以下、添付図面に従って本発明に係る画像記録装置及び画像記録方法の好ましい実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置を備えた撮影装置の主要構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮影装置1は、複数の撮影部10−1、10−2、…、10−N(N≧2)を備えており、同一の被写体を多視点から撮影した視差画像を取得し、所定の形式の記録用画像ファイルとして記録する装置である。
メインCPU12(以下、CPU12と記載する)は、操作部14からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って撮影装置1全体の動作を統括制御する制御手段として機能する。電源制御部16は、バッテリ18からの電力を制御して、撮影装置1の各部に動作電力を供給する。
CPU12には、バス20を介してROM22、フラッシュROM24、SDRAM26及びVRAM28が接続されている。ROM22には、CPU12が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納される。フラッシュROM24には、ユーザ設定情報等の撮影装置1の動作に関する各種設定情報等が格納される。
SDRAM26は、CPU12の演算作業用領域及び画像データの一時記憶領域(ワークメモリ)を含んでいる。VRAM28は、表示用の画像データ専用の一時記憶領域を含んでいる。
モニタ30は、例えば、カラー液晶パネルを備えた表示装置により構成され、撮影済み画像を表示するための画像表示部として使用されるとともに、各種設定時にGUIの提供手段として使用される。また、モニタ30は、撮影モード時に画角を確認するための電子ファインダとして利用される。
モニタ30は、3次元画像(3D画像)の表示が可能となっている。3次元表示を行うための手段としては、例えば、特殊なメガネを使用するアナグリフ方式、カラーアナグリフ方式、偏光フィルタ方式、時分割立体テレビジョン方式のほか、例えば、かまぼこ状のレンズ群を有したいわゆるレンチキュラレンズをモニタ30の表面に配置するレンチキュラ方式を適用可能である。なお、3次元表示を行うための手段は、上記に列挙したものに限定されるものではない。
表示制御部32は、撮像素子48又はメモリカード70A、70Bから読み出された画像データを表示用の画像信号(例えば、NTSC信号、PAL信号又はSCAM信号)に変換してモニタ30に出力するとともに、所定の文字、図形情報(例えば、オンスクリーン表示用のデータ)をモニタ30に出力する。また、表示制御部32は、所定のインターフェイス(例えば、USB、IEEE1394、LAN)を介して接続された外部表示装置に画像を出力可能となっている。
操作部14は、レリーズボタン、電源/モードスイッチ、モードダイヤル、十字ボタン、ズームボタン、MENU/OKボタン、DISPボタン及びBACKボタン等の操作入力手段を含んでいる。
電源/モードスイッチは、撮影装置1の電源のオン/オフの切り替え、及び撮影装置1の動作モード(再生モード及び撮影モード)の切り替え手段として機能する。
モードダイヤルは、撮影装置1の撮影モードを切り替えるための操作手段であり、モードダイヤルの設定位置に応じて、2次元の静止画を撮影する2D静止画撮影モード、2次元の動画を撮影する2D動画撮影モード、3次元の静止画を撮影する3D静止画撮影モード及び3次元の動画を撮影する3D動画撮影モードの間で撮影モードが切り替えられる。撮影モードが2D静止画撮影モード又は2D動画撮影モードに設定されると、2D/3D撮影モード切替フラグ34に、2次元画像を撮影するための2D撮影モードであることを表すフラグが設定される。また、撮影モードが3D静止画撮影モード又は3D動画撮影モードに設定されると、2D/3D撮影モード切替フラグ34に、3次元画像を撮影するための3D撮影モードであることを表すフラグが設定される。CPU12は、2D/3D撮影モード切替フラグ34を参照して、2D撮影モードと3D撮影モードのいずれであるかを判別する。
レリーズボタンは、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されている。静止画撮影モード時には、レリーズボタンが半押しされると、撮影準備処理(即ち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス))が行われ、レリーズボタンが全押しされると、画像の撮影・記録処理が行われる。また、動画撮影モード時には、レリーズボタンが全押しされると、動画の撮影が開始され、再度全押しされると、撮影が終了する。設定により、レリーズボタンが全押しされている間、動画の撮影が行われ、全押しが解除されると、撮影を終了するようにすることもできる。なお、静止画撮影用のレリーズボタン及び動画撮影用のレリーズボタンを別々に設けるようにしてもよい。
十字ボタンは、上下左右4方向に押圧操作可能に設けられており、各方向のボタンには、撮影装置1の動作モード等に応じた機能が割り当てられる。例えば、撮影モード時には、左ボタンにマクロ機能のオン/オフを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにフラッシュモードを切り替える機能が割り当てられる。また、撮影モード時には、上ボタンにモニタ30の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのオン/オフを切り替える機能が割り当てられる。再生モード時には、左ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、右ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、再生モード時には、上ボタンにモニタ30の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、モニタ30に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
ズームボタンは、撮影部10−1、10−2、…、10−Nのズーミング操作を行うための操作手段であり、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとを備えている。
MENU/OKボタンは、メニュー画面の呼び出し(MENU機能)に用いられるとともに、選択内容の確定、処理の実行指示等(OK機能)に用いられ、撮影装置1の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。メニュー画面では、MENU/OKボタンは、例えば、露出値、色合い、撮影感度、記録画素数等の画質調整やセルフタイマの設定、測光方式の切り替え、デジタルズームを使用するか否か等、撮影装置1が持つすべての調整項目の設定が行われる。撮影装置1は、このメニュー画面で設定された条件に応じて動作する。
DISPボタンは、モニタ30の表示内容の切り替え指示等の入力に用いられ、BACKボタンは入力操作のキャンセル等の指示の入力に用いられる。
フラッシュ発光部36は、例えば、放電管(キセノン管)により構成され、暗い被写体を撮影する場合や逆光時等に必要に応じて発光される。フラッシュ制御部38は、フラッシュ発光部(放電管)36を発光させるための電流を供給するためのメインコンデンサを含んでおり、CPU12からのフラッシュ発光指令に従ってメインコンデンサの充電制御、フラッシュ発光部36の放電(発光)のタイミング及び放電時間の制御等を行う。なお、フラッシュ発光部36としては、LED等の他の発光手段を用いてもよい。また、フラッシュ発光部36は、撮影部ごとに設けられていてもよい。
次に、撮影装置1の撮影機能について説明する。撮影部10は、撮影レンズ40(ズームレンズ42、フォーカスレンズ44及び絞り46)、ズームレンズ制御部(Zレンズ制御部)42C、フォーカスレンズ制御部(Fレンズ制御部)44C、絞り制御部46C、撮像素子48、タイミングジェネレータ(TG)50、アナログ信号処理部52、A/D変換器54、画像入力コントローラ56及びデジタル信号処理部58を備えている。なお、図1では、各撮影部10−1、10−2、…、10−N内の各部にそれぞれ符号1、2、…、Nを付して区別しているが、各部の機能は略同様であるため、以下の説明では、符号1、2、…、Nを省略して説明する。
ズームレンズ42は、図示しないズームアクチュエータに駆動されて光軸に沿って前後に移動する。CPU12は、ズームレンズ制御部42Cを介してズームアクチュエータの駆動を制御することにより、ズームレンズ42の位置を制御してズーミングを行う。
フォーカスレンズ44は、図示しないフォーカスアクチュエータに駆動されて光軸に沿って前後に移動する。CPU12は、フォーカスレンズ制御部44Cを介してフォーカスアクチュエータの駆動を制御することにより、フォーカスレンズ44の位置を制御してフォーカシングを行う。
絞り46は、例えば、アイリス絞りで構成されており、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作する。CPU12は、絞り制御部46Cを介して絞りアクチュエータの駆動を制御することにより、絞り46の開口量(絞り値)を制御し、撮像素子48への入射光量を制御する。
CPU12は、各撮影部の撮影レンズ40−1、40−2、…、40−Nを同期させて駆動する。即ち、撮影レンズ40−1、40−2、…、40−Nは、常に同じ焦点距離(ズーム倍率)に設定され、常に同じ被写体にピントが合うように焦点調節が行われる。また、常に同じ入射光量(絞り値)となるように絞りが調整される。
撮像素子48は、例えば、カラーCCD固体撮像素子により構成されている。撮像素子(CCD)48の受光面には、多数のフォトダイオードが2次元的に配列されており、各フォトダイオードには所定の配列でカラーフィルタが配置されている。撮影レンズ40によってCCDの受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU12の指令に従ってTG50から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として撮像素子48から順次読み出される。撮像素子48は、電子シャッタ機能を備えており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッタ速度)が制御される。
なお、本実施形態では、撮像素子48としてCCDを用いているが、CMOSセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
アナログ信号処理部52は、撮像素子48から出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去するための相関2重サンプリング回路(CDS)、画像信号を増幅して一定レベルの大きさにコントロールするためのAGS回路を含み、撮像素子48から出力される画像信号を相関2重サンプリング処理するとともに増幅する。
A/D変換器54は、アナログ信号処理部52から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。
画像入力コントローラ56は、A/D変換器54から出力された画像信号を取り込んで、SDRAM26に格納する。
デジタル信号処理部58は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス調整回路、階調変換処理回路(例えば、ガンマ補正回路)、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、SDRAM26に格納されたR、G、Bの画像信号に対して所定の信号処理を行う。即ち、R、G、Bの画像信号は、デジタル信号処理部58において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)からなるYUV信号に変換されるとともに、階調変換処理(例えば、ガンマ補正)等の所定の処理が施される。デジタル信号処理部58により処理された画像データはVRAM28に格納される。
撮影画像をモニタ30に出力する場合、VRAM28から画像データが読み出され、バス20を介して表示制御部32に送られる。表示制御部32は、入力された画像データを表示用の所定方式のビデオ信号に変換してモニタ30に出力する。
AF検出部60は、画像入力コントローラ56−1、56−2、…、56−Nのいずれか1つから取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号を取り込み、AF制御に必要な焦点評価値を算出する。AF検出部60は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面に設定された所定のフォーカスエリア内の信号を切り出すフォーカスエリア抽出部、及びフォーカスエリア内の絶対値データを積算する積算部を含み、この積算部で積算されたフォーカスエリア内の絶対値データを焦点評価値としてCPU12に出力する。
CPU12は、AF制御時にはAF検出部60から出力される焦点評価値が極大となる位置をサーチし、その位置にフォーカスレンズ44を移動させることにより、主要被写体への焦点合わせを行う。即ち、CPU12は、AF制御時には、まず、フォーカスレンズ44を至近から無限遠まで移動させ、その移動過程でAF検出部60から焦点評価値を逐次取得し、その焦点評価値が極大となる位置を検出する。そして、検出された焦点評価値が極大の位置を合焦位置と判定し、その位置にフォーカスレンズ44を移動させる。これにより、フォーカスエリアに位置する被写体(主要被写体)にピントが合わせられる。
AE/AWB検出部62は、画像入力コントローラ56−1、56−2、…、56−Nのいずれか1つから取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号を取り込み、AE制御及びAWB制御に必要な積算値を算出する。即ち、AE/AWB検出部62は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8=64エリア)に分割し、分割されたエリアごとにR、G、B信号の積算値を算出する。
CPU12は、AE制御時にはAE/AWB検出部62において算出されたエリアごとのR、G、B信号の積算値を取得し、被写体の明るさ(測光値)を求めて、適正な露光量を得るための露出設定を行う。即ち、撮影感度、絞り値、シャッタ速度、ストロボ発光の要否を設定する。
また、CPU12は、AWB制御時にAE/AWB検出部62により算出されたエリアごとのR、G、B信号の積算値をデジタル信号処理部58に入力する。デジタル信号処理部58は、AE/AWB検出部62により算出された積算値に基づいてホワイトバランス調整用のゲイン値を算出する。また、デジタル信号処理部58は、AE/AWB検出部62により算出された積算値に基づいて光源種を検出する。
圧縮・伸張処理部64は、CPU12からの指令に従い、入力された画像データに圧縮処理を施し、所定形式の圧縮画像データを生成する。例えば、静止画に対してはJPEG規格に準拠した圧縮処理が施され、動画に対してはMPEG2やMPEG4、H.264規格に準拠した圧縮処理が施される。また、圧縮・伸張処理部64は、CPU12からの指令に従い、入力された圧縮画像データに伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。
画像ファイル生成部66は、3D撮影モードの下、上記撮影部10−1、10−2、…、10−Nにより撮影された画像データを格納するための拡張画像ファイルF100を生成するとともに、拡張画像ファイルF100に対応する基本ファイルF10を生成する。
撮影装置1は、データを記録するための記録メディアとして2つのメモリカード70A、70Bを同時に装着可能なメディアスロットを備えている。メモリカード70A及び70Bとしては、例えば、xDピクチャカード(登録商標)、スマートメディア(登録商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の媒体を用いることができる。なお、メモリカード70A及び70Bは、同種のものであってもよいし、異種のものであってもよい。
メディア制御部68は、CPU12からの指令に従い、メモリカード70A、70Bに対するデータの読み/書きを制御する。
2つのメモリカード70A、70Bが撮影装置1に装着されている場合には、画像ファイル生成部66によって生成された拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10は、別々のメモリカードに記録される。
一方、メモリカード70Aしか装着されていない場合には、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10はメモリカード70Aに一緒に記録される。なお、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10が同一のメモリカード70Aに記録された後にメモリカード70Bが新たに装着された場合には、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10のいずれか一方をメモリカード70Bに移動又はコピーするようにしてもよい。
また、2つのメモリカード70A、70Bが撮影装置1に装着されていても、いずれか一方の空き容量がない場合には、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10は同一のメモリカードに一緒に記録される。この場合、空き容量がなかったメモリカードに書定量以上の空き容量が出来次第、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10のいずれか一方をメモリカード70Bに移動又はコピーするようにしてもよい。
メモリカード70A及び70Bには、それぞれ固有の識別子(カードID)が付与されている。カードIDとしては、例えば、IPv6等の所定のプロトコルに従って付与されるアドレス、メモリカード70A及び70Bの製造番号、シリアル番号等を用いることができる。
画像ファイル生成部66は、基本ファイルF10が格納されたメモリカードのカードID(基本ファイル格納場所ID)を、対応する拡張画像ファイルF100に付加する。一方、画像ファイル生成部66は、拡張画像ファイルF100が格納されたメモリカードのカードID(拡張画像格納場所ID)を、対応する基本ファイルF10に付加する。
なお、拡張画像ファイルF100は、基本ファイルF10よりも容量が大きいため(図2及び図3参照)、メモリカード70A及び70Bのうち、全体の容量又は空き容量が大きい方、又は書き込み速度が速い方に拡張画像ファイルF100を記録するようにすることが好ましい。
外部接続インターフェイス部(外部接続I/F)72は、外部の画像処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、画像ストレージ装置、サーバ)との間でデータの送受信を行うための装置である。外部の画像処理装置との間の通信の方式は、例えば、USB、IEEE1394、LAN、赤外線通信(IrDA)等を適用することができる。
[記録用画像ファイル]
次に、本発明の第1の実施形態に係る記録用画像ファイルの構成について説明する。図2は、基本ファイルF10のデータ構造を模式的に示す図であり、図3は、拡張画像ファイルF100のデータ構造を模式的に示す図である。
基本ファイルF10と拡張画像ファイルF100のファイル名は同じになっている。基本ファイルF10及び拡張画像ファイルF100のファイル名は、DCF(Design rule for Camera File system)に従って決定される。
図2及び図3に示すように、拡張画像ファイルF100の拡張子はF3Dである。基本ファイルF10の拡張子は、標準的な画像ファイルの拡張子(基本ファイルF10に格納される画像データのエンコード形式に対応する拡張子)である。このため、基本ファイルF10は、複数の画像データが格納された画像ファイルから、複数の画像データを読み込んで再生処理等を行う機能を有さない画像処理装置においても、標準的な形式の画像ファイルとして認識することができ、再生及び編集が可能である。
図3に示すように、本実施形態に係る拡張画像ファイルF100は、拡張画像ファイルF100のデータの先頭を示すマーカSOI(Start of Image)の格納領域A100、タグ情報格納領域A102、画像データ格納領域A104、データの終了を示すマーカEOI(End of Image)の格納領域A106を含んでいる。
画像データ格納領域A104には、上記撮影部10−1、10−2、…、10−Nにより撮影された画像データ(以下の説明では、各々画像データP(1)、P(2)、…、P(N)という)が格納される。拡張画像ファイルF100内の画像データについては特に限定しないが、基本ファイルF10の復元に使用することからRAWデータとすることが好ましい。
タグ情報格納領域A102には、拡張画像ファイルF100の3Dタグ情報が格納される。ここで、3Dタグ情報とは、画像データ格納領域A104に格納された多視点の画像データの中から2つ以上を組み合わせて3次元表示を行うために使用される情報であり、例えば、3次元表示を行うときに使用する画像データの数を示す視点数、3次元表示を行うときに使用する画像データを指定するための情報、拡張画像ファイルF100における各画像データの格納場所(読み出し開始位置)を特定するポインタ情報を含んでいる。
また、タグ情報格納領域A102には、対応する基本ファイルF10が格納されたメモリカードを特定するための固有の識別子(基本ファイル格納場所ID)、及び対応する基本ファイルF10を特定するための情報が格納されており、拡張画像ファイルF100の読み込み時には対応する基本ファイルF10を呼出可能となっている。
図2に示すように、本実施形態に係る基本ファイルF10は、基本ファイルF10のデータの先頭を示すマーカSOI(Start of Image)の格納領域A10、タグ情報格納領域A12、画像データ格納領域A14、データの終了を示すマーカEOI(End of Image)の格納領域A16を含んでいる。
タグ情報格納領域(APP1 Area)A10には、図2に示すように、Exif識別情報、TIFFヘッダ、IFD0領域(IFD0 Area)、IFD1領域が設けられている。IFD0領域にはExif IFD(Exifタグ情報)、GPS IFD(GPSの測定情報)、3D IFD(3Dタグ情報)が格納されている。なお、図2のPointer to Exif IFD、Pointer to GPS IFD、Pointer to 3D IFDは、それぞれExif IFD、GPS IFD、3D IFDのタグ情報格納領域A10における格納位置を示している。
3Dタグ情報には、対応する拡張画像ファイルF100が格納されたメモリカードを特定するための固有の識別子(拡張画像格納場所ID)、及び対応する拡張画像ファイルF100を特定するための情報が格納されており、基本ファイルF10の読み込み時には対応する拡張画像ファイルF100を呼出可能となっている。
画像データ格納領域A12には、画像データP(1)、P(2)、…、P(N)の中から選択された代表画像データP(d)が格納される。なお、図2に示す例では、基本ファイルF10内の画像データはJPEG形式であるが、他の形式(例えば、Exif形式、TIFF形式、ビットマップ(BMP)形式、GIF形式、PNG形式)であってもよい。
代表画像データは、例えば、下記[1]から[3]のいずれかの方式に従って画像ファイル生成部66によって選択される。[1]例えば、視点数が2の場合には、ユーザの利き目に対応する撮影部によって撮影された画像データを選択する。[2]視点位置が中間又は中間近傍の画像(即ち、視差画像の撮影時に多視点の中間近傍に配置された撮影部10−dにより撮影された画像)を代表画像データP(d)として選択する。即ち、代表画像データP(d)は、視点数Nが奇数の場合には中間視点の画像、視点数Nが偶数の場合には中間近傍の画像となる。例えば、視点数N=5の場合には、代表画像データは、撮影部10−3により撮影された画像データP(3)となり、視点数N=8の場合には、代表画像データは、撮影部10−4又は10−5により撮影された画像データP(4)又はP(5)となる。また、拡張画像ファイルF100の画像データ格納領域A104の中間近傍に位置する画像データが代表画像データP(d)として選択されるようにしてもよい。[3]中間視点又は中間近傍の画像データのうちユーザの利き目側の画像データを代表画像として選択する。なお、ユーザが予め設定した撮影部により撮影された画像データを代表画像データとして指定できるようにしてもよいし、ユーザが代表画像データを手動で指定、変更できるようにしてもよい。
[画像の記録処理]
次に、本実施形態に係る撮影装置1により記録用画像ファイルを生成、記録する処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、撮影装置1のレリーズボタンがONされたときに(ステップS10)、撮影モードが2D撮影モードに設定されている場合には(ステップS12のNo)、撮影部10のうちの1つを用いて、単視点で画像が撮影される(ステップS14)。そして、単視点の画像データを含む画像ファイルが所定のメモリカードに記録される(ステップS16)。
次に、レリーズボタンがONされたときに(ステップS10)、撮影モードが3D撮影モードに設定されている場合には(ステップS12のYes)、多視点での画像の撮影が行われ(ステップS18)、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10が生成される。
次に、撮影装置1にメモリカードが1つだけ装着されている場合には(ステップS20のNo)、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10は、当該メモリカードに一緒に記録される(ステップS22)。一方、撮影装置1にメモリカードが2つ装着されている場合には(ステップS20のYes)、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10は、別々のメモリカードに記録される(ステップS24、S26)。
[基本ファイルの復元処理]
次に、基本ファイルF10が格納場所のメモリカード70から削除又は改変(編集)された場合の処理について説明する。
画像ファイル生成部66は、所定のタイミングで、基本ファイルF10がフォルダから削除又は改変されているかどうかを判定する。そして、基本ファイルF10が格納場所のメモリカードから削除又は改変されている場合、画像ファイル生成部66は、拡張画像ファイルF100から、基本ファイルの復元に必要な画像データを抽出して基本ファイルF10を作成(復元)する。基本ファイルF10が改変されている場合には、改変された基本ファイルは、復元された基本ファイルとは別の画像ファイルとして保存される。
ここで、基本ファイルF10の削除又は改変の有無の判定は、例えば、撮影装置1の電源オン時、動作モードの切り替え時(例えば、撮影モードから再生モードへの切り替え時)、メモリカード70A、70Bが同時に取り付けられた時又はメモリカード70A、70B内のデータが更新された時に、メモリカード70A、70B内の拡張画像ファイルを自動的にスキャンして、すべての拡張画像ファイルF100に対して行われるようにしてもよいし、撮影装置1において、拡張画像ファイルF100の再生又はプレビューの操作が行われる都度、当該拡張画像ファイルF100に対して基本ファイルF10の削除又は改変の有無を判定するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、改変後の基本ファイルを特定するための情報を、拡張画像ファイルF100又は復元された基本ファイルに格納して、拡張画像ファイルF100の再生時に、改変された基本ファイルを参照可能としてもよい。また、改変された基本ファイルに、拡張画像ファイルF100又は復元された基本ファイルに格納して、改変された基本ファイルの再生時に、復元された基本ファイル又は拡張画像ファイルF100を参照可能としてもよい。
ここで、基本ファイルF10が削除されている場合には、復元された基本ファイルF10のファイル名(拡張子を除く部分)は、拡張画像ファイルF100と同じ(即ち、削除された基本ファイルと同じ)になる。一方、基本ファイルF10が改変されている場合には、画像ファイル生成部66は、下記に示すファイル名変更処理規則(1)又は(2)に従って基本ファイルF10及び拡張画像ファイルF100のファイル名を決定する。
図5は、ファイル名変更処理規則(1)を説明するための図である。図5に示すように、ユーザが改変した基本ファイルのファイル名が「ABCD0001.JPG」で、基本ファイル「ABCD0001.JPG」に対応する拡張画像ファイルのファイル名が「ABCD0001.F3D」の場合、改変された基本ファイルのファイル名がDCFに従って変更される。ここで、画像ファイル生成部66により復元される基本ファイルのファイル名は、拡張子を除き拡張画像ファイルと同じ「ABCD0001.JPG」となる。
図6は、ファイル名変更処理規則(2)を説明するための図である。図6に示す例では、改変された基本ファイルのファイル名は変更されず、拡張画像ファイルのファイル名がDCFに従って変更され、基本ファイルが復元される。ここで、復元された基本ファイルのファイル名は、拡張子を除き拡張画像ファイルと同じである。
なお、上記の(1)及び(2)以外のファイル名変更処理規則を用いてもよい。
次に、基本ファイルF10の改変の有無を判定する方法について説明する。画像ファイル生成部66は、画像を撮影、記録する時に、基本ファイルF10又は代表画像データP(d)のデータサイズ又はハッシュ値、又は基本ファイルF10のタイムスタンプ情報を、拡張画像ファイルF100のヘッダ情報として記録する。そして、画像ファイル生成部66は、上記基本ファイルF10又は代表画像データP(d)のファイルサイズ又はハッシュ値、又は基本ファイルF10のタイムスタンプ情報を基本ファイルF10から取得して拡張画像ファイルF100のタグ情報と比較し、両者が一致しない場合に基本ファイルF10が改変されていると判定する。
図7は、基本ファイルF10の復元処理を示すフローチャートである。まず、拡張画像ファイルF100が選択され(ステップS30)、当該拡張画像ファイルF100に対応する基本ファイルF10が存在するかどうか判定される(ステップS32)。ステップS12において、上記拡張画像ファイルF100に対応する基本ファイルF10が存在しない場合には、拡張画像ファイルF100の中から代表画像データP(d)の圧縮画像データが読み出されて、基本ファイルF10が作成される(ステップS34)。
一方、ステップS32において、上記拡張画像ファイルF100に対応する基本ファイルF10が存在する場合には、基本ファイルF10が改変されているかどうか判定される(ステップS36)。そして、基本ファイルF10が改変されていると判定された場合には(ステップS38のYes)、上記ファイル名変更規則に従って、改変されている基本ファイルF10のファイル名又は拡張画像ファイルF100のファイル名のいずれか一方が変更され(ステップS40)、拡張画像ファイルF100の中から代表画像データP(d)の圧縮画像データが読み出されて、基本ファイルF10が作成される(ステップS34)。
本実施形態によれば、複数の画像データが連結して格納された拡張画像ファイルF100から複数の画像データを読み込んで再生、編集する機能を有さない画像処理装置においても読み込み可能な形式の基本ファイルF10に画像を記録することができる。更に、本実施形態によれば、例えば、基本ファイルF10が削除又は改変されて上書き保存された場合や、撮影装置1とは別の画像処理装置において基本ファイルF10が削除又は改変されて上書き保存された後、メモリカードが撮影装置1に戻された場合に、基本ファイルF10とは別のメモリカードに格納された拡張画像ファイルF100を用いて基本ファイルF10を復元することができる。上記のように、拡張画像ファイルF100と基本ファイルF10とを別々のメモリカードに保存しておくことにより、改変前の代表画像データを含む基本ファイルF10をユーザに提供することができるので、画像記録のロバスト性を高めることができる。
なお、本実施形態の撮影装置1はメモリカードを2つ同時に装着可能となっているが、例えば、メモリカードを1つしか装着できない撮影装置1であっても、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10の一方を内蔵メモリに格納し、他方をメモリカードに格納することにより、記録用画像ファイルのロバスト性を高めることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、撮影装置1によって生成された拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10は、メモリカードと画像サーバ100に別々に記録される。なお、以下の説明において、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像記録装置を備えた撮影装置1の主要構成を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係る撮影装置1は、通信インターフェイス部(通信I/F)74、画像サーバ検出部76及び画像転送処理部78を備えている。
通信I/F74は、通信回線を介して画像サーバ100との間でデータの送受信を行うための装置である。
画像サーバ検出部76は、通信可能な画像サーバ100を検出するための装置である。画像サーバ検出部76は、例えば、通信可能な画像サーバ100を呼び出す呼出信号を送信し、この呼出信号を受信した画像サーバ100から応答信号を受信することにより、通信可能な画像サーバ100を検出する。画像サーバ100の検出は、例えば、撮影装置1の電源オン時、撮影モードが3D撮影モードに設定されている間、又は3D撮影モードで撮影された画像データの記録時に行われる。
認証処理部78は、画像サーバ100に対して所定の認証情報(例えば、撮影装置1に固有の識別情報、画像サーバ100に登録したアカウントのID及びパスワード)を送信して、画像サーバ100に画像を転送するための認証処理を行う。
画像ファイル生成部66は、上記第1の実施形態と同様に、3D撮影モードで撮影された多視点の画像データから、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10を生成し、このうちの基本ファイルF10をメモリカード70に記録する。
画像転送処理部80は、画像ファイル生成部66によって生成された拡張画像ファイルF100を画像サーバ100に転送する。拡張画像ファイルF100を転送する際に、画像ファイル生成部66は、拡張画像ファイルF100の転送先の画像サーバ100を特定するための情報(例えば、IPv6に従って画像サーバ100に付与されたIPアドレス)を基本ファイルF10の3Dタグ情報の拡張画像格納場所IDとして格納する。一方、画像ファイル生成部66は、基本ファイルF10が格納されたメモリカードのカードID(基本ファイル格納場所ID)を、対応する拡張画像ファイルF100に付加する。
図9は、画像サーバ100の主要構成を示すブロック図である。図9に示すように、画像サーバ100は、通信I/F102、認証処理部104及び記録装置106を備えている。通信I/F102は、通信回線を介して撮影装置1との間でデータの送受信を行うための装置である。認証処理部104には、撮影装置1のユーザの登録情報が予め登録されている。認証処理部104は、撮影装置1から受信した認証情報に基づいて撮影装置1に対する認証処理を行う。記録装置106は、画像転送処理部80から受信した拡張画像ファイルF100を記録する。
次に、本実施形態に係る撮影装置1により記録用画像ファイルを生成、記録する処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、撮影装置1のレリーズボタンがONされたときに(ステップS50)、撮影モードが2D撮影モードに設定されている場合には(ステップS52のNo)、撮影部10のうちの1つを用いて、単視点で画像が撮影される(ステップS54)。そして、単視点の画像データを含む画像ファイルがメモリカード70に記録される(ステップS56)。
次に、レリーズボタンがONされたときに(ステップS50)、撮影モードが3D撮影モードに設定されている場合には(ステップS52のYes)、多視点での画像の撮影が行われ(ステップS58)、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10が生成される。
次に、通信可能な画像サーバ100が検索されて(ステップS60)、通信可能な画像サーバ100が検出されなかった場合には(ステップS62のNo)、拡張画像ファイルF100及び基本ファイルF10は、メモリカード70に一緒に記録される(ステップS64)。一方、通信可能な画像サーバ100が検出された場合には(ステップS62のYes)、基本ファイルF10がメモリカード70に記録され(ステップS66)、拡張画像ファイルF100は画像サーバ100に転送されて記録される(ステップS68)。
なお、通信可能な画像サーバ100が検出されず、拡張画像ファイルF100と基本ファイルF10とをメモリカード70に一緒に記録した場合にも、通信可能な画像サーバ100が検出され次第拡張画像ファイルF100の転送を行うようにしてもよい。
また、拡張画像ファイルF100をメモリカード70に、基本ファイルF10を画像サーバ100に記録するようにしてもよい。
次に、画像サーバ100に格納された拡張画像ファイルF100から基本ファイルF10を復元する際の撮影装置1における処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。まず、操作部14から基本ファイルF10の改変又は削除の指示を受け付けると(ステップS70)、改変又は削除対象の基本ファイルF10から、対応する拡張画像ファイルF100の拡張画像格納場所IDが読み込まれてSDRAM26に一時記録された後に(ステップS72)、当該基本ファイルF10の改変又は削除が実行される(ステップS74)。
次に、ステップS72において読み込まれた拡張画像格納場所IDによって特定される画像サーバ100へのアクセスが開始される(ステップS76)。画像サーバ100へのアクセスが成功し、通信接続が確立されると(ステップS78)、画像サーバ100から拡張画像ファイルF100が読み込まれて、当該拡張画像ファイルF100の中から代表画像データP(d)の圧縮画像データが読み出されて、基本ファイルF10が作成される(ステップS80)。なお、基本ファイルF10の復元時におけるファイル名変更処理規則については、上記第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
ステップS78において、画像サーバ100との通信が不可能な場合には、拡張画像格納場所IDを所定のファイルに格納しておき、所定のタイミングで画像サーバ100へのアクセスを繰り返すようにすればよい。
本実施形態によれば、拡張画像ファイルF100を画像サーバ100に転送し、基本ファイルF10をメモリカード70に記録しておくことにより、改変前の代表画像データを含む基本ファイルF10をユーザに提供することができるので、画像記録のロバスト性を高めることができる。
なお、上記の各実施形態では、複数視点の画像データの記録について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、動画撮影や連写撮影された複数の画像データを1つの画像ファイルに記録するための画像記録装置にも適用可能である。
1…撮影装置、10…撮影部、12…メインCPU、14…操作部、16…電源制御部、18…バッテリ、20…バス、22…ROM、24…フラッシュROM、26…SDRAM、28…VRAM、30…モニタ、32…表示制御部、34…2D/3D撮影モード切替フラグ、36…フラッシュ発光部、38…フラッシュ制御部、40…撮影レンズ、42…ズームレンズ、44…フォーカスレンズ、46…絞り、42C…ズームレンズ制御部(Zレンズ制御部)、44C…フォーカスレンズ制御部(Fレンズ制御部)、46C…絞り制御部、48…撮像素子、50…タイミングジェネレータ(TG)、52…アナログ信号処理部、54…A/D変換器、56…画像入力コントローラ、58…デジタル信号処理部、60…AF検出部、62…AE/AWB検出部、64…圧縮・伸張処理部、66…画像ファイル生成部、68…メディア制御部、70…メモリカード、72…外部接続インターフェイス部(外部接続I/F)、74…通信インターフェイス部(通信I/F)