JP4879356B2 - フラットケーブルの保護固定具 - Google Patents
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Description
また、開口部のエッジを別部品で覆う場合には、開口部の裏表どちらか一方からの嵌合となるため、完全にエッジを覆ってケーブルを保護することは困難であった。
さらに、開口部を樹脂部品で閉塞する場合には、樹脂部品を筐体にねじ止めするため、構成部品の増加につながり、コスト増大の一因となってしまった。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る保護固定具の構成を示す斜視図である。保護固定具は、上蓋(第一の蓋体)1、下蓋(第二の蓋体)2、および上蓋1と下蓋2とを折り曲げ可能に連結するヒンジ部3から構成される一部品である。なお、便宜的に上蓋、下蓋と呼んでいるが、保護固定具の上下は反転してもかまわない。
また、図2は、この発明の実施の形態1に係る保護固定具を取り付ける筐体開口部11の一例を示す平面図である。筐体10の一面に穿設された筐体開口部11は、図1に示す保護固定具を取り付けてフラットケーブルを引き込むまたは引き出すための穴である。
下蓋2には、フラットケーブルを挿通するための下蓋スリット(第二のスリット)6が穿設されている。また、下蓋2の上蓋1との対向面には、筐体開口部11に嵌合する凸部8が突設され、凸部8の全周がフランジ9になっている。また、凸部8の縁部には複数の保持爪7が設けられている。上蓋1において、上蓋1と下蓋2とを折り曲げたときに下蓋2の保持爪7が当接する位置に、各保持爪7を収容するための保持孔7aがそれぞれ設けられている。
なお、固定爪5および保持爪7はスナップフィット構造とした。また、固定爪5および保持爪7は、上蓋1および下蓋2のどちらに設けてもよい。
図3に示すように、下蓋2が、筐体開口部11の表面側から取付用スリット12を通して裏面側へ移動する。そして、図4に示すように、筐体10の裏面から下蓋2の凸部8が筐体開口部11に嵌合するように押入されると、凸部8の端部にある各保持爪7が筐体開口部11の周縁に掛止して保護固定具を筐体開口部11に仮固定する。ヒンジ部3はヒンジ用スリット13に収容される。このようにして保護固定具が筐体開口部11に仮固定されると、筐体開口部11のエッジ面は凸部8に覆われ、裏面側エッジは下蓋2のフランジ9に覆われる。
なお、フラットケーブル14としては、フレキシブルフラットケーブル(FFC)またはフレキシブルプリント基板(FPC)が用いられる。
図5に示す状態の保護固定具の上蓋1が下蓋2の方向へ折り曲げられると、上蓋1の各固定爪5が下蓋2の各固定孔5aに係合し、図6に示すように上蓋1が下蓋2に固定される。このとき、フラットケーブル14は上蓋1と下蓋2とに挟み込まれて筐体10に固定される。このようにして保護固定具が筐体開口部11に固定されると筐体開口部11の表面側エッジが上蓋1に覆われる。上述したように表面側以外のエッジも覆われているので、筐体開口部11のエッジがフラットケーブル14と接触することがない。そのため、筐体開口部11のエッジによるフラットケーブル14の傷付きおよび断線を防止することができる。
また、固定爪5は、筐体開口部11およびフラットケーブル14を挟み込んだ状態の上蓋1と下蓋2とを固定するため、ねじ等を使わずに保護固定具を筐体開口部11へ取り付けることができる。
フラットケーブル14aには耳形状が設けられ、そこにフラットケーブル穴15が穿設されている。フラットケーブル穴15を上蓋1の固定爪5に挿通することで、固定爪5がフラットケーブル14aを仮保持しておくことができる。このため、作業途中のフラットケーブル14aの無駄な遊びが押さえられ、傷付きおよび断線の防止ならびに作業性の向上が可能となる。
また、フラットケーブル穴15を固定爪5に挿通したままでフラットケーブル14aを上蓋1と下蓋2で挟み込むことにより、保護固定具はフラットケーブル14aをより強固に固定することができる。
なお、耳形状を設けず、フラットケーブル14aに直接穴をあけてもよい。また、固定爪5をフラットケーブル14aの保持部として兼用せず、上蓋1または下蓋2の任意の位置に保持部を設けてもよい。
そのため、保護固定具がフラットケーブル14と共に筐体開口部11の全周を表裏から挟み込むことで、筐体開口部11のエッジが全く露出しない構造とすることができる。さらに、保護固定具内でフラットケーブル14を引き回すため、フラットケーブル14の傷付きおよび断線を防止することができる。
図9は、この発明の実施の形態2に係る保護固定具を筐体開口部11に取り付けた状態を示す断面図であり、この保護固定具を図6に示すAA線に相当する位置で切断した断面である。本実施の形態の保護固定具は、上記実施の形態1に示す保護固定具の上蓋1に凸リブ部21を突設し、下蓋2の、凸リブ部21に対向する位置に溝部22を凹設したものである。その他の構成は実施の形態1と同様であるため説明は省略する。
なお、上蓋1に溝部22を凹設し、下蓋2に凸リブ部21を突設してもかまわない。
図10は、この発明の実施の形態3に係る保護固定具の構成を示す斜視図である。本実施の形態の保護固定具は、上記実施の形態1に示す保護固定具の上蓋1の両端部にリブ31を設けたものである。その他の構成は実施の形態1と同様であるため説明は省略する。
なお、上蓋1ではなく下蓋2にリブ31を設けてもよく、さらに、リブ形状ではなくボス形状等であってもかまわない。
図12は、この発明の実施の形態4に係る保護固定具を筐体開口部11に取り付けた状態を示す断面図であり、この保護固定具を図6に示すAA線に相当する位置で切断した断面である。本実施の形態の保護固定具は、上記実施の形態1に示す保護固定具の下蓋2を表裏反転させた下蓋2aを備える構成である。保護固定具は、上蓋1と下蓋2aとで筐体開口部11を挟み込むように取り付けられるのではなく、筐体開口部11の片面に取り付けられる。下蓋2aの筐体開口部11に対向する面に突出した凸部8が筐体開口部11に嵌合すると共に、凸部8と同一面に突設した保持爪7が筐体開口部11の周縁に掛止することで保護固定具が筐体開口部11へ固定される。
なお、この保護固定具は、筐体開口部11の片面に取り付ける構造のため、筐体10に図2に示すような取付用スリット12およびヒンジ用スリット13を穿設する必要はない。
または、保護固定具を保持爪7によって筐体開口部11に取り付けた後で、フラットケーブル14を上蓋スリット4および下蓋スリット6に挿通させ、上蓋1と下蓋2aとで挟み込んで固定することも可能である。
Claims (7)
- 筐体開口部に取り付けられて、フラットケーブルを当該筐体に挿入固定するフラットケーブルの保護固定具であって、
前記フラットケーブルを挿通させる第一のスリットが穿設された第一の蓋体と、
前記第一のスリットと対向する位置からずれた位置に、前記フラットケーブルを挿通させる第二のスリットが穿設された第二の蓋体と、
前記第一の蓋体と前記第二の蓋体とを折り曲げ可能に連結するヒンジ部とを備え、
前記第一の蓋体と前記第二の蓋体が、前記第一のスリット、前記筐体開口部および前記第二のスリットを挿通した前記フラットケーブルと共に前記筐体開口部の周縁を表裏から挟み込むことで、前記フラットケーブルを前記筐体開口部に挿入固定するフラットケーブルの保護固定具。 - 第一および第二の蓋体のうちのいずれか一方の蓋体に、筐体開口部の周縁に掛止する保持爪を設け、
他方の蓋体に前記保持爪を挿入する保持孔を設けることを特徴とする請求項1記載のフラットケーブルの保護固定具。 - 第一および第二の蓋体がフラットケーブルと共に筐体開口部の周縁を表裏から挟み込んだときに互いに係止する凹凸係止部を前記第一および第二の蓋体に相対的に設けることを特徴とする請求項1記載のフラットケーブルの保護固定具。
- フラットケーブルに穴が穿設され、この穴に挿通して当該フラットケーブルを保持する保持部を第一および第二の蓋体のうちのいずれか一方に設けることを特徴とする請求項1記載のフラットケーブルの保護固定具。
- 第一および第二の蓋体のうちのいずれか一方の蓋体に突設した凸リブ部と、
他方の蓋体の、前記凸リブ部と対向する位置に凹設した溝部とを備え、
前記第一の蓋体と前記第二の蓋体がフラットケーブルと共に筐体開口部の周縁を表裏から挟み込むと共に、前記凸リブ部および前記溝部が当該フラットケーブルを挟み込んで拘持することを特徴とする請求項1記載のフラットケーブルの保護固定具。 - 第一および第二の蓋体のうちのいずれか一方の蓋体の、他方の蓋体と対向する面に突設したリブを備えることを特徴とする請求項1記載のフラットケーブルの保護固定具。
- 筐体開口部に取り付けられて、フラットケーブルを当該筐体に挿入固定するフラットケーブルの保護固定具であって、
前記フラットケーブルを挿通させる第一のスリットが穿設された第一の蓋体と、
前記第一のスリットと対向する位置からずれた位置に、前記フラットケーブルを挿通させる第二のスリットが穿設された第二の蓋体と、
前記第一の蓋体と前記第二の蓋体とを折り曲げ可能に連結するヒンジ部と、
前記第二の蓋体を前記筐体開口部の周縁に掛止する保持爪を備え、
前記第一の蓋体と前記筐体開口部の周縁に掛止した前記第二の蓋体が、前記第一のスリットおよび前記第二のスリットを挿通した前記フラットケーブルを挟み込むことで、当該フラットケーブルを前記筐体開口部に挿入固定するフラットケーブルの保護固定具。
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