上述した従来の折機では、折込ローラに周方向に延びる溝を設け、この溝内に上方に向けてエアを噴出するエアノズルを配設している。そのため、上方へのエアブローにより折帳の端折れ挙動が抑制されるものの、一対の折込ローラが折帳を挟持するときに、この折込ローラに設けられた溝により折帳に傷や皺が発生してしまうおそれがある。即ち、ウェブが一対の折込ローラにより所定のニップ圧で挟持されることで折帳が形成されるが、一対の折込ローラの表面に複数の溝が形成されているため、折帳の一部が撓んで各溝内に落ち込んでしまい、その表面が折込ローラの表面と溝との角部に押圧され、ここに傷や皺が発生してしまう。
また、折胴と折込ローラとの間に配設した紙ガイドの端部を織り込みローラの溝内まで延設すると、折帳の端折れが抑制するものの、この場合であっても、折込ローラの表面に溝が形成されているため、折帳が一対の折込ローラにより挟持されるときに、折帳の表面が折込ローラの表面と溝との角部に押圧されて傷や皺が発生してしまう。
本発明は上述した課題を解決するものであり、折帳の端折れを抑制すると共に折帳の表面の損傷を抑制したウェブ折り畳み装置及び輪転印刷機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明のウェブ折り畳み装置は、回転可能な折胴と、該折胴と協働してウェブを裁断する鋸胴と、前記折胴より下流側に設けられてウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを具えたウェブ折り畳み装置において、前記一対の折込ローラは、外周面に周方向に沿って溝部が設けられると共に、前記一対の折込ローラ同士が対向する第1対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの溝部を被覆する第1カバーが設けられ、折帳の移送方向の下流側から前記溝部と前記第1カバーとの間に形成された通路にエアを噴出するエアノズルが設けられたことを特徴とするものである。
請求項2の発明のウェブ折り畳み装置では、前記第1カバーは、前記溝部内にその長手方向に沿って設けられ、表面が前記折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に、両側部が前記溝部の内壁面と微小隙間をもって近接配置され、折帳の移送方向の下流側から前記溝部と前記第1カバーとの間に形成された通路にエアを噴出するエアノズルが設けられたことを特徴としている。
請求項3の発明のウェブ折り畳み装置では、前記一対の折込ローラと前記折胴とが対向する第2対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの溝部を被覆する第2カバーが設けられたことを特徴としている。
請求項4の発明のウェブ折り畳み装置では、前記第2カバーは、前記溝部内にその長手方向に沿って設けられ、表面が前記折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に、両側部が前記溝部の内壁面と所定隙間をもって離間配置されたことを特徴としている。
請求項5の発明のウェブ折り畳み装置では、前記第1カバーの端部と前記第2カバーの端部は、前記一対の折込ローラに対するウェブの挿入部に近接配置されたことを特徴としている。
請求項6の発明のウェブ折り畳み装置は、回転可能な折胴と、該折胴と協働してウェブを裁断する鋸胴と、前記折胴より下流側に設けられてウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを具えたウェブ折り畳み装置において、前記一対の折込ローラは、外周面に周方向に沿って溝部が設けられると共に、折帳の移送方向の下流側から前記溝部に向かってエアを噴出するエアノズルが設けられ、前記一対の折込ローラと前記折胴とが対向する第2対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの溝部を被覆してエア通路を形成する第2カバーが設けられたことを特徴とするものである。
請求項7の発明のウェブ折り畳み装置では、前記第2カバーは、前記溝部内にその長手方向に沿って設けられ、表面が前記折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に、両側部が前記溝部の内壁面と所定隙間をもって離間配置されたことを特徴としている。
請求項8の発明のウェブ折り畳み装置では、前記第2カバーは少なくともいずれか一方の前記折込ローラの外周側に設けられ、前記折込ローラの外周面を被覆する第1被覆部と、前記溝部内にその長手方向に沿って設けられて表面が前記折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が前記溝部の内壁面と所定隙間をもって離間配置された第2被覆部とを有することを特徴としている。
請求項9の発明のウェブ折り畳み装置は、回転可能な折胴と、該折胴と協働してウェブを裁断する鋸胴と、前記折胴より下流側に設けられてウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを具えたウェブ折り畳み装置において、前記一対の折込ローラは、外周面に周方向に沿って溝部が設けられると共に、折帳の移送方向の下流側から前記溝部に向かってエアを噴出するエアノズルが設けられ、前記一対の折込ローラと前記折胴とが対向する第2対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの外周面を被覆する第3カバーが設けられたことを特徴とするものである。
請求項10の発明の輪転印刷機は、巻取紙からウェブを供給する給紙装置と、該給紙装置から繰り出されたウェブに印刷を行う印刷ユニットと、該印刷ユニットにより印刷が施された複数のウェブを重ねて裁断して折り曲げることで折帳を形成する折機とを具えた輪転印刷機において、前記折機は、回転可能な折胴と、該折胴と協働してウェブを裁断する鋸胴と、前記折胴より下流側に設けられてウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを有し、前記一対の折込ローラは、外周面に周方向に沿って溝部が設けられると共に、前記一対の折込ローラ同士が対向する第1対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの溝部を被覆する第1カバーが設けられ、折帳の移送方向の下流側から前記溝部と前記第1カバーとの間に形成された通路にエアを噴出するエアノズルが設けられたたことを特徴とするものである。
請求項11の発明の輪転印刷機は、巻取紙からウェブを供給する給紙装置と、該給紙装置から繰り出されたウェブに印刷を行う印刷ユニットと、該印刷ユニットにより印刷が施された複数のウェブを重ねて裁断して折り曲げることで折帳を形成する折機とを具えた輪転印刷機において、前記折機は、回転可能な折胴と、該折胴と協働してウェブを裁断する鋸胴と、前記折胴より下流側に設けられてウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを有し、前記一対の折込ローラは、外周面に周方向に沿って溝部が設けられると共に、折帳の移送方向の下流側から前記溝部に向かってエアを噴出するエアノズルが設けられ、前記一対の折込ローラと前記折胴とが対向する第2対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの溝部を被覆してエア通路を形成する第2カバーが設けられたことを特徴とするものである。
請求項12の発明の輪転印刷機は、巻取紙からウェブを供給する給紙装置と、該給紙装置から繰り出されたウェブに印刷を行う印刷ユニットと、該印刷ユニットにより印刷が施された複数のウェブを重ねて裁断して折り曲げることで折帳を形成する折機とを具えた輪転印刷機において、前記折機は、回転可能な折胴と、該折胴と協働してウェブを裁断する鋸胴と、前記折胴より下流側に設けられてウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを有し、前記一対の折込ローラは、外周面に周方向に沿って溝部が設けられると共に、折帳の移送方向の下流側から前記溝部に向かってエアを噴出するエアノズルが設けられ、前記一対の折込ローラと前記折胴とが対向する第2対向部に、少なくともいずれか一方の前記折込ローラの外周面を被覆する第3カバーが設けられたことを特徴とするものである。
請求項1の発明のウェブ折り畳み装置によれば、回転可能な折胴と、ウェブを裁断する鋸胴と、ウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを設け、この一対の折込ローラの外周面に周方向に沿って溝部を複数設けると共に、一対の折込ローラ同士が対向する第1対向部に溝部を被覆する第1カバーを設け、折帳の移送方向の下流側から溝部と第1カバーとの間に形成された通路にエアを噴出するエアノズルを設けたので、この折込ローラの第1対向部にて、少なくとも一方の折込ローラの溝部が第1カバーにより被覆されているため、ウェブが折胴から一対の折込ローラに受け渡されるとき、このウェブは、第1カバーに案内されながら一対の折込ローラに挟持されて折帳が形成されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳と溝部との直接接触を防止して折帳の表面の損傷を抑制することができる。
請求項2の発明のウェブ折り畳み装置によれば、第1カバーを溝部内にその長手方向に沿って設け、表面を折込ローラの外周面とほぼ均一とすると共に、両側部を溝部の内壁面と微小隙間をもって近接配置し、折帳の移送方向の下流側から溝部と第1カバーとの間に形成された通路にエアを噴出するエアノズルを設けたので、第1カバーは表面が折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が微小隙間をもって溝部の内壁面と近接するため、折込ローラの外周面における段差や隙間が減少し、折帳の表面の損傷を抑制することができると共に、エアノズルから溝部と第1カバーとの間の通路にエアを噴出することで、折込ローラの外周面に折帳の移送方向と逆方向の空気流が形成されるため、一対の折込ローラにより挟持された折帳の後端部は、この空気流によりその姿勢が矯正されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができる。
請求項3の発明のウェブ折り畳み装置によれば、一対の折込ローラと折胴とが対向する第2対向部に折込ローラの溝部を被覆する第2カバーを設けたので、この折込ローラと折胴との第2対向部にて、少なくとも一方の折込ローラの溝部が第2カバーにより被覆されているため、ウェブが折胴から一対の折込ローラに受け渡されるとき、このウェブは、第2カバーに案内されながら一対の折込ローラに挟持されて折帳が形成されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳と溝部との直接接触を防止して折帳の表面の損傷を抑制することができる。
請求項4の発明のウェブ折り畳み装置によれば、第2カバーを溝部内にその長手方向に沿って設け、表面を折込ローラの外周面とほぼ均一とすると共に、両側部を溝部の内壁面と所定隙間をもって離間配置したので、第2カバーは表面が折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が所定隙間をもって溝部の内壁面と離間するため、折込ローラの外周面における段差や隙間が減少し、折帳の表面の損傷を抑制することができる。また、エアノズルから溝部と第1カバーとの間の通路に噴出されたエアは、この通路から溝部と第2カバーとの間を通って折胴側に流れる空気流が形成されるため、一対の折込ローラにより挟持された折帳の後端部は、この空気流によりその姿勢が矯正されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができる。
請求項5の発明のウェブ折り畳み装置によれば、第1カバーの端部と第2カバーの端部を一対の折込ローラに対するウェブの挿入部に近接配置したので、第1カバーと第2カバーとがほぼ連続することで、折込ローラの外周面における段差や隙間が減少し、折帳を適正に移送して表面の損傷を抑制することができる。また、エアノズルから噴出されたエアは、溝部と第1カバーとの間の通路から溝部と第2カバーとの間を通って折胴側に流れる最適な空気流となるため、この空気流により折帳の後端部を適正な姿勢に保持して端折れを抑制することができる。
請求項6の発明のウェブ折り畳み装置によれば、回転可能な折胴と、ウェブを裁断する鋸胴と、ウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを設け、この一対の折込ローラの外周面に周方向に沿って溝部を設けると共に、折帳の移送方向の下流側から溝部に向かってエアを噴出するエアノズルを設け、一対の折込ローラと折胴とが対向する第2対向部に溝部を被覆してエア通路を形成する第2カバーを設けたので、折込ローラと折胴との第2対向部にて、少なくとも一方の折込ローラの溝部が第2カバーにより被覆されているため、ウェブが折胴から一対の折込ローラに受け渡されるとき、このウェブは、第2カバーに案内されながら一対の折込ローラに挟持されて折帳が形成されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳と溝部との直接接触を防止して折帳の表面の損傷を抑制することができる。
請求項7の発明のウェブ折り畳み装置によれば、第2カバーを溝部内にその長手方向に沿って設け、表面を折込ローラの外周面とほぼ均一にすると共に、両側部を溝部の内壁面と所定隙間をもって離間配置したので、第2カバーは表面が折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が所定隙間をもって溝部の内壁面と離間するため、折込ローラの外周面における段差や隙間が減少し、折帳の表面の損傷を抑制することができる。
請求項8の発明のウェブ折り畳み装置によれば、第2カバーに、折込ローラの外周面を被覆する第1被覆部と、溝部内にその長手方向に沿って設けられて表面が折込ローラの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が溝部の内壁面と所定隙間をもって離間配置された第2被覆部を設けたので、第1被覆部により折込ローラの外周面における段差や隙間が減少され、第2被覆部により折帳と各溝部との接触が防止されることとなり、折帳の表面の損傷を確実に抑制することができる。
請求項9の発明のウェブ折り畳み装置によれば、回転可能な折胴と、ウェブを裁断する鋸胴と、ウェブを挟持して折帳を形成する一対の折込ローラとを設け、この一対の折込ローラの外周面に周方向に沿って溝部を設けると共に、折帳の移送方向の下流側から溝部に向かってエアを噴出するエアノズルを設け、この一対の折込ローラと折胴とが対向する第2対向部に少なくともいずれか一方の折込ローラの外周面を被覆する第3カバーを設けたので、折込ローラの外周面が第3カバーにより被覆されることとなり、折帳をこの第3カバーにより適正に移送して外周面との接触による折帳の表面の損傷を抑制することができる。また、折込ローラの外周面を被覆する第3カバーを設けることで、部品点数を低減することができると共に、組付性を向上することができる。
請求項10の発明の輪転印刷機によれば、給紙装置と印刷ユニットと折機とで構成し、この折機を折胴と鋸胴と折込ローラとで構成し、一対の折込ローラの外周面に周方向に沿った溝部を設けると共に、一対の折込ローラ同士が対向する第1対向部に溝部を被覆する第1カバーを設け、折帳の移送方向の下流側から溝部と第1カバーとの間に形成された通路にエアを噴出するエアノズルを設けたので、折込ローラの第1対向部にて、少なくとも一方の折込ローラの溝部が第1カバーにより被覆されているため、ウェブが折胴から一対の折込ローラに受け渡されるとき、このウェブは、第1カバーに案内されながら一対の折込ローラに挟持されて折帳が形成されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳と溝部との直接接触を防止して折帳の表面の損傷を抑制することができ、印刷品質を向上することができる。
請求項11の発明の輪転印刷機によれば、給紙装置と印刷ユニットと折機とで構成し、この折機を折胴と鋸胴と折込ローラとで構成し、一対の折込ローラの外周面に周方向に沿った溝部を設けると共に、折帳の移送方向の下流側から溝部に向かってエアを噴出するエアノズルを設け、一対の折込ローラと折胴とが対向する第2対向部にて、少なくともいずれか一方の折込ローラの溝部を被覆してエア通路を形成する第2カバーを設けたので、折込ローラと折胴との第2対向部にて、少なくとも一方の折込ローラの溝部が第2カバーにより被覆されているため、ウェブが折胴から一対の折込ローラに受け渡されるとき、このウェブは、第2カバーに案内されながら一対の折込ローラに挟持されて折帳が形成されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳と溝部との直接接触を防止して折帳の表面の損傷を抑制することができ、印刷品質を向上することができる。
請求項12の発明の輪転印刷機によれば、給紙装置と印刷ユニットと折機とで構成し、この折機を折胴と鋸胴と折込ローラとで構成し、一対の折込ローラの外周面に周方向に沿った溝部を設けると共に、折帳の移送方向の下流側から溝部に向かってエアを噴出するエアノズルを設け、一対の折込ローラと折胴とが対向する第2対向部に、折込ローラの外周面を被覆する第3カバーを設けたので、折込ローラと折胴との第2対向部にて、折込ローラの外周面が第3カバーにより被覆されているため、ウェブが折胴から一対の折込ローラに受け渡されるとき、このウェブは、第3カバーに案内されながら一対の折込ローラに挟持されて折帳が形成されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳と溝部との直接接触を防止して折帳の表面の損傷を抑制することができ、印刷品質を向上することができる。
図1は、本発明の実施例1に係るウェブ折り畳み装置における折込ロールの断面図、図2−1は、実施例1のウェブ折り畳み装置における第1カバーを表す折込ロールの平面図、図2−2は、図2−1のII−II断面図、図3−1は、実施例1のウェブ折り畳み装置における第2カバーを表す折込ロールの平面図、図3−2は、図3−1のIII−III断面図、図4は、実施例1の折込ロールの概略斜視図、図5は、実施例1のウェブ折り畳み装置の折込ロールによるウェブ折り畳み動作を表す概略図、図6は、実施例1のウェブ折り畳み装置が適用された新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略図、図7は、実施例1のウェブ折り畳み装置を表す概略図、図8は、実施例1のウェブ折り畳み装置の要部を表す概略図である。
実施例1において、図6に示すように、輪転印刷機として適用された新聞用オフセット輪転印刷機10は、複数の給紙装置11と、複数の印刷ユニット12と、ターンバー装置13と、折機(ウェブ折り畳み装置)14とから構成されている。そして、各給紙装置11には、それぞれウェブWがロール状に巻かれた3つの巻取紙Rを保持する保持アーム15が設けられ、この保持アーム15を回動することで、巻取紙Rを給紙位置に回動することができる。また、この各給紙装置11には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙Rが残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙Rに対して、待機位置にある巻取紙Rを紙継することができる。
また、印刷ユニット12には、両面4色印刷を行う多色刷印刷ユニットと16と、両面2色印刷を行う2色刷印刷ユニットと17とが設けられている。この多色刷印刷ユニットと16及び2色刷印刷ユニットは、各給紙装置11から供給されたウェブWに対して所定の印刷を行うことができる。なお、本実施例では、印刷ユニット12を、多色刷印刷ユニットと16と2色刷印刷ユニット17により構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、両面単色印刷を行う両面単色刷ユニット、一面4色または2色印刷を行う多色刷印刷ユニットなど印刷物に応じて適宜各種ユニットを組み合わせて使用すればよい。
また、ターンバー装置13には、図示しない多数のターンバーが設けられており、各印刷ユニットと16,17から送り出された各ウェブWの走行ルートを変更し、所定の順番に重ね合わせることができる。折機14は、ターンバー装置13から送り出された複数のウェブWを重ねて縦折りし、所定の長さで横裁断し、更に横折りして所望の折帳を形成した後に排紙するものである。
この折機14について詳細に説明すると、図7に示すように、最上部には、上述したターンバー装置13で所定の順番に重ねられたウェブWを下方に搬入するドラグローラ21が設けられると共に、縦折りを行う三角板22が設けられている。下方には、折胴23と、縦折りされたウェブWを横裁断する鋸胴24が対向して配設されている。なお、三角板22と折胴23及び鋸胴24との間には、一対のリードインローラ25、一対のニッピングローラ26、ガイドローラ27、一対のニッピングローラ28が設けられている。
折胴23は、図8に示すように、その周面に180度対向して針装置29が設けられている。この各針装置29は同様の構成をなし、折胴23の軸方向に沿って設けられた針軸30と、基端部がこの針軸30に固定された針アーム31と、この針アーム31の先端部に固定された針32とを有している。この針装置29は、折胴23の回転に連動して作動するものであり、所定の位置で、針アーム31を介して針32を外方に突出することで、ウェブWの走行方向における先端部を保持することができ、所定の位置で、針アーム31を介して針32を戻すことで、ウェブWの先端部の保持を解除することができる。
また、折胴23は、その周面に180度対向して針装置29とほぼ同じ位置に鋸刃受33が設けられており、この鋸刃受33は、一般に、ゴム等の弾性体により構成されている。一方、鋸胴24は、その周面に180度対向して鋸刃34が鋸台35に支持されて設けられている。この場合、折胴23と鋸胴24は、同じ周速で同期回転することで、一定周期で鋸刃34と鋸刃受33が互いに対向するように、その回転位相が一致している。そのため、折胴23と鋸胴24が同期回転し、鋸刃34と鋸刃受33が対向して一致するときに、この鋸刃34によりウェブWを横裁断することができる。
更に、折胴23は、その周面に180度対向して折ブレード36が折軸37に支持されて設けられており、折ブレード36は、針装置29とほぼ90度位相がずれて位置している。この折ブレード36は、後述するが、櫛状をなすように、幅方向に多数のブレード本体が一体に形成されて構成され、各ブレード本体の先端部がガイドプレート38から外方に突出可能となっている。そして、折ブレード36は、折軸37により折胴23と同期して逆方向に回転可能であり、所定の位置で、折ブレード36の先端部が折胴23(ガイドプレート38)の周面から外方に突出することで、鋸刃34により裁断されたウェブWを折胴23の周面から引き剥がすことができる。
折胴23の下方には、一対の折込ローラ39a,39bが折胴23と同期回転可能に設けられており、折胴23の下方で各折込ローラ39a,39bの両側には、一対の紙ガイド40が設けられている。この一対の折込ローラ39a,39bは、折ブレード36により折胴23の周面から突出したウェブWを挟持することで、折帳Sを形成することができ、このとき、一対の紙ガイド40は、折帳S(ウェブW)の後端部が暴れないようにガイドする。
折込ローラ39a,39bの下方には、羽根車41が設けられると共に、この羽根車は41の下方には、排紙コンベア42が設けられている。羽根車は41は、周方向に複数の羽根43を有しており、折込ローラ39a,39bに同期して回転することで、一対の折込ローラ39a,39bにより形成された折帳Sを各羽根43により順次受取って排紙コンベア42上に受け渡すことができる。
従って、このよう構成された本実施例の新聞用オフセット輪転印刷機10では、図6乃至図8に示すように、まず、各給紙装置11から印刷ユニット12を構成する多色刷印刷ユニットと16や2色刷印刷ユニットと17にウェブWが供給されると、各印刷ユニットと16,17では、各ウェブWに対して4色刷や2色刷が行われる。次に、各印刷ユニット16,17で印刷が施された多数のウェブWは、ターンバー装置13にて、走行ルートが変更されると共に、所定の順番に重ね合わせられる。そして、折機14では、ドラグローラ21でガイドされたウェブWが三角板22により縦折りが施された後、リードインローラ25、ニッピングローラ26、ガイドローラ27、ニッピングローラ28により折胴23に送られる。
縦折りされたウェブWが折胴23に至ると、所定の位置で、針装置29が作動して針32を外方に突出することで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態で、折胴23が回転し続けると、ウェブWは折胴23の周面に保持されたまま移動する。そして、所定の位置で、鋸刃34と鋸刃受33が対向して一致すると、この鋸刃34によりウェブWが横裁断される。続いて、針装置29が作動して針32を戻すことで、ウェブWの先端部の保持を解除すると共に、折ブレード36が回動して先端部が折胴23の周面から外方に突出することで、ウェブWを折胴23の周面から引き剥がす。
すると、折胴23の周面から突出したウェブWは、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持されることで折帳Sが形成される。そして、この折込ローラ39a,39bにより形成された折帳Sは、羽根車41の各羽根43により順次受取られ、排紙コンベア42上に受け渡す。
ところで、このような折機14にあっては、折胴23から折込ローラ39a,39bにウェブWを受け渡すときに、このウェブWの中間部は一対の折込ローラ39a,39bにより挟持されるものの、針装置29の保持が解除されたウェブWの先端部と、鋸胴24により裁断されたウェブWの後端部は、自由端となるためにばたつきが発生する。そのため、ウェブWの各端部が折れた状態で一対の折込ローラ39a,39b間を通過することがあり、この場合、折帳Sに端折れや皺が発生してしまう。
そこで、本実施例では、図1に示すように、一方の折込ローラ39aの外周面に周方向に沿った溝部51を形成すると共に、折帳Sの移送方向の下流側からこの溝部51に向けてエアを噴出するエアノズル52を設けることで、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持された折帳Sの端部の姿勢をエアノズル52からのエアにより適正に矯正することで、折帳Sにおける端折れや皺の発生を抑制している。
また、折込ローラ39aの外周面に溝部51を形成し、この溝部51にエアノズル52を設けると、一対の折込ローラ39a,39bが折帳Sを挟持したとき、折帳Sが撓んでその一部が溝部51内に落ち込み、折帳Sの表面が折込ローラ39aの溝部51における角に接触してここに傷や皺が発生してしまう。
そこで、本実施例では、図1に示すように、一対の折込ローラ39a,39b同士が対向する第1対向部Aに一方の折込ローラ39aの溝部51を被覆する第1カバー53を設けると共に、この折込ローラ39aと折胴23とが対向する第2対向部Bに溝部51を被覆する第2カバー54を設けている。
ここで、折込ローラ39aに設けられたエアノズル52及び第1、第2カバー53,54について詳細に説明する。
図1及び図2−1、図2−2、図4に示すように、一方の折込ローラ39aの外周面には、周方向に沿って連続した溝部51が形成され、この溝部51は、折込ローラ39aの軸方向に等間隔で複数(本実施例では、3個)形成されている。基端部が折機14のフレームに固定された3つの取付ブラケット61は、折込ローラ39aに形成された各溝部51の下方まで延設され、その先端部にエアノズル52が固定されている。このエアノズル52は、上方を向くと共に他方の折込ローラ39b側に所定角度傾斜して支持されており、先端部が溝部51内に進入している。
また、取付ブラケット61の先端部には、一対の折込ローラ39a,39b同士が対向する第1対向部Aに位置するように、折込ローラ39aの溝部51を被覆する第1カバー53が設けられている。この第1カバー53は、カバー支持部53aが取付ブラケット61の先端部に締結ボルト62により固定される一方、カバー本体53bは、折込ローラ39aの外周面の形状とほぼ同様な湾曲形状をなしている。そして、このカバー本体53bは、溝部51内にその長手方向に沿って設けられ、表面が折込ローラ39aの外周面とほぼ均一な形状をなすと共に、両側部が溝部51の内壁面と微小隙間s1をもって近接配置されている。この場合、微小隙間s1は、折込ローラ39aの回転時に、第1カバーと接触せずに適正な回転が確保できる程度の隙間である。そのため、第1対向部Aにて、第1カバー53と溝部51との間、つまり、第1カバー53の内面53cと溝部51の底面51aとの間に第1エア通路63が形成されることとなり、エアノズル52は、折帳のS移送方向の下流側から第1エア通路63内にエアを噴射することとなり、この噴射されたエアは、第1エア通路63内を通過して上方に流れる空気流となる。
また、図1及び図3−1、図3−2、図4に示すように、取付ブラケット61の先端部には、折込ローラ39aと折胴23とが対向する第2対向部Bに位置するように、折込ローラ39aの溝部51を被覆する第2カバー54が設けられている。この第2カバー54は、カバー支持部54aが取付ブラケット61の先端部に締結ボルト64により固定される一方、カバー本体54bは、折込ローラ39aの外周面の形状とほぼ同様な湾曲形状をなしている。そして、このカバー本体54bは、溝部51内にその長手方向に沿って設けられ、表面が折込ローラ39aの外周面とほぼ均一をなすと共に、両側部が溝部51の内壁面と所定隙間s2をもって離間配置されている。この場合、所定隙間s2は、第1エア通路63内を通過して上方に流れる空気流が第2カバー54の両側を通って折胴23側に抜けることができる程度の隙間である。そのため、第2対向部Bにて、第2カバー54と溝部51との間、つまり、第2カバー54の内面54cと溝部51の底面51aとの間及び第2カバー54の両側面54dと溝部51の内壁面51bとの間に第2エア通路65が形成されることとなり、第1エア通路63からのエアは、第2エア通路65内を通過して折胴23側に流れる空気流となる。
そして、第1カバー53の先端部は、第1対向部Aから折込ローラ39aの外周面に沿って上方に延出される一方、第2カバー54の先端部は、第2対向部前Bから折込ローラ39aの外周面に沿って下方に延出されており、第1カバー53の先端部と第2カバー54の先端部は、一対の折込ローラ39a,39bに対するウェブWの挿入部にて、互いに近接して配置されることとなる。
ここで、上述した本実施例の新聞用オフセット輪転印刷機10の折機14における折込ローラ39a,39bの作用について説明する。
図8に示すように、縦折りされたウェブWが折胴23に至ると、所定の位置で針装置29の針32がウェブWの先端部に突き刺さって折胴23がウェブを保持し、この状態で折胴23が回転して所定の位置に至ると、鋸刃34がウェブWを横裁断する。このとき、ウェブWの先端部を保持していた針装置29の針32が戻ることで、ウェブWの保持を解除した後、折胴23の回転方向と逆方向に回転する折ブレード36の先端部が折胴23の周面から外方に突出し、ウェブWの内面に接触してこれを折胴23の外方に突き出す。
そして、折胴23及び折ブレード36が更に回転すると、折ブレード36の先端部がウェブWを更に外方に突出し、折胴23の周面から突出したウェブWが一対の折込ローラ39a,39bにより挟持される。一対の折込ローラ39a,39bが更に回転すると、ウェブWが横折されることで折帳Sが形成される。
このとき、図5に示すように、一対の折込ローラ39a,39bにより横折されて中央部が挟持された折帳Sは、先端部が針装置29から解除される一方、後端部が鋸胴24により裁断されて自由端となる。ところが、エアノズル52から第1カバー53と溝部51との間に区画された第1エア通路63がエアが噴出され、このエアによる空気流が第1エア通路63を通過して、第2カバー54と溝部51との間に形成された第2エア通路65から折胴23側に流れ出る。そのため、折帳Sの自由端は、この折帳Sの移送方向と逆方向に流れる空気流によりその姿勢が適正に矯正され、端折れが抑制される。
また、折胴23から一対の折込ローラ39a,39bに受け渡されるウェブW(折帳S)は、複数の溝部51が形成された折込ローラ39aの外周面にガイドされて移送されることとなる。ところが、この折込ローラ39a,39bの第1対向部Aにて、折込ローラ39aの溝部51が第1カバー53により被覆されているため、ウェブWは、第1カバー53の表面に案内されながら一対の折込ローラ39a,39bに挟持されて折帳Sが形成されることとなる。また、折胴23と折込ローラ39aの第2対向部Bにて、折込ローラ39aの溝部51が第2カバー54により被覆されているため、折帳Sの自由端は、折胴23の外周面と第2カバー54の表面に案内されながら一対の折込ローラ39a,39bに挟持されることとなる。そのため、ウェブW(折帳S)の表面と溝部51の角との接触が防止され、折帳Sを適正に移送して表面の損傷が抑制される。
この場合、一対の折込ローラ39a,39bにより折帳Sに対して所定のニップ圧が作用する第1対向部Aでは、第1カバー53表面が折込ローラ39aの外周面とほぼ均一をなすと共に、両側部が微小隙間s1をもって溝部の内壁面と近接するため、折込ローラ39aの外周面における段差や隙間を極力減少し、折帳Sの表面の損傷が確実に抑制される。
なお、この折込ローラ39a,39bにより適正に形成された折帳Sは、図8に示すように、羽根車41の各羽根43により順次受取られ、排紙コンベア42上に受け渡されて排紙される。
このように実施例1のウェブ折り畳み装置及び輪転印刷機にあっては、回転可能な折胴23に対して、ウェブWを裁断する鋸胴24を設けると共に、ウェブWを挟持して折帳Sを形成する一対の折込ローラ39a,39bを設け、この一対の折込ローラ39a,39bの内の一方の折込ローラ39aにて、外周面に周方向に沿って形成された溝部51を、軸方向に所定の間隔で複数設けると共に、一対の折込ローラ39a,39b同士が対向する第1対向部Aに折込ローラ39aの溝部51を被覆する第1カバー53を設けている。
従って、一対の折込ローラ39a,39bの第1対向部Aにて、一方の折込ローラ39aの溝部51が第1カバー53により被覆されているため、ウェブWが折胴23から折込ローラ39a,39bに受け渡されるとき、このウェブWは、第1カバー53の表面に案内されながら折込ローラ39a,39bに挟持されて折帳Sが形成されることとなり、折帳Sを適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳Sと溝部51との直接接触を防止して折帳Sの表面の損傷を抑制することができる。
また、本実施例のウェブ折り畳み装置では、第1カバー53を溝部51内にその長手方向に沿って設け、表面を折込ローラ39aの外周面とほぼ均一とすると共に、両側部を溝部51の内壁面と微小隙間s1をもって近接配置し、折帳Sの移送方向の下流側から溝部51と第1カバー53との間に形成された第1エア通路63にエアを噴出するエアノズル52を設けている。
従って、第1カバー53は表面が折込ローラ39aの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が微小隙間s1をもって溝部51の内壁面と近接するため、折込ローラ39aの外周面における段差や隙間が減少し、折帳Sの表面の損傷を抑制することができると共に、エアノズル52から第1エア通路63にエアを噴出することで、折込ローラ39aの外周面に折帳Sの移送方向と逆方向の空気流が形成されるため、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持された折帳Sの後端部は、この空気流によりその姿勢が矯正されることとなり、折帳を適正に移送して端折れを抑制することができる。
また、実施例1のウェブ折り畳み装置にあっては、折胴23と折込ローラ39aとが対向する第2対向部Bに折込ローラ39aの溝部51を被覆する第2カバー54を設けている。従って、この折胴23と折込ローラ39aとの第2対向部Bにて、折込ローラ39aの溝部51が第2カバー54により被覆されているため、ウェブWが折胴23から一対の折込ローラ39a,39bに受け渡されるとき、このウェブWは、第2カバー54の表面に案内されながら一対の折込ローラ39a,39bに挟持されて折帳Sが形成されることとなり、折帳Sを適正に移送して端折れを抑制することができると共に、折帳Sと溝部51との直接接触を防止して折帳Sの表面の損傷を抑制することができる。
また、実施例1のウェブ折り畳み装置では、第2カバー54を溝部51内にその長手方向に沿って設け、表面を折込ローラ39aの外周面とほぼ均一とすると共に、両側部を溝部51の内壁面と所定隙間s2をもって離間配置している。従って、第2カバー54は表面が折込ローラ39aの外周面とほぼ均一をなすと共に両側部が所定隙間s2をもって溝部51の内壁面と離間するため、折込ローラ39aの外周面における段差や隙間が減少し、折帳Sの表面の損傷を抑制することができる。また、エアノズル52から第1エア通路63に噴出されたエアは、この第1エア通路63から第2カバー54と溝部51との間に形成された第2エア通路65を通って折胴23側に流れる空気流が形成されるため、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持された折帳Sの後端部は、この空気流によりその姿勢が矯正されることとなり、折帳Sを適正に移送して端折れを抑制することができる。
また、実施例1のウェブ折り畳み装置では、第1カバー53の端部と第2カバー54の端部を折込ローラ39aに対するウェブWの挿入部に離間配置している。従って、第1カバー53と第2カバー54とがほぼ連続することで、折込ローラ39aの外周面における段差や隙間が減少し、折帳Sを適正に移送して表面の損傷を抑制することができる。また、エアノズル52から噴出されたエアは、第1エア通路63及び第2エア通路65を通って折胴23側に流れる最適な空気流となるため、この空気流により折帳Sの後端部を適正な姿勢に保持して端折れを抑制することができる。