JP4802644B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
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(a−1)ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(a−1)と記す。):溶融粘度110ポイズ
(a−2)ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(a−2)と記す。):溶融粘度300ポイズ
(a−3)ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(a−3)と記す。):溶融粘度ポイズ350ポイズ
<(b)低融点合金>
(b−1)低融点合金(以下、単に低融点合金(b−1)と記す。);石川金属(株)製、(商品名)エバソルR25;Cu5重量%のSn−Cu合金、液相線温度358℃、固相線温度227℃。
(b−2)低融点合金(以下、単に低融点合金(b−2)と記す。);福田金属箔工業(株)製、(商品名)Sn−Cu−Ni−At−150;Cu4重量%、Ni2重量%のSn−Cu−Ni合金、液相線温度460℃、固相線温度220℃。
(b−3)低融点合金(以下、単に低融点合金(b−3)と記す。);石川金属(株)製、(商品名)エバソルF2;Ag1.5重量%、Cu0.85重量%、Bi2重量%のSn−Ag−Cu−Bi合金、液相線温度223℃、固相線温度210℃。
(c−1)金属粉末(以下、単に金属粉末(c−1)と記す。);福田金属箔工業(株)製、(商品名)FCC−115:Cu粉末、平均粒子径20μm、融点1083℃。
(c−1)100W/m・k以上の熱伝導率を有する炭素繊維(以下、単に高熱伝導炭素繊維(c−1)と記す。);三菱化学(株)製、(商品名)ダイアリードK6371T;熱伝導率140W/m・k、チョップドファイバー、繊維径10μm、繊維長6mm。
(c’−1)100W/m・k未満の熱伝導率である炭素繊維(以下、単に低熱伝導炭素繊維(c’−1)と記す。);三菱化学(株)製、(商品名)ダイアリードK223SE;熱伝導率20W/m・k、チョップドファイバー、繊維径10μm、繊維長6mm。
(d−1)鱗片状窒化ホウ素粉末(以下、単に窒化ホウ素粉末(d−1)と記す。);電気化学工業(株)製、(商品名)デンカボロンナイトライドSGP;平均粒子径18.0μm、比表面積2m2/g、G.I値0.9。
(d−2)鱗片状窒化ホウ素粉末(以下、単に窒化ホウ素粉末(d−2)と記す。);電気化学工業(株)製、(商品名)デンカボロンナイトライドSP−2;平均粒子径4.0μm、比表面積34m2/g、G.I値7.5。
(e−1)フォルステライトにより被覆された被覆酸化マグネシウム粉末(以下、単に被覆酸化マグネシウム粉末(e−1)と記す。);タテホ化学工業(株)製、(商品名)クールフィラーCF2−100;フォルステライトによる表面被覆、平均粒子径20μm。
(e’−1)複酸化物で被覆されていない酸化マグネシウム粉末(以下、単に酸化マグネシウム粉末(e’−1)と記す。);協和化学工業(株)製、(商品名)パイロキスマ3320;平均粒子径17μm。
(f−1)カルナバワックス(以下、単にカルナバワックス(f−1)と記す。);日興ファインプロダクツ製、(商品名)精製カルナバ1号粉末。
(g−1)黒鉛(以下、単に黒鉛(g−1)と記す。);昭和電工(株)製、(商品名)UFG−30;人造黒鉛、固定炭素含有量99.4%。
射出成形により長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.2mmの試験片を作製し、該試験片を用いて、ASTM D−790 Method−1(三点曲げ法)に準じ、曲げ強度を測定した。測定装置(島津製作所製、(商品名)AG−5000B)を用い、支点間距離50mm、測定速度1.5mm/分の試験条件で行った。
熱伝導率測定装置(アルバック社製、(商品名)TC7000;ルビーレーザー)を用い、23℃の条件下で、レーザーフラッシュ法にて測定した。厚み方向の熱伝導率は、一次元法により、熱容量Cpと厚み方向の熱拡散率αを求め、また平面方向の熱伝導率は、二次元法により、平面方向の熱拡散率α’を求めて、次式より熱拡散率を算出した。
厚み方向の熱伝導率=ρ×Cp×α
平面方向の熱伝導率=ρ×Cp×α’
ここで、密度ρは、ASTM D−792 A法(水中置換法)に準じ測定した。また、測定に供する試験片は、下記の線膨張係数に用いる平板から切削加工した。さらに、熱伝導率の異方性を評価するために、熱伝導率の(厚み方向)/(平面方向)比率を算出した。該値が100%に近いほど異方性は小さく、逆に0%に近い、又は100%を大きく越える場合は、異方性が大きい、と判断した。
射出成形により長さ70mm、幅70mm、厚み2mmの平板を作製し、該平板より、樹脂の流動方向(MD)及び樹脂の流動方向に直角な方向(TD)に、それぞれ幅5mm、長さ15mmの短冊状板を切り出し、これを線膨張係数測定の試験片とした。次に該試験片を測定装置(アルバック社製、(商品名)DL7000)に装着し、30〜200℃の範囲で、2℃/分の昇温条件のもと、線膨張係数を測定した。さらに、線膨張係数の異方性を評価するために、線膨張係数の(MD)/(TD)比率を算出し、該値が100%に近いほど異方性は小さく、逆に0%に近い、又は100%を大きく越える場合は、異方性が大きい、と判断した。
高化式フローテスターを用い、温度315℃、荷重5kg、ダイ内径2.0mmの条件下、10分間で流出する組成物の重さ(g単位)を測定し、メルトフローレート(以下、MFRと記す。)とした。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、Na2S・2.8H2O1866g及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)5リットルを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、407gの水を溜出させた。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2280gとNMP1500gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、ポリマーを遠心分離器により単離した。温水でポリマーを繰り返し洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
攪拌機を装備する15リットルチタン製オートクレーブにNMP3232g、47%硫化水素ナトリウム水溶液1682g及び48%水酸化ナトリウム水溶液1142gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、1360gの水を溜出させた。この系を170℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン2118gとNMP1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて1時間重合し、続けて250℃まで昇温し、250℃にて2時間重合した。更に、250℃で水451gを圧入し、再度255℃まで昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを固液分離した。ポリマーをNMP、アセトン及び水で順次洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
PPS(a−2)29重量%、低融点合金(b−1)10重量%、金属粉末(c−1)20重量%、窒化ホウ素粉末(d−1)10重量%、被覆酸化マグネシウム粉末(e−1)30重量%及びカルナバワックス(f−1)1重量%の割合でそれぞれを配合し、310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を得た。
PPS(a−1,2,3)、低融点合金(b−1,2)、金属粉末(c−1)、窒化ホウ素粉末(d−1,2)、被覆酸化マグネシウム粉末(e−1)及びカルナバワックス(f−1)を表1に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法により、ポリアリーレンスルフィド組成物、評価用試験片を作成し、評価した。評価結果を表1に示す。
PPS(a−1,2)、低融点合金(b−1,3)、金属粉末(c−1)、窒化ホウ素粉末(d−1)、被覆酸化マグネシウム粉末(e−1)、酸化マグネシウム粉末(e’−1)及びカルナバワックス(f−1)を表2に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法により、組成物、評価用試験片を作成し、評価した。評価結果を表2に示す。
PPS(a−2)24重量%、低融点合金(b−1)10重量%、窒化ホウ素粉末(d−1)10重量%、被覆酸化マグネシウム粉末(e−1)30重量%及びカルナバワックス(f−1)1重量%となる割合で配合し、310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに、一方、高熱伝導炭素繊維(c−1)を該二軸押出機サイドフィーダーのホッパーに、それぞれ投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を作製した。その際、高熱伝導炭素繊維(c−1)は配合割合が25重量%となるように供給を行った。
PPS(a−1,2,3)、低融点合金(b−1,2)、高熱伝導炭素繊維(c−1)、窒化ホウ素粉末(d−1、2)、被覆酸化マグネシウム(e−1)、カルナバワックス(f−1)、及び黒鉛(g−1)を表3に示す配合割合とした以外は、実施例12と同様の方法により、ポリアリーレンスルフィド組成物、評価用試験片を作成し、評価した。評価結果を表3に示す。
PPS(a−1、2)、低融点合金(b−1,3)、高熱伝導炭素繊維(c−1)、低熱伝導炭素繊維(c’−1)、窒化ホウ素粉末(d−1)、被覆酸化マグネシウム粉末(e−1)、酸化マグネシウム粉末(e’−1)及びカルナバワックス(f−1)を表4に示す配合割合とした以外は、実施例12と同様の方法により、ポリアリーレンスルフィド組成物、評価用試験片を作成し、評価した。評価結果を表4に示す。
Claims (2)
- (a)ポリアリーレンスルフィド15〜50重量%、(b)液相線温度300℃以上、かつ固相線温度150℃以上250℃以下である低融点合金としてSn−Cu合金又はSn−Cu−Ni合金5〜40重量%、(c)融点400℃以上の金属粉末及び/又は100W/m・k以上の熱伝導率を有する炭素繊維5〜40重量%、(d)六方晶構造を有する鱗片状窒化ホウ素粉末5〜25重量%、(e)ケイ素とマグネシウムの複酸化物及び/又はアルミニウムとマグネシウムの複酸化物で被覆された被覆酸化マグネシウム粉末15〜50重量%、(f)カルナバワックス0.05〜5重量%、並びに(g)黒鉛5〜40重量%からなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物。
- (a)ポリアリーレンスルフィド15〜50重量%、(b)液相線温度300℃以上、かつ固相線温度150℃以上250℃以下である低融点合金としてSn−Cu合金又はSn−Cu−Ni合金5〜40重量%、(c)100W/m・k以上の熱伝導率を有する炭素繊維5〜40重量%、(d)六方晶構造を有する鱗片状窒化ホウ素粉末5〜25重量%、(e)ケイ素とマグネシウムの複酸化物及び/又はアルミニウムとマグネシウムの複酸化物で被覆された被覆酸化マグネシウム粉末15〜50重量%、(f)カルナバワックス0.05〜5重量%、並びに(g)黒鉛5〜40重量%からなることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
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