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JP4814864B2 - パケット多重化装置及びパケット多重化プログラム - Google Patents

パケット多重化装置及びパケット多重化プログラム Download PDF

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JP4814864B2 JP2007304334A JP2007304334A JP4814864B2 JP 4814864 B2 JP4814864 B2 JP 4814864B2 JP 2007304334 A JP2007304334 A JP 2007304334A JP 2007304334 A JP2007304334 A JP 2007304334A JP 4814864 B2 JP4814864 B2 JP 4814864B2
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Description

本発明は、ヘッダを圧縮したパケットと、ヘッダを非圧縮のパケットとを、多重化するパケット多重化装置及びパケット多重化プログラムに関する。
従来、パケットのヘッダを圧縮するヘッダ圧縮技術に、IPヘッダ圧縮フォーマットがある。このIPヘッダ圧縮フォーマットとして、RFC2508(Compressing IP/UDP/RTP Headers for Low−Speed Serial Links)やRFC3095(RObust Header Compression(ROHC):Framework and four profiles:RTP,UDP,ESP,and uncompressed)等が知られている。
これらのヘッダ圧縮技術は、複数のパケットが連続する同一フローに属する当該パケットのヘッダに記述されているヘッダ情報が、まったく同一であるか又は予測可能であることが多いという性質を利用している。なお、ヘッダ圧縮したパケットのヘッダには、最低限のヘッダ情報に加えて、フローを特定するコンテキストID(以下、CIDという)が記述されている。
具体的なヘッダ圧縮技術として、同一フローに属するすべてのパケットについて、ヘッダ情報のすべてを含めることをせずに、一部のパケットには、ヘッダ情報のすべて及びCIDを含め、その他の部分のパケットには、ヘッダ情報の一部及びCIDを含めることとしている。以下、ヘッダ情報のすべて及びCIDを含むヘッダをフルヘッダといい、このフルヘッダが付加されているパケットをフルヘッダパケットといい、また、CIDを含むヘッダを圧縮ヘッダ(又はフル圧縮ヘッダ)といい、この圧縮ヘッダが付加されているパケットを圧縮ヘッダパケット(又はフル圧縮パケット)という。
そして、このヘッダ圧縮技術では、送信側の端末(以下、送信端末という)と受信側の端末(以下、受信端末という)との間で、CIDとヘッダ情報の一部とを予め対応付けておいたCIDテーブルを共有しておいて、送信端末から受信端末に、同一のフローに属するパケットについて、フルヘッダパケット及び圧縮ヘッダパケットを送信し、送信端末と受信端末との間で、CIDをキーとして、すべてのヘッダ情報を共有することとしている。
すなわち、同一のフローに属するパケットについて、フルヘッダパケット及び圧縮ヘッダパケットを受信した受信端末は、CIDテーブルを参照し、すべてのヘッダ情報を復元する。ここで、従来のヘッダ圧縮技術の例(ここでは、IPヘッダ圧縮)であるパケット送受信システムを、図9を参照して説明する。
図9に示したパケット送受信システム101は、送信端末103と受信端末105とから構成されている。
送信端末103は、入力されたパケットの一部について、ヘッダ圧縮を行って、フルヘッダのパケット(以下、フルヘッダパケットという)とヘッダ圧縮されたパケット(以下、圧縮ヘッダパケットという)を送信している。送信端末103に入力されたパケットは、データ本体であるペイロードに、IPヘッダ及びUDPヘッダが付加されたものである。
IPヘッダ及びUDPヘッダに記述されている情報が、ヘッダ情報であり、プロトコル、送信元アドレス、送信先アドレス等の情報である。この図9において、圧縮ヘッダパケットは、CIDヘッダとペイロードとから構成されており、フルヘッダパケットは、CIDヘッダとIPヘッダとUDPヘッダとペイロードとから構成されている。なお、1つのフローには、少なくとも1つのフルヘッダパケットと多数の圧縮ヘッダパケットとが含まれている
受信端末105は、少なくとも1つのフルヘッダパケットと多数の圧縮ヘッダパケットとが含まれたフローを受信して、圧縮ヘッダパケットの圧縮ヘッダについて、ヘッダの伸張を行って、元々のパケット(送信端末103に入力された状態)にして出力している。
ここで示したように、送信端末103は、CIDテーブルを用いて、ヘッダ情報とCIDとを対応付けており、受信端末105は、CIDテーブルを用いて、CIDからヘッダ情報を復元している。
なお、特許文献1に開示されている「パケット送信装置およびパケット伝送方法」では、フルヘッダパケットを送信する間隔を制限することで、ヘッダ圧縮効率の低下が抑制できることを提案している。
また、特許文献2に開示されている「パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末」では、フルヘッダパケットを正しく受信できなかった時に、引き続いて受信したパケットの圧縮ヘッダの伸張が行えないため、正しく受信できなかった時以降に受信したフルヘッダパケットを受信した際に、当該フルヘッダパケットのフルヘッダの情報を用いて、時間的に遡って受信した圧縮ヘッダの伸張(復元)を行うことを提案している。
さらに、特許文献3に開示されている「パケット送信装置、パケット受信装置およびパケット伝送方法」では、受信したパケットに連続してエラーが検出された時に、CIDテーブルを更新するため、フルヘッダのパケットを送信するように、受信側から送信側に要求することを提案している。
以上のように、ヘッダ圧縮を行ったパケットの伝送を行う場合、フルヘッダを持つパケットにより、送信端末・受信端末が共通のCIDテーブルを保持することが重要である。
従来のヘッダ圧縮技術では、ヘッダ圧縮として、IPv6ヘッダ及びUDPヘッダの圧縮を行っており、これらIPv6ヘッダ及びUDPヘッダのフィールドを、CIDと関連付けたCIDテーブルの例を図10に示す。このCIDテーブルの例では、IPヘッダのバージョンが6(IPv6)の場合であり、これらにおいて“CID”が割り当てた番号を示しており、“Version”がヘッダのバージョン番号を示しており、“SrcAddr”が送信元のIPアドレスを示しており、“DstAddr”が宛先(受信先)のIPアドレスを示しており、“SrcPort”が送信元のポート番号を示しており、“DstPort”が宛先(受信先)のポート番号を示している。
なお、ここで説明した従来のヘッダ圧縮技術であるIPヘッダ圧縮は、現在までのところ、電話系のアプリケーションで主に用いられている。この電話系のアプリケーションでは、セッションの開始・終了が明示されるため、セッションの開始時にフルヘッダを持つパケットの伝送が行われ、送信端末・受信端末の間で共通のCIDテーブルを保持することができる。
特許第3323483号公報 特許第3730835号公報 特許第3323484号公報
しかしながら、映像ストリーミング等を行うアプリケーションでは、受信側の受信端末において、任意のタイミングでパケット(フルヘッダパケット又は圧縮ヘッダパケット)の受信を開始可能であるため、受信開始直後には、フルヘッダパケットを受信していると限らず、CIDテーブルを保持していない場合が生じる。このため、圧縮ヘッダパケットを受信しても、フルヘッダパケットを受信して、該当するCIDレコードを含んだCIDテーブルを保持するまでは、圧縮ヘッダパケットの復元ができず、受信したパケットを廃棄しなければならない場合がある。これを防ぐために、フルヘッダパケットを定期的、且つ、確実に送信することが重要になる。しかし、フルヘッダパケットのフルヘッダは、すべてのヘッダ情報に加え、CIDを含むため情報量が多く、このフルヘッダを持つフルヘッダパケットを頻繁に送信することは、一般に伝送効率の低下を招くことになる。
ところで、送信端末から受信端末までの間が、可変長のパケットを、固定長のスロット(以下、伝送スロットという)に多重して、一定間隔で送信する伝送路で構成されている場合、この伝送路では、一定時間で伝送可能な情報量が、伝送可能なスロット長と伝送される毎秒のスロット数とから一意に決定される。
そして、このような伝送路に対し、従来のヘッダ圧縮技術による送信端末において、送信するパケットのヘッダを圧縮する動作と、パケットを伝送スロットに多重する動作とを独立して行う場合には、情報量の多いフルヘッダを持つフルヘッダパケットを伝送可能な領域が、伝送スロット上に存在する状況であっても、ヘッダを圧縮する動作が行われ、圧縮ヘッダを持つ圧縮ヘッダパケットとして送信される場合がある。
このため、受信端末では、伝送スロット上にフルヘッダパケットを伝送する領域が有ったにも拘わらず、圧縮ヘッダパケットを受信することとなり、フルヘッダパケットを受信できない場合が生じ、圧縮ヘッダパケットの復元を成功させる機会を減少させてしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、送信側から受信側までの間が、可変長のパケットを、固定長の伝送スロットに多重化して伝送する伝送路で構成されている場合に、受信側にて、圧縮ヘッダパケットの復元を成功させる機会を減少させることなく行わせることができるパケット多重化装置及びパケット多重化プログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載のパケット多重化装置は、入力されたフローごとに圧縮モード又は非圧縮モードに予め設定されたパケットのそれぞれを可変長のブロックであるコンテナに収め、当該コンテナを固定長のブロックである伝送スロットに格納して送信するパケット多重化装置であって、CIDテーブル保持手段と、ヘッダ圧縮手段と、コンテナ化手段と、パディング長算出手段と、パディング制御手段と、伝送スロット格納手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、パケット多重化装置は、CIDテーブル保持手段に、フローごとのパケットが同一のフローに属していることを示すCID及びパケットのヘッダに記述されているヘッダ情報を対応付けたCIDレコードを収めたCIDテーブルを、当該CIDレコードを生成した時刻と共に保持する。そして、パケット多重化装置は、ヘッダ圧縮手段によって、圧縮モードに該当するフローのパケットそれぞれを、CIDを含んだCIDヘッダとヘッダ情報の一部とからなるフルヘッダを有したフルヘッダパケット又はCIDを含んだCIDヘッダを有したフル圧縮パケットとすると共に、CIDテーブル保持手段から圧縮する際に用いるCIDを読み出して、当該CIDと対応付けたヘッダ情報を、CIDテーブル保持手段に書き込む。パケット多重化装置は、コンテナ化手段によって、ヘッダ圧縮手段でヘッダが圧縮されたフルヘッダパケット及びフル圧縮パケットと、非圧縮モードに該当するフローの非圧縮パケットとを、コンテナそれぞれに、収めるパケットを示すコンテナタイプと当該コンテナ長とを付加して収める。そして、パケット多重化装置は、パディング長算出手段によって、コンテナ化手段によりコンテナ化された各コンテナについて、予め設定された時間内に入力されたコンテナのコンテナ長の総和から、予め設定された伝送スロット長を減算することで、伝送スロットに対し、パディング制御する際の基準となる必要パディング長を算出する。そして、パケット多重化装置は、パディング制御手段によって、パディング長算出手段で算出された必要パディング長と、CIDテーブル保持手段のCIDテーブルの中でCIDレコードが生成されてから最も時間が経過しているCIDレコードと、伝送スロットに格納されるコンテナのコンテナタイプとに基づいて、伝送スロットの空き領域を埋めるヌルを収めたヌルコンテナ又はフルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるようにしたコンテナを出力するように制御する。そして、パケット多重化装置は、伝送スロット格納手段によって、パケット制御手段で制御されたヌルコンテナ又はコンテナと、コンテナ化手段でコンテナ化された各コンテナとを格納した伝送スロットを出力する。
請求項2に記載のパケット多重化装置は、請求項1に記載のパケット多重化装置において、前記パディング制御手段が、レコード更新パケット作成手段と、ヌル出力手段と、ヘッダ付替手段と、処理選択手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、パケット多重化装置は、パディング制御手段の処理選択手段によって、CIDテーブル保持手段のCIDテーブルの中でCIDレコードが生成されてから最も時間が経過しているCIDレコードのCIDをnext_CIDとして受信すると共に、必要パディング長と、伝送スロットに格納されるコンテナのコンテナタイプとを受信して、必要パディング長、コンテナタイプ及びnext_CIDに基づいて、レコード更新パケット作成手段、ヌル出力手段及びヘッダ付替手段のいずれかを選択して指示することで、パディング制御を実行させる。そして、パケット多重化装置は、パディング制御手段のレコード更新パケット作成手段によって、フルヘッダパケットのヘッダのみからなるレコード更新パケットを作成する。また、パケット多重化装置は、パディング制御手段のヌル出力手段によって、必要パディング長と同量のヌルを出力する。さらに、パケット多重化装置は、パディング制御手段のヘッダ付替手段によって、フル圧縮パケットのヘッダをフルヘッダパケットのヘッダに付け替えて、当該フルヘッダパケットのヘッダを出力する。
請求項3に記載のパケット多重化プログラムは、入力されたフローごとに圧縮モード又は非圧縮モードに予め設定されたパケットのそれぞれを可変長のブロックであるコンテナに収め、当該コンテナを固定長のブロックである伝送スロットに格納して送信するために、前記フローごとのパケットが同一のフローに属していることを示すCID及び前記パケットのヘッダに記述されているヘッダ情報を対応付けたCIDレコードを収めたCIDテーブルを、当該CIDレコードを生成した時刻と共に保持するCIDテーブル保持手段を備えたコンピュータを、ヘッダ圧縮手段、コンテナ化手段、パディング長算出手段、パディング制御手段、伝送スロット格納手段、として機能させる構成とした。
かかる構成によれば、パケット多重化プログラムは、ヘッダ圧縮手段によって、圧縮モードに該当するフローのパケットそれぞれを、CIDを含んだCIDヘッダとヘッダ情報の一部とからなるフルヘッダを有したフルヘッダパケット又はCIDを含んだCIDヘッダを有したフル圧縮パケットとすると共に、CIDテーブル保持手段から圧縮する際に用いるCIDを読み出して、当該CIDと対応付けたヘッダ情報を、CIDテーブル保持手段に書き込み、コンテナ化手段によって、ヘッダ圧縮手段でヘッダが圧縮されたフルヘッダパケット及びフル圧縮パケットと、非圧縮モードに該当するフローの非圧縮パケットとを、コンテナそれぞれに、収めるパケットを示すコンテナタイプと当該コンテナ長とを付加して収める。そして、パケット多重化プログラムは、パディング長算出手段によって、コンテナ化手段によりコンテナ化された各コンテナについて、予め設定された時間内に入力されたコンテナのコンテナ長の総和から、予め設定された伝送スロット長を減算することで、伝送スロットに対し、パディング制御する際の基準となる必要パディング長を算出し、パディング制御手段によって、パディング長算出手段で算出された必要パディング長と、CIDテーブル保持手段のCIDテーブルの中でCIDレコードが生成されてから最も時間が経過しているCIDレコードと、伝送スロットに格納されるコンテナのコンテナタイプとに基づいて、伝送スロットの空き領域を埋めるヌルを収めたヌルコンテナ又はフルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるようにしたコンテナを出力するように制御する。そして、パケット多重化プログラムは、伝送スロット格納手段によって、パケット制御手段で制御されたヌルコンテナ又はコンテナと、コンテナ化手段でコンテナ化された各コンテナとを格納した伝送スロットを出力する。
請求項1、3に記載の発明によれば、フルヘッダパケット、フル圧縮パケット(圧縮ヘッダパケット)及び非圧縮パケットを、収めるパケットを示すコンテナタイプとコンテナ長を付加してコンテナ化し、フルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるように、伝送スロットの空き領域を埋めるヌルを収めたヌルコンテナ又はコンテナを出力するように制御しているので、送信側から受信側までの間が、可変長のパケットを、固定長の伝送スロットに多重化して伝送する伝送路で構成されている場合に、受信側にて、圧縮ヘッダパケットの復元を成功させる機会を減少させることなく行わせることができる。
請求項2に記載の発明によれば、レコード更新パケットを作成したり、ヌルを出力したり、フル圧縮ヘッダをフルヘッダに付け替えたりすることで、フルヘッダを伝送スロットに格納する機会を増加させ、受信側にて、圧縮ヘッダパケットの復元を成功させる機会を減少させることなく、当該圧縮ヘッダパケットの復元を行わせることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。
(パケット多重化装置の構成)
図1にパケット多重化装置のブロック図を示す。この図1に示すように、パケット多重化装置1は、入力されたフローごとのパケット(IPパケット)について、圧縮モード又は非圧縮モードにより、当該パケットのヘッダを圧縮又は非圧縮し、多重化して送信するものであって、ヘッダ圧縮手段3と、CIDテーブル保持手段5と、パケットコンテナ化手段(コンテナ化手段)7と、パディング長算出手段9と、基準信号出力手段11と、パディング制御手段13と、伝送スロット格納手段15とを備えている。
そして、パケット多重化装置1は、図示を省略した受信端末までの伝送路に、送信する情報を固定長のブロックに格納して一定間隔で送信するものを採用しており、この実施形態では、送信する情報を格納する固定長のブロックを、伝送スロットと呼称している。
なお、伝送スロットは、可変長のコンテナを格納したものである。
また、コンテナは、ヘッダ非圧縮のIPパケットの先頭に、又は、ヘッダを圧縮したパケットの先頭に、コンテナのタイプを示す2バイトの符号(コンテナタイプ)と、コンテナの長さを示す2バイトのレングス(コンテナlength)を付加したものである。
そして、伝送スロットの大きさと、コンテナの大きさとについては、一般的な大小関係は存在せず、コンテナの大きさが伝送スロットよりも大きい場合、コンテナは複数の伝送スロットに分割されて送信されることになる。また、コンテナの大きさが伝送スロットよりも小さい場合、伝送スロットに空き領域が発生することがあり、空き領域は伝送時の信号処理に不都合なため、発生した空き領域に‘0’を格納している。この処理をNULL(ヌル)によるパディング処理と呼称している。
図2に伝送スロットへのコンテナの格納例を示す。この図2に示すように伝送スロットにコンテナを格納する場合、様々なバリエーションがある。(a)及び(b)に示したように、1つの伝送スロット(a)に“コンテナ1”とヌルと“コンテナ2の途中まで”とを格納し、別の伝送スロット(b)に、コンテナ2の続きとヌルと“コンテナ3”とヌルとを格納している。また、伝送スロット(c)には“コンテナ4”のみを格納し、伝送スロット(e)には、ヌルのみを格納している。さらに、伝送スロット(d)にはヌルと“コンテナ5”とヌルとを格納し、伝送スロット(f)にはヌルと“コンテナ6”とヌルとを格納している。図1に戻る。
なお、パケット多重化装置1に入力されるフローごとのパケット(IPパケット)は、可変長であり、当該パケット多重化装置1から伝送スロットを出力するタイミングとは、非同期である。
また、伝送スロットは、伝送路で用いる変調パラメータによりその長さが異なり、1496バイト、1870バイト、2244バイト、2805バイト、3366バイト、3740バイト、4114バイト、4488バイト、4675バイト、4862バイト、5049バイトから選択され、パケット多重化装置1に備えられているクロック(基準信号出力手段11から出力されるトリガー信号)に同期した一定間隔で送信される。すなわち、伝送スロットは、変調パラメータを変えなければ、固定長のブロックとなる。
なお、パケット多重化装置1に入力されるフローごとのパケット(IPパケット)は、予めヘッダを圧縮するフロー、ヘッダを圧縮しないフローに分類されている。なお、フローとは、プロトコル、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、宛先IPアドレス、宛先ポート番号の5フィールドの値を等しくするIPパケットの集合である。
ヘッダ圧縮手段3は、パケット多重化装置1に入力されたフローごとのパケットの中で、予めヘッダを圧縮するフローとして入力されたパケットのヘッダを圧縮するもので、パケットタイプ決定手段3aと、ヘッダ付替手段3bとを備えている。
パケットタイプ決定手段3aは、入力されたパケットについて、すべてのヘッダ情報及びCIDを含んだCIDヘッダを持つフルヘッダを有したフルヘッダパケットと、CIDを含んだCIDヘッダを持つ圧縮ヘッダ(フル圧縮ヘッダ)を有した圧縮ヘッダパケット(フル圧縮パケット)とを決定するものである。
このパケットタイプ決定手段3aによるフルヘッダパケットと圧縮ヘッダパケットとの決定は、経過時間によって行われ、フルヘッダパケットを出力してから、所定時間(この実施形態では250ms)経過した後に、フルヘッダパケットを出力することとしており、その所定時間内に圧縮ヘッダパケットを出力していることとしている。
ヘッダ付替手段3bは、パケットタイプ決定手段3aで決定されたパケットタイプ(フルヘッダパケット又は圧縮ヘッダパケット(フル圧縮パケット))に基づいて、入力されたパケットのヘッダを付け替えるものである。このヘッダ付替手段3bによるヘッダの付け替えは、CIDテーブル保持手段5からCIDテーブルを読み出して、この読み出したCIDテーブルの中から、割り当て可能なCID(使用されていないCID)とヘッダ情報とを対応付けて、このヘッダ情報と対応付けたCIDレコードを収めたCIDテーブルをCIDテーブル保持手段5に書き込むことで行われる。
ここで、図3、図4を参照して、フルヘッダパケット、圧縮ヘッダパケット(フル圧縮パケット)等のフォーマットと、CIDヘッダのフォーマットとを説明する。
図3に、フルヘッダパケット、圧縮ヘッダパケット(フル圧縮パケット)、レコード更新パケット(詳細は後記)及び非圧縮パケットのフォーマットを示す。また、図4にCIDヘッダのフォーマットを示す。
図3に示すように、フルヘッダパケット(フルヘッダ)は、CIDヘッダのTypeが“Type8”であり、パケット長が45バイト+データ長であり、CIDヘッダとlengthなしIPv6ヘッダとlengthなしUDPヘッダとデータ(ペイロード)とから構成されている。圧縮ヘッダパケット(フル圧縮)は、CIDヘッダのTypeが“Type9”であり、パケット長が3バイト+データ長であり、CIDヘッダとデータ(ペイロード)とから構成されている。
なお、lengthなしIPv6ヘッダは、IPv6ヘッダのうちlengthフィールド(2バイト)を除いたヘッダであり、lengthなしUDPヘッダは、UDPヘッダのうちlengthフィールド(2バイト)及びchechsumフィールド(2バイト)を除いたヘッダである。
また、レコード更新パケットは、CIDヘッダのTypeが“Type11”であり、パケット長が45バイトであり、CIDヘッダとlengthなしIPv6ヘッダとlengthなしUDPヘッダとから構成されている。
さらに、非圧縮パケットは、CIDヘッダがなく、パケット長が48バイト+データ長であり、IPv6ヘッダとUDPヘッダとデータとから構成されている。
図4に示すように、CIDヘッダは、12bitのCID(Context IDentification)と、4bitのSN(Sequence Number;連続する番号)と、8bitのTypeからなり、CID、SN、Typeの3Byteである。図1に戻る。
ヘッダ付替手段3bでは、入力されたパケットを、フルヘッダパケットにする場合、CIDヘッダを付加し、IPヘッダからlengthフィールドを取り除いたヘッダ、UDPヘッダからlengthフィールド及びchecksumフィールドを取り除いたヘッダを、データに付加する。また、ヘッダ付替手段3bでは、入力されたパケットを、圧縮ヘッダパケット(フル圧縮パケット)にする場合、IPヘッダ及びUDPヘッダを取り除き、CIDヘッダのみをデータに付加する。
CIDテーブル保持手段5は、CIDと、IPヘッダのlengthフィールド並びにUDPヘッダのlengthフィールド及びchecksumフィールドを除く各フィールドの値と、を対応付けたCIDレコードとして収めたCIDテーブルを保持するものである。
そして、このCIDテーブルが、送信側と受信側とで共有されることで、CIDをキーとしてすべてのヘッダ情報を共有することができる。つまり、受信側にて、CIDを含む圧縮ヘッダパケットを受信した場合、保持するCIDテーブル(CIDが共通するCIDレコード)を参照して、すべてのヘッダ情報を復元することができる。なお、CIDテーブルに保持されるIPヘッダ及びUDPヘッダのフィールドの情報は、一般的なものであるので、その説明を省略する(背景技術を参照)。
なお、このCIDテーブル保持手段5は、CIDごとにフルヘッダパケット又はレコード更新パケットを送信してから所定時間CIDテーブルを保持しており、この間の経過時間も保持している。また、このCIDテーブル保持手段5は、CIDレコードが生成された時刻を保持している。
パケットコンテナ化手段7は、ヘッダ圧縮手段3でヘッダが圧縮されたフルヘッダパケット及び圧縮ヘッダパケットと、非圧縮のフローに属するパケット(非圧縮パケット)とを、伝送スロットに多重化するために、コンテナと呼称する形式に変換する(コンテナ化する)ものである。
ここで、図5を参照して、コンテナのフォーマットを説明する。この図5に示したように、圧縮IPv6パケットを収めた3種類のコンテナと、非圧縮IPv6パケットを収めた1種類のコンテナとがある。
圧縮IPv6パケットを収めた3種類のコンテナの場合、コンテナタイプとして、収めるパケット(フルヘッダパケット、フル圧縮パケット、レコード更新パケット)を示す2バイトの符号、さらに、コンテナlengthとして、CIDヘッダを含めたデータ長を2バイトで示している。そして、圧縮IPv6パケットを収めた3種類のコンテナは、これらコンテナタイプ及びコンテナlengthに、フルヘッダパケット、圧縮ヘッダパケット(フル圧縮パケット)及びレコード更新パケットのいずれかを付加したものである。なお、フルヘッダパケットを収めたコンテナをフルヘッダパケットコンテナ、圧縮ヘッダパケットを収めたコンテナを圧縮ヘッダパケットコンテナ(フル圧縮パケットコンテナ)、レコード更新パケットを収めたコンテナをレコード更新パケットコンテナという。
非圧縮IPv6パケットを収めた1種類のコンテナの場合、コンテナタイプとして、収めるパケット(非圧縮パケット)を示す2バイトの符号、さらに、コンテナlengthとして、IPv6ヘッダ及びUDPヘッダを含めたデータ長を2バイトで示している。そして、非圧縮IPv6パケットを収めたコンテナの場合、これらコンテナタイプ及びコンテナlengthに、非圧縮パケットを付加したものである。非圧縮パケットを収めたコンテナを非圧縮パケットコンテナという。図1に戻る。
パケットコンテナ化手段7は、パケットをコンテナ化したコンテナ(フルヘッダパケットコンテナ、圧縮ヘッダパケットコンテナ、非圧縮パケットコンテナ)を、パディング長算出手段9に出力する。なお、このパケットコンテナ化手段7からは、パディング長算出手段9に、レコード更新パケットコンテナを出力することはない。
パディング長算出手段9は、パケットコンテナ化手段7から入力されたコンテナを、伝送スロット格納手段15に、入力された順に出力すると共に、入力されたコンテナの長さ(2バイトのコンテナタイプ及び2バイトのコンテナlengthを含むコンテナ長)を、入力された順に累積するものである。そして、パディング長算出手段9は、基準信号出力手段11からリセット信号が入力されると、累積した総和から予め設定された伝送スロット長を減算することで必要パディング長を算出して、パディング制御手段13に出力するものである。
必要パディング長は、累積した総和から伝送スロット長を減算した値が0以上の正数の場合、伝送スロット格納手段15から送信する伝送スロットにパディングの必要はないので“0”となる。また、必要パディング長は、累積した総和から伝送スロット長を減算した値が負数の場合、その絶対値となる。なお、パディング長算出手段9は、累積した総和から伝送スロット長を減算した値が負数の場合、その絶対値をパディング制御手段13に出力すると同時に累積した総和を0にリセットする。
パディング長算出手段9は、累積した総和から伝送スロット長を減算した値が0以上の正数の場合、累積した総和から伝送スロット長を減算した値が負数の際に累積した総和を0にリセットした場合、いずれも引き続き、パケットコンテナ化手段7から入力されたコンテナのコンテナ長を累積する動作を繰り返す。
基準信号出力手段11は、リセット信号をパディング長算出手段9に出力すると共に、伝送スロット格納手段15にトリガー信号を出力するものである。この基準信号出力手段11は、図6に示すように、パディング長算出手段9にリセット信号を出力した後、予め設定した時間δ経過後に、伝送スロット格納手段15にトリガー信号を出力している。この基準信号出力手段11は、これらリセット信号とトリガー信号とを交互に出力している。そして、伝送スロット格納手段15は、トリガー信号が入力されると、コンテナを格納した伝送スロットを伝送路に出力している。つまり、この予め設定した時間δが経過するまでの間に、パディング制御手段13から出力されたヌルコンテナ又はコンテナ(これらの詳細は後記する)が伝送スロットに収められることになる。
パディング制御手段13は、パディング長算出手段9で算出された必要パディング長と、フルヘッダパケットと圧縮ヘッダパケットとの送出間隔と、コンテナタイプとに基づいて、フルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるように、伝送スロットに格納するヌルコンテナ又はコンテナを出力するように制御するものである。このパディング制御手段13は、処理選択手段13aと、レコード更新パケット作成手段13bと、レコード更新パケットコンテナ化手段13cと、ヌル出力手段13dと、ヌルコンテナ化手段13eと、フル圧縮ヘッダ付替手段13fとを備えている。
なお、フルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるようにとは、パケットコンテナ化手段7からコンテナが出力されてから、伝送スロット格納手段15から伝送スロットが出力されるまでの時間(前記したδに相当)に、伝送スロットに、フルヘッダを収められる空き領域がある場合には、少なくとも1個含まれるようにすることであり、具体的には、処理選択手段13aの処理による。
処理選択手段13aは、パディング長算出手段9から入力された必要パディング長を受信し、この必要パディング長の値に応じて、処理を選択するものである。この処理選択手段13aによって選択される処理とは、レコード更新パケット作成手段13bによるレコード更新パケットの作成か、ヌル出力手段13dによるヌルの出力か、フル圧縮ヘッダ付替手段13fによるフル圧縮ヘッダをフルヘッダに付け替えるのかのいずれかの処理を指している。なお、処理選択手段13aは、必要パディング長が0の場合、伝送スロットは、コンテナで埋め尽くされ、空き領域は存在していないと判定し、いずれの処理も選択せずに動作を終了する。
また、処理選択手段13aは、CIDテーブル保持手段5を参照して、CIDテーブルで保持されているフルヘッダパケット又はレコード更新パケットを送信してから最も時間が経過しているフローと対応付けられているCIDを、next_CIDとして保持することとしている。さらに、この処理選択手段13aは、伝送スロット格納手段15から伝送スロットを伝送路に出力したことを示す信号を受信している。
この処理選択手段13aは、必要パディング長が予め設定した第一数未満(この実施形態では、第一数=42、0<必要パディング長<42)と判定した場合、伝送スロットには42バイト未満の空き領域が存在しているとし、ヌルを出力する指示を、ヌル出力手段13dに与える。
また、この処理選択手段13aは、必要パディング長が予め設定した第一数以上、第二数未満(この実施形態では、第一数=42、第二数=49、42≦必要パディング長<49)と判定した場合、伝送スロットには42バイト以上49バイト未満の空き領域が存在しているとし、且つ、この伝送スロットにフル圧縮パケットを格納したコンテナが含まれていない場合に、ヌルを出力する指示を、ヌル出力手段13dに与える。
さらに、この処理選択手段13aは、必要パディング長が予め設定した第一数以上、第二数未満(42≦必要パディング長<49)と判定した場合、且つ、この伝送スロットにフル圧縮パケットを格納したコンテナが含まれている場合に、当該フル圧縮パケットのCIDが、next_CIDであるか否かを判定し、next_CIDのフル圧縮パケットである場合、当該フル圧縮パケットのフル圧縮ヘッダを、フルヘッダに付け替える指示を、フル圧縮ヘッダ付替手段13fに与える。
そして、この処理選択手段13aは、必要パディング長が予め設定した第一数以上、第二数未満(42≦必要パディング長<49)と判定した場合、且つ、この伝送スロットにフル圧縮パケットを格納したコンテナが含まれていない場合に、伝送スロットに最後に格納したフル圧縮パケットのフル圧縮ヘッダを、フルヘッダに付け替える指示を、フル圧縮ヘッダ付替手段13fに与える。
そしてまた、この処理選択手段13aは、必要パディング長が予め設定した第二数以上(49≦必要パディング長)と判定した場合、伝送スロットには49バイト以上の空き領域が存在しているとし、且つ、この伝送スロットに格納されたコンテナにフル圧縮パケットが含まれているか否かを判定し、フル圧縮パケットが含まれていないと判定した場合には、next_CIDのレコード更新パケットを作成する指示を、レコード更新パケット作成手段13bに与える。
なお、この処理選択手段13aは、レコード更新パケット作成手段13bにレコード更新パケットを作成する指示を与えた場合、必要パディング長を第二数(この実施形態では49)だけ減算する。この第二数は、レコード更新パケットをコンテナ化した際のコンテナ長である。
さらにまた、この処理選択手段13aは、必要パディング長が予め設定した第二数以上(49≦必要パディング長)と判定した場合、伝送スロットには49バイト以上の空き領域が存在しているとし、且つ、この伝送スロットに格納されたコンテナにフル圧縮パケットが含まれているか否かを判定し、フル圧縮パケットが含まれていると判定した場合には、フル圧縮パケットのCIDを確認し、フル圧縮パケットのフル圧縮ヘッダを、フルヘッダに付け替える指示を、フル圧縮ヘッダ付替手段13fに与える。
レコード更新パケット作成手段13bは、処理選択手段13aからの指示に従って、指定されたnext_CIDのヘッダ情報をCIDテーブル保持手段5から得て、レコード更新パケットを作成するものである。
レコード更新パケットコンテナ化手段13cは、レコード更新パケット作成手段13bで作成されたレコード更新パケットを、コンテナ化して、伝送スロット格納手段15に出力するものである。このレコード更新パケットコンテナ化手段13cは、レコード更新パケットをコンテナ化する際に、コンテナタイプに圧縮IPv6パケットを用いている。
ヌル出力手段13dは、処理選択手段13aからの指示に従って、ヌル(0)を出力するものである。
ヌルコンテナ化手段13eは、ヌル出力手段13dから送信されたヌルをコンテナ化して、伝送スロット格納手段15に出力するものである。なお、このヌルコンテナ化手段13eでコンテナ化されたものがヌルコンテナである。
フル圧縮ヘッダ付替手段13fは、処理選択手段13aからの指示に従って、伝送スロットに格納されているコンテナに収められているフル圧縮パケットのフル圧縮ヘッダを取り除き、代わりに同一CIDのフルヘッダに付け替えると共に、コンテナlengthのフィールドの値に第一数だけ加算し、再度伝送スロットに多重するものである。なお、このフル圧縮ヘッダ付替手段13fは、フル圧縮ヘッダをフルヘッダに付け替えた場合は、必要パディング長の値を第一数だけ減算する。つまり、この第一数は、フル圧縮ヘッダからフルヘッダに付け替えたことによるヘッダ量の増分となる。
なお、フルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるようにしたコンテナとは、レコード更新パケットコンテナ化手段13cによって、レコード更新パケットがコンテナ化されたものと、フル圧縮ヘッダ付け替え手段13fによって、フル圧縮ヘッダがフルヘッダに付け替えられたものとを指している。
伝送スロット格納手段15は、パディング長算出手段9から入力されたコンテナと、パディング制御手段13から出力されたヌルコンテナ又はコンテナとを伝送スロットに格納して、基準信号出力手段11からトリガー信号が入力された時に、当該伝送スロットを伝送路に出力するものである。
このパケット多重化装置1によれば、パケットコンテナ化手段7によって、フルヘッダパケット、フル圧縮パケット(圧縮ヘッダパケット)及び非圧縮パケットを、パケットに応じたコンテナタイプとコンテナ長を付加してコンテナ化し、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、フルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるように、伝送スロットの空き領域に埋め込むヌルコンテナ又はコンテナ(フルヘッダパケットコンテナ、レコード更新パケットコンテナ)を出力するように制御しているので、可変長のパケットを、固定長の伝送スロットに多重化して伝送する伝送路によって送信側と受信側との間が構成されている場合に、受信側にて、圧縮ヘッダパケットの復元を成功させる機会を減少させることなく、当該圧縮ヘッダパケットの復元を行わせることができる。
また、このパケット多重化装置1によれば、レコード更新パケット作成手段13bによりレコード更新パケットを作成したり、ヌル出力手段13dによりヌルを出力したり、フル圧縮ヘッダ付替手段13fによりフル圧縮ヘッダをフルヘッダに付け替えたりすることで、フルヘッダを伝送スロットに格納する機会を増加させ、圧縮ヘッダパケットの復元を成功させる機会を減少させることなく、受信側にて、当該圧縮ヘッダパケットの復元を行わせることができる。
(パケット多重化装置の動作)
次に、図7、図8を参照して、パケット多重化装置1の動作について説明する(適宜、図1参照)。図7に示したフローチャートにより、パケット多重化装置1の全体動作を、図8に示したフローチャートにより、パディング制御手段13の動作を説明する。なお、図8において、l_pad(length_padding)が必要パディング長を示している。
図7に示したように、まず、パケット多重化装置1は、フローごとのパケットを受信する(ステップS1)。この場合、ヘッダを圧縮するフローごとのパケットは、ヘッダ圧縮手段3によって受信され、ヘッダを圧縮しないフローごとのパケットは、パケットコンテナ化手段7によって受信される。
続いて、パケット多重化装置1は、ヘッダ圧縮手段3によって、ヘッダを圧縮し、フルヘッダパケット及びフル圧縮パケットをパケットコンテナ化手段7に出力する(ステップS2)。そして、パケット多重化装置1は、ヘッダ圧縮手段3から出力されたフルヘッダパケット及びフル圧縮パケットと、ヘッダを圧縮しないフローごとのパケット(非圧縮パケット)とのそれぞれを、コンテナ化する(ステップS3)。
そして、パケット多重化装置1は、パディング長算出手段9によって、コンテナを伝送スロット格納手段15に出力し、伝送スロットに格納する(ステップS4)。そして、パケット多重化装置1は、伝送スロット格納手段15によって、伝送スロットを伝送路に出力する(ステップS5)。
なお、パケット多重化装置1は、パディング長算出手段9によって、コンテナを伝送スロット格納手段15に出力する際に、必要パディング長を算出し、パディング制御手段13に出力する。また、必要パディング長は、リセット信号がパディング長算出手段9に入力されてから次のリセット信号が入力されるまでの間に、パディング長算出手段9を通過していったコンテナのコンテナ長を累積した総和から伝送スロット長を減算することで求められる。
図8に示したように、パケット多重化装置1は、パディング長算出手段9によって、パディング制御手段13の処理選択手段13aに、l_pad(必要パディング長)を入力(代入)する(ステップS11)。そうすると、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、CIDテーブル保持手段5に保持されている、フルヘッダパケット又はレコード更新パケットを送信してから最も時間が経過しているフローに対応付けられているCIDをnext_CIDとして保持(確認)する(ステップS12)。
続いて、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、l_padが0かどうかを判定する(ステップS13)。パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、l_padが0であると判定した場合(ステップS13、Yes)、動作を終了する(パディング処理は行わない)。
そして、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、l_padが0でないと判定した場合(ステップS13、No)、l_padの値が42未満か、42以上49未満か、49以上であるかを判定する(ステップS14)。
そして、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、l_padの値が42未満であると判定した場合、l_padの量だけヌルを伝送スロット(スロット)に格納するようにヌル出力手段13dを制御する(ステップS15)。
また、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、l_padの値が42以上49未満であると判定した場合、伝送スロットにフル圧縮ヘッダを持つパケットが含まれているか否かを判定する(ステップS16)。
さらに、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、l_padの値が49以上であると判定した場合、伝送スロットにフル圧縮ヘッダを持つパケットが含まれているか否かを判定する(ステップS17)。
そして、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、S16にて、伝送スロットにフル圧縮ヘッダを持つパケットが含まれていないと判定した場合(ステップS16、No)は、S15に進み、S16又はS17にて、伝送スロットにフル圧縮ヘッダを持つパケットが含まれていると判定した場合(ステップS16又はステップS17、Yes)、フル圧縮ヘッダを持つパケットがnext_CIDのフル圧縮ヘッダであるか否かを判定する(ステップS18)。
そして、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、フル圧縮ヘッダを持つパケットがnext_CIDのフル圧縮ヘッダであると判定した場合(ステップS18、Yes)、フル圧縮ヘッダをフルヘッダに差し替えるようにフル圧縮ヘッダ付替手段13fを制御する(ステップS19)。また、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、フル圧縮ヘッダを持つパケットがnext_CIDのフル圧縮ヘッダでないと判定した場合(ステップS18、No)、伝送スロットに最後に格納したフル圧縮ヘッダをフルヘッダに差し替えるようにフル圧縮ヘッダ付替手段13fを制御する(ステップS20)。
また、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、S17にて、伝送スロットにフル圧縮ヘッダを持つパケットが含まれていないと判定した場合(ステップS17、No)、next_CIDのCIDレコードを伝送スロットに格納するように、つまり、当該CIDレコードに対応付けられているヘッダ情報から、フルヘッダパケットのヘッダのみからなるレコード更新パケットを作成するように、レコード更新パケット作成手段13bを制御する(ステップS21)。
そして、パケット多重化装置1は、パディング制御手段13の処理選択手段13aによって、S19又はS20を処理した場合、必要パディング長から42バイトを減算し(l_pad−42)(ステップS22)、S21を処理した場合、必要パディング長から49バイトを減算し(l_pad−49)(ステップS23)、next_CIDを更新して(ステップS24)、ステップS13に戻る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、パケット多重化装置1として説明したが、このパケット多重化装置1の各構成の処理を実行し、コンピュータと協働するプログラムとして構成することも可能である。
そして、パケット多重化装置1は、可変長のパケットのヘッダを圧縮し、当該パケットを、固定帯域の伝送路を用いて、受信側の受信端末に伝送する場合に広く適用することができる。
例えば、家庭内のPC(パーソナルコンピュータ)からIPパケットを、LANを介して、サーバに伝送するアプリケーションにおいて、家庭内のLAN又は家庭から最寄りの収容局までの通信回線を固定帯域の伝送路とみることができる。このため、アプリケーションがIPパケットをイーサネット(登録商標)に出力する送信部や、家庭から収容局にIPパケットを出力するゲートウェイに、パケット多重化プログラムを組み込むことができる。
また、一般にデジタル通信において、伝送時の誤り耐性を強化するため、伝送する情報に、誤り訂正符号を付加することが多い。そして、この誤り訂正符号として、リードソロモン符号やLDPC符号等のブロック符号を用いる場合、伝送する情報について固定長のブロックを構成する必要がある。この場合に、伝送する情報が予め設定されたブロック長(固定長)に満たない場合、ヌル(NULL)でパディングされることがある。このような場合においても、本願のパケット多重化装置1やパケット多重化プログラムでは、ヌルを可能な限り、本来必要な情報に差し替えることができる。
本発明の実施形態に係るパケット多重化装置のブロック図である。 コンテナと伝送スロットとの関係を示した図である。 各パケットのフォーマットを示した図である。 CIDヘッダのフォーマットを示した図である。 コンテナのフォーマットを示した図である。 基準信号出力手段が出力しているリセット信号とトリガー信号とを示した図である 図1に示したパケット多重化装置の全体動作を示したフローチャートである。 パディング制御手段の動作を示したフローチャートである。 従来のパケット送受信システムを示した図である。 CIDテーブルの例を示した図である。
符号の説明
1 パケット多重化装置
3 ヘッダ圧縮手段
5 CIDテーブル保持手段
7 パケットコンテナ化手段(コンテナ化手段)
9 パディング長算出手段
11 基準信号出力手段
13 パディング制御手段
13a 処理選択手段
13b レコード更新パケット作成手段
13c レコード更新パケットコンテナ化手段
13d ヌル出力手段
13e ヌルコンテナ化手段
13f フル圧縮ヘッダ付替手段
15 伝送スロット格納手段

Claims (3)

  1. 入力されたフローごとに圧縮モード又は非圧縮モードに予め設定されたパケットのそれぞれを可変長のブロックであるコンテナに収め、当該コンテナを固定長のブロックである伝送スロットに格納して送信するパケット多重化装置であって、
    前記フローごとのパケットが同一のフローに属していることを示すCID及び前記パケットのヘッダに記述されているヘッダ情報を対応付けたCIDレコードを収めたCIDテーブルを、当該CIDレコードを生成した時刻と共に保持するCIDテーブル保持手段と、
    前記圧縮モードに該当するフローのパケットそれぞれを、前記CIDを含んだCIDヘッダと前記ヘッダ情報の一部とからなるフルヘッダを有したフルヘッダパケット又は前記CIDを含んだCIDヘッダを有したフル圧縮パケットとすると共に、前記CIDテーブル保持手段から圧縮する際に用いるCIDを読み出して、当該CIDと対応付けたヘッダ情報を、前記CIDテーブル保持手段に書き込むヘッダ圧縮手段と、
    このヘッダ圧縮手段でヘッダが圧縮されたフルヘッダパケット及びフル圧縮パケットと、前記非圧縮モードに該当するフローの非圧縮パケットとを、前記コンテナそれぞれに、収めるパケットを示すコンテナタイプと当該コンテナ長とを付加して収めるコンテナ化手段と、
    このコンテナ化手段によりコンテナ化された各コンテナについて、予め設定された時間内に入力されたコンテナのコンテナ長の総和から、予め設定された伝送スロット長を減算することで、前記伝送スロットに対し、パディング制御する際の基準となる必要パディング長を算出するパディング長算出手段と、
    このパディング長算出手段で算出された必要パディング長と、前記CIDテーブル保持手段のCIDテーブルの中でCIDレコードが生成されてから最も時間が経過しているCIDレコードと、前記伝送スロットに格納されるコンテナのコンテナタイプとに基づいて、前記伝送スロットの空き領域を埋めるヌルを収めたヌルコンテナ又はフルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるようにしたコンテナを出力するように制御するパディング制御手段と、
    このパケット制御手段で制御されたヌルコンテナ又はコンテナと、前記コンテナ化手段でコンテナ化された各コンテナとを格納した前記伝送スロットを出力する伝送スロット格納手段と、
    を備えることを特徴とするパケット多重化装置。
  2. 前記パディング制御手段は、
    前記フルヘッダパケットのヘッダのみからなるレコード更新パケットを作成するレコード更新パケット作成手段と、
    前記必要パディング長と同量の前記ヌルを出力するヌル出力手段と、
    前記フル圧縮パケットのヘッダを前記フルヘッダパケットのヘッダに付け替えて、当該フルヘッダパケットのヘッダを出力するヘッダ付替手段と、
    前記CIDテーブル保持手段のCIDテーブルの中でCIDレコードが生成されてから最も時間が経過しているCIDレコードのCIDをnext_CIDとして受信すると共に、前記必要パディング長と、前記伝送スロットに格納されるコンテナのコンテナタイプとを受信して、前記必要パディング長、前記コンテナタイプ及び前記next_CIDに基づいて、前記レコード更新パケット作成手段、前記ヌル出力手段及び前記ヘッダ付替手段のいずれかを選択して指示することで、パディング制御を実行させる処理選択手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のパケット多重化装置。
  3. 入力されたフローごとに圧縮モード又は非圧縮モードに予め設定されたパケットのそれぞれを可変長のブロックであるコンテナに収め、当該コンテナを固定長のブロックである伝送スロットに格納して送信するために、前記フローごとのパケットが同一のフローに属していることを示すCID及び前記パケットのヘッダに記述されているヘッダ情報を対応付けたCIDレコードを収めたCIDテーブルを、当該CIDレコードを生成した時刻と共に保持するCIDテーブル保持手段を備えたコンピュータを、
    前記圧縮モードに該当するフローのパケットそれぞれを、前記CIDを含んだCIDヘッダと前記ヘッダ情報の一部とからなるフルヘッダを有したフルヘッダパケット又は前記CIDを含んだCIDヘッダを有したフル圧縮パケットとすると共に、前記CIDテーブル保持手段から圧縮する際に用いるCIDを読み出して、当該CIDと対応付けたヘッダ情報を、前記CIDテーブル保持手段に書き込むヘッダ圧縮手段、
    このヘッダ圧縮手段でヘッダが圧縮されたフルヘッダパケット及びフル圧縮パケットと、前記非圧縮モードに該当するフローの非圧縮パケットとを、前記コンテナそれぞれに、収めるパケットを示すコンテナタイプと当該コンテナ長とを付加して収めるコンテナ化手段、
    このコンテナ化手段によりコンテナ化された各コンテナについて、予め設定された時間内に入力されたコンテナのコンテナ長の総和から、予め設定された伝送スロット長を減算することで、前記伝送スロットに対し、パディング制御する際の基準となる必要パディング長を算出するパディング長算出手段、
    このパディング長算出手段で算出された必要パディング長と、前記CIDテーブル保持手段のCIDテーブルの中でCIDレコードが生成されてから最も時間が経過しているCIDレコードと、前記伝送スロットに格納されるコンテナのコンテナタイプとに基づいて、前記伝送スロットの空き領域を埋めるヌルを収めたヌルコンテナ又はフルヘッダが予め設定した時間内に予め設定した個数含まれるようにしたコンテナを出力するように制御するパディング制御手段と、
    このパケット制御手段で制御されたヌルコンテナ又はコンテナと、前記コンテナ化手段でコンテナ化された各コンテナとを格納した前記伝送スロットを出力する伝送スロット格納手段、
    として機能させることを特徴とするパケット多重化プログラム。
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