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JP4942673B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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JP4942673B2 JP2008017360A JP2008017360A JP4942673B2 JP 4942673 B2 JP4942673 B2 JP 4942673B2 JP 2008017360 A JP2008017360 A JP 2008017360A JP 2008017360 A JP2008017360 A JP 2008017360A JP 4942673 B2 JP4942673 B2 JP 4942673B2
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Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
ニオブは、従来の固体電解コンデンサの材料であるタンタルに比べて誘電率が約1.8倍大きいことから、次世代の高容量固体電解コンデンサの材料として注目されている。特許文献1には、タンタル、ニオブ等の弁作用金属粉末を焼結してなる陽極焼結体に、二酸化マンガンからなる固体電解質及び陰極用導電層を順次形成した固体コンデンサが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の固体電解コンデンサにおいては、二酸化マンガンの導電性が低いため、ESR(等価直列抵抗)が大きくなるという問題がある。
特許文献2においては、二酸化マンガン層の上に電解重合法により導電性高分子層を形成する技術が開示されている。しかしながら、このような技術においても、ESRの低減は十分ではなかった。
特開平07−153650号公報 特開平5−136005号公報
本発明の目的は、ESR(等価直列抵抗)が小さく、かつ保存特性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の固体電解コンデンサは、弁作用を有する金属または合金からなる陽極と、陽極の表面上に設けられる誘電体層と、誘電体層表面上の一部の領域と接するように設けられる導電性高分子層と、誘電体層表面上の他の部分の領域と接するように設けられる二酸化マンガン層とから構成される電解質層とを備えることを特徴としている。
本発明においては、誘電体層上に設けられる電解質層が、誘電体層表面上の一部の領域と接するように設けられる導電性高分子層と、誘電体層表面上の他の部分の領域と接するように設けられる二酸化マンガン層とから構成されている。導電性高分子の電導度(10(S/cm))は、二酸化マンガンの電導度(10−1(S/cm))よりも大きい。本発明においては、このように電導度が大きい導電性高分子層が、誘電体層表面上の一部の領域と接するように設けられているので、誘電体層表面上に二酸化マンガン層のみが設けられている場合に比べ、ESRを低減することができる。
また、本発明においては、誘電体層表面上の他の部分の領域と接するように二酸化マンガン層が設けられている。二酸化マンガン層は、導電性高分子層と比べ、誘電体層との密着性が良好であるので、誘電体層表面上の他の部分の領域と接するように二酸化マンガン層が設けられることにより、誘電体層表面上に導電性高分子層のみが設けられる場合に比べ、保存特性を向上させることができる。
従って、本発明によれば、ESRが小さく、かつ保存特性に優れた固体電解コンデンサとすることができる。
本発明において、誘電体層表面全体の面積に対する導電性高分子層と誘電体層とが接している領域の面積の割合を表わす導電性高分子層の被覆率が、3〜70%の範囲であることが好ましい。導電性高分子層の被覆率が、3%未満であると、ESRを低減する効果が十分に得られない場合がある。一方、導電性高分子層の被覆率が70%を超えると、ESRは低減するが、二酸化マンガン層と誘電体層との接触面積が相対的に小さくなるため、保存特性が低下する傾向にある。導電性高分子層の被覆率は、さらに好ましくは10〜40%の範囲である。
本発明においては、導電性高分子層が誘電体層表面上に島状に設けられることにより、誘電体層表面上の一部の領域と接するように設けられていることが好ましい。また、この場合、二酸化マンガン層は、島状に設けられた導電性高分子層、及び該導電性高分子層の周囲の露出した誘電体層表面を覆うように設けられていることが好ましい。従って、本発明においては、導電性高分子層が、誘電体層表面上に島状に設けられており、導電性高分子層及び誘電体層表面を覆うように二酸化マンガン層が設けられていることが好ましい。このことにより、二酸化マンガン層によって、導電性高分子層を誘電体表面上に、より強固に密着させることができるとともに、導電性高分子層への湿度変化等の外部からの影響を抑制させることができ、保存特性をより向上させることができる。
本発明において、二酸化マンガン層の厚みは、10〜100nmの範囲であることが好ましい。二酸化マンガン層の厚みが10nm未満であると、均一な膜厚の二酸化マンガン層を得ることが困難となり、保存特性が低下する場合がある。一方、二酸化マンガン層の厚みが100nmを超えると、二酸化マンガン層の導電性が低いために、ESRが増大する場合がある。二酸化マンガン層のより好ましい厚みは、20〜70nmの範囲である。
本発明において、陽極は、弁作用を有する金属または合金から形成される。弁作用を有する金属としては、固体電解コンデンサに用いることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ニオブ、タンタル、チタン、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらの中でも、酸化物の誘電率が高く、原料の入手が容易なニオブ、タンタル、チタンが好ましく、特に酸化物の誘電率がタンタルの1.5倍程度であるニオブがより好ましい。弁作用を有する合金としては、ニオブとタンタルなどのように1種類以上の弁作用を有する金属同士の合金が好ましく用いられる。また、弁作用を有する金属と、弁作用を有しない金属との合金である場合には、弁作用を有する金属が50重量%以上含まれていることが好ましい。本発明において、陽極を形成する弁作用を有する金属または合金として、ニオブまたはニオブを主成分とする(すなわちニオブを50重量%以上含む)合金であることが特に好ましい。
本発明において、導電性高分子層は、固体電解コンデンサの電解質層を形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンなどのポリチオフェン系高分子、ポリピロールなどのポリピロール系高分子などが挙げられる。これらの導電性高分子層は、例えば化学重合法により形成することにより、誘電体層の上に島状に形成することができる。
本発明において、電解質層は、上述のように、導電性高分子層と二酸化マンガン層とから構成される。本発明においては、このような電解質層の表面上に導電性高分子層をさらに設けてもよい。導電性高分子層をさらに設けることにより、ESRをさらに低減させることができる。このように、電解質層表面上にさらに設ける導電性高分子層は、薄膜形成速度が速いという観点から、電解重合法により形成することが好ましい。
本発明の製造方法は、上記本発明の固体電解コンデンサを製造することができる方法であり、陽極の表面上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層表面上の一部の領域上に、化学重合法により導電性高分子層を形成する工程と、導電性高分子層が形成されていない誘電体層表面上を少なくとも覆うように二酸化マンガン層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の製造方法においては、誘電体層表面上に化学重合法により導電性高分子層を形成することにより、誘電体層表面上の一部の領域に導電性高分子層を形成している。化学重合法は、誘電体層表面上に導電性高分子層を形成する方法であるが、薄膜形成速度が遅いので、薄膜形成時間等を調整することにより、誘電体層表面上の一部の領域上に、島状に導電性高分子層を形成することができる。
本発明の製造方法においては、上記のように導電性高分子層を形成した後、二酸化マンガン層を形成することにより、導電性高分子層が形成されていない誘電体層表面上を少なくとも覆うように二酸化マンガン層を形成する。一般には、二酸化マンガン層を連続した薄膜として形成することにより、導電性高分子層と、導電性高分子層の周囲の導電性高分子層が形成されていない誘電体層表面上を覆うように二酸化マンガン層を形成する。
本発明の固体電解コンデンサにおいては、従来の固体電解コンデンサと同様に、誘電体層の上に、陰極層を形成する。陰極層としては、固体電解コンデンサに用いられるものであれば特に限定されるものではないが、一般には、カーボン層及び銀ペースト層を積層して形成される。カーボン層は、例えば、カーボンペーストを塗布した後、これを乾燥させることにより形成することができ、銀ペースト層は、銀ペーストを塗布した後、これを乾燥させることにより形成することができる。
本発明によればESRが小さく、かつ保存特性に優れた固体電解コンデンサとすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、ESRが小さく、かつ保存特性に優れた固体電解コンデンサを効率良く製造することができる。
以下、本発明を具体的に実施形態及び実施例により説明するが、本発明は以下の実施形態及び実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図である。図1に示すように、弁作用を有する金属であるニオブの粉末を焼結して成形し、多孔質の陽極2を形成する。この陽極2には、ニオブからなる金属リード線1が埋設されている。
陽極2の表面には、誘電体層3が形成されている。陽極2は多孔質体であるので、陽極2内部の多孔質の表面に誘電体層3が形成されている。誘電体層3は、一般に陽極酸化により形成されている。誘電体層3は、酸化ニオブを主成分とする層である。
誘電体層3の表面上の一部の領域には、誘電体層3と接するように導電性高分子層4aが形成されている。導電性高分子層4aは、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンから形成されている。
導電性高分子層4a及び誘電体層3の表面を覆うように、二酸化マンガン層4bが形成されている。導電性高分子層4aと二酸化マンガン層4bから、電解質層4が構成されている。
二酸化マンガン層4bの上には、カーボン層5aが形成されており、カーボン層5aの上に、銀ペースト層5bが形成されている。カーボン層5aと銀ペースト層5bから陰極層5が構成されている。陰極層5の上には、導電性接着剤層6を介して陰極端子7が接続されている。
金属リード線1には、陽極端子8が接続されている。陽極端子8及び陰極端子7の端部が外部に引き出されるようにモールド外装樹脂9が形成されている。
陽極2は、上述のように多孔質体であり、陽極2の表面上に形成される誘電体層3及び電解質層4は、陽極2の内部の多孔質体表面上に形成されている。図2は、この状態を説明するための拡大断面図である。陽極2は、粉末を焼結した多孔質体であり、その表面に誘電体層3が形成されており、誘電体層3の上に島状に導電性高分子層4aが形成されている。また、島状の導電性高分子4a及び誘電体層3を覆うように、二酸化マンガン層4bが形成されている。従って、陽極2の表面上の誘電体層3及び電解質層4は、図1に示すように陽極2の外側のみに形成されているのではなく、陽極2の内部の多孔質部分の表面上に形成されている。カーボン層5a及び銀ペースト層5bは、ペーストを塗布することにより形成されるものであり、多孔質体の内部にまで浸透するものではないので、多孔質体の外側の表面上に形成される。
上記実施形態において、誘電体層3の表面上の一部の領域と接するように導電性高分子層4aが形成され、誘電体層3の表面上の他の部分の領域と接するように二酸化マンガン層4bが形成されている。電解質層4は、導電性の高い導電性高分子層4aと、誘電体層3との密着性に優れた二酸化マンガン層4bとから構成されているため、このような電解質層4を設けることにより、ESRを低減することができ、保存特性を向上させることができる。
図1及び図2に示すような固体電解コンデンサを以下のようにして製造した。
(実施例1)
ステップ1:平均粒子径2μmのニオブ金属の粉末を焼結させることにより、ニオブからなる金属リード線1を埋設させた多孔質焼結体からなる陽極2を形成した。これを60℃に保持した0.5重量%のリン酸水溶液中において10Vの定電圧で10時間陽極酸化し、陽極2の表面に主に酸化ニオブからなる誘電体層3を形成した。
ステップ2:誘電体層3を形成したコンデンサ素子を、20重量%のp−トルエンスルホン酸第三鉄からなる酸化剤水溶液に5分間浸漬し、エチレンジオキシチオフェンモノマーの蒸気と10分間反応させた後、130℃で20分間熱処理することにより、誘電体層3の表面上に、ポリエチレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子層4aを島状に形成した。次に、導電性高分子層4aを形成した陽極2を、30重量%の硝酸マンガン水溶液中に5分間浸漬し、内部に硝酸マンガン水溶液を含浸した。その後、170℃で10分間熱処理を行い、二酸化マンガン層4bを形成した。この硝酸マンガン水溶液中への浸漬及び熱処理を3回繰り返すことにより、十分な厚みの二酸化マンガン層4bを形成した。
以上のようにして、誘電体層3の上に、化学重合法により、島状の導電性高分子層4aを形成した後、その上を覆うように二酸化マンガン層4bを形成し、導電性高分子層4a及び二酸化マンガン層4bからなる電解質層4を形成した。
ステップ3:電解質層4を形成した陽極2の表面に、グラファイトを含有するペーストを塗布し、カーボン層5aを形成した。次に、その上に銀ペーストを塗布した後乾燥し、銀ペースト層5bを形成した。銀ペースト層5bの上に導電性接着剤層6を形成し、導電性接着剤層6を介して陰極端子8を接続した。また、金属リード線1に抵抗溶接により、陽極端子8を接続した後、エポキシ樹脂を用いて、温度160℃、圧力150kg/cm、時間90秒の成形条件で、トランスファー成形を行い、その後150℃で4時間熱処理して外装樹脂を硬化させ、モールド外装樹脂9を形成した。
以上のようにして、実施例1の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2)
本実施例においては、導電性高分子層4aを、ポリピロールから形成する以外は、上記実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。具体的には、実施例1のステップ1において、誘電体層3を形成した後、20重量%のp−トルエンスルホン酸第三鉄からなる酸化剤に5分間浸漬し、ピロールモノマーの蒸気と10分間反応させ、誘電体層3の表面上にポリピロールからなる導電性高分子層4aを島状に形成させた。それ以外は、実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
実施例1のステップ2において、誘電体層3の表面上に、ポリエチレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子層4aを形成せずに、二酸化マンガン層4bのみを形成する以外は、実施例1と同様にして、比較例1の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
実施例1のステップ2において、導電性高分子層4aの上に、二酸化マンガン層4bを形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例2の固体電解コンデンサを作製した。
〔導電性高分子層の被覆率の測定〕
誘電体層表面全体の面積に対する、導電性高分子層と誘電体層表面とが接している領域の面積の割合(導電性高分子層の被覆率)を、以下のようにして測定した。
実施例1のステップ1において、陽極表面に誘電体層を形成した後、電解質層及びカーボン層、銀ペースト層を形成せずに、コンデンサ素子とし、このコンデンサ素子の静電容量をC1とした。
また、各実施例及び各比較例のステップ2において、導電性高分子層を形成した後、二酸化マンガン層を形成せずに、その上に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布して、カーボン層及び銀ペースト層を形成したコンデンサ素子を作製し、それぞれのコンデンサ素子の静電容量をC2とした。このようにして測定した静電容量C1とC2から以下のようにして、導電性高分子層の被覆率を算出した。
導電性高分子層の被覆率(%)=(C2/C1)×100
なお、各コンデンサ素子の静電容量は、図3に示すように、対極として活性炭電極10を用い、電解液として30重量%硫酸水溶液を用いたセル11中に、コンデンサ素子12を浸漬し、LCRメータ13で、周波数120Hzにおける静電容量を測定することにより測定した。
〔二酸化マンガン層の膜厚の測定〕
各実施例及び各比較例の固体電解コンデンサにおける二酸化マンガン層の膜厚を以下のようにして測定した。
各固体電解コンデンサの陽極、誘電体層及び電解質層について、X線光電子分光分析(XPS)装置を用いて、深さ方向にスパッタリングしながら、ニオブとマンガンの濃度分布を測定した。ニオブとマンガンの組成の大小が逆転するまでのスパッタリング時間を測定し、基準として用いたシリコン酸化物のスパッタレート(10nm/分)から、二酸化マンガン層の膜厚を算出した。
図4は、XPSプロファイルを示す図である。図4に示すように、ここでは、マンガン(Mn)と、ニオブ(Nb)の濃度が、スパッタリング時間3分で逆転している。従って、ニオブとマンガンの組成の大小が逆転するスパッタリング時間を3分とし、シリコン酸化物のスパッタレート(10nm/分)から、二酸化マンガンの膜厚を30nmとしている。
〔ESRの測定〕
各実施例及び各比較例の固体電解コンデンサについて、周波数100kHzにおけるESRをLCRメータにて測定した。
〔保存特性の測定〕
各実施例及び各比較例の固体電解コンデンサについて、それぞれ、105℃にて500時間保管した。保管前の静電容量C3、保管後の静電容量C4を、LCRメータを用いて、周波数120Hzで測定し、以下の式により、保存特性における容量維持率(%)を求めた。
保存特性における容量維持率(%)=(C4/C3)×100
表1に実施例1及び2並びに比較例1及び2の各固体電解コンデンサのESR及び保存特性の測定結果を示す。なお、ESR及び保存特性における容量維持率の値は、実施例1の値を100として規格化した値である。
Figure 0004942673
表1に示す結果から明らかなように、本発明に従い、導電性高分子層と二酸化マンガン層から電解質層を構成した実施例1及び2においては、ESRが小さく、かつ保存特性における容量維持率が大きくなっている。
比較例1においては、二酸化マンガン層のみから電解質層が形成されているため、保存特性における容量維持率は大きく良好であるが、ESRが増大している。
また、比較例2においては、導電性高分子層のみから電解質層を形成しているため、ESRは良好であるが、保存特性における容量維持率が低下している。
(実施例3〜9)
ここでは、導電性高分子層の被覆率と、ESR及び保存特性との関係を検討した。
実施例1のステップ2において、20重量%のp−トルエンスルホン酸第三鉄からなる酸化剤に浸漬し、エチレンジオキシチオフェンモノマーの蒸気と反応させる時間(重合時間)を、1分、2分、5分、10分、15分、40分、90分、及び120分と変化させた以外は、実施例1と同様にして、実施例3〜9の固体電解コンデンサを作製した。
上記と同様にして、ESR及び保存特性における容量維持率を測定し、測定結果を表2に示した。
Figure 0004942673
表2に示す結果から明らかなように、導電性高分子層の被覆率が、3〜70%の範囲において、良好な結果が得られている。
(実施例10〜14)
ここでは、二酸化マンガン層の膜厚と、ESR及び保存特性との関係を検討した。
実施例1のステップ2において、二酸化マンガン層を形成させるためのステップの回数を、1回、2回、5回、10回、15回とした以外は、実施例1と同様にして、実施例10〜14の固体電解コンデンサを作製した。得られた固体電解コンデンサの測定結果を表3に示す。なお、表3には、実施例1の結果も合わせて示す。
Figure 0004942673
表3に示す結果から明らかなように、二酸化マンガン層の膜厚は、10〜100nmの範囲が好ましいことがわかる。
(実施例15)
本実施例では、二酸化マンガン層の上に、さらにピロールからなる電解重合膜を形成し、ESR及び保存特性を測定した。
実施例1のステップ2の後に、電解重合法でポリピロール層を二酸化マンガン層の上に、膜厚100nmとなるように形成した。それ以外は、実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製し、ESR及び保存特性を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 0004942673
表4に示すように、ピロールからなる電解重合膜(PPy電解重合膜)を二酸化マンガン層の上に形成することにより、さらにESRを低減させることができる。
〔透過型電子顕微鏡による観察〕
実施例7のサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)にて、断面観察したこところ、観察された範囲の陽極の焼結体粒子表面の長さA、導電性高分子層が被覆されている部分の長さBを測定し、Bに対するAの割合を求めたところ、約40%であった。従って、透過型電子顕微鏡による観察結果は、上記の静電容量から求めた導電性高分子層の被覆率とほぼ同程度であることが確認された。
上記実施例においては、陽極を形成する弁作用金属として、ニオブを用いたが、弁作用金属としてタンタルを用いた場合においても、同様に、ESRを低減し、保存特性を改善させることができる。
本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 陽極の多孔質体内部における誘電体層及び電解質層を示す模式的断面図。 誘電体層表面における導電性高分子層の被覆率の測定方法を説明するための斜視図。 陽極表面上の誘電体層及び電解質層におけるMn及びNbの濃度分布を示す図。
符号の説明
1…金属リード線
2…陽極
3…誘電体層
4…電解質層
4a…導電性高分子層
4b…二酸化マンガン層
5…陰極層
5a…カーボン層
5b…銀ペースト層
6…導電性接着剤層
7…陽極端子
8…陰極端子
9…モールド外装樹脂
10…活性炭電極
11…セル
12…コンデンサ素子
13…LCRメータ

Claims (8)

  1. 弁作用を有する金属または合金からなる陽極と、
    前記陽極の表面上に設けられる誘電体層と、
    前記誘電体層表面上の一部の領域と接するように設けられる導電性高分子層と、前記誘電体層表面上の他の部分の領域と接するように設けられる二酸化マンガン層とから構成される電解質層とを備えることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記誘電体層表面全体の面積に対する前記導電性高分子層と前記誘電体層とが接している領域の面積の割合を表わす導電性高分子層の被覆率が、3〜70%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記導電性高分子層が前記誘電体層表面上に島状に設けられており、前記導電性高分子層及び前記誘電体層表面を覆うように前記二酸化マンガン層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記二酸化マンガン層の厚みが、10〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記弁作用を有する金属または合金が、ニオブまたはニオブを主成分とする合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記導電性高分子層は、ポリエチレンジオキシチオフェンまたはポリピロールから形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記電解質層の表面上に、導電性高分子層がさらに設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記陽極の表面上に前記誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層表面上の一部の領域の上に、化学重合法により前記導電性高分子層を形成する工程と、
    前記導電性高分子層が形成されていない前記誘電体層表面上を少なくとも覆うように前記二酸化マンガン層を形成する工程とを備えること特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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