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JP4951059B2 - 航空機構成材 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機構成材、航空機構成材を製造する方法および航空機構成材本体と外皮との間で荷重を移動させるコネクタに関する。そのコネクタは、主翼の外皮と主翼リブとの間で荷重を移動させるリブ脚であってもよい。
航空機の主翼リブのリブ脚については、国際公開第01/76943号パンフレットに記載されている。リブ脚は一対のフランジを有し、それぞれが最終アッセンブリ孔の最終位置に空けられた一対のガイド孔を有し、主翼の外皮を固定するために用いられる。
国際公開第01/76943号パンフレット
リブ脚に破損が生じた場合、耐荷重性のリブ脚全体を損失し、全荷重が近接のリブ脚に移動する。その場合、超過荷重が近接のリブ脚に移動し、航空機の主翼の構造的完全性を損なうことになり得る。
本発明の第一の態様は、航空機構成材の製造方法を提供することであり、その方法は、
一列に並んだ二個以上のコネクタを具える航空機構成材の本体として、各コネクタが本体から伸びるアーム、列の第一側に位置する第一フランジおよび列の第二側に位置する第二フランジを有する本体を準備する工程と、
本体から伸びるアーム、列の第一側に位置する第一フランジおよび列の第二側に位置する第二フランジを有する別体コネクタを本体に取り付ける工程とを含み、
前記別体コネクタのアームを、前記列の一側から見たときに、近接するコネクタのアームに重なるように配置するものである。
本発明の第一の態様による方法によって、別体コネクタが列の近接のコネクタに接近した状態で取り付けられ、一方でそれらのコネクタ間を伝わるクラックが発生する可能性を低下させることができる。別体コネクタに破損が生じた場合は、フランジを列の反対側に位置づけることによって、荷重が残りのコネクタに左右対称に移動することになる。
本発明の第二の態様は、本体および本体に一列に並んだ一連のコネクタを含む航空機構成材を提供することであり、各コネクタが本体から伸びるアーム、列の第一側に位置する第一フランジおよび列の第二側に位置する第二フランジを有し、コネクタの少なくとも一個が本体に取り付けられた別体コネクタであり、前記別体コネクタのアームが、前記列の一側から見たときに、近接するコネクタのアームに重なるように配置されているものである。
航空機構成材は溶接によって外皮に固定されるか、より好ましくは、ボルト等の締め具でコネクタのフランジおよび外皮を締め付けることによって固定される。外皮は一般的に、胴体の外皮または翼の外皮のように空気力学的外表面を有する航空機構成材である。一般的に、外皮は複数の補強材を備えた内部表面を有し、各補強材は一対のコネクタ間にあるチャネルにおいて保持される。コネクタおよび外皮は、それぞれが金属および複合材等の異なる材料から構成されることもある。
一般的に、列の一側から見たときに、別体コネクタのアームは近接するコネクタのアームに重なっている。こうすることで、コンパクトな構成が可能となり、別体コネクタのアームおよび/または近接するコネクタのアームが列の一側から見たときにもう一方のアームに重なる強化部を備えることができる。好ましくは、この強化部が、曲げ剛性を強化するために斜めの縁部を有する。
一般的に、別体コネクタのアームは本体に近接する比較的幅の広い基部およびフランジを保持する比較的幅の狭い末端部を有する。こうすることでも、アームの曲げ剛性を強化することができる。
好ましい実施例において、航空機構成材は主翼リブを含み、コネクタはリブ脚を含む。しかしながら、本発明は、胴体の構成材等のその他の航空機構成材に適用される場合もある。
一般的に、各フランジは、締め付け部品を保持するために一個以上の締め付け孔を有する。以下に記述する好ましい実施例において、別体コネクタおよび別体コネクタに隣接するコネクタのフランジは、列中のその他のコネクタより孔の数が少ない。
一般的に、コネクタの少なくとも一個は本体と一体化して構成される。
リッジ等の補強材が、コネクタに近接の本体に沿って伸びていることもある。この場合、別体コネクタは一般的に、補強材の反対側で本体に固定されている。
コネクタは、典型的には、
航空機構成材の本体にコネクタを固定するための板であって、その板はコネクタの第一側にある第一面、コネクタの第二側にある第二面および第一面と第二面との間にある縁を有する板と、
板の縁から伸びるアームと、
コネクタの第一側にあるアームによって保持される第一フランジと、
コネクタの第二側にあるアームによって保持される第二フランジとを含み、
アームは板の縁に近接する比較的幅の広い基部およびフランジを保持する比較的幅の狭い末端部を有する。
コネクタの左右対称の構造により、コネクタが本発明の第一の態様による方法において利用されることが適当となる。
板が本体に溶接されることもあるが、より好ましくは、板が、ボルト等の締め具を保持するための締め付け孔を二個以上有する。
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら記述する。
図1は、胴体2および一対の翼を含み、各翼が翼端3を有する航空機1を示す。各翼は、胴体に取り付けられスパン方向に伸びる一対のスパー(図示せず)を有する。24枚のリブ(図示せず)がコード方向に伸びる。フラップ4が各翼の後縁に装備されている。フラップは4個のフラップ取り付け具(図示せず)で保持され、各取り付け具は各リブに固定されている。各翼は一対のエンジン5を保持し、各エンジンは支持構造(図示せず)によって各リブに取り付けられている。
図2は、前縁および後縁にあるリブを除いたリブ10の一つの機械加工表面を示す。リブ10はアルミニウムビレットから機械加工され、多数の垂直スティフナー11、下側ブームリッジ12および上側ブームリッジ13、ならびに水平スティフナー14を形成する。燃料孔15は燃料パイプを収容するよう構成されている。孔16はリブの重量を軽減するためにリブ内ウェブに形成される。フラップトラック取り付け具17は垂直スティフナー18により形成される。
リブ10の上縁および下縁は、それぞれが一連の一体型リブ脚19を備え、リブに沿って一列に並んでいる。リブの上縁は、本発明の一実施例による二部分から成るリブ脚20も保持し、一体型リブ脚と共に並んでいる。リブ脚19および20はリブ本体と主翼の外皮との間で荷重を移動させる。
図3は、二部分から成るリブ脚20および近接の一体型リブ脚19を詳細に示す。図3は、図2で示される側とは反対側のリブを示す。図3は、後部スパー(図示せず)に取り付けられたリブ10の後縁21も示す。
一体型リブ脚19は、残りのリブと同一のアルミニウムから機械加工され、リブの上縁から伸びるアーム22、リブの第一側のアームによって保持される第一フランジ23aおよびリブの第二側のアームによって保持される第二フランジ23bを含む。フランジ23a、23bは一端に一対のボルト孔24a、24bを、もう一端に一対のボルト孔25a、25bを有して形成される。一体型リブ脚19は一対のU型チャネル26によって隣接のリブ脚から隔てられている。このように、リブ脚はリブの左右側面から見たときに城構えの外見を呈する。
二部分から成るリブ脚20は、図4で詳細に示される別個のボルト締め部30および図5で詳細に示される一体形成部40を含む。
図4に関して、ボルト締め部30は10個のボルト孔32を有する鉛直版31を含む。鉛直版31は凹部33を有して形成され、図3に示されるような孔16のために空間を空けておく。鉛直版31は、リブのボルト孔34に差し込まれるボルト(図示せず)によってリブ10に固定される。(ボルト孔34は図5に示される。)
アーム35が鉛直版31の上縁から伸びている。側面から見たときに、アーム35は鉛直版31に近接する比較的幅の広い基部、比較的幅の狭い末端部、垂直縁部36および斜めの縁部37を含む三角形の強化部を有する。アーム35の末端部は、鉛直板の第一側で第一フランジ38aを、反対側の側面で第二フランジ38bを保持する。フランジ38a、38bは、それぞれがボルト孔39a、39bを有する。図5に示される一体形成部40は、残りのリブと同一のアルミニウムから機械加工され、リブの上縁から伸びる突き出たアーム41を含む。アーム40は、リブの第一側で第一フランジ42aを、反対側の側面で第二フランジ42bを保持する。フランジ42a、42bは、それぞれがボルト孔43a、43bを有する。アーム41は垂直縁部44および斜めの縁部45を含む強化部を有する。
図6は、主翼の外皮50に取り付けられたリブ10を示す。主翼の外皮50は、翼の空気力学的外表面を形成する外部表面(図6では見られない)を有し、内部表面51は、翼に沿ってスパン方向に存在する一連のストリンガーを保持する。ストリンガーは断面がT型であり、Tの直立部52は翼の内側に向かって伸び、2個のリブ脚の間にあるU型チャネル26内に位置し、Tのアーム部53は外皮50の内側表面51に沿って位置する。図7は、二部分から成るリブ脚および二個の近接のストリンガーを詳細に示す。図7に示されるように、ストリンガーのアーム53はリブの間に平行側面を有するが、平行側面がリブに近づくにつれ外に向かって先細になり、幅広部54を形成する。ボルト(図示せず)はリブ脚、板55、ストリンガーアーム53の幅広部54および外皮50を貫通する。図示された実施例において、主翼の外皮50は炭酸繊維強化プラスチック等の複合材料から形成される。同様に、ストリンガーは炭酸繊維強化プラスチック等の複合材料から形成される。
図6に関して、リブの前後縁21、60はそれぞれ前後部スパー(図示せず)に取り付けられている。フラップトラック取り付け具70は、ボルト孔71を貫通するボルト(図示せず)によって、リブにボルト固定されている。一対のラグナット(図示せず)は一側面はフラップトラック取り付け具17にボルト固定され、反対側の側面はフラップトラック取り付け具70にボルト固定されている。フラップの重量は、ラグナットによってフラップトラック取り付け具17、70に移動する。図6から理解できるように、フラップトラック取り付け具17、70とリブの前縁21に取り付けられたスパーとの間には4個のリブ脚しかない。これらのリブ脚は高荷重を支え、特にスパーに最も近いリブ脚は高荷重を支えている。リブ脚の何れか一個に破損が生じた場合、荷重は近接のリブ脚に移動する。フラップトラック取り付け具とリブの前縁21に取り付けられているスパーとの間の部分において、リブ脚全体(1個につき4個のボルトを備える)が破損すると、移動した荷重が超過する恐れがある。この問題は複合材主翼では特に深刻である。複合材主翼の外皮は一般的に、従来のアルミニウム主翼の外皮に比べて支圧強度に衰え、荷重が主翼の外皮の隔離部分に集中することで構造的な問題につながるからである。この問題を解決するために、以下に詳細に説明するように、破損が生じた場合、二部分から成るリブ脚20は四個でははく二個のボルトのみを損失することになるよう構成されている。
そのために、一体型リブ脚19のアーム22を伝わる水平のクラックが生じた場合、リブ脚19全体が破損することになる。しかしながら、近接のリブ脚に生じたクラックの伝達は、U型チャネル26によって防ぐことができるであろう。(図3を参照のこと。)対照的に、二部分から成るリブ脚20の場合には、別体のボルト締め部30のアーム35へ伝わる水平のクラックは近接部40のアーム41には伝わらないし、その逆も伝わらない。これは、(この領域において、アームはかみ合っているが、)上側ブーム13の上に位置するアーム35、41の間に繋がりがないからである。結果として、部分30の破損が部分40の破損を招く恐れはなく、その逆もない。こうすることで、近接のコネクタに固定されたボルトと同様にリブ脚の無傷部分に残された二個のボルトは荷重を受け止めることができる。
部分30を、近接のコネクタ40と一体化させて形成する代わりに、別体コネクタとして形成することにより、部分30をコネクタ40に近いリブ本体に取り付けることができ、一方でそれらの間でクラックが伝わる可能性を低下させるか排除することができる。
二部分から成るリブ脚20は、左右対称で機能を停止するよう構成されている。すなわち、部分30または40のどちらかが破損しても、残りの部分が、リブの前後の軸について左右対称に配置された2個のボルトを有する。これは、代替の非対称構造と対照させることができる。非対称構造において、リブの一側面にある二個のボルトはボルト固定された部分によって保持され、もう一方の側面にある二個のボルトは一体化して形成された部分によって保持されている。この代替の非対称構造において、一部分に破損が生じると、残りのボルトがリブの一方の側にだけ存在することになる。この異常は瞬時にリブに影響を与え、複合材主翼の外皮に主翼の外皮の支圧強度を超過し得るスパン方向の荷重を加える恐れがある。対照的に、二部分から成るリブ脚20の場合、一部に破損が生じても、残りの耐荷重性ボルトがリブ脚列の両側にあるので、荷重は増えるがほとんど即座にリブに対称的に荷重を加えることとなる。
複合材主翼の外皮に関するさらなる問題は、複合材主翼の外皮が取り付けられているアルミニウムのリブ脚が、複合材主翼の外皮に対して異なる熱膨張係数を有することである。これによって、結合部に付加的な荷重を加える膨張差が生じる。二部分から成るリブ脚20の左右対称性は、破損が発生した場合に荷重がリブ脚列の両側に均等に分配されることを意味するだけでなく、フランジ38、42は(図7に非常に明確に示されている)溝61によって隔たれ、コード方向に測定すると一体型フランジ23a、23bよりも寸法が小さいので、熱膨張差のコード方向の大きさを縮小させることもできる。
図7は(斜めの縁部45を含む)アーム41の三角形の強化部を示し、リブの機械加工された側から見たときにどのように強化部が近接部35に重なっているかを示す。強化部はアーム41の曲げ鋼性を増強し、重なりによってコンパクトな構成を可能とする。同様に、アーム35の強化部は、図3に非常に明確に示されるようにもう一方のアーム41に重なっている。強化部が三角形であることにより、比較的小さい重量で高い曲げ剛性を得ることができる。
本発明について一以上の好ましい実施例を参照しながら上記しているが、添付の請求範囲において定義されている本発明の範囲から逸脱することなく各種の変更または修正が可能であることは、言うまでもない。
航空機の平面図である。 主翼リブの機械加工面の一部を示す図である。 主翼リブの反対面の一部を示す拡大図である。 ボルト締め付け部を示す図である。 ボルト締め付け部を除く主翼リブの機械加工面の一部を示す拡大図である。 主翼リブ全体および主翼の外皮を示す図である。 二部分から成るリブ脚を詳細に示す主翼リブおよび主翼の外皮の拡大図である。

Claims (15)

  1. 一列に並んだ二個以上のコネクタを具える航空機構成材の本体として、各コネクタが前記本体から伸びるアーム、前記列の第一側に位置する第一フランジおよび前記列の第二側に位置する第二フランジを有する前記本体を準備する工程と、
    前記本体から伸びるアーム、前記列の第一側に位置する第一フランジおよび前記列の第二側に位置する第二フランジを有する別体コネクタを前記本体に取り付ける工程とを含み、
    前記別体コネクタのアームを、前記列の一側から見たときに、近接するコネクタのアームに重なるように配置する、航空機構成材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって航空機構成材を製造する工程と、
    締め具で前記コネクタの前記フランジと、空気力学的外表面を有する外皮とを締め付けることによって、前記航空機構成材を前記外皮に固定する工程とを含む、航空機構成材の製造方法。
  3. 本体と、前記本体に一列に並ぶ一連のコネクタとを含む航空機構成材であって、各コネクタが前記本体から伸びるアーム、前記列の第一側に位置する第一フランジおよび前記列の第二側に位置する第二フランジを有し、前記コネクタの少なくとも一個が前記本体に取り付けられた別体コネクタであり、前記別体コネクタのアームが、前記列の一側から見たときに、近接するコネクタのアームに重なるように配置されている航空機構成材。
  4. 前記別体コネクタのアームおよび/または前記コネクタのうち近接する一個のコネクタのアームが、前記列の一側から見たときにもう一方のアームに重なっている強化部を有する、請求項に記載の航空機構成材。
  5. 前記強化部が斜めの縁を有する、請求項に記載の航空機構成材。
  6. 前記別体コネクタのアームが、前記本体に近接する比較的幅の広い基部および前記フランジを保持する比較的幅の狭い末端部を有する、請求項3〜の何れか一項に記載の航空機構成材。
  7. 前記航空機構成材が主翼リブを含み、前記コネクタがリブ脚を含む、請求項3〜の何れか一項に記載の航空機構成材。
  8. 各フランジが、締め付け部品を保持するために一個以上の締め付け孔を有する、請求項3〜の何れか一項に記載の航空機構成材。
  9. 前記別体コネクタが二個以上の締め具によって前記本体に固定され、各締め具が前記別体コネクタおよび前記本体を貫通する、請求項3〜の何れか一項に記載の航空機構成材。
  10. 前記コネクタの少なくとも一個が前記本体と一体化して構成される、請求項3〜の何れか一項に記載の航空機構成材。
  11. 前記コネクタに近接する前記本体に沿って伸びる補強材をさらに含む、請求項3〜10の何れか一項に記載の航空機構成材。
  12. 前記別体コネクタが、前記補強材の反対側で前記本体に固定されている、請求項11に記載の航空機構成材。
  13. 請求項3〜12の何れか一項に記載の航空機構成材と、前記コネクタに固定された外皮とを含み、前記外皮が空気力学的外表面を有する航空機構造体。
  14. 前記外皮が複数の補強材を保持する内部表面を有し、各補強材が一対の前記コネクタ間にあるチャネルにおいて保持される、請求項13に記載の航空機構造体。
  15. 前記コネクタおよび前記外皮が異なる材料から形成される、請求項13または14に記載の航空機構造体。
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