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JP4830191B2 - 流量計測装置 - Google Patents

流量計測装置 Download PDF

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JP4830191B2
JP4830191B2 JP2000302179A JP2000302179A JP4830191B2 JP 4830191 B2 JP4830191 B2 JP 4830191B2 JP 2000302179 A JP2000302179 A JP 2000302179A JP 2000302179 A JP2000302179 A JP 2000302179A JP 4830191 B2 JP4830191 B2 JP 4830191B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に超音波によって気体や液体の流量を測定する流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流量計測装置は、図9に示すようなものが一般的であった。この装置は流体の流れる測定経路1に設置した超音波センサ2と、超音波センサ2を駆動する駆動回路3と、駆動回路3にスタート信号を出力する制御部4と、超音波の伝播時間を測定するタイマ5と、タイマ5から測定データを受け取る演算部6と、超音波センサ2から送信した超音波を受ける超音波センサ7と、超音波センサ7の出力を利得制御回路8の出力に応じた増幅率で増幅する可変利得アンプ9と、可変利得アンプ9の出力と基準電圧とを比較し大小関係が反転したときにタイマ5を停止させるタイミング検知回路10と、可変利得アンプ9の出力レベルを検知し利得制御回路8に出力するレベル検知回路11とを有していた。
【0003】
そして、上記超音波流速計は、制御部4からスタート信号を受けた駆動回路3が超音波センサ2を一定時間パルス駆動を行うと同時にタイマ5は制御部4からの信号によってに時間計測始める。パルス駆動された超音波センサ2からは超音波が送信される。超音波センサ2から送信した超音波は被測定流体中を伝搬し超音波センサ6で受信される。超音波センサ7の受信出力は、可変利得アンプ9において制御部4が設定した増幅率によって増幅される。そして可変利得アンプ9の出力を受けたタイミング検知回路10で超音波の受信を判定しタイマ5を停止させる。そして制御部4ではタイマ5から得た時間情報tから(式1)によって流速を求める(タイマ5から得た測定時間をt、超音波センサ間の流れ方向の有効距離をL、音速をc、被測定流体の流速をvとする)。
【0004】
v=(L/t)−c・・・(式1)
タイミング検知回路10はコンパレータによって基準電圧と受信信号を比較するようになっていた。
【0005】
受信信号は、緩やかに立ち上がる波形となっており、超音波センサの温度特性や、流速によって受信信号のレベルは変化する。その前記基準電圧と受信信号のレベルが適正でないとタイミング検知回路10の動作は安定せず測定精度が悪くなる。そこで、可変利得アンプ9の出力を受けているレベル検知回路11は入力信号のピークレベルを監視しており、ピーク値が小さいあるいは大きい場合に利得制御部8へ出力を行う。利得制御部8は可変利得アンプ9の増幅率をレベル検知回路11からの信号に対応し可変利得アンプ9の出力がほぼ一定となるように設定する。そして次の受信信号は可変利得アンプ9で目標の信号レベルへと増幅され、タイミング検知回路10に与えられる。このようにタイミング検知回路10へ与える信号のピークをほぼ一定とすることによって、受信時間の判定を行うタイミングを安定化していた。
【0006】
また、他の測定方法としてタイミング検知回路10の判定結果をタイマ5ではなく、遅延回路で一定時間遅延させた後に駆動回路3に返し、再度送信を行う場合もあった。このような繰り返し動作を決められた回数行い時間を測定し、その測定時間を元に(式2)の計算によって流速を求める方法もあった(遅延回路の遅延時間をTd、繰り返しの回数をn、測定時間をts、超音波センサ間の流れ方向の有効距離をL、音速をc、被測定流体の流速をvとする)。
【0007】
v=L/(ts/n−Td)−c・・・(式2)
この方法によれば(式1)の方法に比べ精度よく測定することができる。
【0008】
また、超音波センサ2と超音波センサ7とを切り替え、被測定流体の上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し、(式3)より速度vを求める方法もある(上流から下流への測定時間をt1、下流から上流への測定時間をt2とする)。
【0009】
v=L/2((1/t1)−(1/t2))・・・(式3)
この方法によれば音速の変化の影響を受けずに流度を測定することが出来るので、流速・流量・距離などの測定に広く利用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の超音波流量計における、遅延回路の遅延時間の精度は測定精度にそのまま影響を与えるので、高精度の遅延時間をもつ遅延回路の実現が課題であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置における遅延手段は、抵抗成分を含むLC分布定数回路からなり、受信タイミングを決定するタイミング検知手段の出力を所定の時間遅れて駆動回路のトリガ信号として出力する前に、抵抗成分の温度が平衡点に達するのに必要である所定時間だけ計測スタート信号の前に動作を行い、前記計時手段は前記計測スタート信号の出力時から前記繰り返し手段の動作停止時までの時間を計時するものである。
【0012】
これによって、遅延手段が計測スタート信号送出の前に動作を行うことにより動作初期の不安定な動作を事前に行い安定な状態になってから、計測するため、遅延時間の安定度合いが良くなり高精度な測定が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の発明は、被測定流体の流れる流路に配置され超音波を送受信する一対の振動子と、一方の前記振動子を駆動する駆動手段と他方の前記振動子からの出力を受け受信タイミングを決定するタイミング検知手段と、抵抗成分を含むLC分布定数回路からなり、前記タイミング検知手段の出力を所定時間遅れて前記駆動手段のトリガ信号として出力する遅延手段と、超音波の送受信そして遅延手段による遅延動作の後に再度超音波の送受信を繰り返すという動作回数を計測し所定の回数で動作を停止する繰り返し手段と、駆動手段に最初の駆動を行わせる計測スタート信号を出力する制御手段と、少なくとも前記駆動手段による前記振動子の駆動から前記繰り返し手段の動作停止までの超音波の伝搬時間を測定する計時手段と、前記計時手段の値から前記一対の振動子間の被測定流体の流速を演算によって求める演算手段とを備え、前記遅延手段前記計測スタート信号の前に、抵抗成分の温度が平衡点に達するのに必要である所定時間だけ計測スタート信号の前に動作を行い、計時手段は前記計測スタート信号の出力時から前記繰り返し手段の動作停止時までの時間を計時する流量計測装置である。
【0014】
そして、遅延手段が計測スタート信号送出の前に動作を行うことにより動作初期の不安定な動作を事前に行い安定な状態になってから、計測するため、遅延時間の安定度合いが良くなり高精度な測定が可能となる。
【0015】
第2の発明は、特に第1の発明において、遅延手段を繰り返し手段に設定している繰り返し回数に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段の動作時間を調整できて繰り返し回数に対する測定精度の変化を小さくなり、安定で正確な流量測定を行うことができるようになる。
【0016】
第3の発明は、特に第1の発明において、遅延手段を計時手段の値に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、計時手段で求められた繰り返し総時間が変化しても、遅延手段の特性を考慮した初期動作を行うことにより、遅延手段は安定した動作を行うため精度のよい測定を実現することが可能になる。
【0017】
第4の発明は、測定流体の流れる流路に配置され超音波を送受信する一対の振動子と、一方の振動子を駆動する駆動手段と、他方の振動子からの出力を受け受信タイミングを決定するタイミング検知手段と、抵抗成分を含むLC分布定数回路からなり、タイミング検知手段の出力を所定時間遅らせて駆動手段のトリガ信号として出力する遅延手段と、超音波の送受信そして遅延手段による遅延動作の後に再度超音波の送受信を繰り返すという動作回数を計測し所定の回数で動作を停止する繰り返し手段と、駆動手段に最初の駆動を行わせる計測スタート信号を出力する制御手段と、超音波の伝搬時間を測定する計時手段と、計時手段の値から一対の振動子間の被測定流体の流速を演算によって求める演算手段と、を備え、遅延手段を計測スタート信号を出力してからタイミング検知手段で受信タイミングを検知した時間に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、繰り返し回数1回当たりの時間に応じて遅延手段を事前に動作する時間を調節することができ、遅延手段自身の放熱などによる遅延時間のバラツキを少なくして安定した測定が実現できる。
【0018】
第5の発明は、特に第1または第2の発明において、超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記切換え手段の動作の有無を考慮し遅延手段を繰り返し手段に設定している繰り返し回数に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段の初期動作特性の差を小さくしできるため精度よく流量を求めることができる。
【0019】
第6の発明は、特に第1または第3の発明において、超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記切換え手段の動作の有無を考慮し遅延手段を計時手段の値に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段の初期動作の差を小さくすることが可能になり、測定精度を向上することができる。
【0020】
第7の発明は、特に第1の発明において、超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記切換え手段の動作の有無を考慮し遅延手段を計測スタート信号を出力してからタイミング検知手段で受信タイミングを検知した時間に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、切換手段が動作する前か後かを考慮して、それと繰り返し回数1回当たりの時間を加味して測定の直前に所定時間遅延手段を動作させるため、伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段の動作の差を小さくすることが可能になり、測定精度を向上することができる。
【0021】
第8の発明は、特に第1の発明において、超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し遅延手段を前記切換え手段の動作時間に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、伝搬時間差を測定する際に測定系の状態をほぼ同じにすることができ、流量測定精度の向上を図ることができる。
【0022】
第9の発明は、特に第1の発明において、超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し遅延手段を前記切換え手段により一対の送受信を切り替えた後、次の計測スタート信号までの時間に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、伝搬時間差を測定する際に最適な測定系を実現し精度の向上を図ることができる。
【0023】
第10の発明は、特に第1の発明において、温度検出手段を有し遅延手段を前記温度検出手段の信号に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段を周囲温度により初期安定化方法を変化することで最適な状態に素早くもっていくことが可能になる。
【0024】
第11の発明は、特に第1の発明において、遅延手段を被測定流体の流量に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、低流量でも安定な時間精度を維持することができ、その結果流量の精度も向上することが可能となる。
【0025】
第12の発明は、特に第1の発明において、計測を行うために供給する電源電圧を検知する電圧検知手段を有し遅延手段を前記電圧検知手段の出力に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、測定前の初期安定化方法を変化する。これにより測定系の状態から最適な遅延手段の初期動作を設定することが可能になる。
【0026】
第13の発明は、特に第1の発明において、予め遅延手段の安定度が飽和する回数または動作時間の少なくとも一つを記憶しておく第1の記憶手段を有し遅延手段を前記第1の記憶手段の値に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段固有の情報により動作するため安定な状態を簡単に設定することが可能になり、流量測定装置のバラツキも小さくすることができる。
【0027】
第14の発明は、特に第1の発明において、周囲温度と繰り返し回数と繰り返し時間とトリガ信号を出力してからタイミング検知手段により受信タイミングを検知した時間と切換え手段の動作時間と流量と供給する電源電圧との少なくとも2つ以上の組み合わせによる最適な遅延時間を記憶しておく第2の記憶手段を有し遅延手段を前記第2の記憶手段の値に応じて計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段固有の情報と周囲の状態を考慮した動作するため安定な状態を簡単に設定することが可能になり、流量測定装置のバラツキも小さくすることができる。
【0028】
第15の発明は、特に第13の発明において、第1の記憶手段を書き換え可能とすることにより、流量計測装置の設置した場所や時期により遅延手段の最適動作点がずれている場合はその内容を修正できる。また経年変化等が発生した場合も同様に書き換えて対応することが可能である。そして長時間安定な状態を維持することが可能となる。
【0029】
第16の発明は、特に第14の発明において、第2の記憶手段を計測中に条件に応じて書き換えを行うことにより、電池電圧の経年低下や各構成要素の経年変化等が発生してきても場合も同様に書き換えて対応することが可能である。そして長時間安定な状態を維持することが可能となる。
【0030】
第17の発明は、特に第13または第15の発明において、第1の記憶手段を計測中に条件に応じて書き換えを行うことにより、測定状態によって遅延手段の初期動作を変更し測定系として最適な状態を確立することが簡単に実現できる。
【0031】
第18の発明は、特に第14または第16の発明において、第2の記憶手段を計測中に条件に応じて書き換えを行うことにより、測定状態によって遅延手段の初期動作を変更し測定系として最適な状態を確立することが簡単に実現できる。また電源電圧との相関を考慮することにより長時間動作を可能にすることが可能である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0033】
(実施例1)
図1実施例1に関する超音波流量計のブロック図である。また図2(a)は遅延手段の動作タイミングをあらわす図である。図1おいて、本発明の超音波流量計は被測定流体の流れる流路1と、前記流路1に配置された超音波を送受信する第1の振動子12、第2の振動子13と、前記第1の振動子12を駆動する駆動手段14と、前記駆動手段14を動作する計測スタート信号を出力する制御手段15と、前記第2の振動子13の受信信号を受け受信タイミングを決定するタイミング検知手段16と、タイミング検知手段16の出力を所定の遅延時間遅れて前記駆動手段14のトリガ信号として出力する遅延手段17と、超音波の送受信そして遅延手段17で遅延時間の後に再度超音波の送受信を繰り返すという動作回数を計測し所定の回数で動作を停止する繰り返し手段18と、少なくとも駆動手段14による第1の振動子12の駆動開始から前記繰り返し手段18の動作停止までの超音波の伝搬時間を測定する計時手段19と、前記計時手段19の値から前記一対の振動子間の流速を演算し、それから流量を求める演算手段20とを有するものである。
【0034】
遅延手段17は制御手段15から第1の振動子12に駆動信号を促す計測スタート信号を送出する前に、予め定めた所定時間動作する。これにより、遅延手段固有の動作初期における不安定な状態を回避し、安定な状態にしてから測定を開始するものである。
【0035】
例えば、従来例にも示したタイミング検知手段16の判定結果を遅延手段17で一定時間遅延させた後に駆動手段14に返し、再度送信を行い、繰り返し動作を決められた回数行い時間を測定し、その測定時間を元に(式2)の計算によって流速を求め、流速から予めわかっている流路の断面積を用いて流量を求める方法について説明する。ここで前記遅延手段17は前記繰り返し手段18に設定している繰り返し回数に応じて測定の直前に所定時間動作させるようにしたものである。
【0036】
この場合、繰り返し回数を数百回とした場合に1回目と最終回目では遅延手段17の動作が異なることがある。通常、遅延手段17としてはLC分布定数回路等が用いられているが、これらの素子には抵抗成分も含まれている。
【0037】
遅延手段17に抵抗分があると電流を流していけば繰り返し1回目では問題無いが、回数を重ねていくにつれ電流による発熱が発生し、その結果遅延時間が変化してくる。しかし、この発熱も平衡点があるためある一定回数以上の繰り返し回数では遅延時間が一定とみて良い。図2(a)に繰り返し回数と遅延手段17の1回当たりの遅延時間の概念図を示す。
【0038】
これより繰り返し回数が少ないと遅延時間の差が大きいため測定の前に長時間遅延手段17を動作させる。また繰り返し回数が多い場合は遅延時間の差が小さく初期の時間差も回数で平均すると誤差範囲に入ってくるような場合もある。このような時は測定する計測スタート信号の前に短時間だけ遅延手段17を動作させれば良い。
【0039】
測定を開始する計測スタート信号の前の遅延手段17の動作は繰り返し回数に応じて比例的に変化させても良いし、また規定回数以上は一定の時間としても良い。実使用においては電源の容量や計測時間の制限から決めていく時間となる。さらに測定精度を向上するためには次のように考える。遅延時間が安定となる回数(図2ではx)に対して測定時の繰り返し回数が十分大きくない場合には最低でもこのx回にかかる時間だけでも遅延手段17を動作させる。これで遅延手段17の動作が十分安定になり、計測初期より精度のよい遅延時間を実現するとが可能になる。
【0040】
このように、遅延手段17の動作初期の不安定な動作を事前に行い、計測時の動作を安定にすることができるので、安定した時間測定ができ、正確な流量測定を行うことができる。そして、特に、遅延手段17の動作時間を調整することにより繰り返し回数に対する測定精度の変化を小さくでき、安定で正確な流量測定を行うことができるようになる。
【0041】
一連の流れは図3に示すタイミング図のようになる。
【0042】
また、振動子間の距離等が変わったり遅延手段17固有の遅延時間が異なると繰り返し回数が同じでも計時手段19で測定される総時間が変わってくる。遅延手段17として前述したよう抵抗成分を持っている場合の熱平衡点は繰り返し回数では無く、繰り返しの総時間に関係してくる場合がある。
【0043】
この場合、測定精度を向上するためには遅延時間が安定となる図2(b)のy点を参考にして測定の前に遅延手段17を動作させる。例えば総時間が長い場合は遅延時間の差も平均すると誤差範囲に入ってくるため測定の前に短時間だけ遅延手段を動作させれば良い。
【0044】
これにより繰り返し総時間が変化しても、遅延手段17の特性を考慮した初期動作を行うことにより、遅延手段17は安定した動作を行うため精度のよい測定を実現することが可能になる。
【0045】
また、同様に振動子間の距離等が変わったり遅延手段17固有の遅延時間が異なるか、または変更すると1回の繰り返し時間に占める遅延手段17の遅延時間はの割合も異なってくる。遅延時間の割合が多い場合は短時間で熱平衡に達するが、反対に遅延時間の割合が小さい場合は放熱などにより熱平衡に達するのが遅くなる。この場合、測定精度を向上させるには計測スタート信号を出力してからタイミング検知手段16により受信タイミングを検知した時間に応じて測定前に遅延手段17を動作させる。例えば一回の繰り返し動作に対して図1の計時手段19が計測した時間から遅延手段17での時間が概略わかっているため繰り返し時間に占める遅延手段17の遅延時間がわかる。図2(c)のz点を参考にして測定の前に遅延手段17を動作させる。
【0046】
これにより繰り返し回数1回当たりの時間に応じて遅延手段17を測定を開始する計測スタート信号の前に動作する時間を調節することにより、遅延手段自身の放熱などによる遅延時間のバラツキを少なくして安定した測定が実現できる。
【0047】
(実施例2)
実施例2に関する本発明の流量計測装置について説明する。図4は本実施例の構成を示すブロック図である。実施例1と異なるところは、駆動手段14と第1の振動子12、および第2の振動子13とタイミング検知手段16の間に切換手段21を設け、超音波の送受信を第1の振動子12と第2の振動子13の間で交互に行うようにしたものである。このように切換え手段21で送受信を交互に行うようにした場合、最初に第1の振動子12で送信し、次に第2の振動子13で送信する場合では遅延手段17の動作が異なってくる場合がある。
【0048】
例えば、従来例にも示した被測定流体の上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し、(式3)より速度vを求め、流速から流量を求める方法の場合などである。この方法によれば音速の変化の影響を受けずに流度を測定することが出来るので広く利用されているが、測定時に遅延手段17による計時誤差が入っては正確な値を求められない。この現象を防止する方法について以下に説明する。
【0049】
実施例1で説明したように繰り返し回数を数百回とした場合に1回目と最終回目では遅延手段17の動作が異なるが、それ以外の要因もある。例えば繰り返し動作を所定回数行った後に切換手段21を動作し振動子の送受信を反転して同じ繰り返し動作を行う場合、遅延手段17は切換動作を行う前にすでに動作しているため十分平衡点に達している可能性がある。図5(a)は最初の繰り返し動作をした場合の遅延時間の変化を示す一例である。また図5(b)は切換手段21を動作し送受信方向を変化した後の遅延時間を示すものである。
【0050】
このような特性があるため、単純に繰り返し手段の動作回数に応じて測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作させるのでは無く切換手段21が動作する前か、後かを考慮してそれと繰り返し手段の設定している繰り返し回数を加味して測定の直前に所定時間遅延手段を動作させる。
【0051】
これにより上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し伝搬時間差から流量を求める際に図5(a),(b)の差を小さくしできるため精度よく流量を求めることができる。
【0052】
また、切換手段21の動作前後で流速等により繰り返し回数が同じでも計時手段19で測定される総時間が変わってくる。この場合、測定精度を向上するためには単純に繰り返し時間に応じて測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作させるのでは無く、切換手段21が動作する前か後かを考慮して、それと繰り返し手段の設定している繰り返し回数にかかる時間を加味して測定する計測スタート信号の前に所定時間遅延手段17を動作させる。
【0053】
これにより上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段25の動作の差を小さくすることが可能になり、測定精度を向上することができる。
【0054】
また、同様に切換手段21の動作前後で流速等により1回の繰り返し時間に占める遅延手段17の遅延時間の割合も異なってくる。この場合、測定精度を向上するためには単純に繰り返し回数1回当たりの時間に応じて測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作させるのでは無く、切換手段21が動作する前か後かを考慮して、それと繰り返し回数1回当たりの時間を加味して測定する計測スタート信号の前に所定時間遅延手段を動作させる。
【0055】
これにより伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段17の動作の差を小さくすることが可能になり、測定精度を向上することができる。
【0056】
また、切換手段21を動作して送受信方向を切換えた後、制御手段15から計測スタート信号を送信して駆動手段14を会して振動子を駆動する場合、切換え動作を行っている間に遅延手段17は放熱等により動作平衡点からずれてしまう可能性がある。具体例としては熱平衡点からずれ図5(a)、(b)に示している遅延時間の差が変わってくることである。一連の動作が早いと平衡点からずれる時間もあまり無いため図5(a)、(b)の差が大きいが、反対に切換え動作が遅いと平衡点からのずれが大きくなり暖まっていた遅延手段17も冷め、差もあまりなくなってしまう。したがって伝搬時間差から流量を求める際には、この切換に要している時間に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間遅延手段17を動作させる。具体的には切換時間が長い場合は極端には遅延手段も冷め切っているため切換前後で遅延時間の差があまり無い。このような場合は測定前に遅延手段を17動作することを行わなくても十分な精度を得られる可能性もある。反対に切換動作が十分早く行われた場合は、切換前後で遅延時間の差が大きい。このため最初に測定する計測スタート信号を送出する場合は十分に遅延手段17を暖めておくため長時間にわたり測定前に遅延手段17を動作しておく必要がある。
【0057】
このように切換時間に応じて遅延手段17を測定する計測スタート信号の前に動作することにより伝搬時間差を測定する際に測定系の状態をほぼ同じにすることができ、精度の向上を図ることができる。
【0058】
また一対の送受信信号による伝搬時間差を測定した後、一定の時間をおいて再度同じ動作を行い測定を継続する流量計測装置においては、一対の送受信信号切換動作を終了し次の計測を行うために計測スタート信号が送出されるまでの時間に応じて測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を所定時間動作させる。これは図6において最初t0では第1の振動子12が送信、第2の振動子13が受信側で動作している。所定の繰り返し回数動作した後は切換手段がtxの時間で動作し、次は第2の振動子13が送信、第1の振動子12が受信側で動作している。この一対の動作で伝搬時間差を求めるが、つぎの時刻t2において同じ送受信を行う。
【0059】
この場合t0からt2までの時間、またはt1からt2の時間(以後サンプリング間隔時間)に応じて測定する計測スタート信号の直に所定時間遅延手段を動作させる。
【0060】
これはサンプリング時間が十分長いと極端には遅延手段も冷め切っている。したがって計測前に遅延手段を長時間動作する必要があるためである。反対にサンプリング時間が短い場合は、遅延手段17もあまり平衡点からずれていないため、サンプリング時間経過後最初に測定を行う場合は短い時間だけ測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作するだけで十分に遅延手段17を平衡点に到達することが可能となる。このようにサンプリング時間に応じて遅延手段17を測定する計測スタート信号の前に動作することにより伝搬時間差を測定する際に最適な測定系を実現し精度の向上を図ることができる。
【0061】
この場合、サンプリング時間経過後、常に第1の振動子が送信側で伝搬時間差を測定する動作を開始しているが、第2の振動子を送信側で計測を開始しても問題は無い。
【0062】
(実施例3)
実施例3に関する本発明の流量計測装置について説明する。図7は本実施例の構成を示すブロック図である。実施例1と異なるところは、温度検出手段と電圧検出手段を設けていることである。
【0063】
遅延手段17は温度による平衡点がある。したがって周囲温度により安定する時間が異なる。このため温度検出手段22を設け、前記温度検出手段22からの信号をに応じて遅延手段17を測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させ安定な状態にしてから測定を開始する。例えば冬等の低温時は安定状態になるまで長時間要するし、反対に夏場や日光が直接照射する場所に設置した場合等は安定な温度になるのが短時間もしくはすでに安定状態になっている場合がある。
【0064】
このように周囲温度により初期安定化方法を変化することで遅延手段17を最適な状態に素早くもっていくことが可能になる。
【0065】
また流量演算手段20は計測した時間差から流量を求めている。流量が多いということは被測定流体が高速で流路を流れているため超音波の送受信を切換えて求める伝搬時間差が大きくなる。伝播時間差が大きいとあまり測定誤差は目立たないが、流量が少ないと伝搬時間差が小さくなり、ここで遅延手段17の動作が安定していないと測定誤差が大きくなる。そこで流量演算手段20で求めた流量をに応じて遅延手段17を測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させ安定な状態にしてから測定を開始する。
【0066】
このような動作を行うことにより低流量でも安定な時間精度を維持することができ、その結果流量の精度も向上することが可能となる。
【0067】
また遅延手段17は温度による平衡点があるが、この測定系を電気で動作する場合は電圧により発熱量が異なってくる。したがって測定系に供給している電源電圧を監視する電圧検出手段23を設け、前記電圧検出手段23からの信号に応じて、遅延手段17を測定の直前に所定時間動作させ安定な状態にしてから測定を開始する。例えば電池を用いた場合は動作初期に電圧が高いが、使用するにしたがって電圧はだんだんと低下してくる。高電圧の場合は電流も多く流れる可能性が高く発熱量も多い。この場合は熱平衡点に到達するのは早い、反対に低電圧の場合は電流もあまり流れず熱平衡点に到達するのは時間がかかる。これらの状態を考慮し電圧に応じて測定する計測スタート信号の前に初期安定化方法を変化する。
【0068】
これにより測定系の状態から最適な遅延手段の初期動作を設定することが可能になる。
【0069】
また電圧をモニタすることにより省電力動作を行うことが可能である。図中では温度検出手段と電圧検出手段を併せてもつ構成になっているが、どちらか1つがあれば十分その動作を満足することが可能である。
【0070】
なお、本実施例に示している図では切換え手段を記載していないが、実施例2に示したように切換え手段を有する構成でも同様の効果を得ることができる。
【0071】
(実施例4)
実施例4に関する本発明の流量計測装置について説明する。図8は本実施例の構成を示すブロック図である。実施例1と異なるところは、第1の記憶手段、第2の記憶手段を設けていることである。
【0072】
遅延手段17は動作初期に安定度がよくないが、動作することによりだんだんと安定になっていく。安定状態になるには動作する回数、または動作時間によりきまることが多い。したがって、遅延手段17が概略安定するまでの動作回数もしくは動作時間の少なくとも1つを予め実験等でつかみ、これを第1の記憶手段24に記憶しておく。また遅延手段17の物間バラツキ等がある場合は検査によりもとめた値を記憶しておく。実際動作する場合は第1の記憶手段24に記憶している動作回数もしくは動作時間だけ測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作し安定な状態にしてから測定を開始する。
【0073】
これにより遅延手段17固有の情報により動作するため安定な状態を簡単に設定することが可能になり、流量測定装置のバラツキも小さくすることができる。
【0074】
遅延手段17の安定度を向上するためには周囲温度や繰り返し回数、流量や電源電圧により最適値が変化する場合がある。低流量の精度を向上するためにはこれらの変化要因を十分盛り込んだ測定系にしておく必要がある。したがって、遅延手段17が概略安定するまでの周囲温度と繰り返し回数と繰り返し時間とトリガ信号を出力してからタイミング検知手段により受信タイミングを検知した時間と切換え手段の動作時間と流量と供給する電源電圧との少なくとも2つ以上の組み合わせによる最適な遅延時間を予め調べて第2の記憶手段25に記憶しておく。
【0075】
また遅延手段17の物間バラツキ等がある場合は検査によりもとめた値を記憶しておく。実際動作する場合は第2の記憶手段25に記憶している遅延時間になる時間だけ測定する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作し安定な状態にしてから測定を開始する。これにより遅延手段17固有の情報と周囲の状態を考慮した動作するため安定な状態を簡単に設定することが可能になり、流量測定装置のバラツキも小さくすることができる。
【0076】
また前記第1の記憶手段24は書き換えを可能とする状態もつようにしておく。例えばマイコンから書き換えたり、外部から信号を入力して書き換えるようにしておく。また半導体記憶手段では半導体そのものを交換することも可能であある。
【0077】
これにより流量計測装置の設置した場所や時期により遅延手段の最適動作点がずれている場合はその内容を修正できる。また経年変化等が発生した場合も同様に書き換えて対応することが可能である。そして長時間安定な状態を維持することが可能となる。
【0078】
また前記第2の記憶手段25は書き換えを可能とする状態もつようにしておく。これにより流量計測装置の設置した場所や時期により遅延手段17の最適動作点がずれている場合はその内容を修正する。電池電圧の経年低下や各構成要素の経年変化等が発生してきても場合も同様に書き換えて対応することが可能である。これにより長時間安定な状態を維持することが可能となる。
【0079】
また、前記第1の記憶手段24は計測動作中に条件に応じて書き換えを行うようにする。例えば低流量状態が長時間継続した場合等は精度をさらに上げるため制御手段15等から実際測定の動作を終了している時間帯(例えば図6(a)、(b)のt1からt2の間等)に遅延手段17の安定度をさらに上げるよう条件を書き換える。反対に流量が多く遅延手段の動作が誤差として十分無視できるような場合は遅延手段17の安定度を一定状態以下に落とすことも可能である。このように測定状態によって遅延手段の初期動作を変更し測定系として最適な状態を確立することが簡単に実現できる。
【0080】
また、前記第2の記憶手段25は計測動作中に条件に応じて書き換えを行うようにする。例えば設置場所により温度が急激に変動するような場合等である。このような場合は精度を維持するために制御手段15等から実際測定の動作を終了している時間帯(例えば図6(a)、(b)のt1からt2の間等)に遅延手段17の安定度を維持するよう条件を書き換える。このように測定状態によって遅延手段の初期動作を変更し測定系として最適な状態を確立することが簡単に実現できる。また電源電圧との相関を考慮することにより長時間動作を可能にすることが可能である。
【0081】
図中では第1の記憶手段24と第2の記憶手段25を併せてもつ構成になっているが、1つがあれば十分その動作を満足することが可能である。
【0082】
上記説明では遅延手段17の熱平衡について説明したが、遅延手段17の安定は別に熱に限ったことではなく、同じように一定時間動作することで初期の不安定状態を回避することで同様の効果をえられる。
【0083】
また上記説明では制御手段15が出力する計測スタート信号の前に遅延手段17を動作する構成としているが、事前の動作により受信信号が入力するまでの間に十分安定するのであれば、この遅延手段17の動作は計測スタート信号の前に限定するものではなく、計測を開始するのに支障のない時間であれば良い。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の流量計測装置によれば次の効果が得られる。
【0085】
(1)測定を開始する計測スタート信号の前に遅延手段を動作することにより、遅延手段の初期動作における不安定な状態を回避でき、遅延時間の安定度合いが良くなり高精度な測定ができるようになる。
【0086】
(2)繰り返し回数に応じて遅延手段の動作時間を調整することにより繰り返し回数に対する測定精度の変化を小さくでき、安定で正確な流量測定を行うことができるようになる。
【0087】
(3)繰り返し総時間が変化しても、遅延手段の特性を考慮した初期動作を行うことにより、遅延手段は安定した動作を行うため精度のよい測定を実現することが可能になる。
【0088】
(4)繰り返し回数1回当たりの時間に応じて遅延手段の事前に動作する時間を調節することにより、遅延手段自身の放熱などによる遅延時間のバラツキを少なくして安定した測定が実現できる。
【0089】
(5)切換え手段の動作前後を考慮し、遅延手段を繰り返し手段に設定している繰り返し回数に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段の初期動作特性の差を小さくしできるため精度よく流量を求めることができる。
【0090】
(6)切換え手段の動作前後を考慮し、遅延手段を計時手段で求めた繰り返し時間に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、上流から下流と下流から上流へのそれぞれの伝搬時間を測定し伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段の初期動作の差を小さくすることが可能になり、測定精度を向上することができる。
【0091】
(7)切換え手段の動作前後を考慮し、遅延手段を計測スタート信号を出力してからタイミング検知手段で受信タイミングを検知した時間に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、切換手段が動作する前か後かを考慮して、それと繰り返し回数1回当たりの時間を加味して測定する計測スタート信号の前に所定時間遅延手段を動作させるため、伝搬時間差から流量を求める際に遅延手段の動作の差を小さくすることが可能になり、測定精度を向上することができる。
【0092】
(8)遅延手段を切換手段の動作時間に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、伝搬時間差を測定する際に測定系の状態をほぼ同じにすることができ、流量測定精度の向上を図ることができる。
【0093】
(9)遅延手段を切換え手段により一対の送受信を切り替えた後、次の計測スタート信号までの時間に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、伝搬時間差を測定する際に最適な測定系を実現し精度の向上を図ることができる。
【0094】
(10)遅延手段を温度検出手段の信号に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段を周囲温度により初期安定化方法を変化することで最適な状態に素早くもっていくことが可能になる。
【0095】
(11)遅延手段を被測定流体の流量に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、低流量でも安定な時間精度を維持することができ、その結果流量の精度も向上することが可能となる。
【0096】
(12)遅延手段を計測を行うために供給する電源電圧を検知する電圧検知手段の出力に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、測定前の初期安定化方法を変化することで測定系の状態から最適な遅延手段の初期動作を設定することが可能になる。
【0097】
(13)予め遅延手段の安定度が飽和する回数または動作時間の少なくとも一つを記憶しておく第1の記憶手段を用い、遅延手段をこの第1の記憶手段の値に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段固有の情報により動作するため安定な状態を簡単に設定することが可能になり、流量測定装置のバラツキも小さくすることができる。
【0098】
(14)周囲温度と繰り返し回数と繰り返し時間とトリガ信号を出力してからタイミング検知手段により受信タイミングを検知した時間と切換え手段の動作時間と流量と供給する電源電圧との少なくとも2つ以上の組み合わせによる最適な遅延時間を記憶しておく第2の記憶手段を用い、遅延手段を前記第2の記憶手段の値に応じて測定する計測スタート信号の前に所定時間動作させることにより、遅延手段固有の情報と周囲の状態を考慮した動作するため安定な状態を簡単に設定することが可能になり、流量測定装置のバラツキも小さくすることができる。
【0099】
(15)第1の記憶手段を書き換え可能とすることにより、流量計測装置の設置した場所や時期により遅延手段の最適動作点がずれている場合はその内容を修正できる。また経年変化等が発生した場合も同様に書き換えて対応することが可能である。そして長時間安定な状態を維持することが可能となる。
【0100】
(16)第2の記憶手段を計測中に条件に応じて書き換えを行うことにより、電池電圧の経年低下や各構成要素の経年変化等が発生してきても場合も同様に書き換えて対応することが可能である。そして長時間安定な状態を維持することが可能となる。
【0101】
(17)第1の記憶手段を計測中に条件に応じて書き換えを行うことにより、測定状態によって遅延手段の初期動作を変更し測定系として最適な状態を確立することが簡単に実現できる。
【0102】
(18)第2の記憶手段を計測中に条件に応じて書き換えを行うことにより、測定状態によって遅延手段の初期動作を変更し測定系として最適な状態を確立することが簡単に実現できる。また電源電圧との相関を考慮することにより長時間動作を可能にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における流量計測装置の全体のブロック図
【図2】 (a)同流量計測装置における繰り返し回数と遅延時間の関係を示す図
(b)同流量計測装置における繰り返し時間と遅延時間の関係を示す図
(c)同流量計測装置における1回の繰り返し時間と遅延時間の関係を示す図
【図3】 (a)同流量計測装置の発振波の動作を示すタイミングチャート
(b)同流量計測装置の受信波の動作を示すタイミングチャート
(c)同流量計測装置の遅延手段の動作を示すタイミングチャート
【図4】 本発明の実施例2における流量計測装置の全体のブロック図
【図5】 同流量計測装置の切換え手段の動作における遅延時間の状態を示す図
【図6】 (a)同流量計測装置の第1の振動子動作を示すタイミングチャート
(b)同流量計測装置の第2の振動子動作を示すタイミングチャート
【図7】 本発明の実施例3における流量計測装置の全体のブロック図
【図8】 本発明の実施例4における超音波流速計の流量計測装置全体のブロック図
【図9】 従来の流量計測装置の全体のブロック図
【符号の説明】
1 流路
12 第1の振動子
13 第2の振動子
14 駆動手段
15 制御手段
16 タイミング検知手段
17 遅延手段
18 繰返し手段
19 計時手段
20 流量演算手段
21 切換え手段
22 温度検出手段
23 電圧検出手段
24 第1の記憶手段
25 第2の記憶手段

Claims (18)

  1. 被測定流体の流れる流路に配置され超音波を送受信する一対の振動子と、
    一方の前記振動子を駆動する駆動手段と
    他方の前記振動子からの出力を受け受信タイミングを決定するタイミング検知手段と、
    抵抗成分を含むLC分布定数回路からなり、前記タイミング検知手段の出力を所定時間遅らせて前記駆動手段のトリガ信号として出力する遅延手段と、
    超音波の送受信そして遅延手段による遅延動作の後に再度超音波の送受信を繰り返すという動作回数を計測し所定の回数で動作を停止する繰り返し手段と、
    前記駆動手段に最初の駆動を行わせる計測スタート信号を出力する制御手段と、
    前記超音波の伝搬時間を測定する計時手段と、
    前記計時手段の値から前記一対の振動子間の被測定流体の流速を演算によって求める演算手段とを備え、
    前記遅延手段は、前記抵抗成分の温度が平衡点に達するのに必要である所定時間だけ前記計測スタート信号の前に動作し、
    前記計時手段は前記計測スタート信号の出力時から前記繰り返し手段の動作停止時までの時間を計時する流量計測装置。
  2. 前記遅延手段は、前記所定時間の長さを前記繰り返し手段に設定している繰り返し回数に応じて変更する請求項1記載の流量計測装置。
  3. 前記遅延手段は、前記計時手段の値に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  4. 測定流体の流れる流路に配置され超音波を送受信する一対の振動子と、一方の前記振動子を駆動する駆動手段と、
    他方の前記振動子からの出力を受け受信タイミングを決定するタイミング検知手段と、
    抵抗成分を含むLC分布定数回路からなり、前記タイミング検知手段の出力を所定時間遅らせて前記駆動手段のトリガ信号として出力する遅延手段と、
    超音波の送受信そして遅延手段による遅延動作の後に再度超音波の送受信を繰り返すという動作回数を計測し所定の回数で動作を停止する繰り返し手段と、
    前記駆動手段に最初の駆動を行わせる計測スタート信号を出力する制御手段と、
    前記超音波の伝搬時間を測定する計時手段と、
    前記計時手段の値から前記一対の振動子間の被測定流体の流速を演算によって求める演算手段と、を備え、
    前記計測スタート信号を出力してからタイミング検知手段で受信タイミングを検知した時間に応じて前記抵抗成分の温度が平衡点に達するのに必要である所定時間を決定し、その動作時間だけ次の計測スタート信号の前に動作し、
    前記計時手段は前記次の計測スタート信号の出力時から前記繰り返し手段の動作停止時までの時間を計時する流量計測装置。
  5. 超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記遅延手段は、前記切換え手段の動作の有無と繰り返し手段に設定している繰り返し回数に応じて前記所定時間の長さの長さを変更する請求項1または請求項2記載の流量計測装置。
  6. 超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記遅延手段は、前記切換え手段の動作の有無と計時手段の値に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1または請求項3記載の流量計測装置。
  7. 超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記遅延手段は、前記切換え手段の動作の有無と計測スタート信号を出力してからタイミング検知手段で受信タイミングを検知した時間に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項記載の流量計測装置。
  8. 超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記遅延手段は前記切換え手段の動作時間に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  9. 超音波を送受信する2つの振動子の送信機能と受信機能を切換え設定する切換え手段を有し、前記遅延手段は前記切換え手段により一対の送受信を切り替えた後、次の計測スタート信号までの時間に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  10. 温度検出手段を有し、前記遅延手段は前記温度検出手段の信号に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  11. 前記遅延手段は被測定流体の流量に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  12. 計測を行うために供給する電源電圧を検知する電圧検知手段を有し、前記遅延手段は前記電圧検知手段の出力に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  13. 予め遅延手段の安定度が飽和する動作回数または動作時間の少なくとも一つを記憶しておく第1の記憶手段を有し、前記遅延手段は前記第1の記憶手段の値に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  14. 周囲温度と繰り返し回数と繰り返し時間とトリガ信号を出力してからタイミング検知手段により受信タイミングを検知した時間と切換え手段の動作時間と流量と供給する電源電圧との少なくとも2つ以上の組み合わせによる最適な遅延時間を記憶しておく第2の記憶手段を有し、前記遅延手段は前記第2の記憶手段の値に応じて前記所定時間の長さを変更する請求項1記載の流量計測装置。
  15. 第1の記憶手段は書き換えを可能とする請求項13記載の流量計測装置。
  16. 第2の記憶手段は書き換えを可能とする請求項14記載の流量計測装置。
  17. 第1の記憶手段は測定中に条件に応じて書き換えを行う請求項13または請求項15記載の流量計測装置。
  18. 第2の記憶手段は測定中に条件に応じて書き換えを行う請求項14または請求項16記載の流量計測装置。
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