第2層12、低屈折率物質からなる第3層13からなっている。
【0006】
このような反射防止膜10の層構成の例を、表1に示す。ここでは、基材14は合成石英ガラスであり、設計中心波長λ0=193nmであり、入射媒質は空気である。
【0007】
【表1】
【0008】
このような反射防止膜10のλ0=193nmにおける光線入射角度θ=0°の分光反射率特性を図29に示し、λ0=193nmにおける反射率角度特性を図30に示す。図30において、Rs、Rp、Raは、それぞれS偏光反射率、P偏光反射率、平均反射率((Rs+Rp)/2)を示している。
【0009】
図29の分光反射率特性図に示すように、この反射防止膜10の設計中心波長λ0=193nmにおいて、ほぼ0%の反射率となっている。
【0010】
しかし、曲率を持ったレンズ群から構成されるステッパーの光学系において、曲率を持ったレンズ全面に対して図29に示すような分光反射特性を得るためには、レンズの中心部、周辺部に関わらず、同じ膜厚で成膜される必要がある。ところが、一般に凸面形状を持ったレンズの場合、レンズ周辺に向かうにしたがって膜厚が薄くなっている。そのため、このような反射防止膜の場合、その分光特性が短波長にシフトし、露光波長で十分な反射防止効果を得ることができない。その結果、露光効率の低下およびフレアー・ゴースト等が生じるのみならず、レンズ中心部を通る光束とレンズ周辺部を通る光束との透過率差が大きくなるので、結像性能が悪くなっていた。
【0011】
また、このようなステッパーの光学系では、半導体の集積度を増すために、前記のような光源波長の短波長化とともに、光学系の開口数NAを大きくすることにより解像度を向上させることも行われている。
【0012】
ステッパー光学系に使用されるレンズ面への露光光の入射角度は、最大で約sin−1(NA)°であるため、NAの増大とともに露光光の入射角度が大きくなる。従って、レンズ表面に施される反射防止膜には、0°からsin−1(NA)°までの広い角度範囲において、より低い反射率であることが要求される。
【0013】
ところが、従来の反射防止膜では図30に示すように、入射角が大きくなると反射率は急激に増加し、角度特性が劣っていた。即ち、高入射角で光が入射するレンズ面において、高入射光の一部が反射してフレア・ゴーストを発生し、結像性能が低下するという問題があった。
【0014】
このような分光反射特性及び角度特性の問題は、反射防止膜の層数を多くすることにより改善できることが知られている。例えば、下記特許文献1では、表2に示すような6層構造の反射防止膜が提案されている。
【0015】
【表2】
【0016】
ここでは、基材は合成石英ガラスであり、入射媒質は空気である。
【0017】
この6層構造の反射防止膜の分光反射防止特性を図31に、角度反射防止特性を図32に示す。
【0018】
この反射防止膜は設計中心波長193nmで185nm〜225nmの範囲でRa≦0.3%と広い分光反射防止帯域を持ち、角度反射防止性能についても0〜47°の角度範囲でRa≦0.5%という反射防止性能を有していた。
【0019】
【特許文献1】
特開2002−189101。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表2に示されるような多層構造の従来の反射防止膜では、分光反射防止帯域については、レンズ周辺部での膜厚ずれに対して実用レベルの帯域の広さを有しているものの、角度反射防止特性については、未だ十分であるとはいえなかった。
【0021】
近年のステッパー投影光学系では、高解像度化のためにNA=0.8を超える光学系も検討されているが、その投影光学系での最大光線入射角は53°を超えるものとなる。そのため、従来の反射防止膜では到底十分な反射防止効果を得ることができないという問題点を有していた。
【0022】
しかも、反射防止膜の層数を多くして多数層を積層する従来の反射防止膜では、層数が多い分、製造に手間が掛かる上、反射防止膜と基材との膨張係数の差に起因して、成膜後の収縮量の差により生じる応力のため、光学部材に撓み等の歪みが生じやすいという問題点も有していた。
【0023】
そこで、本発明では、少ない積層数で、短波長の光における十分な分光特性及び角度特性を得ることが可能な反射防止膜を提供することを課題とし、更に、開口数NAを大きくして解像度を向上し易い光学部材、光学系、及び投影露光装置を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決するため、反射防止膜の構成中に超低屈折率層を導入し、しかも超低屈折率層の配置を最適化することにより、従来の多層反射防止膜では実現し得ない、極めて優れた性能の反射防止膜を少ない層数により実現するに至った。
【0025】
即ち、請求項1に記載の反射防止膜は、基材上に積層された屈折率の異なる2つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2、光学膜厚をd1,d2、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0026】
【数9】
n1≦1.30、かつnsub=n1 1.50〜2.87<n2
d1=0.25λ0±21%
d2=0.50λ0±30%
また、請求項2に記載の反射防止膜は、基材上に積層された2つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2、光学膜厚をd1,d2、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0027】
【数10】
n1≦1.30、かつnsub=n2 1.10〜1.30=n1 1.80〜4.70
d1=0.25λ0±35%
d2=0.25λ0±60%
更に、請求項3に記載の反射防止膜は、基材上に積層された3つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2,n3、膜厚をd1,d2,d3、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0028】
【数11】
n1≦1.30、かつn3>n2>n1
d1=0.22λ0±25%
d2=0.08λ0+190%乃至−95%
d3=0.50λ0±27%
また、請求項4に記載の反射防止膜は、基材上に積層された3つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2,n3、膜厚をd1,d2,d3、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0029】
【数12】
n1≦1.30、かつn2>n3>n1
d1=0.29λ0±19%
d2=0.59λ0±11%
d3=0.10λ0+155%乃至−95%
更に、請求項5に記載の反射防止膜は、基材上に積層された4つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2,n3,n4、膜厚をd1,d2,d3,d4、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0030】
【数13】
n1≦1.30、かつn2=n4>n3>n1
d1=0.29λ0±21%
d2=0.18λ0±35%
d3=0.05λ0±85%
d4=0.27λ0±50%
また、請求項6に記載の反射防止膜は、基材上に積層された4つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2,n3,n4、膜厚をd1,d2,d3,d4、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0031】
【数14】
n1≦1.30、かつn2=n4>n3>n1
d1=0.32λ0±17%
d2=0.09λ0±51%
d3=0.62λ0±17%
d4=0.45λ0±31%
更に、請求項7に記載の反射防止膜は、基材上に積層された5つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2,n3,n4,n5、膜厚をd1,d2,d3,d4,d5、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0032】
【数15】
n1≦1.30、かつn2=n4>n3=n5>n1
d1=0.31λ0±17%
d2=0.22λ0±27%
d3=0.11λ0±29%
d4=0.16λ0±26%
d5=0.21λ0±75%
また、請求項8に記載の反射防止膜は、基材上に積層された6つの層からなる反射防止膜であって、前記基材の屈折率をnsub、入射媒質側から前記基材側までの各層の屈折率をn1,n2,n3,n4,n5,n6、膜厚をd1,d2,d3,d4,d5,d6、λ0を設計中心波長としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0033】
【数16】
n1≦1.30、かつn2=n4=n6>n3=n5>n1
d1=0.30λ0±20%
d2=0.25λ0±25%
d3=0.10λ0±32%
d4=0.11λ0±37%
d5=0.33λ0±32%
d6=0.55λ0±28%
更に、請求項9に記載の反射防止膜は、請求項1〜8何れか一つに記載の構成に加え、波長140nm〜370nmの紫外線用に用いられるものであることを特徴とする。
【0034】
また、請求項10に記載の反射防止膜は、請求項1乃至9の何れか一つに記載の構成に加え、前記入射媒質に接する層が、空間充填密度60%以下のMgF2よりなることを特徴とする。
【0035】
更に、請求項11に記載の反射防止膜は、請求項1乃至10の何れか一つに記載の構成に加え、前記基材が、石英または蛍石からなることを特徴とする。
【0036】
また、請求項12に記載の光学部材は、前記基材の少なくとも一方の面に請求項1乃至11の何れか一つに記載の反射防止膜が積層されていることを特徴とする。
【0037】
更に、請求項13に記載の光学系は、請求項12に記載の光学部材を備え、NA≧0.80(NAは開口数を示す)であることを特徴とする。
【0038】
また、請求項14に記載の投影露光装置は、紫外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を基材上に投影露光する投影光学系とを備えた装置であって、前記投影光学系に請求項13に記載の光学部材を備えたことを特徴とする。
【0039】
更に、請求項15に記載のデバイス製造方法は、請求項14に記載の投影露光装置を用いて前記マスクのパターン像を被露光基板上に転写する工程を有することを特徴とする。
【0040】
また、請求項16に記載の反射防止膜の製造方法は、請求項1乃至11の何れか一つに記載の反射防止膜の製造方法であって、前記入射媒質に接する層をゾルゲル法により形成することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0042】
まず、本発明の反射防止膜は、レンズ、プリズム、フィルターなどの光学部材の基材の表面に積層される薄膜である。
【0043】
ここで、基材は、光学ガラス等の基材材料を光学部材の形状に成形したものである。基材材料は特に限定されないが、対象光が短波長の紫外線の場合には、使用波長に対する吸収が少ないという理由で、合成石英ガラス、蛍石等を用いるのが好ましい。
【0044】
反射防止膜は、成膜材料を複数層積層して構成されており、屈折率の異なる複数の層を有している。また、光学部材が配置される周囲の気体等の入射媒質に接する第1層が屈折率n1=1.3以下の超低屈折率層となっている。
【0045】
一般に、反射防止膜は屈折率が異なる層を積層することにより構成され、入射媒質に接する第1層の屈折率が他の層より相対的に低く設定されているが、本発明では、特に、第1層を超低屈折率層とすることにより、他の層の屈折率との差を大きくするとともに、第1層の屈折率を従来より低下させることにより、角度特性を向上し易くしている。
【0046】
この反射防止膜の各層を構成する成膜材料は、一般に光学薄膜として使用される材料であるが、設計中心波長λ0が140nm〜370nmの紫外線のように短波長領域の場合、例えば、TiO2、NdF3、LaF3、GdF3、DyF3、Al2O3、PbF2、HfO2などの高屈折率材料、SiO2、MgF2、AlF3、NaF、LiF、CaF2、BaF2、SrF2、YF3、Na3AlF6、Na5Al3F14などの低屈折率材料を用いることができる。設計中心波長λ0がArFエキシマレーザより短波長の場合には、SiO2またはフッ化物を用いるのが好ましい。
【0047】
ここで、屈折率n1=1.3以下の超低屈折率層は、該屈折率を有する成膜材料により成膜してもよいが、上記のような成膜材料を多孔質に形成し、その空間充填密度を調整することにより屈折率を低下させたものであってもよい。
【0048】
その場合、第1層の成膜材料としては、短波長領域、特に、200nm以下の波長領域で吸収が少くて、後述するウエットプロセスにより調製し易いという理由で、SiO2、MgF2、CaF2、BaF2、SrF2、Na3AlF6、Na5Al3F14、AlF3等が好ましく、特に、空間充填密度60%以下のSiO2、MgF2 が好適である。
【0049】
一方、第1層より基材側の層は、屈折率1.3より大きい材料からなるものである。
【0050】
このような反射防止膜の各層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、およびCVD法等のドライプロセス、ゾルゲル法等のウェットプロセスから選ばれた何れか一つ以上の方法により成膜することができる。入射媒質と接する第1層を多孔質に形成する場合には、ゾルゲル法等のウエットプロセスを用いれば成膜を容易にすることができるため好ましい。
【0051】
ゾルゲル法を用いて第1層を形成するには、例えば、成膜材料の原料となる金属ハライド、金属オキシハライド、金属有機化合物等の出発原料を、水、アルコール、フッ酸等の溶媒に混合して成膜材料ゾルを作成し、このゾルを加熱等により熟成処理した後、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法等により基材に塗布し、ゲル膜を基材に堆積させ、その後、加熱することにより形成すればよい。
【0052】
ここで、フッ化物からなる層をゾルゲル法で形成するには、金属塩のアルコール溶液にフッ酸を加えて成膜材料ゾルを作成すればよい。また、ゾルゲル法により多孔質の第1層の空間充填密度を調整するには、分散媒を変更したり、ゾルの熟成処理における温度や熟成時間等の熟成条件を変更すればよい。
【0053】
そして、本発明では、このような反射防止膜の層構成は、設計中心波長λ0の光において適切な干渉条件が得られるように特定されている。ここでは、前記のように屈折率n1=1.3以下の超低屈折率層を用い、超低屈折率層を入射媒質と接する第1層に配置して最適化するとともに、各層の屈折率及び光学膜厚並びに層数が設定されている。
【0054】
具体的には、入射媒質側から基材側までの順に第1層、第2層、第3層、・・・それぞれの屈折率をn1,n2,n3,・・・、膜厚をd1,d2,d3,・・・とし、基材の屈折率をnsubとしたとき、2層構造の反射防止膜では、nsub=n1 1.50〜2.87<n2並びにd1=0.25λ0±21%及びd2=0.50λ0±30%の範囲にすることにより、或いは、nsub=n2 1.10〜1.30=n1 1.80〜4.70並びにd1=0.25λ0±35%及びd2=0.25λ0±60%の範囲にすることにより構成する。ここで、0.25λ0±35%とは、0.25λ0の値の上下35%以内の範囲である。
【0055】
また、3層構造の反射防止膜では、n3>n2>n1とするとともに、d1=0.22λ0±25%、d2=0.08λ0+190%乃至−95%、及びd3=0.50λ0±27%の範囲にすることにより、或いは、n2>n3>n1とするとともにd1=0.29λ0±19%、d2=0.59λ0±11%、d3=0.10λ0+155%乃至−95%の範囲にすることにより構成する。ここで、0.08λ0+190%乃至−95%とは、0.08λ0の5%の値から0.08λ0の290%の値までの範囲である。
【0056】
更に、4層構造の反射防止膜では、n2=n4>n3>n1とするとともに、d1=0.29λ0±21%、d2=0.18λ0±35%、d3=0.05λ0±85%、及びd4=0.27λ0±50%の範囲にすることにより、或いは、n2=n4>n3>n1とするとともに、d1=0.32λ0±17%、d2=0.09λ0±51%、d3=0.62λ0±17%、及びd4=0.45λ0±31%の範囲とすることにより構成する。
【0057】
また、5層構造の反射防止膜では、n2=n4>n3=n5>n1 とするとともに、d1=0.31λ0±17%、d2=0.22λ0±27%、d3=0.11λ0±29%、d4=0.16λ0±26%、及びd5=0.21λ0±75%の範囲とすることにより構成する。
【0058】
更に、6層構造の反射防止膜では、n2=n4=n6>n3=n5>n1とするとともに、d1=0.30λ0±20%、d2=0.25λ0±25%、d3=0.10λ0±32%、d4=0.11λ0±37%、d5=0.33λ0±32%、及びd6=0.55λ0±28%の範囲とすることにより構成する。
【0059】
このような各層構造の屈折率の範囲及び組合せ、並びに光学膜厚は、それぞれ前記のような範囲であれば、残存反射率が、実用上、反射防止膜として使用可能な1%を超えない範囲に抑えることができる。
【0060】
この発明では、このような特定の層構成とすることにより、従来より少ない積層数で、短波長の光に対する十分な分光反射特性を得易くするとともに、短波長の光における角度特性を向上し易くしている。そのため、このような反射防止膜を備えた光学部材では、従来に比べて、開口数NAを大きくすることが可能となり、また、積層数が少ないため製造が容易であり、更に、基材と反射防止膜との膨張係数の差に起因して、製造後の収縮量の差により生じる応力を抑えて、光学部材の撓み等の歪みを抑制し易い。
【0061】
次に、このような反射防止膜を有する光学部材を備えた投影露光装置30について説明する。
【0062】
図2は、この投影露光装置の基本構造を示し、ウェハー上にマスクのパターンのイメージを投影するための、ステッパと呼ばれるような投影露光装置に特に応用される。
【0063】
この投影露光装置30は少なくとも、表面に感光剤を塗布した被露光基板Wを置くことのできるウェハーステージ31,露光光としての真空紫外光を照射し、被露光基板W上にマスクRのパターンを転写するための照明光学系32,照明光学系32に露光光を供給するための光源33,被露光基板W上にマスクRのパターンのイメージを投影するための投影光学系34とを含む。投影光学系34はマスクRが配された最初の表面P1(物体面)と、被露光基板Wの表面に一致させた二番目の表面P2(像面)との間に配置されている。
【0064】
ウェハーステージ31はステージ制御系35により位置が制御される。照明光学系32は、マスクRと被露光基板Wとの間の相対位置を調節するための、アライメント光学系36を含んでいる。マスクRはウェハーステージ31の表面に対して平行に動くことのできるマスクステージ37に配置されている。マスク交換系38は、マスクステージ37にセットされたマスクRを交換し運搬する。マスク交換系38はウェハーステージ31の表面に対してマスクステージ37を平行に動かすためのステージドライバーを含んでいる。投影光学系34は、スキャンタイプの露光装置に応用されるアライメント光学系を持っている。更に、光源33、ステージ制御系35、アライメント光学系36、マスク交換系38は主制御部39によって制御されている。
【0065】
この投影露光装置30では、前記のような反射防止膜を有するレンズ等の光学部材が、詳細な図示は省略されているが、投影光学系34に使用されている。即ち、投影光学系34において、光路に反射防止膜を有するレンズ等が多数配置されている。
【0066】
このような投影露光装置30では、光源33からの照射光によりマスクRのパターン像を被露光基板W上に転写される。そして、この被露光基板Wに各種の後処理を施すことにより、半導体デバイス等のデバイスが製造される。
【0067】
そして、この投影露光装置30及びその光学系に、前記のような反射防止膜を有する光学部材が配置されているので、開口数NAを0.8以上にすることが可能となり、解像度をより高くすることができる。
【0068】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。これら実施例は実例によって説明されているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0069】
[実施例1]
実施例1は、請求項1に対応する例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する2層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表3に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0070】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.26、光学的膜厚0.250λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度60%のMgF2からなる多孔質層であり、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.500λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3からなる緻密な層である。
【0071】
【表3】
【0072】
最上層である第一層のウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。酢酸マグネシウムのメタノール溶液及びフッ酸からゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより成膜した。
【0073】
第2層のドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を載置したボートに通電し、抵抗加熱蒸着により成膜した。
【0074】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図3に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図4に示す。
【0075】
図3及び図4より明らかなように、本発明の反射防止膜はわずか2層という少ない層数でありながら、190nm〜250nmの波長範囲でRa≦0.4%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜47度の範囲でs偏光およびp偏光および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角50度を越えて53度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0076】
[実施例2]
実施例2は、請求項2に対応する例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する2層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表4に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0077】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.15、光学的膜厚0.250λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度36%のMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.250λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成る。この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0078】
【表4】
【0079】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図5に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図6に示す。
【0080】
図5及び図6より明らかなように、本発明の反射防止膜はわずか2層という少ない層数でありながら、190nm〜244nmの波長範囲でRa≦0.5%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜48度の範囲でs偏光およびp偏光および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角50度を越えて57度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0081】
[比較例1]
比較例1として同じArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する2層反射防止膜を示した。その膜構成を表5に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0082】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.250λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.250λ0を有するドライプロセスのLaF3から成る。ここで設計中心波長λ0は設計膜厚の基準となる波長であり、ここでは193nmに選ばれた。この反射防止膜は2層全てがドライプロセスで形成された。ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0083】
【表5】
【0084】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図7に、s偏光、p偏光、および平均に対する、波長193nmにおける反射率の角度特性の測定結果を図8に示す。
【0085】
図7及び図8より明らかなように比較例1の反射防止膜は、Ra≦0.4%となる波長範囲は190nm〜210nmであり、分光反射防止帯域は狭いことがわかる。また、角度反射防止特性について見ると、入射角0度(垂直入射)においても反射率はおよそ0.2%と高く、さらに入射30度を超えるとs偏光とp偏光の反射率の差が無視できなくなるばかりか、平均反射率は33度以上で0.5%を超え、42度以上では1.0%を超えてしまった。
【0086】
このような反射防止膜を、光学系用のレンズ部品等の光学部材に適用すると、例えばN.A.が0.8以上の半導体露光用投影レンズの場合、この投影レンズに組み込まれたレンズ部品の各々には、入射角が約60度までの光が無視できない程度入射する。そのために、投影レンズは偏光の差による反射率の違いにより光学特性が変化してしまうという問題が生じるのみならず、反射損失による透過光量の減少、周辺光量の低下の問題が生じる。この問題は、構成レンズ部品の枚数が多い光学系ほど大きい。従って、このような光学系の場合、偏光を考慮して使用しなければならず、更に、このような考慮をしても、反射損失のために光学特性が充分でない。
【0087】
この問題は、投影レンズに限らず、組み込まれる光学部材に対する斜入射成分が大きい全ての光学系に生じる。
【0088】
以上の理由により、この反射防止膜を具えた光学部材を、N.A.≧0.8の投影レンズ、等の光学系に適用することは困難である。
【0089】
[実施例3]
実施例3は、請求項3に対応する例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する3層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表6に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0090】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.21、光学的膜厚0.214λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度49%のMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.114λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.489λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成る。
【0091】
この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0092】
【表6】
【0093】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図9に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図10に示す。
【0094】
図9及び図10より明らかなように、本発明の反射防止膜は3層という少ない層数でありながら、190nm〜250nmの波長範囲でRa≦0.3%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜47度の範囲でs偏光およびp偏光および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角55度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0095】
[実施例4]
実施例4は、請求項4に対応する例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する3層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表7に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されてる。入射媒質は空気である。
【0096】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.21、光学的膜厚0.293λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度49%のMgF2からなり、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.572λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3からなり、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.134λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成る。
【0097】
この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0098】
【表7】
【0099】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図11に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図12に示す。
【0100】
図11及び図12より明らかなように、本発明の反射防止膜は3層という少ない層数でありながら、190nm〜240nmの波長範囲でRa≦0.5%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜55度の範囲でs偏光およびp偏光および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角60度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0101】
[比較例2]
比較例2として、同じArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する3層反射防止膜を示した。設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表8に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0102】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.262λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.266λ0を有するドライプロセスのLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.605λ0を有するドライプロセスのMgF2から成る。ここで設計中心波長λ0は設計膜厚の基準となる波長であり、ここでは193nmに選ばれた。この反射防止膜は3層全てがドライプロセスで形成された。ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0103】
【表8】
【0104】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図13に、s偏光、p偏光、および平均に対する、波長193nmにおける反射率の角度特性の測定結果を図14に示す。
【0105】
図13及び図14より明らかなように比較例2の反射防止膜は、Ra≦0.5%となる波長範囲は190nm〜212nmであり、分光反射防止帯域が狭いことがわかる。また、角度反射防止特性について見ると、入射角0度(垂直入射)での反射率は0%であるが、入射30度を超えるとs偏光とp偏光の反射率の差が無視できなくなるばかりか、平均反射率は0.5%を超え、43度以上では1.0%を超えてしまう。
【0106】
このような反射防止膜を、光学系用のレンズ部品等の光学部材に適用すると、例えばN.A.が0.8以上の半導体露光用投影レンズの場合、この投影レンズに組み込まれたレンズ部品の各々には、入射角が約60度までの光が無視できない程度入射する。そのために、投影レンズは偏光の差による反射率の違いにより光学特性が変化してしまうという問題が生じるのみならず、反射損失による透過光量の減少、周辺光量の低下の問題が生じる。この問題は、構成レンズ部品の枚数が多い光学系ほど大きい。従って、このような光学系の場合、偏光を考慮して使用しなければならず、更に、このような考慮をしても、反射損失のために光学特性が充分でない。
【0107】
この問題は、投影レンズに限らず、組み込まれる光学部材に対する斜入射成分が大きい全ての光学系に生じる。
【0108】
以上の理由により、この反射防止膜を具えた光学部材を、N.A.≧0.8の投影レンズ、等の光学系に適用することは困難である。
【0109】
[実施例5]
実施例5は、請求項5に対応した例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する4層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表9に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0110】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.21、光学的膜厚0.301λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度49%のMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.156λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.070λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2からなり、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.267λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成る。この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0111】
【表9】
【0112】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図15に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図16に示す。
【0113】
図15及び図16より明らかなように、本発明の反射防止膜は4層という少ない層数でありながら、190nm〜250nmの波長範囲でRa≦0.2%と極めて広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜49度の範囲でs偏光およびp偏光および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角50度を超えて57度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0114】
[実施例6]
実施例6は、請求項6に対応した例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する4層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表10に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0115】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.21、光学的膜厚0.315λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度49%のMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.072λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.641λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成り、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.461λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成る。
【0116】
この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0117】
【表10】
【0118】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図17に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図18に示す。
【0119】
図17及び図18より明らかなように、本発明の反射防止膜は4層という少ない層数でありながら、190nm〜244nmの波長範囲でRa≦0.5%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜55度の範囲でs偏光およびp偏光および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角60度を超えて61度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0120】
[比較例3]
比較例3として同じArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する4層反射防止膜を示した。設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表11に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0121】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.272λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.269λ0を有するドライプロセスのLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.641λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.068λ0を有するドライプロセスのLaF3から成る。ここで設計中心波長λ0は設計膜厚の基準となる波長であり、ここでは193nmに選ばれた。この反射防止膜は4層全てがドライプロセスで形成された。ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0122】
【表11】
【0123】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図19に、s偏光、p偏光、および平均に対する、波長193nmにおける反射率の角度特性の測定結果を図20示す。
【0124】
図19及び図20より明らかなように比較例3の反射防止膜は、Ra≦0.5%となる波長範囲は190nm〜210nmであり、分光反射防止帯域が狭いことがわかる。また、角度反射防止特性について見ると、入射角0度(垂直入射)での反射率は0%であるが、入射角が35度を超えるとs偏光とp偏光の反射率の差が無視できなくなるばかりか、平均反射率は0.5%を超え、42度以上では1.0%を超えてしまう。このような反射防止膜を、光学系用のレンズ部品等の光学部材に適用すると、例えばN.A.が0.8以上の半導体露光用投影レンズの場合、この投影レンズに組み込まれたレンズ部品の各々には、一般に入射角が約60度までの光が無視できない程度入射する。そのために、投影レンズは偏光の差による反射率の違いにより光学特性が変化してしまうという問題が生じるのみならず、反射損失による透過光量の減少、周辺光量の低下の問題が生じる。この問題は、構成レンズ部品の枚数が多い光学系ほど大きい。従って、このような光学系の場合、偏光を考慮して使用しなければならず、更に、このような考慮をしても、反射損失のために光学特性が充分でない。
【0125】
この問題は、投影レンズに限らず、組み込まれる光学部材に対する斜入射成分が大きい全ての光学系に生じる。
【0126】
以上の理由により、この反射防止膜を具えた光学部材を、N.A.≧0.8の投影レンズ、等の光学系に適用することは困難である。
【0127】
[実施例7]
実施例7は、請求項7に対応した例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する5層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表12に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0128】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.21、光学的膜厚0.322λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度49%のMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.191λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.113λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成り、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.188λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成り、第五層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.172λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成る。
【0129】
この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0130】
【表12】
【0131】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図21に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図22に示す。
【0132】
図21及び図22より明らかなように、本発明の反射防止膜は5層という比較的少ない層数でありながら、190nm〜250nmの波長範囲でRa≦0.4%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜55度の範囲でs偏光およびp偏および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角60度を超えて61度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0133】
[比較例4]
比較例4として同じArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する5層反射防止膜を示した。設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表13に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0134】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.263λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.294λ0を有するドライプロセスのLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.239λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.549λ0を有するドライプロセスのLaF3から成り、第五層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.243λ0を有するドライプロセスのMgF2から成る。ここで設計中心波長λ0は設計膜厚の基準となる波長であり、ここでは193nmに選ばれた。この反射防止膜は5層全てがドライプロセスで形成された。ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0135】
【表13】
【0136】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図23に、s偏光、p偏光、および平均に対する、波長193nmにおける反射率の角度特性の測定結果を図24に示す。
【0137】
図23及び図24より明らかなように比較例4の反射防止膜は、Ra≦0.5%となる波長範囲は190nm〜230nmであり、分光反射防止帯域が狭いことがわかる。また、角度反射防止特性について見ると、入射角0度(垂直入射)での反射率は0%であるが、入射角が30度を超えるとs偏光とp偏光の反射率の差が無視できなくなり、入射角が46度を超えると平均反射率は0.5%を超え、54度以上では1.0%を超えてしまう。このような反射防止膜を、光学系用のレンズ部品等の光学部材に適用すると、例えばN.A.が0.8以上の半導体露光用投影レンズの場合、この投影レンズに組み込まれたレンズ部品の各々には、一般に入射角が約60度までの光が無視できない程度入射する。そのために、投影レンズは偏光の差による反射率の違いにより光学特性が変化してしまうという問題が生じるのみならず、反射損失による透過光量の減少、周辺光量の低下の問題が生じる。この問題は、構成レンズ部品の枚数が多い光学系ほど大きい。従って、このような光学系の場合、偏光を考慮して使用しなければならず、更に、このような考慮をしても、反射損失のために光学特性が充分でない。
【0138】
この問題は、投影レンズに限らず、組み込まれる光学部材に対する斜入射成分が大きい全ての光学系に生じる。
【0139】
[実施例8]
実施例8は、請求項8に対応した例で、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する6層反射防止膜であり、設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表14に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層されている。入射媒質は空気である。
【0140】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.21、光学的膜厚0.308λ0を有するウエットプロセスにて形成した空間充填密度49%のMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.201λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.129λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成り、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.120λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成り、第五層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.309λ0を有するドライプロセスにて形成したMgF2から成り、第六層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.542λ0を有するドライプロセスにて形成したLaF3から成る。
【0141】
この反射防止膜は最上層である第一層がウエットプロセスで形成される。ウエットプロセスのMgF2の成膜は、フッ酸/酢酸マグネシウム法により行なった。ゾル液を調製後、オルガノサーマル処理を行い加熱熟成し、この溶液を基材上にスピンコートを行い、大気中で150℃で加熱することにより形成され、ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0142】
【表14】
【0143】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図25に、波長193nmにおけるs偏光、p偏光、および平均に対する角度反射特性を図26に示す。
【0144】
図25及び図26より明らかなように、本発明の反射防止膜は6層という比較的少ない層数でありながら、190nm〜244nmの波長範囲でRa≦0.5%と広い分光反射防止帯域を有する。さらに、広い入射角範囲、すなわち0度(垂直入射)〜54度の範囲でs偏光およびp偏および平均反射率が0.5%以下であり、従って偏光の違いによる反射率の差が極めて小さい。平均反射率は入射角60度を超えて61度においてもなお1.0%以下であり、角度反射防止特性においてもきわめて良好な反射防止性能を有していることがわかる。
【0145】
[比較例5]
比較例5として同じArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対する6層反射防止膜を示した。設計中心波長λ0=193nmである。その膜構成を表15に示す。この反射防止膜は合成石英ガラス基材(193nmにて屈折率1.55)上に積層される。入射媒質は空気である。
【0146】
第一層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.265λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第二層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.273λ0を有するドライプロセスのLaF3から成り、第三層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.321λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第四層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.102λ0を有するドライプロセスのLaF3から成り、第五層は波長193nmの光にて屈折率1.42、光学的膜厚0.096λ0を有するドライプロセスのMgF2から成り、第六層は波長193nmの光にて屈折率1.69、光学的膜厚0.273λ0を有するドライプロセスのLaF3から成る。ここで設計中心波長λ0は設計膜厚の基準となる波長であり、ここでは193nmに選ばれた。この反射防止膜は6層全てがドライプロセスで形成された。ドライプロセスの薄膜は真空蒸着法により膜材料を乗せたボートに通電し、抵抗加熱蒸着により形成された。
【0147】
【表15】
【0148】
この反射防止膜の、190nm〜250nmの分光反射特性を図27に、s偏光、p偏光、および平均に対する、波長193nmにおける反射率の角度特性の測定結果を図28に示す。
【0149】
図27及び図28より明らかなように比較例5の反射防止膜は、Ra≦0.5%となる波長範囲は190nm〜237nmであり、層数が増えた分だけ比較例1〜4よりも分光反射防止帯域は広くなっているものの実施例8にはおよばない。また、角度反射防止特性について見ると、入射角0度(垂直入射)での反射率は0%であるが、入射角が33度を超えるとs偏光とp偏光の反射率の差が無視できなくなり、入射角が42度を超えると平均反射率は0.5%を超え、50度以上では1.0%を超えてしまう。このような反射防止膜を、光学系用のレンズ部品等の光学部材に適用すると、例えばN.A.が0.8以上の半導体露光用投影レンズの場合、この投影レンズに組み込まれたレンズ部品の各々には、一般に入射角が約60度までの光が無視できない程度入射する。そのために、投影レンズは偏光の差による反射率の違いにより光学特性が変化してしまうという問題が生じるのみならず、反射損失による透過光量の減少、周辺光量の低下の問題が生じる。この問題は、構成レンズ部品の枚数が多い光学系ほど大きい。従って、このような光学系の場合、偏光を考慮して使用しなければならず、更に、このような考慮をしても、反射損失のために光学特性が充分でない。
【0150】
この問題は、投影レンズに限らず、組み込まれる光学部材に対する斜入射成分が大きい全ての光学系に生じる。
【0151】
以上の理由により、この反射防止膜を具えた光学部材を、N.A.≧0.8の投影レンズ、等の光学系に適用することは困難である。
【0152】
従って、実施例1〜8の反射防止膜は、比較例1〜5に比べ、300nm以下の紫外域で使用が可能で、層の総数が少なく、低い反射率特性、広い角度特性、少ない偏光特性の差を有する。そのため、これらの多層光学薄膜の少なくとも一つを投影レンズ、等の光学系に適用すれば、従来技術では実現が極めて困難であったN.A.≧0.8の高い光学性能の光学系が得られ、更にこの光学系を半導体露光装置、等の光学装置に用いれば高性能な光学装置が得られる。
【0153】
【発明の効果】
以上詳述の通り、請求項1乃至11に記載の発明によれば、複数の層からなる反射防止膜において、入射媒質側の第1層の透過率を1.30以下とするとともに、各層の屈折率及び光学膜厚を特定の構成にしたので、少ない積層数で、短波長の光における十分な分光反射特性及び角度特性を得ることが可能な反射防止膜を提供することができる。
【0154】
また、請求項12乃至16に記載の発明によれば、光学部材に分光反射特性及び角度特性に優れた反射防止膜を有する光学部材を備えているので、開口数NAを0.8以上に大きくすることにより解像度をより向上し易い光学部材、光学系、及び投影露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明及び従来の反射防止膜の構成を示す模式図である。
【図2】この発明の実施の形態の投影露光装置の基本構成を示す構成図である。
【図3】実施例1の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図4】実施例1の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図5】実施例2の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図6】実施例2の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図7】比較例1の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図8】比較例1の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図9】実施例3の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図10】実施例3の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図11】実施例4の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図12】実施例4の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図13】比較例2の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図14】比較例2の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図15】実施例5の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図16】実施例5の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図17】比較例3の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図18】比較例3の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図19】実施例6の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図20】実施例6の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図21】比較例4の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図22】比較例4の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図23】実施例7の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図24】実施例7の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図25】比較例5の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図26】比較例5の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図27】実施例8の結果を示すグラフであり、分光反射特性を示す。
【図28】実施例8の結果を示すグラフであり、角度反射特性を示す。
【図29】従来の3層構造の反射防止膜の分光反射特性を示グラフである。
【図30】従来の3層構造の反射防止膜の角度反射特性を示すグラフである。
【図31】従来の6層構造の反射防止膜の分光反射特性を示グラフである。
【図32】従来の6層構造の反射防止膜の角度反射特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 第1層
12 第2層
13 第3層
14 基材
30 投影露光装置
Claims (16)
- 波長140nm〜370nmの紫外線用に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜8何れか一つに記載の反射防止膜。
- 前記入射媒質に接する層が、空間充填密度60%以下のMgF2よりなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一つに記載の反射防止膜。
- 前記基材が、石英または蛍石からなることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一つに記載の反射防止膜。
- 前記基材の少なくとも一方の面に請求項1乃至11の何れか一つに記載の反射防止膜が積層されていることを特徴とする光学部材。
- 請求項12に記載の光学部材を備え、NA≧0.80(NAは開口数を示す)であることを特徴とする光学系。
- 紫外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン像を基材上に投影露光する投影光学系とを備えた装置であって、前記投影光学系に請求項13に記載の光学部材を備えたことを特徴とする投影露光装置。
- 請求項14に記載の投影露光装置を用いて前記マスクのパターン像を被露光基板上に転写する工程を有することを特徴とするデバイス製造方法。
- 請求項1乃至11の何れか一つに記載の反射防止膜の製造方法であって、前記入射媒質に接する層をゾルゲル法により形成することを特徴とする反射防止膜の製造方法。
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