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JP4889641B2 - 微生物によるn−アセチル−d−グルコサミンの醗酵生産方法 - Google Patents

微生物によるn−アセチル−d−グルコサミンの醗酵生産方法 Download PDF

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JP4889641B2 JP2007525994A JP2007525994A JP4889641B2 JP 4889641 B2 JP4889641 B2 JP 4889641B2 JP 2007525994 A JP2007525994 A JP 2007525994A JP 2007525994 A JP2007525994 A JP 2007525994A JP 4889641 B2 JP4889641 B2 JP 4889641B2
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Description

本発明は、N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する新規微生物および該微生物を用いるN−アセチル−D−グルコサミンの製造方法に関する。N−アセチル−D−グルコサミンは、医薬品、健康食品、食品などの分野で有用である。
N−アセチル−D−グルコサミンは、カニやエビなどの甲殻類の外殻に含まれるキチンを構成する単糖であり、食品の中にごく少量含まれている栄養素で、体内でも軟骨細胞から作り出される。グルコサミンと同様の効果があるとされ、摂取することにより、新しい軟骨の生成を促進し、変形関節症の進行を食い止め、場合によって治癒に向かう効果があるといわれている(新薬と臨牀 Vol.52,No.3,p.301−312,2003年)。グルコサミンは苦味を呈するのに対し、N−アセチル−D−グルコサミンは蔗糖(シュークロース)の約50%の甘味を有するので、摂取しやすいという利点があるため、グルコサミンに代替する物質としてN−アセチル−D−グルコサミンが注目されている。
従来のN−アセチル−D−グルコサミンの製造方法は、カニやエビなどの甲殻類の殻を原料として製造されている。その製造法を概略すると、甲殻類の殻を破砕し、これを稀酸で脱灰し、アルカリで除タンパクを行い、精製されたキチンを得たのち、このキチンを酸で加水分解してグルコサミンを生成させ、次に生成したグルコサミンを無水酢酸でアセチル化するという工程によりN−アセチル−D−グルコサミンを得る方法である。
また、精製されたキチンを酸で部分加水分解する方法(例えば、特許文献1参照)、あるいはキチンを原料とし、微生物の生産する酵素により分解し、N−アセチル−D−グルコサミンを製造する方法がある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。さらに、キチンを酸による部分加水分解後、酵素を作用させる方法がある(例えば、特許文献4参照)。
また一方、その他の製造方法として、クロロウイルスに感染したクロレラ細胞またはクロロウイルス由来の遺伝子を導入した組換え大腸菌のいずれかを培養してN−アセチル−D−グルコサミンを生産する方法(例えば、特許文献5参照)、遺伝子組換え微生物、具体的には遺伝子組み換え大腸菌を用いてN−アセチル−D−グルコサミンを醗酵生産する方法がある(例えば、特許文献6参照)。
特開2000−281696号公報 特表2000−513925号公報 特開2004−41035号公報 特開昭63−273493号公報 特開2004−283144号公報 国際公開第2004/003175号パンフレット
以上のようなカニやエビの甲羅や殻を原料とし、化学的に加水分解してN−アセチル−D−グルコサミンを製造する方法では高濃度の酸溶液あるいはアルカリ溶液を使用するため多量の廃液が出るという問題がある。また、カニやエビの甲羅や殻由来のキチンを微生物で、あるいは微生物の生産する酵素で分解してN−アセチル−D−グルコサミンを作る方法では収率が悪く、コスト高になるという問題がある。
また、カニやエビの甲羅や殻が原料の場合、甲殻類アレルギーを持っている人が摂取したときにアレルギーを起こすという懸念がある。さらに原料であるキチンを水産資源に頼っているため、漁獲量によって供給量が変動するという問題があり、近年では乱獲による環境破壊が懸念されている。
一方、クロロウイルスに感染したクロレラ細胞を用いる培養生産方法では、細胞を破砕してN−アセチル−D−グルコサミンを得るため、操作が煩雑になる問題があり、また遺伝子組換え微生物を用いてN−アセチル−D−グルコサミンを作る方法では、設備上拡散防止処置をとらねばならず、操作が煩雑になることや食品の安全性に関する社会通念上問題がある。
したがって、本発明の目的は、菌体外にN−アセチル−D−グルコサミンを生産する能力を有する新規微生物、およびN−アセチル−D−グルコサミン生産能を有する微生物を用いるN−アセチル−D−グルコサミンの安定かつ安価でさらに安全な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を行った。その結果、本発明者らにより、天然より単離されたある種の糸状菌またはその変異株が、N−アセチル−D−グルコサミンのポリマーであるキチンやそのオリゴマーであるキチンオリゴ糖以外の炭素源を含む培地中で、N−アセチル−D−グルコサミンを生産することを初めて見出した。またこの糸状菌を液体培地で培養することにより、N−アセチル−D−グルコサミンを培地中に高濃度に生産させ、かつ効率よく分離することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌の非遺伝子組換え株を、キチンおよびキチンオリゴ糖以外の炭素源および窒素源を含む培地に培養し、培地中にN−アセチル−D−グルコサミンを生成、蓄積させ、これを採取することを特徴とする、N−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
(2) 前記炭素源および窒素源を追加しながら培養を行うことを特徴とする、(1)のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
(3) N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌の非遺伝子組換え株が、トリコデルマ属(Trichoderma)に属する糸状菌の非遺伝子組換え株であることを特徴とする、(1)または(2)のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
(4) N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌の非遺伝子組換え株が、トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)、トリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ リーセイ(Trichoderma reesei)あるいはトリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride)のいずれかの非遺伝子組換え株であることを特徴とする、(3)のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
(5) N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌の非遺伝子組換え株が、トリコデルマ ハマタム AB10282株(Trichoderma hamatum AB10282 FERM BP−10623)あるいはトリコデルマ ハルジアナム AB10283株(Trichoderma harzianum AB10283 FERM BP−10624)のいずれかであることを特徴とする、(4)のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
(6) N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する、トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)FERM BP−10623株あるいはトリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)FERM BP−10624株。
(7) トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)FERM BP−10623株あるいはトリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)FERM BP−10624株に変異を導入することにより得られる、N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する変異株。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のN−アセチル−D−グルコサミンの製造法は、N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌の非遺伝子組換え株をキチンおよびキチンオリゴ糖以外の炭素源と窒素源を含む培地で培養し、培地中にN−アセチル−D−グルコサミンを生成、蓄積させ、培地から分離・精製し、N−アセチル−D−グルコサミンを得ることよりなる。
本発明の方法で用いられるN−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌の非遺伝子組換え株としては、N−アセチル−D−グルコサミンを生産する能力を有する非遺伝子組み換え糸状菌であればいかなるものでもよいが、天然よりN−アセチル−D−グルコサミン生産能を指標に単離された糸状菌またはその変異株などが挙げられる。ここで、「N−アセチル−D−グルコサミンを生産する能力」とは、糸状菌をキチンおよびキチンオリゴ糖以外の炭素源と窒素源を含む培地で培養したときに培地中に十分な量、好ましくは0.01mg/mL以上(振とう培養時)、より好ましくは0.1mg/mL以上(振とう後、静置培養時)のN−アセチル−D−グルコサミンを蓄積することができる能力をいう。このような糸状菌としては、例えば、具体的には、N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有するトリコデルマ(Trichoderma)属に属する糸状菌が挙げられる。
N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する糸状菌は、好適な培地、好ましくは液体培地で培養し、該培地中に蓄積されたN−アセチル−D−グルコサミンの有無を調べることによって、探索することができる。培地中のN−アセチル−D−グルコサミンの検出は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた分析により、標準品のN−アセチル−D−グルコサミンと比較して行なうことができる。
本発明に用いる糸状菌の具体的な例としては、標準菌株であるトリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum NBRC31291)、トリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum NBRC31292)、トリコデルマ リーセイ(Trichoderma reesei ATCC24449)、トリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride NBRC31137)や本発明者らが神奈川県厚木市より採取した土壌試料から新たに分離したAB10282株およびAB10283株がある。この新たに分離したAB10282株およびAB10283株は、不完全糸状菌綱(Hyphomycetes)、トリコデルマ属(Trichoderma属)に属する菌株であり、本発明の方法に好適に用いられるN−アセチル−D−グルコサミン生産菌の一例である。
このAB10282およびAB10283株の菌学的性質を以下に記載する。
1.AB10282株の菌学的性質
(1)培養的・形態的性質
(a)AB10282株をコーンミール寒天培地において25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で56〜58mmに達する。培養7日目の集落は平坦で気生菌糸は少ない。集落表面および裏面は無色を呈する。
(b)麦芽エキス寒天培地を用いて25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で68〜70mmに達する。集落ははじめ、気生菌糸は少なく白色を呈するが、しだいに羊毛状の気生菌糸を生じる。培養7日目の集落は羊毛状を呈し、集落表面は淡白色を呈する。裏面は淡白色を呈する。
(c)ポテト・デキストロース寒天培地を用いて25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で68〜70mmに達する。集落は綿毛状〜羊毛状を呈し、集落表面は淡白色〜淡黄白色で、裏面は淡白色〜淡黄白色を呈する。
(d)ツアペック寒天培地を用いて25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で29〜31mmに達する。集落ははじめ、気生菌糸は少なく白色を呈するが、しだいに綿毛状〜羊毛状を呈する。集落表面は薄い白色で、裏面は薄い白色を呈する。
(e)コーンミール寒天培地で25℃、7日間培養したときのAB10282株の光学顕微鏡による観察結果を以下に記載する。
菌糸は隔壁を有し、培地中および培地上に伸長する。菌糸は幅2.0〜6.0μmで、無色、平滑で隔壁を有する。分生子柄は、平滑で、隔壁を有し、先端がしばしば不稔を呈し、短く丸みをおびたフィアライドを密生する。フィアライドは、分生子柄にほぼ直角に生じ、短く丸みをおびたボーリングのピン状を呈し、無色、平滑で、長さ4.0〜6.0μm、幅は最も広い部位において2.5〜3.5μmである。分生子はフィアライド先端から多数形成され、単細胞で、無色、平滑、だ円形〜長だ円形を呈し、大きさが3.0〜4.5×2.4〜2.8μmである。
(2)生理学的性質
(a)生育温度
麦芽エキス寒天培地を用いて、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃および40℃の各温度で培養した結果、AB10282株は10℃〜30℃まで何れの温度でも生育し、最適生育温度は20〜25℃付近である。
(b)生育pH
pHを3、4、5、6、7、8、9および10に調整した麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で培養した結果、AB10282株はpH3〜10まで生育し、最適生育pHは、5〜6である。
2.AB10283株の菌学的性質
(1)培養的・形態的性質
(a)AB10283株をコーンミール寒天培地において25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で63〜65mmに達する。集落は平坦でのち綿毛状〜羊毛状を呈する。集落表面は灰緑色〜暗緑色で、裏面は薄い灰緑色〜薄い暗緑色を呈する。
(b)麦芽エキス寒天培地を用いて25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で76〜78mmに達する。集落ははじめ、気生菌糸は少なく白色を呈するが、しだいに綿毛状〜羊毛状の気生菌糸を生じる。培養7日目の集落は綿毛状〜羊毛状を呈し、分生子形成に伴い集落表面は黄緑色〜暗緑色を呈する。分生子形成は中心部を除いて集落全体で認められるが、分生子形成体が周辺部および中間部で輪状を呈する。裏面は黄緑色〜暗緑色を呈する。
(c)ポテト・デキストロース寒天培地を用いて25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で63〜65mmに達する。培養7日目の集落は綿毛状〜羊毛状を呈し、気生菌糸は豊富で中心部がやや隆起し、分生子形成に伴い中心部は黄緑色〜薄い緑色を呈する。集落表面は中心部が黄緑色〜薄い緑色で、裏面は淡白色〜淡黄白色を呈する。
(d)ツアペック寒天培地を用いて25℃で培養したとき、集落の直径は2日目で35〜37mmに達する。集落は中心部が平坦で、周辺部は綿毛状を呈する。分生子形成は周辺部で輪状を呈し、分生子形成に伴い集落表面は灰緑色〜暗緑色を呈する。集落表面は灰緑色〜暗緑色で、裏面は薄い灰緑色〜薄い緑色を呈する。
(e)コーンミール寒天培地で25℃、7日間培養したときのAB10283株の光学顕微鏡による観察結果を以下に記載する。
菌糸は隔壁を有し、培地中および培地上に伸長する。菌糸は幅2.0〜8.0μmで、無色、平滑で隔壁を有する。分生子形成に伴い集落表面は無色からのち灰緑色〜暗緑色を呈する。分生子形成は集落全体で認められるが、分生子形成体が輪状を呈する。分生子柄は、平滑で、隔壁を有し、フィアライドを分生子柄にほぼ直角に生じ、あまり密に形成されない。フィアライドは短く丸みをおびたボーリングのピン状を呈し、無色、平滑で、長さ5.0〜8.0μm、幅は最も広い部位において2.5〜3.5μmである。分生子はフィアライド先端から多数形成され、単細胞で、無色、平滑、球形〜亜球形を呈する。大きさは2.4〜3.0×2.4〜2.8μmで、長さと幅の比は1.00〜1.15である。
(2)生理学的性質
(a)生育温度
麦芽エキス寒天培地を用いて、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃および40℃の各温度で培養した結果、AB10283株は10℃〜35℃まで何れの温度でも生育し、最適生育温度は25〜30℃付近である。
(b)生育pH
pHを3、4、5、6、7、8、9および10に調整した麦芽エキス寒天培地を用いて、25℃で培養した結果、AB10283株はpH3〜10まで生育し、最適生育pHは、5〜7と思われる。
以上の菌学的性質からAB10282株およびAB10283株の分類学上の位置をジェイ・エイ・フォン・アークス著、ザ・ジェネラ・オブ・ファンジャイ・スポルレイティング・イン・ピュア・カルチャー、第3版、ジェイ・クレイマー社、バダッツ、1981年 (J.A.von Arx,The Genera of Fungi Sporulating in Pure Culture,3rd ed.,J.Cramer,Vaduz,1981)に従って検索した。その結果、AB10282株およびAB10283株はトリコデルマ属に属することが認められた。さらに、種の同定を奥田徹、防菌防黴、Vol.20、p.157−166、1992年に従って検索した結果、AB10282株はトリコデルマ ハマタム、AB10283株はトリコデルマ ハルジアナムに属することが認められた。本発明者らは、AB10282株をトリコデルマ ハマタム AB10282(Trichoderma hamatum AB10282)、AB10283株をトリコデルマ ハルジアナム AB10283(Trichoderma harzianum AB10283)と命名した。
なお、AB10282株は、平成17年5月20日に、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P−20543として寄託され、その後、ブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−10623の受託番号で寄託されている。
また、AB10283株は、平成17年5月20日に独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM P−20544として寄託され、その後、ブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、FERM BP−10624の受託番号で寄託されている。
本発明に使用されるトリコデルマ ハマタム、トリコデルマ ハルジアナム、トリコデルマ リーセイ、トリコデルマ ビリデ、トリコデルマ ハマタム AB10282(Trichoderma hamatum AB10282)およびトリコデルマ ハルジアナム AB10283(Trichoderma harzianum AB10283)株は、例えば、ポテト・デキストロース寒天培地のスラント上で保存することができる。しかし、スラント上では継代することで自然変異する可能性があるため、凍結乾燥保存を行うことにより、安定に保存することができる。
以上、N−アセチル−D−グルコサミン生産菌の一例であるトリコデルマ ハマタム、トリコデルマ ハルジアナム、トリコデルマ リーセイ、トリコデルマ ビリデ、AB10282株およびAB10283株について説明したが、一般的には糸状菌類はその菌学的性状が極めて変化しやすく、安定したものではない。糸状菌類は、自然的あるいは通常行われている紫外線照射、X線照射、変異誘発剤(例えば、N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンなど)を用いた人為的変異手段により変異誘発することは周知の事実である。このような自然変異株ならびに人工変異株も含め、糸状菌に属しN−アセチル−D−グルコサミンを生産する能力を有する菌株はすべて本発明に使用することができる。
なお、人為的に変異を導入する場合、変異導入前の親株に対し、それ以上、好ましくは1.5倍以上のN−アセチル−D−グルコサミン生産能を有する変異株を選択することが好ましい。
その他、トリコデルマに属する糸状菌としては、トリコデルマ アウレオビリデ(T.aureoviride)、トリコデルマ コニンギ(T.koningi)、トリコデルマ ピルリフェラム(T.piluliferum)などが挙げられるが、すべてN−アセチル−D−グルコサミンの生産に使用できる。
本発明の方法を実施するに当っては、糸状菌に属するN−アセチル−D−グルコサミン生産能を有する菌を、用いる糸状菌に好適な培地、例えば、通常の微生物が利用しうる栄養物を含有する培地、好ましくは液体培地中において培養するのが好ましい。該生産菌の培養には、微生物の培養に用いられる通常の培養方法が適用される。栄養源としては、使用された糸状菌が資化しうる炭素源、窒素源および無機塩などを程よく含有する培地であれば天然培地、合成培地のいずれでも利用できる。
本発明のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法では、N−アセチル−D−グルコサミンのポリマーであるキチンやそのオリゴマーであるキチンオリゴ糖を原料として培地に含み、それを分解してN−アセチル−D−グルコサミンを生成するという分解反応ではなく、糸状菌の細胞壁成分であるキチンの生合成反応を利用し、その中間体であるN−アセチル−D−グルコサミンを生産する。したがって、炭素源および窒素源としては、キチンやキチンオリゴ糖以外の炭素源および窒素源を用いる。
原料として用いる炭素源としては、グルコース、フルクトース、シュークロース、ガラクトース、デキストリン、グリセロール、澱粉、水飴、糖蜜、動・植物油などが利用できる。また、窒素源としては、魚粉、大豆粉、小麦胚芽、コーンステイープリカー、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素などを使用できる。そのほか必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、マンガン、塩素、燐酸、硫酸あるいはその他のイオンを生成することができる無機塩類を培地中に添加することもできる。また、使用するN−アセチル−D−グルコサミン生産菌の生育を助け、N−アセチル−D−グルコサミンの生産を促進するような無機物質および(または)有機物質を添加することもできる。
なお、炭素源および窒素源は培養開始時の培地に加えるだけでなく、培養中に追加することが好ましい。具体的には、炭素源、窒素源はその培養液中の濃度を測定し、完全に消費される前に添加することが望ましい。
トリコデルマ属糸状菌、トリコデルマ ハマタム AB10282(Trichoderma hamatum AB10282)および、トリコデルマ ハルジアナム AB10283(Trichoderma harzianum AB10283)株の生育に好適な培地としては、ポテト・デキストロース寒天培地、麦芽エキス寒天培地、あるいはV−8ジュース寒天培地が挙げられる。N−アセチル−D−グルコサミンの生産に好適な培地としては、実施例に示した培地のほか、ツアペック(改変)培地などが挙げられる。
N−アセチル−D−グルコサミン生産菌の培養方法は、好気的条件下での培養法が適しており、通気下の深部液体培養法も適している。培養温度は、15〜30℃が好適であり、25〜30℃がより好適である。N−アセチル−D−グルコサミンの蓄積量は、用いた培地の種類や培養条件によって異なるが、通常、振とう培養、静置培養、タンク培養とも3〜20日間の培養で最高に達する。
N−アセチル−D−グルコサミンを効率よく生産させる培養条件は、前記培地成分の組成、培養温度、撹拌速度、pH、通気量、種母の培養時間、種母の接種量などを、使用する生産菌株の種類および外部条件などに応じて、適宜に調節あるいは選択して設定する。液体培養において発泡がある場合は、シリコーン油、植物油あるいは界面活性剤などの消泡剤を単独または混合して適宜に培地に配合することができる。
培養の終了するためには、培養物中に生産されたN−アセチル−D−グルコサミンの蓄積量が最高に達した時点で培養を停止することが好ましい。N−アセチル−D−グルコサミンの単離はその培養物から、醗酵生産物を得る一般的な方法に準じてN−アセチル−D−グルコサミンの単離を行うのがよい。具体的には、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、活性炭処理、結晶化あるいは膜分離などにより、N−アセチル−D−グルコサミンを培地から単離することができる。
本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の態様に限定されない。
グルコース4.0%、硫酸アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、硫酸マグネシウム0.01%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二カリウム0.18%、pH無調整の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、トリコデルマ属糸状菌をスラントから一白金耳接種し、5日間、27℃で回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した後、2日間27℃で静置培養した。培養上清をHPLCで分析し、標準品のN−アセチル−D−グルコサミンと比較した結果、生産物質はすべての菌株においてN−アセチル−D−グルコサミンと同定された。
HPLC条件
カラム;Wakosil 5NH2カラム(φ4.6mm×250mm)、
移動相;アセトニトリル:水=80:20、
流速;2ml/分、
カラム温度;20℃、
検出;RI
培養を行ったトリコデルマ属糸状菌の菌株ごとのN−アセチル−D−グルコサミンの生産量を表1に示す。
Figure 0004889641
紫外線照射による変異導入
トリコデルマ ハマタム AB10282 (Trichoderma hamatum AB10282)の分生胞子を10mlのリン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁した。この胞子液をシャーレに移し、回転子を入れ、スターラーで回転させながら、20W紫外線ランプを使用し、距離20cm、3分間照射させた。紫外線照射後、胞子液を稀釈し、コーンスターチ4.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、硫酸マグネシウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、寒天1.5%、pH7.0の平板培地に広げ、生育したコロニーを分離した。分離したコロニーはコーンスターチ4.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、硫酸マグネシウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、pH7.0の培地5mlを入れた試験管に接種し、27℃で7日間振盪培養し、AB10282株と比較してN−アセチル−D−グルコサミンの生産量が増加した変異株を選抜した。
N−アセチル−D−グルコサミンの生産
コーンスターチ4.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、硫酸マグネシウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、pH7.0の培地200mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、紫外線照射の変異処理によりN−アセチル−D−グルコサミンの生産量が増加した上記トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)変異株をスラントから一白金耳接種し、27℃で回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養し、6、7、8、10および12日目のそれぞれに50%グルコース/5%酢酸アンモニウム溶液を2mlずつ添加し、15日間培養した。培養上清をHPLCで分析し、標準品のN−アセチル−D−グルコサミンと比較した結果、生産物質はN−アセチル−D−グルコサミンと同定された。前記培養により5mg/mlのN−アセチル−D−グルコサミンを含む培養液が得られた。
変異誘発剤による変異導入
トリコデルマ ハルジアナム AB10283(Trichoderma harzianum AB10283)の分生胞子を4mlのクエン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁した。この胞子液にN−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンを加え(最終濃度50μl/ml)、37℃で30分間保温した。その後、遠心分離(3500×g)を行い、上澄み液を捨て、再度クエン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁、遠心操作により、胞子を洗浄した。N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン処理した胞子液を稀釈し、コーンスターチ4.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、硫酸マグネシウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、寒天1.5%、pH7.0の平板培地に広げ、生育したコロニーを分離した。分離したコロニーはコーンスターチ4.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、硫酸マグネシウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、pH7.0の培地5mlを入れた試験管に接種し、27℃で7日間振盪培養し、AB10283株と比較してN−アセチル−D−グルコサミンの生産量が増加した変異株を選抜した。
N−アセチル−D−グルコサミンの生産
コーンスターチ4.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.4%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、pH7.0の培地200mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンの変異処理により、N−アセチル−D−グルコサミンの生産量が増加した上記トリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)変異株をスラントから一白金耳接種し、27℃で回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養し、6、7、8、10および12日目のそれぞれに50%グルコース/5%塩化アンモニウム溶液を2mlずつ添加し、15日間培養した。培養上清をHPLCで分析し、標準品のN−アセチル−D−グルコサミンと比較した結果、生産物質はN−アセチル−D−グルコサミンと同定された。前記培養により3mg/mlのN−ア
セチル−D−グルコサミンを含む培養液が得られた。
グルコース6.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.6%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、pH7.0の培地75mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、実施例2で得られた紫外線照射の変異処理によりN−アセチル−D−グルコサミンの生産量が増加したトリコデルマ ハマタム (Trichoderma hamatum) 変異株をスラントから一白金耳接種し、27℃で回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養し、4、7、9、11、13日目に50%グルコース/5%酢酸アンモニウム溶液を3mlずつ添加した後、15日間培養した。培養上清をHPLCで分析し、標準品のN−アセチル−D−グルコサミンと比較した結果、生産物質はN−アセチル−D−グルコサミンと同定された。前記培養により13mg/mlのN−アセチル−D−グルコサミンを含む培養液が得られた。
グルコース6.0%、塩化アンモニウム0.1%、酵母エキス0.6%、リン酸二水素カリウム0.02%、リン酸水素二ナトリウム・12水和物0.08%、pH7.0の培地2.0Lを4L容ジャーファーメンターに入れ滅菌後、あらかじめ前培養した、実施例2で得られた紫外線照射の変異処理によりN−アセチル−D−グルコサミンの生産量が増加したトリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)変異株を接種し、培養温度27℃、攪拌回転数450rpm、通気量2L/minで3、5、7および9日目のそれぞれに50%グルコース/5%酢酸アンモニウム溶液を20mlずつ添加し、27℃で10日間培養した。
培養上清のN−アセチル−D−グルコサミンをHPLCで測定した結果、N−アセチル−D−グルコサミン濃度は15mg/mlであった。その培養液2.0Lの遠心上清を活性炭200ml充填したカラムに通過させ、その後このカラムに200mlのイオン交換水を通過させた。その通過液を強酸性陽イオン交換樹脂デュオライト(登録商標)C−20(H+型)200mlを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに200mlのイオン交換水を通過させた。さらにその通過液を弱塩基性陰イオン交換樹脂デュオライト(登録商標)A378D(OH-型)200mlを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに200mlのイオン交換水を通過させた。
通過液を減圧下濃縮乾固し、20gの固形物を得た。これを蒸留水20mlに溶解した水溶液にアセトンを50ml添加し、結晶化操作を行なったところ、純度95%のN−アセチル−D−グルコサミンの結晶様粉末として12g得られた。このようにして得られた結晶様粉末のNMR分析を行なったところ、その1H−NMRケミカルシフト値及び13C−NMRケミカルシフト値が、N−アセチル−D−グルコサミンの文献値と一致した。
本発明のN−アセチル−D−グルコサミンの製造法は、安定したN−アセチル−D−グルコサミンの生産・供給を実現するものであり、該製造法を用いればN−アセチル−D−グルコサミンを効率よく、安全で安価に製造することが可能となる。また、本発明の微生物は、上記N−アセチル−D−グルコサミンの製造法に、好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有するトリコデルマ属(Trichoderma)に属する糸状菌の非遺伝子組換え株を、キチンおよびキチンオリゴ糖以外のトリコデルマ属(Trichoderma)に属する糸状菌が資化しうる炭素源および窒素源を含む培地に培養し、培地中にN−アセチル−D−グルコサミンを生成、蓄積させ、これを採取することを特徴とする、N−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
  2. 前記炭素源および窒素源を追加しながら培養を行うことを特徴とする、請求項1に記載のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
  3. N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有するトリコデルマ属(Trichoderma)に属する糸状菌の非遺伝子組換え株が、トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)、トリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma
    harzianum)、トリコデルマ リーセイ(Trichoderma reesei)あるいはトリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride)のいずれかの非遺伝子組換え株であることを特徴とする、請求項に記載のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
  4. N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有するトリコデルマ属(Trichoderma)に属する糸状菌の非遺伝子組換え株が、トリコデルマ ハマタム AB10282株(Trichoderma hamatum AB10282 FERM BP−10623)あるいはトリコデルマ ハルジアナム AB10283株(Trichoderma harzianum AB10283 FERM BP−10624)のいずれかであることを特徴とする、請求項に記載のN−アセチル−D−グルコサミンの醗酵生産方法。
  5. N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する、トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)FERM BP−10623株あるいはトリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)FERM BP−10624株。
  6. トリコデルマ ハマタム(Trichoderma hamatum)FERM BP−10623株あるいはトリコデルマ ハルジアナム(Trichoderma harzianum)FERM BP−10624株に変異を導入することにより得られる、N−アセチル−D−グルコサミンの生産能を有する変異株。
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