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JP4871581B2 - バストサイド等を押える機能を持った基礎衣料 - Google Patents

バストサイド等を押える機能を持った基礎衣料 Download PDF

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JP4871581B2
JP4871581B2 JP2005355993A JP2005355993A JP4871581B2 JP 4871581 B2 JP4871581 B2 JP 4871581B2 JP 2005355993 A JP2005355993 A JP 2005355993A JP 2005355993 A JP2005355993 A JP 2005355993A JP 4871581 B2 JP4871581 B2 JP 4871581B2
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Description

この発明は、ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツ、ブラキャミやガードルあるいはサポーター等の基礎衣料に関し、特にデザインされたパターンとテープ体の組み合わせにより創設される新たな機能を備えたファンデーション等のボディライクな女性用衣料を主とした基礎衣料に関するものである。
特許第2987091号公報
従来、この種のブラジャー等のファンデーションにおいては、現代女性の美的シルエットを高める機能として、例えば、バストを引き寄せるファンデーション機能を有することが重要となっている。
かかるブラジャー等のファンデーションにおいて、バストを引き寄せるファンデーション機能を発揮させるために、バストの側面を中央に引き寄せる三次元的な力線を直接創出することは、現実的に困難である。そこで、上記ブラジャー等のファンデーションでは、バストの側面を中央に引き寄せる三次元的な力線を創出する代わりに、バストの側面に位置するパーツを厚くしたり、バストの側面に位置するパーツの剛性を高めたりする等のデザイン的な意図が図られているのが現状である。
このような意図の下、本出願人は、特許第2987091号公報に開示されているように、バストカップを構成する芯体または本体のバストカップ斜め上半分を表面側に凸とした形状で成形するとともに、同芯体または本体のバストカップの残りの斜め下半分を表面側が凹となる形状で成形し、前記上半分と下半分の芯体または本体を接合し、さらに前記凸部を形成する部分には伸びる素材を使用し、前記凹部を形成する部分には伸びない素材を使用して構成したことを特徴とするブラジャー等のバストカップ構造を、既に提案している。
また、上記ブラジャー等のファンデーションでは、バスト基底部の外周を固定するボーンを基礎として、バストを包含するカップ部の必要部分を固定化させることにより、ボーンの剛性を利用して人体のバスト容積を中央に移動させ、バストを引き寄せるファンデーション機能を発揮させるように構成したものも、既に種々提案されている。
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来のブラジャー等のファンデーションの場合には、バストの側面を構成するパーツや、バスト基底部の外周を固定するボーン、あるいはバストカップ部等の部分を構成するパーツを設計することによって、バストを引き寄せるファンデーション機能を間接的に発揮させるように構成したものである。
ところが、上記従来のブラジャー等のファンデーションの場合には、これらの商品を構成する素材が、原則として繊維によって編まれた布地や繊維によって織られた布地で構成されている。そのため、上記ファンデーションを構成する布地には、バストの側面に位置するパーツを厚くしたり、バストの側面に位置するパーツの剛性を高めたりする目的で、不織布やウレタンフォーム等のシート体からなる芯材を当てがって補強せざるを得ず、商品がハード化してしまい、着用感を損ねたり、アウターのシルエットを損ねてしまうという問題点を有していた。
更に説明すると、上記従来のブラジャー等のファンデーションにおいては、バストのシルエットを高めるための製品として、ブラジャーカップ部においてバスト側面の剛性を高める機能をデザインするものとし、上述した特許第2987091号公報に開示されているように、「乳房側面裏側に伸縮性の少ない当布(厚味のあるもの)を配設することによってバストカップ内面を凸状化させ、バスト容積の減少を図ることにより、バストの移動を試みる」方法が取られているが、その大半はバストカップ部が支柱を持たない円錐体である以上、容積の移動を試みるための当該容量は、バストカップ体の歪みとなって円錐体の横への膨張となってしまい、着用感を損ねたり、アウターのシルエットを損ねてしまうことになるのである。
また、上記従来のブラジャー等のファンデーションの場合には、バスト基底部の外周を固定するボーンを基礎として、バストを包含するカップ部の必要部分を固定化させると、ボーンの採用が必須となり、近年のファンデーションのソフト化に反し、着用感を損ねるという問題点を有していた。
なお、上述した問題点は、バストを引き寄せるファンデーション機能が要求されるブラジャー以外に、ガードルやサポーター等を広く含めた基礎衣料においても、ヒップを引上げる機能や、腹部を押える機能などが要求されているが、同様に着用感を損ねたり、アウターのシルエットを損ねてしまうという問題点として有している。
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、近年のファンデーションのソフト化に対応することができ、バストを引き寄せるファンデーション機能や、ヒップを引き上げる機能、あるいは腹部を押える機能などの所定の機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感に優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないブラジャー等のファンデーションを主とした基礎衣料を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、人体の膨出部に着用され、当該人体の膨出部に作用する機能が付加された基礎衣料において、
前記基礎衣料の人体膨出部に対応した位置に装着される布状部材には、少なくとも1本のテープ体をその両端部のみが固定された状態で配置し、当該テープ体の長手方向に沿った一方の端部を前記布状部材の一端縁に固定するとともに、前記テープ体を人体の中央部に配置された環状の挿通部材に挿通して折り返し、前記テープ体の長手方向に沿った他方の端部を前記布状部材の他端縁に固定して、前記布状部材の一端縁と他端縁間の距離を縮小することにより、当該テープ体によって前記布状部材を介して前記人体膨出部に作用する補正力を発揮させるように構成したことを特徴とする基礎衣料である。
ここで、上記テープ体としては、複数本のテープ体を用い、これら複数本のテープ体のうち、少なくとも2本のテープ体の伸張率又は長さを異ならせるように構成しても良い。
更に、請求項2に記載された発明は、前記基礎衣料は、左右のバスト部を個別に且つ二重に覆う左右の表側身頃体と左右の内側身頃体とを備え、
前記左右の内側身頃体の人体中央部側には、テープ体の一端部をそれぞれ連結するとともに、当該テープ体を人体中央部に配置された環状の挿通部材に挿通して、人体両側部に向けて折り返し、前記テープ体の他端部を人体の背面中央部の位置で折り返した状態で連結するか、又は前記左右の表側身頃体にそれぞれ固定したことを特徴とする請求項1に記載の基礎衣料である。
ここで、上記テープ体の他端部を人体の背面中央部の位置で折り返した状態で連結する際に、O状又はU状のリング等を以って連結するように構成しても良い。
また、請求項3に記載された発明は、前記左右の表側身頃体をテープ体によって人体の側面に向けて移動させることによって、前記左右の内側身頃体を互いに体の中央部に引き寄せるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の基礎衣料である。
この発明は、基本的に、それほど剛性を必要としないストレッチ乃至エラスチック素材を、原則として芯材を当てずに、基礎衣料の人体膨出部に対応した位置に装着される布状部材を構成し、当該布状部材によってハード化を防止しつつ、バストを引き寄せるファンデーション機能や、ヒップを引き上げる機能、あるいは腹部を押える機能などの所定の機能を発揮させ、無理のないコントロール量をデザインするものである。上記エラスチック素材等には、コントロール限界点の少なくとも30%の余力を持たせ、当該レベルからコントロール力を発揮するテープ体をデザイン配設してなるファンデーション等のボディライクな基礎衣料である。
この発明の基礎衣料としての製品並びに着用部位は、バストの側面を押さえる又はバスト側面を中央に引き寄せる、ヒップを引き上げる、腹部を押さえる等であるが、これに限らず、患部をサポートするサポーター等としても適用できるものである。
この発明によれば、近年のファンデーションのソフト化に対応することができ、バストを引き寄せるファンデーション機能や、ヒップを引き上げる機能、あるいは腹部を押える機能などの所定の機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感に優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないブラジャー等のファンデーションを主とした基礎衣料を提供することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
参考実施の形態1
図1はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
図1において、1はブラジャーを示すものであり、このブラジャー1は、女性の人体の左右のバストを覆う布状部材としてのバストカップクロス2、3と、これら左右のバストカップクロス2、3の体側寄りに位置する布状部材としてのバストカップサイドクロス4、5と、当該バストカップサイドクロス4、5の背面側に配設され、左右のバストカップサイドクロス4、5を互いに連結する布状部材としてのバッククロス6、7とから構成されている。また、上記左右のバストカップクロス2、3の上端部には、ストラップ8、9がそれぞれ縫着されている。なお、上記左右のバッククロス6、7の先端部は、図示しないフックやアイ等によって互いに連結されるように構成されている。なお、上記バストカップクロス4等の人体右側の部分は、図面に現れていないため、人体左側の部分に符号を括弧で付して図示を省略している。
上記ブラジャー1を構成する布状部材としては、種々の素材を使用することができるが、原則として、伸縮率の高いエラスチック(弾性)素材によって左右のバストカップサイドクロス4、5が形成されている。また、上記左右のバストカップサイドクロス4、5には、原則として、芯材を当てないように構成されている。上記バストカップサイドクロス4、5としては、例えば、肌あたりを高めるサテン調ハイゲージの編地、人体に抵抗感を和らげるハイゲージトリコット編地、逆に通気性を高める細デニール糸使いのメッシュ地、吸汗性を高める裏綿構成のリバーシブル地等で、必ずしも編地でなくとも良いが、原則として、ポリウレタン糸等を編み込んだストレッチ素材が用いられる。
上記バストカップクロス2、3の人体の中央部は、バストの谷間に位置するトップバストラインセンタ部10となっているとともに、当該バストカップクロス2、3の最も高い部分は、トップバストラインバストトップ部11、12となっている。また、上記バストカップサイドクロス4、5の部分には、破線で示すように、トップバストラインバストサイド部13、14が位置しており、対応する左右のバストカップサイドクロス4、5には、トップバストラインを構成するアームピット部15、16が位置している。
また、上記ブラジャー1には、バストのシルエット性を高めるため、バストサイドを押えて人体中央部に寄せる機能が設定されている。上記バストカップクロス2、3の前中央上部2a、3aは、上述するように、バストカップクロス2、3によって押圧されたバスト容量が逃げるように、バストの中央上部が露出する形状に形成されており、常にバストカップサイドクロス4、5をその表面側が凹状となるように保持するような力線を発生させるように構成されている。
つまり、バストカップは、バスト両サイドを構成するパーツであるバストカップクロス2、3によって、バストをバストカップ上縁中心部に移動させることから、斜め下縁はバストを押圧するよう固定化することは好ましいが、これに対比する斜め上縁は、移動させるバストを押圧させない素材及びパターン構成が望ましい。よって、上記バストカップクロス2、3の前中央上部2a、3aは、特にバスト容量が逃げられるように、フレキシブルにするか、又は3/4カップとしてバストを押えないように構成するのが望ましい。
更に説明すると、上記ブラジャー1は、図2に示すように、バストカップサイドクロス4、5の対向する両端縁41、42、51、52が、内側に向けて湾曲した凹形状になるように破線部分17、18が裁断されており、当該バストカップクロス4、5の両端縁41、42、51、52を直線状に裁断されたバストカップクロス2、3の端縁21,31及びバッククロス6、7の端縁61、71と縫着することによって、バストカップクロス2、3の断面形状が、図3に示すように、人体側に向けて表面側が凹状となるように形成されている。なお、上記バストカップクロス2、3の端縁21,31及びバッククロス6、7の端縁61、71は、必ずしも直線状に裁断されている必要はなく、凹形状となるように裁断されていても良い。
上記バストカップクロス2、3の三ヶ月形状に裁断された部分17、18の形状は、ブラジャー1を構成する布状部材の素材や、補正力の設定によって適宜設定される。
また、上記バストカップサイドクロス4、5の表面には、図4に示すように、一端縁41、51から他端縁42、52に向けて複数本のテープ体81、82が互いに交差するように配設されている。これらの複数本のテープ体81、82は、一方のテープ体81又は82が下側に、他方のテープ体82又は81が上側に位置するように配設しても、あるいは両者が交互に交差するように配設しても良い。上記バストカップクロス2、3の一端縁21、31には、その下端部から中央部に掛けて、複数本のテープ体82の端部81aが一定の間隔を隔てて縫着されており、当該複数本のテープ体81は、バストカップサイドクロス4、5の表面に沿って互いに平行に配設されているとともに、その他端部81bは、バッククロス6、7の他端縁61、71の中央部の下方から上端部に掛けて縫着されている。
さらに、上記バストカップクロス2、3の一端縁21、31には、その中央部から上端部に掛けて、複数本のテープ体82の端部82aが一定の間隔を隔てて縫着されており、当該複数本のテープ体82は、バストカップクロス4、5の表面に沿って互いに平行に配設されているとともに、その他端部82bは、バッククロス6、7の他端縁61、71の中央部から下端部に掛けて縫着されている。
上記テープ体81、82は、原則として、バストカップサイドクロス4、5を構成する素材よりも伸張力が幾分強い素材か、又はバストカップクロス2、3を構成する素材よりも伸張力が強い素材が用いられる。このテープ体81、82としては、例えば、編又は織り組織のテープ体(ダブルラッセル、袋織等を含む)、編又は織り組織の広幅地のカットテープ体、当該広幅地による二次加工テープ体(接着によるバインダー又はカットテープ)、リボン体、組み紐、靴紐等の伸張力が製品身頃より高いことが前提となるが、目的によってはストレッチ性が無い素材を用いても良い。また、形状は、より扁平でフラットなシルエットに影響を与えない厚みであることが基本となるが、マカロニ形状であっても良い。また、上記テープ体81、82としては、上述したように、ストレッチ性が無い素材を用いてもよく、又、当該テープ体81、82がブラジャー1の装飾を兼ねるように構成しても良い。
また、上記バストカップサイドクロス4、5を構成する素材としては、原則として、伸張率が高い素材や、伸張率が低い素材が用いられるが、伸張しない素材を用いても良い。ただし、上記バストカップサイドクロス4、5を構成する素材としては、伸張しない素材を用いた場合には、テープ体81、82として伸張率及び伸張力が共に高い素材を用いることが望ましい。
なお、上記テープ体81、82としては、帯状のテープ体以外に、ループ状に形成されたテープ体を用いても良い。
以上の構成において、この参考実施の形態に係るブラジャーでは、次のようにして、近年のファンデーションのソフト化に対応することができ、バストを引き寄せるファンデーション機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感に優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないようになっている。
すなわち、上記ブラジャー1は、図1及び図3に示すように、バストカップクロス2、3の体側部及びバストカップサイドクロス4、5の断面形状が、凹形状となるように形成されているとともに、複数本のテープ体81、82によって、当該バストカップサイドクロス4、5を介して女性のバストBの体側部を女性の体の中央部に押圧する力が作用するので、図5及び図6に示すように、女性のバストBを中央部に引き寄せる機能を発揮させることができる。
また、上記ブラジャー1では、バストカップサイドクロス4、5の表面に複数本のテープ体81、82を配設するだけで、商品がハード化するのを防止し、着用感が優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないようになっている。
このように、上記実施の形態1では、原則として伸縮率の高いエラスチック素材によってバストカップサイドクロス4、5を構成し、かつ複数本のテープ体81、82によってバストB側面のバストカップサイドクロス4、5の端縁間の距離を縮小化し、さらに当該容量の逃げをバストカップ前中央部2a、3aにデザインすることにより、常にバスト側部を図6に示すように凹状に保とうとする、バスト側部を押圧する力線を発生させることができる。但し、これを100%要求すると逆にバストシルエットを損なう虞れがあることから、上記の構成に加え、当該マイナス面をカバーするように、上記デザインは個人差のあるバストBにフレキシブル対応し、且つバストBの移動を促す範囲に限定するのが望ましい。その上で、本発明の主たるテープ体81、82の連動によりシルエットを安定化させることを意図とするものである。
上記テープ体81、82の作用としては、図7(a)は、当該テープ体81、82が作用していないときの本発明による静止断面図であり、図7(b)はバストカップクロス2、3及びバストカップサイドクロス4、5に女性のバストBが少なくとも7 0%挿入された結果パターンC部がC’に拡張した時点を示すものであり、図7(C)はバストBが完全に挿入されてC’がC”に拡張し、テープ体81、82が作用してバストBの圧力によるバストカップの横への膨張を押えた状態を示す作用図である。この実施の形態では、テープ体81、82が主にバストBの圧力によって、当該バストBがバストカップの横へ膨張するのを押える機能を果たしている。このように、上記ブラジャー1では、近年のファンデーションのソフト化に対応することができ、バストを引き寄せるファンデーション機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感に優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないようになっている。
参考実施の形態2
図8乃至図11はこの発明の参考実施の形態2を示すものであり、前記参考実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この参考実施の形態2では、基礎衣料として、ブラジャーではなく、腹部やヒップ部を押さえるガードルに適用するように構成したものである。上記ガードルにおけるテープ体は、構成する領域が広いことから、テープ体一本一本の位置によって伸張力(伸張率)を変えたテープ体をデザインすることが好ましい。
すなわち、この参考実施の形態2では、図8に示すように、ガードル90の腹部91に配置される布状部材92、93を、体の中心線に沿って左右2つに分割し、当該ボデイ前面に位置する左右の布状部材92、93の端縁を、それぞれ内側に向けて凹形状に裁断し、これらボデイ前面の左右の布状部材92、93同士、及び当該左右の布状部材92、93とボデイ後面の布状部材94、95とを縫着することにより、左右の布状部材92、93が体の腹部91に向けて凹形状となるように構成されている。
また、上記ボデイ前面に位置する左右の布状部材92、93の前面には、図8に示すように、例えば、左側の布状部材92の前面に、ホデイ中央の下腹部からボデイ右側面の脇上部に向けて、斜めに傾斜した3本のテープ体96が、一定の間隔をおいてその両端部のみが縫着されている。
そして、上記ガードル90は、図8に示すように、着用した状態で、腹部91を押える機能などの所定の機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感が優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないようになっている。
また、図10及び図11に示す参考実施の形態では、ガードル90のヒップ部97に配置される後面の布状部材94、95を、体の中心線に沿って左右2つに分割し、当該ボデイ背面に位置する左右の布状部材94、95の端縁を、それぞれ内側に向けて凹形状に裁断し、これらボデイ背面の左右の布状部材94、95同士、及び当該左右の布状部材94、95とボデイ前面の布状部材92、93とを縫着することにより、左右の布状部材94、95が体のヒップ部97の下部97aに向けて表面が凹形状に突出するように構成されている。
また、上記ボデイ背面に位置する左右の布状部材94、95の表面には、図10及び図11に示すように、例えば、向かって左側の布状部材94の前面に、ヒップ部97の頂部97bからヒップ下部97aに向けて、2本のテープ体98、99が、U字形状の挿通部材100で折り返して横向きのV字形状となるように、且つ中央部で交差するようにその両端部のみが縫着されている。
そして、上記ガードル90は、図10に示すように、着用した状態で、ヒップ部97を引き上げる機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感が優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないようになっている。
実施の形態1
図15はこの発明の実施の形態1を示すものであり、前記参考実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態1では、人体の膨出部に着用され、当該人体の膨出部に作用する機能が付加された基礎衣料において、前記基礎衣料の人体膨出部に対応した位置に装着される布状部材には、少なくとも1本のテープ体を配置して、当該テープ体によって前記人体膨出部に作用する補正力を発揮させるように構成されているとともに、左右のカップ部を中央部に引き寄せる作用力が作用するように構成されている。
すなわち、この実施の形態1に係るブラジャー1では、左右のバストを引き寄せる機能は重要であるが、通常、ブラジャー1の構成は、後部身頃にストレッチ性を有する部材を用いることによって、ブラジャー全体のフレキシブル性を持たせているとともに、着脱のフック及びアイが後部に設けられていることから、逆に常に背部に向けた力が働くこととなり、左右のバストを引き寄せる効果とは逆の結果を生むことになる。
そこで、この実施の形態1の参考例に係るブラジャー1では、図12に示すように、左右のバストカップクロス2、3から反対側のバストカップクロスに向けて、2本のテープ体101、102がそれぞれ延設されている。左側のバストカップクロス2には、その人体中央側端の上部と中間部に、第1及び第2のテープ体101、102の一端部101a、102aがそれぞれ縫着されており、上部に縫着された第1のテープ体101の他端側101bは、バストカップサイドクロス4、5の下端縁より僅か上部に沿って配設されているとともに、他方のテープ体102の端部102bは、バストカップクロス2の下端縁に沿って背面側に配設され、縫着されている。
また、上記ブラジャー1では、バストカップサイドクロス4、5が伸張しないように構成されており、当該バストカップサイドクロス4、5を第1及び第2のテープ体101、102によってセンター部に向けて引き寄せるように構成されている。なお、図12中、103は薄いセンタークロスを、104は第1及び第2のテープ体101、102の位置ずれを防止する部材をそれぞれ示している。なお、図12に示すブラジャー1は、ストラップレスタイプに構成しても良い。
さらに、図13に示すように、左右のバストカップクロス2、3を、センター部から体側部に向けて、薄手なソフト部200a、中手なセミソフト部200b、厚手なハード部200cに分けて構成し、第1及び第2のテープ体101、102を、ハード部200cに対応したバストカップサイドクロス4、5の下端縁4a、5aに縫着するように構成しても良い。
その際、上記バストカップサイドクロス4、5は、図14に示すように、その上端縁4b、5bのみをバストカップクロス2、3及びバッククロス6、7に対して縫い止めし、その下端縁4c、5cが半分フリーな状態となるように構成して、当該バストカップサイドクロス4、5によってバストサイドをより一層センター側に引き寄せ可能に構成しても良い。
また、上記実施の形態1に係るブラジャー1としては、図15に示すように、左右のバストカップクロス2、3の中央部に挿通部材としての環状部材104を配置し、当該環状部材104には、バストカップクロス2、3の中央部に縫着された2本のテープ体101、102を反対側へと挿通するとともに、左右のテープ体101、102の端部をバッククロス6、7に上下に縫着された挿通部材としての2つのU字形状部材105に挿通するように挿通し、当該左右のテープ体101、102の端部101b、102bを折り返して、左右のバストカップクロス2、3の上端部に縫着するように構成されている。
その結果、上記ブラジャー1では、左右のバストカップクロス2、3を中央部に引き寄せつつ、バストBのバストカップサイドクロス4、5に相当する部分を、折り返したテープ体101、102によってセンター側に引き寄せるように構成されている。
また、このような作用を図8乃至図11に示すようなガードル腹部、並びにヒップ部に応用することにより、より強制的なコントロール機能を創造することができる。
その基本構造はブラジャー1のバストカップサイドクロス4、5に準じ、腹部パネル並びにヒップ部等のエラスチック部のストレッチ性を、その他の身頃に順ずるレベル(ミドルレベル)とし、これに対するテープ体をよりハードとすると共に逆に短くデザインする事によりより強いパワーを構成することが望ましい。
その他の構成及び作用は、前記参考実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態2
図16はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記参考実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、基礎衣料が、左右のバスト部を個別に且つ二重に覆う左右の表側身頃体と左右の内側身頃体とを備え、前記左右の内側身頃体の人体中央部側には、テープ体の一端部をそれぞれ連結するとともに、当該テープ体を人体中央部に配置された折り返し部材を介して、人体両側部に向けて折り返し、前記テープ体の他端部を前記左右の表側身頃体にそれぞれ固定するように構成されている。
すなわち、この実施の形態2に係るブラジャー1は、図16に示すように、バストカップ体の移動量が大きくなるように構成されており、この実施の形態2では、人体前部の略1/2〜1/4の領域で最低1〜3cmの移動を可能とするようになっている。
この実施の形態2に係るブラジャー1は、図16に示すように、左右のブラジャー本体111、112を、そのサイド部で一体的に縫着された内側の身頃体111a、112aと外側の身頃体111b、112bとから二重に構成し、かつ外側の身頃体112b、112bは、内側の身頃体111a、112aよりもバストを覆う部分が小さく形成されている。上記左右のブラジャー本体111、112の中央部は、一体的に縫着されておらず、互いに別体としてフリーに構成されており、内側の身頃体111a、112aの体側中央部には、それぞれ2本のテープ体101、102の端部が上下に縫着されている。これら2本のテープ体101、102は、図17に示すように、左右のブラジャー本体111、112の間に配置された輪状部材103に折り返すように挿通されている。なお、図示例では、上方のテープ体101が下方のテープ体102と同じ幅か又は上方を細く形成しても良い。
そして、上記2本のテープ体101、102の他端部101b、102bは、図18に示すように、外側の身頃体の下端縁111b、112bに沿って互いに平行に配設されているとともに、当該外側の身頃体111b、112bの体側部乃至背面側において、フック等の連結具105によってそれぞれ折り返すように引っ掛けるように構成されている。
なお、上記ブラジャー1の背部は、左右のブラジャー本体111、112の移動量、並びにサイズ調整を容易とする構成とするのが望ましい。
また、上記左右のブラジャー本体111、112の連結具105に連接する輪状部テープ体は、図18に示すように、背部を構成するテープ体より伸長力及び伸長率ともに高く設定することが望ましい。これによって、内側のブラジャー本体111a、112aによるバストBの前中心部への移動に加えて、バストサイドのサポート力を常に並行的に作用させることができる。
このように、上記実施の形態2に係るブラジャー1では、図19乃至図21に示すように、内側の身頃体の体側中央部に一端が縫着されたテープ体101,102によって、当該内側の身頃体111a、112aの体側中央部をセンターに引き寄せる力を発生させることができ、バストbを引き寄せるファンデーション機能を発揮しつつ、商品がハード化するのを防止し、着用感が優れ且つアウターのシルエットを損ねることがないようになっている。
実施の形態3
図22はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、テープ体によって人体の周囲の1/4の領域を用いて中央部に引き寄せる力を作用させるように構成されている。
すなわち、上記実施の形態3では、人体中心部を接続点とする人体1/2の領域をべースとした回転運動であるが、この実施の形態5では、人体1/4の領域をべースとする回転運動を前提としたものである。
更に説明すると、前記実施の形態2は、図21(a)に示すように、人体左右の1/2の領域による回転運動によるものであるが、当該実施の形態3では、図21(b)に示すように、人体のアームピット部を回転運動の基点とし1/4の領域の回転運動によるものである。
この実施の形態3では、図22及び図23に示すように、内側のブラジャー本体111a、112aのアームピット部に、伸縮性を有するストレッチクロス110を縫着することにより、当該ストレッチクロス110の伸張量をもって回転(移動量)とするもの。実施の形態4のバック連結具又は方式を当該アームピット部にデザインすることにより、全く同一の運動をデザインすることも可能である。
その他の構成及び作用は、前記参考実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態4
図24はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、テープ体の引き寄せる力を複数段階に調節可能に構成されている。
すなわち、上記実施の形態4では、図24に示すように、テープ体が輪状部材で折り返した位置で、スナップフィット111、112によってセンターに引き寄せる力を複数段階(図示例では、3段階)に調節可能に構成されている。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
参考実施の形態3
図25乃至図27はこの発明の参考実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この参考実施の形態3では、テープ体が人体の胴部を一周するように配設されている。
すなわち、上記参考実施の形態3では、図25に示すように、左右のブラジャー本体111、112が一重であるが、当該左右のブラジャー本体111、112の中央部に、幅の広いテープ体121、122を一体的に構成し、当該テープ体121、122が人体の胸部を一周して反対側の左右の背面部123、124に連結されるように構成されている。
また、上記左右のブラジャー本体111、112の中央部に連結される各テープ体121、122の連結部は、図25に示すように、スナップフィット125によって位置を調節可能に固定しても良い。
この参考実施の形態では、図27に示すように、テープ体の移動量が、人体胸囲全域をもって対応することから最もコントロール量は大であると同時に、左右のブラジャー本体111、112を別個に構成する胸囲身頃体は、それぞれが胸囲に対して伸張力をもって固定されることから、移動を固定化するスナップ等のデザインは不要ではあるが、安心感を得るためにスナップフィット125等を設けることが好ましい。
その他の構成及び作用は、前記参考実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
なお、本発明は、主にファンデーションに適用されるが、これに限定されるものではなく、全体的にソフトなデザインとし、アンダーウエアーや、インナータイプのアウター並びに水着等に対しても適用可能である。
また、製品の保形性等が要求される部分に対しては、モールド成型方式によって成型したパーツを組合わせても勿論良い。
また、ランジェリー的なアイテムとしては、オーガンジーテープ体を用いてもよい。
さらに、テープ体のずれを防止するためには、テープ体の必要な個所に滑り止め加工を施しても良い。
また、本発明の参考実施の形態では、図28及び図29に示すようなランジェリータイプや、アンダーウエア等のソフト性をもったものにも適用可能である。その際、図30に示すように、リングを2つ組み合わせることで、長さを調節可能に構成しても良い。
図1はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図2はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。 図3はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す断面模式図である。 図4はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。 図5はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーの機能を示す説明図である。 図6はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーの機能を示す説明図である。 図7はこの発明の参考実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーの機能を示す説明図である。 図8はこの発明の参考実施の形態2に係る基礎衣料としてのガードルを示す構成図である。 図9はこの発明の参考実施の形態2に係る基礎衣料としてのガードルを示す構成図である。 図10はこの発明の参考実施の形態2に係る基礎衣料としてのガードルを示す構成図である。 図11はこの発明の参考実施の形態2に係る基礎衣料としてのガードルを示す構成図である。 図12はこの発明の実施の形態1の参考例に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図13はこの発明の実施の形態1の参考例に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図14はこの発明の実施の形態1の参考例に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図15はこの発明の実施の形態1に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図16はこの発明の実施の形態2に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図17はこの発明の実施の形態2に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。 図18はこの発明の実施の形態2に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。 図19はこの発明の実施の形態2に係る基礎衣料としてのブラジャーの作用を示す説明図である。 図20はこの発明の実施の形態2に係る基礎衣料としてのブラジャーの作用を示す説明図である。 図21はこの発明の実施の形態2に係る基礎衣料としてのブラジャーの作用を示す説明図である。 図22はこの発明の実施の形態3に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図23はこの発明の実施の形態3に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。 図24はこの発明の実施の形態4に係る基礎衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。 図25はこの発明の参考実施の形態3に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図26はこの発明の参考実施の形態3に係る基礎衣料としてのブラジャーを示す構成図である。 図27はこの発明の参考実施の形態3に係る基礎衣料としてのブラジャーの作用を示す説明図である。 図28はこの発明の参考実施の形態に係る基礎衣料としてのブラジャーの応用例を示す構成図である。 図29はこの発明の参考実施の形態に係る基礎衣料としてのブラジャーの他の応用例を示す構成図である。 図30は図29に示す参考実施の形態の応用例の要部を示す構成図である。
符号の説明
1:ブラジャー、2,3:バストカップクロス、4,5:バストカップサイドクロス、6,7:バッククロス、81,82:テープ体。

Claims (3)

  1. 人体の膨出部に着用され、当該人体の膨出部に作用する機能が付加された基礎衣料において、
    前記基礎衣料の人体膨出部に対応した位置に装着される布状部材には、少なくとも1本のテープ体をその両端部のみが固定された状態で配置し、当該テープ体の長手方向に沿った一方の端部を前記布状部材の一端縁に固定するとともに、前記テープ体を人体の中央部に配置された環状の挿通部材に挿通して折り返し、前記テープ体の長手方向に沿った他方の端部を前記布状部材の他端縁に固定して、前記布状部材の一端縁と他端縁間の距離を縮小することにより、当該テープ体によって前記布状部材を介して前記人体膨出部に作用する補正力を発揮させるように構成したことを特徴とする基礎衣料。
  2. 前記基礎衣料は、左右のバスト部を個別に且つ二重に覆う左右の表側身頃体と左右の内側身頃体とを備え、
    前記左右の内側身頃体の人体中央部側には、テープ体の一端部をそれぞれ連結するとともに、当該テープ体を人体中央部に配置された環状の挿通部材に挿通して、人体両側部に向けて折り返し、前記テープ体の他端部を人体の背面中央部の位置で折り返した状態で連結するか、又は前記左右の表側身頃体にそれぞれ固定したことを特徴とする請求項1に記載の基礎衣料。
  3. 前記左右の表側身頃体をテープ体によって人体の側面に向けて移動させることによって、前記左右の内側身頃体を互いに体の中央部に引き寄せるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の基礎衣料。
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