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JP4805382B2 - 即席麺及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、麺線間の結着が防止され、ほぐれの良い即席麺とその製造方法に関する。
麺類において、切出された麺線の麺線同士の結着を防止し、ほぐれを良くする方法として最も良く知られた方法は、切出された直後の麺線に打ち粉をする方法である。通常、打ち粉は、小麦粉又は澱粉を使用し、これらの粉末を切出された麺線の表面に付着させることによって麺線表面の水分を除去し、滑りを良くする。特に近年は、打ち粉用として酸化澱粉やアセチル化澱粉、あるいはこれら澱粉に炭酸カルシウム等を混合した結着防止効果の高い、さらには調理時の茹で液の濁りが少ない、優れた特性を持った打ち粉も販売されている。
しかしこれらの打ち粉は、基本的に生麺や半生麺において、製造工程中や流通過程、および保存時に、麺線同士が結着しないように用いられるものであって、茹で又は蒸した麺や即席麺に対して、麺線の結着を有効に防止できるものではない。なぜなら、これらα化処理された茹で麺や蒸し麺、即席麺の場合、麺線同士の結着は、蒸煮中あるいは茹で後に麺線表面の澱粉質が糊状となることで起こるのであって、生麺における結着とは結着の起こる作用機序が異なるためである。
そこで、特に茹で麺、又は蒸し麺を袋詰めしたチルド流通の麺等においては、流通段階、保存段階における結着防止と調理時におけるほぐれの改良のために、茹で又は蒸した後の麺に対して、麺線表面を水洗した後、麺線表面に油を塗布することが行なわれていた。
一方、即席麺において麺線同士の結着を防止する技術としては、従来より、切刃ロールによって切出された直後の位置に、ウェーブボックスあるいは導管と呼ばれる、切出された麺線を上下方向に位置規制する器具を取り付け、麺線に強いウェーブを付ける手段(ウェービング処理という)が取られていた。このように麺線に強いウェーブを付与することで、麺線間に空隙を多く設け、麺線同士が上下に積み重ならず、接触部分も小さくすることができるので、麺線間の結着をかなり防止できる。さらに、近年は蒸煮した後の麺線に、ほぐれ改良剤として低粘度の増粘多糖類の溶液等を塗布する方法も行なわれている。
しかし、即席麺において上述のような技術を用いても、熱風乾燥麺においては麺線間の結着や、それによる調理時のほぐれが問題になる場合があった。また、麺線を縮れの少ないストレートタイプの麺(ウェービング処理を行わない縮れの少ない麺を以下「ストレートタイプの麺」という)にするために、前述のようなウェービング処理を行なわない場合には、麺線同士の結着は依然として重要な問題となる。即席麺において麺線同士が結着すると、調理時、喫食時にほぐれづらく、均一に湯戻りしないだけでなく、乾燥工程において結着部分の乾燥が充分に行われずに、保存性に悪影響を与える場合もある。
即席麺における麺線間の結着を防止する技術としては、前記の方法以外に特許文献1ないし3がある。このうち特許文献1は、麺線の表面に食用油脂の水中油滴型乳化液を付着させた後蒸煮するノンフライ麺の製造方法で、復元性が良く食感の良いノンフライ麺が得られるというものである。特許文献2は、熱凝固性タンパクを蒸煮前の麺線表面に被覆して、蒸煮によってタンパクを凝固させて麺線間の結着を防止するというものである。
さらに、特許文献3は、ウェーブのないノンフライ麺において、麺線間の結着を防止し、滑らかで粘弾性の良い麺を得るもので、次の4つの方法が開示されている。(1)混練を減圧下で行なう、(2)麺原料に粉末油脂及び/又はレシチンを添加する、(3)麺原料にグルテンを添加する、(4)蒸煮前に、水、乳化油脂溶液又はレシチン溶液を麺線表面散布する。しかし、いずれの先行技術の方法によっても効果が充分でない場合や、麺質や製麺性に問題が生じる場合もあり、優れた結着防止方法が求められていた。
特公昭56−28135 特開昭61−74554 特開2006−288239
そこで、本発明者らは、即席麺において、特にウェービング処理していないストレートタイプの麺においてさえ、麺線間の結着を防止でき、調理時、喫食時にほぐれが良く、乾燥ムラがなく、食感の良い麺を得ることを本発明の課題として、各種ほぐれ剤や、各種打ち粉等を検討した。
その結果、即席麺の製造工程において、麺線の蒸煮前の段階で、液体状態ではなく固体状態の粉末油脂を麺帯又は麺線表面に打ち粉をして付着させる、とりわけ、麺帯を形成する複合機から、麺帯圧延の最終の圧延ロールに至るまでの間において、麺帯の状態で粉末油脂を麺帯表面に打ち粉をすることで、極めて良好な結着防止効果が得られることを見出し、本発明とした。なお、本発明において「表面」とは、外界と接している部分を意味し、上面、下面、側面のいずれか、又はこれらを包含する概念を指す。
すなわち、本発明は、
ほぐれの良い即席麺であって、蒸煮前の麺帯または麺線の状態において、粉末油脂の打ち粉をしたことを特徴とする即席麺である。特に、本発明においては、従来から結着の起こり易かった熱風乾燥麺に対して、あるいはウェービングボックスを用いずに切出したストレートタイプの即席麺に対しても、結着を有効に防止できる。
結着を防止できることで、調理時、喫食時にほぐれが良いだけでなく、乾燥を均一に行なうことができ、乾燥ムラができず、食感のよい即席麺となる。なお、ここで「粉末油脂の打ち粉をする」とは、打ち粉として通常使用される小麦粉や澱粉に代えて、粉末油脂を打ち粉として用いることをいう。
また、本発明は、混練、圧延、切出し、蒸煮、および乾燥の各工程を含む即席麺の製造法において、圧延時もしくは圧延後切出しまでの麺帯の状態で、該麺帯表面に粉末油脂の打ち粉をすることを特徴とする、即席麺の製造方法である。
このように、粉末油脂を蒸煮前の麺帯の状態で打ち粉することで、従来の粉末油脂を原料に添加する方法や、液体油脂を麺線表面に塗布又は噴霧する方法に比べて、少量の油脂で格段に高い結着防止効果を得ることができ、又麺質や食味への影響が少なく、極めて良好である。特に、粉末油脂を打ち粉する方法が、麺帯に対して行われることで、切出した後の麺線に打ち粉する場合よりも麺に満遍なく打ち粉することができる。これは、切出し後に打ち粉すると、切出し時に麺線の重なった箇所には打ち粉が行き渡りにくい欠点があるが、麺帯で打ち粉するとこの問題を解決できるためである。
また、麺帯で打ち粉をする場合において、特に、麺帯を複数回ロールによって圧延する過程で、最後の圧延ロールに至るまでの間で麺帯に打ち粉をする方法とすれば、打ち粉をした後に少なくとも1回の圧延ロールによる圧延を経ることとなり、これによって麺線表面に粉末油脂が固着され、より効果が高い。なお、麺帯に打ち粉をする場合、麺帯の上面又は下面のみに打ち粉を行なっても充分に効果があるが、両面に打ち粉をすれば、より高い効果が期待できる。
また、本発明は、混練、圧延、切出し、蒸煮、および乾燥の各工程を含む即席麺の製造法において、切出し後蒸煮するまでの間に、切出された麺線の表面に粉末油脂の打ち粉をすることを特徴とする、即席麺の製造方法である。
このように、粉末油脂を蒸煮前の切出された麺線の状態で打ち粉をすることでも、粉末油脂を原料添加する方法や、液体油脂を麺線表面に塗布又は噴霧する従来の方法に比べて、少量の油脂で格段に高い結着防止効果を得ることができる。
本発明は、予め蒸煮前の麺帯又は麺線の状態で、固体状の粉末油脂を麺表面に付着させておくことで、これが、高温での蒸煮中に溶融して、麺線表面をコーティングするように作用するため、麺線同士の結着を防止できるものと思われる。このように粉末油脂を麺線表面に付着させれば、油脂を原料添加しておく方法や、蒸煮前や蒸煮後に液体で散布する方法に比べて、少量の油脂で格段に高い効果が得られ、食味に対する影響も少なく、しかも圧延、切り出し工程及び蒸煮中や蒸煮前後に油脂が液ダレすることもなく、製造上の問題も起こりにくい。
特に、粉末油脂を麺帯の状態で打ち粉をすれば、麺線の場合において生じる麺線同士の重なりがなく、粉末油脂を均一に付着させることができる。とりわけ、打ち粉をした後にさらに1回以上の圧延を行なう状態で打ち粉をすれば、打ち粉後の圧延によって、麺帯に粉末油脂が食い込むように固着し、蒸煮時において溶け出した油脂が、麺線表面で充分なコーティング効果を発揮しないまま脱落することがなく効果が高い。また、粉末油脂の粒子が圧延によって麺表面に食い込むために、麺表面に微細な凹凸が形成され、この麺線表面の凹凸が麺線同士の接触面積を減らして結着を防止する効果もあるものと思われる。
このように本発明の即席麺は、結着が防止され、麺線同士が結着していないために調理時、喫食時のほぐれが良好である。さらに、麺線間に結着がないために乾燥時に均一に乾燥でき、従って乾燥ムラがなく、食感もよい。特に、結着の起こり易いストレートタイプの麺線形状の即席麺に対しても、結着を有効に抑制、防止できる。
以下に製造工程に従って本発明を詳細に説明する。
本発明においては、麺原料は即席麺における通常の原料が用いられる。すなわち、小麦粉、澱粉、ソバ粉、その他穀粉を主原料とすることができる。これに副原料として、塩、かんすい、重合リン酸塩、卵白、グルテン、乳化剤、色素等、必要に応じ適宜選択して添加する。副原料は、練り水に溶解又は懸濁して主原料に添加しても、練り水と別に粉体で添加しても良い。
次いで、これら原料、副原料、練り水をミキサー等でよく混練して麺生地を作成し、複合圧延機等を用いて麺帯に成型する。麺帯は1回以上のロール圧延によって、薄く延ばされ、最終的な厚みとなった時点で、切出し装置(切刃ロール)によって、麺線に切出される。
本発明においては、この麺帯の状態又は、切出し後蒸煮に至るまでの麺線の状態で、粉末油脂を麺帯又は麺線表面に打ち粉をして付着させる。麺帯に打ち粉をする方法は、できるだけ均一にしかも薄く付着させることが好ましいので、麺帯の上面に打ち粉をする場合は、好ましくは市販されている自動打ち粉装置が使用できるが、粉体を吹き付ける吹き付け装置や、電磁振動式の供給装置等を用いることもできる。麺帯の下面に打ち粉をする場合は、粉体を吹き付ける装置を用いる他、麺帯を反転させて(反転ロール等によって進行方向を反転させて下面を上向きとする)打ち粉をする方法等を用いることができる。麺帯に打ち粉をする場合、麺帯の上面と下面の両方に打ち粉をすれば最も効果が高いが、上面又は下面だけでも充分な効果が得られる。
麺線に打ち粉をする場合も、やはり自動打ち粉装置等、粉末油脂をできるだけ均等に散布または吹き付ける装置で、麺線に打ち粉するのが好ましいが、麺線の場合、切出された麺線は麺線同士が複雑な、あるいは不均一な重なり方をし、麺線間に空隙も生じるため、麺線を振動させる、あるいは引っ張る等の動作を加えることが好ましい。
なお、麺帯で打ち粉をする場合においては、最後のロール圧延より前の段階で打ち粉をすれば、打ち粉をした粉末油脂が次の圧延ロールによる麺帯の圧延によって麺表面に固着するため、蒸煮工程までの間で脱落することが少ない。しかも、食い込むように粉末油脂が固着しているため、蒸煮工程において溶け出した油脂が、麺線表面を充分にコーティングしないまま液ダレしてしまうことがなく、また、麺に食い込んだ粉末油脂の粒子が麺線表面にわずかな凹凸を作って、麺線同士の接触面積を減らすものと思われ、本発明者らの実験においても、最終のロール圧延より前の工程で麺帯に打ち粉をする方が、高い結着防止効果が得られた。
使用される粉末油脂は、常温で固体の粉末状〜微小粒状で、蒸煮時に溶融する粉末油脂である。具体的には、パーム油や菜種油等の植物性油脂の硬化油脂がよく、好ましくは上昇融点として45〜75℃特に好ましくは55〜65℃程度のものが使用できる。また、粒度としてはメジアン径で好ましくは20〜500μm程度、特に好ましくは50〜200μm程度のものが使用でき、あまり大きいと、特に付着後に圧延して固着させる操作を有さない場合には、粉末油脂の脱落が起こり易い。粉末油脂の形状としては、流動性の良いものがよく、球状のものが均一に散布できる点では好ましいが、針状のもの等いずれも使用できる。
麺帯あるいは麺線に付着させる量としては、主原料の重量に対して0.05〜2%程度、好ましくは0.1〜2%、さらに好ましくは0.2〜1%が、結着防止効果が高く好ましい。なお、粉末油脂の打ち粉をすることと併せて、さらに小麦粉や澱粉等の打ち粉を組み合わせることもできるし、麺帯と麺線の両方に粉末油脂の打ち粉をすることもできる。
切出しは、切刃ロールによって麺線状に切出すが、一般的な即席麺の場合、ウェーブボックス(導管ともいう)を用いてウェービング処理を行い波状の縮れた麺線に切出す。また、本発明によれば、ウェービング処理を行わない麺でも非常に有効に結着を防止することができるので、ウェーブボックスを用いずに切出すことで、ストレートな麺線形状の即席麺とすることもできる。なお、本発明によれば、麺線の結着を格段に防止できるが、他の結着防止方法を併用しても良いことは当然である。特に、ストレートな麺線を得るためにウェーブボックスを使用しない場合には、切出しロールのかすり(麺線を切刃ロールの溝からかき取るスクレパー)の歯先を、隣り合う同士で位置ずれさせたかすりを用いる(例えば特開平10-210924)等の工夫を行なうとさらに好ましい。
切出された麺線は、切出し後に麺線に粉末油脂を付着させる場合には、前述したように操作し、ネットコンベア等で蒸煮するための蒸気庫に移送する。蒸気庫は通常、トンネル型の蒸気庫内をネットコンベアで移送しつつ連続蒸煮するのが一般的であるが、バッチ式等それ以外の装置でもかまわない。蒸気庫内の温度は粉末油脂の融点以上の温度であるため、麺線表面に付着した粉末油脂は溶融して、麺線表面を覆い麺線間の結着を防止する。
蒸煮後の麺線は、必要に応じてさらに短時間茹で処理を行い、やはり必要に応じて着味液に短時間浸漬、又は着味液を噴霧して、一食分に切断して、リテーナに充填する。なお、一食分への麺線の切断は、切出し以降リテーナ充填までのいずれの工程で行なうこともできる。
即席麺の最終形態が、油揚げ麺の場合、リテーナに充填された麺をリテーナごと140〜160℃程度のフライ油で1〜3分程度フライして乾燥する。一方、最終形態がノンフライ麺の場合、例えば熱風乾燥麺の場合には、リテーナごと乾燥庫で、80〜130℃程度で20分〜180分程度乾燥する。また、マイクロ波や過熱蒸気等を用いて乾燥することもできる。
本発明の即席麺は、カップ容器に熱湯を注加して数分間待って喫食するタイプのカップ麺でも、また麺を短時間炊いて調理するタイプの袋麺でもよい。いずれの麺においても、麺線間の結着が防止、抑制できるので、前記した油揚げや熱風乾燥等による乾燥時において乾燥ムラが少なく、調理時の湯戻りも均一で食味、食感の良い麺となる。
実験1 <麺帯への打ち粉>
実施例1(麺帯に粉末油脂を打ち粉)
準強力粉850gに澱粉150gを加えて主原料とし、副原料として食塩20g、重合リン酸塩5g、増粘剤10gを溶解させた390mlの練り水を主原料に加え、ミキサーでよく混合、混練し、麺生地を作成した。この麺生地を複合圧延機で厚さ11mmの麺帯状に整形し、これを圧延ロールで5回ロールに通して、徐々に圧延し最終麺帯厚1.35mmまで圧延した。この圧延ロールによる圧延において、最終のロール圧延前の麺帯の状態で、麺帯の上面に自動打ち粉装置(豊製作所製「澱粉散布機」)で粉末状硬化油脂(硬化パーム油:上昇融点58.5℃/粒子径50〜200μmが80%以上/メジアン径130μm)を麺帯上面に満遍なく打ち粉をした。打ち粉をした量は主原料の重量に対し1%(10g)とした。
この麺帯を角刃9番の通常の切刃ロールで切出し、ウェーブボックスを使用せずにネットコンベアでトンネル型蒸気庫へ移送した。約100℃の飽和蒸気で1分30秒蒸煮した後、熱湯で5秒間ボイルし、60℃の着味液にごく短時間通し、1食分130gにカットし、サイズφ120×φ105×h38mmのリテーナに投入して、145℃で2分間フライし、即席油揚げ麺を製造した。
実施例2(麺帯に別のスペックの粉末油脂を打ち粉)
実施例1の製造方法において、粉末状硬化油脂の種類を硬化パーム油に代えて、硬化菜種油(上昇融点65℃/粒子径45〜180μmが80%/メジアン径100μm)を用いて、実施例1と同様に製造し、実施例2の即席油揚げ麺とした。
比較例1(コントロール)
実施例1の製造方法において粉末油脂の打ち粉をせずに、その他の工程は実施例1と同様に製造し、比較例1の即席油揚げ麺とした。
比較例2(麺帯にリン酸架橋米澱粉を打ち粉)
実施例1の製造方法において粉末油脂に代えて、打ち粉として生麺等に使用されるリン酸架橋米澱粉(粒子径2〜8μm)を用いて、実施例1同様に、主原料の重量に対し1%の量を打ち粉した。その他の工程は実施例1と同様に製造し、比較例2の即席油揚げ麺とした。
比較例3(麺帯に酸化馬鈴薯澱粉を打ち粉)
比較例2の製造方法において、打ち粉として用いた澱粉を別の酸化馬鈴薯澱粉(粒子径2〜100μm)に代えて比較例2と同様に製造し、比較例3のフライ麺とした。
上記の各実施例及び比較例の製造方法で製造した即席油揚げ麺は、麺の縮れていないストレートタイプの麺であり、それぞれ麺塊を、ポリスチレン製のカップ容器に入れ熱湯注加タイプのカップ入り即席麺とした。これに熱湯420mlを添加して、蓋をして5分間放置し、箸で軽くほぐして、麺を箸でつまみ上げ、麺線の結着状態を確認した。この麺をパネラー5人で喫食し、麺の湯戻り状態、食感を確かめた。ほぐれは、5分間放置後直ぐに箸で軽くほぐし、麺を持ち上げたり、掻き混ぜて5点満点で判定した。評価は次の通りで、4点以上を合格とした。
5点:ほぐれが良く、箸の通りも引っ掛かりがない。
4点:箸で軽く掻き混ぜる程度でほぐれる。
3点:箸で強く掻き混ぜることで、ようやくほぐれる。
2点:箸でかなり掻き混ぜても結着してほぐれない部分がある。
1点:多数の箇所で結着し、著しくほぐれが悪い。
下記表1に実施例1,2比較例1,2,3の結果を記載する
Figure 0004805382
実験2 <麺線への打ち粉>
実施例3(麺線に粉末油脂を打ち粉)
実施例1の製造方法において麺帯に粉末油脂の打ち粉をせずに、切出し後蒸煮前のコンベア上を移送している麺線に、実施例1同様の自動打ち粉装置で、実施例1と同じ粉末状硬化油脂(硬化パーム油)を打ち粉した。打ち粉した量も実施例1と同様に、主原料の重量に対し1%の量とした。その他の工程は実施例1と同様に製造し、実施例3の即席油揚げ麺とした。
比較例4(麺線に澱粉を打ち粉)
実施例3の麺線への粉末油脂の打ち粉に代えて、酸化処理サゴ澱粉を麺線に、実施例3と同様にして、主原料の重量に対して同じく1%の量の打ち粉をした。その他の工程は、実施例3と同様に製造して比較例4の即席油揚げ麺とした。
Figure 0004805382
実験3 <油脂の使用方法>
比較例5(麺帯に液体油脂を散布する方法)
実施例1の製造方法において、麺帯に粉末油脂の打ち粉をする代わりに、麺帯に液体の精製パームオレイン油(常温で液体の油脂)を、主原料の重量に対して1%の量万遍なく噴霧した。その他の工程は実施例1と同様に製造し、比較例5の即席油揚げ麺とした。
比較例6(麺原料に粉末油脂を混合する方法)
実施例1の製造方法において、麺帯に粉末油脂の打ち粉をする代わりに、麺原料に、主原料の重量に対して1%の量の実施例1と同じ粉末状硬化油脂(硬化パーム油)を副原料として添加、混合して、その他の工程は実施例1と同様に製造し、比較例6の即席油揚げ麺とした。
上記比較例5,6についても、実験1と同様にして湯戻しして、ほぐれを確認し、喫食して評価した。評価結果を表3に記載する。
Figure 0004805382
比較例5の液体油脂の噴霧は、油脂が麺帯に浸透しないため、圧延ロールで麺帯が滑ったり、油脂が圧延ロールや切刃に付着するなど製造上の問題も確認された。また、食感においても油脂を噴霧すると麺線表面が張った感じになり食感に悪影響があった。比較例6の粉末油脂の原料添加では、打ち粉の場合と同じ添加量では充分な効果が得られなかったので、添加量を増やして実験したところ、打ち粉として使用する場合の3倍量(麺の主原料に対し3%)加えれば、麺線の結着、ほぐれについてはある程度満足できる結果となった。しかし、コシの弱い食感となり、食味や風味においても油脂の味が感じられるなど強い影響が見られ、製麺時の麺生地のまとまりも悪く製麺性も悪いものとなった。
実験4 <麺帯に打ち粉をする粉末油脂の量を変更したもの>
実施例4
実施例1の製造方法において麺帯に打ち粉をする粉末状硬化油脂の量を、主原料の重量に対し0.6%に変更して、その他の工程は実施例1と同様にして製造し、実施例4の即席油揚げ麺とした。
実施例5
実施例1の製造方法において麺帯に打ち粉をする粉末状硬化油脂の量を、主原料の重量に対し0.3%に変更して、その他の工程は実施例1と同様にして製造し、実施例5の即席油揚げ麺とした。
上記実施例4,5についても、実験1と同様にして湯戻しして、ほぐれを確認し、喫食して評価した。評価結果を表4に記載する。
Figure 0004805382
上記実験4の結果では0.3%でも結構高い効果があったので、0.2%でも充分に有効であり、0.1%程度でも効果を有すると判断した。
実施例6<熱風乾燥即席麺>
準強力粉900gに澱粉100gを加えて主原料とし、副原料として食塩20g、かんすい9g、重合リン酸塩1gを溶解させた380mlの練り水を主原料に加え、ミキサーでよく混合、混練し、麺生地を作成した。この麺生地を複合圧延機で厚さ11mmの麺帯状に成型し、これを圧延ロールで5回ロールに通して、徐々に圧延し最終麺帯厚1.15mmまで圧延した。この圧延ロールによる圧延において、最終のロール圧延前の麺帯の状態で、麺帯の上面に自動打ち粉装置(豊製作所製「澱粉散布機」)で粉末状硬化油脂(硬化パーム油脂:上昇融点58.5℃/粒子径50〜200μmが80%以上/メジアン径130μm)を麺帯上面に満遍なく打ち粉をした。打ち粉をした量は主原料の重量に対し1%(10g)とした。
この麺帯を丸刃20番の通常の切刃ロールで切出し、ウェーブボックスを使用せずにネットコンベアでトンネル型蒸気庫へ移送した。約100℃の飽和蒸気で1分30秒蒸煮した後、1食分130gにカットし、熱湯で60秒間ボイルし、水洗冷却の後、20℃の着味液に15秒間浸漬し、サイズφ148.5×φ132.5×h30mmのリテーナに投入して、熱風乾燥(一次乾燥100℃12分、二次乾燥85℃24分)を行った。
このようにして製造した実施例6の即席熱風乾燥麺を、麺塊を冷却した後、ポリスチレン製の丼型容器に投入して熱湯注加タイプのカップ入り即席麺とした。これに熱湯420mlを添加して、蓋をして4分間放置し、箸で軽くほぐして、麺を箸でつまみ上げ、麺線の結着状態を確認した。その結果、麺線同士の結着がなくほぐれがよく、均一な食感の優れた麺であった。
本発明は即席麺の品質の向上において有用である。

Claims (8)

  1. 混練、圧延、切出し、蒸煮、および乾燥の各工程を含む即席麺の製造方法であって、
    蒸煮前の麺帯または麺線の状態で、該麺帯および/または該麺線表面に粉末油脂の打ち粉をすることを特徴とする、即席麺の製造方法
  2. 前記圧延工程時、または圧延後切出しまでの麺帯の状態で、麺帯表面に粉末油脂の打ち粉をする、請求項1記載の即席麺の製造方法。
  3. 前記麺帯の状態で粉末油脂の打ち粉をする方法が、前記圧延工程において、麺帯を複数のロールによって圧延する過程で、麺帯が最後のロールに至るまでに麺帯表面に打ち粉をすることにより行われる、請求項1または2に記載の即席麺の製造方法。
  4. 前記麺帯表面が、麺帯の上面および/または下面である請求項1〜3のいずれかに記載の即席麺の製造方法。
  5. 切出し後蒸煮するまでの間に、切出された麺線の表面に粉末油脂の打ち粉をする、請求項1記載の即席麺の製造方法。
  6. 蒸煮前の麺帯または麺線の状態で、該麺帯およびまたは該麺線表面に粉末油脂の打ち粉をすることを特徴とする、即席麺の結着防止方法。
  7. 蒸煮前の麺帯または麺線の状態において、粉末油脂の打ち粉をしたことを特徴する即席麺。
  8. 前記即席麺が、麺線の切出しの際にウェーブボックスを用いずに切出した麺であることを特徴とする請求項1に記載の即席麺。
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