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JP4877433B2 - ポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法 Download PDF

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JP4877433B2 JP2011514914A JP2011514914A JP4877433B2 JP 4877433 B2 JP4877433 B2 JP 4877433B2 JP 2011514914 A JP2011514914 A JP 2011514914A JP 2011514914 A JP2011514914 A JP 2011514914A JP 4877433 B2 JP4877433 B2 JP 4877433B2
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Description

本発明は、ポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法に関する。
環境問題への意識の高まりから、植物由来原料を用いた環境配慮型ポリマーの開発が近年盛んに進められている。
例えば、モノマー成分に植物由来原料から得られた1,5−ジアミノペンタンを用いたポリペンタメチレンアジパミド樹脂を試験管スケールで高重合度化した例が特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、重合時に比較的低い加熱温度でポリペンタメチレンアジパミド樹脂を試験管スケールで製造した例が開示されている。
特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6には、スケールアップした製造例として、撹拌機を具備した重合装置によってポリペンタメチレンアジパミド樹脂を製造する方法が開示されている。
特開2004-75932号公報 特開2009-195202号公報 特開2004-269549号公報 特開2008-189661号公報 特開2009-179899号公報 特開2009-235352号公報
特許文献1、2に開示された技術はいずれもいずれも試験管スケールでの製造例であり、工業的にポリペンタメチレンアジパミド樹脂を高重合度化したり、低温で重合する技術についての開示はない。
一方、商業レベルでバッチ重合によりポリアミド樹脂を得る場合、通常重合装置内に前バッチのポリマーが一部残存した状態で、次バッチの重合を実施する。ポリペンタメチレンアジパミド樹脂を前記特許文献3〜6に記載の方法を含む公知の方法で繰り返し製造した場合、前バッチから残存したポリマーの着色が顕著に認められ、これが当該バッチのポリマーに混入することで、得られるペンタメチレンアジパミド樹脂の色調が悪化する問題があった。
従って本発明では、前バッチのポリマーが一部残存した状態でバッチ重合を繰り返しても、色調に優れたポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造を可能とすることを課題とする。
本発明者らは、重合装置と重合時の圧力条件などを限定することで、前バッチから残存するポリマーの量とその着色を抑え、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の色調を改善することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸からポリペンタメチレンアジパミド樹脂を加圧してから放圧するバッチ重合を繰り返すことにより製造する方法であって、攪拌機を具備した重合装置を用い、攪拌機を具備した重合装置を用い、内圧をP[MPa(絶対圧)]、Pの最高値をPmax[MPa(絶対圧)]としたときに、下記(A)〜(D)の条件を満足するポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法、により達成される。
(A)1.0≦Pmax ≦2.0
(B)放圧操作の際、放圧時間とln(P)が直線関係になるように圧力調整すること
(C)放圧時間のうち、0.4[MPa(絶対圧)]から大気圧へ戻すまでの時間を20分以上かつ60分以下とすること
(D)0.1≦P
本発明のポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法は、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点をTm[℃]、重合中のポリペンタメチレンアジパミド樹脂温度をTp[℃]、Tpの最高温度をTpmax[℃]、重合中の加熱温度をH[℃」としたときに、下記関係式を満足する範囲で製造することが好ましい。
Tm+10 ≦ Tpmax ≦ Tm+20
−2≦H−Tpmax ≦ 5 (ただし、Tp≧Tm)
本発明のポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法は、Tp≧Tmとなる時間が0.5時間以上2時間以下であることが好ましい。
本発明のポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法は、植物由来原料から得られた1,5−ジアミノペンタンを用いることが好ましい。
本発明により、前バッチのポリマーが一部残存した状態でバッチ重合を繰り返しても、色調の優れたポリペンタメチレンアジパミド樹脂を得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸からポリペンタメチレンアジパミド樹脂を加圧してから放圧するバッチ重合を繰り返すことにより製造する方法に関する。加圧とは大気圧以上に圧力を高める操作を指し、放圧とは加圧状態から大気圧まで圧力を減じる操作を指す。これを繰り返すことにより製造するとは、モノマーをバッチ式重合装置に仕込んでから加圧、放圧を経て重合を終了しポリマーを排出するまでを1サイクルとしたとき、サイクル間で装置内を洗浄することなく次のサイクルを行うことであり、重合装置内に前バッチの残存ポリマーを有した状態で繰り返し重合することを指す。
本発明で用いるポリペンタメチレンアジパミド樹脂は、主としてポリペンタメチレンアジパミド単位からなるポリアミド樹脂であれば特に制限はない。ここでいう主としてとは、繰り返し単位の90モル%以上がペンタメチレンアジパミド単位で構成されることを指す。ペンタメチレンアジパミド単位とは、1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸とから構成される構造単位である。本発明の効果を損なわない範囲において10モル%未満の他の共重合成分を含んでもよいが、よりペンタメチレンアジパミド単位を多く含むことが好ましく、94モル%以上であることがより好ましく、97モル%以上であることがさらに好ましい。また、バイオマス由来の化合物から得られた1,5−ジアミノペンタンを使用する場合に特に効果を発揮する。このような物質は、従来から用いられている有機合成品とは異なる不純物を含んで樹脂が着色しやすいことがあるが、本発明の方法によれば、このような場合でも着色を抑えて色調を改善させることができる。
バイオマス由来の化合物から得られた1,5−ジアミノペンタンとは、モノマー合成工程において、グルコースやリジンなどのバイオマス由来の化合物から、酵素反応や、酵母反応、発酵反応などによって合成されるものである。これらの方法によれば、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンやピペリジンといった化合物の含有量が少なく、高純度の1,5−ジアミノペンタンを調整できるため、溶融貯留安定性の高いポリペンタメチレンアジパミド樹脂となるため好ましい。具体的には、特開2002-223771号公報、特開2004-000114号公報、特開2004-208646号公報、特開2004-290091号公報や、特開2004-298034号公報、特開2002-223770号公報、特開2004-222569号公報等に開示された1,5−ジアミノペンタン、あるいは1,5−ジアミノペンタン・塩酸塩、1,5−ジアミノペンタン・アジピン酸塩を用いて重合されたポリペンタメチレンアジパミド樹脂であることが好ましく、より純度の高い原料を得やすいことから、1,5−ジアミノペンタン・アジピン酸塩を用いて重合されることが好ましい。またアジピン酸や、他のジアミン成分、ジカルボン酸成分については従来公知の方法で製造されたものを用いればよい。
また本発明のポリペンタメチレンアジパミド樹脂は、1,5−ジアミノペンタンや、アジピン以外に、本発明の目的を損なわない範囲で他の化合物を共重合されたものであってもよく、例えば下記の成分から誘導される構造単位を含んでいてもよい。
例えば脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸など)、脂環式ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、など)から誘導される構造単位を含むことができる。
またエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどにから誘導される構造単位を含むことができる。
また6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムから誘導される構造単位を含むことができる。
本発明では、攪拌機を具備した重合装置を用いることが必須である。攪拌機を有しない場合は、重合装置内のモノマーないしポリマーへの伝熱が不均一になり、それらの突沸を引き起こして、装置内壁に付着した残存ポリマーが増加し着色原因となることなどがある。攪拌翼の形状に特に制限はないが、ディスクタービン型、傾斜パドル型、プロペラ型、アンカー型、ヘリカルリボン型などが一般的に採用されるが、液粘性が高くなる系であることから、傾斜パドル型、アンカー型、ヘリカルリボン型が好ましく使用される。攪拌機回転数は通常10〜200rpm程度、好ましくは20〜150rpm程度、最も好ましくは30〜100rpm程度が採用され、重合の段階に応じて回転数レベルを変更することもできる。
重合中、重合装置の内圧P[MPa(絶対圧)]の最大値Pmax[MPa(絶対圧)]は1.0MPa以上であることが必須であり、好ましくは1.3MPa以上、さらに好ましくは1.7MPa以上である。内圧P[MPa(絶対圧)]の最大値Pmaxが1.0MPa未満の場合、モノマー成分である1,5−ジアミノペンタンの蒸発量が多くなり、モルバランスが崩れて得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の重合度やアミノ基量が低くなることがある。内圧P[MPa(絶対圧)]の最大値Pmaxの上限は特にないが、重合装置の耐圧などを考慮して好ましくは2.0MPa以下が採用される。
本発明では、重合装置の内圧を大気圧に戻す操作(放圧)の際に、放圧時間と内圧Pの自然対数が直線関係になるように、圧力を制御することと、内圧Pが0.4MPaから0.1MPa(大気圧)になるまでの放圧時間を20分以上にすることが極めて重要であり、具体的には次式で示される。
Figure 0004877433
ここで、P(θ)は、放圧開始からの経過時間θにおける圧力を示す。−[ln(0.4)−ln(0.1)]/θ0.4-0.1は、内圧Pが0.4および0.1のとき(つまりln(P)がln(0.4)およびln(0.1)のとき)の二点を結ぶ直線の傾きを意味し、内圧Pが0.4MPaから0.1MPa(大気圧)になるまでの放圧時間であるθ0.4-0.1(分)に対する圧力の対数値の差で表したものである。たとえば内圧Pが0.4MPaから0.1MPaになるまでの放圧時間を20分とすると、−[ln(0.4)−ln(0.1)]/20=−0.0693となる。
上記直線関係は厳密に直線関係であることが好ましいが、実際の操作においては若干の圧力調整代が生じるため、必ずしも厳密である必要はなく概ね直線関係であればよい。具体的には内圧Pが0.4MPaを超える領域では±0.05MPa程度、内圧Pが0.4MPa以下の領域では±0.02MPa程度ずれても同様の効果が得られるので、この程度であれば直線関係にあるとする。この範囲を逸脱して急激に圧力を調整すると、本発明の効果が得られないばかりか、縮合水の蒸気化に伴って奪われる蒸発潜熱が大きくなりすぎ、内液が固化して重合不能になることがある。
公知の方法、例えば「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修編)日刊工業新聞社1988年1月30日発行の記載によれば、放圧時間と内圧Pが直線関係になるよう制御している。しかし、このような方法では内圧Pが0.4MPa以下の領域で、縮合水が蒸気する際にポリマーが発泡した状態となって非常に嵩高くなり、装置の内壁上部に付着するポリマーが極端に増加し、次バッチの色調悪化原因となる。発泡を避けるために圧力低下速度を下げると、放圧時間が長くなりすぎて色調悪化の原因となる。本発明の方法によれば、内圧Pが0.4MPa以下の領域においても、ポリマーの発泡を十分に抑えられ、かつ熱履歴を増大させることなく色調悪化を抑制でき、さらに商業的な連続バッチ生産に耐えうる程の再現性を有する。
本発明において、内圧Pが0.4MPaから0.1MPa(大気圧)になるまでの放圧時間は、20分以上であることが必須であり、25分以上かけることが好ましい。20分より短い時間で大気圧に戻すと、ポリマーが発泡して次バッチの色調悪化原因となる。上限は特にないが、融点以上に保持する時間が2時間より長い場合には、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂が劣化する傾向があるため、通常1.5時間以内が選択される。
本発明では、重合装置内圧P[MPa(絶対圧)]が重合中の全期間にわたり0.1MPa以上、すなわち大気圧以上に保たれることが好ましい。内圧Pが0.1MPaを下回って減圧になる場合も、ポリマーが発泡して次バッチの色調悪化原因となることがある。従って本発明では、重合度を調整するために、放圧終了後に不活性ガスを流通させて縮合水を除去する操作(常圧重合)を行うことが好ましい。不活性ガスとしては、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなどが挙げられ、中でも窒素ガスが製造コストの面から好ましく用いられる。この常圧重合時間に下限は特にないが、重合度を適当に高めるため、通常5分以上、好ましくは10分以上実施される。上限は、色調悪化を防ぐためにTp≧Tmとなる時間が2時間以内になるよう、通常1時間以内が選択される。常圧重合中は、空気を重合装置内に漏れ混ませないよう、流通させる不活性ガスの出口を水シールすることが好ましい。
本発明で用いるモノマーである、1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸は、これらの塩の水溶液で添加することが好ましい。モノマー水溶液の水分率はハンドリングや計量の都合を考慮して調整すればよいが、10%以上60%以下が好ましく、10%以上50%以下がさらに好ましく採用される。一旦重合装置とは別の装置で任意の水分率に濃縮してから使用することもでき、この場合の濃縮後水分率は10%以上30%以下が好ましく、10%以上20%以下がさらに好ましい。さらに、重合中に留出する1,5−ジアミノペンタンを補ったり、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂を所望の末端基にあわせるため、重合前に1,5−ジアミノペンタンまたはアジピン酸を追添加することも可能である。
また、本発明では、加圧してから放圧し重合を完結するまでに、重合系を加熱することにより重合装置の内液温度は上昇し続ける。内液温度を目標温度まで効率的に高めるために、重合初期の加熱温度は内液の目標温度より高くし、内液温度が、得られるポリマーの融点を超えたところで、加熱温度を内液の目標温度と同等程度まで下げることが好ましい。このとき、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点をTm、重合中のポリペンタメチレンアジパミド樹脂温度をTp[℃]、Tpの最高温度をTpmax[℃]、重合中の加熱温度をH[℃]としたときに、下記関係式を満足する範囲で製造することが好ましい。
Tm+10 ≦ Tpmax ≦ Tm+20
−2≦H−Tpmax ≦ 5 (ただし、Tp≧Tm)
ここで、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点Tm[℃]とは、最終的に得ようとするポリペンタメチレンアジパミド樹脂の目標融点を意味する。
なお、最終的に得られたポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点は、示差走査熱分析(DSC)により測定する。ポリペンタメチレンアジパミド樹脂は二つの融点ピークを示すが、高い方のピーク温度を融点とする。
重合中のポリペンタメチレンアジパミド樹脂温度Tp[℃]は、重合装置内に挿入された温度計により通常測定される。装置内で温度分布がある場合は、平均温度をTp[℃]とする。
Tpmax[℃]はTp[℃]の最高温度であり、通常は重合の最終段階の温度である。
重合中の加熱温度H[℃]は、重合装置との伝熱面の温度であり、通常は熱媒体の温度を指す。熱媒ジャケットを装備した重合装置の場合、ジャケット内部の温度を指し、重合装置内部に伝熱用のコイルを挿入する場合、コイル内部の温度を指す。また、ジャケットとコイルの双方を装備した重合装置の場合は、いずれか高い方の温度を指す。重合装置との伝熱面の温度に装置内で温度分布がある場合は、最も高い温度をHとする。重合中の加熱温度Hを厳密に制御するために、重合装置とは別の独立した熱媒ボイラーをもち、そこから温度制御された熱媒体を重合装置のジャケットおよび/またはコイルに供給する方法が好ましい。この場合、熱媒体は蒸気や液体で供給される。
本発明では、上記したとおり、次の関係式を満たすことが好ましい。
Tm+10 ≦ Tpmax ≦ Tm+20
これは、重合中のポリマー温度を、Tm+10℃以上かつTm+20℃以下の範囲に制御することを示す。重合中のポリマー温度をかかる範囲内に制御すると、ポリマーの溶融粘度が上がりすぎることなく重合装置内での流動性が良好に保たれる一方、得られるポリアミド樹脂の色調も良好である。
本発明ではまた、上記したとおり、同時に次の関係式を満たすことが好ましい。
−2≦H−Tpmax ≦ 5 (ただし、Tp≧Tm)
これは、ポリマーの融点以上の領域では、重合中の加熱温度HとTpの最高温度Tpmaxの差を5℃以下に抑えること、すなわち異常加熱部の発生が抑制されていることを示す。HとTpmaxの差をこの範囲に制御すると、得られるポリアミド樹脂の色調を良好に保つことができる。
なお、HとTpmaxの差を小さくするには、熱媒体からポリマーへの伝熱を効率的に行えば良い。このためには、重合装置に撹拌装置を具備することのほか、例えば、伝熱面積を十分にもたせることや、伝熱面へ供給する熱媒体の温度を厳密に制御することなどにより達成される。
さらに、本発明においては、重合系内を得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点以上に保持する時間が、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の分子量に影響を及ぼすため、重合系内の温度をポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点以上に保持する時間が0.5時間以上2時間以下に制御することが好ましく、1時間以上2時間以下に制御することがより好ましい。融点以上に保持する時間をこの範囲に制御する場合には、分子量の上昇を十分にできる一方、1,5−ジアミノペンタンの揮発や環化が促進されることもなく、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂が劣化することもない。
本発明において、重合終了後にポリマーを排出する方法としては、不活性ガスにより重合装置を加圧し、ストランド状に押し出したポリマーを水冷後、カッティングしてペレットを得る方法が好ましく用いられる。このとき、ポリマーをできるだけ短時間で押し出すことが色調悪化抑制に効果的であり、好ましくは1時間以内、より好ましくは40分以内、さらに好ましくは30分以内に押し出される。
本発明によって得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の硫酸相対粘度は、2.1以上が好ましく、2.4以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましい。硫酸相対粘度がこの範囲であると、ストランド状に押し出したポリマーをカッティングする際に、ストランド径が安定し、正常形状のペレットの収率を高くできる。上限は特にないが、重合装置内に残存するポリマーが増えて収率が低下することを防ぐ観点から4.0以下とするのが好ましい。
また、アミノ基量[ミリ当量/kg]は30〜70[ミリ当量/kg]が好ましく、35〜65[ミリ当量/kg]がより好ましく、40〜60[ミリ当量/kg]がさらに好ましい。アミノ基量が上記好ましい範囲であると、繊維として用いた場合に染色しやすく、一方後加工における溶融時の安定性を保つことができる。
硫酸相対粘度およびアミノ基量を制御するには、重合中に揮発するジアミン成分を考慮し、重合原料を仕込む際にジアミン成分をアジピン酸との等モルより過剰量添加することが好ましい。このとき添加するジアミン成分としては、モノマー成分である1,5−ジアミノペンタンのほか、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどを用いることができる。
本発明によって得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂は、さらに固相重合あるいは溶融押出機で高重合度化することによって、分子量を上昇させることも可能である。固相重合は、100℃〜融点の温度範囲で、真空中、あるいは不活性ガス中で加熱することにより進行する。
本発明のポリペンタメチレンアジパミド樹脂を製造する際には、他の成分、例えば末端封鎖剤(モノカルボン酸、モノアミン等)、酸化防止剤、耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(二酸化チタン、硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を任意の時点で添加することができる。
本発明のポリペンタメチレンアジパミド樹脂は、繊維、フィルム、シート、フィラメント、樹脂、接着剤、塗料などに有用である。具体的な用途例としては、衣料用繊維、産業資材用繊維、スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車ホイール、キャスター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジエタータンク、チャンバータンク、リザーバータンク、ヒューズボックス、エアークリーナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸排気パイプ、ベアリングリテーナー、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホールド、ウォーターパイプインペラ、クラッチレリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンタリボンガイドなどに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家電・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、その他各種用途に有用である。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
[硫酸相対粘度(ηr)]
試料0.25gを濃度98wt%の硫酸100mLに対して1gになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98wt%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度とした。
[アミノ基量]
試料1gを50mLのフェノール/エタノール混合溶液(フェノール/エタノール=80/20)に、30℃で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差から試料1kgあたりのアミノ基量[ミリ当量/kg]を求めた。
[融点(Tm)]
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料10mgを昇温速度15℃/分にて測定して得た示差熱量曲線において吸熱側に極値を示すピークを融解ピークと判断し、極値を与える温度を融点Tm(℃)とした。なお複数の極値が存在する場合は高温側の極値を融点とした。
[黄化度(YI)]
スガ試験機(株)製のカラーコンピューターを用いてペレットのYI値を測定した。
参考例1(リジン脱炭酸酵素の調整)
E.coli JM109株の培養は以下のように行った。まず、この菌株をLB培地5mLに1白金耳植菌し、30℃ で24時間振とうして前培養を行った。
次に、LB培地50mLを500mLの三角フラスコに入れ、予め115℃、10分間蒸気滅菌した。この培地に前培養した上記菌株を植え継ぎ、振幅30cmで、180rpmの条件下で、1N塩酸水溶液でpHを6.0に調整しながら、24時間培養した。こうして得られた菌体を集め、超音波破砕および遠心分離により無細胞抽出液を調製した。これらのリジン脱炭酸酵素活性の測定を定法に従って行った(日本生化学会編 生化学実験講座11「アミノ酸代謝と生体アミン 上」P.179-191(1976))。
リジンを基質とした場合、本来の主経路と考えられるリジンモノオキシゲナーゼ、リジンオキシダーゼおよびリジンムターゼによる転換が起こり得るので、この反応系を遮断する目的で、75℃で5分間、E.coli JM109株の無細胞抽出液を加熱した。さらにこの無細胞抽出液を40%飽和および55%飽和硫酸アンモニウムにより分画した。こうして得られた粗精製リジン脱炭酸酵素溶液を用いて、リジンから1,5−ジアミノペンタンの生成を行った。
参考例2(1,5−ジアミノペンタンの製造)
リジン塩酸塩(和光純薬工業製)が50mM、ピリドキサルリン酸(和光純薬工業製)が0.1mM、粗精製リジン脱炭酸酵素(参考例1で調製)が40mg/Lとなるように調製した水溶液1000mLを、0.1N塩酸水溶液でpHを5.5〜6.5に維持しながら、45℃で48時間反応させ、1,5−ジアミノペンタン塩酸塩を得た。この水溶液に水酸化ナトリウムを添加することによって1,5−ジアミノペンタン塩酸塩を1,5−ジアミノペンタンに変換し、クロロホルムで抽出して、減圧蒸留(8mmHg、70℃)することにより、1,5−ジアミノペンタンを得た。
参考例3(ポリペンタメチレンアジパミドの製造)
参考例2で得られた1,5−ジアミノペンタン12.3kgをイオン交換水30.0kg中に溶解した水溶液を、氷浴に浸して撹拌しているところに、17.7kgのアジピン酸(カーク製)を少量ずつ添加していき、中和点近傍では40℃のウオーターバスで加温して内温を33℃とし、pHが8.32の1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸の等モル塩の50重量%水溶液60.0kgを調製した。この水溶液を、ダブルヘリカルリボン翼をもった撹拌機と熱媒ジャケットを装備した内容積80Lのバッチ式重合缶に入れた。重合缶内を充分に窒素置換した後、30rpmで撹拌しながら260℃で加熱を開始した。なお、加熱は重合装置から独立した熱媒ボイラーから熱媒蒸気を供給する方式であり、ジャケット内部に挿入した温度計の指示温度が規定温度になるよう、ボイラーでの熱媒加熱を調整した。缶内圧力が0.3MPa(絶対圧)に到達した時点から濃縮を開始し、重合缶内圧を一定に保つように放圧弁の開度を調整した。留出水量が24.7kgになったら放圧弁を閉止し、加熱温度を285℃に変更した。缶内圧力が1.8MPa(絶対圧:Pmax)に到達した時点で加熱温度を270℃に変更し、缶内圧力を維持した。内温が254℃に到達した時点から下式でPmax=1.8、θ0.4-0.1=20分とした放圧カーブに従い42分かけて徐々に0.1MPa(絶対圧)すなわち大気圧まで放圧した。
Figure 0004877433
大気圧に到達したら窒素ガスを5L/分流通させて15分間缶内をブローした。その後缶内に0.5MPa(絶対圧)の窒素圧をかけ、水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたポリペンタメチレンアジパミドの硫酸相対粘度は2.79、アミノ末端基量は4.55×10-5mol/g、Tmは254℃であった。
(実施例1〜3)
参考例3を実施した後加熱を停止し、内温が40℃以下になるまで1晩放冷してから、参考例3と同じ操作を繰り返した(参考例1を1バッチ目とすると、実施例1は2バッチ目、実施例2は3バッチ目、実施例3は4バッチ目である)。
(実施例4)
θ0.4-0.1=25分とした放圧カーブを用いたこと以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例5)
θ0.4-0.1=30分とした放圧カーブを用いたこと以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例6)
maxを1.0MPaにした以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例
缶内圧力が1.8MPa(絶対圧:Pmax)に到達した時点で加熱温度を275℃に変更した以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例
缶内圧力が1.8MPa(絶対圧:Pmax)に到達した時点で加熱温度を280℃に変更した以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例
重合時の撹拌速度を20rpmとし、缶内圧力が1.8MPa(絶対圧:Pmax)に到達した時点で加熱温度を277℃に変更した以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例10
重合時の撹拌速度を15rpmとし、缶内圧力が1.8MPa(絶対圧:Pmax)に到達した時点で加熱温度を282℃に変更した以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(実施例11
θ0.4-0.1=60分とした放圧カーブを用いたこと以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(比較例1)
θ0.4-0.1=15分とした放圧カーブを用いたこと以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
(比較例2)
内温が254℃に到達した時点から下式でPmax=1.8、θ0.4-0.1=20分とした放圧直線に従い113分かけて徐々に0.1MPa(絶対圧)すなわち大気圧まで放圧した以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
Figure 0004877433
(比較例3)
maxを0.8MPaにした以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。得られたペレットのほとんどに形状異常が認められた。
(比較例4)
大気圧まで放圧した後、常圧重合を行う代わりに、0.98MPa(絶対圧)に減圧し、15分間保持した以外は、参考例3および実施例1と同じ操作を行った。
実施例および比較例で得られたポリペンタメチレンアジパミド樹脂の特性値は表1に示したとおりであった。
参考例3および実施例1〜3は、バッチを繰り返して重合を行っているが、色調の悪化は全く認められない。
実施例1、4、5、11は放圧時間のうち、0.4MPa以下を本発明で規定した20分以上としたため色調悪化は抑えられているが、15分とした比較例1では色調が大幅に悪化した。放圧終盤のポリマー発泡に伴い残存ポリマーが増大したことが影響したと推定される。
比較例2は、公知の方法にならい放圧時の圧力と時間が直線関係になるようにした結果、色調が大幅に悪化した。放圧終盤のポリマー発泡に伴い残存ポリマーが増大したことが影響したと推定される。
実施例1、6および比較例3を比較すると、Pmaxが1.8MPa(実施例1)および1.0MPa(実施例6)では色調悪化が抑えられ、かつ硫酸相対粘度が十分であるが、Pmaxが0.8MPa(比較例3)では色調悪化は認められないものの、ジアミン成分の留出に伴うモルバランスのずれによって、硫酸相対粘度が低下し、ペレット形状が異常となった。
実施例1と比較例4を比較すると、減圧重合を行った比較例4の方が色調が低下していた。
実施例1、およびを比較すると、いずれも極端な色調悪化は抑えられているものの、TpmaxがTm+20℃を超える実施例の方が色調が低下していた。
実施例1、および10を比較すると、いずれも極端な色調悪化は抑えられているものの、撹拌速度が下がってH−Tpmaxが5℃を超える実施例10の方が、色調が悪化していた。
実施例1と実施例11を比較すると、いずれも極端な色調悪化は抑えられているものの、Tp≧Tmとなる時間が2時間を超える実施例11の方が、色調が悪化していた。
Figure 0004877433
本発明により、前バッチのポリマーが一部残存した状態でバッチ重合を繰り返しても、色調の優れたポリペンタメチレンアジパミド樹脂を工業的に安定して提供することができる。

Claims (4)

  1. 1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸からポリペンタメチレンアジパミド樹脂を加圧してから放圧するバッチ重合を繰り返すことにより製造する方法であって、攪拌機を具備した重合装置を用い、内圧をP[MPa(絶対圧)]、Pの最高値をPmax[MPa(絶対圧)]としたときに、下記(A)〜(D)の条件を満足するポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法。
    (A)1.0≦Pmax ≦2.0
    (B)放圧操作の際、放圧時間とln(P)が直線関係になるように圧力調整すること
    (C)放圧時間のうち、0.4[MPa(絶対圧)]から大気圧へ戻すまでの時間を20分以上かつ90分以下とすること
    (D)0.1≦P
  2. 得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の融点をTm[℃]、重合中のポリペンタメチレンアジパミド樹脂温度をTp[℃]、Tpの最高温度をTpmax[℃]、重合中の加熱温度をH[℃」としたときに、下記関係式を満足する範囲で製造する請求項に記載のポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法。
    Tm+10 ≦ Tpmax ≦ Tm+20
    −2≦H−Tpmax ≦ 5 (ただし、Tp≧Tm)
  3. Tp≧Tmとなる時間が0.5時間以上2時間以下である請求項1または2に記載のポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法。
  4. 植物由来原料から得られた1,5−ジアミノペンタンを用いる請求項1〜のいずれかに記載のポリペンタメチレンアジパミド樹脂の製造方法。
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