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JP4891273B2 - 画像形成装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及びその制御方法に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置が知られている。電子写真方式の画像形成装置は、画像データに応じたレーザ光で感光体、すなわち感光体ドラムを走査(照射)するレーザ光源と、感光体ドラムを帯電するための帯電器を有する。また、帯電された感光体ドラムにレーザ光が照射されたことにより感光体ドラム上の静電潜像をトナーにより現像するための現像器を有する。また、現像器により感光体ドラム上に現像されたトナー像をシート(記録紙)に転写するための転写器を有する。
そして、以上のような画像形成装置においては、1ライン分の画像データに基づいたレーザ光が感光体ドラムに走査(照射)された場合、走査ラインは理想的には感光ドラムの軸方向に平行な直線となる。しかし、レーザ光源や感光ドラムの取付位置等の機械的な誤差により、走査方向に平行な直線とならない(走査ラインが曲がる)ことがある。このような走査ラインの曲がりを補正するための方法として、例えば以下のような技術が提案されている。
まず、露光ユニットを画像形成装置本体へ組付ける工程で、光学センサを用いて走査ラインの傾きの大きさを測定し、露光ユニットを機械的に傾かせて走査ラインの傾きを調整した上で画像形成装置本体へ組付ける方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、光学センサを用いて走査ラインの傾きと曲がりの大きさを測定し、走査ラインの傾きと曲がりを相殺するようにビットマップ画像データを補正し、その補正したビットマップ画像データに基づいて画像を形成する方法も提案されている(特許文献2参照)。
この方法は、画像データを処理するという電気的な手法で走査ラインの曲がりを補正するものである。そのため、特許文献2の方法は、機械的な調整部材や組立時の調整工程が不要となる点で、特許文献1の方法よりも安価に走査ラインの曲がりに対処することができる。
特開2003−241131号公報 特開2004−170755号公報
画像読取装置等で原稿を読み取って得た画像データを画像処理部にて処理する場合、画像処理部には画像データを一時的に保持するバッファが必要となる。このバッファの容量を少なくするために、画像データを複数の矩形画像データに分割し、分割された矩形画像データの単位でメモリから画像データを読み出して、画像処理部にて処理する方法が知られている。この方法では、画像処理部には原稿を読み取って得た画像データのライン方向の全画素を記憶可能なバッファを設ける必要がないので、バッファの容量を少なくすることができる。
ところが、画像データを複数の矩形画像データに分割して画像処理を行う画像処部を備えた画像形成装置において、前述した走査ラインの曲がりを相殺するための機能を実装すると、不具合が生じる場合がある。
本発明は、上記の技術的な背景の下になされたもので、その目的は、走査ラインの曲がりを相殺するように記憶手段から画像データを読み出すラインを走査方向の位置に応じて切り替えるとともに、画像データを矩形画像データを単位として読み出す際の不具合を減少させることができる画像形成装置及びその制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データから分割して生成された複数の矩形画像データに基づいて画像処理を実行する画像処理手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記複数の矩形画像データとして読み出して前記画像処理手段に転送する転送手段と、前記画像処理手段で画像処理された前記複数の矩形画像データに応じた照射光で感光体を走査して画像を形成する画像形成手段と、前記感光体に対する前記照射光による走査ラインの曲がりを補正するために、前記転送手段が前記記憶手段から読み出す画像データのラインを切り替えるための、前記照射光の走査方向における位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段とを有し、前記転送手段は、前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報が示す位置と前記矩形画像データの境界位置が一致するように前記複数の矩形画像データを読み出すことを特徴とする。
本発明によれば、走査ラインの曲がりを相殺するように記憶手段から画像データを読み出すラインを走査方向の位置に応じて切り替えるとともに、画像データを矩形画像データを単位として読み出す際の不具合を減少させることができる画像形成装置及びその制御方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示した画像形成装置100は、例えば、スキャナ機能、プリント機能、FAX機能等の複数の機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)として構成されている。なお、画像形成装置100は、ネットワークI/F(インタフェース)108を介してネットワークに接続され、このネットワークを経由して他の通信機能を有する装置と画像データや装置情報を送受信することができる。
また、画像形成装置100(印刷部107)は、カラー印刷機構としてタンデム方式を採用し、CMYKの各色に対応する4つの露光・現像ステーション(画像形成部)を有している。これら露光・現像ステーションは、画像データに応じたレーザ光(照射光)で感光体、すなわち感光体ドラムを走査(照射)するレーザ光源と、感光体ドラムを帯電するための帯電器を有する。また、帯電された感光体ドラムにレーザ光が照射されたことにより感光体ドラム上の静電潜像をトナーにより現像するための現像器を有する。また、現像器により感光体ドラム上に現像されたトナー像をシート(記録紙)に転写するための転写器を有する。
図1において、画像読取部105は、図示省略した原稿台、オートドキュメントフィーダ(ADF)を含み、ADFにより原稿読取位置に給送された原稿の画像を光学的に読取り、その光学像をレンズにより固体撮像素子(図示省略)上に結像させる。固体撮像素子は、光学像を光電変換し、所定密度(例えば、600DPI)のラスタ状のアナログの画像信号として出力する。なお、画像読取部105は、紙の原稿だけでなく、OHPシート、フィルム等の透過原稿、布等の他の材質の記録媒体上の記録情報(画像)を読取ることも可能である。
データ処理部101は、例えばマイコンクロコンピュータ等の制御部を内蔵し、画像形成装置100の動作を全体的に制御する。すなわち、データ処理部101は、画像読取部105から出力されたアナログの画像信号をA/D変換して画像データとし、この画像データに対して所定の画像処理を施して印刷データにする。そして、データ処理部101は、操作部104からの操作信号に応じて、印刷データをプリンタコントローラ103に供給したり、ネットワークI/F108を介して外部装置に送信したりする。
また、データ処理部101は、操作部104の操作状況を示す情報、処理中の画像データ等を表示部102に表示させる。表示部102は、例えば液晶タッチパネル等のタッチスクリーンを有し、各種の操作指示を行うユーザインタフェースとして機能する。
さらに、データ処理部101は、印刷部数が複数の場合は、印刷データを記憶部106に保存する。また、データ処理部101は、ネットワークI/F108を介して外部装置から受信した画像データを記憶部106に保存する。
プリンタコントローラ103は、データ処理部101からの指示を受けて、印刷部107の印刷動作を制御する。なお、図示省略したが、データ処理部101は、CPU、ROM、RAM等を有する制御部を内蔵しており、この制御部により上述のような各種の処理を制御する。
[プリンタコントローラ]
次に、プリンタコントローラ103の構成を説明する。図2は、プリンタコントローラ103の構成を示すブロック図である。
図2に示したように、プリンタコントローラ103は、操作部I/F部301、ホストI/F部302、画像データ発生部303、画像メモリ304、DMA(Direct Memory Access)コントローラ305、エンジンI/F部307を有している。プリンタコントローラ103は、更に、CPU308、ROM309、及びRAM310を有している。これら各ブロックは、システムバス311を介して相互にデータ、コマンドを授受できるようになっている。システムバス311は、アドレスバスとシステムバスから構成されている。
操作部104からの操作信号、例えばモード設定に関する指示信号等は、操作部I/F部301を介してプリンタコントローラ103に入力される。ホストI/F部302には、データ処理部101から送出された印刷データや印刷部107の動作を指示する設定情報を入力する入力バッファ(不図示)が設けられている。
また、ホストI/F部302には、データ処理部101へ送出する信号や印刷部107、プリンタコントローラ103の情報データを含む出力データを一時的に保持する出力バッファ(不図示)が設けられている。また、ホストI/F部302は、データ処理部101との間で送受信される信号や通信パケットの入出力部として機能すると共に、データ処理部101との間の通信制御を行う。
ホストI/F部302を介して入力された印刷データは、CPU308の制御により画像データ発生部303に供給される。入力される印刷データは、例えば、PDL(ページ記述言語)データで構成されている。画像データ発生部303は、入力された印刷データを解析処理(例えば、PDL解析処理)し、その解析結果に基づいて中間言語を生成し、更に印刷部(プリンタエンジン)107が処理可能なビットマップデータを生成する。
この際、画像データ発生部303は、中間言語の生成処理と並行してラスタライズ処理を行う。このラスタライズ処理では、印刷データに含まれる表示色RGB(加法混色)から印刷部107が処理可能なYMCK(減法混色)への変換処理が行われる。また、ラスタライズ処理では、印刷データに含まれる文字コードから予めROM309に格納されているビットパターン、アウトラインフォント等のフォントデータへの変換処理等が行われる。
さらに、ラスタライズ処理では、ページ単位或いはバンド単位でビットマップデータを作成し、このビットマップデータに対しディザパターンを用いた疑似階調処理を施し、印刷部107で印刷処理が可能なビットマップデータが生成される。このビットマップデータは、画像メモリ304に格納される。即ち、画像メモリ304は、画像データ記憶手段(画像データ記憶部)として機能する。画像メモリ304に格納されたビットマップデータの読出・転送処理は、CPU308の指示に応答してDMAコントローラ305で制御される。
画像メモリ304から読出されたビットマップデータは、後述のライン切り替え位置の情報に基づいて算出した矩形領域の幅に従って、エンジンI/F部307を介して印刷対象のビデオ信号として印刷部107に転送される。エンジンI/F部307には、印刷部107へ転送するビデオ信号を一時的に保持する出力バッファ(不図示)と、印刷部107から送出されたステータス信号等を一時的に保持する入力バッファ(不図示)とが設けられている。また、エンジンI/F部307は、印刷部107との間で送受信される信号の入出力部として機能すると共に、印刷部107との間の通信制御を行う。
CPU308は、操作部104、データ処理部101から指定されたモードに応じて、上述の各ブロックに対する制御をROM309に格納された制御プログラムに基づいて実行する。このROM309に格納された制御プログラムには、システムクロックによってタスクと称されるロードモジュール単位に時分割制御を行うためのOS(オペレーティングシステム)が含まれる。
また、制御プログラムには、このOSによって機能単位に実行制御される複数のロードモジュールが含まれ、このロードモジュールには、図14のスローチャートに係るものも含まれている。なお、データ処理部100、後述のサブデータ処理部1000、DMAコントローラ305も、図14のフローチャートにおける各ステップを実行するための制御プログラムを内蔵している。
CPU308は、制御プログラムを実行する際にRAM310をワークエリア等として利用する。
[DMAコントローラ]
次に、DMAコントローラ305の構成を説明する。図3は、DMAコントローラ305の構成を示すブロック図である。図3に示したように、DMAコントローラ305は、レジスタ部501、アドレス生成部502、バスインターフェース部503、FIFO(First In First Out)部504、及び矩形領域判定部505を有している。
レジスタ部501は、複数のレジスタ(不図示)で構成される。DMAコントローラ305に対するCPU308からの指示信号は、レジスタ部501の各レジスタに適切な値を書込むことで行なわれる。レジスタ部501には、走査ラインの曲がりを相殺するために画像データの読み出しラインを切り替える位置(以下、ライン切り替え位置と呼ぶ)を示す情報も書込まれている。
アドレス生成部502は、画像メモリ304に記憶されたビットマップデータを読出すためのアドレスを、レジスタ部501の各レジスタの内容を参照して生成する。この参照情報には、ライン切り替え位置の情報も含まれる。即ち、レジスタ部501の各レジスタは、画像メモリ304から読み出す画像データのラインを切り替えるための位置(レーザ光の走査方向における位置)を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段(位置情報記憶部)として機能する。
アドレス生成部502は、アドレス信号(図3の「addr」)と、そのアドレスからどの程度のデータ長のデータを読み出すかを示すレングス信号(図3の「length」)を、バスインターフェース503に対して要求信号(図3の「req」)を用いて要求する。
このレングス信号は、ライン切り替え位置から、矩形領域に分割した画像データ毎にデータ転送、及び処理を行うための最適な矩形領域の幅を考慮した値になる。
分割に係る矩形領域の幅は、矩形領域判定部505により、レジスタ部501に設定されたライン切り替え位置の情報に基づいて、そのライン切り替え位置に矩形領域が入らない範囲、且つ、最大矩形幅を取る領域幅が算出される。この矩形領域幅は、一定であるのが望ましい。
矩形領域幅の算出にあたって、1走査ラインにおける全てのライン切り替え位置の情報を抽出する。本実施の形態では、後述するように、1走査ライン上の複数のライン切り替え位置の間隔は、短くても数ミリ間隔を想定している。さらに、各走査ライン上の複数のライン切り替え位置は、各画像形成装置で固有となる。そこで、画像形成装置100の製造時に、走査ラインの曲がりを検出する装置で検出した情報に基づいて、ライン切り替え位置を算出し、ライン切り替え位置を示す情報をレジスタ部501にレジスタ情報として書込んでおくのが望ましい。
また、ライン切り替え位置は、ページ毎やジョブ毎に変化することはなく常に一定である。そのため、矩形領域幅も、一旦、最適な矩形領域幅が決定された後は、その値を変更する必要はない。なお、1走査ライン上の複数のライン切り替え位置の間隔は、短くても数ミリ間隔であり(図4の例:300pixel、例:1000pixel、図6の黒塗部分参照)、矩形領域幅として想定される間隔(数10〜100ピクセル)に比べ、非常に大きい。
アドレス生成部502は、1走査ラインにおける全てのライン切り替え位置の情報を抽出し、それらライン切り替え位置の間隔を算出する。例えば、0ピクセルの位置、300ピクセルの位置、1000ピクセルの位置、3000ピクセルの位置、4000ピクセルの位置がライン切り替え位置であると仮定する(1走査ライン上の走査方向における位置)。この場合、隣接するライン切り替え位置間の間隔は、それぞれ、300ピクセル、700ピクセル、2000ピクセル、1000ピクセルとなる。
次に、アドレス生成部502は、上記の隣接するライン切り替え位置間の間隔の最大公約数を算出する。この最大公約数が、矩形領域幅として取り得る最大幅の値となる。上記の例では、最大公約数は100ピクセルとなるため、矩形領域幅の最大値は100ピクセルとして算出される。
矩形領域判定部505は、アドレス生成部502で算出された矩形領域幅の最大値を矩形領域幅として決定する。ただし、矩形領域幅は、サブデータ処理部1000に持つ参照用メモリ1002(図13参照)のサイズを超えることはできない。従って、算出された矩形領域幅の最大値が参照用メモリ1002に格納可能な領域幅の最大値を超える場合は、参照用メモリに格納可能な領域幅の最大値を矩形領域幅として決定する。
このように、矩形領域判定部505は、上記の矩形領域幅の最大値までの間で、且つ、矩形領域幅に必要な参照用メモリ10002のサイズ以下で矩形領域幅を決定している。
参照用メモリ1002のサイズや、データの転送単位は、予め、画像形成装置毎に決定することができる。従って、矩形領域幅の決定は、画像形成装置100の製造に工場にて行い、レジスタ部501には決定された矩形領域幅を示す情報を保持するようにしても良い。この場合、ライン切り替え位置は、主走査方向(走査方向)のみを想定しているため、矩形領域の縦幅に関しては、ライン切り替え位置に関係なく、矩形領域幅を決定できる。
上記の場合のライン切り替え位置と矩形領域幅の関係を図4に示す。
図4は、画像メモリ304上のビットマップデータについて、上記の矩形領域幅で規定された矩形領域に分割されて、矩形領域単位の画像データとして扱われることを示している。
図3のバスインターフェース503は、アドレス生成部502からのアドレス信号とレングス信号を受け、バス311に対してリードトランザクションを発行する。例えば、バス311のデータバスの幅が32ビットであれば、アドレス信号とレングス信号に基づいて複数の32ビットのアクセス信号を生成し、リードトランザクションを発行する。
バスインターフェース503は、1組のアドレス信号とレングス信号に対する処理が完了した際に、応答信号(図3における「ack」)を用いて、処理が完了した旨をアドレス生成部502に通知する。その応答信号を受けた生成部502は、次のアドレス信号とレングス信号をバスインターフェース503に要求することができる。
画像メモリ304から読出されたビットマップデータは、FIFO部504に一時的に記憶される。DMAコントローラ305は、エンジンI/F部307にデータを出力できない期間が一時的に発生したとしても、ビットマップデータをFIFO504に記憶する。
[走査ラインの曲がりの補正]
次に、走査ラインの曲がりの補正原理を、図6、図7を用いて説明する。図6と図7は、走査ラインの曲がりの補正原理を説明するための概念図である。
図6(A)は、曲がりが生じた走査ラインを示す。図6(B)は、この走査ラインの曲がりに合わせて、ラインを切替えながら、ビットマップデータを印刷部107へ送り出す様子を示している。図6(B)の各ラインは、画像メモリ304に記憶された画像データを示すものであり、各ラインは画像読取部105がライン単位に読み取った1ライン分の画像データに相当する。例えば、図6(B)におけるnライン目のビットマップデータを読み出して印刷部107のレーザ光源に供給して感光体ドラムをレーザ光により露光した場合、理想的には感光ドラムの軸方向(図6(B)における主走査方向)に平行な直線となる。しかし、前述したように画像形成装置100に対するレーザ光源や感光ドラムの取付位置等の機械的な誤差により、主走査方向に平行な直線とはならない(走査ラインが曲がる)場合がある。そして、走査ラインが曲がった場合の一例を示したのが図6(A)である。
図6(B)において、黒塗りの部分が1回の走査ラインの露光走査に対応して印刷部107へ送り出されるデータを示している。このように、走査ラインの曲がりに合わせて、ビットマップデータを画像メモリ304から読み出す際に、読み出す走査ラインを主走査方向(レーザ光の走査方向)の位置に応じて切替えながら印刷部107へ出力する。このようにすれば、走査ラインに曲がりが生じた露光走査が行われたとしても、感光ドラム(像担持体)上に形成された静電潜像は歪みの無い直線となる。
図7(A)は、曲がりが生じた走査ラインの一部を拡大した概念図である。図7(B)は、図7(A)の走査ラインの曲がりに合わせて画像メモリ304からビットマップデータを読み出す際に、読み出す走査ラインを切替えながら、ビットマップデータを印刷部107へ出力する様子を示している。
[矩形領域の分割]
次に、矩形領域の分割原理を図4、図8に基づいて説明する。図4は、本実施の形態を示すものであり、ライン切り替え位置と分割された矩形領域の境界位置が一致している様子を示している。図8は、図4と比較するための比較例を示すものであり、ライン切り替え位置が矩形領域内となっている。
この図4と図8を比較すると、同じ画像処理を行う場合に必要な参照画像領域であるにも拘らず、図4のラインの切替えを考慮した矩形領域の分割方式と、図8のラインの切替えを考慮しない矩形領域の分割方式とでは、参照画像領域に大幅な差が発生する。ここで、参照画像領域とは、矩形領域のビットマップデータに周辺画素のビットマップデータを必要とする画像処理(フィルタ処理等)を実行する際に用いられる領域をいう。
この参照画像領域の差は、ライン切り替え位置において画像メモリ304から読み出す走査ラインが切り替えられたことに応じて注目画素に対する参照画素の範囲が変わることにより発生する。図8のように、ラインの切り替えを考慮しない場合には、ラインの切り替えを考慮しないそのライン切り替え位置における副走査方向の切り替えライン数(1ライン上を読み出す場合は1、2ライン上を読み出す場合は2)に従って、参照画素を保持しておく領域(参照用メモリ1002)に必要なメモリ容量が異なってくる。
一方、本実施の形態に係る図4のライン切り替えを考慮した場合は、必要な参照画素の領域は、ライン切り替位置における副走査方向の切り替えライン数に依存しないで一定の参照領域で済む。従って、図4のようにライン切り替えを考慮した場合は、参照画素の領域(参照用メモリ1002)を記憶するのに必要なメモリ容量は、図8の場合に比べて小さく抑えることができる。
[データ処理部]
データ処理部101は、プリンタコントローラ103内のDMAコントローラ305にて矩形領域単位で画像メモリ304から転送された矩形画像データ(矩形領域に分割された画像データ)を受信し、その矩形画像データの単位で画像処理を行う。
図9は、データ処理部101において矩形画像データに画像処理を行う場合の様子を示す概念図である。図9に示したように、矩形画像データは、データ処理部101内で並行処理される。すなわち、データ処理部101は、複数のサブデータ処理部(サブ処理手段)1000(図10、図13参照)を有し、これら複数のサブデータ処理部1000は、それぞれ矩形画像データに画像処理を並行して行う。
サブデータ処理部1000は、矩形画像データに対して処理が可能なものとする。その処理には、注目画素に対応する参照領域の画素の画素値を用いて、画像データの各画素の画素値を順次算出する処理も含んでいる。そのため、サブデータ処理部1000は、参照用の画像データ(画素値)を保持するための参照用メモリ1002(図13参照)を有している。
図10は、サブデータ処理部1000の構成例を示している。複数のサブデータ処理部1000は、同一の画像処理を行うように構成しても良いし、異なる画像処理を行うように構成しても良い。サブデータ処理部1000は、図10に示したように、ヘッダデータ入力部401、イメージデータ入力部402、ヘッダデータ変換部403、データマッチング部404、データ置換部405、及びイメージデータ出力部406を有している、なお、サブデータ処理部1000は、図10に示したブロックの他に、図13に示したブロックも有している。
図10において、ヘッダデータ入力部401は、矩形画像データとその矩形画像データに付加されたヘッダデータとをセットで受取る。このヘッダデータは、ヘッダデータ変換部403でデコードされ、矩形画像データは、データマッチング部404、データ置換部405で処理される。
データマッチング部404は、図11に示すように、注目画素に対して、周りの画像データの値が「1」、「0」の何れであるかを判断する。そして、データマッチング部404は、その周りの画素の画素値の注目画素の画素値に対する相対的な値(「1」又は「0」)の総和を算出し、その総和データをデータ置換部405へ送信する。
データ置換部405は、ヘッダデータ部403からのデコードされたヘッダデータと、データマッチング部404で算出された総和データに基づいて注目画素の値を変換して、出力画像(注目画素)の画素値とする。例えば、デコードされたヘッダデータは、データマッチング部404で算出された値に基づいた画素値の変換処理を指示するデータであり、且つ、算出された総和の平均値が「2」であったとする(図11のMK−AVE参照)。この場合には、データ置換部405は、注目画素の値を「1」として出力する。
次に、ライン切り替え位置に係る矩形領域での画像処理を説明する。サブデータ処理部1000は、図12に示したようなライン切り替え位置に隣接する矩形画像データの処理を行う場合、次のような処理を行う。すなわち、サブデータ処理部1000は、注目画素に対する周囲の参照領域の画素の画素値を予めデータマッチング部404に格納しておく。
そして、データマッチング部404は、例えば、注目画素が図12の「6」である場合、その画素「6」については、その周りの画素「A」,「B」,「C」,「D」に基づいてデータ(画素値)を書換えるための総和を算出する。
換言すれば、図12に示したように、参照先の画素領域は、ライン切り替え位置に隣接する矩形画像データを処理する場合においても、ライン切り替え位置に隣接しない矩形画像データを処理する場合と同じサイズの領域となっている。すなわち、各サブデータ処理部1000は、ライン切り替え位置を考慮して参照領域を変化させる必要はなく、常に一定サイズの参照領域のみ対象とした画像処理(画素値の補正処理)を行うだけで良い。
[矩形領域幅の決定、及び画像処理]
次に、矩形領域幅の決定、及び画像処理の動作を説明する。この矩形領域幅の決定処理等の流れは、図14のフローチャートに示されている。
ここで、ビットマップデータを特定の一定幅の矩形に分割することを考える。ライン切り替え位置をビットマップデータ上での位置として指定するためのレジスタRSPを、DMAコントローラ305のレジスタ部501に設ける。このレジスタRSPには、ライン切り替え位置が1走査ライン上に複数存在する場合には、全てが設定される(図14のステップS101参照)。例えば、1つの走査ラインにおけるライン切り替え位置が10個有るとすると、その10個のライン切り替え位置に対応するビットマップデータ上の10個のライン切り替え位置がレジスタRSPに設定される。
通常、このライン切り替え位置の間隔は、10mm以上となっている。1つの走査ラインにおけるライン切り替え位置の数は、A4サイズ、600dpiのビットマップのイメージデータの場合、最大40個程度である。
なお、DMAコントローラ305のレジスタ部501は、レジスタRLWを有しており、このレジスタRLWには、処理対象であるビットマップデータ、すなわち印刷対象となった画像データの1つの走査ラインの画像幅の値が設定される。この処理は、図14のステップS102に示されている。
矩形領域判定部505は、レジスタRSPに設定されたライン切り替え位置と、レジスタRLWに設定された1つの走査ラインの画像幅の値に基づいて、ビットマップデータを複数の矩形画像データに分割するための矩形領域の幅を算出する。この処理は、図14のステップS105に示されている。
この際、レジスタRLWとレジスタRSPの全てのライン切り替え位置が矩形画像データの境界位置と一致し、且つ矩形画像データのー領域幅が最大を取るように矩形領域幅を算出する。
また、矩形領域幅は、サブデータ処理部1000で扱うことが可能な矩形画像領域サイズ以下であることが望ましい。矩形領域幅が、サブデータ処理部1000で扱うことが可能な矩形画像領域サイズより大きい場合には、サブデータ処理部1000内で、更に矩形領域をサブデータ処理部1000で扱う矩形領域幅に分割した後、その分割により生成された矩形画像データを処理する。
サブデータ処理部1000は、参照用メモリ1002を有する場合には、その参照用メモリ1002の容量に従って、1つのデータ処理毎に扱える最大の画像領域幅を考慮して、更なる矩形領域の分割処理を行う必要がある。
図13は、サブデータ処理部で矩形領域を更に分割する場合の処理方式を説明するための概念図である。図13では、サブデータ処理部1000が有する参照用メモリ1002の扱える画像幅が、入力に係る矩形領域の画像幅より大きい場合の処理機能を示している。この場合、矩形分割部1001にて、サブデータ処理部1000に入力された矩形領域の画像データを参照用メモリ1002の幅に従って更に分割する。
なお、DMAコントローラ305による転送処理単位を矩形領域とし、パケット転送することで、転送処理の高速度化を図るのが望ましい。
本実施の形態では、走査ラインの曲がりの補正を行いつつ参照用画像を用いた画像処理を行う際に、参照用画像の幅の分の画像データを保持するメモリ容量を増加させることなく、矩形画像データを単位とした画像処理を実行することが可能となる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、例えば、上記の実施の形態でのDMAコントローラ305の処理(データ転送処理)を、CPU308、CPU308以外の第2のCPU、デジタルシグナルプロセッサ等で行うことも可能である。また、本発明は、タンデム方式以外のカラー画像形成装置、又はモノクロ(単色)の画像形成装置に適用することも可能である。
さらに、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体によっても達成される。すなわち、この記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出して実行することによって達成される。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等を用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、本発明は、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、上記の実施の形態の機能が実現される場合だけに限定されるものではない。その他、例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述の実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれることにより実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。この場合、当該書込みの後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行うこととなる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 上記の画像形成装置に搭載されたプリンタコントローラ部の構成を示すブロック図である。 上記のプリンタコントローラ部の構成要素であるDMAコントローラの構成を示すブロック図である。 ラインの切替え位置と同一の位置で矩形領域が分割されている様子を示す概念である(本発明の実施の形態)。 画像データに対する矩形領域の分割方式を説明するための概念図である。 走査ラインの曲がりに合わせてラインを切替えながらビットマップデータを印刷部に出力する様子を示す概念図である。 曲がりが生じた走査ラインの一部を拡大して示し、その補正処理を示した概念図である。 ラインの切替位置が矩形領域内となっている様子を示す概念図である(本発明の実施の形態ではない)。 データ処理部にてサブデータ処理部で並行処理する様子を示す概念図である。 注目画素の画素値を周囲の画素の画素値を参照して決定する処理を説明するための概念図である。 サブデータ処理部の構成を示すブロック図である。 矩形領域での参照画素の処理を説明するための概念図である。 サブデータ処理部で矩形領域を更に分割する場合の処理方式を説明するための図である。 矩形領域幅の決定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
100…画像形成装置
101…データ処理部
304…画像メモリ
305…DMAコントローラ
501…レジスタ部
502…アドレス生成部
505…矩形領域判定部
1000…サブデータ処理部
1001…矩形分割部
1002…参照用メモリ
1003…演算部

Claims (6)

  1. 画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶された画像データから分割して生成された複数の矩形画像データに基づいて画像処理を実行する画像処理手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記複数の矩形画像データとして読み出して前記画像処理手段に転送する転送手段と、
    前記画像処理手段で画像処理された前記複数の矩形画像データに応じた照射光で感光体を走査して画像を形成する画像形成手段と、
    前記感光体に対する前記照射光による走査ラインの曲がりを補正するために、前記転送手段が前記記憶手段から読み出す画像データのラインを切り替えるための、前記照射光の走査方向における位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段とを有し、
    前記転送手段は、前記位置情報記憶手段に記憶された位置情報が示す位置と前記矩形画像データの境界位置が一致するように前記複数の矩形画像データを読み出すことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記位置情報が示す位置において、読み出しラインを上のラインに切替えるか、下のラインに切替えるかを指定する指定手段を有し、
    前記転送手段は、前記位置情報が示す位置において、画像データ記憶手段から読み出すべきラインを、前記指定手段による指定に応じたラインに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像処理手段は、複数のサブ処理手段を有し、
    前記サブ処理手段は、前記矩形画像データに基づいて画像処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記サブ処理手段は、矩形画像データの幅が当該サブ処理手段が処理可能な幅より大きい場合は、前記矩形画像データを当該サブ処理手段が処理可能な幅の矩形画像データに更に分割して、当該更に分割した矩形画像データの単位で画像処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記転送手段は、DMA(Direct Memory Access)コントローラにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 画像データを記憶する画像データ記憶部と、画像データに応じた照射光で感光体を走査して画像を形成する画像形成部と、前記感光体に対する前記照射光による走査ラインの曲がりを補正するために、前記記憶部から読み出す画像データのラインを切り替えるための、前記照射光の走査方向における位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
    前記画像データ記憶部に記憶された画像データを前記複数の矩形画像データとして読み出して画像処理部に転送する転送工程とを有し、
    前記画像データ記憶部に記憶された画像データから分割して生成された複数の矩形画像データに基づいて画像処理を前記画像処理部にて実行する画像処理工程とを有し、
    前記転送工程は、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報が示す位置と前記矩形画像データの境界位置が一致するように前記複数の矩形画像データを読み出すことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
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