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JP4895819B2 - プロピベリン含有経口粉粒状製剤及びその製造法 - Google Patents

プロピベリン含有経口粉粒状製剤及びその製造法 Download PDF

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JP4895819B2 JP2006543172A JP2006543172A JP4895819B2 JP 4895819 B2 JP4895819 B2 JP 4895819B2 JP 2006543172 A JP2006543172 A JP 2006543172A JP 2006543172 A JP2006543172 A JP 2006543172A JP 4895819 B2 JP4895819 B2 JP 4895819B2
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Description

本発明は、プロピベリンを含有する経口粉粒状製剤並びにその製造法に関する。
プロピベリンは、下記の構造を有し、抗コリン作用及び平滑筋直接作用により排尿運動抑制効果を発揮し、神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)に伴う尿失禁、頻尿に優れた効果を発揮する医薬品として有用である(特公昭62-51242号公報)。
Figure 0004895819
プロピベリンの塩酸塩、すなわち塩酸プロピベリンは水溶性(512mg/mL, 37℃)であり、服用の際に不快な味(刺激を伴う著しい苦味)を有し、現在はフィルムコーティングされた錠剤が販売されている。
しかし、尿失禁,頻尿等をわずらっている患者としては高齢者が多く、加齢に伴う嚥下障害により、錠剤の服薬コンプライアンスは低下しがちである。
臨床現場では、錠剤の嚥下困難な患者(特に、高齢者)に対して、服薬コンプライアンスを向上させるために、錠剤を粉砕し粉薬として服用する手法が採られることがある。しかしながら、この手法を、不快な味をマスキングするためにコーティングを施した錠剤に用いた場合、コーティング膜が粉砕の操作によって破壊されてマスキング効果を失うため、粉砕された粉薬は非常に不快な味を呈し、結果として患者の服薬コンプライアンスを低下させる恐れがある。
一方、不快な味を有する薬物の顆粒剤、細粒剤及び散剤のような経口粉粒状製剤の不快な味をマスキングする手法としては、(1)フィルムコーティングを施す方法、(2)砂糖、サッカリン、アスパルテーム等の甘味料を配合する方法などが知られている。
しかし、上記(1)の方法で製造した製剤はコーティングにより粒子が硬くなるため、粒子が歯茎と義歯あるいは頬粘膜との間に挟まった時、疼痛を引き起こす。更に、口腔内に粒子が残留すると砂を口に含んだようなざらざらした感覚がいつまでも残り、時間経過とともにコーティング膜が溶解して不快な味が口腔内にひろがる。
また、上記(2)の方法を用いる場合、特に水溶性の薬剤に対しては、糖類を多量に添加しても不快な味の隠蔽効果は弱い。更に、サッカリン、アスパルテームなどの合成甘味料は、増量することで逆に苦味を発現させてしまう。
したがって、塩酸プロピベリンのような水溶性で不快な味を有する薬物を含有する経口粉粒状製剤の味マスキングにおいては、上記(1)又は(2)いずれの手法を用いても服用感が良好な製剤はでき難く、患者の服薬コンプライアンスの改善に充分な効果が得られていないのが実状である。
また、苦味を有する薬物の味マスキング方法として、pH緩衝剤、pH調節剤を用いて、当該薬物を不溶化することも知られている(非特許文献1、特許文献1〜3参照)。しかし、塩酸プロピベリンに対して、この手法を適用できるかどうかは知られていない。
PHARM TECH JAPAN Vol.6, No.7 (1990), 77-86 特開平2-96526号公報 特開昭58-4714号公報 国際公開WO99/16470号公報
本発明の目的は、薬効成分として一般に入手される塩酸プロピベリンを用いて、服用感が良好で、患者の服薬コンプライアンスの低下が回避できる経口投与製剤を製造することにある。
なお、本明細書及び請求の範囲において、「服用感が良好」とは、口に含んだ時、不快な味が軽減されており、口腔内に製剤の残留感(ざらざらした感覚)がないことをいう。
本発明者らは上記課題を解決するべく、前記非特許文献1などに記載されているpH調節剤を用いて、当該薬物を不溶化する手法を塩酸プロピベリンに適用することを試みた。
しかしながら、この手法には、次のような問題があることが明らかとなった。pH調節剤又はその水溶液と塩酸プロピベリン水溶液とを混合すると、100μmを超える大きな粒子が多数生成し、最悪の場合、巨大なロウ状の物質が生成し、反応容器に付着してしまう。その結果、(i)懸濁液中の粒子径が大きくなり、スプレーによる噴霧が困難となり、またたとえスプレーすることが出来たとしても各成分の含量が均一な製剤を得ることが難しくなる、(ii)析出したロウ状物質が反応容器に付着するため、懸濁液とはならず、ロウ状物質と水とからなる二相系となりやすい、(iii)該ロウ状物質は一般的な粉体に比べハンドリング性が劣り、これを用いて粉粒状製剤を製造することは困難である。
そのため,粒径が100μm超の大きな粒子が少なく、且つ、粒子の分散状態が良好であって、粉粒状製剤を製造するのに適した懸濁液を得ることは不可能かと思われた。
しかしながら、本発明者らは、引き続き種々の検討を行ったところ、次の知見を得た。
(a)塩酸プロピベリン水溶液とpH調節剤又はその水溶液とを混合するのではなく、更に特定の界面活性剤を用いると、100μmを超える大きな粒子が少なく、且つ、粒子の分散状態が良好な懸濁液を得ることができる。
(b)該懸濁液と、通常の粉粒状製剤に使用されている製剤用添加剤とを用いて造粒することにより、粉粒状製剤を製造することができる。
(c)こうして得られる粉粒状製剤は、不快な味が著しく改善され、口腔内に製剤の残留感がなく、服用感が良好である。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を行って完成されたものであり、次の粉粒状製剤、その製造法等を提供するものである。
項1 (a)プロピベリン、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤を含有する服用感が良好な経口粉粒状製剤。
項2 (a)プロピベリンを、塩酸プロピベリン換算で0.5〜10%(w/w)含有し、更に、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤を含有する経口粉粒状製剤であって、プロピベリンを塩酸プロピベリン換算で25mg含有する該製剤を25mLの水に加えて振とうして得られる懸濁液のpHが6.5〜8.0である経口粉粒状製剤。
項3 pH調節剤がリン酸塩類であり、界面活性剤のHLBが11〜18である項1又は2に記載の経口粉粒状製剤。
項4 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群から選ばれる少なくとも1種である項3に記載の経口粉粒状製剤。
項5 pH調節剤が炭酸塩類であり、界面活性剤のHLBが11〜40である項1又は2に記載の経口粉粒状製剤。
項6 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル及びラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である項5に記載の経口粉粒状製剤。
項7 界面活性剤のHLBが14〜18であり、pH調節剤がリン酸二カリウムである項1〜3のいずれかに記載の経口粉粒状製剤。
項8 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群から選ばれる少なくとも1種である項7に記載の経口粉粒状製剤。
項9 界面活性剤がステアリン酸ポリオキシル40であり、pH調節剤がリン酸二カリウムである項1〜3及び7のいずれかに記載の経口粉粒状製剤。
項10 界面活性剤の含有量が、プロピベリンの塩酸プロピベリン換算重量に対して、0.1〜100% (w/w)である項1〜9のいずれかに記載の経口粉粒状製剤。
項11 プロピベリン、界面活性剤及びpH調節剤を含有する経口粉粒状製剤の製造方法であって、
(1)塩酸プロピベリン、界面活性剤、pH調節剤及び水を混合してなり、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液を得る工程、及び
(2)工程(1)で得られた懸濁液を、製剤用添加剤と共に造粒する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
項12 工程(2)において、上記懸濁液を、製剤用添加剤に噴霧して造粒する項11に記載の製造方法。
項13 工程(1)において、懸濁液が、(i)界面活性剤と塩酸プロピベリンとを含む水溶液と(ii)pH調節剤又はpH調節剤水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合することにより得られる項11に記載の製造方法。
項14 工程(1)において、懸濁液が、(iii)界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物と、(iv)塩酸プロピベリン水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合することにより得られる項11に記載の製造方法。
項15 該懸濁液中にプロピベリンが塩酸プロピベリン換算で1〜45%(w/w)存在する項11〜14のいずれかに記載の製造方法。
項16 pH調節剤が、リン酸塩類又は炭酸塩類である項11〜14のいずれかに記載の製造方法。
項17 pH調節剤がリン酸塩類であり、界面活性剤のHLBが11〜18である項11に記載の製造方法。
項18 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群から選ばれる少なくとも1種である項17に記載の製造方法。
項19 pH調節剤が炭酸塩類であり、界面活性剤のHLBが11〜40である項11に記載の製造方法。
項20 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である項19に記載の製造方法。
項21 界面活性剤のHLBが14〜18であり、pH調節剤がリン酸二カリウムである項11に記載の製造方法。
項22 界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群から選ばれる少なくとも1種である項21に記載の製造方法。
項23 界面活性剤がステアリン酸ポリオキシル40である項21に記載の製造方法。
項24 懸濁液中の界面活性剤の含有量が、塩酸プロピベリンの重量に対して0.1〜100%(w/w)である項11〜23のいずれかに記載の製造方法。
項25 項11〜24のいずれかに記載の製造方法で得ることができる(又は得られた)経口粉粒状製剤。
項26 塩酸プロピベリン,界面活性剤,pH調節剤及び水を混合してなり,該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液。
項27 プロピベリンが塩酸プロピベリン換算で1〜45%(w/w)存在し、界面活性剤の含有量が、塩酸プロピベリンの重量に対して0.1〜100%(w/w)である項26に記載の懸濁液。
項28 粒径が100μmを超える大きな粒子の存在率が、約50%以下である項26又は27に記載の懸濁液。
項29 塩酸プロピベリン、界面活性剤、pH調節剤及び水を混合してなり、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液の製造方法であって、
(i)界面活性剤と塩酸プロピベリンとを含む水溶液と、(ii)pH調節剤又はpH調節剤水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合するか、又は、
(iii)界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物と、(iv)塩酸プロピベリン水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合する
ことを特徴とする製造方法。
本明細書及び請求の範囲において、「%(w/w)」は、溶液又は懸濁液又は製剤の重量に対する重量の百分率を示している。例えば、製剤Sのある成分Cの濃度(含有量)が10%(w/w)である場合、該成分Cは、製剤S100g当たり、10g含まれていることを示す。
また、「%(w/w)」は、成分Xの重量に対する成分Yの重量の百分率を示す。例えば、成分Yの量が、成分Xに対して1%(w/w)である場合、該成分Yは、成分X100g当たり、1g存在することを示す。
また、本明細書及び請求の範囲において、「粉粒状製剤」とは、医薬品を粉又は粒状に製した製剤を指す。これら粉又は粒状に製した医薬品の粒度分布によって、散剤、細粒剤、顆粒剤等の分類がなされる。ここで、散剤、細粒剤、顆粒剤は、日本薬局方に記載の分類に従うものである。
本発明によれば、次の優れた効果が奏される。
(a)塩酸プロピベリン水溶液とpH調節剤又はその水溶液とを混合するのではなく、更に特定の界面活性剤を用いることに基づき、100μmを超える大きな粒子が少なく、且つ、粒子の分散状態が良好な懸濁液を得ることができる。
(b)通常の粉粒状製剤に使用されている製剤用添加剤と該懸濁液を用いて造粒することにより、粉粒状製剤を製造することができる。
(c)こうして得られる粉粒状製剤は、不快な味が著しく改善され、口腔内に製剤の残留感がなく、服用感が良好である。
(d)したがって、本発明により、塩酸プロピベリンの不快な味及び服用感から生じる服薬コンプライアンス低下を回避できる。
上記のように、本発明は、(a)プロピベリン、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤を含有する服用感が良好な経口粉粒状製剤を提供するものである。
塩酸プロピベリン
本発明の粉粒状製剤を製造するに際しては、薬効成分として塩酸プロピベリンを使用する。塩酸プロピベリンは、市販されており、入手容易である。
pH調節剤
本発明におけるpH調節剤としては、界面活性剤を添加した又は添加していない塩酸プロピベリン水溶液のpHを6.5〜8.0に調節できるものであれば特に制限はなく、例えば、有機酸のアルカリ金属塩、有機酸のアルカリ土類金属塩、アミノ酸、アミノ酸の金属塩、及び無機化合物を挙げることができる。
有機酸のアルカリ金属塩としては、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酢酸、乳酸等の有機酸とナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩を挙げることができる。有機酸のアルカリ土類金属塩としては、上記有機酸とマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩を挙げることができる。
アミノ酸としては、具体的には、グリシン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン及びヒスチジン等を挙げることができ、アミノ酸の金属塩としては、アミノ酸のアルカリ金属塩が好ましく、該アルカリ金属塩としては、上記アミノ酸とナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩を挙げることができる。
また、無機化合物としては、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム及びポリリン酸ナトリウム等をあげることができる。
上記有機酸のアルカリ金属塩、有機酸のアルカリ土類金属塩、アミノ酸、アミノ酸の金属塩、及び無機化合物のうち、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等の、水に殆ど溶解しない塩を用いて製剤化した場合、服用時にこれらの塩が残って舌上がざらざらとした感じとなる場合があり、服用感の低下につながる傾向があるので、ナトリウム塩、カリウム塩に比べると、若干劣るが、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等も使用可能である。
また、上記有機酸のアルカリ金属塩、有機酸のアルカリ土類金属塩、アミノ酸、アミノ酸の金属塩、及び無機化合物のうち、ナトリウム塩類を用いて製剤化した場合は、服用時のざらざら感はないものの、上記カリウム塩類を用いて製剤化した場合に比べて塩味が強く、服用感が若干劣る場合があるので、上記カリウム塩類を使用するのがより好ましい。
本発明における上記pH調節剤のうちでも、製剤化時の分散性の観点又は服用感・風味の観点から、炭酸塩類又はリン酸塩類が好ましく、特にリン酸塩類が更に好ましい。
炭酸塩類としては、具体的には、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、特に好ましくは炭酸水素ナトリウムである。なお、炭酸塩類を用いた場合、炭酸ガスの発生により薬物粒子の分散性が改善されることがある。
リン酸塩類としては、具体的には、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられ、より好ましくはリン酸二カリウム(即ち、リン酸水素二カリウム)である。
本発明においては、塩酸プロピベリン、界面活性剤、pH調節剤を混合してなる混合液(後述の本発明の懸濁液)のpHが6.5〜8.0の範囲、好ましくは6.8〜7.4の範囲となる量でpH調節剤を使用することが好ましい。混合液のpHが6.5より低ければ、製造された粉粒状製剤の味が苦く、服用感が悪い。一方、混合液のpHを8.0より高くするためにpH調節剤を多量に用いても製剤の苦味や服用感に著しい変化はない。
上記pH調節剤の配合割合は、各々のpH調節能力により適宜調整することができ、例えば、リン酸二カリウムの場合、塩酸プロピベリン1モルに対し2〜5モル、特に2.5〜3.5モルの割合で配合することができる。
界面活性剤
本発明における界面活性剤としては、塩酸プロピベリン水溶液に添加し、薬物粒子を微細に分散できるものであれば特に制限はなく、各種のものを使用できる。具体的には、コレステロール、ショ糖脂肪酸エステル(例えば、ショ糖ラウリン酸エステル,ショ糖ミリスチン酸エステル,ショ糖パルミチン酸エステル,ショ糖ステアリン酸エステル,ショ糖オレイン酸エステル等のショ糖C12-C18脂肪酸エステル)、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸ポリオキシル40(日本薬局方)等)、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等)、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート60(医薬品添加物規格)、ポリソルベート80(日本薬局方)等)、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600等)、モノステアリン酸グリセリン、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)等を挙げることができる。これらは、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、pH調節剤の種類に応じて、特定のHLB(Hydrophile Lipophile Balance)値を有する界面活性剤を上記界面活性剤から適宜選択して使用することが通常好ましい。例えば、上記pH調節剤として前記リン酸塩類を使用する場合は、HLBが11〜18、特に14〜18の界面活性剤が好ましい。具体的には、HLBが11〜18であるポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、更にはHLBが14〜18であるポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、特にステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80が好ましい。
また、上記pH調節剤として前記炭酸塩類を使用する場合は、HLBが11〜40、特に14〜40の界面活性剤が好ましい。具体的には、HLBが11〜40であるショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はアニオン性界面活性剤が好ましく、更にはHLBが14〜40であるショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はアニオン性界面活性剤が好ましく、特にショ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
HLBがこの範囲内の界面活性剤を用いることにより、懸濁液中の薬物粒子を微細に分散することができ、スプレーガンを用いて噴霧できない粗粒子の存在比を小さくすることができ、大規模な粉粒状製剤の製造に適している流動層による造粒が容易となるため好ましい。
なお、HLB(Hydrophile Lipophile Balance)値とは界面活性剤の親油性、親水性を表す指標であり0に近いほど親油性が高く、値が大きくなるほど親水性が高いことを表している。
上記HLB値は、 種々の計算式により計算することができるが、本発明では、例えば「新版界面活性剤ハンドブック(工学図書株式会社)pp234-236〔1987〕」に記載される方法で計算することができる。
本発明経口粉粒状製剤の製造方法
本発明の経口粉粒状製剤を製造するには、種々の方法が採用できるが、一般には、まず、塩酸プロピベリン,界面活性剤,pH調節剤及び水を混合し、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液を得る。次いで、公知の製剤用添加剤と該懸濁液を用いて造粒することにより、本発明の粉粒状製剤を製造することができる。
該懸濁液は、(i)界面活性剤と塩酸プロピベリンとを含む水溶液と、(ii)pH調節剤又はpH調節剤水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合することにより得られる。或いは、該懸濁液は、例えば、(iii)界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物と、(iv)塩酸プロピベリン水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合することにより得ることもできる。これらの方法に限らず、本発明の懸濁液は、他の方法によっても製造可能である。
得られる懸濁液中においては、pH調節剤を使用して原料の塩酸プロピベリンが中和されているので、実質上全量の塩酸プロピベリンが遊離塩基(遊離のプロピベリン)となっている。しかしながら、プロピベリンの塩、例えば、塩酸プロピベリン又はプロピベリンとpH調節剤との塩等が、若干量、特に、最終的な製剤中に苦味を感じさせない程度の量で含まれていてもよい。該プロピベリンの塩の量は、塩酸プロピベリンの仕込み量に対して5%未満、特に2%未満であるのが好ましい。
いずれの場合も、得られる懸濁液の組成が下記のようになるように混合する:
プロピベリンの含有量:懸濁液に対して、塩酸プロピベリン換算で1〜45%(w/w)、特に2〜10%(w/w)、
界面活性剤の含有量:上記プロピベリンの塩酸プロピベリン換算量に対し、0.1〜100%(w/w)、好ましくは0.5〜15%(w/w)、より好ましくは0.65〜13%(w/w)、
pH調節剤の含有量:懸濁液のpHが6.5〜8.0、好ましくは6.8〜7.4となる量、
懸濁液のpH:6.5〜8.0、好ましくは6.8〜7.4。
得られる懸濁液が上記組成となる限り、各成分の濃度、使用形態などは特に限定されないが、典型的には、次のようにすればよい。
上記(i)の界面活性剤と塩酸プロピベリンとを含む水溶液において、塩酸プロピベリンの使用量は、溶媒である水に対して、1〜50%(w/w)、特に2〜10%(w/w)であるのが好ましい。
界面活性剤は、懸濁液中の薬物粒子を微細に分散させ、ロウ状の物質が生成して反応容器に付着するのを防止するために添加するものであり、その添加量は、塩酸プロピベリンの重量に対し、一般には0.1〜100%(w/w)、好ましくは0.5〜15%(w/w)、より好ましくは0.65〜13%(w/w)の範囲で添加すればよい。該範囲内であると、界面活性剤の作用で薬物が多量溶解すること及び界面活性剤自体の味を感じやすくなることを防止できるので、苦味が抑制され、服用感も良好である。また、界面活性剤を用いない場合、噴霧懸濁液中の粗粒子の存在比が高くなり、流動層による造粒ができない。
また、上記(ii)のpH調節剤の使用量も所望の懸濁液が得られる限り広い範囲から適宜選択できるが、通常は、最終的に得られる懸濁液のpHが6.5〜8.0、好ましくは6.8〜7.4となるような量で使用するのが好ましい。pH調節剤は、そのまま使用してもよいが、予め水溶液の形態にしておいて使用することもできる。
上記(iii)の界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物において、界面活性剤の添加量は、塩酸プロピベリンの重量に対し、一般には0.1〜100%(w/w)、好ましくは0.5〜15%(w/w)、より好ましくは0.65〜13%(w/w)の範囲で添加すればよい。また、pH調節剤の使用量も所望の懸濁液が得られる限り広い範囲から適宜選択できるが、通常は、最終的に得られる懸濁液のpHが6.5〜8.0、好ましくは6.8〜7.4となるような量で使用するのが好ましい。上記(iii)の界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物において、界面活性剤及びpH調節剤の合計量は、広い範囲から適宜選択できるが、一般には水に対して0.1〜500%(w/w)、特に1〜150%(w/w)とするのが好ましい。
上記(iv)の塩酸プロピベリン水溶液において、塩酸プロピベリンの使用量は、溶媒である水に対して、1〜50%(w/w)、特に2〜10%(w/w)であるのが好ましい。
本発明の製造法においては、前記のように、pH調節剤として前記リン酸塩類を使用する場合は、HLBが11〜18、特に14〜18である界面活性剤を用いるのが好ましい。また、pH調節剤として前記炭酸塩類を使用する場合は、HLBが11〜40、特に14〜40である界面活性剤を使用するのが好ましい。
更に、界面活性剤のHLBが14〜18であり、pH調節剤がリン酸二カリウムであるのがより好ましい。この場合、界面活性剤としては、ステアリン酸ポリオキシル40であるのが特に好ましい。
上記懸濁液を製造するに際して、上記(i)と(ii)との混合、及び、(iii)と(iv)との混合は、公知の装置、例えば、マグネチックスターラー,ホモジナイザー,ホモミクサー,ホモディスパー、撹拌プロペラ等を用いて行えばよい。
混合条件は、広い範囲から適宜選択でき、特に限定されないが、一般には、15〜30℃、特に20〜25℃の温度で、両者が十分混合されるような撹拌速度で所望の懸濁液が得られるまで混合操作を行えばよい。
こうして得られる、塩酸プロピベリン、界面活性剤、pH調節剤及び水を混合し、該pH調節剤でpH6.8〜7.4に調節された懸濁液は、粒径が100μmを超える大きな粒子が少なく、且つ、粒子の分散状態が良好である。粒径が100μmを超える大きな粒子の存在率は、通常、50%以下、特に10〜45%程度である。
なお、上記存在率の求め方は、次の通りである。即ち、析出した薬物粒子を目開き100μmのフィルターで濾取し、50℃で21時間以上真空乾燥する。これを秤量し、粒子径が100μmより大きな薬物粒子の存在率(%)を仕込んだ塩酸プロピベリン量から算出する。
本発明の上記懸濁液及び必要に応じて公知の製剤添加物を用いると、粉粒状製剤の製造に使用されている公知の方法により、不快な味が著しく改善され、口に含んだ時に服用感が良好な粉粒状製剤が得られ、不快な味及び服用感から生じる服薬コンプライアンス低下を回避できる。従って、本発明は、上記塩酸プロピベリン、界面活性剤、pH調節剤及び水を混合してなり、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液を提供するものでもある。
上記本発明の懸濁液を用いて本発明の経口粉粒状製剤を製造するには、必要に応じて公知の製剤添加物を用いて、公知の経口粉粒状製剤の製造方法、例えば、流動層造粒法、撹拌造粒法、転動流動層造粒法、押出し造粒法、噴霧乾燥法等を用いることができるが、これらに限定されない。これらの中でも、上記本発明の懸濁液を公知の製剤用添加剤に噴霧して造粒するのが好ましい。
上記製剤添加物は、これを使用する場合、本発明の効果を妨げない範囲で使用される。かかる製剤添加物としては、粉粒状製剤の製造に一般に用いられる種々の製剤添加物であり、例えば、糖類、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、着香剤、矯味剤等を挙げることができる。
糖類としては、具体的には単糖類(アラビノース、キシロース、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、マンノース、ソルボースなど)、オリゴ糖(ショ糖、乳糖、麦芽糖、還元麦芽糖、イソマルトースなど)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールなど)が挙げられる。これらの糖類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
賦形剤としては、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及びケイ酸カルシウム等を挙げることができる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、クロスポビドン、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウム等を挙げることができる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク及びショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
着色剤としては、食用黄色5号色素、食用赤色2号色素、食用青色2号色素、食用レーキ色素、黄色三二酸化鉄及び酸化チタン等を挙げることができる。
着香剤としては、オレンジ、レモン各種香料等を挙げることができる。
矯味剤としては、L-メントール、カンフル、ハッカ等を挙げることができる。
本発明の経口粉粒状製剤の典型的な製造法としては、例えば、流動層造粒コーティング装置を用いて、上記本発明の懸濁液を、流動状態の製剤添加物に噴霧して造粒する方法を挙げることができる。
本発明の経口粉粒状製剤
上記本発明の製造方法により得られる本発明の経口粉粒状製剤の剤形は、特に限定されるものではないが、例えば顆粒剤、散剤、及び細粒剤等を挙げることができる。なお、顆粒剤、散剤及び細粒剤には、用時溶解して用いるドライシロップ剤を含み、また、口腔内で速やかに溶解、崩壊し、水なしでも服用できる粒状物を含む。
本発明の経口粉粒状製剤は、(a)プロピベリン、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤、及び必要に応じて、前記製剤添加物を含有するものであり、苦味が抑制されており、また、服用感が良好な経口粉粒状製剤である。
本発明においては、製剤処方中にプロピベリンを、塩酸プロピベリン換算で0.5〜10%(w/w)、特に1〜5%(w/w)含むのが一般的である。薬効成分濃度がこの範囲を外れてもよいが、通常は、現実的ではない。なぜなら、塩酸プロピベリンの1回投与量はおおよそ20mg程度が見込まれるが、薬物濃度が0.5%(w/w)より低い場合、塩酸プロピベリン20mg相当量を服用するには4gより多くの粉粒状製剤を服用する必要があり、服用しやすいとは言い難く、また、薬物濃度が10%(w/w)より高い場合、塩酸プロピベリン20mg相当量は200mgより少なくなるが、この量は一般的な分包装置では充填することが非常に困難な量となるためである。
本発明の経口粉粒状製剤においては、塩酸プロピベリンは、pH調節剤で中和され、その結果、塩酸プロピベリンの遊離塩基の形態で存在している。本発明の製剤においては、該遊離塩基のみを含んでいてもよいが、若干量のプロピベリンの塩、例えば、塩酸プロピベリン、プロピベリンとpH調節剤との塩が含まれていてもよい。該プロピベリンの塩の量は、仕込んだ塩酸プロピベリンの量に対して、5%未満、特に2%未満であるのが好ましく、この程度の量であれば、一般には服用コンプライアンス上問題となるような苦味は感じない。
より詳しくは、本発明の経口粉粒状製剤は、(a)プロピベリンを、塩酸プロピベリン換算で0.5〜10%(w/w)含有し、更に、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤を含有する経口粉粒状製剤であって、最終製剤において塩酸プロピベリン25mgに相当する量の該製剤を、25mLの水に加えて振とうして得られる懸濁液のpHが6.5〜8.0、好ましくは7.0〜7.5である。
なお、振とうは、温度を25℃に設定した恒温槽中、幅30mm、速度120rpmの条件で60分間行う。
上記において、界面活性剤の含有量は、(a)のプロピベリンの塩酸プロピベリン換算重量に対し、0.1〜100% (w/w)、特に0.5〜15%(w/w)、更に0.65〜13% (w/w)であるのが好ましい。
また、pH調節剤の量は、塩酸プロピベリン25mgに相当する量の該製剤を、25mLの水に加えて振とうして得られる懸濁液のpHが6.5〜8.0となるのに有効な量である。
本発明の製剤においては、前記のように、pH調節剤として前記リン酸塩類を使用する場合は、HLBが11〜18、特に14〜18である界面活性剤を用いるのが好ましい。また、pH調節剤として前記炭酸塩類を使用する場合は、HLBが11〜40、特に14〜40である界面活性剤を使用するのが好ましい。
更に、界面活性剤のHLBが14〜18であり、pH調節剤がリン酸二カリウムであるのがより好ましい。この場合、界面活性剤としては、ステアリン酸ポリオキシル40であるのが好ましい。
本発明の粉粒状製剤は、塩酸プロピベリンの不快な味が著しく改善され、口に含んだ時に服用感が良好な粉粒状製剤が得られ、不快な味及び服用感から生じる服薬コンプライアンス低下を回避できる。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
塩酸プロピベリン10g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(日光ケミカルズ株式会社製)0.13gを精製水225gに溶解し、得られた溶液(液A)を、マグネチックスターラーを用いて充分に撹拌した。一方、リン酸二カリウム12.94gを精製水150gに溶解した溶液(液B)を、前記塩酸プロピベリン水溶液(液A)に加えて、均一となるまで撹拌し、本発明の懸濁液を調製した。得られた懸濁液(液A+液B)のpHは7.0であった。
実施例2及び3
実施例1と同様の方法に従い、表1に示す界面活性剤を表1に記載の量で用いて本発明の懸濁液を調製した。得られた懸濁液のpHを表1に示す。なお、これら実施例において、ポリソルベート80は和光純薬株式会社製、ステアリン酸ポリオキシル40は日光ケミカルズ株式会社製を用いた。
比較例1
界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較懸濁液を調製した。得られた懸濁液のpHを表1に示す。
実施例4
塩酸プロピベリン10g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(日光ケミカルズ株式会社製)0.13gを精製水225gに溶解した溶液(液A)を、マグネチックスターラーを用いて充分に撹拌した。一方、炭酸水素ナトリウム6.24gを精製水150gに溶解した溶液(液C)を、前記塩酸プロピベリン水溶液(液A)に加えて、均一となるまで撹拌し、本発明の懸濁液を調製した。得られた懸濁液(液A+液C)のpHは7.0であった。
実施例5〜8
実施例4の方法に従い、表1に示す界面活性剤を表1に記載の量で用いて本発明の懸濁液を調製した。得られた懸濁液のpHを表1に示す。なお、これら実施例において、ポリソルベート80は和光純薬株式会社製、ステアリン酸ポリオキシル40は日光ケミカルズ株式会社製、ショ糖ステアリン酸エステルは第一工業製薬株式会社、ラウリル硫酸ナトリウムは和光純薬株式会社製を用いた。
比較例2
界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を添加しなかった以外は実施例4と同様にして、比較懸濁液を調製した。得られた懸濁液のpHを表1に示す。
試験例1
実施例1〜8及び比較例1及び2において調製された懸濁液の分散状態を下記評価法に従って評価した。結果を表1に示す。
<評価法>
懸濁液中の析出した薬物粒子を、目開き100μmのフィルターで濾取し、50℃で21時間以上真空乾燥する。これを秤量し(WL)、粒子径が100μmより大きな薬物粒子の存在率P(%)を、仕込んだ薬物量(Wo、即ち、塩酸プロピベリンの仕込量)の遊離塩基換算量に基づいて、下記式から算出した:
存在率P(%)=[WL/(Wo×(367.48)/(403.94))]×100
上記式中、367.48はプロピベリンの分子量であり、403.94は塩酸プロピベリンの分子量である。
存在率Pが小さいほど粒子径100μm以下の粒子が懸濁液中に多く存在していることを意味しており、分散状態が良好であるといえる。
Figure 0004895819
表1の結果から明らかなように、界面活性剤を添加することにより分散状態が良好な懸濁液が製造されることが判る。
界面活性剤を使用しなかった比較例1及び2では、巨大なロウ状の物質が生成し、反応容器に付着していた。
これに対して、pH調節剤を界面活性剤と併用した場合、例えば、pH調節剤としてリン酸塩類(リン酸二カリウム)を使用し、HLBが14〜18の界面活性剤を用いた場合(実施例1〜3)、粒子径が100μmより大きな薬物粒子の存在率(%)が、比較例1に比べて低く、分散状態が改善されることが判明した。また、pH調節剤として、発泡性を有する炭酸塩類(炭酸水素ナトリウム)を用いた場合、界面活性剤のHLBが14〜40で、界面活性剤を使用しない比較例2に比し、分散状態が改善されることが判明した。
実施例9
塩酸プロピベリン10g、ステアリン酸ポリオキシル40(日光ケミカルズ株式会社製)0.13gを精製水225gに溶解した(液A’)。また、リン酸二カリウム12.94gを精製水150gに溶解した溶液(液B)を、前記塩酸プロピベリン水溶液(液A’)に加えマグネチックスターラーを用いて600rpmで1時間撹拌を行った。この時、懸濁液(液A’+液B)のpHは7.0であった。
一方、D-マンニトール 379.87g、精製白糖 43g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(商品名「LH-31」信越化学工業株式会社製)47g、軽質無水ケイ酸2gを、流動層造粒コーティング装置(商品名「マルチプレックス MP-01」、株式会社パウレック製)に仕込み、上記懸濁液をスプレー速度6.2g/分で噴霧し、造粒を行った。乾燥後、得られた造粒物を目開き500μmの篩で篩過し、細粒剤を得た。
実施例10
塩酸プロピベリン10g、ステアリン酸ポリオキシル40(日光ケミカルズ株式会社製)0.13gを精製水225gに溶解する(液A’)。また、炭酸水素ナトリウム6.24gを精製水150gに溶解した溶液(液B’)を、前記塩酸プロピベリン水溶液(液A’)に加え、マグネチックスターラーを用いて600rpmで1時間撹拌を行った。この時、懸濁液(液A’+液B’)のpHは7.0であった。
一方、D-マンニトール 379.87g、精製白糖 43g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-31) 47g、軽質無水ケイ酸2gを流動層造粒コーティング装置(マルチプレックスMP-01)に仕込み、上記懸濁液をスプレー速度5.5g/分で噴霧し造粒を行った。乾燥後、得られた造粒物を目開き500μmの篩で篩過し、細粒剤を得た。
試験例2
実施例9及び10で得られた製剤につき、苦味と服用感についての官能試験(標準的なパネル試験)を行った。評価項目は下記の通りである。
評価項目:製剤の苦味および服用感につき、下記判定基準で評価する。
〔苦味〕
4:極めて苦い
3:苦い
2:やや苦い
1:苦味を感じない。
〔服用感〕
4:服用できない
3:服用しにくい
2:やや服用しにくい
1:服用できる。
結果、苦味については、「極めて苦い」という評価はなく、「苦味を感じない」か又は「やや苦い」との評価が得られ、服用感については、「服用できない」という評価はなく、服用感が良好であった。なお、両者を比較すると、苦味についての官能試験に関しては、両者同等であったが、服用感についての官能試験においては、pH調節剤として炭酸水素ナトリウムを用いた実施例10の製剤に比べて、pH調節剤としてリン酸二カリウムを用いた実施例9の製剤の方が、優れているとの評価が得られた。
実施例11及び12
pH調節剤を表2に示す仕込み量で使用した以外は実施例9に記載の方法に従い細粒剤を製造した。得られた懸濁液のpHを表2に示す。なお、表2には、前記実施例9の処方及びpHも併記する。
比較例3
塩酸プロピベリン10g、ステアリン酸ポリオキシル40(日光ケミカルズ株式会社製)0.13gを精製水225gに溶解した(液A’)。更に精製水150g(液C)を加えマグネチックスターラーを用いて600rpmで1時間撹拌を行った。この時、溶液(液A’+液C)のpHは4.2であった(表2参照)。
一方、D-マンニトール 379.87g、精製白糖 43g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-31) 47g、軽質無水ケイ酸2gを流動層造粒コーティング装置(マルチプレックス MP-01)に仕込み、上記混合液をスプレー速度6.4g/分で噴霧し造粒を行った。乾燥後、得られた造粒物を目開き500μmの篩で篩過し、細粒剤を得た。
Figure 0004895819
試験例3
実施例9、11,12、及び比較例3で得られた製剤につき、苦味と服用感についての官能試験を行った。官能試験は、試験例2に準じて行った。
結果、懸濁液のpHが、6.8(実施例11)、7.0(実施例9)及び7.4(実施例12)の場合は、苦味については、「極めて苦い」という評価はなく、「苦味を感じない」か又は「やや苦い」との評価が得られ、服用感については、「服用できない」という評価はなく、服用感が良好であった。中でもpH7.0(実施例9)は苦味が最も弱く、服用感も最良であるとの評価を得た。
一方、溶液のpHが4.2(比較例3)の場合は、苦味についての官能試験に関しては、「苦い」という評価が多く、服用感についての官能試験においては、「服用しにくい」又は「服用できない」との評価が多かった。
上記結果から明らかなように、pHが6.8〜7.4の懸濁液を用いて製造した実施例11,9,12は、pHが4.2の溶液を用いて製造した比較例3に比べ、製剤の苦味及び服用感が改善された。
実施例13及び14
実施例9に従い、同様の方法で表3に示す仕込み量で細粒剤を製造した。なお表3には、比較のために実施例9の処方をあわせて示した。
また、表3には、塩酸プロピベリンに対するステアリン酸ポリオキシル40(日光ケミカルズ株式会社製)の添加量(重量%)を記載する。
比較例4
塩酸プロピベリン10gを精製水225gに溶解する(液D)。また、リン酸二カリウム12.94gを精製水150gに溶解した溶液(液B)を、前記塩酸プロピベリン水溶液(液D)に加えマグネチックスターラーを用いて600rpmで1時間撹拌を行った。
得られた懸濁液を目視にて観察したところ、巨大なロウ状の物質が生成し、反応容器に付着していた。また、懸濁液(液B+液D)中の反応容器に付着していない固体については、非常に大きな粒子が確認され、試験例1で用いた評価法により粒子径が100μmより大きな薬物粒子の存在率Pを求めたところ87.2(%)であり、スプレーガンからの噴霧は困難であると考えられたため、細粒剤を得ることができなかった。
Figure 0004895819
試験例4
実施例9、13及び14で得られた製剤につき、苦味と服用感についての官能試験を行った。官能試験は、試験例2に準じて行った。
結果、塩酸プロピベリンに対するステアリン酸ポリオキシル(日光ケミカルズ株式会社製)の添加量(%)が、0.65%(実施例13)、1.3%(実施例9)、13%(実施例14)の場合は、苦味については、「極めて苦い」という評価はなく、苦味を感じないか又は「やや苦い」との評価が得られ、服用感については、「服用できない」という評価はなく、服用感が良好であった。この中でもステアリン酸ポリオキシルの添加量(%)が1.3%(実施例9)の場合は、苦味が最も弱く,服用感も最良であるとの評価を得た。
これに対して、混合液中にステアリン酸ポリオキシル40を添加しない場合(比較例4)は、巨大なロウ状の物質が生成し、反応容器に付着し、薬物粒子が十分分散されず、流動層造粒で製剤を得ることができないことが分かった。
試験例5
前記実施例11、9、12及び比較例3で得られた製剤の一定量、即ち、プロピベリンを塩酸プロピベリン換算で25mg含有する量を秤量し、これを、25mLの水に加えて振とうして得られる液のpHを調べた。
振とう条件は、次の通りである。
恒温槽設定温度:25℃
振幅:幅30mm
振とう速度:120rpm
振とう時間:60分間
結果を下記の表4に示す。
Figure 0004895819
表4から、上記振とう試験で得られた液のpHが、比較例3の製剤の場合は弱酸性であるのに対して、本発明の製剤(実施例11、9、12)の場合は、中性付近であることが判る。従って、上記試験例3〜5の結果を考慮すると、本発明製剤についての上記振とう試験で得られたpHが中性付近であれば不快な味を改善出来るものと考えられる。
本発明によれば、界面活性剤を加えた塩酸プロピベリン水溶液とpH調節剤を含む液を混合した液を用いて粉粒状製剤を製造すると、不快な味が著しく改善され、口に含んだ時に服用感が良好な製剤が得られる。したがって、本発明により不快な味及び服用感から生じる服薬コンプライアンス低下を回避できる。

Claims (23)

  1. (a)プロピベリン、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤を含有する服用感が良好な経口粉粒状製剤であって、
    (1)塩酸プロピベリン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル及びラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む界面活性剤;pH調節剤;及び水を混合してなり、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液を得る工程、及び
    (2)工程(1)で得られた懸濁液を、製剤用添加剤と共に造粒する工程
    を含む方法により得られる、
    経口粉粒状製剤
  2. (a)プロピベリンを、塩酸プロピベリン換算で0.5〜10%(w/w)含有し、更に、(b)界面活性剤及び(c)pH調節剤を含有する経口粉粒状製剤であって、プロピベリンを塩酸プロピベリン換算で25mg含有する該製剤を25mLの水に加えて振とうして得られる懸濁液のpHが6.5〜8.0である請求項1に記載の経口粉粒状製剤。
  3. pH調節剤がリン酸塩類であり、界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の経口粉粒状製剤。
  4. pH調節剤が炭酸塩類であり、界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル及びラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の経口粉粒状製剤。
  5. pH調節剤がリン酸二カリウムである請求項1又は3に記載の経口粉粒状製剤。
  6. 界面活性剤がステアリン酸ポリオキシル40である、請求項1〜5のいずれかに記載の経口粉粒状製剤。
  7. 界面活性剤の含有量が、プロピベリンの塩酸プロピベリン換算重量に対して、0.1〜100% (w/w)である請求項1〜6のいずれかに記載の経口粉粒状製剤。
  8. プロピベリン、界面活性剤及びpH調節剤を含有する経口粉粒状製剤の製造方法であって、
    (1)塩酸プロピベリン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル及びラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む界面活性剤pH調節剤及び水を混合してなり、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液を得る工程、及び
    (2)工程(1)で得られた懸濁液を、製剤用添加剤と共に造粒する工程
    を含むことを特徴とする製造方法。
  9. 工程(2)において、上記懸濁液を、製剤用添加剤に噴霧して造粒する請求項に記載の製造方法。
  10. 工程(1)において、懸濁液が、(i)界面活性剤と塩酸プロピベリンとを含む水溶液と(ii)pH調節剤又はpH調節剤水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合することにより得られる請求項に記載の製造方法。
  11. 工程(1)において、懸濁液が、(iii)界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物と、(iv)塩酸プロピベリン水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合することにより得られる請求項に記載の製造方法。
  12. 該懸濁液中にプロピベリンが塩酸プロピベリン換算で1〜45%(w/w)存在する請求項に記載の製造方法。
  13. pH調節剤が、リン酸塩類又は炭酸塩類である請求項に記載の製造方法。
  14. pH調節剤がリン酸塩類であり、界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の製造方法。
  15. pH調節剤が炭酸塩類であり、界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の製造方法。
  16. pH調節剤がリン酸二カリウムである請求項8〜15のいずれかに記載の製造方法。
  17. 界面活性剤がステアリン酸ポリオキシル40である請求項8〜16のいずれかに記載の製造方法。
  18. 懸濁液中の界面活性剤の含有量が、塩酸プロピベリンの重量に対して0.1〜100%(w/w)である請求項に記載の製造方法。
  19. 塩酸プロピベリン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル及びラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む界面活性剤pH調節剤及び水を混合してなり,該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液。
  20. プロピベリンが塩酸プロピベリン換算で1〜45%(w/w)存在し、界面活性剤の含有量が、塩酸プロピベリンの重量に対して0.1〜100%(w/w)である請求項19に記載の懸濁液。
  21. 界面活性剤がステアリン酸ポリオキシル40である、請求項19に記載の懸濁液。
  22. 塩酸プロピベリン、界面活性剤、pH調節剤及び水を混合してなり、該pH調節剤でpH6.5〜8.0に調節された懸濁液の製造方法であって、
    (i) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖ステアリン酸エステル及びラウリル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む界面活性剤と塩酸プロピベリンとを含む水溶液と、(ii)pH調節剤又はpH調節剤水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合するか、又は、
    (iii)界面活性剤、pH調節剤及び水を含む混合物と、(iv)塩酸プロピベリン水溶液とを、懸濁液のpHが6.5〜8.0となるように混合する
    ことを特徴とする製造方法。
  23. 界面活性剤がステアリン酸ポリオキシル40である、請求項22に記載の製造方法。
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