JP4828932B2 - 偏光プラスチックレンズの成形型及び成形方法 - Google Patents
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Description
第1モールドと第2モールドとを備え、第1・第2モールドは周縁開口部がテープで巻き回されてキャビティを形成するものであり、
第1モールドの第2モールドとの対向面外周部に、賦形偏光フィルムを浮かし置く第1位置決め凸部(閉じリング状を除く。)が一体的に形成され、該第1位置決め凸部は、断面アンダーカットにならない形状の剛性材製であることを特徴とする。
第1モールドを実質的に水平に保持した状態で、該第1モールド上に賦形偏光フィルムを浮かし置き、さらに、
第2モールドを賦形偏光フィルムに対して所定隙間をおいてセットした状態で、第1・第2モールドの周辺開口部を、テープを巻き回してキャビティを形成して成形型を調製し、
該成形型に重合性液状材料を注入して重合硬化させて成形することを特徴とする。
第2モールドの第1モールドとの対向面外周部に、断面アンダーカットでなく、剛性材で一体的に形成された第2位置決め凸部(閉リング状を除く。)により賦形偏光フィルムの第2モールドのレンズ面賦形部への接触を阻止して行うことが望ましい。
図3・・・22A:半球状、 24A:同左
図4・・・22B:断面台形凸条、 なし
図5・・・22C:断面半円凸条、 24C:四角柱
図6・・・22D:断面矩形凸条、 24D:断面矩形凸条
図7・・・22E:断面半円リング、 24E:同左
図8・・・22F:球状 24F:同左
各位置決め凸部の形状は、図例のものに限られず、各位置決め凸部の作用を奏すれば任意である。例えば、三角柱、多角柱、横断卵形等任意である。しかし、離型性を考慮して、アンダーカットにならず(元部側広がり形状で)、かつ抜け方向に角部を有しない(面取りないし丸み付け)形状とすることが望ましい。
・ポリビニルアルコール(PVAL)一軸配向(延伸)フィルムにヨウ素や水溶性二色性染料を含浸させたもの、
・PVAL分子構造を分子内脱水等により(共役)ポリエン構造にしたポリビニレン構造を有するもの、
・ポリエステル系樹脂(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート))に二色性染料を少なくとも一種含む非水溶性染料を添加したもの、等を使用できる。
水性、耐熱性がPVAL系のものに比して優れているため望ましい。
ここでイソシアナート成分としては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系及びそれらの誘導体さらにはそれらの炭素鎖の一部に硫黄を導入したスルフィド・ポリスルフィド・チオカルボニル(チオケトン)誘導体を母体化合物とするものを挙げることができる。これらのうちで、耐黄変性の見地から、脂肪族系又は脂環式系のものが望ましい。
No.2・・・同上「K−K−PMK10」、Tg:530℃
No.3・・・(株)オハラ製「L−BSL7」、Tg:498℃
No.4・・・同上「S−BSL7」、Tg:576℃
No.5・・・同上「S−LAL18」、Tg:685℃
同じく接着剤種類を示す番号は、下記のものを意味し、加熱焼成又は接着は下記の条件で行った。
No.2・・・同上「セラマボンド671」、同上:93℃×2時間
No.3・・・同上「グラフィボンド551RN」、同上:130℃×4時間
No.4・・・耐熱エポキシ樹脂「アレムコボンド2310」、接着条件:常温×48時間
<実施例1〜7、比較例1>
〈位置決め凸部付きのモールド作成〉
ガラス製下型(第1モールドの本体)(外径 80mm、使用面曲率 66.16mm、中心厚 5.0mm)とガラス製上型(第2モールドの本体)(外径 80mm、使用面曲率 65.59mm、中心厚 5.0mm)とに、表1に記載の形状、材質の位置決め凸部を表示の融着温度で取り付けて、位置決め凸部付きの第1・2モールドを作成した。
2,5−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタンビス(メチルイソシアネート) 100部に、硬化触媒としてジブチルチンジクロライド 0.1部、内部離型剤としてアルキル燐酸エステル(アルコールC8〜C12)塩 0.3部、香気性付与剤としてカプロン酸エチル 0.2部、更に、紫外線吸収剤として3−〔5−(2−ベンゾトリアゾイル)−3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオン酸とポリエチレングリコールとのモノエステル 2.0部 をそれぞれ添加し、液温15℃、窒素ガス雰囲気下で1時間充分に攪拌した。
ポリビニルアルコール 一軸配向フィルムに水溶性二色性染料を含浸させた0.05mm厚の偏光フィルムを真空成形にて、曲率66.00mmに曲率加工を行う。このフィルムを外径 79.0mmに円形のプレス抜き加工をし、さらに、50℃雰囲気で24時間乾燥して賦形偏光フィルムとする。
「30℃×9時間→30℃から60℃まで2時間かけて昇温→60℃から120℃まで2時間かけて昇温→120℃×2時間→120℃から40℃まで4時間かけて冷却する。」
〈位置決め凸部付きのモールド作成〉
ガラス製下型(第1モールドの本体)(外径 80mm、使用面曲率 120.47mm、中心厚 5.0mm)とガラス製上型(第2モールドの本体)(外径 80mm、使用面曲率 120.08mm、中心厚 5.0mm)とに表3記載の材質・形状の位置決め凸部を加熱によってガラス化する無機バインダーと、セラミックスの充填材と溶媒よりなる耐熱セラミック接着剤で取り付け、位置決め凸部付きの第1・第2モールドを作成した。
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート 100部に、硬化触媒としてジイソプロピルペロキシジカーボネート 0.1部、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン 3.8部をそれぞれ添加し、液温15℃、窒素ガス雰囲気下で1時間充分に攪拌した。
偏光フィルムをプレス成形にて、曲率120.30mmに曲げ加工を行ったものを外径 78.5mmに円形プレス抜き加工して賦形偏光フィルムとした。偏光フィルムは、ポリビニルアルコール 一軸配向フィルムに水溶性二色性染料を含浸させた0.05mm厚の偏光フィルムの両面に透明ポリカーボネート保護シートを貼り合わせて0.7mm厚としたものを使用した。
ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド 90部、4,7−ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール 10部、硬化触媒としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン 0.3部、香気性付与剤としてイソプレゴール 0.3部、更に、紫外線吸収剤として3−〔5−(2−ベンゾトリアゾイル)−3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオン酸とポリエチレングリコールとのモノエステル 2.0部をそれぞれ添加し、液温15℃、窒素ガス雰囲気下で1時間充分に攪拌した。
偏光フィルムを真空成形にて、曲率80.44mmに曲げ加工を行ったものを、外径 78.5mmに円形プレス抜き加工して賦形偏光フィルムとした。偏光フィルムは、ポリエステル系樹脂に二色性染料を少なくても1種含む非水溶性染料を添加したものを使用した。
で使用したものと同一のものを使用した。
目視による。
(株)日立製作所製、分光光度計U−3410を使用し、製造された2枚の偏光レンズを重ねて400nmから700nm波長領域で測定した各波長の分光透過率値からJIS−Z8701により光線透過率(%)を算出する。なお、この数値が、大きいものほど可視光の透過率がよい。
3)使用後のガラス製モールドの外観
目視による。
<結果考察>
上記評価試験の結果を示す下記表1〜3から下記のことが分かる。
14 第2モールド
16 テープ(粘着テープ)
18 キャビティ
20 賦形偏光フィルム
22、22A、22B、22C、22D、22E 第1位置決め凸部
24、24A、24C、24D、24E 第2位置決め凸部
Claims (10)
- 偏光プラスチックレンズを成形するに際して、賦形偏光フィルムを浮かし置いて注型成形するために使用する成形型であって、
第1モールドと第2モールドとを備え、前記第1・第2モールドは周縁開口部がテープで巻き回されてキャビティを形成するものであり、
前記第1モールドの前記第2モールドとの対向面外周部に、前記賦形偏光フィルムを浮かし置く第1位置決め凸部(閉じリング状を除く。)が一体的に形成され、該第1位置決め凸部は、断面アンダーカットにならない形状の剛性材製であることを特徴とする偏光プラスチックレンズ成形型。 - さらに、前記第2モールドの前記第1モールドとの対向面外周部に、前記賦形偏光フィルムの第2モールドのレンズ面賦形部への接触を阻止する第2位置決め凸部(閉じリング状を除く。)が一体的に形成され、該第2位置決め凸部は、断面アンダーカットにならない形状の剛性材製であることを特徴とする請求項1記載の偏光プラスチックレンズ成形型。
- 前記第1・第2位置決め凸部が、少なくとも一方が別部材とされ、前記第1・第2モールドの本体に固着して形成されていることを特徴とする請求項2記載の偏光プラスチックレンズ成形型。
- 前記第1・第2モールドの本体がガラス製であり、前記別部材とされた第1・第2位置決め凸部が前記第1・第2モールド本体のガラス素材と同等より低いガラス転移温度を有するガラス製又はセラミックス製であり、前記第1・第2モールドの本体に前記別部材とされた第1・第2位置決め凸部が熱融着されていることを特徴とする請求項3記載の偏光プラスチックレンズ成形型。
- 前記第1位置決め凸部が、別部材とされ、前記第1モールドの本体に固着して形成されていることを特徴とする請求項1記載の偏光プラスチックレンズ成形型。
- 前記第1モールドの本体がガラス製であり、前記別部材とされた第1位置決め凸部が前記第1モールド本体のガラス素材と同等より低いガラス転移温度を有するガラス製又はセラミックス製であり、前記第1モールドの本体に前記別部材とされた第1位置決め凸部が熱融着されていることを特徴とする請求項5記載の偏光プラスチックレンズ成形型。
- 偏光フィルムの両面にレンズ層を有する偏光プラスチックレンズを、一対の第1・第2モールドを使用して成形する方法であって、
前記第1モールドを実質的に水平に保持した状態で、該第1モールド上に賦形偏光フィルムを、浮かし置き、さらに、
前記第2モールドを前記賦形偏光フィルムに対して所定隙間をおいてセットした状態で、前記第1・第2モールドの周辺開口部を、テープで巻き回してキャビティを形成して成形型を調製し、
該成形型のキャビティに重合性液状材料を注入して重合硬化させて成形するに際して、
前記賦形偏光フィルムの前記第1モールド上への載置を、断面アンダーカットでなく、剛性材で一体的に形成された第1位置決め凸部(閉じリング状を除く。)に前記賦形偏光フィルムの外周部を当接させて行うことを特徴とする偏光プラスチックレンズの成形方法。 - さらに、前記第2モールドの前記第1モールドとの対向面外周部に、断面アンダーカットでなく、剛性材で一体的に形成された第2位置決め凸部により前記賦形偏光フィルムの第2モールドのレンズ面賦形部への接触を阻止することを特徴とする請求項7記載の偏光プラスチックレンズの成形方法。
- 前記賦形偏光フィルムの素材として、ポリエステル系樹脂に二色性染料を少なくても1種含む非水溶性染料を添加した偏光フィルムを使用することを特徴とする請求項7又は8記載の偏光プラスチックレンズの成形方法。
- 前記重合性液状材料として、ポリチオウレタン、ポリウレタン及びポリウレアからなる群のいずれか一つを選択することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の偏光プラスチックレンズの成形方法。
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