本発明の特徴を説明するために、以下において、図面を参照して具体的に述べる。
本発明を実施するための第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する転送装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、さらにBPDUをスヌーピングして隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えることで、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させる。
(構成の説明)
図2を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
中継装置1は、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)とワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)との中継を行う装置である。
中継装置1は、例えば一般に伝送装置やトンネル装置と呼ばれる装置である、ユーザネットワーク等のLANとキャリアネットワーク等のWANとを接続するために必要なヘッダ、タグ、フラグ等を必要に応じて付加または削除する。さらに、中継装置1は、LANとWANとの速度差を吸収するために必要に応じてバッファリングを行い、伝送距離を伸ばすための符号化および復号化を必要に応じて行う。また、中継装置1は、スパニングツリープロトコルの処理を行わない(BPDU透過)。このためSTPからは中継装置1の存在が判らず、中継装置1はSTPの経路計算時には考慮されない。
中継装置2〜4は、中継装置1と同様の中継装置である。
ブリッジ5は、例えば一般にスイッチもしくはスイッチングハブと呼ばれるものであり、複数のポートを収容し、入力されたフレームの宛先のMACアドレスにより転送先ポートを決定する装置である。ブリッジ5はスパニングツリープロトコル(STP)対応であり、STP制御フレーム(BPDU)を送受信して、他のブリッジとの間でツリーを作成する。
ブリッジ6は、ブリッジ5と同様のブリッジである。
経路91は、ブリッジ5より、中継装置1および中継装置2を通過し、ブリッジ6に至る経路である。
経路92は、ブリッジ5より、中継装置3および中継装置4を通過し、ブリッジ6に至る経路である。
ここで、中継装置1の構成について詳細に説明する。
中継装置1は、LAN PORT11、WAN PORT12、転送制御部13、ポート管理部14、及びコスト書換部15を有する。
LAN PORT11は、ユーザネットワークであるLAN側のイーサネットリンクを収容するポートで、リンクアップ時にリンク速度をポート管理部14に通知し、さらにリンクダウン時にリンクダウンした事実をポート管理部14に通知する。
WAN PORT12は、キャリアネットワークであるWAN側のリンク(イーサネット等)を収容するポートで、リンクアップ時にリンク速度をポート管理部14に通知し、さらにリンクダウン時にリンクダウンした事実をポート管理部14に通知する。また、必要に応じて、電気信号から光信号への変換や、伝送距離を伸ばすための符号化および復号化等の処理も行う。ここでいうリンク速度は、イーサネットのリンクアップ速度のみならず、ADSLリンクアップ速度、モデムネゴシエーション速度、RS232やUSB等の速度、無線プロトコルのリンク速度等を含む。
転送制御部13は、LAN PORT11、WAN PORT12、およびコスト書換部15からフレームを受信した場合、入力ポート、宛先MACアドレス、および宛先ポートを参照し、図3に示すテーブルに従って動作および出力ポート等を決定し、LAN PORT11、WAN PORT12、およびコスト書換部15にフレームを転送する。また必要に応じて、対向する中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を付加または削除する。さらに、フレーム衝突を回避し、またLANとWANとの速度差を吸収するために、バッファリングも行う。
転送制御部13は、LAN PORT11もしくはWAN PORT12からBPDUフレームが入力された場合には、BPDUフレームに付加情報として入力ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)を付加してコスト書換部15に転送する。また、コスト書換部15から宛先ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)が付加されたBPDUフレームを受け、指定された出力ポート(LAN PORT11またはWAN PORT12)に転送する。このとき、出力ポート識別情報を削除したうえで転送する。
ポート管理部14は、LAN PORT11、WAN PORT12からリンクアップ時やリンクダウン時にリンク速度の通知を受け、図4に示すテーブルに従って動作を決定し、コスト書換部15にBPDUフレーム書換に必要なパラメータ(指定速度およびLAN速度)を伝える。また通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する。また、ポート管理部14は、一定周期ごとに、過去に受けた通知により保持している速度情報を用いて、図4に示すテーブルに従って動作を決定し、コスト書換部15にBPDUフレーム書換に必要なパラメータ(指定速度およびLAN速度)を伝える。
コスト書換部15は、ポート管理部14からBPDUフレーム書換に必要なパラメータ(指定速度およびLAN速度)の通知を受けて、これらパラメータを次回の通知があるまで保持し、書換の際に利用する。なお、指定速度もしくはLAN速度のどちらか一方でも0が指定された場合は、書換を停止する。指定速度とは、コスト計算に用いられるべき速度のことであり、通常は経路上のボトルネックリンクの速度である。またLAN速度は、ブリッジが付加するであろうコストをあらかじめ差し引いておくために通知を受ける。
コスト書換部15は、転送制御部13からBPDUフレームおよび付加情報(入力ポート)を受信した場合、BPDUフレーム内のタイプ情報(BPDU Type)、BPDUフレームのFlagsフィールド内のポート状態(Port Role)、さらに付加情報である入力ポートをもとに、図5に示すテーブルに従って動作および宛先ポートを決定する。もし書換処理が必要な場合は、BPDUフレーム内のRoot Path Costフィールド内に記録されているコストを書換える。 そして付加情報として宛先ポート情報を付加して、転送制御部13に返送する。なお、指定速度もしくはLAN速度のどちらか一方でも0が指定されている場合は、書換をせずにそのままフレームを転送(LAN→WAN,WAN→LAN)する。
続いて中継装置2について説明する。
LAN PORT21は、LAN PORT11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
WAN PORT22は、WAN PORT12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
転送制御部23は、転送制御部13と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ポート管理部24は、ポート管理部14と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
コスト書換部25は、コスト書換部15と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
続いて、中継装置3の構成について説明する。
LAN PORT31は、LAN PORT11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
WAN PORT32は、WAN PORT12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
転送制御部33は、転送制御部13と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ポート管理部34は、ポート管理部14と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
コスト書換部35は、コスト書換部15と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
続いて、中継装置4の構成について説明する。
LAN PORT41は、LAN PORT11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
WAN PORT42は、WAN PORT12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
転送制御部43は、転送制御部13と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ポート管理部44は、ポート管理部14と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
コスト書換部45は、コスト書換部15と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
続いて、ブリッジ5の構成について説明する。
ブリッジ5は、ブリッジ制御部51、STP処理部52、PORT53、PORT54、及びPORT55を有する。
ブリッジ制御部51は、PORT53、PORT54、PORT55、およびSTP処理部52からフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACアドレスを参照して出力ポートを決定し、PORT53、PORT54、PORT55、およびSTP処理部52のいずれかにフレームを転送する。このとき必要に応じて、フレームの同報(ブロードキャスト)も行う。さらに、フレーム衝突を回避し、また各ポートの速度差を吸収するために、バッファリングも行う。
また、ブリッジ制御部51は、BPDUフレームがPORT53〜55のいずれかより入力されたときは、STP処理部52に転送する。またSTP処理部52よりBPDUフレームを受信した場合には、STP処理部52に指定されたポートからBPDUフレームを出力する。
STP処理部52は、ブリッジ制御部51との間でBPDUフレームの送受信を行い、ブリッジ5におけるスパニングツリープロトコルの処理を行う。
PORT53は、イーサネットリンクを収容するポートである。
PORT54は、イーサネットリンクを収容するポートである。
PORT55は、イーサネットリンクを収容するポートである。
続いて、ブリッジ6の構成について説明する。
ブリッジ制御部61は、ブリッジ制御部51と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
STP処理部62は、STP処理部52と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
PORT63は、PORT53と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
PORT64は、PORT54と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
PORT65は、PORT55と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ここで、転送制御部13の詳細について説明する。
図3は、第1の実施の形態における転送制御部13が、各ポートよりフレームを受信した場合に、フレームの転送先(出力ポート)、付加情報、および動作を決定するために参照する表である。
条件131は、入力フレームに応じて動作132を検索するための索引(インデックス、キー)である。条件131には、入力ポート、宛先MAC、付加情報の項目がある。転送制御部13は、入力フレームの入力ポートや宛先MACに応じて付加情報を参照したり、コスト書換部15からの入力の場合には付加情報を参照したりして、動作132を決定する。
動作132は、条件131を索引として検索される動作である。動作132には、出力ポート、付加情報、動作の各項目がある。転送制御部13は、動作132に記載されている内容に従い、フレームを取り扱う。
次に、ポート管理部14の詳細について説明する。
図4は、第1の実施の形態におけるポート管理部14が、ポートからリンクアップ速度を受信した場合に、動作を決定するために参照する表である。
条件141は、ポートから通知を受けたリンクアップ速度に応じて動作142を検索するための索引(インデックス、キー)である。条件141には、LANとWANの速度関係の項目がある。ポート管理部14は、ポート11およびポート12からのリンクアップ速度通知の受信時に条件141を検索し、動作142を決定する。
動作142は、条件141を索引として検索される動作である。動作142には、コスト書換部15に対してコストの書換を要求する場合に、どのような速度で書き換えるよう指示するかが記載されている。なおコスト書換15に対して指示を行う場合は、コスト計算の基準となる速度である指定速度、およびLAN側の機器が付加するであろうコストを予測する基準となる速度であるLAN速度を通知する。
次に、コスト書換部15の詳細について説明する。
図5は、第1の実施の形態におけるコスト書換15が、転送制御部13よりBPDUフレームを受信した際に、BPDUフレームの取り扱いを決定するために参照する表である。
条件151は、入力BPDUフレームに応じて動作152を検索するための索引(インデックス、キー)である。条件151には、BPDU種別、入力ポート、ポート状態の項目がある。コスト書換部15は、BPDUフレーム内のBPDU Type、付加情報内の入力ポート、およびBPDUフレーム内のFlagsに記録されているPort Roleをそれぞれ参照し、動作132を決定する。
動作152は、条件151を索引として検索される動作である。動作152には、動作および宛先ポートの各項目があり、コスト書換部15は動作152に記載されている内容に従い、BPDUフレームを取り扱う。
(動作例)
以下、図2を参照して、本実施の形態における動作を、図1に示した従来技術2において問題が発生していた構成と同様のネットワーク構成およびリンク速度の場合を例に、説明する。
(動作例:前提条件と初期動作)
ここで、ブリッジ5とブリッジ6とにおいて、スパニングツリープロトコル(旧IEEE802.1wで規定されているラピッドスパニングツリー)が動作しているものとする。また、ブリッジ5がルートノードであるとする。
STP処理部52は、PORT53が100Mbpsでリンクアップすることから、PORT53にコスト値(ポートパスコスト)として200000を設定する。さらにPORT54が10Mbpsでリンクアップすることから、PORT54にコスト値(ポートパスコスト)として2000000を設定する。
STP処理部62は、PORT63が100Mbpsでリンクアップすることから、PORT63にコスト値(ポートパスコスト)として200000を設定する。さらにPORT64が10Mbpsでリンクアップすることから、PORT64にコスト値(ポートパスコスト)として2000000を設定する。
ここで、中継装置1と中継装置2との間のリンクは、1Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT12は、ポート管理部14に、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。同様に、WAN PORT22は、ポート管理部24に、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3と中継装置4との間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT32は、ポート管理部34に、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。同様に、WAN PORT42は、ポート管理部44に、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置1とブリッジ5との間のリンク、および中継装置2とブリッジ6との間のリンクは、それぞれ100Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT11は、ポート管理部14に、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。同様に、LAN PORT21は、ポート管理部24に、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3とブリッジ5との間のリンク、および中継装置4とブリッジ6との間のリンクは、それぞれ10Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT31は、ポート管理部34に、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。同様に、LAN PORT41は、ポート管理部44に、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ポート管理部14は、LAN PORT 11およびWAN PORT12からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141に照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が1Mbpsである、すなわち、WAN<LANであることから、コスト書換部15に対して、指定速度をWAN速度である1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示する。
ポート管理部24は、LAN PORT 21およびWAN PORT22からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141に照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が1Mbpsである、すなわち、WAN<LANであることから、コスト書換部25に対して、指定速度をWAN速度である1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示する。
ポート管理部34は、LAN PORT 31およびWAN PORT32からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141に照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が10Mbpsである、すなわち、WAN=LANであることから、コスト書換部35に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。
ポート管理部44は、LAN PORT 41およびWAN PORT42からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141に照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が10Mbpsである、すなわち、WAN=LANであることから、コスト書換部45に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。
(動作例:経路91における往路のBPDUの動作の説明)
上述したとおり、ブリッジ5はルートノードになっている。このブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT53にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームは、RPC(ルートパスコスト)が0、ポート状態がDesignated、宛先MACがBPDU−MACと設定されている。
中継装置1内の転送制御部13は、LAN PORT11からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3に示されているテーブルの条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、このRST−BPDUフレームをコスト書換部15に出力する。
コスト書換部15は、転送制御部13からRST−BPDUフレームを受信すると、図5に示されているテーブルの条件151を参照して、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、そのまま転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部13は、コスト書換部15からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示されているテーブルの条件131および動作132に従って、そのフレームをWAN PORT12に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置2内の転送制御部23は、WAN PORT22からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換部25に出力する。
コスト書換部25は、転送制御部23からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がDesignatedであることから、図5の条件151に照らし合わせ、対応する動作152を参照する。
コスト書換部25は、すでにポート管理部24から、指定速度を1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示されている為、1Mbps分のコストを20000000、100Mbps分のコストを200000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(0)+20000000−200000=19800000より、Root Path Costを19800000に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部23は、コスト書換部25からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT21に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路91のルートパスコストを計算する。このとき、PORT63が100Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に19800000が設定されていることから、STP処理部62は経路91のルートパスコストを19800000+200000=20000000と認識する。つまり経路91は1Mbpsであると認識する。
なお、以上に述べた経路91の往路における動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUに対しても、ほぼ同様に適用することができる。しかし以下に述べる経路91における復路の動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUでは発生しない。
(動作例:経路91における復路のBPDUの動作の説明)
以下の説明は、ブリッジ5が送信した往路のRST−BPDUにProposalフラグが設定されており、ブリッジ6がブリッジ5に対してAgreementフラグ付きのBPDUを返送する場合の動作である。
上述したとおり、ブリッジ5がルートノードであるため、ブリッジ6は従属ノードになっている。このブリッジ6のSTP処理部62は、ブリッジ制御部61を通じて、PORT63にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として19800000、ポート状態としてRootが設定されている。
中継装置2内の転送制御部23は、LAN PORT21からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部25は、転送制御部23からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がRootであることから、図5の条件151に照らし合わせ、対応する動作152を参照する。
コスト書換部25は、すでにポート管理部24から、指定速度を1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示されている為、1Mbps分のコストを20000000、100Mbps分のコストを200000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(19800000)−(20000000−200000)=0より、Root Path Costを0に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部23は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをWAN PORT22に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置1内の転送制御部13は、WAN PORT12からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部15は、転送制御部13からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がRootであることから、そのまま転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部13は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT11に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ5内のブリッジ制御部51は、PORT53からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部52に転送する。
STP処理部52は、ブリッジ制御部51よりRST−BPDUを受信し、ポート状態としてRootが設定されていることから、これまでの状態(ブリッジ5がルートノードであり、PORT53はDesignatedポートである)を維持する。
なお、復路の書換処理は、往路の書換処理で書き換える前の元のRoot Path Costに書き戻す処理であるため、今後の動作の説明では、往路のBPDUの書換処理についてのみ説明し、復路のBPDUの書換処理については省略する。
なお、以上に述べた経路91における復路の動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUでは発生しない。
(動作例:経路92における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT54にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置3内の転送制御部33は、LAN PORT31からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部35は、転送制御部33からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、そのまま転送制御部33に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部33は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをWAN PORT32に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置4内の転送制御部43は、WAN PORT32からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部45は、転送制御部43からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がDesignatedであることから、図5の条件151に照らし合わせ、対応する動作152を参照する。
コスト書換部45は、すでにポート管理部44から、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示されている為、RST−BPDUフレームをそのまま転送制御部43に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部43は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT41に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路92のルートパスコストを計算する。このとき、PORT64が10Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路92のルートパスコストを0+2000000=2000000と認識する。つまり経路92は10Mbpsであると認識する。
経路92では、上記に述べた往路のBPDUの転送で、コスト書換処理は発生しなかった。このため復路の転送でも、コスト書換処理は発生しない。
なお、以上に述べた経路92の往路における動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUに対しても、ほぼ同様に適用することができる。しかし経路92における復路の動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUでは発生しない。
(動作例:ブリッジ6における経路選択)
ブリッジ6内のSTP処理部62は、これまでに述べた動作によって、経路91のルートパスコストは20000000(1Mbps)、経路92のルートパスコストは2000000(10Mbps)であると認識している。このため、経路91側のポートを閉塞し、経路91側のポートからフレームの送受信を行わないようにする。つまり、ブリッジ5とブリッジ6の間の通信は、すべて経路92を通じて行われるようになる。
経路91の最大帯域(1Mbps)と経路92の最大帯域(10Mbps)を比較すると、経路92の最大帯域のほうが大きい。したがって、最適経路を選択できた。
以上の説明により、STPをWAN(キャリアネットワーク等)をまたいだLAN(ユーザネットワーク等)間で利用する場合、実際の利用可能速度と接続リンクのリンク速度の間に差異が生じる場合でも、本実施の形態に示す構成を適用することで、コスト計算が正常に行われ、最適経路が選択れることを示した。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側、もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、中継装置内のコスト書換部が隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えるからである。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、またBPDUをスヌーピングして隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えることで、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させる。
さらに上記中継装置において、自身の直近の隘路の速度を対向の中継装置に通知し、また対向の中継装置から隘路の速度の情報を受信することで、ルートパスコストの書換を行う中継装置の接続リンクに隘路がない場合でも、ルートパスコスト書換を行う中継装置が隘路の帯域を知り、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態に速度通知部を追加し、速度通知部が自身の直近の隘路の速度を対向の中継装置に通知し、ポート管理部が通知された隘路の速度を考慮してコスト書換えの指示を行う点において異なる。
(構成の説明)
図6を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対して、速度通知部16を追加し、転送制御部13Aおよびポート管理部14Aにおける処理方法を変更している。尚、上記実施の形態と同様の構成については同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
転送制御部13Aは、LAN PORT11、WAN PORT12、コスト書換部15、および速度通知部16からフレームを受信した場合、入力ポート、宛先MACアドレス、および宛先ポートを参照し、図7に示すテーブルに従って動作および出力ポート等を決定し、LAN PORT11、WAN PORT12、コスト書換部15、および速度通知部16にフレームを転送する。また必要に応じて、対向の中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を付加または削除する。さらに、フレーム衝突を回避し、またLANとWANの速度差を吸収するために、バッファリングも行う。
転送制御部13Aは、LAN PORT11もしくはWAN PORT12からBPDUフレームが入力された場合には、BPDUフレームに付加情報として入力ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)を付加してコスト書換部15に転送する。また、コスト書換部15から宛先ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)が付加されたBPDUフレームを受け、指定された出力ポート(LAN PORT11またはWAN PORT12)に転送する。このとき、出力ポート識別情報は削除したうえで転送する。
ポート管理部14Aは、LAN PORT11、WAN PORT12からリンクアップ時やリンクダウン時にリンク速度の通知を受け、図4に示すテーブルに従って動作を決定し、コスト書換部15にBPDUフレーム書換に必要なパラメータ(指定速度およびLAN速度)を伝え、また必要に応じて速度通知部16にLAN速度を対向の中継装置(中継装置2)に伝えるよう指示する。また通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する。
ポート管理部14Aは、速度通知部16から対向の中継装置(中継装置2)のLAN速度を受信した場合、図4に示すテーブルに従って動作を決定し、コスト書換部15にBPDUフレーム書換に必要なパラメータ(指定速度およびLAN速度)を伝え、また必要に応じて速度通知部16にLAN速度を対向の中継装置(中継装置2)に伝えるよう指示する。また通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する。
ポート管理部14Aは、一定周期ごとに、過去に受けた通知により保持している速度情報を用いて、図4に示すテーブルに従って動作を決定し、コスト書換部15にBPDUフレーム書換に必要なパラメータ(指定速度およびLAN速度)を伝え、また必要に応じて速度通知部16に対し、LAN速度を対向の中継装置(中継装置2)に伝えるよう指示する。
速度通知部16は、ポート管理部14AからLAN速度の通知を受けた場合、対向の中継装置(中継装置2)にLAN速度を伝える。この通知は、宛先MACアドレスに速度通知MAC(例:00−00−4C−00−00−01等の特別に予約したMACアドレス)、送信元MACアドレスに中継装置1のMACアドレスをもつ速度通知フレームを作成して行う。速度通知フレームは、速度通知部16、転送制御部13A、WAN PORT12、WAN PORT22、転送制御部23A、速度通知部26の順に転送される。
速度通知部16は、転送制御部13Aから速度通知フレームを受信した場合、速度通知フレーム内に含まれる対向の中継装置(中継装置2)のLAN速度を、ポート管理部14Aに伝える。
転送制御部23Aは、転送制御部13Aと同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ポート管理部24Aは、ポート管理部14Aと同様の構成を有し、同様の動作を行う。
速度通知部26は、速度通知部16と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
転送制御部33Aは、転送制御部13Aと同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ポート管理部34Aは、ポート管理部14Aと同様の構成を有し、同様の動作を行う。
速度通知部36は、速度通知部16と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
転送制御部43Aは、転送制御部13Aと同様の構成を有し、同様の動作を行う。
ポート管理部44Aは、ポート管理部14Aと同様の構成を有し、同様の動作を行う。
速度通知部46は、速度通知部16と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
図7は、第2の実施の形態における転送制御部13Aが、各ポートよりフレームを受信した場合に、フレームの転送先(出力ポート)、付加情報、および動作を決定するために参照する表である。
条件131Aは、入力フレームに応じて動作132Aを検索するための索引(インデックス、キー)である。条件131Aには、入力ポート、宛先MAC、付加情報の項目があり、入力フレームの入力ポート、宛先MAC、およびコスト書換部からの入力の場合は付加情報を参照し、動作132Aを決定する。
動作132Aは、条件131Aを索引として検索される動作である。動作132Aには、出力ポート、付加情報、動作の各項目があり、転送制御部13Aは動作132Aに記載されている内容に従い、フレームを取り扱う。
図8は、第2の実施の形態におけるポート管理部14Aが、リンクアップ速度もしくは速度通知を受信した場合に、動作を決定するために参照する表である。
条件141Aは、通知を受けたリンクアップ速度もしくは速度通知に応じて動作142Aを検索するための索引(インデックス、キー)である。条件141Aには、LANとWANの速度関係、および速度通知受信の有無の項目があり、ポート11およびポート12からのリンクアップ速度通知の受信時、もしくは速度通知部16の受信時に条件141Aを検索し、動作142Aを決定する。
動作142Aは、条件141Aを索引として検索される動作である。動作142Aには、コスト書換部15に対してコスト書換を要求する場合に、どのような速度で書き換えるよう指示するか、および、速度通知部16に対して対向の中継装置に対して速度通知を依頼する場合に、どの速度を通知するかが記載されている。なおコスト書換部15に対して指示を行う場合は、指定速度(コスト計算の基準となる速度)およびLAN速度(LAN側の機器が付加するであろうコストを予測する基準となる速度)を通知する。
(動作例)
以下、図6を参照して、本実施の形態における動作を、ルートノード(ブリッジ5)接続リンクの帯域が経路上で最も小さい場合における、従属ノード(ブリッジ6)の動作を例に説明する。
(動作例:前提条件と初期動作)
ここで、ブリッジ5とブリッジ6とにおいて、スパニングツリープロトコル(旧IEEE802.1wで規定されているラピッドスパニングツリー)が動作しているものとする。また、ブリッジ5がルートノードであるとする。
STP処理部52は、PORT53が10Mbpsでリンクアップすることから、PORT53にコスト値(ポートパスコスト)として2000000を設定する。さらにPORT54が1Mbpsでリンクアップすることから、PORT54にコスト値(ポートパスコスト)として20000000を設定する。
STP処理部62は、PORT63が10Mbpsでリンクアップすることから、PORT63にコスト値(ポートパスコスト)として2000000を設定する。さらにPORT64が100Mbpsでリンクアップすることから、PORT64にコスト値(ポートパスコスト)として200000を設定する。
ここで、中継装置1と中継装置2の間のリンクは、100Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT12は、ポート管理部14Aに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT22は、ポート管理部24Aに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3と中継装置4の間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT32は、ポート管理部34Aに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT42は、ポート管理部44Aに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置1とブリッジ5の間のリンク、および中継装置2とブリッジ6の間のリンクは、それぞれ10Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT11は、ポート管理部14Aに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
LAN PORT21は、ポート管理部24Aに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3とブリッジ5の間のリンクは、1Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT31は、ポート管理部34Aに、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置4とブリッジ6の間のリンクは、100Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT41は、ポート管理部44Aに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ポート管理部14Aは、LAN PORT 11およびWAN PORT12からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が100Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、コスト書換部15に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。また、速度通知部16に対して、LAN速度(10Mbps)を速度通知部26に通知するよう指示する。
ポート管理部24Aは、LAN PORT 21およびWAN PORT22からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が100Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、コスト書換部25に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。また、速度通知部26に対して、LAN速度(10Mbps)を速度通知部16に通知するよう指示する。
ポート管理部34Aは、LAN PORT 31およびWAN PORT32からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が1Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、コスト書換部15に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。また、速度通知部36に対して、LAN速度(1Mbps)を速度通知部46に通知するよう指示する。
ポート管理部44Aは、LAN PORT 41およびWAN PORT42からリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、コスト書換部45に対して、指定速度を10Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示する。
速度通知部16は、ポート管理部14AからLAN速度を通知するよう指示を受けると、速度通知用フレームを作成し、転送制御部13A、WAN PORT12、WAN PORT22、転送制御部23Aを経由し、速度通知部26にLAN速度を通知する。速度通知部26は、速度通知部16が送信した速度通知フレームを受信すると、ポート管理部24Aに中継装置1のLAN側速度(10Mbps)を通知する。
速度通知部26は、ポート管理部24AからLAN速度を通知するよう指示を受けると、速度通知用フレームを作成し、転送制御部23A、WAN PORT22、WAN PORT12、転送制御部13Aを経由し、速度通知部16にLAN速度を通知する。速度通知部16は、速度通知部26が送信した速度通知フレームを受信すると、ポート管理部14Aに中継装置4のLAN側速度(10Mbps)を通知する。
速度通知部36は、ポート管理部34AからLAN速度を通知するよう指示を受けると、速度通知用フレームを作成し、転送制御部33A、WAN PORT32、WAN PORT42、転送制御部43Aを経由し、速度通知部46にLAN速度を通知する。速度通知部46は、速度通知部36が送信した速度通知フレームを受信すると、ポート管理部44Aに中継装置3のLAN側速度(1Mbps)を通知する。
ポート管理部14Aは、速度通知部16から対向装置のLAN速度の通知を受け、既に保持しているLAN PORT11の速度(10Mbps)、WAN PORT12の速度(100Mbps)と、今回通知された通知された受信速度(10Mbps)を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が100Mbpsであり、さらに速度通知を受信しており、受信速度=LAN速度であることから、コスト書換部15に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。
ポート管理部24Aは、速度通知部26から対向装置のLAN速度の通知を受け、既に保持しているLAN PORT21の速度(10Mbps)、WAN PORT22の速度(100Mbps)と、今回通知された通知された受信速度(10Mbps)を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が100Mbpsであり、さらに速度通知を受信しており、受信速度=LAN速度であることから、コスト書換部25に対して、指定速度を0Mbps、LAN速度を0Mbpsとして、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示する。
ポート管理部44Aは、速度通知部46から対向装置のLAN速度の通知を受け、既に保持しているLAN PORT41の速度(100Mbps)、WAN PORT42の速度(10Mbps)と、今回通知された通知された受信速度(1Mbps)を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信しており、受信速度<LAN速度であることから、コスト書換部45に対して、指定速度を1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示する。
(動作例:経路91における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT53にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置1内の転送制御部13Aは、LAN PORT11からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部15は、転送制御部13AからRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、そのまま転送制御部13Aに送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部13Aは、コスト書換部15からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図7に示す条件131Aおよび動作132Aに従って、フレームをWAN PORT12に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置2内の転送制御部23Aは、WAN PORT22からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図7の条件131Aに照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132Aを参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部25は、転送制御部23AからRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がDesignatedであることから、図5の条件151に照らし合わせ、対応する動作152を参照する。
コスト書換部25は、すでにポート管理部24Aから、BPDUフレームを書き換えずそのまま転送するよう指示されている為、RST−BPDUフレームをそのまま転送制御部23Aに送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部23Aは、コスト書換部25からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図7に示す条件131Aおよび動作132Aに従って、フレームをLAN PORT21に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路91のルートパスコストを計算する。このとき、PORT63が10Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路91のルートパスコストを0+2000000=2000000と認識する。つまり経路91は10Mbpsであると認識する。
経路91では、上記に述べた往路のBPDUの転送で、コスト書換処理は発生しなかった。このため復路の転送でも、コスト書換処理は発生しない。
(動作例:経路92における動作の説明)
STP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT54にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。
中継装置3内の転送制御部33Aは、LAN PORT31からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図7の条件131Aに照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132Aを参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部35は、転送制御部33AからRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、そのまま転送制御部33Aに送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部33Aは、コスト書換部35からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図7に示す条件131Aおよび動作132Aに従って、フレームをWAN PORT32に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置4内の転送制御部43Aは、WAN PORT32からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図7の条件131Aに照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132Aを参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部45は、転送制御部43AからRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がDesignatedであることから、図5の条件151に照らし合わせ、対応する動作152を参照する。
コスト書換部45は、すでにポート管理部44Aから、指定速度を1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示されている為、1Mbps分のコストを20000000、100Mbps分のコストを200000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(0)+20000000−200000=19800000より、Root Path Costを19800000に書換えた後、転送制御部43Aに送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部43Aは、コスト書換部45からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図7に示す条件131Aおよび動作132Aに従って、フレームをLAN PORT41に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路92のルートパスコストを計算する。このとき、PORT64が100Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に19800000が設定されていることから、STP処理部62は経路92のルートパスコストを19800000+200000=20000000と認識する。つまり経路92は1Mbpsであると認識する。
経路92では、上記に述べた往路のBPDUの転送で、ルートパスコストが0から19800000に書き換えられた。このため復路の転送では、BPDUは19800000から0に書き戻されることになる。
(動作例:ブリッジ6における経路選択)
ブリッジ6内のSTP処理部62は、これまでに述べた動作によって、経路91のルートパスコストは2000000(10Mbps)、経路92のルートパスコストは20000000(1Mbps)であると認識している。このため、経路92側のポートを閉塞し、経路92側のポートからフレームの送受信を行わないようにする。つまり、ブリッジ5とブリッジ6の間の通信は、すべて経路91を通じて行われるようになる。
経路91の最大帯域(10Mbps)と経路92の最大帯域(1Mbps)を比較すると、経路91の最大帯域のほうが大きい。したがって、最適経路を選択できた。
以上の説明により、STPをWAN(キャリアネットワーク等)をまたいだLAN(ユーザネットワーク等)間で利用する場合、実際の利用可能速度と接続リンクのリンク速度の間に差異が生じる場合でも、本実施の形態に示す構成を適用することで、コスト計算が正常に行われ、最適経路が選択れることを示した。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、中継装置内のコスト書換部が隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えるからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、ルートパスコストの書換を行う中継装置の接続リンクに隘路がない場合でも、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の速度通知部が自身の直近の隘路の速度を対向の中継装置に通知し、逆に対向の中継装置からの通知を受信してポート管理部に通知するからである。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態においてWAN PORT12、WANPORT22、WAN PORT32、およびWAN PORT42において、リンクアップ速度によりWAN回線の速度を取得し、これをコスト計算に利用していたのに対して、速度遅延測定部17、速度遅延測定部27、速度遅延測定部37、そして速度遅延測定部47を設け、測定用フレームを送受信することでWAN回線の速度を取得し、コスト計算を行う点において異なる。
これにより、WAN回線のリンク速度が変動するような場合でも、コストを正確に求めることができる。
(構成の説明)
図9を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本発明の第3の実施の形態では、第2の実施の形態に対して、速度遅延測定部を追加し、WAN PORTからポート管理部へのリンク速度の通知を廃止し、代わりにWAN PORTから速度遅延測定部へリンクアップを通知している。尚、上記実施の形態と同様の構成については同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
転送制御部13Bは、LAN PORT11、WAN PORT12、コスト書換部15、転送通知16、および速度遅延測定部17からフレームを受信した場合、入力ポート、宛先MACアドレス、および宛先ポートを参照し、図10に示すテーブルに従って動作および出力ポート等を決定し、LAN PORT11、WAN PORT12、コスト書換部15、速度通知部16、および速度遅延測定部17にフレームを転送する。また必要に応じて、対向の中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を付加または削除する。さらに、フレーム衝突を回避し、またLANとWANの速度差を吸収するために、バッファリングも行う。
転送制御部13Bは、LAN PORT11もしくはWAN PORT12からBPDUフレームが入力された場合には、BPDUフレームに付加情報として入力ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)を付加してコスト書換部15に転送する。また、コスト書換部15から宛先ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)が付加されたBPDUフレームを受け、指定された出力ポート(LAN PORT11またはWAN PORT12)に転送する。このとき、出力ポート識別情報は削除したうえで転送する。
速度遅延測定部17は、WAN PORT12よりリンクアップの通知を受けた場合、もしくはユーザから要求を受けた場合に、対向する速度遅延測定部(速度遅延測定部27)との間で、測定用フレームを送受信し、計測した速度をポート管理部14Aに通知する。測定用フレームは、速度遅延測定部17、転送制御部13B、WAN PORT 12、WAN PORT22、転送制御部23Bを経由して、速度遅延測定部27に到達する。
速度遅延測定部17はまた、速度遅延測定部27に対して測定用フレームの送信要求や測定結果の通知要求を行い、送られてきた測定フレームから、速度や遅延を計算する。ここで速度計算の結果については、結果をポート管理部14Aに通知する。
このとき、ポート管理部14Aは、速度遅延測定部17から通知された速度を、WAN PORT12から通知されたWAN速度と同様のものとして取り扱う(ポート管理部14Aの動作は、第2の実施の形態と同様になる)。
転送制御部23Bは、転送制御部13Bと同様である。
転送制御部33Bは、転送制御部13Bと同様である。
転送制御部43Bは、転送制御部13Bと同様である。
速度遅延測定部27は、速度遅延測定部17と同様である。
速度遅延測定部37は、速度遅延測定部17と同様である。
速度遅延測定部47は、速度遅延測定部17と同様である。
(動作の説明)
以下、図9を参照して、本実施の形態における速度遅延測定部17の動作を説明する。測定完了後の動作については、実施の形態2と同様であるため省略する。
速度遅延測定部17は、WAN PORT12からリンクアップの通知を受けると、あらかじめ決められた量(WANリンクの帯域を数秒間使い切るほどの量)の測定フレームを、対向の中継装置に対して送信する。測定フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置1のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部17から送信された測定フレームは、転送制御部13B、WAN PORT12、WAN PORT22、転送制御部23Bを経由して、速度遅延測定部27に到達する。
速度遅延測定部27は、測定フレームを受信すると、帯域の計測を開始する。そして測定フレームの受信が完了すると、測定結果フレームを送信し、速度遅延測定部17に測定結果を返答する。測定結果フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置2のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部27から送信された測定結果フレームは、転送制御部23B、WAN PORT22、WAN PORT12、転送制御部13Bを経由して、速度遅延測定部17に到達する。
速度遅延測定部17は、測定結果フレームを受信すると、測定結果フレーム内に記載されている速度をポート管理部14Aに通知する。
ポート管理部14Aは、速度遅延測定部17からWAN速度の通知を受け、通知された速度を条件141Aに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、コスト書換部15に対して、指定速度を10Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示する。
なお、本動作例では、速度遅延測定部17から速度遅延測定部27に測定フレームを送信し、速度遅延測定部27から速度遅延測定部17に測定結果フレームを返送しているが、これとは逆に、速度遅延測定部17から速度遅延測定部27に測定要求フレームを送信し、速度遅延測定部27から速度遅延測定部17に測定フレームを返送しても良い。また上記双方を併用しても良い。
また、本動作例では、測定フレームを送信して測定しているが、遅延帯域積が一定となることを利用し、遅延から帯域を求めても良い。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、中継装置内のコスト書換部が隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えるからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、ルートパスコストの書換を行う中継装置の接続リンクに隘路がない場合でも、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の速度通知部が自身の直近の隘路の速度を対向の中継装置に通知し、逆に対向の中継装置からの通知を受信してポート管理部に通知するからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、WAN回線の帯域が変動したり、リンクアップ速度とWAN網内の隘路の帯域とが異なったりする場合、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の速度遅延測定部が、測定フレームを送受信することで、WANの帯域を計測するためである。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態における速度通知部16を、結果管理部18に置き換え、遅延測定結果を網内の中継装置間で共有し、相対的な遅延量からコストを決定する点において異なる。
これにより、広帯域よりも低遅延を優先した経路選択ができる。
(構成の説明)
図11を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本発明の第2の実施の形態では、第3の実施の形態に対して、速度通知部16を廃止し、代わりに結果管理部18を用いている。さらに速度遅延測定部17から結果管理部18へ、遅延量の情報を送っている。
転送制御部13Cは、LAN PORT11、WAN PORT12、コスト書換部15、結果管理部18、および速度遅延測定部17からフレームを受信した場合、入力ポート、宛先MACアドレス、および宛先ポートを参照し、図12に示すテーブルに従って動作および出力ポート等を決定し、LAN PORT11、WAN PORT12、コスト書換部15、結果管理部18、および速度遅延測定部17にフレームを転送する。また必要に応じて、対向の中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を付加または削除する。さらに、フレーム衝突を回避し、またLANとWANの速度差を吸収するために、バッファリングも行う。
転送制御部13Cは、LAN PORT11もしくはWAN PORT12からBPDUフレームが入力された場合には、BPDUフレームに付加情報として入力ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)を付加してコスト書換部15に転送する。また、コスト書換部15から宛先ポート識別情報(LAN PORT11またはWAN PORT12)が付加されたBPDUフレームを受け、指定された出力ポート(LAN PORT11またはWAN PORT12)に転送する。このとき、出力ポート識別情報は削除したうえで転送する。
転送制御部23Cは、転送制御部13Cと同様である。
転送制御部33Cは、転送制御部13Cと同様である。
転送制御部43Cは、転送制御部13Cと同様である。
速度遅延測定部17は、WAN PORT12よりリンクアップの通知を受けた場合、もしくはユーザから要求を受けた場合に、対向する速度遅延測定部(速度遅延測定部27)との間で、測定用フレームを送受信し、計測した速度をポート管理部14Aに通知する。測定用フレームは、速度遅延測定部17、転送制御部13C、WAN PORT 12、WAN PORT22、転送制御部23Cを経由して、速度遅延測定部27に到達する。
速度遅延測定部17はまた、速度遅延測定部27に対して測定用フレームの送信要求や測定結果の通知要求を行い、送られてきた測定フレームから、速度や遅延を計算する。ここで速度計算の結果については、結果をポート管理部14Aに通知し、遅延量については、結果を結果管理部18に通知する。
このとき、ポート管理部14Aは、速度遅延測定部17から通知された速度を、WAN PORT12から通知されたWAN速度と同様のものとして取り扱う(その他のポート管理部14Aの動作は、第3の実施の形態と同様になる)。
速度遅延測定部27は、速度遅延測定部17と同様である。
速度遅延測定部37は、速度遅延測定部17と同様である。
速度遅延測定部47は、速度遅延測定部17と同様である。
結果管理部18は、速度遅延測定部17から遅延の通知を受けた場合、この遅延量を記録すると同時に、ネットワーク内の他の全ての中継装置(中継装置2、中継装置3、中継装置4)に遅延を伝える。結果管理フレームには、宛先MACアドレスに結果管理MAC(例:00−00−4C−00−00−02等の特別に予約したMACアドレス)、送信元MACアドレスに中継装置1のMACアドレスをもつ結果管理フレームを作成して行う。結果管理フレームは、結果管理部18から送信されると、転送制御部13CでLAN、WAN双方に同報(ブロードキャスト)される。
結果管理部18は、転送制御部13Cから結果管理フレームを受信した場合、結果管理フレーム内に含まれる遅延量を、結果管理フレームの送信元MACアドレスと共に記録する。そして既に記録されている、これまでに受信した遅延量と、速度遅延測定部17から受信した遅延量を比較し、速度遅延測定部17から通知された遅延の相対的な大きさを計算する。例えば、速度遅延測定部17より通知された遅延が1msで、中継装置3から通知された遅延が100ms、中継装置4から通知された遅延が10msである場合、ポート管理部14Aに受信速度=100Mbpsとして帯域の申告を行う。
このとき、ポート管理部14Aは、結果管理部18から通知された速度を、速度通知部16から通知された対向の中継装置のLAN速度と同様のものとして取り扱う(その他のポート管理部14Aの動作は、第3の実施の形態と同様になる)。
結果管理部28は、結果管理部18と同様である。
結果管理部38は、結果管理部18と同様である。
結果管理部48は、結果管理部18と同様である。
(動作の説明)
以下、図11を参照して、本実施の形態における結果管理部18の動作を説明する。
ここで、スパニングツリーにより、ブリッジ6のPORT64が閉塞されているとする。
ここで、既に中継装置2内の結果管理部28から遅延1ms、中継装置3内の結果管理部38から遅延100ms、中継装置4内の結果管理部48から遅延10msが、各中継装置にブロードキャストされているとする。
速度遅延測定部17は、第3の実施の形態にの動作の説明に記載した方法で、WAN帯域の測定を行い、結果をポート管理部14Aに通知する。
速度遅延測定部17は、さらに、遅延測定フレームを、対向の中継装置に対して送信する。遅延測定フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置1のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部17から送信された遅延測定フレームは、転送制御部13C、WAN PORT12、WAN PORT22、転送制御部23Cを経由して、速度遅延測定部27に到達する。
速度遅延測定部27は、遅延測定フレームを受信すると、即座に遅延返答フレームを送信し、速度遅延測定部17に送り返す。測定結果フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置2のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部27から送信された遅延返答フレームは、転送制御部23C、WAN PORT22、WAN PORT12、転送制御部13Cを経由して、速度遅延測定部17に到達する。
速度遅延測定部17は、遅延返答フレームを受信すると、送信時刻と受信時刻の差分から往復遅延を計算し、結果を結果管理部18に通知する。以降は、仮に遅延が1msであったとして説明を続ける。
結果管理部18は、速度遅延測定部17から遅延の通知を受け、通知された遅延量(1ms)を記録する。そして以下の(1)(2)に示す動作を行う。
(1)既に受信している結果管理フレームから得た遅延と、速度遅延測定部17から受信した遅延量(1ms)を比較し、速度遅延測定部17から通知された遅延の相対的な大きさを計算する。ここで、既に結果管理部18に、中継装置3から100ms、中継装置4から10msの遅延が通知されていたとすると、結果管理部18はポート管理部14Aに受信速度=100Mbpsとして帯域の申告を行う。
(2)ネットワーク内の他の全ての中継装置(中継装置2、中継装置3、中継装置4)に遅延を伝えるために、結果管理フレームをブロードキャスト送信する。結果管理フレームには、宛先MACアドレスに結果管理MAC、送信元MACアドレスに中継装置1のMACアドレスが設定されており、結果管理部18から送信されると、転送制御部13CでLAN、WAN双方に同報(ブロードキャスト)される。なお、本実施の形態の動作例では、ネットワーク内の最小遅延が1ms、最大遅延が100msであるため、最大遅延の箇所を1Mbps、最小遅延の箇所を100Mbpsとして扱った(もし最大遅延が1000msである場合は、最小遅延の箇所を1000Mbpsとして扱う)。遅延を速度に置き直すのは、ポート管理部14Aが遅延ではなく速度で動作の判定を行っているからである。
ポート管理部14Aは、結果管理部18から速度の通知(10Mbps)を受けると、これを第2の実施の形態における速度通知部26からの速度通知と同様に扱い、必要であればコスト書換部15にコスト書換に関する指示を出す。
結果管理フレームのうち、WAN PORT12側に送信されたフレームは、中継装置2内の転送制御部23Cで結果管理部28とLAN PORT21側に同報される。
結果管理部28は、転送制御部23Cから結果管理フレームを受信した場合、結果管理フレーム内に含まれる遅延量(1ms)を、結果管理フレームの送信元MACアドレス(中継装置1のMACアドレス)と共に記録する。そして既に受信している結果管理フレームから得た遅延と、速度遅延測定部27から受信した遅延量(1ms)を比較し、速度遅延測定部27から通知された遅延の相対的な大きさを計算する。ここで、既に結果管理部28に、中継装置3から100ms、中継装置4から10msの遅延が通知されていたとすると、結果管理部28はポート管理部24Aに受信速度=100Mbpsとして帯域の申告を行う。
ポート管理部24Aは、結果管理部28から速度の通知(10Mbps)を受けると、これを第2の実施の形態における速度通知部26からの速度通知と同様に扱い、必要であればコスト書換部25にコスト書換に関する指示を出す。
結果管理フレームのうち、LAN PORT21側に同報されたフレームは、ブリッジ6内のブリッジ制御部61でも、PORT64とPORT65にブロードキャストされる。しなしながらPORT64側にブロードキャストされたフレームは、PORT64が閉塞されているため廃棄される。またPORT65側に送信されたフレームは、以降のLANセグメント内でもブロードキャストされ続け、いずれ消滅する。
結果管理フレームのうち、LAN PORT11側に送信されたフレームは、ブリッジ5内のブリッジ制御部51でも、PORT54とPORT55にブロードキャストされる。PORT55側に送信されたフレームは、以降のLANセグメント内でもブロードキャストされ続け、いずれ消滅する。
PORT54側にブロードキャストされたフレームは、中継装置3内の転送制御部33Cで結果管理部38とWAN PORT32側に同報される。
結果管理部38は、転送制御部33Cから結果管理フレームを受信した場合、結果管理フレーム内に含まれる遅延量(1ms)を、結果管理フレームの送信元MACアドレス(中継装置1のMACアドレス)と共に記録する。そして既に受信している結果管理フレームから得た遅延と、速度遅延測定部37から受信した遅延量を比較し、速度遅延測定部37から通知された遅延(100ms)の相対的な大きさを計算する。ここで、既に結果管理部38に、中継装置2から1ms、中継装置4から10msの遅延が通知されていたとすると、結果管理部38はポート管理部34Aに受信速度=1Mbpsとして帯域の申告を行う。
ポート管理部34Aは、結果管理部38から速度の通知(1Mbps)を受けると、これを第2の実施の形態における速度通知部36からの速度通知と同様に扱い、必要であればコスト書換部35にコスト書換に関する指示を出す。
結果管理フレームのうち、WAN PORT32側に同報されたフレームは、中継装置4内の転送制御部43Cで結果管理部48とLAN PORT41側に同報される。
結果管理部48は、転送制御部43Cから結果管理フレームを受信した場合、結果管理フレーム内に含まれる遅延量(1ms)を、結果管理フレームの送信元MACアドレス(中継装置1のMACアドレス)と共に記録する。そして既に受信している結果管理フレームから得た遅延と、速度遅延測定部47から受信した遅延量を比較し、速度遅延測定部47から通知された遅延(10ms)の相対的な大きさを計算する。ここで、既に結果管理部48に、中継装置2から1ms、中継装置3から100msの遅延が通知されていたとすると、結果管理部48はポート管理部44Aに受信速度=10Mbpsとして帯域の申告を行う。
ポート管理部44Aは、結果管理部48から速度の通知(10Mbps)を受けると、これを第2の実施の形態における速度通知部46からの速度通知と同様に扱い、必要であればコスト書換部45にコスト書換に関する指示を出す。
上記動作完了後の、コスト書換部15におけるコスト書換や、ブリッジ6における経路選択動作等については、実施の形態1と同様であるため省略する。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、中継装置内のコスト書換部が隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えるからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、WAN回線の帯域が変動したり、リンクアップ速度とWAN網内の隘路の帯域が異なったりする場合、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の速度遅延測定部が、測定フレームを送受信することで、WANの帯域を計測するためである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、広帯域よりも低遅延を優先した経路選択を行うことができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の結果管理部が速度遅延測定部から通知を受けた遅延を網内の他の中継装置に同報通知し、逆に網内の他の中継装置からの遅延量の通知を受信して、その相対遅延を帯域(速度)に置き換えた上で、ポート管理部に通知するからである。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態におけるコスト書換部15においてVLANを意識せずにコスト計算を行っていたのに対して、コスト書換部15Aにおいて、あらかじめ通過するVLANと利用する帯域の割合を設定しておき、IEEE802.1sに規定されるマルチプルスパニングツリーで構成されるネットワークにおいて、VLAN間に公平もしくは設定された割合で帯域を割当てる。これにより、多数のVLANが通過する過密地点を迂回し、ネットワーク全体の利用効率向上を行うことができる。
(構成の説明)
図2および図13を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本発明の第5の実施の形態は、図2に示す第1の実施の形態おけるコスト書換部15を、コスト書換部15Aに置き換え、VLANごとにコスト計算を行うものである。
コスト書換部15Aは、第1の実施の形態におけるコスト書換部15の動作のほか、以下に示す5つの機能を有する。
1)図13に示した設定例のように、リンクを通過するVLANと、VLANごとの帯域利用割合の設定を受け付ける。
2)Root Path Costの書換時に、あらかじめ設定されているVLANごとの帯域利用割合に応じてコストを計算する。
3)VLANタグが付加されていないBPDUフレームが到着した場合は、VLAN ID=No Tagに記載されている帯域利用割合でコストを計算する。
4)VLAN ID153に登録されていないVLAN IDのフレームが到着した場合は、VLAN IDその他に記載されている帯域利用割合でコストを計算する。
5)1)に示した手動設定のほか、到着したBPDUフレームのVLAN IDを学習し、各VLAN間で公平に帯域を割り当てるよう、図13のVLAN ID153および帯域利用割合154を自動設定することもできる。
コスト書換部25Aは、コスト書換部15Aと同様である。
コスト書換部35Aは、コスト書換部15Aと同様である。
コスト書換部45Aは、コスト書換部15Aと同様である。
(動作例)
以下、図2および図13を参照して、本実施の形態におけるコスト書換部15Aおよびコスト書換部25Aの動作を説明する。
(動作例:前提条件と初期動作)
コスト書換部15A、コスト書換部25A、コスト書換部35A、およびコスト書換部45Aに、図13に示すような設定を行う。
ブリッジ5とブリッジ6において、マルチプルスパニングツリープロトコル(IEEE802.1sで規定されているマルチプルラピッドスパニングツリー)が動作しているものとする。また、全てのSTP面(VLAN)において、ブリッジ5がルートノードであるとする。
その他の前提条件と初期動作は、実施の形態1における動作例(前提条件と初期動作)に従う。
(動作例:経路91における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT53にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはVLANタグ(VLAN ID 0002)が付加され、RPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置1内の転送制御部13は、LAN PORT11からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。なお転送制御部13の動作は、VLANタグの有無やVLAN IDに関わらず同様である。
コスト書換部15Aは、転送制御部13からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、そのまま転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部13は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをWAN PORT12に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置2内の転送制御部23は、WAN PORT22からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。なお転送制御部23の動作は、VLANタグの有無やVLAN IDに関わらず同様である。
コスト書換部25Aは、転送制御部23からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がDesignatedであることから、図5の条件151に照らし合わせ、対応する動作152を参照する。
コスト書換部25Aは、すでにポート管理部24から、指定速度を1Mbps、LAN速度を100Mbpsとして、BPDUフレームが到着した場合にフレームを書き換えるよう指示されているが、図13に示すVLANID153を参照すると、VLAN ID0002に対応する帯域利用割合154は10%であるため、Root Path Costの計算は、指定速度1Mbpsの10%、つまり100kbpsになるように行う。よって、100kbps分のコストを200000000、100Mbps分のコストを200000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(0)+200000000−200000=199800000と書換えた後、転送制御部23に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部23は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT21に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりVLAN ID 0002つきのRST−BPDUを受信し、経路91のルートパスコストを計算する。このとき、PORT63が100Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に199800000が設定されていることから、STP処理部62は経路91のルートパスコストを199800000+200000=200000000と認識する。つまりVLAN0002における経路91の帯域は100kbpsであると認識する。
上記に述べた往路のBPDUの転送で、ルートパスコストが0から199800000に書き換えられた。このため復路のBPDUの転送では、BPDUは199800000から0に書き戻されることになる。
なお、本動作例では、図13に示すVLAN ID153および帯域利用割合154を手動設定する場合の例を示したが、コスト書換部15Aが到着したBPDUフレームのVLAN IDを学習し、各VLAN間で公平に帯域を割り当てるよう、図13のVLAN ID153および帯域利用割合154を自動設定することもできる。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、中継装置内のコスト書換部が隘路の速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えるからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、IEEE802.1sに規定されるマルチプルスパニングツリーで構成されるネットワークにおいて、VLAN設定の集中する過密経路を避け、VLAN間の公平性を保ち、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のコスト書換部が、VLANごとの帯域帯域利用割合に応じて、Root Path Costを書き換えるためである。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態は、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、さらにWAN側もしくはLAN側のいずれか低いリンク速度に合わせてリンク速度を制御することで、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映させ、最適経路を選択し、網利用効率を向上させる。
本発明の第6の実施の形態は、第2の実施の形態がボトルネックリンクの速度に応じてコスト書換部15においてBPDUに含まれるコストを書き換えていたのに対して、ポート管理部14Dが、LAN側速度とWAN側速度を低いほうの速度に一致させる点において異なる。LAN側速度とWAN側速度を低いほうの速度に一致させることで、ブリッジ間の経路上のボトルネック帯域の速度に、全リンクの速度が一致するため、各ブリッジは経路計算を正しく行うことができる。尚、上記実施の形態と同様の構成については同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
(構成の説明)
図14を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本実施の形態における中継装置1は、第2の実施の形態におけるコスト書換部15および速度通知部16がなくなり、LAN PORT11の代わりにLAN PORT11A、WAN PORT12の代わりにWAN PORT 12A、転送制御部13の代わりに転送制御部13D、ポート管理部14の代わりにポート管理部14Dを有する。
LAN PORT11Aは、LAN側のイーサネットリンクを収容するポートで、リンクアップ時にリンク速度をポート管理部14Dに通知し、さらにリンクダウン時にリンクダウンした事実をポート管理部14Dに通知する。さらにポート管理部14Dからリンク速度を指定された場合には、リンク速度を指定された速度になるよう変更する。
WAN PORT12Aは、WAN側のリンク(イーサネット等)を収容するポートで、リンクアップ時にリンク速度をポート管理部14Dに通知し、さらにリンクダウン時にリンクダウンした事実をポート管理部14Dに通知する。また、必要に応じて、電気信号から光信号への変換や、伝送距離を伸ばすための符号化および復号化等の処理も行う。さらにポート管理部14Dからリンク速度を指定された場合には、リンク速度を指定された速度になるよう変更する。
転送制御部13Dは、LAN PORT11Aからフレームを受信し、必要に応じて、対向の中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を付加し、さらにLANとWANの速度差を吸収するためにバッファリングを行い、WAN PORT12Aに出力する。
転送制御部13Dはまた、WAN PORT12Aからフレームを受信し、必要に応じて、対向の中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を削除し、さらにLANとWANの速度差を吸収するためにバッファリングを行い、LAN PORT11Aに出力する。
ポート管理部14Dは、LAN PORT11A、WAN PORT12Aからリンクアップ時やリンクダウン時にオートネゴシエーションなどにより決定されたリンク速度の通知を受け、図15に示すテーブルに従って動作を決定し、必要に応じてLAN PORT11AもしくはWAN PORT12Aに、リンク速度を変更するよう指示する。なお通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する(保持する速度はリンク速度をポート管理部14Dが変更を指示した後の速度ではなく、ポートから通知された速度変更前のオートネゴシエーションなどにより決定されたリンク速度である)。またテーブルを参照した動作の決定は、リンク速度の通知を受けた時のほか、一定周期ごとにも行われる。
図15は第6の実施の形態におけるポート管理部14Dが、リンクアップ速度もしくは速度通知を受信した場合に、動作を決定するために参照する表である。
条件141Dは、通知を受けたリンクアップ速度もしくは速度通知に応じて動作142Dを検索するための索引(インデックス、キー)である。条件141Dには、LANとWANの速度関係の項目があり、ポート11Aおよびポート12Aからのリンクアップ速度通知の受信時に条件141Dを検索し、動作142Dを決定する。
動作142Dは、条件141Dを索引として検索される動作である。動作142Dには、リンク速度をどのように変更するよう指示するかが記載されている。
(動作例1)
以下、図14を参照して、本実施の形態における動作を、図1に示した従来技術において問題が発生していた構成と同様のネットワーク構成およびリンク速度の場合を例に、説明する。
(動作例1:前提条件と初期動作)
ここで、ブリッジ5とブリッジ6において、スパニングツリープロトコル(旧IEEE802.1wで規定されているラピッドスパニングツリー)が動作しているものとする。また、ブリッジ5がルートノードであるとする。
ここで、中継装置1と中継装置2の間のリンクは、1Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT12Aは、ポート管理部14Dに、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT22Aは、ポート管理部24Dに、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3と中継装置4の間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT32Aは、ポート管理部34Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT42Aは、ポート管理部44Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置1とブリッジ5の間のリンク、および中継装置2とブリッジ6の間のリンクは、それぞれ100Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT11Aは、ポート管理部14Dに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
LAN PORT21Aは、ポート管理部24Dに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3とブリッジ5との間のリンク、および中継装置4とブリッジ6の間のリンクは、それぞれ10Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT31Aは、ポート管理部34Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
LAN PORT41Aは、ポート管理部44Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ポート管理部14Dは、LAN PORT 11AおよびWAN PORT12Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が1Mbpsであることから、LAN PORT11Aに対して、リンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示する。
ポート管理部24Dは、LAN PORT 21AおよびWAN PORT22Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。
そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が1Mbpsであることから、LAN PORT11Aに対して、リンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示する。
ポート管理部34Dは、LAN PORT 31AおよびWAN PORT32Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が10Mbpsであることから、特に何もせずに、ポート速度の監視を継続する。
ポート管理部44Dは、LAN PORT 41AおよびWAN PORT42Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が10Mbpsであることから、特に何もせずに、ポート速度の監視を継続する。
LAN PORT11Aは、ポート管理部14Dからリンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を1Mbpsに落とす。
PORT53は、LAN PORT11Aがリンクアップ速度を1Mbpsに落としたため、オートネゴシエーションにより、リンクアップを1Mbpsに落とす。
LAN PORT21Aは、ポート管理部24Dからリンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を1Mbpsに落とす。
PORT63は、LAN PORT21Aがリンクアップ速度を1Mbpsに落としたため、オートネゴシエーションにより、リンクアップを1Mbpsに落とす。
(動作例1:経路91における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT53にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置1内の転送制御部13Dは、LAN PORT11AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをWAN PORT12Aに出力する。
中継装置2内の転送制御部23Dは、WAN PORT22AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをLAN PORT21Aに出力する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路91のルートパスコストを計算する。このとき、PORT63が1Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路91のルートパスコストを0+20000000=20000000と認識する。つまり経路91は1Mbpsであると認識する。
(動作例1:経路92における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT54にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置3内の転送制御部33Dは、LAN PORT31AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをWAN PORT32Aに出力する。
中継装置4内の転送制御部43Dは、WAN PORT42AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをLAN PORT41Aに出力する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT64からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路92のルートパスコストを計算する。このとき、PORT64が10Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路92のルートパスコストを0+2000000=2000000と認識する。つまり経路92は10Mbpsであると認識する。
(動作例1:ブリッジ6における経路選択)
ブリッジ6内のSTP処理部62は、これまでに述べた動作によって、経路91のルートパスコストは20000000(1Mbps)、経路92のルートパスコストは2000000(10Mbps)であると認識している。このため、経路91側のポートを閉塞し、経路91側のポートからフレームの送受信を行わないようにする。つまり、ブリッジ5とブリッジ6の間の通信は、すべて経路92を通じて行われるようになる。
経路91の最大帯域(1Mbps)と経路92の最大帯域(10Mbps)を比較すると、経路92の最大帯域のほうが大きい。したがって、最適経路を選択できた。
以上の説明により、STPをWAN(キャリアネットワーク等)をまたいだLAN(ユーザネットワーク等)間で利用する場合、実際の利用可能速度と接続リンクのリンク速度の間に差異が生じる場合でも、本実施の形態に示す構成を適用することで、コスト計算が正常に行われ、最適経路が選択れることを示した。
(動作例2)
以下、図16を参照して、本実施の形態における動作を、ルートノード(ブリッジ5)接続リンクの帯域が経路上で最も小さい場合における、従属ノード(ブリッジ6)の動作を例に説明する。
(動作例2:前提条件と初期動作)
ここで、ブリッジ5とブリッジ6において、スパニングツリープロトコル(旧IEEE802.1wで規定されているラピッドスパニングツリー)が動作しているものとする。また、ブリッジ5がルートノードであるとする。
ここで、中継装置1と中継装置2の間のリンクは、100Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT12Aは、ポート管理部14Dに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT22Aは、ポート管理部24Dに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3と中継装置4の間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT32Aは、ポート管理部34Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT42Aは、ポート管理部44Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置1とブリッジ5の間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT11Aは、ポート管理部14Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置2とブリッジ6の間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT21Aは、ポート管理部24Dに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3とブリッジ5の間のリンクは、1Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT31Aは、ポート管理部34Dに、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置4とブリッジ6の間のリンクは、それぞれ100Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT41Aは、ポート管理部44Dに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ポート管理部14Dは、LAN PORT 11AおよびWAN PORT12Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。
そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が10Mbpsであることから、WAN PORT12Aに対して、リンクアップ速度を10Mbpsに変更するよう指示する。
ポート管理部24Dは、LAN PORT 21AおよびWAN PORT22Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が10Mbpsであることから、WAN PORT22Aに対して、リンクアップ速度を10Mbpsに変更するよう指示する。
ポート管理部34Dは、LAN PORT 31AおよびWAN PORT32Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が1Mbps、WAN速度が10Mbpsであることから、WAN PORT32Aに対して、リンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示する。
ポート管理部44Dは、LAN PORT 41AおよびWAN PORT42Aからリンクアップの通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が10Mbpsであることから、LAN PORT41Aに対して、リンクアップ速度を10Mbpsに変更するよう指示する。
WAN PORT12Aは、ポート管理部14Dからリンクアップ速度を10Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を10Mbpsに落とす。
WAN PORT22Aは、ポート管理部24Dからリンクアップ速度を10Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を10Mbpsに落とす。
WAN PORT32Aは、ポート管理部34Dからリンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を1Mbpsに落とす。
WAN PORT42Aは、WAN PORT31Aがリンクアップ速度を1Mbpsに落としたため、オートネゴシエーションにより、リンクアップを1Mbpsに落とす。
WAN PORT42Aは、ポート管理部44Dに、リンクアップ速度が1Mbpsに変更になったことを通知する。
ポート管理部44Dは、WAN PORT 42Aからリンクアップ速度変更の通知を受け、通知された速度を条件141Dに照らし合わせる。そして、LAN速度が10Mbps、WAN速度が1Mbpsであることから、LAN PORT41Aに対して、リンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示する。
LAN PORT41Aは、ポート管理部44Dからリンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を1Mbpsに落とす。
PORT64は、LAN PORT41Aがリンクアップ速度を1Mbpsに落としたため、オートネゴシエーションにより、リンクアップを1Mbpsに落とす。
(動作例2:経路91における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT53にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置1内の転送制御部13Dは、LAN PORT11AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをWAN PORT12Aに出力する。
中継装置2内の転送制御部23Dは、WAN PORT22AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをLAN PORT21Aに出力する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路91のルートパスコストを計算する。このとき、PORT63が10Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路91のルートパスコストを0+2000000=2000000と認識する。つまり経路91は10Mbpsであると認識する。
(動作例2:経路92における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT54にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置3内の転送制御部33Dは、LAN PORT31AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをWAN PORT32Aに出力する。
中継装置4内の転送制御部43Dは、WAN PORT42AからRST−BPDUフレームを受信し、フレームをLAN PORT41Aに出力する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT64からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路92のルートパスコストを計算する。このとき、PORT64が1Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路92のルートパスコストを0+20000000=20000000と認識する。つまり経路92は1Mbpsであると認識する。
(動作例2:ブリッジ6における経路選択)
ブリッジ6内のSTP処理部62は、これまでに述べた動作によって、経路91のルートパスコストは2000000(10Mbps)、経路92のルートパスコストは20000000(1Mbps)であると認識している。このため、経路92側のポートを閉塞し、経路92側のポートからフレームの送受信を行わないようにする。つまり、ブリッジ5とブリッジ6の間の通信は、すべて経路91を通じて行われるようになる。
経路91の最大帯域(10Mbps)と経路92の最大帯域(1Mbps)を比較すると、経路91の最大帯域のほうが大きい。したがって、最適経路を選択できた。
以上の説明により、STPをWAN(キャリアネットワーク等)をまたいだLAN(ユーザネットワーク等)間で利用する場合、実際の利用可能速度と接続リンクのリンク速度の間に差異が生じる場合でも、本実施の形態に示す構成を適用することで、コスト計算が正常に行われ、最適経路が選択れることを示した。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、さらにポート管理部がWAN側もしくはLAN側のいずれか低いリンク速度に合わせてリンク速度を制御するからである。
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態においてWAN PORT12A、WAN PORT22A、WAN PORT32A、およびWAN PORT42Aにおいて、リンクアップ速度によりWAN回線の速度を取得していたのに対して、速度遅延測定部17、速度遅延測定部27、速度遅延測定部37、そして速度遅延測定部47を設け、測定用フレームを送受信することでWAN回線の速度を取得し、コスト計算を行う点において異なる。
これにより、WAN回線のリンク速度が変動するような場合でも、コストを正確に求めることができる。
(構成の説明)
図17を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本発明の第7の実施の形態では、第6の実施の形態に対して、速度遅延測定部および速度通知部を追加し、WAN PORTからポート管理へのリンク速度の通知を廃止し、代わりにWAN PORTから速度遅延測定部へリンクアップを通知している。
転送制御部13Eは、LAN PORT11A、WAN PORT12、速度通知部16、および速度遅延測定部17からフレームを受信した場合、入力ポート、宛先MACアドレス、および宛先ポートを参照し、図18に示すテーブルに従って動作および出力ポート等を決定し、LAN PORT11A、WAN PORT12、速度通知部16、および速度遅延測定部17にフレームを転送する。また必要に応じて、対向の中継装置(中継装置2)との間でトンネルを構築するためにヘッダ、タグ、もしくはフラグ等を付加または削除する。さらに、フレーム衝突を回避し、またLANとWANの速度差を吸収するために、バッファリングも行う。
ポート管理部14Eは、リンクアップ時やリンクダウン時に、LAN PORT11AからLAN速度、速度遅延測定部17からWAN速度の通知をそれぞれ受け、図19に示すテーブルに従って動作を決定し、必要に応じてLAN PORT11Aに、リンク速度を変更するよう指示する。また必要に応じて速度通知部16にLAN速度を対向の中継装置(中継装置2)に伝えるよう指示する。なお通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する。
ポート管理部14Eは、速度通知部16から対向の中継装置(中継装置2)のLAN速度を受信した場合、図19に示すテーブルに従って動作を決定し、必要に応じてLAN PORT11Aに、リンク速度を変更するよう指示する。また必要に応じて速度通知部16にLAN速度を対向の中継装置(中継装置2)に伝えるよう指示する。なお通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する(保持する速度は変更前の速度である)。
ポート管理部14Eは、一定周期ごとに、過去に受けた通知により保持している速度情報を用いて、図19に示すテーブルに従って動作を決定し、必要に応じてLAN PORT11Aに、リンク速度を変更するよう指示する。また必要に応じて速度通知部16にLAN速度を対向の中継装置(中継装置2)に伝えるよう指示する。
(動作の説明)
以下、図17を参照して、本実施の形態における動作を説明する。
(動作例:経路91)
速度遅延測定部17は、WAN PORT12からリンクアップの通知を受けると、あらかじめ決められた量(WANリンクの帯域を数秒間使い切るほどの量)の測定フレームを、対向の中継装置に対して送信する。測定フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置1のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部17から送信された測定フレームは、転送制御部13E、WAN PORT12、WAN PORT22、転送制御部23Eを経由して、速度遅延測定部27に到達する。
速度遅延測定部27は、測定フレームを受信すると、帯域の計測を開始する。そして測定フレームの受信が完了すると、測定結果フレームを送信し、速度遅延測定部17に測定結果を返答する。測定結果フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置2のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部27から送信された測定結果フレームは、転送制御部23E、WAN PORT22、WAN PORT12、転送制御部13Eを経由して、速度遅延測定部17に到達する。
速度遅延測定部17は、測定結果フレームを受信すると、測定結果フレーム内に記載されている速度をポート管理部14Eに通知する。
ポート管理部14Eは、速度遅延測定部17からWAN速度の通知を受け、通知された速度を条件141Eに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、LAN PORT11Aに対して、リンク速度を10Mbpsに変更するよう指示する。
なお、本動作例では、速度遅延測定部17から速度遅延測定部27に測定フレームを送信し、速度遅延測定部27から速度遅延測定部17に測定結果フレームを返送しているが、これとは逆に、速度遅延測定部17から速度遅延測定部27に測定要求フレームを送信し、速度遅延測定部27から速度遅延測定部17に測定フレームを返送しても良い。また上記双方を併用しても良い。
上記と同様の動作は中継装置2ででも行われ、この結果LAN PORT21Aは10Mbpsでリンクアップする。
(動作例:経路92)
速度遅延測定部37は、WAN PORT32からリンクアップの通知を受けると、あらかじめ決められた量(WANリンクの帯域を数秒間使い切るほどの量)の測定フレームを、対向の中継装置に対して送信する。測定フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置3のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部17から送信された測定フレームは、転送制御部33E、WAN PORT32、WAN PORT42、転送制御部43Eを経由して、速度遅延測定部47に到達する。
速度遅延測定部47は、測定フレームを受信すると、帯域の計測を開始する。そして測定フレームの受信が完了すると、測定結果フレームを送信し、速度遅延測定部37に測定結果を返答する。測定結果フレームのMAC DAには速度遅延測定MAC、MAC SAには中継装置4のMACアドレスが設定されており、速度遅延測定部47から送信された測定結果フレームは、転送制御部43E、WAN PORT42、WAN PORT32、転送制御部13Eを経由して、速度遅延測定部37に到達する。
速度遅延測定部37は、測定結果フレームを受信すると、測定結果フレーム内に記載されている速度をポート管理部34Eに通知する。
ポート管理部34Eは、速度遅延測定部37からWAN速度の通知を受け、通知された速度を条件141Eに照らし合わせる。そして、LAN速度が1Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信していないことから、速度通知部36に対してLAN速度(1Mbps)を速度通知部46に通知するよう指示する。
速度通知部36は、ポート管理部34EからLAN速度を通知するよう指示を受けると、速度通知用フレームを作成し、転送制御部33E、WAN PORT32、WAN PORT42、転送制御部43Eを経由し、速度通知部46にLAN速度を通知する。速度通知部46は、速度通知部36が送信した速度通知フレームを受信すると、ポート管理部44Eに中継装置3のLAN側速度(1Mbps)を通知する。
ポート管理部44Eは、速度通知部46から対向装置のLAN速度の通知を受け、既に保持しているLAN PORT41Aの速度(100Mbps)、WAN PORT42の速度(10Mbps)と、今回通知された通知された受信速度(1Mbps)を条件141Eに照らし合わせる。そして、LAN速度が100Mbps、WAN速度が10Mbpsであり、さらに速度通知を受信しており、受信速度<LAN速度であることから、LAN PORT41Aに対して、リンク速度を1Mbpsに変更するよう指示する。
LAN PORT41Aは、ポート管理部44Eからリンクアップ速度を1Mbpsに変更するよう指示を受け、リンクアップ速度を1Mbpsに落とす。
PORT64は、LAN PORT41Aがリンクアップ速度を1Mbpsに落としたため、オートネゴシエーションにより、リンクアップを1Mbpsに落とす。
(動作例:ブリッジ6における経路選択)
ブリッジ6内のSTP処理部62は、これまでに述べた動作によって、経路91のルートパスコストは2000000(10Mbps)、経路92のルートパスコストは20000000(1Mbps)であると認識している。このため、経路92側のポートを閉塞し、経路92側のポートからフレームの送受信を行わないようにする。つまり、ブリッジ5とブリッジ6の間の通信は、すべて経路91を通じて行われるようになる。
経路91の最大帯域(10Mbps)と経路92の最大帯域(1Mbps)を比較すると、経路91の最大帯域のほうが大きい。したがって、最適経路を選択できた。
以上の説明により、STPをWAN(キャリアネットワーク等)をまたいだLAN(ユーザネットワーク等)間で利用する場合、実際の利用可能速度と接続リンクのリンク速度の間に差異が生じる場合でも、本実施の形態に示す構成を適用することで、コスト計算が正常に行われ、最適経路が選択れることを示した。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受けてWAN側もしくはLAN側のどちらが隘路(ボトルネック)となるかを調べ、さらにポート管理部がWAN側もしくはLAN側のいずれか低いリンク速度に合わせてリンク速度を制御するからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、ルートパスコストの書換を行う中継装置の接続リンクに隘路がない場合でも、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の速度通知部が自身の直近の隘路の速度を対向の中継装置に通知し、逆に対向の中継装置からの通知を受信してポート管理部に通知するからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、WAN回線の帯域が変動したり、リンクアップ速度とWAN網内の隘路の帯域が異なったりする場合、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内の速度遅延測定部が、測定フレームを送受信することで、WANの帯域を計測するためである。
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態は、第2の実施の形態において、速度通知部により経路計算を行うブリッジの最も近い中継装置に隘路の情報を集約した上で、コスト書換部においてコストの書換を行っていたのに対し、経路上のすべての中継装置において、入力側リンクの帯域に合わせてコストを加算していく。(逆にRST−BPDUで、ポート状態がRoot,Backup,Alternateである、復路のBPDUに関しては、出力側リンクの帯域に合わせてコストを減算していく。)
これにより、速度通知フレーム等を用いずに、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
(構成の説明)
図20を参照して、本実施の形態における構成について説明する。
本発明の第8の実施の形態は、図2に示す第1の実施の形態おけるポート管理部14をポート管理部14Fに、コスト書換部15をコスト書換部15Fに、それぞれ置き換え、経路上のすべての中継装置において、入力側リンクの帯域に合わせてコストを加算していく。尚、上記実施の形態と同様の構成については同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ポート管理部14Fは、LAN PORT11、WAN PORT12からリンクアップ時やリンクダウン時にリンク速度の通知を受け、コスト書換部15Fに、LANおよびWANの速度と、リンクアップ状態かリンクダウン状態かの別を伝える。なお、ポートから通知を受けた速度は、次回の通知があるまで保持する。
ポート管理部14Fは、一定周期ごとに、過去に受けた通知により保持している速度情報およびリンクアップ・ダウン情報を、コスト書換部15Fに伝える。
コスト書換部15Fは、ポート管理部14FからLAN速度およびWAN速度の通知を受けて、これらパラメータを次回の通知があるまで保持し、書換の際に利用する。
コスト書換部15Fは、転送制御部13からBPDUフレームおよび付加情報(入力ポート)を受信した場合、BPDUフレーム内のタイプ情報(BPDU Type)、BPDUフレームのFlagsフィールド内のポート状態(Port Role)、さらに付加情報である入力ポートをもとに、図21に示すテーブルに従って動作および宛先ポートを決定する。もし書換処理が必要な場合は、BPDUフレーム内のRoot Path Costフィールド内に記録されているコストを書換える。そして付加情報として宛先ポート情報を付加して、転送制御部13に返送する。
ポート管理部24Fは、コスト書換部14Fと同様である。
ポート管理部34Fは、コスト書換部14Fと同様である。
ポート管理部44Fは、コスト書換部14Fと同様である。
コスト書換部25Fは、コスト書換部15Fと同様である。
コスト書換部35Fは、コスト書換部15Fと同様である。
コスト書換部45Fは、コスト書換部15Fと同様である。
(動作例)
以下、図20を参照して、本実施の形態における動作を、図1に示した従来技術2において問題が発生していた構成と同様のネットワーク構成およびリンク速度の場合を例に、説明する。
(動作例:前提条件と初期動作)
ここで、ブリッジ5とブリッジ6において、スパニングツリープロトコル(旧IEEE802.1wで規定されているラピッドスパニングツリー)が動作しているものとする。また、ブリッジ5がルートノードであるとする。
STP処理部52は、PORT53が100Mbpsでリンクアップすることから、PORT53にコスト値(ポートパスコスト)として200000を設定する。さらにPORT54が10Mbpsでリンクアップすることから、PORT54にコスト値(ポートパスコスト)として2000000を設定する。
STP処理部62は、PORT63が100Mbpsでリンクアップすることから、PORT63にコスト値(ポートパスコスト)として200000を設定する。さらにPORT64が10Mbpsでリンクアップすることから、PORT64にコスト値(ポートパスコスト)として2000000を設定する。
ここで、中継装置1と中継装置2の間のリンクは、1Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT12は、ポート管理部14Fに、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT22は、ポート管理部24Fに、1Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3と中継装置4の間のリンクは、10Mbpsでリンクアップしているものとする。
WAN PORT32は、ポート管理部34Fに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
WAN PORT42は、ポート管理部44Fに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置1とブリッジ5の間のリンク、および中継装置2とブリッジ6の間のリンクは、それぞれ100Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT11は、ポート管理部14Fに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
LAN PORT21は、ポート管理部24Fに、100Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ここで、中継装置3とブリッジ5の間のリンク、および中継装置4とブリッジ6の間のリンクは、それぞれ10Mbpsでリンクアップしているものとする。
LAN PORT31は、ポート管理部34Fに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
LAN PORT41は、ポート管理部44Fに、10Mbpsでリンクアップしたことを通知する。
ポート管理部14Fは、LAN PORT 11およびWAN PORT12からリンクアップの通知を受け、コスト書換部15Fに対して、LAN速度を100Mbps、WAN速度を1Mbpsと通知する。
ポート管理部24Fは、LAN PORT 21およびWAN PORT22からリンクアップの通知を受け、コスト書換部25Fに対して、LAN速度を100Mbps、WAN速度を1Mbpsと通知する。
ポート管理部34Fは、LAN PORT 31およびWAN PORT32からリンクアップの通知を受け、コスト書換部35Fに対して、LAN速度を10Mbps、WAN速度を10Mbpsと通知する。
ポート管理部44Fは、LAN PORT 41およびWAN PORT42からリンクアップの通知を受け、コスト書換部45Fに対して、LAN速度を10Mbps、WAN速度を10Mbpsと通知する。
(動作例:経路91における往路のBPDUの動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT53にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置1内の転送制御部13は、LAN PORT11からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部15Fは、転送制御部13からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、図21の条件151Fに照らし合わせ、対応する動作152Fを参照する。
コスト書換部15Fは、すでにポート管理部14Fから、LAN速度100Mbps、WAN速度1Mbpsと通知されている為、100Mbps分のコストを200000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(0)+200000=200000より、Root Path Costを200000に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部13は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをWAN PORT12に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置2内の転送制御部23は、WAN PORT22からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部25Fは、転送制御部23からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがWAN、ポート状態がDesignatedであることから、図21の条件151Fに照らし合わせ、対応する動作152Fを参照する。
コスト書換部25Fは、すでにポート管理部24Fから、LAN速度100Mbps、WAN速度1Mbpsと通知されている為、1Mbps分のコストを20000000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(200000)+20000000=20200000より、Root Path Costを20200000に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部23は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT21に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路91のルートパスコストを計算する。このとき、PORT63が100Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に20200000が設定されていることから、STP処理部62は経路91のルートパスコストを20200000+200000=20400000と認識する。
なお、以上に述べた経路91の往路における動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUに対しても、ほぼ同様に適用することができる。しかし以下に述べる経路91における復路の動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUでは発生しない。
(動作例:経路91における復路のBPDUの動作の説明)
以下の説明は、ブリッジ5が送信した往路のRST−BPDUにProposalフラグが設定されており、ブリッジ6がブリッジ5に対してAgreementフラグ付きのBPDUを返送する場合の動作である。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61を通じて、PORT63にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として20200000、ポート状態としてRootが設定されている。(ブリッジ5がルートノード、ブリッジ6が従属ノードになっている)
中継装置2内の転送制御部23は、LAN PORT21からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部25Fは、転送制御部23からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がRootであることから、図21の条件151Fに照らし合わせ、対応する動作152Fを参照する。
コスト書換部25Fは、すでにポート管理部24Fから、LAN速度100Mbps、WAN速度1Mbpsと通知されている為、1Mbps分のコストを20000000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(20200000)−20000000=200000より、Root Path Costを200000に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部23は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをWAN PORT22に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置1内の転送制御部13は、WAN PORT12からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部15Fは、転送制御部13からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がRootであることから、図21の条件151Fに照らし合わせ、対応する動作152Fを参照する。
コスト書換部15Fは、すでにポート管理部14Fから、LAN速度100Mbps、WAN速度1Mbpsと通知されている為、100Mbps分のコストを200000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(200000)−200000=0より、Root Path Costを0に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部13は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT11に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ5内のブリッジ制御部51は、PORT53からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部52に転送する。
STP処理部52は、ブリッジ制御部51よりRST−BPDUを受信し、ポート状態としてRootが設定されていることから、これまでの状態(ブリッジ5がルートノードであり、PORT53はDesignatedポートである)を維持する。
なお、以上に述べた経路91における復路の動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUでは発生しない。
(動作例:経路92における動作の説明)
ブリッジ5内のSTP処理部52は、ブリッジ制御部51を通じて、PORT54にRST−BPDUフレームを送信する。このフレームにはRPC(ルートパスコスト)として0、ポート状態としてDesignatedが設定されている。(ブリッジ5はルートノードになっている)
中継装置3内の転送制御部33は、LAN PORT31からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがLANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてLANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部35Fは、転送制御部33からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、図21の条件151Fに照らし合わせ、対応する動作152Fを参照する。
コスト書換部35Fは、すでにポート管理部34Fから、LAN速度10Mbps、WAN速度10Mbpsと通知されている為、10Mbps分のコストを2000000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(0)+2000000=2000000より、Root Path Costを2000000に書換えた後、転送制御部13に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてWANを設定する。
転送制御部33は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてWANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをWAN PORT32に出力する。この際、付加情報を削除する。
中継装置4内の転送制御部43は、WAN PORT32からRST−BPDUフレームを受信し、入力ポートおよび宛先MACを、図3の条件131に照らし合わせる。そして、入力ポートがWANポート、宛先MACがBPDU−MACであることから、動作132を参照し、入力されたフレームに付加情報(入力ポート)としてWANポートを付加し、RST−BPDUフレームをコスト書換ポートに出力する。
コスト書換部45Fは、転送制御部43からRST−BPDUフレームを受信すると、入力ポートがLAN、ポート状態がDesignatedであることから、図21の条件151Fに照らし合わせ、対応する動作152Fを参照する。
コスト書換部45Fは、すでにポート管理部44Fから、LAN速度10Mbps、WAN速度10Mbpsと通知されている為、10Mbps分のコストを2000000とすると、新Root Path Cost=旧Root Path Cost(2000000)+2000000=4000000より、Root Path Costを4000000に書換えた後、転送制御部43に送り返す。この際、付加情報(宛先ポート)としてLANを設定する。
転送制御部43は、コスト書換部からRST−BPDUフレームおよび宛先ポートとしてLANを受信し、図3に示す条件131および動作132に従って、フレームをLAN PORT41に出力する。この際、付加情報を削除する。
ブリッジ6内のブリッジ制御部61は、PORT63からRST−BPDUフレームが到着すると、STP処理部62に転送する。
STP処理部62は、ブリッジ制御部61よりRST−BPDUを受信し、経路92のルートパスコストを計算する。このとき、PORT64が10Mbpsでリンクアップしており、さらに入力されたRST−BPDUのRoot Path Cost値に0が設定されていることから、STP処理部62は経路92のルートパスコストを4000000+2000000=6000000と認識する。
経路92では、上記に述べた往路のBPDUの転送で、コスト書換処理は発生しなかった。このため復路の転送でも、コスト書換処理は発生しない。
なお、以上に述べた経路92の往路における動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUに対しても、ほぼ同様に適用することができる。しかし経路92における復路の動作は、旧IEEE802.1DのCFG−BPDUでは発生しない。
(動作例:ブリッジ6における経路選択)
ブリッジ6内のSTP処理部62は、これまでに述べた動作によって、経路91のルートパスコストは20400000、経路92のルートパスコストは6000000であると認識している。このため、経路91側のポートを閉塞し、経路91側のポートからフレームの送受信を行わないようにする。つまり、ブリッジ5とブリッジ6の間の通信は、すべて経路92を通じて行われるようになる。
経路91の最大帯域(1Mbps)と経路92の最大帯域(10Mbps)を比較すると、経路92の最大帯域のほうが大きい。したがって、最適経路を選択できた。
以上の説明により、STPをWAN(キャリアネットワーク等)をまたいだLAN(ユーザネットワーク等)間で利用する場合、実際の利用可能速度と接続リンクのリンク速度の間に差異が生じる場合でも、本実施の形態に示す構成を適用することで、コスト計算が正常に行われ、最適経路が選択れることを示した。
なお、本実施の形態は、コスト計算上は、中継装置をブリッジに見立てた場合と等価になる。つまり、ブリッジが通常行うコスト計算処理を、中継装置でも行っていることになる。従来のブリッジは、コスト計算と経路選択の両方を行っていたが、本実施の形態では、コスト計算処理をブリッジのみならず中継装置でも行い、正確なコストに基づく正確な経路選択を可能にしている。
(発明の効果)
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態に挙げた発明を利用すると、接続リンクの物理帯域によってリンクのコストを自動計算する経路制御プロトコル(STP等)が動作する装置(ブリッジ等)が存在する網において、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)と、ブリッジ等の接続リンクのリンク速度との間に差異がある場合に、経路制御プロトコルが動作する装置(ブリッジ等)に設定や修正を加えることなく、隘路の帯域をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、中継装置内のポート管理部がポートからリンク速度の通知を受け、中継装置内のコスト書換部が入出力リンクの速度に合わせてBPDU内のルートパスコストフィールドを書き換えるからである。
また、本実施の形態に挙げた発明を利用すると、ルートパスコストの書換を行う中継装置の接続リンクに隘路がない場合でも、ブリッジ等の間の経路における実際の利用可能速度(隘路の帯域)をコストに反映し、最適経路を選択し、網利用効率を向上させることができる。
これは、ブリッジ等の間に挿入される中継装置(伝送装置やトンネル装置等)において、入力側リンクの帯域に合わせてコストを加算するからである。
第2の実施の形態、第3の実施の形態、および第7の実施の形態では、速度通知を用いて隘路(ボトルネック)の速度を対向の中継装置に通知したが、このような速度通知を用いる代わりに、中継装置をBPDUフレームが通過するごとに、単純にコストを加算(往路の場合)もしくは減算(復路の場合)してもよい。
以上の実施の形態及び実施例では、フレームという用語を用いたが、フレームはイーサネットフレームと同義である。また、パケットはフレームの一部分(フレームのうち、レイヤ3以上のデータ列)であり、フレームに含まれる。
以上好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。当然ながら、以上に述べた実施の形態及び実施例を、相互に組み合わせて実施することもできる。例えば第7の実施の形態で示した構成における速度通知部16の代わりに、第4の実施の形態で示した結果管理部18を適用しても良い。
尚、上述した本発明の端末は、上記説明からも明らかなように、ハードウェアで構成することも可能であるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。
この場合、プログラムメモリに格納されているプログラムで動作するプロセッサによって、上述した実施の形態と同様の機能、動作を実現させる。尚、上述した実施の形態の一部の機能のみをコンピュータプログラムにより実現することも可能である。
上述した本発明によれば、離れたLAN同士をWANを介して接続する広域イーサネットサービスの加入者側の終端装置等に適用できる。また、インターネットVPN装置やインターネットVPNシステムにも適用できる。