JP4828278B2 - ポリビニルアセタールの製法 - Google Patents
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(1)および(2)の方法を採用して低粘度化したPVAを得るには、PVAおよび還元剤を併用したレドックス系酸化剤を含有する水溶液の温度を80〜100℃、好適には85〜95℃に調節し、攪拌を10〜90分間、好適には20〜70分間行えばよく、これにより低粘度化したPVAの水溶液が得られる。
酸化剤としては、たとえば過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイドなどの過酸化物、および過硫酸アンモニウム、重クロム酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸塩、次亜塩素酸、過ヨウ素酸などが挙げられ、このうち過酸化物、とくに過酸化水素が好適である。
還元剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、チオ亜硫酸ソーダ、メルカプタン、第一鉄塩、第一銅塩、ヒドラジン、ギ酸、アルデヒド類、ジイミド類、糖類、酒石酸、L−アスコルビン酸などが挙げられ、このうち酒石酸が好適である。
なお、上記したアセタール化度、ビニルエステル単位の含有量、ビニルアルコール単位の含有量の値は、全ビニルモノマー単位に対する割合である。
なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」および「重量部」を意味する。
(ポリビニルアセタールの酢酸ビニル単位の含有量)
JIS K6728:1977に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタールのビニルアルコール単位の含有量)
JIS K6728:1977に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタールのエタノール溶液の粘度)
DIN53015によるヘプラー粘度を20℃の温度条件下で測定
還流冷却器、温度計、イカリ型攪拌翼を備えた2リットルガラス製容器に、イオン交換水1350g、PVA−1(重合度300、けん化度96モル%)110gを仕込み(PVA濃度7.5重量%)、95℃の温度条件下で60分かけて120rpmで攪拌を行い、PVAがイオン交換水に完全に溶解したPVA水溶液を得た。得られたPVA水溶液に、30%過酸化水素水14gと10%酒石酸水溶液14gからなるレドックス系酸化剤を添加して、90℃の温度条件下で30分かけて120rpmで攪拌を行い、低粘度化したPVA水溶液を得た。この水溶液を120rpmの攪拌下、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒド64gと20%の塩酸90mlを添加し、アセタール化反応を150分間行った。その後、60分かけて50℃まで昇温し、その温度を120分間保持した後、室温まで冷却した。この操作により析出した樹脂をイオン交換水で洗浄後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、再洗浄し、乾燥して、ポリビニルブチラール(PVB−1)を得た。得られたPVB−1のブチラール化度は68モル%、酢酸ビニル単位の含有量は4モル%であり、ビニルアルコール単位の含有量は28モル%であった。
PVB−1の10重量%濃度エタノール溶液の粘度を測定した。その結果を表1に示す。
上記により作製したポリビニルブチラール15gをエタノール70gに溶解し、これに青色顔料(Clariant社製のHostaperm BlueB2G)15gを添加し、直径2mmのガラスビーズを100g使用し、20℃の温度条件下、グラインダー(Dispermat CA−40C:VWA−GETZMANN GMBH(ドイツ)製)を用い、30分間強攪拌(5000rpm)してインク用組成物を調製した。
このインク用組成物について、以下の方法にしたがって粘度を測定し、さらに延伸配向ポリプロピレンフイルムとの接着性および延伸配向ポリプロピレンフイルム上の印刷面の光沢を評価した。結果を表1に示す。
DIN53211により、穴径4mmのFord Cupに120gのインク用組成物を充填し、23℃の温度条件下、カップの底部から流れ落ち切る時間(Efflux Time)を測定した。
バーコーターを用いて、インク用組成物を延伸配向ポリプロピレンフィルムの表面に12μmの厚みで塗工し、20℃、65%RHの条件下に1時間放置して乾燥を行い、延伸配向ポリプロピレンフイルム上に印刷を施した。その後、フイルム上の印刷面にセロテープを貼り、指圧後、手で引き剥がした後の印刷面の状態を観察し、下記の基準にしたがって3段階で評価した。
1:フイルムからの印刷面の剥がれが全くない、2:フイルムからの印刷面の剥がれがわずかにある、3:フイルムから印刷面の大部分が剥がれる
リフラクトメータを用いて、延伸配向ポリプロピレンフイルム上の印刷面からの入射角60度における反射率を測定し(n=10の平均値)、印刷面の光沢を評価した。
数値が大きいほど、顔料分散性が良好で、発色性が高いことを示す。
実施例1において、PVA−1がイオン交換水に完全に溶解したPVA水溶液を、これに酸化剤を添加することなくそのまま120rpmの攪拌下、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒドとの反応に用いた以外は実施例1と同様にして、ブチラール化度68モル%、酢酸ビニル単位の含有量4モル%、ビニルアルコール単位の含有量28モル%のポリビニルブチラール(PVB−5)を得た。得られたPVB−5を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA−1の代わりにPVA−5(重合度200、けん化度98%)を使用したことと、PVA−5がイオン交換水に完全に溶解したPVA水溶液を、これに酸化剤を添加することなくそのまま120rpmの攪拌下、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒドとの反応に用いた以外は実施例1と同様にして、ブチラール化度67モル%、酢酸ビニル単位の含有量2モル%、ビニルアルコール単位の含有量31モル%のポリビニルブチラール(PVB−6)を得た。得られたPVB−6を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を得た。結果を表1に示す。
なお、ここで、顔料濃度とは、{(顔料の重量)/(顔料+PVB+エタノールの合計重量)}×100で示される重量%である。
また、本発明により得られるポリビニルアセタールは、インク用組成物のバインダー以外の用途、たとえば、粉体塗料、溶剤系塗料、プライマー、セラミックス用バインダーなどにも使用することができる。
Claims (5)
- ポリビニルアルコールと炭素数2〜6のアルデヒドとを酸触媒の存在下に反応させてポリビニルアセタールを製造する方法であって、炭素数2〜6のアルデヒドとの反応に供するポリビニルアルコールとして、(1)重合度が100〜300であるポリビニルアルコールの水溶液に過酸化物と還元剤とを組合せたレドックス系酸化剤を添加し、または、(2)重合度が100〜300であるポリビニルアルコールおよび過酸化物と還元剤とを組合せたレドックス系酸化剤を水中に添加し、該水溶液の温度を80〜100℃に調節することにより得られる、酸化剤により低粘度化したポリビニルアルコールの水溶液を用いるポリビニルアセタールの製法。
- ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールである請求項1に記載のポリビニルアセタールの製法。
- ポリビニルアセタールが、アセタール化度40〜85モル%、ビニルエステル単位の含有量0.1〜30モル%、ビニルアルコール単位の含有量10〜50モル%のポリビニルアセタールである請求項1または2に記載のポリビニルアセタールの製法。
- ポリビニルアセタールの10重量%濃度エタノール溶液の20℃における粘度が3〜50mPa・sである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアセタールの製法。
- インク用組成物のバインダーとして有用なポリビニルアセタールの製法である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルアセタールの製法。
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