ところで、表面実装型コンデンサアレイを回路基板に実装する際には、表面実装型コンデンサアレイの実装面を回路基板の主面と対向させた状態で、表面実装型コンデンサアレイの外部電極と回路基板の主面上に形成されている信号電極とをはんだ付けする。このとき、はんだが外部電極の表面を這い上がってくる。外部電極表面の大部分をはんだが覆ってしまうと、表面実装型コンデンサアレイがはんだによって回路基板に強力に固定される。
ここで、表面実装型コンデンサアレイの回路基板への実装後に、回路基板に外力が与えられたり、表面実装型コンデンサアレイの作動時に発生する熱によって表面実装型コンデンサアレイ自身が膨張・収縮等したりすると、表面実装型コンデンサアレイの素体に対してはんだからの応力が作用し、素体にクラックが発生することがある。素体にクラックが発生すると、素体内に配置されている内部電極同士が短絡してしまうことがある。そのため、上記特許文献1に記載された表面実装型コンデンサアレイでは、焼付電極層のうち一対の樹脂電極層に覆われていない部分と樹脂電極層との境界部分に設けた段差によって、はんだの過剰な這い上がりを防止している。
しかしながら、上記特許文献1に記載された表面実装型コンデンサアレイは、焼付電極層のうち一対の樹脂電極層に覆われていない部分を有していた。そのため、焼付電極層及び一対の樹脂電極層を覆うようにめっき層を形成する際に、焼付電極層及び焼付電極層と物理的且つ電気的に接続された内部電極を通って素体内部にめっき液が滲入してしまうことがあり、表面実装型コンデンサアレイの特性が劣化してしまうという問題があった。また、樹脂電極層は、焼付電極層と比較して変形しやすいので、素体に作用する応力を樹脂電極層で吸収することができるようになっているが、上記特許文献1に記載された表面実装型コンデンサアレイでは焼付電極層の全体が樹脂電極層によって覆われていなかったので、樹脂電極層による応力緩和が十分に行われないという問題があった。
そこで、本発明は、はんだの過剰な這い上がりを防止しつつ、めっき液の素体内への滲入の防止及び素体への応力の緩和を十分に図ることが可能な表面実装型電子部品アレイ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る表面実装型電子部品アレイは、素体と、素体上に配置された第1外部電極とを備える表面実装型電子部品アレイであって、素体は、第1主面と、第1主面と隣り合う側面とを有し、第1外部電極は、金属を主成分として含有すると共に第1主面上に形成された第1焼付電極層と、導電性材料を含有すると共に、第1焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1主面及び側面にわたって形成された第1樹脂電極層と、金属を主成分として含有すると共に第1樹脂電極層を覆うように形成された第1めっき層とを有し、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分は、第1−1幅広部、第1−2幅広部及び第1幅狭部を含み、第1−1幅広部、第1幅狭部及び第1−2幅広部は、第1樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されており、第1樹脂電極層のうち第1幅狭部の近傍には、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の第1主面に直交する方向における表面高さが側面から遠い側において側面に近い側よりも高くなっていることで構成された第1段差が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1外部電極が、第1焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1主面及び側面にわたって形成された第1樹脂電極層を有しており、第1樹脂電極層の第1幅狭部の近傍に、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の第1主面に直交する方向における表面高さが側面から遠い側において側面に近い側よりも高くなっていることで構成された第1段差が設けられている。つまり、第1樹脂電極層(第1外部電極)の第1主面に直交する方向における表面高さは、その延在方向において変化している。そのため、側面を実装面として表面実装型電子部品アレイを回路基板に実装する際に、はんだが第1外部電極の表面を這い上がってきても、第1段差によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることを防止でき、素体にクラックが生じる虞を低減することが可能となる。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1樹脂電極層が、第1−1幅広部、第1−2幅広部及び第1幅狭部を含んでおり、第1−1幅広部、第1幅狭部及び第1−2幅広部が、第1樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されている。つまり、第1樹脂電極層(第1外部電極)の幅は、その延在方向において変化している。そのため、側面を実装面として表面実装型電子部品アレイを回路基板に実装する際に、はんだが第1外部電極の表面を這い上がってきても、第1−1幅広部及び第1−2幅広部に対して第1幅狭部の幅が狭くなっているので、第1幅狭部によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより防止でき、素体にクラックが生じる虞を更に低減することが可能となる。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1樹脂電極層が、第1焼付電極層の表面全体を覆うように第1焼付電極層上に形成されている。ここで、第1樹脂電極層は、第1焼付電極層と比較して変形しやすい。そのため、表面実装型電子部品アレイの回路基板への実装後に、回路基板に外力が与えられたり、表面実装型電子部品アレイの作動時に発生する熱によって表面実装型電子部品アレイ自身が膨張・収縮したりしても、素体に作用する応力を第1樹脂電極層で吸収することができるようになっている。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1樹脂電極層が、第1焼付電極層の表面全体を覆うように第1焼付電極層上に形成されていることにより、第1めっき層が第1焼付電極層上に形成されていない。つまり、第1めっき層を形成するにあたり、第1焼付電極層の表面全体が第1樹脂電極層によって覆われているので、第1焼付電極層等を通って素体内部にめっき液が滲入し難くなっている。その結果、めっき液の素体内部への滲入による表面実装型電子部品アレイの特性劣化を十分に抑制することができるようになっている。
好ましくは、第1幅狭部の近傍には、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分が側面から遠い側において厚肉となり側面に近い側において薄肉となることにより、第1段差が構成されている。このようにすると、厚肉部分と薄肉部分との境界において急峻な第1段差が構成されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより一層防止することが可能となる。
好ましくは、素体上に配置された第2外部電極を更に備え、素体は、側面と隣り合う第2主面を更に有し、第2外部電極は、金属を主成分として含有すると共に第2主面上に形成された第2焼付電極層と、導電性材料を含有すると共に、第2焼付電極層の表面全体を覆い且つ第2主面及び側面にわたって形成された第2樹脂電極層と、金属を主成分として含有すると共に第2樹脂電極層を覆うように形成された第2めっき層とを有し、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分は、第2−1幅広部、第2−2幅広部及び第2幅狭部を含み、第2−1幅広部、第2幅狭部及び第2−2幅広部は、第2樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されており、第2幅狭部の近傍には、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分の第2主面に直交する方向における表面高さが側面から遠い側において側面に近い側よりも高くなっていることで構成された第2段差が設けられている。
より好ましくは、第2幅狭部の近傍には、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分が側面に近い側において薄肉となり側面から遠い側において厚肉となることにより、第2段差が構成されている。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイは、素体と、素体上に配置された第1外部電極とを備える表面実装型電子部品アレイであって、素体は、第1主面と、第1主面とそれぞれ隣り合うと共に互いに対向する一対の第1側面及び第2側面とを有し、第1外部電極は、金属を主成分として含有すると共に第1主面上に形成された第1焼付電極層と、導電性材料を含有すると共に、第1焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1側面、第1主面及び第2側面にわたって形成された第1樹脂電極層と、金属を主成分として含有すると共に第1樹脂電極層を覆うように形成された第1めっき層とを有し、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分は、第1−1幅広部、第1−2幅広部及び第1幅狭部を含み、第1−1幅広部、第1幅狭部及び第1−2幅広部は、第1樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されており、第1幅狭部の近傍には、第1主面に直交する方向における第1樹脂電極層の表面高さが第1樹脂電極層の延在方向において変化することで構成された第1段差が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1外部電極が、第1焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1側面、第1主面及び第2側面にわたって形成された第1樹脂電極層を有しており、第1樹脂電極層の第1幅狭部の近傍に、第1主面に直交する方向における第1樹脂電極層の表面高さが第1樹脂電極層の延在方向において変化することで構成された第1段差が設けられている。そのため、第1側面又は第2側面を実装面として表面実装型電子部品アレイを回路基板に実装する際に、はんだが第1外部電極の表面を這い上がってきても、第1段差によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることを防止でき、素体にクラックが生じる虞を低減することが可能となる。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1樹脂電極層が、第1−1幅広部、第1−2幅広部及び第1幅狭部を含んでおり、第1−1幅広部、第1幅狭部及び第1−2幅広部が、第1樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されている。つまり、第1樹脂電極層(第1外部電極)の幅は、その延在方向において変化している。そのため、側面を実装面として表面実装型電子部品アレイを回路基板に実装する際に、はんだが第1外部電極の表面を這い上がってきても、第1−1幅広部及び第1−2幅広部に対して第1幅狭部の幅が狭くなっているので、第1幅狭部によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより防止でき、素体にクラックが生じる虞を更に低減することが可能となる。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1樹脂電極層が、第1焼付電極層の表面全体を覆うように第1焼付電極層上に形成されている。ここで、第1樹脂電極層は、第1焼付電極層と比較して変形しやすい。そのため、表面実装型電子部品アレイの回路基板への実装後に、回路基板に外力が与えられたり、表面実装型電子部品アレイの作動時に発生する熱によって表面実装型電子部品アレイ自身が膨張・収縮したりしても、素体に作用する応力を第1樹脂電極層で吸収することができるようになっている。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイでは、第1樹脂電極層が、第1焼付電極層の表面全体を覆うように第1焼付電極層上に形成されていることにより、第1めっき層が第1焼付電極層上に形成されていない。つまり、第1めっき層を形成するにあたり、第1焼付電極層の表面全体が第1樹脂電極層によって覆われているので、第1焼付電極層等を通って素体内部にめっき液が滲入し難くなっている。その結果、めっき液の素体内部への滲入による表面実装型電子部品アレイの特性劣化を十分に抑制することができるようになっている。
好ましくは、第1幅狭部の近傍には、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の厚みが第1樹脂電極層の延在方向において変化することにより、第1段差が構成されている。このようにすると、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の厚みが変化している境界において急峻な第1段差が構成されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより一層防止することが可能となる。
好ましくは、第1幅狭部は、第1側面と第2側面との対向方向における第1主面の略中央に位置している。このようにすると、表面実装型電子部品アレイを回路基板に実装する際に、第1側面又は第2側面のどちらを実装面としても、第1幅狭部及び第1段差によるはんだの這い上がり防止効果が同等に発揮されることとなる。
好ましくは、素体上に配置された第2外部電極を更に備え、素体は、第1側面及び第2側面とそれぞれ隣り合うと共に第1主面と対向する第2主面を更に有し、第2外部電極は、金属を主成分として含有すると共に第2主面上に形成された第2焼付電極層と、導電性材料を含有すると共に、第2焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1側面、第2主面及び第2側面にわたって形成された第2樹脂電極層と、金属を主成分として含有すると共に第2樹脂電極層を覆うように形成された第2めっき層とを有し、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分は、第2−1幅広部、第2−2幅広部及び第2幅狭部を含み、第2−1幅広部、第2幅狭部及び第2−2幅広部は、第2樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されており、第2幅狭部の近傍には、第2主面に直交する方向における第2樹脂電極層の表面高さが第2樹脂電極層の延在方向において変化することで構成された第2段差が設けられている。
より好ましくは、第2幅狭部の近傍には、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分の厚みが第2樹脂電極層の延在方向において変化することにより、第2段差が構成されている。
より好ましくは、第2幅狭部は、第1側面と第2側面との対向方向における第2主面の略中央に位置している。
一方、本発明に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法は、第1主面と、第1主面と隣り合う側面とを有する素体を用意する素体用意工程と、素体上に第1外部電極を形成する第1外部電極形成工程とを備え、第1外部電極形成工程は、金属を主成分として含有する導電ペーストを第1主面に塗布して焼付けることで第1焼付電極層を形成する第1−1工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを、第1焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1主面及び側面にわたって塗布して加熱により硬化させることで第1樹脂電極層を形成する第1−2工程と、第1樹脂電極層を覆うように金属めっきを施すことで第1めっき層を形成する第1−3工程とを有しており、第1−2工程では、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分が、第1−1幅広部、第1−2幅広部及び第1幅狭部を含み、第1−1幅広部、第1幅狭部及び第1−2幅広部が、第1樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置され、第1幅狭部の近傍に、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の第1主面に直交する方向における表面高さが側面から遠い側において側面に近い側よりも高くなっていることで構成された第1段差が位置するように第1樹脂電極層を形成することを特徴とする。
本発明に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法では、第1−2工程において、第1焼付電極層の表面全体を覆い且つ第1主面及び側面にわたって導電樹脂ペーストを塗布して加熱により硬化させることで第1樹脂電極層を形成しており、第1樹脂電極層の第1幅狭部の近傍に、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の第1主面に直交する方向における表面高さが側面から遠い側において側面に近い側よりも高くなっていることで構成された第1段差を設けている。つまり、第1樹脂電極層(第1外部電極)の第1主面に直交する方向における表面高さは、その延在方向において変化している。そのため、本発明に係る製造方法により製造された表面実装型電子部品アレイを、側面を実装面として回路基板に実装する際に、はんだが第1外部電極の表面を這い上がってきても、第1段差によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることを防止でき、素体にクラックが生じる虞を低減することが可能となる。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法では、第1樹脂電極層が、第1−1幅広部、第1−2幅広部及び第1幅狭部を含んでおり、第1−1幅広部、第1幅狭部及び第1−2幅広部が、第1樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置されている。つまり、第1樹脂電極層(第1外部電極)の幅は、その延在方向において変化している。そのため、本発明に係る製造方法により製造された表面実装型電子部品アレイを、側面を実装面として回路基板に実装する際に、はんだが第1外部電極の表面を這い上がってきても、第1−1幅広部及び第1−2幅広部に対して第1幅狭部の幅が狭くなっているので、第1幅狭部によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより防止でき、素体にクラックが生じる虞を更に低減することが可能となる。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法では、第1−2工程において、第1焼付電極層の表面全体を覆うように第1樹脂電極層を第1焼付電極層上に形成している。ここで、第1樹脂電極層は、第1焼付電極層と比較して変形しやすい。そのため、本発明に係る製造方法により製造された表面実装型電子部品アレイの回路基板への実装後に、回路基板に外力が与えられたり、表面実装型電子部品アレイの作動時に発生する熱によって表面実装型電子部品アレイ自身が膨張・収縮したりしても、素体に作用する応力を第1樹脂電極層で吸収することができるようになっている。
また、本発明に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法では、第1−2工程において、第1焼付電極層の表面全体を覆うように第1樹脂電極層を第1焼付電極層上に形成していることにより、第1めっき層が第1焼付電極層上に形成されていない。つまり、第1−3工程において第1めっき層を形成するにあたり、第1焼付電極層の表面全体が第1樹脂電極層によって覆われているので、第1焼付電極層等を通って素体内部にめっき液が滲入し難くなっている。その結果、めっき液の素体内部への滲入による表面実装型電子部品アレイの特性劣化を十分に抑制することができるようになっている。
好ましくは、第1−2工程は、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−1塗膜を第1主面上に形成する第1−1塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−2塗膜を第1主面上に形成する第1−2塗膜形成工程とを含み、第1−1塗膜は、側面から離れるにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有し、第1−2塗膜は、側面に近づくにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有しており、第1−1塗膜の先細部と第1−2塗膜の先細部とは接触しており、第1−1塗膜の先細部と第1−2塗膜の先細部とにより第1幅狭部及び第1段差が構成されている。このようにすると、第1幅狭部を容易に形成することができると共に、第1幅狭部の近傍に第1段差を容易に形成することができる。
好ましくは、第1−2工程は、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−1塗膜を第1主面上に形成する第1−1塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−2塗膜を第1主面上に形成する第1−2塗膜形成工程とを含み、第1−1塗膜は、側面から離れるにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有し、第1−2塗膜は、側面に近づくにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有すると共に第1−1塗膜とは膜厚が異なっており、第1−1塗膜の先細部と第1−2塗膜の先細部とは接触しており、第1−1塗膜の先細部と第1−2塗膜の先細部とにより第1幅狭部及び第1段差が構成されている。このようにすると、第1幅狭部を容易に形成することができると共に、第1幅狭部の近傍に第1段差を容易に形成することができる。また、このようにすると、第1樹脂電極層のうち第1主面側に位置する部分の厚みが変化している境界において急峻な第1段差が構成されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより一層防止することが可能となる。
好ましくは、第1−2工程は、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−1塗膜を第1主面上に形成する第1−1塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−2塗膜を第1主面上に形成する第1−2塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第1−3塗膜を第1主面上に形成する第1−3塗膜形成工程とを含み、第1−1塗膜は、第1主面上において側面から離れる方向に延び、第1−2塗膜及び第1−3塗膜は、共に第1−1塗膜よりも幅広とされ、第1−1塗膜の延在方向において互いに離間するように配置されていると共に第1−1塗膜の幅方向において第1−1塗膜からはみ出るように第1−1塗膜と重なり合っており、第1−1塗膜のうち第1−2塗膜と第1−3塗膜との間に位置する部分により第1幅狭部が構成され、第1−1塗膜と第1−2塗膜との境界部分及び第1−1塗膜と第1−3塗膜との境界部分により第1段差が構成されている。このようにすると、第1幅狭部を容易に形成することができると共に、第1幅狭部の近傍に第1段差を容易に形成することができる。また、このようにすると、第1−1塗膜と第1−2塗膜との境界部分及び第1−1塗膜と第1−3塗膜との境界部分において急峻な第1段差がそれぞれ構成されることとなる。その結果、はんだが第1外部電極の表面を過剰に這い上がることをより一層防止することが可能となる。
好ましくは、素体上に第2外部電極を形成する第2外部電極形成工程を更に備え、素体は、側面と隣り合う第2主面を更に有し、第2外部電極形成工程は、金属を主成分として含有する導電ペーストを第2主面に塗布して焼付けることで第2焼付電極層を形成する第2−1工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを、第2焼付電極層の表面全体を覆い且つ第2主面及び側面にわたって塗布して加熱により硬化させることで第2樹脂電極層を形成する第2−2工程と、第2樹脂電極層を覆うように金属めっきを施すことで第2めっき層を形成する第2−3工程とを有しており、第2−2工程では、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分が、第2−1幅広部、第2−2幅広部及び第2幅狭部を含み、第2−1幅広部、第2幅狭部及び第2−2幅広部が、第2樹脂電極層の延在方向においてこの順に並んで配置され、第2幅狭部の近傍に、第2樹脂電極層のうち第2主面側に位置する部分の第2主面に直交する方向における表面高さが側面から遠い側において側面に近い側よりも高くなっていることで構成された第2段差が位置するように第2樹脂電極層を形成する。
より好ましくは、第2−2工程は、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−1塗膜を第2主面上に形成する第2−1塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−2塗膜を第2主面上に形成する第2−2塗膜形成工程とを含み、第2−1塗膜は、側面から離れるにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有し、第2−2塗膜は、側面に近づくにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有しており、第2−1塗膜の先細部と第2−2塗膜の先細部とは接触しており、第2−1塗膜の先細部と第2−2塗膜の先細部とにより第2幅狭部及び第2段差が構成されている。
より好ましくは、第2−2工程は、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−1塗膜を第2主面上に形成する第2−1塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−2塗膜を第2主面上に形成する第2−2塗膜形成工程とを含み、第2−1塗膜は、側面から離れるにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有し、第2−2塗膜は、側面に近づくにつれて幅狭となると共に薄肉となる先細部を有すると共に第2−1塗膜とは膜厚が異なっており、第2−1塗膜の先細部と第2−2塗膜の先細部とは接触しており、第2−1塗膜の先細部と第2−2塗膜の先細部とにより第2幅狭部及び第2段差が構成されている。
より好ましくは、第2−2工程は、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−1塗膜を第2主面上に形成する第2−1塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−2塗膜を第2主面上に形成する第2−2塗膜形成工程と、導電性材料及び熱硬化性樹脂材料を含有する導電樹脂ペーストを塗布して加熱により乾燥させることで、第2−3塗膜を第2主面上に形成する第2−3塗膜形成工程とを含み、第2−1塗膜は、第2主面上において側面から離れる方向に延び、第2−2塗膜及び第2−3塗膜は、共に第2−1塗膜よりも幅広とされ、第2−1塗膜の延在方向において互いに離間するように配置されていると共に第2−1塗膜の幅方向において第2−1塗膜からはみ出るように第1−1塗膜と重なり合っており、第2−1塗膜のうち第2−2塗膜と第2−3塗膜との間に位置する部分により第2幅狭部が構成され、第2−1塗膜と第2−2塗膜との境界部分及び第2−1塗膜と第2−3塗膜との境界部分により第2段差が構成されている。
本発明によれば、はんだの過剰な這い上がりを防止しつつ、めっき液の素体内への滲入の防止及び素体への応力の緩和を十分に図ることが可能な表面実装型電子部品アレイ及びその製造方法を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[1]第1実施形態
[1.1]表面実装型電子部品アレイの構成
第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成について、図1〜図4を参照して説明する。なお、以下では、表面実装型電子部品アレイとして表面実装型コンデンサアレイ1を例にとって説明している。
表面実装型コンデンサ1は、直方体形状の誘電体素体(素体)10と、内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3と、外部電極16A1〜16A3,16B1〜16B3とを備える。
誘電体素体10は、互いに対向する主面10a(第1主面),10b(第2主面)と、互いに対向する側面10c(第1側面),10d(第2側面)と、互いに対向する側面10e,10fとを有する。なお、第1実施形態においては、側面10c又は側面10dが回路基板(図示せず)の主面と対向する実装面とされている。
側面10c,10dは、主面10a,10b及び側面10e,10fを連結するように延びている。側面10e,10fは、主面10a,10b及び側面10c,10dを連結
するように延びている。なお、誘電体素体10は、通常、焼成後にバレル研磨されるので、隣り合う面同士を連結する誘電体素体10の稜部は、所定の大きさの曲率を有する曲面状を呈している。
誘電体素体10は、例えばチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウムに希土類元素を
添加した誘電性セラミック材料で形成することができる。第1実施形態においては、誘電体素体10の長手方向の長さを例えば2.0mm程度、幅を例えば1.25mm程度、厚みを例えば0.85mm程度に設定することができる。
誘電体素体10は、図4に示されるように、矩形状を呈する誘電体層A10〜A15と、内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3とが積層されて構成されている。実際の表面実装型コンデンサアレイ1は、各誘電体層A10〜A15の境界が視認できない程度に一体化されている。つまり、内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3は、いずれも誘電体素体10の内部に配置されている。
誘電体層A11上には、矩形状を呈する3つの内部電極12A1〜12A3が誘電体層A11の長手方向(側面10e,10fの対向方向)に沿って併設されている。各内部電極12A1〜12A3は、誘電体層A11上において、互いに所定の間隔を有している。各内部電極12A1〜12A3には、主面10a側の短辺の中央部に導出部12a1〜12a3がそれぞれ一体的に形成されている。各導出部12a1〜12a3は、それぞれ矩形状を呈しており、その一端が主面10aに露出している。
誘電体層A12上には、矩形状を呈する3つの内部電極12B1〜12B3が誘電体層A12の長手方向(側面10e,10fの対向方向)に沿って併設されている。各内部電極12B1〜12B3は、誘電体層A12上において、互いに所定の間隔を有している。各内部電極12B1〜12B3には、主面10b側の短辺の中央部に導出部12b1〜12b3がそれぞれ一体的に形成されている。各導出部12b1〜12b3は、それぞれ矩形状を呈しており、その一端が主面10bに露出している。
誘電体層A13上には、矩形状を呈する3つの内部電極14A1〜14A3が誘電体層A13の長手方向(側面10e,10fの対向方向)に沿って併設されている。各内部電極14A1〜14A3は、誘電体層A13上において、互いに所定の間隔を有している。各内部電極14A1〜14A3には、主面10a側の短辺の中央部に導出部14a1〜14a3がそれぞれ一体的に形成されている。各導出部14a1〜14a3は、それぞれ矩形状を呈しており、その一端が主面10aに露出している。
誘電体層A14上には、矩形状を呈する3つの内部電極14B1〜14B3が誘電体層A14の長手方向(側面10e,10fの対向方向)に沿って併設されている。各内部電極14B1〜14B3は、誘電体層A14上において、互いに所定の間隔を有している。各内部電極14B1〜14B3には、主面10b側の短辺の中央部に導出部14b1〜14b3がそれぞれ一体的に形成されている。各導出部14b1〜14b3は、それぞれ矩形状を呈しており、その一端が主面10bに露出している。
内部電極12A1,12B1,14A1,14B1は、誘電体層A11〜A13を介して交互に積層されており、積層方向から見て重なり合っている。内部電極12A2,12B2,14A2,14B2は、誘電体層A11〜A13を介して交互に積層されており、積層方向から見て重なり合っている。内部電極12A3,12B3,14A3,14B3は、誘電体層A11〜A13を介して交互に積層されており、積層方向から見て重なり合っている。
積層方向から見たときの内部電極12A1,12B1,14A1,14B1の対向面積と、内部電極12A1,12B1,14A1,14B1のそれぞれの間隔(すなわち、誘電体層A11〜A13の厚み)とによって、表面実装型コンデンサアレイ1の一部の静電容量が規定される。積層方向から見たときの内部電極12A2,12B2,14A2,14B2の対向面積と、内部電極12A2,12B2,14A2,14B2のそれぞれの間隔(すなわち、誘電体層A11〜A13の厚み)とによって、表面実装型コンデンサアレイ1の一部の静電容量が規定される。積層方向から見たときの内部電極12A3,12B3,14A3,14B3の対向面積と、内部電極12A3,12B3,14A3,14B3のそれぞれの間隔(すなわち、誘電体層A11〜A13の厚み)とによって、表面実装型コンデンサアレイ1の一部の静電容量が規定される。
内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3は、例えばAgやNi等の導電性材料からなる。内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
図1〜図3に戻って、外部電極16A1(第1外部電極)は、誘電体素体10の主面10aを覆うと共にこの主面10aと隣り合う側面10c,10dに回り込むように形成されている。つまり、外部電極16A1は、主面10aと、側面10c,10dのうち主面10a寄りの部分とに配置されている。
外部電極16A1は、焼付電極層18A1、樹脂電極層20A1、第1めっき層22A1及び第2めっき層24A1を有している。焼付電極層18A1、樹脂電極層20A1、第1めっき層22A1及び第2めっき層24A1は、この順に誘電体素体10から外方に向かって配置されている。
焼付電極層18A1は、帯状を呈しており、誘電体素体10の主面10aを覆うと共にこの主面10aと隣り合う側面10c,10dに回り込むように、誘電体素体10上に形成されている。つまり、焼付電極層18A1は、主面10aと、側面10cのうち主面10a寄りの領域と、側面10dのうち主面10a寄りの領域とに配置されている。
焼付電極層18A1は、主面10aに露出している導出部12a1,14a1の端部と物理的且つ電気的に接続されている。そのため、焼付電極層18A1は、導出部12a1を介して内部電極12A1と電気的に接続されており、導出部14a1を介して内部電極14A1と電気的に接続されている。
樹脂電極層20A1は、焼付電極層18A1の表面全体を覆うように、焼付電極層18A1上及び誘電体素体10上に形成されている。具体的には、樹脂電極層20A1は、幅広部201A1,202A1と、幅狭部203A1とを有している。
幅広部201A1は、主面10aのうち側面10c寄りの領域及び側面10cのうち主面10a寄りの領域に配置され、焼付電極層18A1の一部の表面を覆っている。幅広部202A1は、主面10aのうち側面10d寄りの領域及び側面10dのうち主面10a寄りの領域に配置され、焼付電極層18A1の一部の表面を覆っている。幅狭部203A1は、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に配置され、焼付電極層18A1の一部の表面を覆っている。つまり、幅広部201A1、幅狭部203A1及び幅広部202A1は、樹脂電極層20A1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)においてこの順に並んでいる。
幅狭部203A1は、特に図1及び図2に示されるように、その幅が幅広部201A1,202A1の幅よりも狭くなっている。つまり、樹脂電極層20A1は、幅狭部203A1において括れた状態となっている。
幅狭部203A1は、特に図3に示されるように、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に、凹部を有している。つまり、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さは、樹脂電極層20A1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化している。
より詳しくは、幅狭部203A1には、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さが側面10cから遠い側において側面10cに近い側よりも高くなっている段差が設けられていると共に、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さが側面10dから遠い側において側面10dに近い側よりも高くなっている段差が設けられている。これらの段差は、幅狭部203A1が、側面10cから遠い側において厚肉となり、側面10dから遠い側において厚肉となると共に、これらの厚肉部分の間において薄肉となることにより、構成されている。なお、第1実施形態において、幅広部201A1の厚みと幅広部202A1の厚みとは略同一となっている。
第1めっき層22A1は、樹脂電極層20A1を覆うように形成されている。第2めっき層24A1は、第1めっき層22A1を覆うように形成されている。そのため、外部電極16A1は、全体として樹脂電極層20A1の外形と同等の外形を呈している。
外部電極16A2,16A3の構成は外部電極16A1の構成と同様であるので、その説明は省略する。
外部電極16B1(第2外部電極)は、誘電体素体10の主面10bを覆うと共にこの主面10bと隣り合う側面10c,10dに回り込むように形成されている。つまり、外部電極16B1は、主面10bと、側面10c,10dのうち主面10b寄りの部分とに配置されている。
外部電極16B1は、焼付電極層18B1、樹脂電極層20B1、第1めっき層22B1及び第2めっき層24B1を有している。焼付電極層18B1、樹脂電極層20B1、第1めっき層22B1及び第2めっき層24B1は、この順に誘電体素体10から外方に向かって配置されている。
焼付電極層18B1は、帯状を呈しており、誘電体素体10の主面10bを覆うと共にこの主面10bと隣り合う側面10c,10dに回り込むように、誘電体素体10上に形成されている。つまり、焼付電極層18B1は、主面10bと、側面10cのうち主面10b寄りの領域と、側面10dのうち主面10b寄りの領域とに配置されている。
焼付電極層18B1は、主面10bに露出している導出部12b1,14b1の端部と物理的且つ電気的に接続されている。そのため、焼付電極層18B1は、導出部12b1を介して内部電極12B1と電気的に接続されており、導出部14b1を介して内部電極14B1と電気的に接続されている。
樹脂電極層20B1は、焼付電極層18B1の表面全体を覆うように、焼付電極層18B1上及び誘電体素体10上に形成されている。具体的には、樹脂電極層20B1は、幅広部201B1,202B1と、幅狭部202B1とを有している。
幅広部201B1は、主面10bのうち側面10c寄りの領域及び側面10cのうち主面10b寄りの領域に配置され、焼付電極層18B1の一部の表面を覆っている。幅広部202B1は、主面10bのうち側面10d寄りの領域及び側面10dのうち主面10b寄りの領域に配置され、焼付電極層18B1の一部の表面を覆っている。幅狭部203B1は、側面10c,10dの対向方向における主面10bの略中央に配置され、焼付電極層18B1の一部の表面を覆っている。つまり、幅広部201B1、幅狭部203B1及び幅広部202B1は、樹脂電極層20B1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)においてこの順に並んでいる。
幅狭部203B1は、樹脂電極層20A1の幅狭部203A1と同様、その幅が幅広部201B1,202B1の幅よりも狭くなっている。つまり、樹脂電極層20B1は、幅狭部203B1において括れた状態となっている。
幅狭部203B1は、特に図3に示されるように、側面10c,10dの対向方向における主面10bの略中央に、凹部を有している。つまり、主面10bに直交する方向における幅狭部203B1の表面高さは、樹脂電極層20B1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化している。
より詳しくは、幅狭部203B1には、主面10bに直交する方向における幅狭部203B1の表面高さが側面10cから遠い側において側面10cに近い側よりも高くなっている段差が設けられていると共に、主面10bに直交する方向における幅狭部203B1の表面高さが側面10dから遠い側において側面10dに近い側よりも高くなっている段差が設けられている。これらの段差は、幅狭部203B1が、側面10cから遠い側において厚肉となり、側面10dから遠い側において厚肉となると共に、これらの厚肉部分の間において薄肉となることにより、構成されている。
第1めっき層22B1は、樹脂電極層20B1を覆うように形成されている。第2めっき層24B1は、第1めっき層22B1を覆うように形成されている。そのため、外部電極16B1は、全体として樹脂電極層20B1の外形と同等の外形を呈している。
外部電極16B2,16B3の構成は外部電極16B1の構成と同様であるので、その説明は省略する。
[1.2]表面実装型電子部品アレイの製造方法
続いて、図1及び図5〜図8を参照して、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ1)の製造方法について説明する。
まず、誘電体素体10の主成分である誘電体材料と、副成分である希土類酸化物、酸化マグネシウム、酸化マンガン等を所定の割合で混合して、誘電体スラリーを調整する。主成分である誘電体材料としては、積層セラミックコンデンサの誘電体層に主に含まれる公知のセラミックス誘電体材料であれば特に限定されず、例えば、BaTiO3、CaTiO3及びSrTiO3などのチタン酸化物が挙げられる。主成分の誘電体材料は、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて用いられる。
また、ニッケル粉末(金属粉末)に、共材、有機バインダ、分散剤及び有機溶剤等を混合すると共に、ボールミル又はロールミル等で分散してペースト状にすることで、内部電極18A〜18Dとなる導電ペーストを調整する。
続いて、PETフィルム等の支持体上にドクターブレード法等の塗布方法により誘電体スラリーを塗布して、60℃〜100℃程度にて1秒〜10秒程度乾燥することにより、誘電体層A10〜A15となる誘電体グリーンシートを形成する。
続いて、各誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷により導電ペーストを塗布して80℃〜120℃程度にて1分〜5分程度乾燥することにより、内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3となる複数の導電塗膜を形成する。そして、導電塗膜が3つずつ形成された各誘電体グリーンシートを複数枚積層し、例えば1100℃〜1300℃の温度下で2時間程度焼成する。これにより、焼結体としての誘電体素体10が得られる(図5参照)
続いて、Cuを主成分とする導電ペーストを、内部電極12A1の導出部12a1と内部電極14A1の導出部14a1とを接続し、内部電極12A2の導出部12a2と内部電極14A2の導出部14a2とを接続し、内部電極12A3の導出部12a3と内部電極14A3の導出部14a3とを接続するように、主面10a及び主面10aと隣り合う側面10c,10dにそれぞれ塗布する。また、Cuを主成分とするペーストを、内部電極12B1の導出部12b1と内部電極14B1の導出部14b1とを接続し、内部電極12B2の導出部12b2と内部電極14B2の導出部14b2とを接続し、内部電極12B3の導出部12b3と内部電極14B3の導出部14b3とを接続するように、主面10b及び主面10bと隣り合う側面10c,10dにそれぞれ塗布する。そして、これらの導電ペーストを、例えば600℃〜800℃程度の温度下で20分〜40分程度焼付けることで、焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3を形成する(図6参照)。焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3の厚みは、例えば30μm〜40μm程度に設定することができる。
続いて、図7に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、焼付電極層18A1〜18A3の一部の表面をそれぞれ覆うように塗布し、例えば80℃〜160℃程度の温度下で10分〜30分程度樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜211A1〜211A3を形成する。導電塗膜211A1〜211A3の厚みは、例えば10μm〜100μm程度に設定することができる。
具体的には、導電塗膜211A1は、焼付電極層18A1のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A1のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆っている。導電塗膜211A2は、焼付電極層18A2のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A2のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆っている。導電塗膜211A3は、焼付電極層18A3のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A3のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆っている。これらの導電塗膜211A1〜211A3は、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に位置する部分(先細部)が、側面10cから離れるにつれて幅狭となると共に薄肉となっている。
続いて、図8に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、焼付電極層18A1〜18A3の一部の表面をそれぞれ覆うように塗布し、例えば80℃〜160℃程度の温度下で10分〜30分程度樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜212A1〜212A3を形成する。導電塗膜212A1〜212A3の厚みは、例えば10μm〜100μm程度に設定することができる。
具体的には、導電塗膜212A1は、焼付電極層18A1のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A1のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆っている。導電塗膜212A2は、焼付電極層18A2のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A2のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆っている。導電塗膜212A3は、焼付電極層18A3のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A3のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆っている。これらの導電塗膜212A1〜212A3は、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に位置する部分(先細部)が、側面10dから離れるにつれて幅狭となると共に薄肉となっている。
ここで、導電塗膜211A1の先細部と導電塗膜212A1の先細部とは繋がっており、導電塗膜211A2の先細部と導電塗膜212A2の先細部とは繋がっており、導電塗膜211A3の先細部と導電塗膜212A3の先細部とは繋がっている。そのため、導電塗膜211A1の先細部と導電塗膜212A1の先細部とが繋がっている部分において幅狭部203A1が構成され、導電塗膜211A2の先細部と導電塗膜212A2の先細部とが繋がっている部分において幅狭部203A2が構成され、導電塗膜211A3の先細部と導電塗膜212A3の先細部とが繋がっている部分において幅狭部203A3が構成される。
これらの導電塗膜211A1,212A1,211A2,212A2,211A3,212A3と同様の方法により、主面10b側にも導電塗膜が形成される。そして、主面10a,10bにそれぞれ形成された導電塗膜を、例えば180℃〜220℃程度の温度下で30分〜120分程度加熱して硬化させることで、主面10a側に樹脂電極層が3つ形成されると共に主面10b側に樹脂電極層が3つ形成されることとなる。
ここで、第1実施形態では、樹脂電極ペーストに含まれる金属粒子の材料として、貴金属であるAgが用いられている。樹脂電極ペーストに含まれる熱硬化性樹脂としては特に制限されないが、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等を用いることができる。なお、熱硬化時の温度は、使用する熱硬化性樹脂に応じて適宜調節される。
上記樹脂電極ペースト中の全金属粒子の含有量は、樹脂電極ペーストの固形分全量を基準として60質量%〜95質量%であることが好ましい。この含有量が60質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、樹脂電極層の内部における導電性が不十分となる傾向にある。含有量が95質量%を超えると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、熱硬化性樹脂の量が不足するため、焼付電極層と樹脂電極層との密着性が低下する傾向にある。
樹脂電極ペーストは、必要に応じて溶媒を更に含むものである。溶媒としては、上記熱硬化性樹脂を溶解又は分散可能なものであれば公知の溶媒を特に制限なく使用することができる。溶媒として具体的には、例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、テルピネオール等が挙げられる。
続いて、各樹脂電極層の表面をNiでめっき処理することで、Niを主成分として含む第1めっき層(第1めっき層22A1,22B1を含む)をそれぞれ形成する。各めっき層の厚みは、例えば1μm程度とすることができる。
樹脂電極層の表面に第1めっき層をめっき処理する際には、樹脂電極層の表面を予めバレル研磨することが好ましい。バレル研磨することにより、樹脂電極層表面に露出している金属粒子が延ばされて樹脂電極層表面に露出している金属粒子の面積が大きくなり、樹脂電極層と第1めっき層との接合強度が大きくなるためである。
続いて、各第1めっき層の表面をSn又はSn合金でめっき処理することで、Sn又はSn合金を主成分として含む第2めっき層(第2めっき層24A1,24B1を含む)をそれぞれ形成する。各めっき層の厚みは、例えば1μm〜10μm程度とすることができる。
[1.3]作用
以上のような第1実施形態においては、外部電極16A1が、焼付電極層18A1の表面全体を覆い且つ主面10a及び側面10c,10dにわたって形成された樹脂電極層20A1を有しており、幅狭部203A1に凹部が形成されている。つまり、幅狭部203A1には、主面10aに直交する方向における樹脂電極層20A1の表面高さが樹脂電極層20A1の延在方向において変化することで構成された段差が設けられている。そのため、側面10c又は側面10dを実装面として表面実装型コンデンサアレイ1を回路基板に実装する際に、はんだが外部電極16A1の表面を這い上がってきても、段差(凹部)によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが外部電極16A1の表面を過剰に這い上がることを防止でき、誘電体素体10にクラックが生じる虞を低減することが可能となる。
また、第1実施形態においては、樹脂電極層20A1が、幅広部201A1,202A1及び幅狭部203A1を含んでおり、幅広部201A1、幅狭部203A1及び幅広部202A1が、樹脂電極層20A1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)においてこの順に並んで配置されている。つまり、樹脂電極層20A1(外部電極16A1)の幅は、その延在方向において変化している。そのため、側面10c又は側面10dを実装面として表面実装型コンデンサアレイ1を回路基板に実装する際に、はんだが外部電極16A1の表面を這い上がってきても、幅広部201A1,202A1に対して幅狭部203A1の幅が狭くなっている(樹脂電極層20A1において幅狭部203A1が括れている)ので、幅狭部203A1によってはんだの這い上がりが抑制されることとなる。その結果、はんだが外部電極16A1の表面を過剰に這い上がることをより防止でき、誘電体素体10にクラックが生じる虞を更に低減することが可能となる。
また、第1実施形態においては、樹脂電極層20A1が、焼付電極層18A1の表面全体を覆うように焼付電極層18A1上に形成されている。ここで、樹脂電極層20A1は、焼付電極層18A1と比較して変形しやすい。そのため、表面実装型コンデンサアレイ1の回路基板への実装後に、回路基板に外力が与えられたり、表面実装型コンデンサアレイ1の作動時に発生する熱によって表面実装型コンデンサアレイ1自身が膨張・収縮したりしても、誘電体素体10に作用する応力を樹脂電極層20A1で吸収することができるようになっている。
また、第1実施形態においては、樹脂電極層20A1が、焼付電極層18A1の表面全体を覆うように焼付電極層18A1上に形成されていることにより、第1めっき層22A1が焼付電極層18A1上に形成されていない。つまり、第1めっき層22A1を形成するにあたり、焼付電極層18A1の表面全体が樹脂電極層20A1によって覆われているので、焼付電極層18A1等を通って誘電体素体10内部にめっき液が滲入し難くなっている。その結果、めっき液の誘電体素体10内部への滲入による表面実装型コンデンサアレイ1の特性劣化を十分に抑制することができるようになっている。
また、第1実施形態においては、幅狭部203A1が、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に位置している。そのため、表面実装型コンデンサアレイ1を回路基板に実装する際に、側面10c又は側面10dのどちらを実装面としても、幅狭部203A1及び段差(凹部)によるはんだの這い上がり防止効果が同等に発揮されることとなる。
[2]第2実施形態
[2.1]表面実装型電子部品アレイの構成
次に、第2実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成について、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成との相違点を中心に、図9〜図10を参照して説明する。なお、以下では、表面実装型電子部品アレイとして表面実装型コンデンサアレイ2を例にとって説明している。
幅狭部203A1は、特に図10に示されるように、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に、凹部を有している。つまり、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さは、樹脂電極層20A1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化している。
より詳しくは、幅狭部203A1には、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さが側面10cから遠い側において側面10cに近い側よりも高くなっている段差が設けられていると共に、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さが側面10dから遠い側において側面10dに近い側よりも高くなっている段差が設けられている。これらの段差は、幅狭部203A1が、側面10cから遠い側において厚肉となり、側面10dから遠い側において厚肉となると共に、これらの厚肉部分の間において薄肉となることにより、構成されている。
幅狭部203A1のうち凹部よりも側面10c側の部分、及び、幅広部201A1は、幅狭部203A1のうち凹部よりも側面10d側の部分、及び、幅広部202A1の厚みよりも厚くなっている。つまり、幅狭部203A1の凹部よりも側面10c側における樹脂電極層20A1は、全体として、幅狭部203A1の凹部よりも側面10d側における樹脂電極層20A1の厚みよりも厚くなっている。
外部電極16A2,16A3,16B1〜16B3の構成は外部電極16A1の構成と同様であるので、その説明は省略する。
[2.2]表面実装型電子部品アレイの製造方法
続いて、第2実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ2)の製造方法について、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法との相違点を中心に、図11〜図12を参照して説明する。なお、第2実施形態では、焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3を形成するまでの工程は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3の形成後の工程では、図11に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、焼付電極層18A1〜18A3の一部の表面をそれぞれ覆うように塗布し、加熱により樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜211A1〜211A3を形成する。導電塗膜211A1〜211A3の厚みは、例えば20μm〜100μm程度に設定することができる。
具体的には、導電塗膜211A1は、焼付電極層18A1のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A1のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆っている。導電塗膜211A2は、焼付電極層18A2のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A2のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆っている。導電塗膜211A3は、焼付電極層18A3のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A3のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆っている。
続いて、図12に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、焼付電極層18A1〜18A3の一部の表面をそれぞれ覆うように塗布し、加熱により樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜212A1〜212A3を形成する。導電塗膜212A1〜212A3の厚みは、例えば10μm〜80μm程度に設定することができる。
具体的には、導電塗膜212A1は、焼付電極層18A1のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A1のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆っている。導電塗膜212A2は、焼付電極層18A2のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A2のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆っている。導電塗膜212A3は、焼付電極層18A3のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A3のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆っている。
[2.3]作用
以上のような第2実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ2)おいては、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ1)と同様の効果を奏する。
また、第2実施形態においては、幅狭部203A1が、側面10cから遠い側において厚肉となり、側面10dから遠い側において厚肉となると共に、これらの厚肉部分の間において薄肉となることにより、幅狭部203A1の段差が構成されている。そして、幅狭部203A1の凹部よりも側面10c側における樹脂電極層20A1が、全体として、幅狭部203A1の凹部よりも側面10d側における樹脂電極層20A1の厚みよりも厚くなっている。このようにすると、樹脂電極層20A1のうち主面10a側に位置する部分の厚みが変化している境界において急峻な段差が構成されることとなる。その結果、はんだが外部電極16A1の表面を過剰に這い上がることをより一層防止することが可能となる。
ここで、第2実施形態に係る表面実装型電子部品アレイにおいてこのようなはんだの這い上がり防止の効果を確実に発揮させるためには、側面10dを実装面として第2実施形態に係る表面実装型電子部品アレイを回路基板上に搭載する必要がある。そのため、第2実施形態に係る表面実装型電子部品アレイでは、実装の際に方向性が生じている。その結果、表面実装型電子部品アレイが例えばLCフィルタアレイといった、方向性を識別する必要のあるものである場合には、更なるマーカ(標識)の付与が不要となり、有用である。
[3]第3実施形態
[3.1]表面実装型電子部品アレイの構成
次に、第3実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成について、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成との相違点を中心に、図13〜図15を参照して説明する。なお、以下では、表面実装型電子部品アレイとして表面実装型コンデンサアレイ5を例にとって説明している。
幅狭部203A1は、特に図13及び図14に示されるように、その幅が幅広部201A1,202A1の幅よりも狭くなっている。つまり、樹脂電極層20A1は、幅狭部203A1において括れた状態となっている。
幅狭部203A1は、幅広部201A1,202A1の厚みよりも薄くなっている。そのため、樹脂電極層20A1を側面10e,10fの対向方向から見たときに、幅狭部203A1が幅広部201A1,202A1よりも窪んでおり、幅広部201A1,202A1及び幅狭部203A1が一体となって樹脂電極層20A1に凹部を成している。つまり、主面10aに直交する方向における樹脂電極層20A1の表面高さは、樹脂電極層20A1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化している。
より詳しくは、幅広部202A1と幅狭部203A1との境界には、主面10aに直交する方向における樹脂電極層20A1の表面高さが側面10cから遠い側において側面10cに近い側よりも高くなっている段差が設けられており、幅広部201A1と幅狭部203A1との境界には、主面10aに直交する方向における樹脂電極層20A1の表面高さが側面10dから遠い側において側面10dに近い側よりも高くなっている段差が設けられている。つまり、これらの段差は、幅狭部203A1の近傍に設けられている。また、これらの段差は、上記凹部と同様、幅狭部203A1が、幅広部201A1,202A1の厚みよりも薄くなっていることに起因して生じている。
外部電極16A2,16A3,16B1〜16B3の構成は外部電極16A1の構成と同様であるので、その説明は省略する。
[3.2]表面実装型電子部品アレイの製造方法
続いて、第3実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ3)の製造方法について、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法との相違点を中心に、図16〜図18を参照して説明する。なお、第3実施形態では、焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3を形成するまでの工程は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3の形成後の工程では、図16に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、焼付電極層18A1〜18A3の表面全体をそれぞれ覆うように塗布し、加熱により樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜211A1〜211A3を形成する。導電塗膜211A1〜211A3の厚みは、例えば10μm〜50μm程度に設定することができる。
続いて、図17に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、導電塗膜211A1〜211A3の一部の表面をそれぞれ覆うように塗布し、加熱により樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜212A1〜212A3を形成する。導電塗膜212A1〜212A3の厚みは、例えば10μm〜50μm程度に設定することができる。
具体的には、導電塗膜212A1は、導電塗膜211A1のうち側面10cに位置する部分、及び、導電塗膜211A1のうち主面10aに位置する部分であって側面10c寄りの部分を覆っている。導電塗膜212A2は、導電塗膜211A2のうち側面10cに位置する部分、及び、導電塗膜211A2のうち主面10aに位置する部分であって側面10c寄りの部分を覆っている。導電塗膜212A3は、導電塗膜211A3のうち側面10cに位置する部分、及び、導電塗膜211A3のうち主面10aに位置する部分であって側面10c寄りの部分を覆っている。
続いて、図18に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、導電塗膜211A1〜211A3の一部の表面をそれぞれ覆うように塗布し、加熱により樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜213A1〜213A3を形成する。導電塗膜213A1〜213A3の厚みは、例えば10μm〜50μm程度に設定することができる。
具体的には、導電塗膜213A1は、導電塗膜211A1のうち側面10dに位置する部分、及び、導電塗膜211A1のうち主面10aに位置する部分であって側面10d寄りの部分を覆っている。導電塗膜213A2は、導電塗膜211A2のうち側面10dに位置する部分、及び、導電塗膜211A2のうち主面10aに位置する部分であって側面10d寄りの部分を覆っている。導電塗膜213A3は、導電塗膜211A3のうち側面10dに位置する部分、及び、導電塗膜211A3のうち主面10aに位置する部分であって側面10d寄りの部分を覆っている。
[3.3]作用
以上のような第3実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ3)おいては、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ1)と同様の効果を奏する。
[4]第4実施形態
[4.1]表面実装型電子部品アレイの構成
次に、第4実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成について、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの構成との相違点を中心に、図19〜図20を参照して説明する。なお、以下では、表面実装型電子部品アレイとして表面実装型コンデンサアレイ4を例にとって説明している。
幅狭部203A1は、図19及び図20に示されるように、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に、凸部を有している。つまり、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さは、樹脂電極層20A1の延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化している。
より詳しくは、幅狭部203A1には、主面10aに直交する方向における幅狭部203A1の表面高さが、側面10cから側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央に向かうにつれて高くなると共に側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10dに向かうにつれて低くなることにより、段差が設けられている。これらの段差は、側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央において厚肉となると共に、この厚肉部分の両側において薄肉となることにより、構成されている。なお、第4実施形態において、幅広部201A1の厚みと幅広部202A1の厚みとは略同一となっている。
[4.2]表面実装型電子部品アレイの製造方法
続いて、第4実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ3)の製造方法について、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイの製造方法との相違点を中心に、図21を参照して説明する。なお、第4実施形態では、導電塗膜211A1〜211A3,212A1〜212A3を形成するまでの工程は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
導電塗膜211A1〜211A3,212A1〜212A3の形成後の工程では、図21に示されるように、熱硬化性樹脂に金属粒子が導電性材料として含有された樹脂電極ペーストを、導電塗膜211A1の先細部と導電塗膜212A1の先細部とをそれぞれ覆うようにディスペンサ(定量吐出装置)等によって塗布(滴下)し、加熱により樹脂電極ペーストを乾燥させることで、導電塗膜213A1を形成する。導電塗膜213A2,213A3についても同様である。導電塗膜213A1〜213A3の厚みは、例えば50μm〜150μm程度に設定することができる。
[4.3]作用
以上のような第4実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ4)おいては、第1実施形態に係る表面実装型電子部品アレイ(表面実装型コンデンサアレイ1)と同様の効果を奏する。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、第1〜第4実施形態では本発明を表面実装型コンデンサアレイ1〜3に適用したが、これに限られず、種々の表面実装型電子部品アレイ(例えば、表面実装型バリスタアレイ、表面実装型フィルタアレイ)に対して適用することができる。
また、第1〜第4実施形態では、主面10a側において側面10e,10fの対向方向に沿って3つの外部電極16A1〜16A3が配列されており、主面10b側において側面10e,10fの対向方向に沿って3つの外部電極16B1〜16B3が配列されている表面実装型コンデンサアレイ1〜3を説明したが、主面10a,10b側において外部電極がそれぞれ2つ以上配列されている表面実装型電子部品アレイであれば本発明を適用可能である。そのため、主面10a側に配列されている外部電極の数と主面10b側に配列されている外部電極の数とが異なっていてもよい。
また、第1〜第4実施形態では、焼付電極層18A1〜18A3が、誘電体素体10の主面10aを覆うと共にこの主面10aと隣り合う側面10c,10dに回り込むように形成されており、焼付電極層18B1〜18B3が、誘電体素体10の主面10bを覆うと共にこの主面10bと隣り合う側面10c,10dに回り込むように形成されていたが、焼付電極層18A1〜18A3,18B1〜18B3が対応する内部電極12A1〜12A3,12B1〜12B3,14A1〜14A3,14B1〜14B3と物理的且つ電気的に接続されていればこれに限られない。具体的には、焼付電極層18A1〜18A3は、主面10aにのみ形成されていてもよく、主面10a及び主面10aと隣り合う側面10cに回り込むように形成されていてもよく、主面10a及び主面10aと隣り合う側面10dに回り込むように形成されていてもよい。焼付電極層18B1〜18B3についても同様である。
また、第1〜第4実施形態では、外部電極16A1〜16A3が、誘電体素体10の主面10aを覆うと共にこの主面10aと隣り合う側面10c,10dに回り込むように形成されており、外部電極16B1〜16B3が、誘電体素体10の主面10bを覆うと共にこの主面10bと隣り合う側面10c,10dに回り込むように形成されていたが、これに限られない。具体的には、外部電極16A1〜16A3は、主面10a及び主面10aと隣り合う側面10cに回り込むように形成されていてもよく、主面10a及び主面10aと隣り合う側面10dに回り込むように形成されていてもよい。外部電極16B1〜16B3についても同様である。なお、第1〜第3実施形態において、例えば、外部電極16A1〜16A3が主面10a及び主面10aと隣り合う側面10dに回り込むように形成されている場合には、幅狭部の凹部よりも側面10c側における樹脂電極層が、全体として、幅狭部の凹部よりも側面10d側における樹脂電極層の厚みよりも厚くなるようにする。
また、第1〜第4実施形態では、幅狭部が側面10c,10dの対向方向における主面10a,10bの略中央に位置していたが、略中央に位置していなくてもよい。なお、段差は、幅広部及び幅狭部が一体となって形成されているので、幅狭部が側面10c,10dの対向方向における主面10a,10bの略中央に位置していないときは、段差も当然側面10c,10dの対向方向における主面10a,10bの略中央に位置していない。
また、樹脂電極層は、主面10a,10bから見て、その幅がその延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化しており(括れており)、且つ、幅狭部近傍に、主面10a,10bに直交する方向におけるその表面高さがその延在方向(側面10c,10dの対向方向)において変化することで構成された段差が設けられていればよく、その形状については特に限定されない。
また、第1実施形態では、樹脂電極ペーストを塗布して乾燥させることで導電塗膜211A1〜211A3を形成した後、樹脂電極ペーストを塗布して乾燥させることで導電塗膜212A1〜212A3を形成したが、導電塗膜の形成方法はこれに限られない。例えば、焼付電極層18A1〜18A3のうち側面10cに位置する部分、及び、焼付電極層18A1〜18A3のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10c寄りの部分を覆うように樹脂電極ペーストをそれぞれ塗布した後、焼付電極層18A1〜18A3のうち側面10dに位置する部分、及び、焼付電極層18A1〜18A3のうち側面10c,10dの対向方向における主面10aの略中央から側面10d寄りの部分を覆うように樹脂電極ペーストをそれぞれ塗布し、これらの樹脂電極ペーストを同時に加熱して乾燥させることで、導電塗膜211A1〜211A3及び導電塗膜212A1〜212A3を同じタイミングで形成するようにしてもよい。第2〜第4実施形態においても同様である。
また、第3実施形態では、導電塗膜211A1、導電塗膜212A1及び導電塗膜213A1をこの順に形成したが、導電塗膜211A1、導電塗膜212A1及び導電塗膜213A1を形成する順序はこれに限られず、6通りある順序のうちいずれの順序であってもよい。