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JP4824360B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電力変換装置に関し、特に零相ノイズ電流を抑制しつつ、滑らかな交流出力波形を得るための技術に関するものである。
リニアシンクロナスモータ(LSM)を駆動源とする磁気浮上式鉄道においては、LSMの推力に応じた交流電流を流すための可変電圧可変周波数の電力変換装置が要請されている。
その場合、三相ケーブルの浮遊容量を介して流れる零相ノイズ電流は、通信障害の原因となるため、このような零相ノイズ電流を抑制する必要がある。このような零相ノイズ電流を抑制するには、零相コモンモードフィルタを設けることで対処することが可能であるが、フィルタを設けることは余分なコストアップを招来するために得策ではない。
そこで、従来技術では、複数の単相インバータ(Vaインバータ、Vbインバータ、Vcインバータ)の交流側を直列に接続し、選択された各単相インバータの組み合わせで各相の出力電圧を階調制御する三相電力変換装置において、交流相電圧がゼロを中心に±30°位相範囲に入ったときにその交流相電圧が他の二相の階調値指令の和に対し符号を逆にした値を常に出力することで、零相電圧をゼロにして中性点から流れる零相ノイズ電流を抑制し電磁波ノイズを低減するものが提案されている(例えば、特許文献1,非特許文献1参照)。
特開2004−120968号公報 平成16電気学会産業応用部門大会,No.3−33(2004):「磁気浮上式鉄道用トランスレス階調制御型インバータにおける零相ノイズキャンセル」
このように、従来の電力変換装置は、零相電圧をゼロにして零相ノイズ電流を抑制する零相キャンセル制御を行っているが、この制御の場合、低出力低周波数領域では出力回路の電圧が小さくなって十分な階調数がとれず、その結果、電流に歪みが生じる。このため、従来技術では、低出力低周波数領域では電流歪み補正のためにPWM制御を零相キャンセル制御と併用している。
しかし、従来は零相キャセル制御とPWM電流制御とが完全に個別に行われているため、特にPWM出力する低周波領域において、依然として零相キャセル制御によって電流に歪みが生じ易く、電流歪みを抑制するのに未だ不十分であるという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、零相キャセル制御とPWM電流制御とを従来よりも一層円滑に協調して行えるようにして、零相キャンセル制御により零相ノイズ電流を抑制して電磁波ノイズを低減するとともに、低周波領域における電流歪みの発生を有効に抑制することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の電力変換装置は、直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータと各相に直列接続された複数の単相インバータとを組み合わせて三相負荷に電力供給する。この場合、上記三相3レベルインバータの各相の電圧と上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧との総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる4つの空間電圧ベクトルを選択し、上記三相交流電圧指令ベクトルを上記4つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴としている。
本発明(請求項2)の電力変換装置は、直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータと各相に直列接続された複数の単相インバータとを組み合わせて三相負荷に電力供給する。この場合、上記三相3レベルインバータの各相の電圧と上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧との総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルを二相交流電圧指令ベクトルに座標変換し、この二相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる3つの空間電圧ベクトルを選択し、上記二相交流電圧指令ベクトルを上記3つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴としている。
本発明(請求項3)の電力変換装置は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続して単相多重変換器を構成し、この単相多重変換器を三相結線して三相負荷に電力供給する。この場合、各相分の単相多重変換器を構成する上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる4つの空間電圧ベクトルを選択し、上記三相交流電圧指令ベクトルを上記4つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴としている。
本発明(請求項4)の電力変換装置は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続して単相多重変換器を構成し、この単相多重変換器を三相結線して三相負荷に電力供給する。この場合、各相分の単相多重変換器における上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルを二相交流電圧指令ベクトルに座標変換し、この二相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる3つの空間電圧ベクトルを選択し、上記二相交流電圧指令ベクトルを上記3つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴としている。
本発明(請求項1)によれば、三相交流電圧指令ベクトルに近い三相電圧合計がゼロとなる4つの三相交流の空間電圧ベクトルを選択する。そして、三相交流電圧指令ベクトルをこれら4つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことにより、零相電圧を零にしつつ、電流波形を正弦波化にする電圧を出力する。これにより、電磁ノイズ電流と電流歪みの双方を抑制することができる。しかも、直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータを用いることにより、単相インバータのユニット数を全体的に減らすことができ構成が簡素化される。
また、本発明(請求項2)によれば、三相交流電圧指令を二相交流電圧指令ベクトルに座標変換する。そして、この二相交流電圧指令ベクトルに近い三相電圧合計がゼロとなる3つの二相交流の空間電圧ベクトルを選択する。そして、二相交流電圧指令ベクトルをこれら3つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことにより、零相電圧を零にしつつ、電流波形を正弦波化にする電圧を出力する。これにより、電磁ノイズ電流と電流歪みの双方を抑制することができる。しかも、直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータを用いることにより、単相インバータのユニット数を全体的に減らすことができ構成が簡素化される。
また、本発明(請求項3)によれば、三相交流電圧指令ベクトルに近い三相電圧合計がゼロとなる4つの三相交流の空間電圧ベクトルを選択する。そして、三相交流電圧指令ベクトルをこれら4つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことにより、零相電圧を零にしつつ、電流波形を正弦波化にする電圧を出力する。これにより、電磁ノイズ電流と電流歪みの双方を抑制することができる。
また、本発明(請求項4)によれば、三相交流電圧指令を二相交流電圧指令ベクトルに座標変換する。そして、この二相交流電圧指令ベクトルに近い三相電圧合計がゼロとなる3つの二相交流の空間電圧ベクトルを選択する。そして、二相交流電圧指令ベクトルをこれら3つの空間電圧ベクトルの距離に応じて時間平均して表すことにより、零相電圧を零にしつつ、電流波形を正弦波化にする電圧を出力する。これにより、電磁ノイズ電流と電流歪みの双方を抑制することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における三相負荷駆動用の電力変換装置を示す構成図である。
この実施の形態1の電力変換装置は、三相3レベルインバータ26を備え、この三相3レベルインバータ26の各相ごとに単相インバータであるVbインバータ2,8,14とVcインバータ3,9,15とがそれぞれ直列接続されている。そして、各相ごとにスター結線されて三相負荷19〜21に電力供給する。さらに、この電力変換装置は、各インバータを構成する半導体スイッチング素子をオン/オフ制御する制御装置50を備えている。
三相3レベルインバータ26および各単相インバータ2,3,8,9,14,15は、系統からトランスを通して引き込まれる交流電力を整流して直流電力に変換した後、その直流電力を平滑コンデンサで平滑し、この平滑コンデンサからの直流電力を交流電力に変換するものであるが、ここでは便宜上、直流電源4,5,6,11,12,17,18とスイッチ群で構成されるインバータ部のみを図示している。なお、22,23はそれぞれ負荷側の中性点と電力変換装置側の中性点である。
また、三相3レベルインバータ26および各単相インバータ2,3,8,9,14,15は、ダイオードを逆並列に接続した複数個のIGBT等の自己消弧型半導体スイッチング素子で構成されるフルブリッジのインバータと直流電源4,5,6,11,12,17,18とから構成されている。自己消弧型半導体スイッチング素子としては、IGBT以外にも、GCT、GTO、トランジスタ、MOSFET等を適用することができ、また、自己消弧機能がないサイリスタ等でも強制転流動作が可能であればよい。
三相3レベルインバータ26は、同じ電圧Vaを発生する2個の直流電源4を用いて3レベルの電圧出力を可能にする。また、単相インバータ(Vbインバータ,Vcインバータ)2,3,8,9,14,15は、それぞれ直流電源5,11,17,6,12,18の各電圧Vb、Vcを電圧源として3レベルの電圧を出力する。このため、例えばVa,Vb,Vc=7:2:1の関係にすると、これらの発生電圧を組み合わせることで11階調の出力電圧(絶対値)が得られる。
三相3レベルインバータ26と各単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15の出力論理とそれらを組み合わせて得られる出力階調(電圧レベル)との関係を図2の論理表に示す。この場合の3レベルインバータ26と各単相インバータの出力波形とこれにより発生する電圧の組み合わせにより11階調の出力電圧(絶対値)が得られるので、図3に示すように非常に滑らかな出力電圧階調波形を生成することができる。
このように、Va,Vb,Vcの各電圧の値を異ならせれば、出力電圧階調制御で出力電圧の多レベル化を図ることができるために有利であるが、部品の種類を減らす点では、Va、Vb、Vcは等しい電圧に設定することも可能である。
さらに、この実施の形態1において、前述の制御装置50は、主制御回路51と高精度波形制御回路52とにより構成されている。
図4は主制御回路51の構成を処理手順に沿って示すブロック図である。ここでは三相交流を二相座標系で取り扱うため、まず、三相負荷19〜21に供給される各インバータ電流の帰還値は、A/D変換後に三相二相変換処理(dq座標系に変換)された後、電圧指令値生成処理ルーチン90に移される。電圧指令値生成処理ルーチン90では、系統のインバータ電流からのフィードバック制御により、入力部80から入力されたdq座標系における目標電流値を確保するため、このdq座標系と同じαβ座標系の二相交流電圧指令ベクトルVα*,Vβ*を出力する。
次に、図4における空間ベクトル零相ノイズアクティブキャンセルルーチン100では、零相電圧を発生させないようにするため、二相交流電圧指令ベクトルの終点近傍の三相電圧合計がゼロとなる3つの空間電圧ベクトルを選択し、これら空間電圧ベクトルの終点と二相交流電圧指令ベクトルの終点の距離に応じた時間を、これら空間電圧ベクトルに割り当てて出力することで、零相電圧をキャンセルした階調電圧指令を出力する。タイムリミッタルーチン110では、一旦スイッチング状態を変えた後、ある一定時間の間、スイッチの状態を変化させないようにタイムリミッタ処理を行う。その後、二相三相変換ルーチン120で二相三相変換を行った後、インバータスイッチング状態決定ルーチン130において、階調制御の三相電圧指令値を高精度波形制御回路52で処理し易くするため、各インバータの状態をビット情報に変換する。
零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルルーチン100の内部の処理フロー図を図5に示す。この概要を次に説明する。
最初の最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトル選択ルーチン101では、図8に示すように、二相交流電圧指令ベクトル106に最も近い三相電圧合計がゼロとなる二相交流の空間電圧ベクトル、すなわち零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトル108を選択する。次にエリア選択ルーチン102では、先に選択した最も近い零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトル108から二相交流電圧指令ベクトル106がどのエリアにあるかを検索する。そして検索したエリアに対応する他の2つの零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルを選択する。時間分担ルーチン103では、先に選択した3つの零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルの分担する時間を演算し、続いて、階調電圧指令ベクトル出力ルーチン104では、零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルから得られた時間分担から階調電圧指令ベクトルを出力する。以上が零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルルーチン100の概要である。次に、個々のルーチン101〜104の処理内容についてさらに詳細に説明する。
図6は零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルの終点(図中黒丸で示す)を表した図である。零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルは、三相電圧の合計が零となるαβ座標系のベクトルである。零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルは131個程ある。
ここで、大きい二相交流電圧指令ベクトル106の場合には、最も近い零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルをそのまま選択して出力しても、精度の良い階調指令値に変換することができる。これに対して、小さい二相交流電圧指令ベクトル106の場合には、選択可能な零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルの数は少なくなり、最も近い零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルをそのまま選択して出力しも、入力電圧指令値と変換された階調指令値との精度が悪くなる。
そこで、図7に示すように、二相交流電圧指令ベクトル106に最も近い3つの2軸の空間電圧ベクトル、すなわち零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトル(各終点位置を105で示す)を選択してそれらの時間平均出力で出力精度を向上させる。つまり、零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルをいわゆる重み付け平均して二相交流電圧指令ベクトル106の近似値を得る。
すなわち、このエリア選択ルーチン102では、図8(a)に示すように、先のルーチンで選んだ最近傍の一つの零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルの終点208を基準に、電圧指令ベクトル106の終点207が上記の終点208を中心とした6つのエリア○1〜○6の内のいずれのエリアに存在するかを調べる。
すなわち、図8(b)に示すフローチャートのように、二相交流電圧指令ベクトル106と最近傍零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトル108との差である位置判定用ベクトル109、すなわちΔV*=(Var−Vak_1r,Vbr−Vbk_1r)を求めて、位置判定用ベクトル109(ΔV*)の角度θを求める。そして、60°ごとにエリア○1〜○6の範囲が定められ、θの大きさによりエリア○1〜○6が選択される。この場合、選択された三角形のエリアに対応する3つの最近傍の零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルの終点は、図8(c)に示すように、三角形の各頂点208,205,206の位置となる。このように、最近傍の三相電圧合計が零となる空間電圧ベクトルとの差で表される位置判定用ベクトル109の向きと最近傍零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトル108とを用いることで、時間分担すべき空間電圧ベクトルを適切に選定することができる。そして、次に時間分担ルーチン103に引き渡される。
時間分担ルーチン103では、二相交流電圧指令ベクトル106の近傍にある三相電圧合計が零となる3つの零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルの分担する時間を求める。すなわち、図9のフローチャートに示すように、最初は、先に選択された3つの零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルを円座標系に変換する。ここで、二相交流電圧指令ベクトル106をV*で表すと、この二相交流電圧指令ベクトルV*で予め決められたキャリア時間Tが3つの零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルVk_1*,Vk_2*,Vk_3*からの距離に応じてT1,T2,T3と時間分担して表される。そして、分担時間T1,T2,T3は計算サンプリング時間以下になると、電圧出力ができなくなる。これを防止する処理として、計算サンプリング時間分の時間切り上げを行う。なお、図9に示すフローチャートでは、一例として計算サンプリング時間は0.1msecとしている。
また、キャリア時間201が経過すると、再度、時間分担ルーチン103の処理を行う。また、二相交流電圧指令ベクトル106が存在するエリアが変わるとき、図8に示したエリア選択ルーチン102とこの時間分担ルーチン103の処理を再び行う。このように、二相交流電圧指令ベクトルVが変化することにより時間分担すべき零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルVk_1*,Vk_2*,Vk_3*のうち何れかが変わるとき、この位置判定用ベクトルの向きと最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルによって、時間分担すべき零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルを選定することにより、二相交流電圧指令ベクトル106に対して、継続して精度の良い電圧を出力することができる。
次に、階調電圧指令ベクトル出力ルーチン104は、図10に示すように、最初に分担時間が大きい順に、零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルVk_1*,Vk_2*,Vk_3*を並べ変える。並べ変えられた3つの零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルVk_1*,Vk_2*,Vk_3*を時間分担ルーチンで決められた時間分担T1,T2,T3毎に出力する。そして、これらの零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルVk_1*,Vk_2*,Vk_3*(すなわち、Vka_in,Vkb_in)を次のタイムリミッタルーチン110に引き渡される。
ところで、実機の電力変換装置に使用される半導体スイッチング素子としては、GCT、GTO、IGBTなど自己消弧型のスイッチング素子が想定され、それらのスイッチング損失を抑えるため、短時間のスイッチング切り替えを控えて可能な限りオン状態あるいはオフ状態を長く継続したい。そこで、次のタイムリミッタルーチン110では、一旦スイッチング状態を変えた後、ある一定時間の間だけスイッチの状態を変化させないように処理する。
このタイムリミッタルーチン110の処理フローを図11に示す。このルーチン110では、まず、最初に、階調電圧指令ベクトル出力ルーチンで掃き出した零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトル(Vka_in,Vkb_in)に変化があるかを判断する。この空間電圧ベクトル(Vka_in,Vkb_in)に変化がなければ、時間T_tempをカウントする。空間電圧ベクトル(Vka_in,Vkb_in)に変化があれば、時間T_tempをリセットする。カウントされた時間T_tempが、定められた最小パルス時間であるリミッタ時間T_limitより小さい場合、出力される空間電圧ベクトル(Vka,Vkb)は更新されない。反対にカウントされた時間T_tempが定められたリミッタ時間T_limitより大きい場合、出力される空間電圧ベクトル(Vka,Vkb)は(Vka_in,Vkb_in)に更新される。このようにタイムリミッタルーチン110によって短時間に多頻度にスイッチングされるのを防ぐことにより、スイッチング損失を抑制することができる。
図12に示すように、タイムリミッタ処理されて出力される空間電圧ベクトル(Vka,Vkb)は、次の二相−三相変換ルーチン120で三相の階調出力指令電圧に変換され、引き続いて、図13に示すインバータスイッチング状態決定ルーチン130に引き渡される。
一相分のインバータスイッチング状態決定ルーチン130の処理フローを図13に示す。このルーチン130では、二相−三相変換ルーチン120から引き渡されるU、V、W相の階調値をビット情報信号に変換する。
すなわち、いま、階調制御の最小電圧単位を1A.U.(Absolute Unit)と表現すると、この実施の形態1では、三相3レベルインバータ26と単相インバータ2,8,14、3,9,15の各電圧の関係は、Va、Vb、Vc=7:2:1に設定されているので、三相3レベルインバータの出力は+7A.U.,0A.U.,−7A.U.であるので、1のビットで、絶対値0A.U.又は7A.U.を表し、もう一つのビットで符号を表せば、三相3レベルインバータ26の出力は2ビットで表現できる。また、単相インバータ2,8,14、3,9,15の出力は、+3A.U.,+2A.U.,+1A.U.,0A.U.,−1A.U.,−2A.U.,−3A.U.であるので、一つビットで、絶対値0A.U.または1A.U.を表し、もう一つのビットで絶対値0A.U.または2A.U.を表し、さらにもう一つのビットで符号を表せば、単相インバータ2,8,14、3,9,15の出力は3ビットで表すことができる。この階調値を表したビット情報信号は高精度波形制御回路52に最適化階調指令信号41として引き渡される。
図14は図1に示す電力変換装置において、三相3レベルインバータ26と単相インバータ8,9の一相分を取り出して示す構成図である。また、図15には、この図14に示す構成の各半導体スイッチング素子S1〜S4,SS1〜SS8に対して高精度波形制御回路52がスイッチング用のゲート信号42を出力する場合において、主制御回路51からの最適化階調指令信号41を、高精度波形制御回路52がゲート信号42に変換するゲートパルス生成論理表を示している。
各相共通のため、最適化階調指令信号41を(A、B、C、D、E)と表し、2ビットの最適化階調指令信号41(A、B)から三相3レベルインバータ26の4個の半導体スイッチング素子S1〜S4に対するゲート信号42の生成について図15(a)に示す。また、3ビットの最適化階調指令信号41(C、D、E)から単相インバータ8,9の8個の半導体スイッチング素子SS1〜SS8へのゲート信号42の生成について図15(b)に示す。
上記構成の制御装置50の制御アルゴリズムに基づいて出力される電圧波形、α−β軸分布の数値演算結果を図16〜図20に示す。ここで、キャリア周期は5msec、リミッタ時間は0.2msecとしている。
これらの図16〜図20において、上段の同図(a)は電圧指令値U*、V*、W*と階調指令値Uk*、Vk*、Wk*であり、中段の同図(b)は2軸で表した電圧指令ベクトル終点と階調指令値であり、下段の同図(c)はU相の電圧指令値、階調指令値、各インバータユニットの階調指令値である。
図16〜図20において、電圧指令U*,V*,W*が小さくなるにつれて、出力レベル数が減っていくのが分かる。そして、電圧波形は電流の正弦波化と矛盾しない出力となり、三相電圧の合計も零になっているのが分かる。図20において階調のレベル数が3と少なくなると、パルス幅によって電圧の波高値が調整される。
図21には、キャリア周期が5msec、リミッタ時間が0msec、電圧出力1A.U.のときの実験で得られた電圧電流波形を示す。三相電圧の波形は、従来と比べて電流の正弦波化と矛盾しない出力となり、三相電圧の合計も零になっているのを確かめた。そして、零相電流も従来とほぼほぼ同程度になっている。
以上のように、この実施の形態1の電力変換装置は、電圧指令値V*の周波数が比較的高い場合には、階調電圧指令値Vk*としてαのみを出力するので、出力電圧波形は階段状の階調制御波形となる。これに対して、電圧指令値V*の周波数が比較的低い場合には、階調電圧指令値Vk*として3つの零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルVk_1*(=α*),Vk_2*(=β*),Vk_3(=γ*)の各分担時間T1,T2,T3が出力されるので、出力電圧波形はPWM制御波形となる。したがって、零相電圧を零にしつつ、電流波形を正弦波化にする電圧を常に出力することができるため、電磁ノイズ電流と電流歪みの双方を抑制することができる。
なお、図1に示した互いに直列接続された単相インバータ(VbインバータとVcインバータ)に替えて、図22に示すように、各相ごとに一つの単相のマルチレベルインバータ61で構成することも可能である。これらのマルチレベルインバータ61は、4個の半導体スイッチング素子からなるフルブリッジのインバータと、2個の直流電源と、これらの直流電源の電圧を組み合わせて出力するための4個の切替スイッチとを備えている。そして、切替スイッチの切替制御により7レベルの電圧を出力することができる。このように、各相をマルチレベルインバータ61で構成することにより、さらにユニット数を減らすことができ、コストダウンを図ることが可能になる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1の電力変換装置は、直流電源を共用する三相3レベルインバータ26と、この三相3レベルインバータ26の各相ごとに単相インバータであるVbインバータ2,8,14とVcインバータ3,9,15とをそれぞれ直列接続して構成されている。このように三相3レベルインバータ26を用いるとユニット数を全体的減らすことができて有利であるが、この実施の形態2では、図23に示す構成の電力変換装置が使用されている。
すなわち、この実施の形態2の電力変換装置は、各相がスター結線された三相インバータ装置25を備えていて三相負荷19〜21に電力供給する。この三相インバータ装置25は、各相ごとに単相インバータであるVaインバータ1,7,13、Vbインバータ2,8,14、Vcインバータ3,9,15をそれぞれ直列接続して単相多重変換器が構成されている。
各単相多重変換器を構成する各単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15は、系統からトランスを通して引き込まれる交流電力を整流して直流電力に変換した後、その直流電力を平滑コンデンサで平滑し、この平滑コンデンサからの直流電力を交流電力に変換するものであるが、ここでは便宜上、直流電源4〜6,10〜12,16〜18とスイッチ群で構成されるインバータ部のみを図示している。なお、22,23はそれぞれ負荷側の中性点と電力変換装置側の中性点とを示す。
各単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15の構成を図24に示す。各単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15は、ダイオードを逆並列に接続した複数個のIGBT等の自己消弧型半導体スイッチング素子30〜33で構成されるフルブリッジのインバータと電圧Eを出力する直流電源4〜6,10〜12,16〜18から構成されている。これらのスイッチング制御により単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15は、3レベルの電圧E、−E、0を出力する。
すなわち、各単相インバータ(Vaインバータ,Vbインバータ,Vcインバータ)1〜3,7〜9,13〜15は、それぞれ直流電源4〜6,10〜12,16〜18の電圧Va,Vb,Vcを電圧源として電圧を出力するが、Va,Vb,Vcをそれぞれ異なる値(Va>Vb>Vc)としたときには、3つの単相インバータ(Vaインバータ、Vbインバータ、Vcインバータ)の各発生電圧の組み合わせにより、滑らかな出力電圧階調波形が得られる。
例えば、Va,Vb,Vcの比率を、4:2:1,4:3:1,5:3:1,6:3:1,7:3:1とした場合のそれぞれについて、各単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15の出力論理とそれらを直列接続した単相多重変換器の出力階調(電圧レベル)との関係を図25の(A)〜(E)の論理表に示す。
ここで、例えば図25(A)表の場合について着目すると、Va、Vb、Vcは、4:2:1の関係で、最小電圧値Vcの2n(n=0,1,2)の関係である。図25(A)表から分かるように、最下位ビット、中間ビット、最上位ビットの3つの単相インバータ1〜3,7〜9,13〜15の組み合わせにより、これらの発生電圧の総和で0〜7の8階調の出力電圧(絶対値)が得られる。この場合の各単相インバータ出力波形とこれにより発生する電圧の組み合わせにより得られる正弦波出力階調との関係を図26に示す。同図から分かるように、3つの単相インバータ(Vaインバータ,Vbインバータ,Vcインバータ)の発生電圧の組み合わせにより、非常に滑らかな出力電圧階調波形が得られている。
なお、この実施の形態2における電力変換装置の制御装置50(主制御回路51、高精度波形制御回路52)の構成、および制御機能は、図1〜図15に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態3.
上記の実施の形態1,2においては、いずれも三相交流を二相交流に変換して処理する場合について説明したが、座標変換を行わずに三相電圧合計がゼロである三相の階調指令値を直接選択してもよい。
すなわち、この実施の形態3では、図27に示すように三相交流電圧指令ベクトル300の終点に最も近い最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルの終点301を選ぶ。そして、図28に示すように、最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルの終点301から三相交流電圧指令ベクトル300の終点がある選択ボリューム302を選択する。そして、三相交流電圧指令ベクトル300を選択ボリューム302の頂点にある三相電圧合計がゼロとなる4つの空間電圧ベクトルで距離に応じて時間平均して表す。このようにしても、実施の形態1,2で説明したような二相交流で処理した場合と同様な効果が得られる。
この発明の実施の形態1における電力変換装置の構成図である。 この発明の実施の形態1における三相3レベルインバータと各単相インバータの出力論理とそれらを組み合わせて得られる出力階調(電圧レベル)との関係を示す論理表である。 この発明の実施の形態1における三相3レベルインバータと各単相インバータとによる出力波形と、全体の相出力電圧階調波形を示す波形図である。 この発明の実施の形態1による電力変換器の主制御回路を処理手順に沿って示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における零相ノイズアクティブキャンセル空間電圧ベクトルルーチンの処理フロー図である。 この発明の実施の形態1におけるαβ座標系における零相ノイズアクティブキャセル空間電圧ベクトルの終点を示す特性図である。 この発明の実施の形態1における二相交流電圧指令ベクトルと零相ノイズアクティブキャセル空間電圧ベクトルの終点との関係を示した説明図である。 この発明の実施の形態1におけるエリア選択ルーチンの説明図である。 この発明の実施の形態1における時間分担ルーチンの処理フロー図である。 この発明の実施の形態1における階調電圧指令ベクトル出力ルーチンの処理フロー図である。 この発明の実施の形態1におけるタイムリミッタルーチンの処理フロー図である。 この発明の実施の形態1における二相三相変換処理を処理手順に沿って示すブロック図である。 この発明の実施の形態1におけるインバータスイッチング状態決定ルーチンの処理フロー図である。 この発明の実施の形態1における3レベルインバータと単相インバータにおける一相分を取り出した場合の構成図である。 この発明の実施の形態1における高精度波形制御回路の真理値表である。 この発明の実施の形態1における階調制御空間ベクトル制御の数値演算結果である。 この発明の実施の形態1における階調制御空間ベクトル制御の数値演算結果である。 この発明の実施の形態1における階調制御空間ベクトル制御の数値演算結果である。 この発明の実施の形態1における階調制御空間ベクトル制御の数値演算結果である。 この発明の実施の形態1における階調制御空間ベクトル制御の数値演算結果である。 この発明の実施の形態1における実験で得られた電圧電流波形である。 この発明の実施の形態1において、互いに直列接続された2つの単相インバータに替えて単相のマルチレベルインバータを適用した場合の構成図である。 この発明の実施の形態2における電力変換装置の構成図である。 この発明の実施の形態2における単相インバータの構成図である。 この発明の実施の形態2における各単相インバータの出力論理と出力階調レベルとの関係を示す論理表である。 この発明の実施の形態2における各単相インバータの出力波形と、単相多重変換器による出力電圧階調波形とを示す波形図である。 この発明の実施の形態3における三相交流電圧指令ベクトルと零相ノイズアクティブキャセル空間電圧ベクトルの終点との関係を示した特性図である。 この発明の実施の形態3における選択されたボリュームを示した特性図である。
符号の説明
1,7,13 Vaインバータ(単相インバータ)、
2,8,14 Vbインバータ(単相インバータ)、
3,9,15 Vcインバータ(単相インバータ)、4,10,16 直流電源Va、
5,11,17 直流電源Vb、6,12,18 直流電源Vc、19 U相負荷、
20 V相負荷、21 W相負荷、26 三相3レベルインバータ、50 制御装置、
51 主制御回路、52 高精度波形制御回路、
101 最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトル選択ルーチン、
102 エリア選択ルーチン、103 時間分担ルーチン、
104 階調電圧指令ベクトル出力ルーチン、
105 零相ノイズアクティブキャンセルの空間電圧ベクトルの終点、
106 二相交流電圧指令ベクトル、107 電圧指令ベクトルの位置判定用ベクトル、108 最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトル、109 位置判定用ベクトル、207 二相交流電圧指令ベクトルの終点、
208 選択された最近傍の零相ノイズアクティブキャンセル空間ベクトル、
205,206 選択されたエリアに対応する零相ノイズアクティブキャンセル空間ベクトルの終点、
201 キャリア周期(T=T1+T2+T3)、
202 Vk_1*に配分される時間、203 Vk_2*に配分される時間、
204 Vk_3*に配分される時間、300 三相交流電圧指令ベクトル、
301 最近傍零相ノイズキャンセル空間電圧ベクトルの終点、
302 選択されたボリューム。

Claims (10)

  1. 直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータと各相に直列接続された複数の単相インバータとを組み合わせて三相負荷に電力供給する電力変換装置において、
    上記三相3レベルインバータの各相の電圧と上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧との総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる4つの空間電圧ベクトルを選択し、上記三相交流電圧指令ベクトルを上記4つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴とする電力変換装置。
  2. 直流電源から三相の電圧を出力する三相3レベルインバータと各相に直列接続された複数の単相インバータとを組み合わせて三相負荷に電力供給する電力変換装置において、
    上記三相3レベルインバータの各相の電圧と上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧との総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルを二相交流電圧指令ベクトルに座標変換し、この二相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる3つの空間電圧ベクトルを選択し、上記二相交流電圧指令ベクトルを上記3つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴とする電力変換装置。
  3. 直流電源からの直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続して単相多重変換器を構成し、この単相多重変換器を三相結線して三相負荷に電力供給する電力変換装置において、
    各相分の単相多重変換器を構成する上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる4つの空間電圧ベクトルを選択し、上記三相交流電圧指令ベクトルを上記4つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴とする電力変換装置。
  4. 直流電源からの直流電力を交流電力に変換する単相インバータの交流側を複数直列接続して単相多重変換器を構成し、この単相多重変換器を三相結線して三相負荷に電力供給する電力変換装置において、
    各相分の単相多重変換器における上記複数の単相インバータの中から選択された所定の組み合わせによる各発生電圧の総和により各相の出力電圧を制御する制御装置を有し、この制御装置は、三相交流電圧指令ベクトルを二相交流電圧指令ベクトルに座標変換し、この二相交流電圧指令ベクトルに対して、その近傍の三相電圧合計がゼロとなる3つの空間電圧ベクトルを選択し、上記二相交流電圧指令ベクトルを上記3つの空間電圧ベクトルからの距離に応じて時間平均して表すことで、零相電圧を零にしつつ電流波形を正弦波化する電圧を出力するものであることを特徴とする電力変換装置。
  5. 上記単相インバータに代えて、単相のマルチレベルインバータを使用していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  6. 上記制御装置は、出力される3つの三相電圧合計が零となる空間電圧ベクトルが、定められた最小パルス時間内で再び変化しないように時間制限するタイムリミタ制御を行うものである、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 上記制御装置は、上記空間電圧指令ベクトルと最近傍の三相電圧合計が零となる空間電圧ベクトルとの差で表される位置判定用ベクトルの向きと、最近傍空間電圧ベクトルとを用いて時間分担すべき空間電圧ベクトルを選定するものである、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 上記制御装置は、上記空間電圧指令ベクトルが変化することにより時間分担すべき空間電圧ベクトルのうち何れかが変わるとき、改めて上記位置判定用ベクトルの向きと最近傍空間電圧ベクトルによって、時間分担すべき空間電圧ベクトルを選定するものである、ことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  9. 上記三相3レベルインバータにおける直流電源の直流電圧、および上記単相インバータにおける直流電源の直流電圧がそれぞれ異なる値に設定されていることを特徴とする請求項1,2,のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 上記単相多重変換器を構成する各単相インバータにおける直流電源の直流電圧がそれぞれ異なる値に設定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電力変換装置。
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