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JP4815068B2 - 搬送機構及びこれを備えた自動倉庫 - Google Patents

搬送機構及びこれを備えた自動倉庫 Download PDF

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JP4815068B2
JP4815068B2 JP2001164858A JP2001164858A JP4815068B2 JP 4815068 B2 JP4815068 B2 JP 4815068B2 JP 2001164858 A JP2001164858 A JP 2001164858A JP 2001164858 A JP2001164858 A JP 2001164858A JP 4815068 B2 JP4815068 B2 JP 4815068B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直循環式の搬送機構及びこれを備えた自動倉庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動倉庫には様々のタイプがあり、棚への荷の出し入れを1台のスタッカクレーンで行うスタッカクレーン方式や、各棚段ごとに自走台車を水平走行自在に配置した台車方式、或いは、荷が棚上を移動するように棚を多数本のローラで構成したフリーラック方式などがある。
【0003】
スタッカクレーン方式の場合は、荷はスタッカクレーンによって入庫コンベヤ及び出庫コンベヤと棚との間に直接に移載されるが、台車方式やフリーラック方式の場合は、棚群の端部に近接してリフト装置を設けており、このリフト装置を介して入出庫される。
【0004】
前記リフト装置には、1つのリフターが昇降するだけのものと、多数のリフターが鉛直方向に循環するものとがあり、後者の例は、例えば特公昭55−3241号公報や実開平6−47230号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉛直循環式のリフト装置を備えた自動倉庫において、当該リフト装置の能力をフルに発揮させて出庫又は入庫の能率を高めるには、リフターを連続移動させるが好ましい。
【0006】
その場合、例えば出庫部にリフト装置を設けた場合であると、各棚段ごとに、荷をリフターに移載するための放出コンベヤを設ける必要がある。
【0007】
このような自動倉庫について本発明者が研究したところ、放出コンベヤの高さは一定であるのに対して、リフターの高さは変化する(低くなる)ため、すなわち、荷の移行当初は放出コンベヤとリフターとが同じ高さでも、移行し切るときにはリフターは放出コンベヤよりも低くなるため、いわば荷をリフターにドスンと放り投げるような現象が生じており、このため、衝撃によって荷が損傷しやすいと共に、リフターの耐久性も低くなる虞があった。
【0008】
また、例えば多数の荷を能率良く出庫するには、複数の放出コンベヤから複数のリフターに同時に荷を移載できるのが好ましいが、従来は、リフターの上下間隔には特段の配慮はされておらず、棚の上下間隔とリフターの上下間隔とが一致していないため、複数のリフターに同時に荷を移し換えることはできず、このため、出庫能率が低かった。
【0009】
また、リフターの上下間隔と棚の間隔とが一致していないと、特定のリフターの高さ位置を特定の放出コンベヤ高さに制御するに際して演算系統が複雑になって処理速度が遅く、この面からも出庫能率の向上が阻まれていた。
【0010】
本願発明は、このような問題を改善することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は搬送機構に係るもので、この搬送機構は、1つの荷を載せることのできるリフターの多数個を垂直方向に循環するように設けた垂直循環式リフト装置と、前記リフターに荷を移載するための放出コンベヤと、前記放出コンベヤに荷を送る仮置きコンベヤとを備えている。そして、前記仮置きコンベヤは水平姿勢である一方、前記放出コンベヤは、略水平姿勢からリフターに向けて下向き傾斜した姿勢まで姿勢変更するように前記仮置きコンベヤに近い後端部を中心にして傾動自在であり、前記放出コンベヤには略水平姿勢で前記仮置きコンベヤから荷が送られ、前記リフターへの荷の移載は前記放出コンベヤを傾斜させた姿勢で行われる。
【0012】
請求項2の発明は自動倉庫に係るもので、この自動倉庫は、多数の荷を収納できる棚が多段に設けられた格納庫を備えており、各段の棚の端部に水平姿勢の仮置きコンベヤが接続されて、各仮置きコンベヤにはそれぞれ出庫用の放出コンベヤが接続されており、前記各放出コンベヤの群の外側に、1つの荷を載せることのできるリフターの多数個を垂直方向に循環するように設けた垂直循環式リフト装置が配置されており、循環しているリフターに前記放出コンベヤから荷が移載される構成であって、前記仮置きコンベヤは水平姿勢である一方、前記放出コンベヤは、略水平姿勢からリフターに向けて下向き傾斜した姿勢まで姿勢変更するように前記仮置きコンベヤに近い後端部を中心にして傾動自在であり、前記放出コンベヤには略水平姿勢で前記仮置きコンベヤから荷が送られ、前記リフターへの荷の移載は前記放出コンベヤを傾斜させた姿勢で行われる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2において、前記放出コンベヤには、リフターを検知するセンサーを設けている。
【0014】
請求項4では、請求項2又は請求項3の自動倉庫において、リフト装置における隣合ったリフターの間隔寸法を、棚の上下間隔寸法と同じ寸法に設定している。
【0015】
【発明の作用・効果】
請求項1の発明によると、リフターを連続的に移動させても、リフターの昇降動に追従して放出コンベヤを傾動させることにより、放出コンベヤの先端部とリフターとの間に高低差が生じることを防止又は抑制できる。
【0016】
従って、荷の受け渡しをスムースに行って、荷やリフターに衝撃が掛かるのを抑制できるのであり、その結果、荷の損傷やリフターの耐久性低下を防止することができる。
【0017】
例えば請求項2の場合は、下降するリフターに放出コンベヤから荷を移載することになるが、リフターの下降動に追従して放出コンベヤを下向きに傾斜させることにより、リフターの上面と放出コンベヤの上面とを略同一面状に保持できるため、荷を放出コンベヤからリフターにスムースに載せ換えることができる。
【0018】
その結果、出庫載能率を格段に向上した状態の下で、荷の損傷やリフターの耐久性低下を防止することができる。
【0019】
ところで、例えば請求項2の場合、放出コンベヤの前傾タイミングが早すぎると、荷がリフターの前面に衝突してしまう虞がある。この点、請求項3のように構成すると、リフターの位置をセンサーによって正確に検知できるため、放出コンベヤの傾斜動をリフターの下降動に追従させることをより正確に行うことができ、リフターへの荷の受け渡しを正確に行うことができる。
【0020】
請求項4のように構成すると、各リフターは棚の上下間隔と同じ間隔で移動するため、複数の段の放出コンベヤから複数のリフターに対して同時に荷を移し換えることができる。従って、出庫の能率を格段に向上することができる。
【0021】
また、どのリフターがどの高さ位置にあるかを制御装置で演算するに際して、演算式が単純になるため、どのリフターとの間で荷の受け渡しを行ったら良いかの演算処理を高速で行える。その結果、リフターの移動制御を迅速に行うことができて、入出庫の能率を一層向上することができる。
【0022】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施形態は自動倉庫の出庫部に適用しており、図1は自動倉庫を入庫部の方から見た概略斜視図、図2は自動倉庫のうち入庫部寄りの概略平面図であり、先ず、これらの図に基づいて、自動倉庫のうち出庫部を除いた概要を説明する。
【0024】
(1).概要
自動倉庫は、荷Wを間口方向に並べて並設できる棚1を多段に備えた格納庫2と、格納庫2の前面と重なるように配置した台車走行部3と、格納庫2と平面視で直列状に並ぶように配置した入庫用仮置き部4とを備えている。なお、図1では2つの自動倉庫を背中合わせに配置した状態を示している。
【0025】
格納庫2は、多数本の前後支柱5と、各棚段ごとに配置したフロントフレーム6及びリアフレーム7とで主要骨組みが構成されている。他方、各台車走行部3は、支柱5と、各棚段ごとに配置したフロント及びリアのレール6,8とで主要骨組みが構成されており、一対のレール6,8上を自走台車9が走行するようになっている。
【0026】
格納庫2のフロントフレーム6と台車走行部3のフロントレール6とは同じ部材であり、このため同じ符号で示している。
【0027】
入庫用仮置き部4は、前後の支柱5及び各棚段ごとに配置した前後レール10で主要骨組みが構成されており、各レール10の対には、仮置き用台車(トラバーサー、或いは移動式仮置き棚と言い換えても良い)11が走行自在に配置されている。
【0028】
台車走行部3は入庫用仮置き部4の略中間部まで延びており、このため、仮置き用台車11から自走台車9に荷Wを載せ換えることができる。なお、入庫用仮置き部4は台車方式には限らず、ローラコンベヤ方式などでも良い。
【0029】
(2).入庫部
入庫用仮置き部4の前面に沿った部位でかつ台車走行部3の側方には、一対のコラム12を介して入庫用昇降台(リザーバ)13を昇降自在に配置している。また、入庫用仮置き部4の下方には、入庫用コンベヤ14の終端に接続された入庫用仮置きコンベヤ15を設けている。
【0030】
図3の概略斜視図に示すように、入庫用昇降台13は本体フレーム16を備えており、この本体フレーム16に5組の移載ユニット17を設けている。各昇降ユニット17はそれぞれ多数本のフォーク18を備えており、5つの移載ユニット17は、全体として、下降状態で前進してから上昇して昇降したり、上昇状態で前進してから下降して後退したりする。
【0031】
本体フレーム16の左右両端に昇降ガイド体19を設け、この昇降ガイド体19に、コラム16に沿って昇降するためのガイドローラ20を設けている。昇降ガイド体19は、コラム12の上端に軸支したスプロケットに巻掛けられたチェーン21に吊り下げられており、チェーン21駆動することにより、入庫用昇降台13を任意の高さに昇降させることができる。
【0032】
前記入庫用仮置きコンベヤ15はローラコンベヤ方式になっており、隣合ったローラの間に入庫用昇降台13のフォーク18が入るようになっている。従って、移載ユニット17を下降状態で前進させてから上昇させて後退させることにより、五個の荷Wを入庫用昇降台13に一斉に移し換えることができる。
【0033】
(3).入庫用仮置き部及び仮置き用台車
図4に示すように、仮置き用台車11は、平面視矩形の車体フレーム23を備えており、この車体フレーム23に、パイプを横向きL字状に曲げて形成した支持体24を多数並設している。
【0034】
仮置き用台車11には5個の荷Wを並べて載せ得るようになっている。そして、仮置き用台車11の荷載置部は多数本の支持体24で櫛歯状になっているため、入庫用昇降台13を上昇させてから、各移載ユニット17を上昇状態で前進させてから下降させて後退させることにより、5個の荷Wを仮置き用台車11に一斉に載せ換えることができる。
【0035】
図示していないが、車体フレーム23は、入庫用仮置き部4のレール10を走行する複数対の車輪を備えている。図2に示すように、入庫用仮置き用部4の端部に位置した支柱5と、後部のレール10に設けたブラケット(図示せず)とにそれぞれスプロケット25を回転自在に取り付け、両スプロケット25にチェーン26を巻き掛けている。チェーン26は、入庫用仮置き用部4の端部に配置したモータ27で駆動される。
【0036】
そして、図2及び図4に示すように、チェーン26の一部に、ブラケット28を介して車体フレーム23の端部が固定されている。従って、モータ27を正逆回転させることにより、仮置き用台車14を台車走行部3箇所に前進させたり後退させたりすることができる。
【0037】
(4).棚1の構造
図5に示すように、棚1は、仮置き用台車11と同様に、奥行き方向に延びる多数本の支持体24を備えている。
【0038】
各支持体24の前後両端は支持フレーム29に固定されており、前部の支持フレーム29はフロントフレーム6の上向き凹溝6aに嵌め込まれており、後部の支持フレーム29はリアフレーム7の内面に固定されている。
【0039】
(5).自走台車
図6に示すように、自走台車9は平面視で長方形に形成された本体フレーム30を備えており、本体フレーム30に、モータ31で駆動される一対ずつの走行車輪32と、フォーク18を備えた5つの移載ユニット33とを設けている。
【0040】
移載ユニット33はそれぞれ駆動用モータ34を備えている。モータ34を正転させると、移載ユニット33は下降状態で前進してから上昇に転じて後退する。これにより、入庫用仮置き台車13から荷Wを載せ替えることできる。逆に、モータ34を逆転させると、移載ユニット33は上昇状態で前進してから下降に転じて後退する。これにより、荷Wを棚1に載せ替えることができる。
【0041】
自走台車9において各移載ユニット33を独自に駆動し得るのは、棚1に荷Wを収納するに際して必ずしも棚1に一括収納できる空きがあるとは限らず、また、出庫すべき荷物が必ずしも5個並んでいるとは限らないからである。
【0042】
(6).出庫部の概要
次に、本発明が適用されている出庫部の概要を図7に基づいて説明する。格納庫2を挟んで入庫用仮置き用部4と反対側に位置した部位には、自走台車9から5個の荷Wを一斉に載せ換えできる長さの出庫用仮置きコンベヤ36を各棚段ごとに設けている。
【0043】
各出庫用仮置きコンベヤ36を挟んで棚1と反対側の部位には、放出コンベヤ37が配置されており、放出コンベヤ37の群を挟んで出庫用仮置きコンベヤ36と反対側の部位には、循環式出庫装置38を配置している。
【0044】
この循環式出庫装置38は、上下に長く延びる一対のガイドフレーム39と、その上端間と下端間とに回転自在に取り付けたスプロケット40と、上下スプロケット40に巻き掛けたチェーン41と、棚1の上下間隔Hと同じ間隔寸法でチェーン41に取り付けた多数のリフター42とを備えている。
【0045】
ガイドフレーム39は支持フレーム43で倒れ不能に保持されている。図示していないが、ガイドフレーム39の下端部には、チェーン41を駆動するモータが取り付けられている。
【0046】
最下段に位置した放出コンベヤ37と出庫用仮置きコンベヤ36との下方には、櫛歯型の払い出しコンベヤ44と、これに接続された中継コンベヤ45とが配置されている。荷Wは、リフター42から櫛歯型の払い出しコンベヤ44及び中継コンベヤ45に移載され、次いで、プッシャーのような横移動手段(図示せず)により、中継台46を介して出庫コンベヤ47に載せ換えられる。
【0047】
(7).出庫用仮置きコンベヤ
図8は出庫部の平断面図、図9は図8の一部拡大図、図10(A)は斜視図、図11は側断面図である。
【0048】
例えば図10に示すよう、出庫用仮置きコンベヤ36は、チェーン49で駆動される多数のローラ50を備えたローラコンベヤ方式になっており、隣り合ったローラ50の間には、自走台車9のフォーク21が入る空間が空いている。従って、1〜5個の荷Wを自走台車9から出庫用仮置きコンベヤ36に移載できる。
【0049】
(8).放出コンベヤ
放出コンベヤ37は一対のサイドフレーム51を備えており、両サイドフレーム51のうち出庫用仮置きコンベヤ36に近い後端部には駆動プーリ52が貫通しており、先端部には従動プーリ53が回転自在に取り付けられており、これらのプーリ52,53にベルト54を巻き掛けている。
【0050】
駆動プーリ42の一端部は送り用モータ55の回転軸に連結されており、他端部は、支柱5に固定された固定フレーム56に回転自在に軸支されている。従って、放出コンベヤ37は、駆動プーリ52を中心にして上下揺動し得る。送り用モータ55は固定フレーム56に固定されている。
【0051】
一対のサイドフレーム51は補強軸57で一体に連結されている。また、サイドフレーム51には、ベルト54を支持する複数のアイドルプーリ58が回転自在に軸支されている。
【0052】
サイドフレーム51の前端寄り部位には前後長手の長穴59が空いており、この長穴59に作動軸60が貫通している。作動軸60の両端にはそれぞれ同方向に延びるアーム61が固定されており、一方のアーム61は、傾動用モータ62に設けたギアボックスの出力軸に固定されており、他方のアーム61は、ピンによって固定フレーム56に回動自在に取付けられている。
【0053】
このため、アーム60と作動軸60とはクランクの形態を成している。従って、傾動用モータ62を駆動してアーム61を下向きに回動させると、放出コンベヤ37を下向きに傾動させることができる。
【0054】
作動軸60には、ベルト54に当たるローラ63を回転自在に嵌め込んでいる。図11に示すように、左右の固定フレーム56は、放出コンベヤ37の回動位置規制を兼用する補強フレーム64で連結されている。
【0055】
図9〜図11に示すように、左右サイドフレーム51には、リフター42を検出するための光電式の第1センサー65を設けている(リミットスイッチのような接触式センサーや、他の非接触的センサーを使用しても良い)。
【0056】
前記両アーム61のうち一方のアーム61にはドグ66を一体に設けている。また、図10に模式的に示すように、固定フレーム56や傾動用モータなどに、ドグ66を検知するための第2センサー67を設けている。
【0057】
(9).循環式出庫装置
次に、主として図12〜図13に基づいて、リフター42を説明する。
【0058】
図12及び図13とも分離斜視図であり、これらの図に示すように、リフター42は、上下2個のベース体69,70を備えており、下ベース体70に、軸受け71とブラケット72及びピン73により、4本(他の本数でも良い)の受けフォーク74が基部を中心にして上下回動するように取付けられている。
【0059】
上ベース69には、その左右両側に位置した第1サイドローラ75が回転自在に取付けられており、下ベース70には、第2サイドローラ76と第3サイドローラ77とが回転自在に取り付けられている。また、上ベース69は下向き凸状に形成され、下ベース70と上向き凹状に形成されており、上下ベース70は、第2サイドローラ76の回転軸により、屈曲可能な状態に連結されている。
【0060】
図13(A)に示すように、下ベース70の背面には平面視コ字状のブラケット78が固定されており、このブラケット78を、ピン79でチェーン41に連結している。また、上下ベース69,70の背面には、一対ずつのバックローラ80を回転自在に取付けている。
【0061】
ガイドフレーム39は、サイドローラ75〜77が転動自在に嵌まるガイド溝81と、バックローラ80が転動するガイド面82とを備えており、これらガイド溝81とガイド面82とが環状に連続していることにより、チェーン41の周回によって各リフター42が上下に循環(周回)する。
【0062】
その場合、受けフォーク74は下ベース70に対して回動自在に取付けられているため、図14に明示するように、上昇行程では受けフォーク74は自重によって下向きの姿勢になっており、下降行程に転じると、受けフォーク74は自重によって荷Wを載せ得る姿勢に倒れ回動する。
【0063】
本実施形態のように、上昇行程で受けフォーク74を下向きに倒すと、スペースを有効利用できる利点がある。
【0064】
一対のガイドフレーム39は、適当な間隔で配置した補強杆84で連結されている。また、図14に示すように、ガイドフレーム39の上下両端部は、やや半径外側に膨らんだ状態になっている。これは、各サイドローラ75〜77の周回をスムースに行うためである(本実施形態ではなくても良い
例えば図14に示すように、受けフォーク74は棚に近い側に位置すると斜め上向きに傾斜するように設定している。そこで、下ベース70には、荷Wを前面を広い面積で受けるための姿勢保持体83を固定している。
【0065】
また、各受けフォーク74の先端部には、荷Wの脱落を防止するための突起74aを設けている。突起74aは、受けフォーク74の先端に向けて緩く傾斜し、手前側では急激に傾斜している。これは、放出コンベヤ37からの荷Wの受け渡しをスムースに行うためである。
【0066】
ところで、リフター42のベースが1個だけでこれに上下のサイドローラを取付けていると、リフター42がガイドフレーム39の上下湾曲部を周回する場合、ブラケット78の周回の曲率半径がスプロケット40のピッチ円の半分の寸法で一定であることから、サイドローラがガイド溝81につかえる(こじれる)現象が発生する。
【0067】
このため、ガイドフレーム39におけるガイド溝81の溝幅を上下湾曲部において広幅にしなければならず、そうすると、加工の手間が嵩む。しかも、リフター42がガイドフレーム39の上下湾曲部をスムースに通過し難い。
【0068】
これに対して、本実施形態のように、リフター42のベース69,70を上下複数に分離構成して、各ベース69,70にサイドローラ75〜77を設けると、ガイドフレーム39におけるガイド溝81が等幅であっても、上下ベース70の姿勢が変わることによってつかえ現象が回避されるため、ガイドフレーム39の上下湾曲部において上下ベース70をスムースに通過させることができる利点がある。
【0069】
(10). 払い出しコンベヤ及び中継コンベヤ
図15は払い出しコンベヤ44及び中継コンベヤ45の斜視図、図16は平面図であり、これらの図に示すように、払い出しコンベヤ44は、櫛歯状に形成された軸受けフレーム85を備えており、この軸受けフレーム85に軸支した主動プーリ86と従動プーリ87とにベルト88が巻掛けられている。
【0070】
また、軸受けフレーム85には多数のアイドルプーリ89を設けている。主動プーリ87はモータ90で駆動される。言うまでもないが、隣合ったベルト88の間の空間をリフター42の受けフォーク74が通過し、これにより、荷Wがリフター42から払い出しコンベヤ44に受け渡される。
【0071】
(11). リフターへの載せ換え
出庫装置38のリフター42は連続的に移動している。そこで、図11(B)や図14から理解できるように、放出コンベヤ37からリフター42への荷Wの移し換えに際して、放出コンベヤ37を、リフター42の下降動に追従させて略水平状の姿勢から前傾姿勢に傾斜させる。
【0072】
このように放出コンベヤ37がリフター42の下降に追従して前傾することにより、荷Wの受け渡し行程で、受けフォーク74の上面と放出コンベヤ37の上面とを同一面状に保持できるため、荷Wをリフター42に対してスムースに滑り移動させることができる。
【0073】
本実施形態では、放出コンベヤ37の駆動(荷Wの送り)と前傾タイミングとは、第1センサー65でリフター42を検知することによって行う。すなわち、第1センサー65により、受けフォーク74の先端が放出コンベヤ37と同じ高さになったことを検知したら、荷Wの送りを開始すると共に、放出コンベヤ37を前傾させ始める。
【0074】
この場合、第1センサー65で検知してから傾動用モータ62が作動するまでには僅かながらタイムラグがあるから、そのタイムラグを考慮して放出コンベヤ37の前傾が開始するように、制御装置を設定している。
【0075】
例えば、第1センサー65を放出コンベヤ37よりも若干高い位置に設けて、受けフォーク74を放出コンベヤ37よりもやや高い位置で検知して、受けフォーク74の先端が放出コンベヤ37と同じ高さになるのと同時に放出コンベヤ37の前傾動が始まるように設定することができる。
【0076】
ところで、前傾状態から放出コンベヤ37を水平状態に戻すに際して、放出コンベヤ37が水平状の初期姿勢よりも跳ね上がった状態に戻り過ぎたり、逆に、戻り足らなかったりすると、リフター42に対する荷Wの放出タイミングがずれてしまう。
【0077】
すなわち、放出コンベヤ37が基準状態よりも跳ね上がった状態に戻り過ぎると、放出コンベヤ37受けフォーク74よりも高くなって荷Wをリフター42に放り投げる状態になるため、放出コンベヤ37を傾動させるとの意義が低下してしまう。逆に、放出コンベヤ37が戻り足りない場合は、放出コンベヤ37が受けフォーク74の先端よりも低くなって、荷Wが受けフォーク74に衝突してしまう虞がある。
【0078】
この点については、第2センサー67を使用して、例えば、放出コンベヤ37が水平状に戻る寸前に傾動用モータ62を減速させることにより、ドグ66を第2センサー67で検知したらモータ62を瞬時に停止させる、という制御によって解消できる。
【0079】
傾動用モータ62に減速開始信号を送る手段としては、放出コンベヤ37が元の姿勢に戻る僅か前にドグ66を検出する減速開始検知用センサーを設けておいても良いし、モータ62の出力軸の回転角度を検知する角度センサーを設けておいても良いし、或いは、放出コンベヤ37が戻り開始時を始点として作動するタイマーを使用しても良い。
【0080】
放出コンベヤ37が水平状に戻る僅かに前にドグ66を第2センサー67で検知するように設定しておいて、ドグ67を検知したら減速して正確に停止するように設定することも可能である。放出コンベヤ37を水平姿勢に保持するストッパーを設けることも可能である。
【0081】
(12). 払い出しコンベヤへの載せ換え
図17では、リフター42から払い出しコンベヤ44への荷の受け渡し状態を示している。
【0082】
ところで、払い出しコンベヤ44で荷Wを搬送する場合、ベルト88が荷Wに対して部分的に接触していると、荷Wを正確に搬送できない虞がある(荷Wが水平旋回したり、中継コンベヤ45に正しく移行できない虞がある)。
【0083】
他方、本実施形態のようにリフター42の受けフォーク74をある角度θで上向きに傾斜させると、受けフォーク74が払い出しコンベヤ44の上面から抜け切るまでは、荷Wには受けフォーク74の抵抗が作用しているため、ベルト88が部分的に接触しても搬送はされず、受けフォーク74が払い出しコンベヤ44から抜けると、荷Wは平坦な姿勢になって、その底面に各ベルト88の摩擦が均等に作用する。
【0084】
つまり、受けフォーク74が上向きに傾斜していることにより、荷Wには、受けフォーク74か払い出しコンベヤ44を抜けるまでは、払い出しコンベヤ44のベルト88の引き込み力に対する抵抗が作用しており、この抵抗が一気に無くなることにより、荷Wを払い出しコンベヤ44で正確に搬送できるのである。
【0085】
このように払い出しコンベヤ44への受け渡しに際して搬送抵抗を付与することによって正確に搬送することは、受けフォーク74の先端部に突起74aを設けることも寄与している。従って、受けフォーク74を傾斜させることと、突起74aを設けることとの少なくともいずれか一方を採用したら良い。
【0086】
(14). その他
本発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。放出コンベヤはベルト式に限らず、ローラ式などでも良い。また、本発明の搬送装置は自動倉庫の入庫部に適用することも可能であり、もちろん、自動倉庫以外の荷捌き設備にも適用可能である。
【0087】
また、フリーラック方式の棚を備えた自動倉庫の入庫又は出庫部に適用することも可能である。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動倉庫を入庫部側から見た概略斜視図である。
【図2】自動倉庫のうち入庫部寄りの部分の概略平面図である。
【図3】入庫用昇降台の概略斜視図である。
【図4】入庫用仮置き部の部分斜視図である。
【図5】棚の部分的な分離斜視図である。
【図6】自走台車の概略斜視図である。
【図7】自動倉庫のうち出庫部の斜視図である。
【図8】出庫部の平断面図である。
【図9】図8の部分拡大図である。
【図10】 (A)は出庫部の部分斜視図、 (B)は放出コンベヤの機構図である。
【図11】 (A)は放出コンベヤの側断面図、 (B)は作用を示す図である。
【図12】循環式出庫装置の分離斜視図である。
【図13】循環式出庫装置の分離斜視図である。
【図14】放出コンベヤからリフターへの移載状態を示す側面図である。
【図15】払い出しコンベヤの斜視図である。
【図16】払い出しコンベヤの平面図である。
【図17】払い出しコンベヤへの移載状態を示す側面図である。
【符号の簡単な説明】
1 棚
2 格納庫
3 台車走行部
4 入庫用仮置き部
9 自走台車
11 入庫用仮置き台車
13 入庫用昇降台
15 入庫用仮置きコンベヤ
36 出庫用仮置きコンベヤ
37 放出コンベヤ
38 循環式出庫装置
42 リフター
44 払い出しコンベヤ
45 中継コンベヤ
47 出庫コンベヤ
74 受けフォーク
65,67 センサー

Claims (4)

  1. 1つの荷を載せることのできるリフターの多数個を垂直方向に循環するように設けた垂直循環式リフト装置と、前記リフターに荷を移載するための放出コンベヤと、前記放出コンベヤに荷を送る仮置きコンベヤとを備えており、
    前記仮置きコンベヤは水平姿勢である一方、
    前記放出コンベヤは、略水平姿勢からリフターに向けて下向き傾斜した姿勢まで姿勢変更するように前記仮置きコンベヤに近い後端部を中心にして傾動自在であり、前記放出コンベヤには略水平姿勢で前記仮置きコンベヤから荷が送られ、前記リフターへの荷の移載は前記放出コンベヤを傾斜させた姿勢で行われる、
    搬送機構。
  2. 多数の荷を収納できる棚が多段に設けられた格納庫を備えており、各段の棚の端部に水平姿勢の仮置きコンベヤが接続されて、各仮置きコンベヤにはそれぞれ出庫用の放出コンベヤが接続されており、前記各放出コンベヤの群の外側に、1つの荷を載せることのできるリフターの多数個を垂直方向に循環するように設けた垂直循環式リフト装置が配置されており、循環しているリフターに前記放出コンベヤから荷が移載される構成であって、
    前記仮置きコンベヤは水平姿勢である一方、
    前記放出コンベヤは、略水平姿勢からリフターに向けて下向き傾斜した姿勢まで姿勢変更するように前記仮置きコンベヤに近い後端部を中心にして傾動自在であり、前記放出コンベヤには略水平姿勢で前記仮置きコンベヤから荷が送られ、前記リフターへの荷の移載は前記放出コンベヤを傾斜させた姿勢で行われる、
    自動倉庫。
  3. 前記放出コンベヤに、リフターを検知するセンサーを設けている、
    請求項1に記載した搬送機構又は請求項2に記載した自動倉庫。
  4. 前記リフト装置における隣合ったリフターの間隔寸法を、棚の上下間隔寸法と同じ寸法に設定している、
    請求項2又は請求項3に記載した自動倉庫。
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