JP4810767B2 - 光ピックアップ部品用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ部品用樹脂組成物及びそれを用いた射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク装置に装着されている光ピックアップ部品は、軽量化の観点から、金属から樹脂への代替が進んでいる。該部品に使用される樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶性ポリエステル(LCP)等が知られている。しかしながら、PPSは内部損失が小さいため、光ピックアップ部品としては不適当であり、一方LCPは高い内部損失を有し、かつ溶融流動性も優れているため、薄肉成形品を製造することは容易であるが、剛性が低い為、十分な制振性が得られないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、LCPの高い内部損失、優れた溶融流動性を維持しながら、かつ剛性が改良された成形体を製造し得る光ピックアップ部品用樹脂組成物及びそれを用いた射出成形品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記したような問題がない光ピックアップ部品用樹脂組成物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、流動温度が200℃〜240℃である液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末を熱処理してなる液晶性ポリエステル樹脂50重量%〜90重量%および無機充填材10重量%〜50重量%からなる光ピックアップ部品用樹脂組成物が、LCPの高い内部損失、優れた溶融流動性を維持しながら、かつ剛性が改良された成形体を製造し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
即ち、本発明は、流動温度が200℃〜240℃である液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末を熱処理してなる液晶性ポリエステル樹脂50重量%〜90重量%および無機充填材10重量%〜50重量%からなることを特徴とする光ピックアップ部品用樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
本発明で使用される液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末は、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせからなるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの、
などが挙げられ、流動温度が200〜240℃を示すものである。
ここで、流動温度は、内径1mm、長さ10mmのノズルをもつ毛細管レオメータを用い、100kgf/cm2の荷重下において4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルから押し出す時に、溶融粘度が48000ポイズを示す温度を意味する。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用したものでもよい。
【0007】
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、酸塩化物、酸無水物などの反応活性が高く、ポリエステルを生成する反応を促進するような誘導体となっているもの、カルボキシル基が、アルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しており、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような誘導体となっているものが挙げられる。
またフェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、フェノール性水酸基が、カルボン酸類とエステルを形成しており、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような誘導体となっているものが挙げられる。
【0008】
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない限りにおいて、ハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、アリール基などで置換されていてもよい。
【0009】
該液晶性ポリエステル樹脂前駆体を構成する繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子またはアルキル基で置換されていてもよい。
【0011】
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0012】
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0013】
なお、上記の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位中、アルキル基としては炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、アリール基としては炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
【0014】
液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末は、前記A1式で表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。繰り返し構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下式(a)〜(f)が挙げられる。
(a):(A1)、(B1)、(C3)、または(A1)、(B1)と(B2)の混合物、(C3)。
(b):(a)の構造単位の組み合わせのものにおいて、(C3)の一部または全部を(C1)に置き換えたもの。
(c):(a)の構造単位の組み合わせのものにおいて、(C3)の一部または全部を(C2)に置き換えたもの。
(d):(a)の構造単位の組み合わせのものにおいて、(C3)の一部または全部を(C4)に置き換えたもの。
(e):(a)の構造単位の組み合わせのものにおいて、(C3)の一部または全部を(C4)と(C5)の混合物に置き換えたもの。
(f):(a)の構造単位の組み合わせのものにおいて、(A1)の一部を(A2)に置き換えたもの。
【0015】
また、本発明に用いる液晶性ポリエステル樹脂前駆体は、液晶性発現の観点から、p―ヒドロキシ安息香酸(A1)に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノン(C1)および4,4'―ジヒドロキシビフェニル(C3)からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸(B1)、イソフタル酸(B2)およびナフタレンジカルボン酸(B3)からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが好ましい。
熱処理して得られる液晶性ポリエステルの耐熱性及び剛性の観点から、p―ヒドロキシ安息香酸(A1)に由来する繰り返し構造単位40〜70mol%、4,4'―ジヒドロキシビフェニル(C3)に由来する繰り返し構造単位15〜30mol%、テレフタル酸(B1)またはテレフタル酸(B1)とイソフタル酸(B2)の混合物に由来する繰り返し構造単位15〜30mol%からなることがより好ましい。
【0016】
本発明に使用する液晶性ポリエステル前駆体粉末の製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族化合物のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物でアシル化し、これを昇温しながら芳香族カルボン酸とエステル交換して得られたものを機械的に粉砕するなどの方法により得ることができる。
ここで、使用される脂肪酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸等の低級脂肪酸無水物が挙げられるが、コスト及び取り扱い性から無水酢酸が好ましく使用される。フェノール性水酸基をアシル化する際の脂肪酸無水物の使用量は、フェノール性水酸基に対して1.05〜1.1倍であることが好ましい。
液晶性ポリエステル前駆体粉末の流動温度を200℃〜240℃にするために、100℃〜300℃で、常圧下、不活性気体雰囲気中でアシル化及びエステル交換反応を行うことが好ましい。機械的に粉砕された液晶性ポリエステル前駆体粉末の粒径としては、熱処理が均一にでき分子量分布の小さい均一なポリマーが得られるため、3mm以下であることが好ましい。
【0017】
液晶性ポリエステル前駆体粉末を熱処理して液晶性ポリエステルを得る方法としては、例えば、ジフェニルとジフェニルエーテルの混合物やジフェニルスルホンなどの高沸点溶媒中で液晶性ポリエステル前駆体粉末を240℃〜370℃の温度で攪拌した後、該高沸点溶媒を除去して液晶性ポリエステルを得る方法、あるいは粉末又は得られた粉末を造粒機によりペレット化するなど形状を変化させた後、240℃〜370℃で不活性気体雰囲気下、又は減圧下に1〜20時間処理する方法などが挙げられる。240℃より低い温度で熱処理すると十分な機械強度を発現するだけの分子量に到達しない傾向があり、370℃以上で熱処理すると分解反応が生じる傾向がある。熱処理の装置としては、例えば、既知の乾燥機、反応機、イナートオーブン、混合機、電気炉等が挙げられる。
【0018】
液晶性ポリエステル前駆体粉末を熱処理する際、熱処理の昇温速度、処理温度は液晶性ポリエステル粒子を融着させないように適宜選択することが好ましい。融着が起こると、反応の進行が妨げられる傾向がある。熱処理の雰囲気としては、不活性気体雰囲気または減圧雰囲気が好ましく、不活性気体としては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガスなどが挙げられる。
【0019】
液晶性ポリエステル前駆体粉末を熱処理して得られる液晶性ポリエステルの流動温度は、特に限定されないが、流動温度が280℃〜420℃の液晶性ポリエステルが耐熱性、機械的特性に優れるため好ましく、流動温度が310℃〜390℃の液晶性ポリエステルがより好ましい。流動温度が280℃より低いとブリスターなど成形加工上問題の生じる傾向がある。また流動温度が420℃を超えると分解反応を伴わずに成形することが困難となる傾向がある。
【0020】
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物に使用される無機充填材としては、例えば、繊維状または板状の無機充填剤が挙げられる。繊維状の充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チラノ繊維、ウォラスナイト、チタン酸カリウム繊維及びホウ酸アルミニウム等のセラミック繊維、メタルファイバー及び芳香族ポリアミド繊維等の有機繊維が挙げられるが、特に経済性及び性能面からみてガラス繊維が好適である。また板状の充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、グラファイトなどが挙げられ、中でもタルクが好ましい。
【0021】
繊維状の無機充填材の大きさは特に限定されないが、平均繊維径が5〜20μmであるものが好ましく、5〜15μmであるものがより好ましい。平均繊維径が5μm未満である場合、流動性、耐熱性が不十分になる傾向があり、また平均繊維径が20μmより大きい場合、成形品の外観、成形品中での均一分散性などが劣る傾向がある。
また平均繊維長は10〜300μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。平均繊維長が10μm未満である場合、流動性、耐熱性が不十分になる傾向があり、また平均繊維長が300μmより大きい場合、成形品の外観、成形品中での均一分散性などが劣る傾向がある。
【0022】
板状の無機充填材の大きさは特に限定されないが、平均粒径が1〜20μmであるものが好ましく、5〜20μmであるものがさらに好ましい。平均粒径が1μm未満である場合、流動性、耐熱性が不十分になることがあり好ましくない。また平均粒径が20μmより大きい場合、成形品の外観、成形品中での均一分散性などの面から好ましくない。
【0023】
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物において。繊維状および/または板状の無機充填材の配合割合は、樹脂組成物総量に対して10〜50重量%であり、好ましくは20〜40重量%である。10重量%より低いと耐熱性が十分ではなく、また50重量%を超えると、薄肉流動性が低下したり、成形機のシリンダーや金型の磨耗が大きくなる。
【0024】
本発明で用いられる液晶性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、フッ素樹脂、金属石鹸類などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定化剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有するもの;ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル及びその変性物;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などを1種類以上添加してもよい。
【0025】
液晶性ポリエステル樹脂と無機充填材との配合方法は特に限定されないが、例えば、液晶性ポリエステル樹脂と無機充填材を別々に溶融混合機に供給するか、または液晶性ポリエステル樹脂と無機充填材を乳鉢、ヘンシルミキサー、ボールミル、リボンブレンダーなどを利用して予備混合してから溶融混合機に供給してもよい。
【0026】
本発明の液晶性樹脂組成物は、デジタルビデオディスクプレイヤー、CD-ROMプレイヤー、音楽用コンパクトディスクプレイヤー、レーザーディスクプレイヤー等の光ディスク装置に装着されている、データーの読み出しに用いられる光ピックアップのレンズホルダーに適した樹脂組成物であり、該樹脂組成物を用いることにより軽量で剛性に優れた光ピックアップ部品を製造し得る。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明が実施例により限定されないことは言うまでもない。
【0028】
合成例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸 759.7g(5.5モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル512.1g(2.75モル)、、テレフタル酸434.0g(2.61モル)、イソフタル酸22.8g(0.138モル)、及び無水酢酸1235g(12.1モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら2時間30分かけて300℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、溶融状態で内容物を取り出した。得られた液晶性樹脂前駆体の収量は1336gであった。取り出した液晶性ポリエステル樹脂前駆体を粉砕機で平均粒径3mm以下の粒子に粉砕した後、流動温度を測定したところ239℃であり、280℃以上の温度では溶融状態で光学異方性が観察された。
【0029】
合成例2
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸 759.7g(5.5モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル512.1g(2.75モル)、、テレフタル酸434.0g(2.61モル)、イソフタル酸22.8g(0.138モル)、及び無水酢酸1235g(12.1モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら3時間かけて330℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、溶融状態で内容物を取り出した。得られた液晶性樹脂前駆体の収量は1357gであった。取り出した液晶性ポリエステル樹脂前駆体を粉砕機で平均粒径3mm以下の粒子に粉砕した後、流動温度を測定したところ273℃であり、300℃以上の温度では溶融状態で光学異方性が観察された。
【0030】
実施例1
合成例1により得られた液晶性ポリエステル前駆体粉末を窒素雰囲気下に室温から250℃まで1時間かけて上げ、250℃から323℃まで5時間かけて上げ、323℃で3時間熱処理した後、取り出した。得られた液晶性ポリエステルの流動温度は386℃であった。この液晶性ポリエステルにガラス繊維(日本板硝子(株)製REV-8)が40重量%になるよう混合後、二軸押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いて、シリンダー温度390℃で造粒し、樹脂組成物を得た。
これらの樹脂組成物を120℃で3時間乾燥後、射出成形機(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE型)を用いて、シリンダー温度400℃、金型温度130℃で64mm×13mm×3mmの棒状試験片を成形した。またこの試験片を用いてASTM D790に準拠して曲げスパン間距離40mmで曲げ弾性率の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
比較例1
合成例2により得られた液晶性ポリエステル前駆体粉末を用いて実施例1と同様に熱処理し、流動温度387℃の液晶性ポリエステルを得た。得られた液晶性ポリエステルを実施例1と同様にガラス繊維と混合し、曲げ弾性率の評価を行った。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
流動温度が239℃の液晶性ポリエステル前駆体粉末を用いた実施例1では、流動温度が273℃の液晶性ポリエステル前駆体粉末を用いた比較例1よりも曲げ弾性率の値が高く、剛性が改善されていることが分かる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、LCPの高い内部損失、優れた溶融流動性を生かしつつ、かつ剛性が改良された成形体を製造し得る、光ピックアップ部品用樹脂組成物及びそれを用いた射出成形品を提供することが可能となる。
Claims (5)
- 流動温度が200℃〜240℃である液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末を熱処理してなる液晶性ポリエステル樹脂50重量%〜90重量%および無機充填材10重量%〜50重量%からなることを特徴とする光ピックアップ部品用樹脂組成物。
- 液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末が、p―ヒドロキシ安息香酸に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4'―ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなる請求項1記載の光ピックアップ部品用樹脂組成物。
- 液晶性ポリエステル樹脂前駆体粉末が、p―ヒドロキシ安息香酸に由来する繰り返し構造単位40〜70mol%、4,4'―ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位15〜30mol%、テレフタル酸またはテレフタル酸とイソフタル酸の混合物に由来する繰り返し構造単位15〜30mol%からなる請求項1記載の光ピックアップ部品用樹脂組成物。
- 無機充填材がガラス繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ピックアップ部品用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ピックアップ部品用樹脂組成物から得られる射出成形品。
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