JP4815034B2 - 筆記具用外装部材の塗装方法およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Description
また、耐食性を上げるためなどにアルミニウムに陽極酸化皮膜を形成し、封孔処理を施し、アルミニウム表面の反応性を抑制したものもあるが、その上に塗装される加飾塗装の材料との相性が悪いものがあり、塗装はがれなどの密着性の不具合が生じている。
また、上記のような従来の塗装改善技術に関する提案では、筆記具における問題点であるその安全性に関する課題は検討されていない。
すなわち、本発明は、
「1.筆記具用外装部材の塗装工程において、陽極酸化皮膜を有するアルミニウムの上に、下地塗装として少なくとも2層からなるものであって、第一の下地塗装として少なくともアミノプロピルトリアルコキシシランとグリシドキシプロピルトリアルコキシシランとの反応生成物を主成分とする下地塗装をし、その上にエポキシ系、アクリル系から選ばれた1以上の樹脂を主成分とする第二の下地塗装を積層し、さらにその上に加飾塗装を行うことを特徴とする筆記具用外装部材の塗装方法。
2.前記反応生成物が下記一般式で表されるアミノアルコキシシラン系化合物であることを特徴とする第1項に記載の筆記具用外装部材の塗装方法。
3.第1項に記載の陽極酸化皮膜を有するアルミニウムが、陽極酸化皮膜形成後に封孔処理を施したアルミニウムであることを特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用外装部材の塗装方法。
4.第1項ないし第3項の何れかに記載の塗装方法によって製造された外装部材を備えた筆記具。」に関する。
しかしながら、アルマイト材表面の陽極酸化皮膜は吸水しやすいという特徴を有する。従って、そのようなアルマイト材の上に塗装を行うと、アルマイト材と塗膜の間に水が介在してしまうこととなり、その状態で筆記操作等の摩擦・加圧動作を行うと、塗装はがれなどの密着性の不具合を起こすことが多い。
また、アミノアルコキシアルキルシラン系化合物は毒性を有しないので、安全性の高い筆記具用外装部材を得ることができる。
アミノプロピルトリアルコキシシランとしては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどがあり、グリシドキシプロピルトリアルコキシシランとしては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
筆記具は通常円筒形などの筒状を有するので、この方法をとることに重要な効果があり、軸筒などの筆記具用外装部材の内面に下地塗装を施すことなく、主として後に行われる加飾塗装の所望部分のみに下地塗装を施すことができる。
また、その他の機能的、加飾的な処理皮膜を複数設けることも可能である。
この場合、アミノアルコキシシラン系化合物とエポキシ系、アクリル系の樹脂は相性がよいので、密着性などにすぐれている。第二の下地塗装の塗装材としては、エポキシ系がさらに良く、一液型のエポキシ系樹脂が最適である。
実施例1
厚み約0.3mmの円筒形の陽極酸化皮膜を有するアルミニウム(1)の表面にスプレー塗装により予め溶剤に溶解しておいたアミノアルコキシシラン系化合物を塗布し、90〜110℃/5分の乾燥処理を行い、第一の下地塗装(2−1)を行った。
ここで、アミノアルコキシシラン系化合物としては、3-アミノプロピルトリエトキシシランとグリシドキシプロピルトリアルコキシシランの反応生成物を使用した。
その後、その上に、一液型エポキシ系の塗装材を同様にスプレー塗装し、第二の下地塗装(2−2)とし下地塗装(2)を完成した。
さらに、その後、一液型エポキシ系ポリエステル塗料(黒色)を塗布し、加飾塗装(3)とした後に、アクリル樹脂によるクリヤー塗装(4)を施し、筆記具用外装部材としての筆記具の軸筒を完成した。
実施例1の第二の下地塗装材(2−2)をアクリル樹脂に変更した他は実施例1と同様にして筆記具の軸筒を完成した。
実施例1の陽極酸化皮膜を有するアルミニウムを陽極酸化皮膜形成後に封孔処理を施したアルミニウムに変更した他は実施例1と同様にして筆記具の軸筒を完成した。
実施例1において下地塗装(2−1、2−2)を全くしなかった他は実施例1と同様にして筆記具の軸筒を得た。
実施例1において下地塗装(2)には3-アミノプロピルトリメトキシシランを主成分とする塗装材を用い、一層型の下地塗装(2)を行ったほかは実施例1と同様にして筆記具の軸筒を得た。
密着性評価:沸騰水に1時間、部材を浸漬し、部材表面をカッターナイフにて傷つけたあと、市販のセロハン粘着テープを貼着し、90°に引きはがし、塗装のはがれの状態を目視により評価した。
耐汗性評価:「JIS L0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法D法 酸性人工汗液(液組成=塩化ナトリウム、乳酸、尿素、アンモニア水、硫化ナトリウム、ショ糖)」を使用し、20℃×72時間、部材を浸漬し、部材表面をカッターナイフにて傷つけたあと、市販のセロハン粘着テープを貼着し、90°に引きはがし、塗装のはがれの状態を目視により評価した。
また、実施例3のものについて、陽極酸化皮膜を有するアルミニウムに封孔処理を施したものを使用したが、封孔処理をしない実施例1〜2と同等の密着性能を有する塗装膜を得ることができ、なおかつ軸筒内面の耐食性は実施例1〜2に比べてさらに良好な結果を得ることができた。
一方、比較例1〜2のものは、密着性、耐汗性ともに悪く、塗装の剥離が見られた。
2・・・下地塗装
2−1・・・下地塗装1
2−2・・・下地塗装2
3・・・加飾塗装
4・・・クリヤー塗装
Claims (4)
- 筆記具用外装部材の塗装工程において、陽極酸化皮膜を有するアルミニウムの上に、下地塗装として少なくとも2層からなるものであって、第一の下地塗装として少なくともアミノプロピルトリアルコキシシランとグリシドキシプロピルトリアルコキシシランとの反応生成物を主成分とする下地塗装をし、その上にエポキシ系、アクリル系から選ばれた1以上の樹脂を主成分とする第二の下地塗装を積層し、さらにその上に加飾塗装を行うことを特徴とする筆記具用外装部材の塗装方法。
- 請求項1に記載の陽極酸化皮膜を有するアルミニウムが、陽極酸化皮膜形成後に封孔処理を施したアルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用外装部材の塗装方法。
- 請求項1ないし3の何れかに記載の塗装方法によって製造された外装部材を備えた筆記具。
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