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JP4946797B2 - 同期噛み合い式変速機の変速操作装置 - Google Patents

同期噛み合い式変速機の変速操作装置 Download PDF

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Description

本発明は、シンクロメッシュ機構に備えるハブスリーブの軸方向変位を、その両側に配置されかつ回転軸に相対回転可能に外装される変速ギヤに当接させて停止させるようにした同期噛み合い式変速機の変速操作装置に関する。
同期噛み合い式変速機は、一般的に、変速機構として多段の変速ギヤ列を備え、要求される変速段に応じてシンクロメッシュ機構のハブスリーブをシフトフォークで軸方向にスライドさせることにより、ハブスリーブの両側に配置されかつ回転軸に相対回転可能に外装される二つの変速ギヤのうちの片方に噛合させることによって、必要な変速段を成立させるようになっている(例えば特許文献1参照。)。
この先行技術には、前記シフトフォークを、車両運転席近傍に設置されるシフトレバー等の変速操作部材と機械的に連結せずに切り離して、前記変速操作部材が手動操作されると、その変速操作部材により選択されたシフトポジションをセンサ等で検知し、この検知結果に応じてコントローラで流体圧駆動式あるいは電動式のアクチュエータを駆動して、このアクチュエータでシフトフォークを作動させるようにすることが記載されている。
また、前記先行技術には、本発明の前提となる構成、つまりシンクロメッシュ機構のハブスリーブの軸方向変位を、それに隣接配置される変速ギヤに当接させて停止させることが記載されている。
このような同期噛み合い式変速機では、変速処理においてハブスリーブを変速ギアに当接させて停止させたときに変速完了としており、この変速完了位置をストッパ点としている。このストッパ点は、ハブスリーブのスライド制御時の基準位置とされる。
そのため、前記ストッパ点を制御上において認識するために、このストッパ点の位置情報を予め前記コントローラの記憶領域に記憶させるようにしているとともに、ハブスリーブを前記ストッパ点で停止させるために、ハブスリーブ(またはシフトフォーク)のストローク量を検出するためのシフトストロークセンサを設けるようにしている。
特開2000−337487号公報
上記従来例では、ハブスリーブを変速ギアに当接させて停止させているために、ハブスリーブや変速ギアにおける相互の当接部分に経時的な摩耗が発生することがあり、この経時的摩耗によって、前記ストッパ点が変化することになる。また、同期噛み合い式変速機内の温度昇降に伴うシフトストロークセンサの出力ばらつきが、前記ストッパ点の変化に少なからず影響する。
このようなことから、前記ストッパ点を適宜のタイミングで学習することによって、更新するようにしている。この学習の実行トリガーとしては、例えば一定時間の経過毎、あるいは変速回数が所定値に達したときとしている。
ところで、同期噛み合い式変速機では、前記変速ギアを取り付ける回転軸(変速機のインプットシャフトまたはアウトプットシャフト)が変速機ケース等の支持部位に対して軸方向に適宜のガタを持つ状態になっているとともに、前記変速ギアが前記回転軸に対して軸受を介して相対回転可能に取り付けられる関係より、この変速ギアについても軸方向のガタを有している。
これら、回転軸や変速ギアの軸方向ガタは、車両の走行状況に応じて、軸方向のいずれか一方に詰められるようになる等、ガタ詰めの方向性が一定していない。
具体的に、例えば、停車中は、前記回転軸や変速ギアに軸方向の負荷(例えばアキシアル荷重)が作用していない状態になり、また、車両の加速走行中は、前記回転軸や変速ギアに軸方向一方への負荷が作用する状態になり、さらに、減速走行中は、前記回転軸や変速ギアに前記加速走行時と反対向きの負荷が作用する状態になりうる。
つまり、従来例では、前記ストッパ点を学習する度に車両走行状態が一定でないことが多いために、学習毎に得られる結果それぞれが不規則にばらつくことになる等、ストッパ点の学習結果それぞれに相関関係がないと言える。このようなことから、従来例ではストッパ点の学習を正確に行えていないことになる。ここに改良の余地がある。
この他、例えば特開2001−141047号公報に示すように、同期噛み合い式変速機のコントローラにおいて、バッテリが外された後でキースイッチがオンされたときに、シフトモータで例えば1速〜5速までシフトさせて、その時々のシフト位置をシフトポジションセンサで検出して、学習するようにすることが考えられている。この従来例は本発明と前提となる構成が類似しているものの、両者は解決課題や課題解決のための技術思想が相違している。
また、例えば特開2001−50378号公報に示すように、変速機シフト操作装置において、車両の加減速時等に変速機とシフト操作用アクチュエータとの間に相対変位が生じた場合に、ニュートラル位置あるいはシフト完了位置におけるシフト軸の位置補正を行うことにより、ニュートラル位置ではセレクト操作を可能に設定し得るようにし、また、シフト位置ではギヤ抜けを防止し得るようにすることが考えられている。この従来例は本発明と前提となる構成が類似しているものの、両者は解決課題や課題解決のための技術思想が相違している。
さらに、参考までに、例えば特開2004−108400号公報に示す自動変速機のレンジ切り換え装置は、モータによりディテント機構のレンジ切り換えシャフトを駆動して油圧制御回路のマニュアルバルブを作動させることによって、レンジを切り換えるようにした構成であるが、自動変速機の製造工程が終了した後のオフライン時に、各レンジの目標位置を学習するようにしている。
本発明は、シンクロメッシュ機構に備えるハブスリーブの軸方向変位を、その両側に配置されかつ回転軸に相対回転可能に外装される変速ギヤに当接させて停止させるようにした同期噛み合い式変速機の変速操作装置であって、前記ハブスリーブをスライドさせるためのシフトフォークと、このシフトフォークをスライドさせるためのシフトコントロールシャフトと、シフトコントロールシャフトを軸方向に変位させることで前記シフトフォークを駆動するアクチュエータと、必要に応じて前記アクチュエータで前記ハブスリーブをスライドさせて要求変速段を成立させる変速処理を行うコントローラとを含み、前記コントローラは、変速処理を実行する際、変速操作部材により選択されるシフトポジションを検出するシフトポジション検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、車両の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段または加速度を推定する加速度推定手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車速を検出する車速検出手段とからの出力に基づいて、現在の車両運転状態が、前記回転軸および変速ギヤの軸方向ガタを一方向に詰めている走行状態、あるいは前記回転軸および変速ギヤに軸方向の負荷が作用しない停車状態に該当しているか否かを判定する判定手段と、前記規定の状態に該当している場合に、変速処理を実行するとともに、前記ハブスリーブが変速ギヤに当接して停止する位置つまりストッパ点を検出して更新する学習処理を実行する実行手段と、前記ストッパ点の位置情報が記憶される記憶手段とを含み、前記実行手段は、前記学習処理において、前記シフトコントロールシャフトのストローク量を検出するシフトストローク検出手段からの出力に基づき、前記記憶手段に記憶してあるストッパ点の位置情報を更新する、ことを特徴としている。
本発明は、シンクロメッシュ機構に備えるハブスリーブの軸方向変位を、その両側に配置されかつ回転軸に相対回転可能に外装される変速ギヤに当接させて停止させるようにした同期噛み合い式変速機の変速操作装置において、ハブスリーブのストッパ点の学習処理を常に略一定の運転状態の下で行えるようにして、学習結果の信頼性を高めることを目的としている。
本発明は、シンクロメッシュ機構に備えるハブスリーブの軸方向変位を、その両側に配置されかつ回転軸に相対回転可能に外装される変速ギヤに当接させて停止させるようにした同期噛み合い式変速機の変速操作装置であって、前記ハブスリーブをスライドさせるためのシフトフォークと、シフトフォークを駆動するアクチュエータと、必要に応じて前記アクチュエータで前記ハブスリーブをスライドさせて要求変速段を成立させる変速処理を行うコントローラとを含み、前記コントローラは、変速処理を実行する際、現在の車両運転状態が予め規定された状態に該当しているときに、前記ハブスリーブが変速ギヤに当接して停止する位置つまりストッパ点を検出して更新する学習処理を実行するものであり、前記予め規定された状態とは、前記回転軸および変速ギヤの軸方向ガタを一方向に詰めている走行状態、あるいは前記回転軸および変速ギヤに軸方向の負荷が作用しない停車状態とされる、ことを特徴としている。
この構成では、学習処理を、常に規定した車両運転状態の下で行うようにしているから、換言すれば学習条件を常に略同じにしているから、学習処理を実行する毎に得られる結果それぞれについて、相関関係を有するものとなる等、従来例のような不規則なバラツキがなくなる。
ところで、走行状態でハブスリーブのストッパ点の学習処理を行う場合には、当該学習処理を実行する際に、すでに、前記回転軸や前記変速ギヤが持つ軸方向ガタが一方向に詰められた状態になっているので、ストッパ点の検出を迅速に行うことが可能になる。
また、停車状態でハブスリーブのストッパ点の学習処理を行う場合には、前記学習処理の実行に伴い、ハブスリーブが対象となる変速ギアに当接したときに、前記変速ギヤや前記回転軸が持つ軸方向ガタが一方向に詰められることになる。
いずれにしても、例えば、前記学習処理を実行する毎に得られる結果それぞれを蓄積しておいて、この蓄積データそれぞれを対比すれば、ハブスリーブとそれのストッパとなる変速ギヤとの当接部分における経時的な摩耗や同期噛み合い式変速機内の温度昇降に伴うセンサ出力のばらつき等を正確に把握することが可能になる。これにより、前記経時的摩耗やセンサ出力のばらつきを加味してハブスリーブのスライド制御を行うことが可能になるから、当該スライド制御を正確に行うことが可能になる。
好ましくは、前記コントローラは、変速操作部材の手動操作に応じて要求された変速段を成立させるための手動変速モードと、車両運転状況に応じて推奨される変速段を自動で成立させるための自動変速モードとを選択的に実行するものとされる。この構成では、同期噛み合い式変速機を手動または自動で変速可能としているから、車両運転者の好みに応じた運転に対応することができる等、使い勝手に優れている。
好ましくは、前記走行状態とは、車両の定常走行中、車両の加速走行中、ならびに車両の減速走行中のいずれか一つとされる。ここでは、学習処理の実行を許容するための走行状態を具体的に特定しており、その場合、コントローラによる動作制御プログラムを設計しやすくなる等、実用的となる。
好ましくは、前記コントローラは、自動変速モードおよび手動変速モードにおいて車両停止間際に段階的なシフトダウンを自動的に行うコーストダウン制御を行うものとされ、前記走行状態とは、前記コーストダウン制御中とされる。ここでは、学習処理の実行を許容するための走行状態を具体的に特定しており、その場合、コントローラによる動作制御プログラムを設計しやすくなる等、実用的となる。
本発明は、ハブスリーブのストッパ点の学習処理を、常に略一定の運転状態の下で行えるようにしているから、学習結果の信頼性を高めることが可能になる。したがって、同期噛み合い式変速機の変速処理を正確に行ううえで有利となる等、同期噛み合い式変速機の動作の信頼性向上に貢献できる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1から図5に本発明の一実施形態を示している。
本発明の特徴構成の説明に先立ち、本発明の適用対象となる同期噛み合い式変速機の概要について、図1を参照して説明する。
図中、1は同期噛み合い式変速機である。図示する同期噛み合い式変速機1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載されるタイプで、前進6段、後進1段の変速が可能な構造になっている。
この同期噛み合い式変速機1には、インプットシャフト2と、アウトプットシャフト3と、デファレンシャル4と、前進用変速ギヤ列5,6,7,8,9,10と、後進用のリバースギヤ列11と、三つのシンクロメッシュ機構12A,12B,12Cとを備えている。
インプットシャフト2およびアウトプットシャフト3は、変速機ケース(符号省略)内に回転自在に支持されている。
インプットシャフト2は、図示していないが、エンジンのクランクシャフトに機械式や電動式等の適宜のクラッチ機構を介して連結される。一方のアウトプットシャフト3は、その動力伝達方向下流側に設けられるファイナルドライブギヤ13を介してデファレンシャル4のリングギヤ(ファイナルドリブンギヤともいう)4aに噛合されるようになっている。
デファレンシャル4は、図においてツーピニオンタイプを例示しているが、そのタイプは特に限定されない。
インプットシャフト2とアウトプットシャフト3とには、前進用変速ギヤ列5〜10および後進用のリバースギヤ列11が設けられている。
前進用変速ギヤ列5〜10は、三つのシンクロメッシュ機構12A,12B,12Cによって適宜選択(変速)されるようになっている。
なお、図1では、右側から左側に向けて順に、リバースギヤ列11、1速ギヤ列5、2速ギヤ列6、5速ギヤ列9、6速ギヤ列10、3速ギヤ列7、4速ギヤ列8となっている。
各ギヤ列5〜10は、インプットシャフト2側に外装されるドライブギヤ5a〜10aと、アウトプットシャフト3側に外装されるドライブギヤ5b〜10bとを含み、ドライブギヤ5a〜10aとドリブンギヤ5b〜10bとは噛み合わされている。
1速および2速のドライブギヤ5a,6aは、インプットシャフト2に一体回転可能に取り付けられているが、3速から6速のドライブギヤ7a〜10aは、インプットシャフト2に軸受(例えばケージアンドローラ)を介して相対回転可能に取り付けられている。
また、1速および2速のドリブンギヤ5b,6bは、アウトプットシャフト3に軸受(例えばケージアンドローラ)を介して相対回転可能に取り付けられているが、3速から6速のドリブンギヤ7b〜10bはアウトプットシャフト3に一体回転可能に取り付けられている。
一方、リバースギヤ列11は、リバースドライブギヤ11aと、リバースドリブンギヤ11bと、リバースアイドラギヤ11cとを備えている。
リバースドライブギヤ11aは、インプットシャフト2に回転一体に取り付けられており、リバースドリブンギヤ11bは、アウトプットシャフト3に回転一体に取り付けられており、さらに、リバースアイドラギヤ11cは、リバースシャフト11dに対してスライド移動自在に組み付けられている。
これらリバースギヤ列11の各ギヤ11a,11b,11cは、前進時には動力伝達を行っておらず、後進時においては、すべてのシンクロメッシュ機構12A,12B,12Cが中立状態(ハブスリーブ16をニュートラルポジションに配置した状態)に設定され、リバースアイドラギヤ11cがリバースシャフト3の軸心方向に移動することによって、リバースドライブギヤ11aとリバースドリブンギヤ11bとの両方に噛み合うことで、リバースドライブギヤ11aの回転方向を逆転させてリバースドリブンギヤ11bに伝達することになる。これにより、アウトプットシャフト3が下記する前進段の場合とは逆方向に回転し、駆動輪(図示省略)は後退方向に転動する。
1-2変速用のシンクロメッシュ機構12Aは、1速ドリブンギヤ5bと2速ドリブンギヤ6bとの間におけるアウトプットシャフト3上に設けられていて、1速側ポジションと、2速側ポジションと、ニュートラルポジションとのいずれか一つを選択するものである。
3-4変速用のシンクロメッシュ機構12Bは、3速ドライブギヤ7aと4速ドライブギヤ8aとの間におけるインプットシャフト2上に設けられていて、3速側ポジションと、4速側ポジションと、ニュートラルポジションとのいずれか一つを選択するものである。
5-6変速用のシンクロメッシュ機構12Cは、5速ドライブギヤ9aと6速ドライブギヤ10aと間におけるインプットシャフト2上に設けられていて、5速側ポジションと、6速側ポジションと、ニュートラルポジションとのいずれか一つを選択するものである。
これら三つのシンクロメッシュ機構12A,12B,12Cは、すべて共通の構成であって公知の構成であるので、ここでは図2に模式的に示して簡単に説明する。図2では、1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aを主体として記載している。
シンクロメッシュ機構12A,12B,12Cは、主として、シンクロハブ15と、ハブスリーブ16と、偶数変速段用のシンクロナイザーリング17aと、奇数変速段用のシンクロナイザーリング17bと、偶数変速段用のシンクロナイザーコーン18aと、奇数変速段用のシンクロナイザーコーン18bとを含む。
1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのシンクロハブ15は、アウトプットシャフト3にスプライン嵌合により一体回転可能に取り付けられている。
一方、3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bおよび5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのシンクロハブ15は、インプットシャフト2にスプライン嵌合により一体回転可能に取り付けられている。
次に、変速段の選択動作について簡単に説明する。
(第1変速段)
1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのハブスリーブ16を1速ドリブンギヤ5b側にスライドさせると、1速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト3と一体回転可能に連結される。これにより、1速ドライブギヤ5aの回転動力が1速ドリブンギヤ5bを介してアウトプットシャフト3へ伝達可能になる。
参考までに、この第1変速段の成立状態のみ、図4に示している。このとき、3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bのハブスリーブ16および5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのハブスリーブ16は、ニュートラルポジションに配置される。
(第2変速段)
1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのハブスリーブ16を2速ドリブンギヤ6b側にスライドさせると、2速ドリブンギヤ6bがアウトプットシャフト3に一体回転可能に連結される。これにより、2速ドライブギヤ6aの回転動力が2速ドリブンギヤ6bを介してアウトプットシャフト3へ伝達可能になる。
このとき、3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bのハブスリーブ16および5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのハブスリーブ16は、ニュートラルポジションに配置される。
(第3変速段)
3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bのハブスリーブ16を3速ドライブギヤ7a側にスライドさせると、この3速ドライブギヤ7aがインプットシャフト2に回転一体に連結される。これにより、3速ドライブギヤ7aと3速ドリブンギヤ7bとの間で、インプットシャフト2からアウトプットシャフト3への動力伝達が可能になる。
このとき、1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのハブスリーブ16および5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのハブスリーブ16は、ニュートラルポジションに配置される。
(第4変速段)
3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bのハブスリーブ16を4速ドライブギヤ8a側にスライドさせると、この4速ドライブギヤ8aがインプットシャフト2に回転一体に連結される。これにより、4速ドライブギヤ8aと4速ドリブンギヤ8bとの間で、インプットシャフト2からアウトプットシャフト3への動力伝達が可能になる。
このとき、1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのハブスリーブ16および5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのハブスリーブ16は、ニュートラルポジションに配置される。
(第5変速段)
5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのハブスリーブ16を5速ドライブギヤ9a側にスライドさせると、この5速ドライブギヤ9aがインプットシャフト2に回転一体に連結される。これにより、5速ドライブギヤ9aと5速ドリブンギヤ9bとの間で、インプットシャフト2からアウトプットシャフト3への動力伝達が可能になる。
このとき、1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのハブスリーブ16および3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bのハブスリーブ16は、ニュートラルポジションに配置される。
(第6変速段)
5-6変速用シンクロメッシュ機構12Cのハブスリーブ16を6速ドライブギヤ10a側にスライドさせると、この6速ドライブギヤ10aがインプットシャフト2に回転一体に連結される。これにより、6速ドライブギヤ10aと6速ドリブンギヤ10bとの間で、インプットシャフト2からアウトプットシャフト3への動力伝達が可能になる。
このとき、1-2変速用シンクロメッシュ機構12Aのハブスリーブ16および3-4変速用シンクロメッシュ機構12Bのハブスリーブ16は、ニュートラルポジションに配置される。
このように、前進時には、上記インプットシャフト2の回転動力が、上述した三つのシンクロメッシュ機構12A,12B,12Cのうちの何れか一つの作動によって選択された一つの変速ギヤ列5〜10を介してアウトプットシャフト3へ伝達される。
そして、所定の変速比で変速(または逆回転)されてアウトプットシャフト3に伝達された回転駆動力は、ファイナルドライブギヤ13を介してデファレンシャル4のリングギヤ4aへ伝達され、さらに、このデファレンシャル4から車軸4b,4cを介して駆動輪(図示省略)に駆動力が伝達されて、駆動輪(図示省略)が前進方向(または後進方向)に転動させられる。
ところで、上述した同期噛み合い式変速機1の変速動作は、必要に応じて変速操作装置20でもって制御されるようになっている。
変速操作装置20は、要するに、例えば車両運転席近傍に設置される変速操作部材としてのシフトレバー(図示省略)の手動操作による手動変速モードと、シフトレバーの手動操作なしに車両運転状況に応じて最適な変速段を自動的に成立させる自動変速モードとを選択的に実行可能になっている。
まず、手動変速モードは、要するに、前記シフトレバー(図示省略)を例えばシーケンシャルシフトポジションに配置したうえで、シフトレバーを手動で前方(シフトダウン)側または後方(シフトアップ)側に押動操作することにより任意の変速段を選択するものである。
一方、自動変速モードは、要するに、前記シフトレバー(図示省略)を例えばドライブポジションに配置したときに、車速およびエンジン負荷(例えばアクセル開度)等の車両運転状況に応じて推奨の変速段(第1変速段〜第6変速段)を関係付けた変速マップを用い、車両運転状況に応じて自動的にアップシフトまたはダウンシフトすることにより前記推奨変速段を成立させるものである。
なお、自動変速モードでは、車両停止間際に段階的なシフトダウンを自動的に行うコーストダウン制御を行うようになっている。
具体的に、変速操作装置20は、三つのシンクロメッシュ機構12A〜12Cの各ハブスリーブ16を適宜スライドさせることによって要求される変速段を成立させるもので、主として、1-2変速用シフトフォーク21と、3-4変速用シフトフォーク22と、5-6変速用シフトフォーク23と、アクチュエータ24と、コントローラ25とを含む。
各シフトフォーク21〜23は、それぞれシフトコントロールシャフト26〜28に一体に取り付けられており、対応するシンクロメッシュ機構12A〜12Cのハブスリーブ16の外周溝16aに係合されている。
アクチュエータ24は、各シフトコントロールシャフト26〜28を個別に軸方向に変位させることによって、各シフトフォーク21〜23を介して各シンクロメッシュ機構12A〜12Cの各ハブスリーブ16を軸方向にスライドさせるもので、例えば流体圧駆動式または電動式の直動シリンダ等とされる。
コントローラ25は、公知のように、例えばCPU、ROM、RAMならびにバックアップRAM等を含むECU(Electronic Control Unit)とされており、少なくとも、必要に応じてアクチュエータ24を作動させることによって適宜の変速段を成立させる変速処理を実行する。
このコントローラ25には、少なくとも、アクセル開度センサ31、エンジン回転数センサ32、モード検知センサ33、シフトポジションセンサ34、車速センサ35、加速度センサ36、シフトストロークセンサ37等が入力インタフェースを介して接続されており、また、アクチュエータ24が出力インタフェースを介して接続されている。
なお、コントローラ25に接続される対象については、説明を簡単にするために本発明の特徴に直接的に関連するもののみを記載し、直接的に関連しないものの記載や説明を割愛している。
なお、アクセル開度センサ31は、アクセルペダル(図示省略)の踏み込み量を検出するものである。エンジン回転数センサ32は、エンジンの回転数NEを検出するものである。モード検知センサ33は、シフトレバー(図示省略)がシーケンシャルシフトポジションとドライブポジションとのどちらに配置されているのかを検出するものである。シフトポジションセンサ34は、制御上のシフトポジションを検出するものである。車速センサ35は、車両の走行速度を検出するものである。また、加速度センサ36は、車両に作用する前後方向の加速度や左右横方向の加速度を検出するものである。シフトストロークセンサ37は、シフトコントロールシャフト26〜28のスライド量(ストローク量)に応じた電圧を検出信号として出力するものである。
次に、本発明の特徴を適用した部分について、図2から図5を参照して詳細に説明する。
要するに、この実施形態では、変速処理を実行する際に、車両運転状態が予め規定した状態に該当するときに、変速対象となるシンクロメッシュ機構12A〜12Cのハブスリーブ16のストッパ点を学習する処理を実行させるようにすることにより、前記学習処理を常に略一定の運転状態の下で行えるようにしている。
各ハブスリーブ16のストッパ点とは、当該各ハブスリーブ16がその両側に配置される変速ギヤ(1速ドリブンギヤ5bおよび2速ドリブンギヤ6b、または3速ドライブギヤ7aおよび4速ドライブギヤ8a、あるいは5速ドライブギヤ9aおよび6速ドライブギヤ10a)に当接した位置のことである(例えば図3参照)。このストッパ点は、各ハブスリーブ16をスライドさせるときの制御上の基準位置とされるとともに、変速完了位置とされる。
このように、各ハブスリーブ16のストッパ点は、奇数変速段側ポジションと偶数変速段側ポジションとに存在しているので、これら両ポジションの中点位置が制御上のニュートラルポジションとされるようになっている。
具体的に、この実施形態の動作について図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
図4に示すフローチャートは、コントローラ25による動作を主体に記載しており、変速指令が入力される毎にエントリーされる。
まず、ステップS1において、各種センサ等から入力される情報に基づいて現在の車両の運転状態を調べる。
続くステップS2において、前記ステップS1で調べた運転状態が予め規定された状態に該当しているか否かを調べる。この規定された状態については、後で具体的に説明することにする。
ここで、車両運転状態が規定の状態に該当しない場合には、前記ステップS2で否定判定して、ステップS3で学習処理の実行をキャンセルしてから、このフローチャートを抜ける。一方、運転状態が規定の状態に該当する場合には、前記ステップS2で肯定判定して、ステップS4で学習処理の実行を許容する。
この後、ステップS5において変速処理および学習処理を実行して、このフローチャートを抜ける。
なお、前記ステップS2における規定の状態について、予め下記(1)〜(5)のいずれか一つに特定される。
(1)停車中、つまり車両が停止している場合、(2)車両の定常走行中である場合、(3)車両の加速走行中である場合、(4)車両の減速走行中である場合、(5)自動変速モードにおいて、停車間際に自動でダウンシフトされるコーストダウン制御の実行中である場合が挙げられる。なお、手動変速モードでもコーストダウン制御を行うようにしている場合には、この手段変速モードでのコーストダウン制御の実行中も、前記規定の状態のひとつとして含まれるものとする。
前記(1)での判定は、アクセル開度センサ31、車速センサ35等の検出出力に基づいて行うことができる。また、前記(2)〜(4)での判定は、アクセル開度センサ31、エンジン回転数センサ32、車速センサ35、加速度センサ36等の検出出力に基づいて行うことができる。さらに、前記(5)での判定は、前記(2)〜(4)での判定に用いる各種センサの検出出力に加えて、モード検知センサ33、シフトポジションセンサ34の検出出力を参照することにより行うことができる。
そして、図4のステップS5における学習動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5に示すフローチャートは、コントローラ25による動作を主体に記載しており、学習処理の実行するときにエントリーされる。
まず、ステップS11において、駆動対象となるシフトコントロールシャフト(26〜28)をアクチュエータ24でスライドさせることにより、シフトフォーク(21〜23)を介してハブスリーブ16を、変速対象となる変速ギア(1速ドリブンギヤ5b、2速ドリブンギヤ6b、3速ドライブギヤ7a、4速ドライブギヤ8a、5速ドライブギヤ9a、6速ドライブギヤ10a)側へ向けて軸方向にスライドさせる。
続くステップS12において、ハブスリーブ16が変速対象となる変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に当接したか否かを調べる。
ここでは、アクチュエータ24によりスライドされるシフトコントロールシャフト(26〜28)のストローク量をシフトストロークセンサ37からの出力電圧値に基づき監視しておき、シフトストロークセンサ37からの出力電圧の値が十分に安定した時点で、ハブスリーブ16が変速対象となる変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に当接して停止したものと認識するようにしている。このハブスリーブ16が停止した位置で変速が完了する。
ここで、ハブスリーブ16が対象となる変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に当接しなければ前記ステップS12で否定判定して、ハブスリーブ16が対象となる変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に当接するまで待つ。そして、ハブスリーブ16が対象となる変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に当接すると、前記ステップS12で肯定判定して続くステップS13に移行する。
ステップS13では、前記ステップS12で監視していたシフトストロークセンサ37の出力電圧値が安定したときに、当該電圧値をハブスリーブ16のストッパ点として検出し、バックアップRAM等(請求項に記載の記憶手段に相当)に記憶させている過去のストッパ点の電圧値を更新する。このようにしてハブスリーブ16のストッパ点を学習した後、このフローチャートを終了する。
次に、上述した学習処理の実行時の状態それぞれについての優位性を説明する。
・前記(1)に示すように停車中を選択した場合には、インプットシャフト2、アウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に軸方向の負荷(例えばアキシアル荷重)が作用していない無負荷状態になる。これにより、前記学習処理の実行に伴い、ハブスリーブ16が対象となる変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に当接したときに、インプットシャフト2、アウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)が持つ軸方向ガタが一方向に詰められることになる。
・前記(2)に示すように車両の定常走行中を選択した場合には、同期噛み合い式変速機1が駆動力を出力側へ向けて一方向に伝達しているために、インプットシャフト2、アウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に対して軸方向一方への負荷が作用することになって、インプットシャフト2やアウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)が持つ軸方向ガタが一方向に詰められることになる。
・前記(3)に示すように車両の加速走行中を選択した場合には、前記(2)と同様に、同期噛み合い式変速機1が駆動力を出力側へ向けて一方向に伝達しているために、インプットシャフト2、アウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に対して軸方向一方への負荷が作用することになって、インプットシャフト2やアウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)が持つ軸方向ガタが一方向に詰められることになる。
・前記(4)に示すように減速走行中を選択した場合には、前記(2),(3)とは逆に、同期噛み合い式変速機1に減速力が一方向に入力されるために、インプットシャフト2、アウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に対して軸方向他方への負荷が作用することになって、インプットシャフト2やアウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)が持つ軸方向ガタが他方向に詰められることになる。
・前記(5)に示すように自動変速モードでのコーストダウン制御中を選択した場合には、ダウンシフトの度にエンジンブレーキが効くが、それによって前記(4)と同様に、同期噛み合い式変速機1のインプットシャフト2、アウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)に対して軸方向他方への負荷が作用することになって、インプットシャフト2やアウトプットシャフト3ならびに変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)が持つ軸方向ガタが他方向に詰められることになる。
これら(1)〜(5)のいずれの場合も、ハブスリーブ16のストッパ点を学習する度に、この学習処理を常に略一定の運転状態の下で行うことが可能になるから、学習処理を実行する毎に得られる結果それぞれについて、相関関係を有するものとなる等、従来例のような不規則なバラツキが含まれなくなる。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した本実施形態では、ハブスリーブ16のストッパ点の学習処理を常に略一定の運転状態の下で行うようにしているから、ストッパ点の学習結果の信頼性を高めることが可能になる。
当然ながら、前述したストッパ点の学習結果には、ハブスリーブ16とそれのストッパとなる変速ギヤ(5b,6b,7a,8a,9a,10a)との当接部分における経時的な摩耗や、同期噛み合い式変速機1内の温度昇降に伴うシフトストロークセンサ37の出力ばらつき等が含まれている。
そこで、例えば前記学習処理を実行する度に得られる結果それぞれを蓄積しておいて、この蓄積データそれぞれを対比すれば、ハブスリーブ16とそれのストッパとなる変速ギヤ(5b,6b,7a,8a,9a,10a)との当接部分における経時的な摩耗や同期噛み合い式変速機1内の温度昇降に伴うシフトストロークセンサ37の出力ばらつき等を正確に把握することが可能になる。これにより、ハブスリーブ16や変速ギア(5b,6b,7a,8a,9a,10a)の経時的摩耗や前記センサ出力のばらつき等を加味してハブスリーブ16のスライド制御を行うようにすれば、当該スライド制御を正確に行うことが可能になる等、変速動作の信頼性向上に貢献できるようになる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下、本発明の他の実施形態を例に挙げる。
(1)上記実施形態では、同期噛み合い式変速機1をFF形式とした例を挙げているが、フロントエンジン・リアドライブ(FR)形式や、その他の形式とすることも可能である。また、同期噛み合い式変速機1を搭載する車両であれば、駆動源についてはエンジンのみを用いるタイプや、エンジンとモータジェネレータとを併用するハイブリッドタイプ等、特に限定されない。
(2)上記実施形態において、同期噛み合い式変速機1に備えるシンクロメッシュ機構12A〜12Cの形式は、ハブスリーブ16を用いるタイプであれば特に限定されない。
(3)上記実施形態では、変速操作装置20を手動変速モードと自動変速モードのいずれかを選択できるタイプとした例を挙げているが、手動変速のみが可能になったタイプの変速操作装置であってもよい。
この場合、変速操作装置20は、シフトレバー(図示省略)等の変速操作部材に対する手動操作で選択される要求変速段を適宜のセンサ等で検知して、アクチュエータ24で対象となるシンクロメッシュ機構12A〜12Cのハブスリーブ16を駆動するように構成される。
(4)上記実施形態では、加速度センサ36により、車両に作用する前後方向の加速度や左右横方向の加速度を検出するようにしているが、例えばコントローラ25に前記のような加速度を推定する加速度推定手段を備えるようにしてもよい。このコントローラ25の加速度推定手段とは、公知であるが、例えばエンジン回転数センサ32からの出力や、アクセル開度センサ31からの出力に基づいて、適宜に車両に作用する前後方向の加速度を推定する処理を実行するものである。
本発明に係る変速操作装置の適用対象となる同期噛み合い式変速機の概略構成を模式的に示すスケルトン図である。 図1に示す同期噛み合い式変速機に備えるシンクロメッシュ機構の上半分の断面を示す図である。 図2においてシンクロメッシュ機構のハブスリーブのストッパ点を学習するときの動作説明に用いる図である。 図1の変速操作装置による動作説明に用いるフローチャートである。 図4に示すステップS5の内容を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 同期噛み合い式変速機
2 インプットシャフト(回転軸)
3 アウトプットシャフト(回転軸)
5〜10 第1〜第6変速ギヤ列
5a〜10a 第1〜第6ドライブギヤ(変速ギヤ)
5b〜10b 第1〜第6ドリブンギヤ(変速ギヤ)
12A 1-2変速用シンクロメッシュ機構
12B 3-4変速用シンクロメッシュ機構
12C 5-6変速用シンクロメッシュ機構
16 各シンクロメッシュ機構のハブスリーブ
20 変速操作装置
21〜23 シフトフォーク
24 アクチュエータ
25 コントローラ
26〜28 シフトコントロールシャフト
31 アクセル開度センサ
32 エンジン回転数センサ
33 モード検知センサ
34 シフトポジションセンサ
35 車速センサ
36 加速度センサ
37 シフトストロークセンサ

Claims (4)

  1. シンクロメッシュ機構に備えるハブスリーブの軸方向変位を、その両側に配置されかつ回転軸に相対回転可能に外装される変速ギヤに当接させて停止させるようにした同期噛み合い式変速機の変速操作装置であって、
    前記ハブスリーブをスライドさせるためのシフトフォークと、このシフトフォークをスライドさせるためのシフトコントロールシャフトと、シフトコントロールシャフトを軸方向に変位させることで前記シフトフォークを駆動するアクチュエータと、必要に応じて前記アクチュエータで前記ハブスリーブをスライドさせて要求変速段を成立させる変速処理を行うコントローラとを含み、
    前記コントローラは、変速処理を実行する際、変速操作部材により選択されるシフトポジションを検出するシフトポジション検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、車両の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段または加速度を推定する加速度推定手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車速を検出する車速検出手段とからの出力に基づいて、現在の車両運転状態が、前記回転軸および変速ギヤの軸方向ガタを一方向に詰めている走行状態、あるいは前記回転軸および変速ギヤに軸方向の負荷が作用しない停車状態に該当しているか否かを判定する判定手段と、
    前記規定の状態に該当している場合に、変速処理を実行するとともに、前記ハブスリーブが変速ギヤに当接して停止する位置つまりストッパ点を検出して更新する学習処理を実行する実行手段と、
    前記ストッパ点の位置情報が記憶される記憶手段とを含み、
    前記実行手段は、前記学習処理において、前記シフトコントロールシャフトのストローク量を検出するシフトストローク検出手段からの出力に基づき、前記記憶手段に記憶してあるストッパ点の位置情報を更新する、ことを特徴とする同期噛み合い式変速機の変速操作装置。
  2. 請求項1に記載の同期噛み合い式変速機の変速操作装置において、
    前記コントローラは、変速操作部材の手動操作に応じて要求された変速段を成立させるための手動変速モードと、車両運転状況に応じて推奨される変速段を自動で成立させるための自動変速モードとを選択的に実行するものとされる、ことを特徴とする同期噛み合い式変速機の変速操作装置。
  3. 請求項1または2に記載の同期噛み合い式変速機の変速操作装置において、
    前記走行状態とは、車両の定常走行中、車両の加速走行中、ならびに車両の減速走行中のいずれか一つとされる、ことを特徴とする同期噛み合い式変速機の変速操作装置。
  4. 請求項に記載の同期噛み合い式変速機の変速操作装置において、
    前記コントローラは、自動変速モードおよび手動変速モードにおいて車両停止間際に段階的なシフトダウンを自動的に行うコーストダウン制御を行うものとされ、
    前記走行状態とは、前記コーストダウン制御中とされる、ことを特徴とする同期噛み合い式変速機の変速操作装置。
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