以下、本発明の一実施の形態に係る小径カメラ10について、図1から図7に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1から図7において一端側とは各図の右側を指し、他端側とは各図の左側を指す。また、入射端側から見て光軸Mがベース部材55の中心軸線に対して偏芯する方向を上方として上下左右の方向を規定する。
図1に示すように、小径カメラ10は、外部ユニット20と、ケーブル部となる可撓ケーブル部30と、カメラ先端部40とを有している。なお、小径カメラ10に、ビデオデッキやその他の部材が付加されることがあるが、そのような場合を含めて小径カメラ10とする。
外部ユニット20は、カメラ先端部40で得られた電気信号を信号処理するコントロール部21と、このコントロール部21で信号処理した映像信号を表示するモニター部22とから主に構成される。コントロール部21は、操作者が把持する部分ともなっており、操作者は、かかるコントロール部21を把持しながらモニター部22を見たり、各種の操作を行うことができる。
なお、コントロール部21には、操作者が各種操作を実行するための、操作ボタン等の操作手段(不図示)が設けられている。操作者がこの操作手段を操作すると、例えば後述する駆動回路(不図示)を駆動制御させることで撮像素子61を動作させたり、発光体50から照明光を照射させたり、その照射強度を変更したり、可撓ケーブル部30を変形させることが可能である。
また、コントロール部21には、バッテリー23が内蔵されている。バッテリー23は、上述したモニター部22およびカメラ先端部40内の部材を作動させるための電源である。
また、外部ユニット20には、ケーブル接続部24が設けられている。ケーブル接続部24は、後述する可撓ケーブル部30が接続される部分である。このケーブル接続部24は、例えば接続インターフェースを具備していて、可撓ケーブル部30の一端側に存在する接続端子(不図示)を接続することが可能となっている。しかしながら、可撓ケーブル部30が、ケーブル接続部24に対して着脱できない固定的な構成を採用しても良い。
なお、操作者の操作に対応して、外部ユニット20には、不図示の操作ボタン等が設けられている。また、外部ユニット20には、不図示のコネクタ部が設けられていて、かかるコネクタ部に外部接続機器を接続することが可能である。なお、外部接続機器の例としては、例えば、小径カメラ10で撮像された画像データを記録するためのデータ記憶装置、およびモニター部22に映し出される画像を印刷するための印刷装置が挙げられる。
また、可撓ケーブル部30(図1では、可撓ケーブル部30のみが断面図で描かれている。)は、ケーブル部材に対応する部分であり、柔軟に変形することを可能としている。この可撓ケーブル部30は、多数の湾曲駒(図示省略)を有している。湾曲駒は、互いに連続する状態で設けられていて、しかも互いに、隣り合う湾曲駒に対して回動可能に取り付けられている。また、かかる湾曲駒が回動した後に、隣り合う湾曲駒との間に生じる摩擦によって、当該回動した状態の傾斜角度を維持可能に設けられている。なお、図2においては、湾曲駒と後述する可撓チューブ33を省略すると共に、可撓ケーブル部30を略チューブ状となる状態に示している。
なお、可撓ケーブル部30は、上述のように湾曲駒を用いる構成には限られない。湾曲駒を用いる以外の構成としては、例えば、可撓性を有すると共に形状を維持することができるポリマー樹脂を用いる構成が挙げられる。さらに、細い帯状の金属の弾性薄板を螺旋状に巻いて形成した螺旋管状のものを用いる構成もある。
上述の湾曲駒が複数連続している状態となっている可撓ケーブル部30には、図1に示すように、その中央を貫くように、挿通孔31が設けられている。すなわち、可撓ケーブル部30を構成する湾曲駒にも、径方向の中心に、孔部(不図示)が設けられている。この挿通孔31には、カメラ先端部40に対して電源供給を行ったり、カメラ先端部40の撮影光学系で撮影された画像データを外部ユニット20に対して送信するための各種配線の束となる配線ケーブル32(図2参照)が挿通されている。また、可撓ケーブル部30の外周側には、配線ケーブル32および不図示の湾曲駒を覆うように、可撓チューブ33(図1参照)が設けられている。
図2は、カメラ先端部40の構成を示す側断面図である。また、図3は、カメラ先端部40の内部構成を示す図で、側面側の筒状部材42およびカバー部45を取り除いた状態の構成を示す側面図である。図4は、カメラ先端部40の内部構成を示す図で、筒状部材42、ジョイント部材43および配線ケーブル32を取り除いた状態を下方から見た場合の構成を示す図である。図5は、カメラ先端部40の内部構成を示す図で、筒状部材42、ジョイント部材43および配線ケーブル32を取り除いた状態を他端側から見た場合の斜視図である。
カメラ先端部40は、図2または図3に示すように、筐体となる円筒状の筒状部材42と、カメラ先端部40とケーブル部となる可撓ケーブル部30とを接続するジョイント部材43と、レンズ光学系を保持すると共に光を透過させるカバー部45と、発光体50と、レンズ光学系を保持するレンズ鏡筒54と、レンズ鏡筒54および撮像素子61を保持するベース部材55と、撮像素子61と、発光体50および撮像素子61に電力を伝達させるためのフレキシブル基板65と、フレキシブル基板65を支持する支持部材70とから主に構成されている。なお、レンズ鏡筒54はベース部材55に対して固定されておらず、ピント調整などにおいて光軸M方向に移動可能となっており、一方、撮像素子61は、ベース部材55の所定位置に配置され、光軸M方向には移動不能となっている。
図2に示すように、筒状部材42は、両端が開口した円筒状の部材であり、その外径は、一端部42aから他端部42bまで同径となっている。筒状部材42の一端部42aには、ジョイント部材43が嵌合されている。ジョイント部材43は、両端が開口した筒状部材であり、その他端側は、一端側より外径が小径となる小径筒状部43aとなっており、その一端側は、他端側より外径が大径となる大径筒状部43bとなっている。
また、小径筒状部43aと大径筒状部43bの外周面に形成される境界部は段部43cとなっている。そして、小径筒状部43aにおける段部43cの他端側近傍の外周面には全周に亘って溝部43dが形成されている。溝部43dは、一端側および他端側の両側から中央に向かって斜めに切り込まれ、その中央は光軸M方向に沿って水平に切り欠かれている。また、小径筒状部43aの他端と溝部43dとの間の外周面には、全周に亘って断面が半楕円形に切り欠かれた半円溝部43eが形成されている。半円溝部43eには、断面が円形状のOリング44aが係合されている。
ジョイント部材43の中央に設けられる孔は、3つの異なる空間部から形成されており、その他端から段部43cが形成されている位置にかけては、光軸M方向から見て、その断面が円形状をした中径空間部43fとなっており、段部43cの位置から一端側の所定の位置となる境界部43gにかけては、中径空間部43fより小径となる断面円形状の小径空間部43hとなっている。また、境界部43gからジョイント部材43の一端にかけて、中径空間部43fより大径となる断面円形状の大径空間部43iとなっている。
ジョイント部材43は、その小径筒状部43aが筒状部材42の内側に嵌合されており、Oリング44aによって、筒状部材42の内部に密着して固定されている。筒状部材42とジョイント部材43の相対的な位置決めは、位置決め部材44bを溝部43dに嵌め込むことによって行われる。位置決め部材44bは、光軸M方向から見てC型形状をした部材であり、その周方向の断面は、図2に示すように略長方形となっている。
位置決め部材44bは、ジョイント部材43の側方から嵌め込まれる。その際、C型形状の開口部44c(図3参照)を溝部43dに差し込むようにして嵌め込む。位置決め部材44bが溝部43dに嵌め込まれた状態では、位置決め部材44bの他端側は、筒状部材の一端側と当接しており、位置決め部材44cの一端側は、段部43cと当接している。したがって、位置決め部材44cの光軸M方向の長さ(幅)を変えることによって、筒状部材42とジョイント部材43との相対的な位置を調整することができる。すなわち、後述するように、レンズ光学系と撮像素子61との間隔を調整(ピント調整)することができる。
大径空間部43iには、可撓ケーブル部30が接続されており、可撓ケーブル部30の他端側は境界部43gに当接している。また、可撓ケーブル部30の挿通孔31に挿通されている配線ケーブル32は、可撓ケーブル部30の他端部を通り過ぎ、後述するフレキシブル基板65まで達している。ジョイント部材43と可撓ケーブル部30の接続は、可撓ケーブル部30の外周面(可撓チューブ33を配置する前の外周面)30aを大径筒状部43bの内周面にエポキシ系接着剤等により隙間なく接着させることにより行われている。
また、筒状部材42は、その他端部42bの端面が後述するカバー部45に形成されている境界面48cに当接し、且つ、カバー部45と一体となるように固定されている。また、カバー部45は、外周被覆部46とレンズカバー部47とから形成されている。外周被覆部46の他端側の外径は、筒状部材42の外径と同径となっている(図2参照)。また、カバー部45の全体の材質は、照明光が通過できるように、透明部材であるアクリル樹脂でできており、入射光が入射する部位は、同一部材からなるカバーガラス部47となっている。カバーガラス部47は、後述するレンズ光学系の光軸M(図2参照)を中心として円形となるように形成されている。
また、外周被覆部46の一端側は、カバー部45を筒状部材42に嵌合させるための導光体部48となっている。導光体部48における境界面48cの近傍は、筒状部材42の内周面全体に亘って嵌合する断面が円筒形状となる円筒保持部48aとなっており、その一端側でかつ図2の下方側は、断面が略三日月状となる三日月保持部48bとなっている。また、円筒保持部48aは、筒状部材42の内側に嵌合されており、境界面48cは、上述したように、筒状部材42の他端部42bの端面と当接している。三日月保持部48bの断面形状は、三日月保持部48bの一端側の端面となる断面部48dと同様な形状となっており、上下方向の長さが最も肉厚となる位置から周方向離れるに従い厚さが肉薄となっていく三日月形状とされている。また、三日月保持部48bの上方は開口している。さらに、カバー部45における三日月保持部48bの内周面は、レンズ鏡筒54の他端側の外周面と隙間なく接触している。また、導光体部48において三日月保持部48bの他端側には、三日月保持部48bより全周に亘って内側に突出した水平段部48eが設けられている。水平段部48eの一端側の境界面は、水平断面48fとなっており、レンズ鏡筒54の他端側の面と当接している。
また、外周被覆部46は、レンズカバー部47と同様に、透明部材であるアクリル樹脂でできており、発光体50,50(図3参照)から発せられた光が導光体部48を通って被写体側に透過できるようになっている。なお、外周被覆部46の内周面、外周被覆部46の他端側の外周面46bおよびカバーガラス部47の外周面は黒色に塗装され、発光体50,50からの照明光が外周被覆部46からレンズ光学系側に漏れることおよび外周被覆部46からカバーガラス部47側に漏れることを防止している。また、カバーガラス部47の外周面を黒色塗装することにより、入射光がカバーガラス部47から外周被覆部46へ漏れることも防止している。
本実施の形態では、レンズ鏡筒54の他端側は、導光体部48の内側面に接着剤等により固定されている。また、上述したように、筒状部材42の他端側は、境界面48cに当接した状態で固定されている。このため、筒状部材42、カバー部45およびレンズ鏡筒54は、一体化され一部材的な扱いが可能となっている。レンズ鏡筒54の内部には、撮像光学系となるレンズ光学系を構成する3つのレンズ、すなわちそれぞれ正面から見たとき円形となる第1のレンズ56、第2のレンズ57、第3のレンズ58が配置されている。また、レンズ鏡筒54の中心軸線は、レンズ光学系の光軸Mと一致している。
このレンズ鏡筒54には、他端側から一端側に向かって、第1のレンズ56を保持するための孔56a、反射光を絞るための絞り孔59、第2のレンズ57を保持するための孔57a、第3のレンズ58を保持するための孔58aが設けられ、それぞれのレンズ56,57,58を保持している。なお、レンズ鏡筒54への各レンズ56,57,58の組み込みは、レンズ鏡筒54が、端子部保持体55に組み込まれる前に行われる。
ベース部材55の他端側は、前述した導光体部48と同様な断面形状をしている。すなわち、図2に示すベース部材55の下方側の肉厚(=断面の長さ)が最も厚くなっており、その位置から周方向離れるに従い断面の厚さ(=径方向の長さ)が薄くなっていく三日月形状となる三日月部55eとなっている。また、三日月部55eの内側には、レンズ鏡筒54の他端側が配置されており、三日月部55eの内周面はレンズ鏡筒54の外周面と隙間なく接触している。
また、ベース部材55の他端側の外周面には、図4において、手前側に向かってハの字状に切り欠かれた2つの平面部55a、55aが形成されている。平面部55a,55aは、最も肉厚な部分を挟んで対称となるように形成されており外周から見た場合、略長方形の形状となっている。また、各平面部55a,55aには、ボス55b,55bがそれぞれ設けられている。ボス55b,55bは、各平面部55a,55aの平面に対して垂直方向外側に突出するように形成されている。さらに、平面部55a,55aの一端側には、断面が半六角形の形状となる3つの平面状の溝からなる係合溝部55cが形成されている。また、導光体部48の最も肉厚な部分に対して入射端側から見て反時計方向側に位置する係合溝部55cの端部から光軸M方向一端側に向かって平行溝部55dが形成されている(図3参照)。平行溝部55dは、係合溝部55cよりも浅く切り欠かれた溝部となっている。
発光体50,50は、LED(Light Emitting Diode)を具備していて、電源からLEDに電流が流されると、発光体50,50のLEDが発光したり光量が変化したりする。本実施の形態では、発光体50,50の形状は略直方体となっており、導光体部48の断面部48dに設けられた2つの凹部に嵌め込まれている。そして、発光体50,50は接着剤によってカバー部45に対して固定されている。各発光体50には、接続端子部(不図示)と電力供給用端子部50aが設けられており、各発光体50,50の接続端子部(不図示)同士は、導電性接着剤によって電気的に接続されている。また、電力供給用端子部50aには、電源供給用のコイルスプリング60の他端が接続されている。
また、各コイルスプリング60,60の一端は、ボス55b,55bに取り付けられている。当該コイルスプリング60の一端は、フレキシブル基板65と導電可能な形でボス55bに巻きつけられ、接着剤によって接着される。さらに、当該ボス55bを熱でつぶしてかしめることによってベース部材55に対して確実に固定されている。このため、発光体50には、コイルスプリング60を介してフレキシブル基板65からの電源が供給される。発光体50に電源を供給するためにコイルスプリング60を採用したため、ピント調整によってレンズ鏡筒54と発光体50を有するカバー部45とが、ベース部材55に対して前後に移動してもコイルスプリング60の弾性力によって発光体50とベース部材55との接続状態は常に維持される。したがって、発光体50への電力の供給を常に行うことが可能となる。
撮像素子61は、ベース部材55の一端側に形成された撮像素子保持部55hに嵌合されることより光軸M方向の所定位置に保持されている。撮像素子61は、CCD(Charge Coupled Device)からなる受光部62をその表面に有している。なお、第3のレンズ58を通過した光は、受光部62で結像され、そして撮像素子61は、この結像(光)を電気信号に変換する。また、受光部62は、平面長方形状の撮像素子61の表面に設けられており、撮像素子61は受光部62より大きな形状とされている。受光部62は、受光部62の中心軸線が撮像素子61全体の中心軸線に対して図2において上方に偏位する形で取り付けられている。また、受光部62の中心軸線は、レンズ鏡筒54の中心軸線と一致するように、すなわちレンズ光学系の光軸Mと一致するように配置される。また、撮像素子61の一端側の側面には、後述するフレキシブル基板65のコ字状部65dの側板部65bに設けられる接続端子(不図示)と接続されるための端子部(不図示)が設けられている。
フレキシブル基板65は、図6に示すように、底板部65aと底板部65aの両端から底板部65aに対して垂直方向に延出する側板部65b,65cとからなるコの字状をしたコ字状部65dを有している。側板部65cの端部からは、側板部65cに対して垂直かつ一端側に平板部65eが延出している。また、図6において、平板部65eの下端部から、平板部65eに対して垂直方向手前に下板部65fが延出しており、さらにその先端からは他端側に向かって垂板部65gが延出している。また、下板部65fと対向するように平板部65eの上方からは、平面状の上板部65hが延出し、さらにその先端からはアーチ状の曲面部65jが垂板部65gに向かって延出している。
さらに、曲面部65jの先端からは、他端側の長手方向に向かって細長い長方形形状となる水平板部65kが延出している。そして、その先端には、水平板部65kに対して図6で、垂直方向奥側に向かって半六角形の形状となる係合部65mが形成されている。また、半六角形形状の係合部65mのうち水平板部65kと繋がっている面65nおよび当該面65nと対向する面65pからは、一端側の長手方向に向かって長方形の平面形状をした係止部65q,65rが延出している。
フレキシブル基板65の平板部65eには、撮像素子61の動作を制御するための駆動回路67が設けられている。また、平板部65eの他端側には、外部ユニット20との間で信号の伝達を行う配線(不図示)が接続されている。コ字状部65dを構成する側板部65bの他端側は、撮像素子61に設けられた端子部(不図示)と半田等により導電可能に接続され、側板部65bの一端側は、後述する、支持部材70の底板部70aの他端側に当接している。
上述した配線(不図示)は、配線ケーブル32として可撓ケーブル部30の挿通孔31を通って、その一部が平板部65eの一端側と接続されることで駆動回路67に接続されている。このため、駆動回路67によって制御された電気信号は、この駆動回路67を介して外部ユニット20を構成するコントロール部21に伝達される。なお、この駆動回路67は、撮像素子61で得られた電気信号を増幅する役目を果たし、撮像素子61から離れて設けられたコントロール部21に電気信号を確実に伝達することができる。また、配線ケーブル32を構成する一部の配線(不図示)が平板部65eの他端側と接続されることで、発光体50,50への電力の供給を可能としている。
また、フレキシブル基板65は、上述した接続端子(不図示)が、撮像素子61に設けられた端子部(不図示)に半田等により接続されると共に、フレキシブル基板65に設けられた係合部65mがベース部材55に形成された係合溝部55cに係合することによって、光軸Mに沿う方向に関してベース部材55に位置決めされる。また、半六角形形状の係合部65mは、係止部65qおよび係止部65rが、コイルスプリング60の一端側との間に狭持されることにより、ベース部材55に対して固定されると共に、コイルスプリング60と導電可能に接続される。そのため、発光体50,50とフレキシブル基板65は導通することとなる。このため、配線ケーブル32からもたらされる電力は、フレキシブル基板65およびコイルスプリング60を介して発光体50,50に供給されることとなる。
フレキシブル基板65は、フレキシブル基板65の形状を安定した状態で支持するための支持部材70により支持されている。剛性を有する支持部材70の形状は、図7に示すように、平板状の底板部70aと底板部70aの両端から底板部70aに対して垂直方向に延出する平板状の側板部70b,70cとからなるコの字状をしたコ字状部70dを有しており、側板部70bの端面から側板部70bに対して垂直にかつ側板部70cに向かって垂板部70eが延出している。
さらに垂板部70eの先端からは、垂板部70eに対して垂直でかつ長手方向一端側に、平板状の平板部70fが延出している。また、図7において、平板部70fの一端側手前の端面からは、断面が円弧状の円板部70gが、下方に向かって約120°に亘って形成されている。さらに、側板部70bの略中央における手前側の端面からはアーチ状の曲板部70hが側板部70cに向かって延出しており、その先端からは、図7の奥側へ向かって側板部70cの内側の面と水平に重なるように支持板部70jが延出している。
次に、フレキシブル基板65の支持部材70による支持について以下に説明する。
図4または図5に示すように、フレキシブル基板65の底板部65a、側板部65b、側板部65cおよび平板部65eの部分については、支持部材70の底板部70aを側板部65bの内側に配置し、また、コ字状部70dの内側に底板部65a、側板部65b,65cおよび平板部65eを配置するようにして、支持部材70により支持している。すなわち、底板部70aの外側の側面が側板部65bの内側の側面に当接して側板部65bを支持することにより、側板部65bの一端側への変形が抑えられる。また、コ字状部70dの内側に配置された底板部65a、側板部65cおよび平板部65eは、側板部70bと側板部70cとの間に配置されることにより上下方向の変形が抑えられる。
また、下板部65fの部分については、その上面側に側板部70cが配置されるように配置して、下板部65fの部分を支持部材70により支持している。すなわち、下板部65fは、側板部70cにより上方への変形が抑えられている。さらに、上板部65hと曲面部65jの部分については、その内側に側板部70bと曲板部70hを配置するようにして、上板部65hと曲面部65jの部分を支持部材70により支持している。すなわち、上板部65hと曲面部65jは、側板部70bと曲板部70hにより内側への変形が抑えられている。このようにして、支持部材70がフレキシブル基板65を支持することにより、フレキシブル基板65の形状が安定するようになっている。
以上のように構成された小径カメラ10のカメラ先端部40の組み立て方法を以下に説明する。
組み立てにあたって、まず2つのアセンブル部材を組み立てる。最初に一方のアセンブル部材の組み立て方法について説明する。まず、外部ユニット20に接続されている可撓ケーブル部30の他端側の外周面を、ジョイント部材43の内周面にエポキシ系接着剤等により接続する。そして、配線ケーブル32を可撓ケーブル部30とジョイント部材43の内側に挿通させ、フレキシブル基板65の平板部65eの他端側に配線ケーブル32の一部(不図示)を半田等により接続させる。次に、フレキシブル基板65を支持部材70の形状に合わせ折り曲げ、支持部材70に貼り付ける。このようにして、フレキシブル基板65を支持部材70によって支持させ、フレキシブル基板65の形状を安定させる。この際、側板部65bに設けられている接続端子(不図示)を撮像素子61に設けられている端子部(不図示)に半田等により接続する。
次に、フレキシブル基板65を支持している支持部材70をジョイント部材43の中径空間部43fに接着剤を用いて接合する。そして、ベース部材55の撮像素子保持部55hに撮像素子61を嵌合させ接着剤により接着する。また、支持部材70によって支持されたフレキシブル基板65の係合部65mをベース部材55に形成された係合溝部55cに貼り付ける形で係合させる。これにより、フレキシブル基板65がベース部材55に光軸Mに沿う方向に関して位置決めされる。なお、支持部材70のフレキシブル基板65への係合を予め実行しておき、その一体物をベース部材55に係合させるようにしても良い。
また、各コイルスプリング60の一端を、ボス55bに巻き付け、接着剤によって固定する。この際、係止部65q,65rを、それぞれコイルスプリング60の一端とベース部材55の平面部55aとの間に狭持させる。このように狭持させることで、発光体50とフレキシブル基板65とは導電可能となり、発光体50に外部ユニット20から電力が供給可能となる。さらに、当該ボス55bを熱でつぶしてかしめることによって、コイルスプリング60の一端をベース部材55に対して確実に固定する。これによって一方のアセンブル部材が完成する。
次に、他方のアセンブル部材の組み立て方法を説明する。まず、外周被覆部46に形成された円孔46dにレンズカバー部47を嵌め込み固定する。また、発光体50,50を導光体部48に設けられた2つの凹部に接着剤により固定させ、各発光体50の接続端子部(不図示)同士を、導電性接着剤によって電気的に接続させる。さらに、レンズ光学系が組み込まれたレンズ鏡筒54を、カバー部45の三日月保持部48bに載置させる。この載置の際または載置後に、カバー部45を、その三日月保持部48bの内側面においてレンズ鏡筒54の他端側と接着剤で固定する。さらに、当該カバー部45の境界面48cの水平段部において筒状部材42の他端側の面と接着剤で固定する。これによって他方のアセンブル部材が完成する。
次に、一方のアセンブル部材を他方のアセンブル部材における筒状部材42の一端側の開口部から挿入し筒状部材42の内部に配置させる。当該一方のアセンブル部材は、ベース部材55側から筒状部材42の内部に挿入される。一方のアセンブル部材を挿入していくと、レンズ鏡筒54の外周面がベース部材55の三日月部55eの内周面にガイドされて進み、コイルスプリング60の他端が発光体50に設けられた電力供給用端子部(不図示)に当接し電気的に接続する。また、筒状部材42は、その一端側においてジョイント部材43に配置されたOリング44aと密着して固定される。これにより、筒状部材42、カバー部45およびレンズ鏡筒54が一体的に固定される。その後、溝部43dに位置決め部材44bを嵌め込むことにより、レンズ鏡筒54の撮像素子61に対する位置決めを行う。そのため、撮像素子61に対するレンズ光学系のピント調整がなされる。
以上のようにして、カメラ先端部40が完成されることで小径カメラ10が完成する。
以上のように構成された小径カメラ10では、筒状部材42、レンズ鏡筒54およびカバー部45とが一体的に固定されている。このため、撮像素子61に対して筒状部材42、レンズ鏡筒54およびカバー部45とが一体として移動する。したがって、筒状部材42を移動させるとレンズ鏡筒54も筒状部材42と一体として移動するため、筒状部材42を移動させることにより、小径カメラ10のピント調整を行うことが可能となる。
このため、小径カメラ10のピント調整を外部から行うことが可能となり、ピント調整の際、小径カメラ10を分解する必要がなくなる。したがって、ピント調整時に小径カメラ10の内部にゴミやほこり等が混入するのを防止できる。また、小径カメラ10を分解する場合と比較してピント調整を容易に行うことが可能となる。
また、この小径カメラ10では、カバー部45がレンズ鏡筒54の他端側に固定されている。また、カバーガラス部47の外径はレンズ鏡筒54の外径とほぼ同径となっており、当該カバーガラス部47の外周面には黒色塗装が施されている。このため、カバーガラス部47とレンズ鏡筒54との間に空間が形成されることがない。したがって、カバーガラス部47に入射した入射光はカバーガラス部47から外側に漏れることなく、入射光は確実にレンズ光学系に導かれることとなる。
また、小径カメラ10では、筒状部材42の一端側の開口部には、ジョイント部材43が嵌め込まれており、ジョイント部材43に形成されている溝部43dに位置決め部材44bを取り付けることで、撮像素子61に対するレンズ鏡筒54の位置決めがなされている。したがって、予め形成された溝部43dに、小径カメラ10の外部から、光軸M方向の長さが異なる位置決め部材44bの中の1つを選択して嵌め込むという容易な手段によりレンズ鏡筒54の種々の位置決めを行うことが可能となる。このため、小径カメラ10を分解することなく種々の位置決め(=撮像素子61とレンズ光学系との距離が種々異なるもの)を行うことができ、位置決め作業が容易なものとなる。
また、小径カメラ10では、位置決め部材44bの形状は、C型形状をとなっているため、ジョイント部材43の側方から位置決め部材44bを嵌め込むことが可能となる。そのため、位置決め部材44bを容易にジョイント部材43に取り付けることが可能となり、位置決め作業がきわめて容易となる。したがって、作業工数を大幅に削減することができると共にコストの低減を図ることが可能となる。
また、小径カメラ10では、レンズ鏡筒54の外周面は三日月部55eの内周面と隙間なく接触している。したがって、ピント調整を行う際、レンズ鏡筒54は、三日月部55eにガイドされて光軸方向に精度良く移動する。このため、レンズ鏡筒54がレンズ鏡筒54の外周面に対して法線方向にずれることが防止され、ピント調整の精度を向上させることが可能となる。
また、小径カメラ10では、フレキシブル基板65は、別部材として撮像素子61に対して接続することができると共に、撮像素子61の背面とフレキシブル基板65を構成する側板部65bを平面接触させて半田付け等により接続することができるため、従来の導線を直接撮像素子61に接続する場合と比較して、接続作業が容易なものとなる。
また、小径カメラ10では、フレキシブル基板65に剛性を有する支持部材70を係合させることで、フレキシブル基板65の形状を安定した状態で維持することができることとなり、カメラ先端部40の安定性を向上させることが可能となる。
また、小径カメラ10では、撮像素子61やフレキシブル基板65等の各種部材を組み立てた後、筒状部材42の内部に配置させることでカメラ先端部40の組み立てを完成させることができる。このため、筒状部材42に各種部品を順次挿入することによって組み立て作業を行う従来の場合と比較して、組み立て作業が容易なものとなり、さらには位置決め精度も向上することとなる。また、小径カメラ10のピント調整を組み立て後に行うことができるため、組立作業が一層容易なものとなる。
また、小径カメラ10では、モニター部22と、可撓性ケーブル部30とを有しているため、操作者は、モニター部22に映し出された被写体の映像を見ながら、操作手段を操作することにより、可撓ケーブル部30を変形させることで、カメラ先端部40の向きを変更させて、当該カメラ先端部40が設けられている周囲の撮影を行うことができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、レンズ鏡筒54の位置決めは、C型形状をした位置決め部材44bによって行われているが、これに限ることなく、位置決め部材をOリング等のリング状の部材としても良いし、ビスやネジをジョイント部材43の表面に取り付けて位置決めを行うようにしても良い。また、位置決め部材44bを用いることなく、筒状部材42の長さを変えることによってレンズ鏡筒54の撮像素子61に対する位置決めを行うようにしても良いし、筒状部材42をジョイント部材43に接着することによりレンズ鏡筒54の撮像素子61に対する位置決めを行うようにしても良い。
また、上述の実施の形態ではカバー部45を筒状部材42およびレンズ鏡筒54と一体的に固定しているが、カバー部45とレンズ鏡筒54のみを一体的に固定させて、カバー部45を移動させることによって、レンズ鏡筒54の位置決めを行うようにしても良い。例えば、カバー部45の形状を有底円筒形状とし、当該カバー部45の円筒部分の内周面にネジ溝を形成すると共に、筒状部材42の外周面にもネジ溝を形成し、双方のネジ溝を係合させて、カバー部45を周方向に回転させることでレンズ鏡筒54の位置決めを行うようにしても良い。また、これとは逆に、カバー部45の外周面にネジ溝を形成すると共に、筒状部材42の内周面にもネジ溝を形成し、双方のネジ溝を係合させて、カバー部45を周方向に回転させることでレンズ鏡筒54の位置決めを行うようにしても良い。但し、これらの変形例は、筒状部材42の中心軸線と光軸Mとが一致している場合にのみ採用することが可能である。カバー部45とレンズ鏡筒54のみを一体化させた場合、ピント調整を済ませた後、その一体物を筒状部材42に係脱可能に固定させる方法やレンズ鏡筒54の一部を延長し、その延長部分を筒状部材的に使用する方法が採用され得る。
また、レンズ鏡筒54と筒状部材42のみを一体的に固定させて、筒状部材42を移動させることによって、レンズ鏡筒54の位置決めを行うようにしても良い。この場合、カバー部45を設けないようにしたり、カバー部45を筒状部材42にスナップリング的に係脱可能にする方法等が採用される。
また、上述の実施の形態では、レンズ光学系を形成するレンズの数を3つとしているが、この数に限られるものではない。また、カバー部45のカバーガラス部47を凸状とし、凸レンズとしたり、凹状とし、凹レンズとしたりしても良い。また、レンズ光学系を構成するレンズをガラスレンズとせず、樹脂レンズとしてもよい。また、必要により非球面レンズとしても良い。また、レンズ光学系は、ズーミングを行わない固定レンズで構成されるものとしたが、ズーミング動作を行うものとしても良い。
また、上述の実施の形態では、発光体50としては、LEDを用いた場合について説明している。しかしながら、発光体50は、かかるLEDに限られない。例えば、酸化亜鉛を用いた蛍光発光素子を用いても良く、同じく酸化亜鉛を利用する高精細な酸化亜鉛ナノピット発光アレイ、有機EL発光素子(特に白色発光有機EL素子)、カーボン・ナノチューブを利用した固体発光素子を用いても良い。これらは、いずれも小型化、薄型化に適しており、小径カメラ10に採用することができる。また、発光体50としては、その他に、蛍光塗料および蓄光塗料等の夜光塗料を塗布した部材を用いても良い。
また、上述の実施の形態では、カバーガラス部47の外周面に黒色塗装を施しているが、黒色塗装を施さないようにしても良い。また、遮光手段としては、黒色塗装に限らず、遮光部材からなるテープを使用する等、他の遮光手段を用いるようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、表示手段として、外部ユニット20に設けられているモニター部22を用いている。しかしながら、表示手段としては、外部ユニット20に設けられるモニター部22に限られない。例えば、外部ユニット20とは別個独立した箇所に、モニターおよびプロジェクター等の表示装置を設け、これを表示手段として用いても良い。