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JP4833504B2 - 電気化学キャパシタおよびそれを構成要素とするハイブリッド電源 - Google Patents

電気化学キャパシタおよびそれを構成要素とするハイブリッド電源 Download PDF

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JP4833504B2
JP4833504B2 JP2003165906A JP2003165906A JP4833504B2 JP 4833504 B2 JP4833504 B2 JP 4833504B2 JP 2003165906 A JP2003165906 A JP 2003165906A JP 2003165906 A JP2003165906 A JP 2003165906A JP 4833504 B2 JP4833504 B2 JP 4833504B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学キャパシタおよびそれを構成要素とするハイブリッド電源に関し、さらに詳しくは、電気二重層による静電容量とリチウムイオンを活物質媒体としたレドックス容量を併せ持った有機電解液系の電気化学キャパシタおよびその電気化学キャパシタと電池とを併用したハイブリッド電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に生じる電気二重層をエネルギー源とし、従来のコンデンサーを高容量化させたものである。従って、急速な充放電によるエネルギーの出し入れが可能であり、酸化還元反応が起こらないため、サイクル劣化がほとんど起こらないという長所を有している。
【0003】
しかしながら、電気二重層キャパシタは酸化還元反応が起こらないために二次電池のような高エネルギー密度を達成できず、リチウムイオン電池のエネルギー密度が100Wh/kg以上であるのに対して電気二重層キャパシタのエネルギー密度は1〜2Wh/kg程度にとどまっているのが現状である。
【0004】
そのため、従来の電気二重層による静電容量のみを有する電気二重層キャパシタに代えて、電気二重層キャパシタによる静電容量に加えて、酸化還元による疑似容量も併せ持った電気化学キャパシタが提案されている。この電気化学キャパシタは、電極の界面近傍の酸化還元反応、すなわち、二次元的な酸化還元反応を利用したものであり、バルク相(三次元)の酸化還元反応を利用する電池とは本来区別されるものである。
【0005】
この電気化学キャパシタの電極材料としては、金属酸化物や導電性高分子を用いた例が有名であり、金属酸化物としては、Ru、Irなどの貴金属や、遷移金属が検討されている。これらの金属酸化物の中で、高価な貴金属にかわり、近年、特に盛んに研究が行われている遷移金属系の電気化学キャパシタとして、Telcordia社などから、正極に活性炭を用い、負極にスピネル型のリチウムチタン酸化物を用いたバイブリッド型電気化学キャパシタが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
“An Asymmetric Hybrid Nonaqueous
Energy Storage Cell”Glenn G.Amatu
cci,Journal of the electrochemica
l society,148(8)A930−A939(2001)
【0007】
このような構成の電気化学キャパシタは、エネルギー密度が数十Wh/kgであり、100Wh/kg以上のエネルギー密度を示すリチウムイオン二次電池には及ばないものの、コンデンサ(<1Wh/kg)よりは高いエネルギー密度を有している。
【0008】
本発明者らは、比較的安易で安価な方法で調製した平均粒子径1.0μm程度のスピネル型のリチウムチタン酸化物を用いても、前記非特許文献1と同様またはそれ以上の負荷特性が得られることを確認したが、サイクル特性については報告されているような良好な特性が得られなかった。
【0009】
従って、高容量で、かつサイクル特性が優れた電気化学キャパシタの出現が要望されている。
【0010】
また、近年、携帯電話、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、ビデオカメラなどのモバイル機器は、年々需要が拡大しており、それに伴って高性能化、小型軽量化されているのが現状である。そして、これらのモバイル機器は携帯用の機器であるため、電源として電池が使用されている。
【0011】
このモバイル機器では、電源を入れる際やカメラでシャッターボタンを押す際に、瞬間的に大電流が流れ、そのとき電池電圧が急激に低下する。そして、ある特定の電池電圧まで低下すると、一次電池は交換をし、二次電池は再充電をすることになる。
【0012】
ところが、交換または充電をする電池自体には、おおよそ50%程度の容量が残存している場合が多い。これは、高負荷時の電圧降下が大きいため、低電流では残存する容量を持ちながらも電池の交換や再充電をしなければならないためである。
【0013】
そこで、瞬間的な高負荷変動に対応させるため、電池に負荷特性の良い電気二重層キャパシタを併用したシステムが提案されている。この電気二重層キャパシタは、電解液中のカチオンやアニオンを活性炭などの分極性電極表面に吸脱着させ、それにより生じた電気二重層による静電容量をエネルギー源としたものであり、電池のように電気化学的な酸化還元反応を起こさないので瞬間的に大電流を流すことができる。従って、この電気二重層キャパシタを電池に並列接続すれば負荷変動に伴う分極を抑制することができる。
【0014】
例えば、J.Millerらは、電池と電気二重層キャパシタとを並列に接続したシステムを前記モバイル機器用の電源として採用すれば、高負荷時の電圧降下を抑制することができ、電池の使用時間を5倍のばすことができると報告している(例えば、非特許文献2参照)。
【0015】
【非特許文献2】
5th Intl.Seminar on Double−Layer
Capacitors and Similar Energy St
orage Devices,S.P.Wolsky and N.M
arincic,eds.Florida Educational
Seminars,BocaRation,Fla.(1995)、p
.3および7
【0016】
しかしながら、電気二重層キャパシタは、酸化還元反応が起こらないために二次電池のような高エネルギー密度化を達成できず、リチウムイオン電池のエネルギー密度が100Wh/kg以上であるのに対し、電気二重層キャパシタのエネルギー密度は1〜2Wh/kg程度にとどまるのが現状である。
【0017】
そのため、従来の電気二重層による静電容量のみを有する電気二重層キャパシタに代えて、前記非特許文献1に記載のような、電気二重層キャパシタによる静電容量に加えて、酸化還元による疑似容量を併せ持った電気化学キャパシタを電池と併用することが考えられる。
【0018】
このような構成からなる電気化学キャパシタは、エネルギー密度が数十Wh/kgであって、100Wh/kg以上のエネルギー密度を示すリチウムイオン二次電池には及ばないものの、コンデンサ(<1Wh/kg)や電気二重層キャパシタ(<2Wh/kg)よりは高いエネルギー密度を有しているものの、前記のように、サイクル特性については必ずしも良好な特性が得られていない。
【0019】
ところで、電池とキャパシタとを併用したシステムとしては、例えば、2直列のリチウムイオン電池に電気二重層キャパシタを3個接続するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0020】
【特許文献1】
特開2001−218381号公報(第1頁)
【0021】
この特許文献1に記載の電池とキャパシタとの併用システムでは、満充電のリチウムイオン電池の電圧が単セルで通常4.2V程度なので2直列では8.4Vの電圧であり、有機電解液を用いた電気二重層キャパシタの最大電圧が通常2.5Vであるから3直列では7.5Vとなる。すなわち、電池の合計最大電圧が電気二重層キャパシタのそれを上回っているので、直接電池と電気二重層キャパシタとを並列接続すると、電気二重層キャパシタが過充電状態となって電解液の分解による内圧の上昇や発熱などが起きてしまう。従って、この特許文献1に記載の併用システムでは、電気二重層キャパシタの過充電防止のために保護回路を組み込んでおり、その分、コスト高になるという問題があった。
【0022】
また、リチウムイオンポリマー電池に電気二重層キャパシタを接続し、保護回路を簡略化したシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0023】
【特許文献2】
特開2000−013915号公報(第1頁)
【0024】
しかしながら、この特許文献2に記載の併用システムでは、電気二重層キャパシタが過充電にならないように電圧を調節する目的で、電気二重層キャパシタを複数個接続しているため、スペース的に問題があり、小型化への妨げとなっている。
【0025】
また、環境問題の観点から自然エネルギーの活用が強く要求されており、特に太陽エネルギーを利用した太陽電池の利用が活発に進められている。例えば、太陽電池で発電したエネルギーを電池に蓄えるシステムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0026】
【特許文献3】
特開平6−351174号公報(第1頁)
【0027】
しかしながら、蓄電池は、急速の充電に不適であること、長期間の使用に耐えられないなどの問題があるため、蓄電池に代えて、電気二重層キャパシタに太陽電池で発電した電力を貯蔵させる素子が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0028】
【特許文献4】
特開平7−177683号公報(第1頁)
【0029】
しかしながら、電気二重層キャパシタは、寿命が長く高速の充電が可能であるなどの長所を有するものの、蓄電量が電池に比べて著しく低いため、使用時間が短くなって用途の制限を受けるという問題があった。
【0030】
上記のような太陽電池と電気二重層キャパシタとを併用したシステムの利用例として道路鋲用電源が提案されている(特許文献5参照)。
【0031】
【特許文献5】
特開平8−232216号公報(第1頁)
【0032】
この特許文献5に記載の併用システムでは、昼間に太陽電池で発電した電力を電気二重層キャパシタに蓄電し、夜間になると電気二重層キャパシタから電力が供給されて発光ダイオードを点滅発光させている。道路鋲は通常5年から7年以上の耐久性が要求されるので、電気二重層キャパシタのような耐久性の高いものが蓄電源として好適である。
【0033】
しかしながら、電気二重層キャパシタの作動電圧は通常0〜2.5Vの範囲であるが、前記道路鋲用途における太陽電池の出力電圧および発光ダイオードの使用電圧は多くの場合2.8〜3.3Vであって、電気二重層キャパシタの作動電圧を上回っているため、通常、電気二重層キャパシタが過充電にならないように防止する回路や、昇圧のための回路などが必要であり、また、電気二重層キャパシタが蓄電池に比べて蓄電容量が極めて少ないため、通常、複数個の電気二重層キャパシタを並列に接続して用いなければならなかった。すなわち、太陽電池と従来の電気二重層キャパシタとを組み合わせた太陽光発電システムは、複雑な回路や多くの電気二重層キャパシタを搭載しなければならないため、小型・軽量化に難点があった。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような電気化学キャパシタの問題点を解決し、高容量で、かつサイクル特性が優れた電気化学キャパシタを提供することを第1の目的とし、かつ上記のような従来のハイブリッド電源の問題点を解決し、小型でかつ過充電になる危険性が少なく、しかも高容量で、かつサイクル特性が優れていて長期間の使用に耐え得るハイブリッド電源を提供することを第2の目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため種々検討を重ねた結果、まず、アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とする電気化学キャパシタにおいて、上記負極にラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用い、上記負極と正極の容量比を負極/正極=1〜7とすることにより、高容量で、かつサイクル特性が優れた電気化学キャパシタが得られ、上記第1の目的を達成できることを見出した。
【0036】
また、本発明者らは、上記電気化学キャパシタ、すなわち、アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウム含有チタン酸化物を用いた負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とし、上記負極と正極との容量比を負極/正極=1〜7とした電気化学キャパシタと、電池とを並列に接続することによって、小型でかつ過充電になる危険性が少なく、しかも高容量で、かつサイクル特性が優れていて長期間の使用に耐え得るハイブリッド電源が得られ、上記第2の目的を達成できることを見出した。
【0037】
【発明の実施の形態】
まず、本発明において、前記第1の目的を達成し得る電気化学キャパシタにつして詳しく説明すると、本発明の電気化学キャパシタは、電極と有機電解液との界面の電気二重層による静電容量と、電気化学的な酸化還元反応によるレドックス容量とを1つの素子内に持つ、ハイブリッド型の電気化学キャパシタであって、その構成は、アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、リチウムイオンの電気化学的な挿入および脱離が可能なラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用いた負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とし、上記負極と正極の容量比を負極/正極=1〜7にしたものである。
【0038】
本発明の電気化学キャパシタにおいて、負極に用いるリチウムチタン酸化物はラムスデライト型の結晶構造を有していて、これに属するものとして、化学式Li2 Ti3 7 、Li4 Ti5 12などで表されるものが挙げられるが、特に化学式Li2 Ti3 7 で表されるものが好ましい。そして、このLi2 Ti3 7 の場合は、CuをターゲットとしたX線回折法による主たるピークのd値が、0.445nm、0.269nm、0.224nm、0.177nm(それぞれ±0.0002nm)にあることが好ましい。
【0039】
上記ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物は、還元電位がLi/Li+ に対して2.0V付近より始まり、0.5V付近までは緩やかな電位勾配をもって進み、酸化反応では、電位がわずかに上昇してその逆方向に進行する。これに対して、同じリチウムチタン酸化物であっても化学式Li4 Ti5 12で表されるスピネル型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物は、Li/Li+ に対して1.5V付近で非常に平坦な充放電曲線を有している。
【0040】
負極にリチウムチタン酸化物を用い、正極に炭素質材料として活性炭を用いて充放電を行った場合、正極では、電解質として用いられているリチウム塩のアニオンの吸脱着が起こり、負極では、リチウムイオンのインターカレーションが起こる。この際、負極にラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用いていると、スピネル型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用いた場合に比べて、充電時、Li(リチウム)電位に対して正負極間の電位差が小さいため、よりアニオンの吸着が進行しやすくなり、長期サイクル寿命に適した特性を持つ電気化学キャパシタが得られるようになるものと考えられる。
【0041】
上記ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物は、その製造方法のいかんにかかわらず用い得るが、例えば、水酸化リチウム、酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウムなどから選択された一つ、あるいは複数のリチウム化合物と、酸化チタンとを混合した後、1000℃からリチウムチタン酸化物が溶融する温度に近い1400℃付近までの温度で熱処理を施した後、アルミナ製のボールミルなどで、粉砕する工程を経由する固相法によって製造することができる。その際、上記リチウムチタン酸化物は平均粒子径が10μm以下のものが好ましく、特に平均粒子径が0.01μm以上で、とりわけ、0.01〜1μmのものが好ましい。すなわち、上記リチウムチタン酸化物の平均粒子径が10μm以下であることによって、粒子が大きすぎることによるリチウムイオンの粒子内部への拡散の遅延に基づく出力特性の低下を抑制することができ、また、平均粒子径が0.01μm以上であることによって、電極作製時の粒子同士の凝集による分散性の低下やそれに伴う作業性の低下を抑制することができる。
【0042】
また、上記ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物は、上記固相法による場合以外に、有機金属化合物を出発原料とし、加水分解反応・脱水縮合反応および熱処理によりリチウムチタン酸化物を合成する工程を経由するゾルゲル法で製造してもよい。ゾルゲル法によれば、固相法の場合よりも熱処理温度を低くすることができるので、コスト面で利点がある。
【0043】
上記のようにして得られたラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用いて負極を作製するには、例えば、上記ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物に導電助剤とポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを加えて混合し、得られた負極合剤を適宜の手段で成形すればよい。例えば、上記負極合剤を加圧成形するか、あるいは上記負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてからリチウムチタン酸化物などと混合してもよい)、得られた負極合剤含有ぺーストを金属箔や金属網などかなる集電体に塗布し、乾燥して膜状の負極合剤層を形成し、必要に応じて圧縮する工程を経由することによって負極を作製することができる。ただし、負極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0044】
上記の導電助剤としては、材質や形状などに関して特に限定されることはないが、実質的には炭素質材料が好適に用いられ、その具体例としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
【0045】
上記ラムスデライト型結晶構造を有するリチウムチタン酸化物と、導電助剤やバインダーとの混合分散にあたっては、スターラー、ボールミル、超音波分散などのいずれの混合手段も採用することができ、また、その混合時の温度や時間に関しては、特に限定されることはないが、例えば、0〜40℃で1〜12時間程度混合分散することが好ましい。上記ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物と導電助剤とバインダーとの混合比率は、質量比で80:15:5〜50:30:20が好ましく、特に70:20:10〜60:25:15が好ましい。
【0046】
本発明において、正極にはPF6 - やBF4 - などのアニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いるが、そのような炭素質材料としては、例えば、活性炭や単層のカーボンナノチューブなどが好ましい。これらの炭素質材料は電気化学セル内で充放電させた場合に前記アニオン種を炭素層間内にドープおよび脱ドープする電気化学的酸化還元反応は起こさず、炭素層間内にアニオンを吸脱着させるだけなので急速なアニオンの移動が達成できる。また、これらの炭素質材料は前記のような充放電の電位変化が直線的であり、電池の活物質に用いられる材料のように電位の平坦部や傾斜が緩やかなショルダーを示さない。
【0047】
また、前記活性炭としては、BET比表面積測定による比表面積が1000m2 /g以上のものが好ましい。これは、炭素質材料のBET比表面積測定による比表面積が1000m2 /g以上であることによって、炭素質材料と有機電解液との界面に生じる電気二重層による静電容量の低下を抑制できるからである。
【0048】
さらに、前記活性炭としては、径が2nmより小さいミクロ孔、径が2〜50nmの範囲にあるメソ孔および径が50nmより大きいマクロ孔を有し、前記ミクロ孔の細孔容積が0.5cc/g以上であり、メソ孔の細孔容積が0.3cc/g以上であって、全細孔容積に対するミクロ孔の細孔容積の存在比率が50〜75%であり、メソ孔の細孔容積の存在比率が25〜50%であるものが好ましい。また、全細孔容積に対するマクロ孔の細孔容積の存在比率は3%以下が好ましく、特に1%以下が好ましく、とりわけ0%に近いものがさらに好ましい。そして、この活性炭としては平均粒子径が5〜20μmであるものが好ましい。
【0049】
細孔はIUPACにより、径が2nmより小さいものをミクロ孔、2〜50nmのものをメソ孔、50nm以上より大きいものをマクロ孔と定義しているが、通常はメソ孔に大多数のイオンが吸脱着するといわれており、メソ孔の細孔容積が高いものがキャパシタの電極用活性炭として好ましいとされている。
【0050】
しかしながら、活性炭に吸脱着するPF6 - やBF4 - などのアニオンの大きさは通常1nm以下であるので前記ミクロ孔の細孔内でもアニオンは充分移動可能であり、吸着も可能なはずである。そこで、本発明者らは、ミクロ孔が充分に発達した、具体的には水銀ポロシメーターを用いる方法で測定したミクロ孔の細孔容積が0.5cc/g以上で、しかもメソ孔も発達した、具体的にはメソ孔の細孔容積が0.3cc/g以上であり、しかも全細孔容積に対するミクロ孔の細孔容積の存在比率が50〜75%であり、メソ孔の細孔容積の存在比率が25〜50%である活性炭を用いれば、アニオンの吸脱着による高い静電容量が得られることを見出した。これは、ミクロ孔より径の大きいメソ孔も発達させることにより、アニオンの移動が促進され、ミクロ孔への吸脱着量が増えたためであると考えられる。
【0051】
また、前記活性炭の粒子径は、イオンの移動距離を短くすること、大きな比表面積を確保するためなどの理由から、平均粒子径で5〜20μmであることが好ましい。活性炭の平均粒子径が20μmより大きくなると粒子径が大きすぎてイオンが急速に粒子内部まで移動することができなくなるおそれがあり、逆に5μmより小さくなると粒子径が小さすぎて前記ミクロ孔やメソ孔を充分に発達させることができなくなるおそれがある。
【0052】
前記活性炭は、原料、製法などに関して特に制限はなく、通常、椰子殻、石油コークス、フェノール樹脂などを出発原料とし、好ましくはフェノール樹脂を出発原料とし、600〜800℃程度で炭化したのち、水蒸気またはアルカリ水溶液、好ましくはアルカリ水溶液で賦活処理することによって得られる。
【0053】
上記炭素質材料を用いて正極を作製するには、例えば、上記炭素質材料に前記負極の場合と同様の導電助剤とバインダーとを加えて混合し、得られた正極合剤を適宜の手段で成形すればよい。例えば、上記正極合剤を加圧成形するか、あるいは上記正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから上記炭素質材料と混合してもよい)、得られた正極合剤含有ぺーストを金属箔や金属網などからなる集電体に塗布し、乾燥して膜状の正極合剤層を形成し、必要に応じて圧縮する工程を経由することによって正極を作製することができる。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0054】
そして、電気化学キャパシタを作製するに当たって、負極と正極の容量比は、負極/正極=1〜7にすることが必要であり、負極/正極=1.5〜5が好ましい。すなわち、上記容量比が1より小さかったり、7より大きかったりすると、充分な容量やサイクル特性が得られなくなる。ここで、負極と正極の容量は、例えば、金属リチウムを対極とした3電極式または2電極式の電気化学セルで、得られた各電極質量当たりの容量と電気化学キャパシタに充填された各電極の質量から知ることができる。ただし、上記の電極の質量とは電極合剤の質量を意味し、集電体の質量は含まない。
【0055】
本発明の電気化学キャパシタを構成するにあたり、有機電解液としては、有機溶媒に電解質を溶解させて調製したものが用いられる。上記有機電解液の溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどの環状エステルや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状エステルを、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種以上併用することができる。そして、電解質としては、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧2)などのリチウム塩を、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種以上併用することができる。電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜2mol/l、特に0.4〜1.5mol/l程度が好ましい。
【0056】
また、本発明の電気化学キャパシタは、形状に関して、円筒形、角形、コイン形など特に制限はなく、その製造方法にも特に制限はない。例えば、円筒形の電気化学キャパシタを作製する場合は、シート状に成形した負極と正極とを電池やキャパシタなどに使用されるているものと同様のセパレータを介してロール状に巻回して巻回体を作製し、その巻回体を有底円筒形の缶に充填し上記有機電解液を注入してから封口すればよい。
【0057】
本発明の電気化学キャパシタは、負極のリチウムチタン酸化物中へのリチウムイオンのドープ・脱ドープ機能によるレドックス容量を有していることに加えて、正極の炭素質材料と有機電解液との界面に生じる電気二重層による静電容量も同時に有するものであり、いわば、リチウムイオン電池と電気二重層キャパシタの両方の特性を併せ持つ素子である。それ故、本発明の電気化学キャパシタは、特に、瞬間的な大電流とエネルギー容量とを必要とするデバイスの電源や、長期間の充放電サイクル寿命を必要とする機器の電源に適している。
【0058】
つぎに、本発明において、第2の目的を達成するハイブリッド電源について説明する。本発明のハイブリッド電源は、前記電気化学キャパシタと電池とを並列に接続することによって構成される。この際、本発明の電気化学キャパシタは、許容充電電圧VE が2.5〜3.5Vという高い許容充電電圧VE を有しているので、通常の条件下では電気化学キャパシタが過充電状態になることが少なく、従って、従来の電気二重層キャパシタを用いた場合に生じるような過充電状態になるのを防止するための保護回路を設けたり、電気二重層キャパシタを2本以上直列に接続する必要がなく、しかも、電気化学キャパシタの有する高容量で、かつサイクル特性が優れているという特性をハイブリッド電源においてもそのまま生かすことができる。従って、本発明の電気化学キャパシタを用いることにより、小型でかつ過充電になる危険性が少なく、しかも、高容量で、かつサイクル特性が優れていて長期間の使用に耐え得るハイブリッド電源を提供することができる。
【0059】
本発明のハイブリッド電源において、電気化学キャパシタは、前記のように、アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウム含有チタン酸化物を用いた負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とし、前記負極と正極との電気容量比が負極/正極=1〜7である電気化学キャパシタであるが、前記電気化学キャパシタと並列に接続する電池としては、通常に使われている一次電池や二次電池を用いることができ、また、太陽電池も用いることができる。
【0060】
上記一次電池としては、例えば、マンガン電池、アルカリ電池、ニッケル電池、リチウム電池などが挙げられる。デジタルカメラなどで広く使われているアルカリ電池やニッケル電池などは通常2直列で使用されるため、並列に接続する素子には通常3.2〜3.4Vの耐電圧が要求される。前述の通り電気二重層キャパシタの作動電圧範囲は0〜2.5Vなので、これらの電池と電気二重層キャパシタ1本とを並列接続するためには過充電を防止するための回路を設けるか、電気二重層キャパシタの2本以上直列に接続するなどの処置が必要であるが、本発明のハイブリッド電源に用いる電気化学キャパシタは、最高で3.5Vの許容充電電圧を示すので、1つだけでも過充電防止の複雑な回路を必要としない。
【0061】
また、前記電気化学キャパシタと並列に接続する二次電池としては、例えば、鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などが挙げられる。これらの電池は2直列以上で用いられることもあり、その場合、電池の最大電圧は3Vを超えることがある。この場合、それらの電池と耐電圧が2.5Vである電気二重層キャパシタ1本とを並列に接続してしまうと電気二重層キャパシタが過充電状態になる。従って、保護回路を設けるか、または電気二重層キャパシタを2本以上直列に接続する必要があったが、本発明のハイブリッド電源に用いる電気化学キャパシタは耐電圧が高いので1本だけで充分であり保護回路も不要である。
【0062】
また、前記電気化学キャパシタと並列に接続する太陽電池としては、その構成や出力などに関して特に制限はなく、アモルファス太陽電池、結晶性シリコン太陽電池、色素増感型太陽電池などが好適に用いられる。モジュール数にも特に制限はなく、作動させる機器類の使用に応じて適宜選択すればよい。
【0063】
本発明のハイブリッド電源は、前記電気化学キャパシタの許容充電電圧VE が2.5〜3.5Vであり、電池の最大電圧VB が2.5〜3.5Vであり、しかもVE ≧VB を満足する。ここでVB は開回路または閉回路時に電池が示す最大の電圧を意味する。
【0064】
前記電気化学キャパシタの許容充電電圧VE は、負極活物質の種類や正極と負極の容量比、あるいは電気化学キャパシタの持つ容量の利用率などで調整される。本発明における許容充電電圧VE とは、電気化学キャパシタを円筒缶などに装填した場合、缶の膨れや発熱などの外見の異常がみられず、かつ容量やサイクルなど電気化学統制の極端な劣化を起こさない最大の充電電圧を意味する。
【0065】
前記許容充電電圧VE は、負極活物質としてリチウム含有チタン酸化物を用いた場合、負極側をLi電位に対して1V未満とすると負極活物質の構造破壊が起きるなどの問題があること、正極側の耐酸化電圧がリチウム電位に対して4.5V程度であることなどの理由から、3.5Vが最大値となる。
【0066】
E ≧VB を満足しない場合、すなわち、VB がVE より高い電圧を示す場合は、直接電池と電気化学キャパシタとを並列に接続すると電気化学キャパシタが過充電状態となり、場合によっては、電気化学キャパシタの損傷を招くので好ましくない。
【0067】
従って、本発明において、電気化学キャパシタと電池とを並列に接続してハイブリッド電源を構成するにあたり、許容充電電圧VE が2.5〜3.5Vである本発明の電気化学キャパシタと最大電圧VB が2.5〜3.5Vである1直列1並列以上の電池とを並列に接続し、かつVE ≧VB を満足させれば、複雑な保護回路が不要な小型で軽量のハイブリッド電源を提供することができる。
【0068】
ここで、本発明のハイブリッド電源の構造例を図1〜3を参照しつつ説明する。図1は電気化学キャパシタと電池とをプラスチック製の外装材で構成されたパック1に装填したハイブリッド電源の外観を示したものである。パック1は電気化学キャパシタを装填するキャパシタ収納部2と、電池を装填する電池収納部3と、電池の出し入れをするための電池収納蓋4とを有している。図2は図1に示すハイブリッド電源の内容物を示すもので、パックの裏面にラミネート型の電気化学キャパシタ5が内蔵されており、円筒形の2本の電池6は電池コネクター7を介して2直列または2並列に接続されている。パックの底には外部負荷と電気的に接続するための外部端子8が設けられている。図3は電気化学キャパシタ5と2直列の電池6との接続状態を示したもので、電気化学キャパシタ5と電池6はパック内で正極端子9および負極端子10を介して並列に接続されている。電池6はパック1内への出し入れが可能であるため、電池の容量がなくなった場合には、一次電池であれば新しい電池と交換すればよいし、二次電池であれば専用の充電器で再充電してから再度パックに装填して用いるようにすればよい。また、二次電池の場合、パックごと充電器で再充電して用いることもできる。
【0069】
図1〜3ではラミネート型の電気化学キャパシタおよび円筒形の電池を用いた例を示したが、これらは角形やガム形などであってもよく、その形状に関して制限を受けることはない。また、電池は例えば2直列2並列の4本であっても構わない。
【0070】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて溶液や分散液などの濃度を示す%は特にその基準を付記しない限り質量%であり、実施例1〜3と比較例1〜3は電気化学キャパシタに関するものであり、実施例4〜6と比較例4〜7はハイブリッド電源に関するものである。
【0071】
実施例1
化学式Li2 Ti3 7 で表され、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定による平均粒子径が0.47μmで、BET5点法で求めた窒素吸着による比表面積が7.5m2 /gであるラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用いて以下のような手順で負極を作製した。
【0072】
まず、バインダーであるポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチル−2−ピロリドン溶剤23質量部に溶解させたバインダー液を調製し、そのバインダー液に、導電助剤であるアセチレンブラックとケッチェンブラックとの混合物25質量部を加えて、スターラーであらかじめ5時間前分散した。この導電助剤とバインダーを含有する液と上記リチウムチタン酸化物65質量部とを混合し、出力150Wの超音波ホモジナイザーで分散処理して負極合剤含有ぺーストを調製した。
【0073】
得られた負極合剤含有ぺーストを厚さ40μmのアルミニウム箔上に、アプリケーターでクリアランス60μmで塗布し、100℃のホットプレート上で20分間予備乾燥して負極合剤層を形成した後、裏面をアプリケーターでクリアランス100μmで塗布し、100℃のホットプレート上で20分間予備乾燥して負極合剤層を形成した。さらに、80℃で12時間真空乾燥した後、得られた電極体を1ton/cm2 で10秒間プレスした後、3ton/cm2 で10秒間プレス処理して負極を得た。
【0074】
得られた負極の厚みは70μmで、負極合剤層の形成量(ただし、単位平方センチメートル当たりの負極合剤層の形成量をいう。以下同様)は両面とも2.5mg/cm2 であった。これを片面の面積が2cm2 になるように切り出したものを作用極とし、対極および参照極に金属リチウムを用い、電解液には1.5MLiPF6 /EC+DEC〔エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒ににLiPF6 を1.5mol/l溶解させて調製した電解液〕を用いて、3電極式電気化学セルで、充放電電圧1〜2.5V、電流密度0.5mA/cm2 で容量を測定したときの負極の単位質量当たりの容量は90mAh/gであった。ただし、上記における負極の質量とは、負極合剤の質量を意味し、集電体であるアルミニウム箔の質量は含まない。
【0075】
上記プレス後の負極を幅24mm、長さ186mmに切り出して、それを電気化学キャパシタ構成用の負極として用い、その負極と組み合わせる正極の材料として、BET比表面積測定の5点法による比表面積が1200m2 /gである活性炭を用いて、以下に示すように正極を作製した。まず、N−メチル−2−ピロリドン23質量部にポリフッ化ビニリデンを濃度で25%になるように溶解し、その溶液に導電助剤としてアセチレンブラック15質量部を加えてスターラーで5時間分散した。この導電助剤とバインダーを含有する液と前記の活性炭60質量部とを混合し、出力150Wの超音波ホモジナイザーで分散処理して正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ぺーストを厚さ40μmのアルミニウム箔上に、アプリケーターでクリアランス140μmで塗布し、100℃のホットプレート上で20分間予備乾燥して正極合剤層を形成した後、その裏面にアプリケーターでクリアランス220μmで塗布し、100℃のホットプレート上で20分間予備乾燥して正極合剤層を形成した。得られた電極体を1ton/cm2 で10秒間プレスした後、3ton/cm2 で10秒間プレス処理して厚みを0.13mmにした後、それを幅24mm、長さ171mmに切り出して正極とした。この正極の厚みは、上記のように0.13mmであり、また、その正極合剤層の形成量(ただし、この正極合剤層の形成量についても、単位平方センチメートル当たりの正極合剤層の形成量をいう。以下同様)は両面とも2.5mg/cm2 であった。
【0076】
上記のようにして作製した正極と負極を、120℃で3日間真空乾燥した後、ドライ雰囲気中で、厚み25μm、幅27mmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータ2枚を介して巻回し、直径10mm弱の巻回体を作製した。
【0077】
上記巻回体にゴムキャップをとりつけ、80℃で12時間乾燥した後、不活性雰囲気中で、組成が1.5MLiPF6 /EC+DECで表される有機電解液〔すなわち、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒にLiPF6 を1.5mol/l溶解させて調製した有機電解液〕に浸漬し、真空−開放を3回繰り返して、巻回体に有機電解液を含浸させた。このようにして巻回体に含浸させた有機電解液量は1.2gであった。
【0078】
上記有機電解液を含浸させた巻回体を外径10mm、高さ40mmの有底円筒形の缶に入れ、常法に準じて封口を行って電気化学キャパシタを得た。このようにして作製した円筒形の電気化学キャパシタの負極と正極の容量比は負極/正極=3.0であった。そして、この電気化学キャパシタを14.4mAの定電流で3.1Vまで充電した後、1.0Vまで放電を行う充放電サイクルを3回繰り返して、化成処理を行った。
【0079】
実施例2
負極における負極合剤層の形成量を1.3mg/cm2 とし、負極と正極との容量比を負極/正極=1.5とした以外は、実施例1と同様に電気化学キャパシタを作製し、化成処理をした。
【0080】
実施例3
負極における負極合剤層の形成量を4.5mg/cm2 とし、負極と正極との容量比を負極/正極=5.0とした以外は、実施例1と同様に電気化学キャパシタを作製し、化成処理をした。
【0081】
比較例1
負極における負極合剤層の形成量を0.4mg/cm2 とし、負極と正極の容量比を負極/正極=0.5とした以外は、実施例1と同様に電気化学キャパシタを作製し、化成処理をした。
【0082】
比較例2
負極における負極合剤層の形成量を6.8mg/cm2 とし、負極と正極の容量比を負極/正極=7.5とした以外は、実施例1と同様に電気化学キャパシタを作製し、化成処理をした。
【0083】
比較例3
実施例1で用いたラムスデライト型のリチウムチタン酸化物に代えて、X線回折法による回折パターンが化学式Li4 Ti5 12に帰属するスピネル型結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用いた以外は、実施例1と同様に電気化学キャパシタを作製し、化成処理をした。
【0084】
上記化成処理後の実施例1〜3および比較例1〜3の電気化学キャパシタについて、それらのサイクル特性を評価した。すなわち、上記化成処理後の実施例1〜3および比較例1〜3の電気化学キャパシタについて、72mAの定電流で、充電カット電圧3.1V、放電カット電圧1.0Vの条件で充放電を繰り返して、サイクル特性を評価した。なお、上記サイクル試験は25℃で行い、1サイクル目の放電容量と10000サイクル目の放電容量を測定し、それらから、次式により、1サイクル目の放電容量に対する10000サイクル目の放電容量の容量保持率を求めた。
【0085】
Figure 0004833504
【0086】
上記のようにして求めた容量保持率を、負極と正極の容量比、負極のリチウムチタン酸化物の結晶構造、1サイクル目の放電容量と共に、表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0004833504
【0088】
表1に示すように、実施例1〜3の電気化学キャパシタは、比較例1〜3の電気化学キャパシタに比べて、1サイクル目の放電容量が大きく、かつ10000サイクル目の容量保持率が大きく、高容量で、かつサイクル特性が優れていた。すなわち、負極にラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用い、負極と正極の容量比を負極/正極=1〜7の範囲内にした実施例1〜3の電気化学キャパシタは、高容量で、かつサイクル特性が優れていたが、同じ結晶構造を持つリチウムチタン酸化物を用いても、負極と正極の容量比が負極/正極=1〜7の範囲外の比較例1〜2の電気化学キャパシタは、実施例1〜3の電気化学キャパシタに比べて、容量が小さく、かつサイクル特性が劣っていた。
【0089】
また、同じリチウムチタン酸化物であってもスピネル形の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を負極に用いた比較例3の電気化学キャパシタは、容量こそ実施例1〜3の電気化学キャパシタに近い大きさであるものの、サイクル特性が実施例1〜3の電気化学キャパシタに比べて著しく劣っていた。つまり、同じリチウムチタン酸化物を用いても、ラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を負極に用いた場合は、スピネル型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を負極に用いた場合に比べて、サイクル特性が大幅に改善された電気化学キャパシタが得られることが明らかであった。
【0090】
以上のように、本発明によれば、高容量で、かつサイクル特性が優れた電気化学キャパシタを提供することができる。
【0091】
つぎに、ハイブリッド電源に関する実施例4〜6と比較例4〜7について説明する。
【0092】
実施例4
化学式Li2 Ti3 7 で表され、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定による平均粒子径が0.6μmであり、CuをターゲットとしたX線回折法によるメインピークのd値が0.445nm、0.269nm、0.224nm、0.177nmであるリチウムチタン酸化物60質量部に、アセチレンブラック3質量部と70%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10質量部になるように加えて混練し、得られた負極合剤含有ペーストを厚さ15μm、幅200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で乾燥して、負極合剤層を形成した後、3ton/cm2 でプレス処理して、負極をを作製した。
【0093】
得られた負極の厚みは70μmで、負極合剤層の形成量(ただし、単位平方センチメートル当たりの負極合剤層の形成量をいう。以下同様)は両面とも7.8mg/cm2 であった。これを片面の面積が2cm2 になるように切り出したものを作用極とし、対極および参照極を金属リチウムを用い、有機電解液には1.5MLiPF6 /EC+DEC〔エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒にLiPF6 を1.5mol/l溶解させて調製した有機電解液〕を用いて、3電極式電気化学セルで、充放電電圧1〜2.5V、電流密度0.5mA/cm2 で容量を測定したときの負極の単位質量当たりの容量は100mAh/gであった。ただし、上記における負極の質量とは、負極合剤の質量を意味し、集電体であるアルミニウム箔の質量は含まない。
【0094】
正極にはフェノール樹脂を炭化し水酸化カリウム水溶液中で賦活処理した平均粒径15μmである活性炭を用いた。なお、この活性炭は窒素吸着によるBET比表面積が3200m2 /gであり、ミクロ孔の細孔容積が1.0cc/gで、メソ孔の細孔容積が0.7cc/gであり、全細孔容積に対するミクロ孔の細孔容積の存在比率が60%で、全細孔容積に対するメソ孔の細孔容積の存在比率が39%であった。
【0095】
この活性炭90質量部に、アセチレンブラック5質量部を加え、さらに70%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5質量部となるように加えて混練し、得られた正極合剤含有ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で乾燥して正極合剤層を形成した後、3ton/cm2 でプレス処理して、正極を作製した。
【0096】
得られた正極の厚みは90μmで、正極合剤層の形成量は両面とも2.0mg/cm2 であった。これを片面の面積が2cm2 になるように切り出したものを作用極とし、前記負極の場合と同様に3電極式電気化学セルで容量を測定した。充電カット電圧を4.5V、放電カット電圧3V、電流密度を0.5mA/cm2 としたときの正極の単位質量当たりの容量は80mAh/gであった。ただし、上記における正極の質量とは、正極合剤の質量を意味し、集電体であるアルミニウム箔の質量は含まない。
【0097】
前記負極を幅40mm、長さ320mmに切り出し、正極を幅40mm、長さ310mmに切り出し、それぞれの中央にアルミニウムのタブを溶接し、それらを電気化学キャパシタ構成用の負極および正極とした。
【0098】
上記負極および正極を厚さ25μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して巻回し、直径9.5mm、長さ40mmの巻回体を得た。この巻回体を直径10mm、高さ45mmの円筒缶に装填した。アルゴンガス雰囲気のドライボックス内で、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:2(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6 を1.5モル/リットルの濃度になるように溶解させた有機電解液を前記円筒缶に注入し、厚さ5mmのブチルゴム製の封止体で円筒缶の開放部を閉塞し、かしめて円筒形の電気化学キャパシタを作製した。なお、この円筒形電気化学キャパシタにおける負極と正極との容量比は負極/正極=5であった。
【0099】
上記のように作製した電気化学キャパシタを、30mAの定電流で充電カット電圧3.5V、放電カット電圧1.0Vの条件で充放電させて初回の放電容量を測定したところ、45mAhの放電容量が得られた。上記と同じ充放電条件で10000サイクルまで充放電を繰り返し、その10000サイクル目の放電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
【0100】
つぎに、上記のように作製した円筒形の電気化学キャパシタを、セルを6直列接続してなる結晶質シリコン太陽電池のモジュール(出力0.22W、電圧3.3V、大きさ50×55mm)に電線を介して並列に接続してハイブリッド電源を作製した。
【0101】
上記のように作製したハイブリッド電源の太陽電池に、80℃の温度下で、照度50,000ルクスの照明下で1時間照射した。その後は、それ以上に発電しないように太陽電池に黒色布をかぶせ、外部電源を接続して10mAの定電流放電をし、放電カット電圧を1Vとして、放電容量を測定した。得られた放電容量を後記の表3に示す。
【0102】
以上の操作を初期の放電容量に対して60%の容量になるまで繰り返し、繰り返しが可能なサイクル数を調べた。その結果を後記の表3に示す。
【0103】
実施例5
活性炭に代えてアーク放電法で得られた直径が4nmの単層カーボンナノチューブを用いたこと以外は実施例4と同様に正極を作製し、その正極を用いた以外は実施例4と同様に円筒形の電気化学キャパシタを作製した。この電気化学キャパシタにおける正極の電気容量は80mAh/gであり、正極合剤層の形成量は5mg/cm2 であって、負極と正極との容量比は負極/正極=2であった。
【0104】
上記のように作製した電気化学キャパシタを、30mAの定電流で充電カット電圧3.5V、放電カット電圧1.0Vとして充放電させたところ、40mAhの放電容量が得られた。上記と同じ充放電条件で10000サイクルまで充放電を繰り返し、10000サイクル目の放電容量を測定した。その結果を後記の表2に示す。
【0105】
また、上記の電気化学キャパシタを用いた以外は、実施例4と同様にハイブリッド電源を作製し、そのハイブリッド電源の放電容量を実施例4と同様に測定し、かつ初期の放電容量に対して60%の容量になるまでのサイクル数を実施例4と同様に調べた。その結果を後記の表3に示す。
【0106】
比較例4
負極における負極合剤層の形成量を0.4mg/cm2 とし、負極と正極の容量比を負極/正極=0.5とした以外は、実施例4と同様に電気化学キャパシタを作製し、その電気化学キャパシタを実施例4と同様に充放電させて放電容量を測定し、かつ10000サイクル目の放電容量を実施例4と同様に測定した。その結果を後記の表2に示す。
【0107】
また、上記の電気化学キャパシタを用いた以外は、実施例4と同様にハイブリッド電源を作製し、そのハイブリッド電源の放電容量を実施例4と同様に測定し、かつ初期の放電容量に対して60%の容量になるまでのサイクル数を実施例4と同様に調べた。その結果を後記の表3に示す。
【0108】
比較例5
負極における負極合剤層の形成量を6.8mg/cm2 とし、負極と正極の容量比を負極/正極=7.5とした以外は、実施例4と同様に電気化学キャパシタを作製し、その電気化学キャパシタを実施例4と同様に充放電させて放電容量を測定し、かつ10000サイクル目の放電容量を実施例4と同様に測定した。その結果を表2に示す。
【0109】
また、上記の電気化学キャパシタを用いた以外は、実施例4と同様にハイブリッド電源を作製し、そのハイブリッド電源の放電容量を実施例4と同様に測定し、かつ初期の放電容量に対して60%の容量になるまでのサイクル数を実施例4と同様に調べた。その結果を表3に示す。
【0110】
【表2】
Figure 0004833504
【0111】
【表3】
Figure 0004833504
【0112】
表3に示すように、実施例4〜5のハイブリッド電源は、比較例4〜5のハイブリッド電源に比べて、放電容量が大きく、高容量で、かつサイクル数が多く、サイクル特性が優れていて、長期間の使用に耐え得ることを示していた。これは、表2に示すように、実施例4〜5のハイブリッド電源に用いた電気化学キャパシタが、比較例4〜5のハイブリッド電源に用いた電気化学キャパシタより、高容量で、かつサイクル特性が優れていることに基づくものである。
【0113】
実施例6
実施例4で用いた負極合剤含有ペーストをアルミニウム箔の片面に塗布した以外は実施例4と同様に負極を作製し、かつ実施例4で用いた正極合剤含有ペーストをアルミニウム箔の片面に塗布した以外は実施例4と同様に正極を作製した。
【0114】
得られた負極および正極をそれぞれ幅20mm、長さ40mmに切り出し、それらの電極の端にアルミニウム製のタブを溶接した。
【0115】
上記負極と正極との間に厚さ25μmのポリエチレン不織布からなるセパレータを介在させて、アルミニウム箔を芯材とするラミネートフィルムからなる外装材に装填した。アルゴンガス雰囲気のドライボックス内で、実施例1で用いた電解液を上記ラミネートフィルムからなる外装材内に真空注入し、ヒートシーラーで溶着してラミネート型電気化学キャパシタを作製した。得られた電気化学キャパシタは幅30mm、長さ45mm、厚さ1mmであった。この電気化学キャパシタを10mAの定電流で充電電圧3.5V、放電電圧1.0Vとして充放電させたところ、2mAhの放電容量が得られた。この電気化学キャパシタの許容充電電圧VE は3.5Vであった。
【0116】
つぎに、この電気化学キャパシタを用いて図1に示す構造のハイブリッド電源を作製した。すなわち、上記電気化学キャパシタ5と、2本の単三形アルカリ電池6をポリカーボネート製のパック1(幅32mm、長さ50mm、厚さ17mm)に装填した。なお、2本の電池は直列接続であり2直列である電池の最大電圧VB (開回路電圧)は3.25Vであった。
【0117】
上記のように作製したハイブリッド電源に外部電気負荷を接続してパルス放電を行った。パルス放電モードは300mAの電流を20秒間流した後、1.5Aのパルス電流を2秒間流した。これを1サイクルとしてハイブリッド電源の電圧が2.0Vとなるまでサイクルを繰り返した。ハイブリッド電源は23℃の恒温槽内に設置し、電圧が2.0Vに達するまでのサイクル数を調べた。その結果を表4に示す。
【0118】
上記のパルス放電試験が終了したハイブリッド電源中の電池は2本ともパックから取り出すことができ、新しい電池との交換が可能であった。
【0119】
比較例6
電気化学キャパシタは装填せず、2直列の単3形アルカリ電池のみを図1のパックに収めたものを電源として実施例6と同様の条件でパルス放電を行い、電圧が2.0Vに達するまでのサイクル数を調べた。その結果を表4に示す。
【0120】
比較例7
実施例4で正極として作製した活性炭電極を両極とし、それらを実施例6と同様のアルミニウムラミネートフィルムからなる外装材内に装填した。プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:2(体積比)で混合した混合溶媒に(C2 5 4 NBF4 を1.5モル/リットルの濃度になるように溶解させた電解液を前記ラミネートフィルムからなる外装材内に真空注入し、封止してラミネート型電気二重層キャパシタ(幅30mm、長さ45mm、厚さ1mm)を作製した。この電気二重層キャパシタを10mAの定電流で充電電圧2.5V、放電電圧1.0Vとして充放電させたところ、0.5mAhの放電容量が得られた。この電気二重層キャパシタの許容充電電圧VE は2.5Vであた。
【0121】
このラミネート型電気二重層キャパシタと、実施例4と同様に2直列の単三形アルカリ電池から構成される最大電圧VB が3.25Vの電池集合体とを並列に接続して図1と同様の構造のハイブリッド電源を作製した。ただし、電池の最大電圧VB が電気二重層キャパシタの許容充電電圧VE より高いため保護回路を付属させて電気二重層キャパシタが過充電にならないように措置を施した。このハイブリッド電源では、保護回路が必要となったため、パックの大きさは幅32mm、長さ50mm、厚さ20mmと、実施例4の場合より厚さが厚くなってしまった。このハイブリッド電源について、実施例4と同様にパルス放電を行い、パルスのサイクル数を調べた。その結果を表4に示す。
【0122】
【表4】
Figure 0004833504
【0123】
表4に示すように、実施例6のハイブリッド電源は、比較例6の電池単体に比べて、サイクル数が多かった。これは、比較例6の電池単体では、上記パルス放電試験で1.5Aの電流を流した際、電池の電圧が急激に低下するが、実施例6のハイブリッド電源では、分極による電圧降下を大幅に抑制することができるので、パルスのサイクル数が増えたものと考えられる。
【0124】
また、実施例6のハイブリッド電源は、電気二重層キャパシタを用いた比較例7のハイブリッド電源に比べても、サイクル数が多かった。このサイクル数が多いということは、その電源の使用時間をより長くできることを意味しており、特に実施例6のハイブリッド電源は、その構成にあたって用いた電気化学キャパシタが比較例7のハイブリッド電源の構成にあたって用いた電気二重層キャパシタより容量が大きく、高容量であることから、サイクル数が多いことと併せて、非常に有用なものであると言える。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高容量で、かつサイクル特性が優れた電気化学キャパシタを提供することができる。また、本発明によれば、小型でかつ過充電になる危険性が少なく、しかも高容量で、かつサイクル特性が優れていて長期間の使用に耐え得るハイブリッド電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハイブリッド電源の外観を示す図である。
【図2】本発明に係るハイブリッド電源の電気化学キャパシタと電池集合体との配置を示す図であって、図1の内面図に相当するものである。
【図3】本発明に係るハイブリッド電源の電気化学キャパシタと電池集合体との接続状態を示す図である。
【符号の説明】
1 パック
2 キャパシタ収納部
3 電池収納部
4 電池収納蓋
5 電気化学キャパシタ
6 電池
7 電池コネクター
8 外部端子
9 正極端子
10 負極端子

Claims (6)

  1. アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とする電気化学キャパシタであって、負極に化学式Li Ti で表されるラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムチタン酸化物を用い、前記負極と正極との電気容量比が負極/正極=1〜7であることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  2. 正極に用いた炭素質材料が、径が2nmより小さいミクロ孔、径が2〜50nmの範囲にあるメソ孔および径が50nmより大きいマクロ孔を有し、前記ミクロ孔の細孔容積が0.5cc/g以上であり、メソ孔の細孔容積が0.3cc/g以上であって、全細孔容積に対するミクロ孔の細孔容積の存在比率が50〜75%であり、全細孔容積に対するメソ孔の細孔容積の存在比率が25〜50%であって、平均粒子径が5〜20μmの活性炭である請求項1載の電気化学キャパシタ。
  3. アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、化学式Li Ti で表されるラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムタン酸化物を用いた負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とし、前記負極と正極との電気容量比が負極/正極=1〜7である電気化学キャパシタと、電池とを並列に接続してなることを特徴とするハイブリッド電源。
  4. アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、化学式Li Ti で表されるラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムタン酸化物を用いた負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とし、前記負極と正極との電気容量比が負極/正極=1〜7である電気化学キャパシタと並列に接続する電池が、太陽電池であることを特徴とする請求項記載のハイブリッド電源。
  5. 正極を用いた炭素質材料が、径が2nmより小さいミクロ孔、径が2〜50nmの範囲にあるメソ孔および径が50nmより大きいマクロ孔を有し、前記ミクロ孔の細孔容積が0.5cc/g以上であり、メソ孔の細孔容積が0.3cc/g以上であって、全細孔容積に対するミクロ孔の細孔容積の存在比率が50〜75%であり、全細孔容積に対するメソ孔の細孔容積の存在比率が25〜50%であって、平均粒子径が5〜20μmの活性炭である請求項3または4に記載のハイブリッド電源。
  6. アニオンの吸脱着が可能な炭素質材料を用いた正極と、化学式Li Ti で表されるラムスデライト型の結晶構造を有するリチウムタン酸化物を用いた負極と、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を構成要素とし、前記負極と正極との電気容量比が負極/正極=1〜7であり、許容充電電圧Vが2.5〜3.5Vである電気化学キャパシタと、最大電圧Vが2.5〜3.5Vの範囲にある装着および脱着が可能な電池とを同一のパックに装填してなり、V≧Vを満足していることを特徴とするハイブリッド電源。
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