JP4818666B2 - 光コネクタレセプタクル、光コネクタレセプタクル付き基板 - Google Patents
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Description
そして、基板側光ファイバに外部光ファイバを接続するためのインターフェイスとなる中継用の光コネクタとして、SC形光コネクタ(JIS C 5973。SC:Single fiberCoupling optical fiber connector)、MPO形光コネクタ(JIS C 5982。MPO:Multifiber Push-On)などの光コネクタプラグを挿入、接続できる受け側光コネクタ(例えば、光コネクタアダプタ、光コネクタレセプタクル)を回路基板の端部(パネルエッジ)に実装し、この受け側光コネクタに、外部光ファイバの先端に取り付けられた光コネクタプラグを挿入、接続するだけで、基板側光ファイバと外部光ファイバとの接続を簡単に実現できるように構成することが求められてきている。
プラグ−レセプタクル方式の光コネクタは、光コネクタプラグが挿入、接続されるフェルールを内蔵した受け側光コネクタ(光コネクタレセプタクル)のハウジングに光コネクタプラグを押し込んで接続するタイプのものである(例えば、特許文献1)。
光コネクタアダプタの場合は、基板側光ファイバ先端に取り付けた光コネクタプラグを光コネクタアダプタに対して挿脱するための作業スペースを回路基板上に確保して、回路基板に実装する電子部品等との干渉を避ける必要があり、基板に対する設置位置に制約がある。これに対し、光コネクタレセプタクルは、光コネクタアダプタの場合に必要となる作業スペースの確保に起因する設置位置の制約が無い点で実装に有利であり、基板実装用光コネクタとして、ニーズが高まっている。
光コネクタレセプタクルとしては、フェルールと、光コネクタレセプタクルに挿入される光コネクタプラグと前記フェルールとの突き合わせ力発生用のスプリングとを、ハウジングに収納した構造のものが一般的である。しかし、フェルール及びスプリングをハウジングに収納した構造の光コネクタレセプタクルについて、これまで、小型化を実現する適切技術が無く、その開発が求められていた。
請求項1に係る発明は、基板に実装された光素子に光接続された光ファイバである基板側光ファイバと、基板外側の光ファイバである外部光ファイバとを中継する、基板実装用のレセプタクル形式の光コネクタであって、前記外部光ファイバの先端に設けられた光コネクタプラグが挿入によって嵌合されるハウジングと、基板側光ファイバの先端に設けられて前記ハウジング内に収納され、前記ハウジングに挿入される前記光コネクタプラグと突き合わせられるフェルールと、前記フェルールの前端側の接合端面とは逆の後端側に配置されるようにして前記ハウジングに収納され、前記フェルールを付勢して、前記ハウジングに挿入された前記光コネクタプラグと該光コネクタプラグが突き合わされた前記フェルールとの間の突き合わせ力を発生するコイルスプリングとを具備し、前記コイルスプリングが、外観円錐形に形成されているテーパスプリングであり、前記ハウジングの、前記光コネクタプラグが挿入されるコネクタ穴内に、前記フェルールと前記テーパスプリングとが収納され、前記ハウジングには、前記コネクタ穴の光コネクタプラグが挿入される軸方向一端側の開口部であるプラグ挿入口と、前記コネクタ穴の軸方向他端側の開口部であり、前記コネクタ穴に対するフェルール及びテーパスプリングの収納及び取り出しを行うための後端開口部とが形成され、前記後端開口部には、前記テーパスプリングの抜け止め用のスプリング受け部材が挿脱可能に嵌め込まれ、前記スプリング受け部材は、該スプリング受け部材を前記ハウジングの前記後端開口部に嵌め込んだときに前記ハウジングに係脱可能に係合する弾性片であるラッチを具備し、前記ラッチは、スプリング受け部材を前記ハウジングの前記後端開口部に嵌め込んだときに、前記ハウジングの外側に突出する係合解除用レバー部を有していることを特徴とする光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項2に係る発明は、前記テーパスプリングの軸方向に隣り合う部分の内、前記テーパスプリングの基端部側に位置する側の内周側の湾曲半径が、前記テーパスプリングの先端部側に位置する側の外周側の湾曲半径よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項3に係る発明は、前記スプリング受け部材には、前記テーパスプリングの内側に入り込むリング状凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項4に係る発明は、前記基板側光ファイバに通された前記テーパスプリングと前記フェルールとの間に介装された受け座部材を具備し、前記テーパスプリングの前記先端部を受けるために、前記受け座部材のスプリング受け面が円形の凹部になっていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項5に係る発明は、前記フェルールはガイドピンを具備してなり、前記ガイドピンにはその周方向に伸びる突条が形成され、前記受け座部材は、前記突条を含む前記ガイドピンの挿入を許容する開口を有することを特徴とする請求項3または4記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項6に係る発明は、前記基板側光ファイバに通された前記テーパスプリングと前記フェルールとの間に介装された受け座部材を具備し、前記受け座部材は、該受け座部材を貫通する光ファイバ挿通孔に挿通された前記基板側光ファイバに外挿して、前記テーパスプリングと前記フェルールとの間に介在配置され、前記受け座部材には、前記フェルールの後端面に当接される、前面側のフェルール当接面と、前記テーパスプリングの端部が当接される、後面側のスプリング受け面とが、前記光ファイバ挿通孔の該受け座部材における前後の開口部を囲繞するように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項7に係る発明は、前記フェルールがMT形光コネクタであり、前記受け座部材の前面側に、前記フェルールのガイドピン穴に嵌合されたガイドピンの前記フェルールの後端面に突出した部分を収容するピン逃げ凹所が形成されていることを特徴とする請求項6記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項8に係る発明は、前記受け座部材の前記光ファイバ挿通孔が、前記フェルールの後端から延出する基板側光ファイバを収納して前記フェルール後端から突出するブーツを収納するブーツ収納穴であることを特徴とする請求項7記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項9に係る発明は、前記ハウジングの両側壁から、該ハウジングを基板にねじ止めするためのねじ止め用突片が突設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光コネクタレセプタクル。
請求項10に係る発明は、前記ねじ止め用突片が、前記後側ハウジングの両側に突設されていることを特徴とする請求項9記載の光コネクタレセプタクルを提供する。
請求項11に係る発明は、回路基板の外周部に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光コネクタレセプタクルが取り付けられていることを特徴とするレセプタクル付き基板。
図1は、本発明に係る一実施形態の光コネクタレセプタクル1を示す図であって、(a)は全体斜視図、(b)分解斜視図、図2は図1の光コネクタレセプタクル1を回路基板11に取り付けた状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、図3は図1の光コネクタレセプタクル1の外観構造(但し、光コネクタプラグ12を接続した状態)を示す図であって、(a)は正面図、(b)は下面図、図4は図1の光コネクタレセプタクル1の内部構造(光コネクタプラグ12を接続した状態)を示す図であって、(a)は平断面図、(b)は正断面図、図5は図1の光コネクタレセプタクル1を示す分解平断面図である。
この光コネクタレセプタクル1は、回路基板11に実装された光素子15(図2(a)参照)に光接続された光ファイバ13(以下、基板側光ファイバとも言う)と、回路基板11外側の光ファイバである外部光ファイバ14とを中継する、基板実装用のレセプタクル形式の光コネクタである。この光コネクタレセプタクル1は、前記外部光ファイバ14の先端に組み立てられた光コネクタプラグ12が挿入して嵌合されるコネクタ穴21が形成されたハウジング2内に、前記基板側光ファイバ13の先端に設けられたフェルール3と、前記ハウジング2に挿入された光コネクタプラグ12とフェルール3との間の突き合わせ力発生用のコイルスプリング4と、前記フェルール3と前記コイルスプリング4との間に介在配置された受け座部材5、とを収納した概略構造になっている。
なお、本発明では、コイルスプリング4として、テーパスプリングを採用しているため、以下、コイルスプリング4を、テーパスプリングとも言う。
前記回路基板11は、本発明に係る基板として機能するものである。
前記光コネクタプラグ12(MPO形光コネクタ)は、スリーブ状のハウジング121(プラグフレーム)に、外部光ファイバ14の先端に取り付けられたフェルール122と、フェルール122を突き合わせ接続対象の光コネクタに突き合わせたときにフェルール122を付勢して突き合わせ力を発生するスプリング123(ここではコイルスプリング)とを収納している。
フェルール122は、突き合わせ接続用の接合端面122a付近がハウジング121先端から突出されている。このフェルール122は、ハウジング121(プラグフレーム)の軸方向に移動可能であり、ハウジング121先端とは反対の側である後端側に向かって押し込むことができる。スプリング123は、フェルール122よりも、ハウジング121の後端側に配置され、フェルール122に、ハウジング121後端側から付勢力を作用させることができる。
ハウジング121にフェルール122を押し込むと、スプリング123が押し縮められる。フェルール122をハウジング121に押し込んだ状態から押し込み力を解除すると、スプリング123の付勢力によって、フェルール122がハウジング121先端から押し出されるように移動されて、接合端面122a付近がハウジング121先端から突出した状態に復帰する。
なお、符号124はカップリング、125はブーツであり、いずれも、MPO形光コネクタに使用される周知のものを採用できる。
基板側光ファイバ13先端のフェルール3(ここではMT形光コネクタ)は、対応心数が、基板側光ファイバ13の心数に対応するもの、外部光ファイバ14先端の光コネクタプラグ12は、対応心数が、外部光ファイバ14の心数に対応するものを採用する。また、基板側光ファイバ13の光ファイバテープ心線及び外部光ファイバ14の光ファイバテープ心線としては、心数が同じものを採用する。
基板側光ファイバ13及び外部光ファイバ14としては、補強チューブを被せてコード化したものであっても良い。
フェルール3後端から延びる基板側光ファイバ13は、ハウジング2の外側に引き出された部分の先端が、光素子15(図2(a)参照)に光接続されている。なお、基板側光ファイバ13の光素子15側の先端は、図示略の取付部材によって、光素子15との光結合位置に支持される。
コネクタ穴21の軸方向一端部は、ハウジング2に光コネクタプラグ12を挿入するための開口部であるプラグ挿入口22となっている。
ハウジング2の、前記プラグ挿入口22が開口されている前端側とは反対側の後端側には、テーパスプリング4の抜け留め用のスプリング受け壁23(スプリング受け部材)が、コネクタ穴21の軸方向他端部を塞ぐようにして形成されている。コネクタ穴21は、前記プラグ挿入口22からスプリング受け壁23まで形成されている。スプリング受け壁23は、コネクタ穴21内に収納した、フェルール3及びテーパスプリング4及び受け座部材5が、ハウジング2の後端から抜け出ることを規制する機能を果たす。
なお、フェルール3及び受け座部材5は、コネクタ穴21の軸方向に沿って移動可能であり、コネクタ穴21に押し込まれた光コネクタプラグ12によって押圧されると、コネクタ穴21内面にガイドされながら、スプリング受け壁23に向かって移動する。また、フェルール3のスプリング受け壁23側への押し込みに伴い、テーパスプリング4が圧縮されていく。
但し、光ファイバ挿通孔23aの断面寸法は、基板側光ファイバ13に通して(外挿)コネクタ穴21に収納されているテーパスプリング4の径よりもかなり小さく、テーパスプリング4は、光コネクタプラグ12からの押圧力によって押圧されたときに、光ファイバ挿通孔23aの周囲のスプリング受け壁23に当接され、光ファイバ挿通孔23aに入り込まない。
前記フェルール3は、基板側光ファイバ13のハウジング2内に引き込まれた先端に取り付けられている。
ここでは、フェルール3として、例えば、MT形光コネクタ(JIS C 5981に制定されるF12形光コネクタ。MT:Mechanically Transferable)などのピン位置決め方式のものを採用している。
図6(a)、(b)において、フェルール3に貫設されている一対のガイドピン穴33には、それぞれ、ガイドピン34が嵌合されている。各ガイドピン穴33は、長手方向(軸方向)一端がフェルール3の前端側の接合端面31に開口し、長手方向(軸方向)他端がフェルール3の後端側(前端側とは反対の側)の後端面32に開口されている。各ガイドピン穴33に嵌合されたガイドピン34は、長手方向両端が、それぞれ、フェルール3から外側(前後)に突出されている。
フェルール3の接合端面31の中央部には、基端側光ファイバ13の被覆を除去して露出させた裸光ファイバ13aの先端面が露出されている。
一対のガイドピン穴33は、接合端面31の中央部の光ファイバ露出領域31a(裸光ファイバ13aの先端面が露出されている領域)を介して両側に形成されている。
ガイドピン34の、フェルール3の後端面32から突出された部分に外挿固定されている抜け留めリング35は、フェルール3後端部に当接することで、ガイドピン34が、接合端面31からの突出寸法を増大するように移動することを規制して、抜け留めするストッパとして機能する。例えば、光コネクタレセプタクル1に挿入して接続されていた光コネクタプラグ12を光コネクタレセプタクル1から抜き去る際に、光コネクタプラグ12のフェルール122のガイドピン穴に嵌合されていたガイドピン34がフェルール122に追従移動して、フェルール3から引き抜かれてしまう、といった不都合が防止される。
コネクタ穴21は、軸方向中央部の前記フェルール穴21aと、このフェルール穴21aからプラグ挿入口22側のプラグ収納穴21bと、フェルール穴21aからスプリング受け壁23側の光部品収納穴21cとからなる。
プラグ収納穴21bは、プラグ挿入口22からコネクタ穴21に挿入される光コネクタプラグ12を収納するものである。光コネクタプラグ12のフェルール122以外の部分は、プラグ収納穴21bよりも狭い(断面寸法が小さい)フェルール穴21aには入り込まない。
テーパスプリング4、受け座部材5は、光部品収納穴21cに収納される。
光コネクタプラグ12をコネクタ穴21(詳細にはプラグ収納穴21b)に挿入すると、光コネクタプラグ12の先端に突出されているフェルール122(具体的には、接合端面122aから、該フェルール122の後端部にフランジ状に突設されている鍔部122bまでの部分である、フェルール本体部122c)が、フェルール穴21aにプラグ収納穴21b側から挿入される。フェルール穴21aは、フェルール穴21a内に挿入されたフェルール3、122のフェルール本体部3a、122cを、該フェルール穴21aの内面によって、互いに向かい合うように位置決めする。したがって、プラグ収納穴21bに光コネクタプラグ12を押し込んでいくと、光コネクタプラグ12先端に突出されているフェルール122(詳細にはフェルール本体部122c)が、フェルール穴21aに挿入されて、フェルール穴21a内にて、フェルール3先端に突き合わせることができる。フェルール3、122(詳細には、フェルール本体部3a、122c同士)の接合端面31、122a同士が突き合わせ接合され、基板側光ファイバ13と外部光ファイバ14との光接続が実現される。
フェルール3、122のフェルール本体部3a、122cは、フェルール穴21aの内面によって、互いに対面するように位置決めされる。これにより、MT形光コネクタである一対のフェルール3、122の一方から突設されているガイドピンの、他方のフェルールのガイドピン穴への挿入も円滑になされる。
次に、テーパスプリング4について説明する。
図7(a)、(b)は、テーパスプリング4を拡大して示した図である。
図7(a)、(b)に示すように、テーパスプリング4は、螺旋状に巻かれた形状の線材(バネ材)の巻き径が、該テーパスプリング4の軸方向一端部(基端部41)から軸方向他端部(先端部42)側に行くにしたがって、次第に小さくなるようにして、全体として外観円錐形に形成されたコイルスプリングである。
このテーパスプリング4は、基端部41がスプリング受け壁23側、先端部42がプラグ挿入口22側(フェルール3側)となる向きで、コネクタ穴21に収納してある。
フェルール同士の突き合わせ接続では、フェルール同士(詳細には各フェルールの接合端面同士)を互いに押し付け合う力である突き合わせ力を与えることによって、低接続損失等の、所望の光特性が安定に得られるようになる。
この円筒形スプリング6は、ばね用線材を、単純に一定径で巻いた状態に形成されている円筒状のコイルスプリングである。
テーパスプリング4と円筒形スプリング6とでは、最小軸方向寸法が異なる。テーパスプリング4の方が、円筒形スプリング6に比べて、最小軸方向寸法を小さくできる。
一方、図8(a)は、テーパスプリング4を圧縮限界まで押し縮めた状態を示す。
このため、テーパスプリング4を、突き合わせ力発生用のコイルスプリングとして、光コネクタレセプタクル1のハウジング2に収納した構成であれば、円筒形コイルスプリングを採用した場合に比べて、ハウジング及び光コネクタレセプタクル全体の小型化を容易に実現できるのである。
また、光コネクタレセプタクルの小型化により、光コネクタレセプタクルを基板上に実装するために基板上に確保する実装スペースの縮小を実現できることも言うまでも無い。
また、上述の軸方向寸法の縮小によって、円筒形スプリングに比べて、圧縮時の座屈も生じにくくなるため、光コネクタレセプタクルに対する光コネクタプラグの挿脱の繰り返しに対する耐久性が向上し、長寿命化できるといった利点もある。
テーパスプリング4の軸方向に隣り合う部分の内、先端部42側に位置する部分が、基端部41側に位置する部分の内側に入り込んでいく現象が、少なくともテーパスプリング4の軸方向の一部で生じることで、上述の傾斜や偏心、座屈が生じにくくなる利点が得られる。
また、テーパスプリング4としては、図7(a)、図8(a)のように、圧縮限界まで押し縮めたとき最小軸方向寸法L1が、該テーパスプリング4を形成している線材(ばね材)の断面径と同じになるものに限定されない。例えば、テーパスプリングとしては、軸方向の一部に、線材が均等の巻き径で巻かれた部分が存在するものであっても良い。この場合は、圧縮変形されたときに、螺旋状の前記線材(バネ材)における、テーパスプリング4の軸方向に隣り合う部分の内、先端部42側に位置する部分が、基端部41側に位置する部分の内側に入り込んでいく現象が生じるのは、軸方向の一部である。
テーパスプリング4としては、板状になるまで、押し縮め可能なものに限定されない。
この場合、前記内周側湾曲半径と前記外周側湾曲半径との差を出来るだけ小さくすることで、最小軸方向寸法を縮小でき、テーパスプリング4の小型化(軸方向寸法の縮小)の効果が有効に得られる。
図6(b)、図9(a)、(b)に示すように、受け座部材5は、プレート状に形成されている。
この受け座部材5は、プラスチック製の一体成形品である。
図示例の受け座部材5は、C形プレート状である。
この受け座部材5の中央部には、該受け座部材5の厚みを貫通する光ファイバ挿通孔51が形成されている。但し、光ファイバ挿通孔51は、ここでは、フェルール3後端に突出しているブーツ37を収納するブーツ収納穴として機能するものである。
以下、光ファイバ挿通孔51をブーツ収納穴と言うことがある。
なお、フェルール3に取り付けられている前記ブーツ37は、基板側光ファイバ13の、フェルール3後端から延出する根元部分を収納するものであり、ブーツ収納穴51にブーツ37を収納しても、光ファイバ挿通孔51に基板側光ファイバ13を収納していることには変わりない。
また、基板側光ファイバ13を光ファイバ挿通孔51に収納した受け座部材5の、基板側光ファイバ13に対する外挿位置を、基板側光ファイバ13の長手方向に沿って移動することで、ブーツ収納穴51にブーツ37を収納できる。
受け座部材5の、テーパスプリング4に対面される後面側には、テーパスプリング4の先端部42が当接されるスプリング受け面54が形成されている。このスプリング受け面54は、受け座部材5の後面の中央部に開口する光ファイバ挿通孔51の開口部を囲繞するように設けられている。また、このスプリング受け面54は、受け座部材5の後面側に、該受け座部材5の外周に沿って突設された突条状のリブ55の内側に形成されている。
テーパスプリング4の先端部42は、リブ55の内側の凹所内に収納される。テーパスプリング4の先端部42は、光ファイバ挿通孔51に挿通されている基板側光ファイバ13の受け座部材5後面側に突出した部分(突出部分の根元)を取り囲むようにして、光ファイバ挿通孔51の開口部の周囲の前記スプリング受け面54に当接される。
次に、図示例の光コネクタレセプタクル1のハウジング2の具体的構成について説明する。
なお、光コネクタレセプタクルのハウジングとしては、ここで説明する構成に限定されず、様々な構成が採用可能であることは言うまでも無い。
スプリング受け壁23は、後側ハウジング25に設けられている。
なお、この光コネクタレセプタクル1は、スプリング受け壁23側が、プラグ挿入口22が開口されている側よりも、回路基板11の中央部寄りとなる向きで、回路基板11の外周部に取り付けられる。
図5に示すように、ハウジング2は、前側ハウジング24の角筒状の嵌合ハウジング部242を、後側ハウジング25のハウジング嵌合穴25aに挿入し、嵌合ハウジング部242の両側に突設されているラッチ26を、後側ハウジング25の係合凹所25cに係脱可能に係合させることで、嵌合ハウジング部242を後側ハウジング25に嵌合して組み立てられる。
なお、ここでは、前側ハウジング24と後側ハウジング25は、それぞれ、プラスチック製である。但し、形成材質は、プラスチック以外であっても良い。
プラグ保持ハウジング部241及び嵌合ハウジング部242は、それぞれ、独立したスリーブ状の部品であり、前側ハウジング24は、プラグ保持ハウジング部241と嵌合ハウジング部242とを、例えば接着剤等で固定して、一体化したものである。
前側ハウジング24の内側を貫通するコネクタ穴21は、プラグ保持ハウジング部241の内側を貫通する穴(プラグ収納穴21b)と、嵌合ハウジング部242の内側を貫通する穴(フェルール収納穴21b)とを連通させ、ひと繋がりとしたものである。
但し、プラグ保持ハウジング部241については、スリーブ状の本体部分の内部に、係合爪245が突設されている小ブロック状の爪ユニットを組み込んだ構成を採用することも可能である。また、前側ハウジング24の構成としては、それぞれ独立した部品であるプラグ保持ハウジング部241と嵌合ハウジング部242とを一体化したものに限定されない。例えば、前側ハウジングの全長をなす一本のスリーブに、係合爪245が突設されている小ブロック状の爪ユニットを組み込んだもの等、であっても良い。
前記係止突部26aには、ラッチ26のスリーブ状本体243からの突出基端部26b側から、ラッチ26のスリーブ状本体243からの突出先端側に従って、嵌合ハウジング部242の外側に大きく張り出すように傾斜された、傾斜外面26cが形成されている。嵌合ハウジング部242を後側ハウジング25に押し込んでいくと、前記傾斜外面26cが、後側ハウジング25のハウジング挿入口25b側の端部(開口端)に当接される。そして、嵌合ハウジング部242の後側ハウジング25への押し込みに伴い、後側ハウジング25のハウジング挿入口25b側の端部に対する前記傾斜外面26cの当接位置が移動していくにしたがって、前側ハウジング24の両側のラッチ26がスリーブ状本体243に接近するように弾性変形され、両側のラッチ26を含む嵌合ハウジング部242の後側ハウジング25への挿入が円滑になされる。
つまり、このハウジング2は、前側ハウジング24の嵌合ハウジング部242を後側ハウジング25に押し込んで嵌合させるだけで簡単に組み立てることができる。
なお、フェルール3、テーパスプリング4、受け座部材5は、前側ハウジング24の嵌合ハウジング部242を後側ハウジング25に押し込む前に、予め、前側ハウジング24のコネクタ穴21内に収納しておく。
前側ハウジング24を後側ハウジング25から離脱するには、ハウジング2の外側から、係合凹所25cに入り込んでいる前記係止突部26aを押圧して(前述の押し込み操作)、ラッチ26をスリーブ状本体243に接近するように弾性変形させ、ラッチ26(詳細には係止突部26a)の後側ハウジング25に対する係合を解除する。そして、前側ハウジング24を後側ハウジング25から引き抜くようにして離脱させれば良い。
したがって、上述の構成のハウジング2であれば、組み立てと分解とを、いずれも簡単に行うことができる。
このねじ止め用突片28は、具体的には、後側ハウジング25の両側壁25dに突設された小突起である。
前記ねじ止め用突片28は、後側ハウジング25の、回路基板11に押し当てられる底壁25e(図4(b)参照)を延長するようにして、底壁25eの両側の前記側壁25dから突出された板状小突起であり、前記底壁25eとともに、後側ハウジング25の回路基板11に押し当てられる平坦な当接面25f(図2(b)参照)を形成している。
図2(a)、(b)に示すように、光コネクタレセプタクル1は、前記ねじ止め用突片28に貫設されたねじ穴28aに通した固定用のねじ28bを締め付けることで、回路基板11に固定することができる。
光コネクタレセプタクル1を回路基板11に固定することで、回路基板11の外周部に光コネクタレセプタクル1が取り付けられてなるレセプタクル付き基板10が組み立てられる。
図2(a)、(b)では、回路基板11に、前記光コネクタレセプタクル1に加えて、プラグ−アダプタ−プラグ方式のMPO形光コネクタの光コネクタアダプタ7を取り付けた、レセプタクル付き基板10を例示した。
図2(a)、(b)を参照して判るように、光コネクタレセプタクル1の全長L11(コネクタ穴21の軸方向に沿った方向の寸法)は、スリーブ状の光コネクタアダプタ7の軸方向寸法に、該光コネクタアダプタ7に回路基板11側から挿入して接続された光コネクタプラグ71が光コネクタアダプタ7から突出している突出寸法を加えた寸法L12よりもかなり短い。
また、光コネクタレセプタクル1の全長L11は、突き合わせ力発生用のスプリングとして円筒形スプリングを採用した光コネクタレセプタクルの全長に比べて、短くできることは言うまでも無い。
図10〜図12(a)、(b)は、本発明に係る光コネクタレセプタクルにおいて、コネクタ穴21を複数有するハウジング81を採用した光コネクタレセプタクル8の実施形態を示す。
この光コネクタレセプタクル8のハウジング81には、複数のコネクタ穴21が並列に形成されている。各コネクタ穴21は、ハウジング81を貫通する貫通孔になっている。
但し、この光コネクタレセプタクル8のハウジング81は、プラグ収納穴21bと光部品収納穴21cとからなる貫通孔が内部に複数並列に形成されているスリーブ状の後側ハウジング811に、前述の光コネクタレセプタクル1の前側ハウジング24のプラグ保持ハウジング部241を、例えば接着剤による接着等によって固定した構造になっている。ハウジング81の複数のコネクタ穴21は、それぞれ、後側ハウジング部811の、プラグ収納穴21bと光部品収納穴21cとからなる貫通孔と、プラグ保持ハウジング部241のプラグ収納穴21bとがひと繋がりになったものである。ハウジング81には、該ハウジング81の各コネクタ穴21に対応させて、コネクタ穴の数と同じ数のプラグ保持ハウジング部241が取り付けられる。
後端開口部82が、スプリング受け部材83が嵌め込まれていない開放状態になっているときは、この後端開口部82を介して、コネクタ穴21に対する、フェルール3、テーパスプリング4、受け座部材5の収納及び取り出しが可能である。
なお、この光コネクタレセプタクル8は、スプリング受け部材83が設けられる側が、プラグ挿入口22が開口されている側よりも、回路基板11の外側となる向きで、回路基板11に取り付けられる。
このラッチ83cと、受け部材本体83bとの間には、僅かな隙間83dが確保されている。
前記ラッチ83cの受け部材本体83bからの突出先端部は、ハウジング81に対するラッチ83cの係合を解除するための係合解除用レバー部83fとして機能する。
なお、スプリング受け部材83は、後端開口部82に嵌め込むことで、ハウジング81に対してガタ付くことなく安定に取り付けられるようになっていれば良く、サイズが小さいもので済む。
(a)光コネクタレセプタクルのハウジング内に収納するフェルールとしては、ガイドピン付きのMT形光コネクタに限定されず、ガイドピン無しで、該フェルールに対して突き合わせ接続される相手側のMT形光コネクタ(フェルール)に突設されているガイドピンが挿入、嵌合されるガイドピン穴(空のガイドピン穴)を有するものであっても良い。この場合は、受け座部材を省略して、テーパスプリングが直接フェルールに当接された構成とすることも可能である。
(b)光コネクタレセプタクルのハウジング内に収納するフェルールとしては、ピン位置決め方式のものであれば良く、MT形光コネクタに限定されない。
光コネクタレセプタクルに外部から挿入して、光コネクタレセプタクル内のフェルールに接続される光コネクタとしても、光コネクタレセプタクル内のフェルールに対応して、接続可能なものを採用する。
(c)基板側光ファイバ先端に取り付けられ、光コネクタレセプタクル内に収納されるフェルール、外部光ファイバ先端に取り付けられる光コネクタの構造に応じて、光コネクタレセプタクルのハウジング構造も、適宜、変更されることは言うまでも無い。
(d)コネクタ穴の後端開口部に、ハウジングとは別体に形成された、スプリング受け部材が挿脱可能に嵌め込まれる構造は、図10〜図12等に例示した、コネクタ穴を複数有する光コネクタレセプタクル8に適用することに限定されず、コネクタ穴を1つのみ有する光コネクタレセプタクルにも適用可能であることは言うまでもない。
また、図1〜図9に例示した光コネクタレセプタクル1のハウジングのように、前側ハウジングの嵌合ハウジング部を、後側ハウジングに挿入して嵌合することで組み立てられる構造のハウジングにも適用可能である。
Claims (11)
- 基板(11)に実装された光素子に光接続された光ファイバである基板側光ファイバ(13)と、基板外側の光ファイバである外部光ファイバ(14)とを中継する、基板実装用のレセプタクル形式の光コネクタであって、
前記外部光ファイバの先端に設けられた光コネクタプラグ(12)が挿入によって嵌合されるハウジング(81)と、
基板側光ファイバの先端に設けられて前記ハウジング内に収納され、前記ハウジングに挿入される前記光コネクタプラグと突き合わせられるフェルール(3)と、
前記フェルールの前端側の接合端面(31)とは逆の後端側に配置されるようにして前記ハウジングに収納され、前記フェルールを付勢して、前記ハウジングに挿入された前記光コネクタプラグと該光コネクタプラグが突き合わされた前記フェルールとの間の突き合わせ力を発生するコイルスプリングとを具備し、
前記コイルスプリングが、外観円錐形に形成されているテーパスプリング(4)であり、
前記ハウジング(81)の、前記光コネクタプラグが挿入されるコネクタ穴(21)内に、前記フェルールと前記テーパスプリングとが収納され、
前記ハウジングには、前記コネクタ穴の光コネクタプラグが挿入される軸方向一端側の開口部であるプラグ挿入口(22)と、前記コネクタ穴の軸方向他端側の開口部であり、前記コネクタ穴に対するフェルール及びテーパスプリングの収納及び取り出しを行うための後端開口部(82)とが形成され、
前記後端開口部には、前記テーパスプリングの抜け止め用のスプリング受け部材(83)が挿脱可能に嵌め込まれ、
前記スプリング受け部材は、該スプリング受け部材を前記ハウジングの前記後端開口部に嵌め込んだときに前記ハウジングに係脱可能に係合する弾性片であるラッチ(83c)を具備し、
前記ラッチは、スプリング受け部材を前記ハウジングの前記後端開口部に嵌め込んだときに、前記ハウジングの外側に突出する係合解除用レバー部(83f)を有していることを特徴とする光コネクタレセプタクル(8)。 - 前記テーパスプリング(4)の軸方向に隣り合う部分の内、前記テーパスプリング(4)の基端部(41)側に位置する側の内周側の湾曲半径が、前記テーパスプリング(4)の先端部(42)側に位置する側の外周側の湾曲半径よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の光コネクタレセプタクル(8)。
- 前記スプリング受け部材(83)には、前記テーパスプリング(4)の内側に入り込むリング状凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタレセプタクル(8)。
- 前記基板側光ファイバに通された前記テーパスプリング(4)と前記フェルール(3)との間に介装された受け座部材(5)を具備し、
前記テーパスプリング(4)の前記先端部(42)を受けるために、前記受け座部材(5)のスプリング受け面(54)が円形の凹部になっていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタレセプタクル(8)。 - 前記フェルール(3)はガイドピン(34)を具備してなり、前記ガイドピン(34)にはその周方向に伸びる突条(35)が形成され、前記受け座部材(5)は、前記突条(35)を含む前記ガイドピン(34)の挿入を許容する開口(56)を有することを特徴とする請求項3または4記載の光コネクタレセプタクル(8)。
- 前記基板側光ファイバに通された前記テーパスプリングと前記フェルールとの間に介装された受け座部材(5)を具備し、
前記受け座部材は、該受け座部材を貫通する光ファイバ挿通孔(51)に挿通された前記基板側光ファイバに外挿して、前記テーパスプリングと前記フェルールとの間に介在配置され、
前記受け座部材には、前記フェルールの後端面(32)に当接される、前面側のフェルール当接面(53)と、前記テーパスプリングの端部(42)が当接される、後面側のスプリング受け面(54)とが、前記光ファイバ挿通孔の該受け座部材における前後の開口部を囲繞するように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光コネクタレセプタクル(8)。 - 前記フェルールがMT形光コネクタであり、
前記受け座部材の前面側に、前記フェルールのガイドピン穴(33)に嵌合されたガイドピン(34)の前記フェルールの後端面に突出した部分を収容するピン逃げ凹所(56)が形成されていることを特徴とする請求項6記載の光コネクタレセプタクル(8)。 - 前記受け座部材の前記光ファイバ挿通孔が、前記フェルールの後端から延出する基板側光ファイバを収納して前記フェルール後端から突出するブーツ(37)を収納するブーツ収納穴であることを特徴とする請求項7記載の光コネクタレセプタクル(8)。
- 前記ハウジングの両側壁から、該ハウジングを基板にねじ止めするためのねじ止め用突片(28)が突設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光コネクタレセプタクル。
- 前記ねじ止め用突片が、前記後側ハウジングの両側に突設されていることを特徴とする請求項9記載の光コネクタレセプタクル。
- 回路基板の外周部に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光コネクタレセプタクルが取り付けられていることを特徴とするレセプタクル付き基板。
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