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JP4868040B2 - 画像処理装置、電子カメラ、および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、電子カメラ、および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、電子カメラ、および画像処理プログラムに関する。
従来、輝度差の大きな被写体を撮影することにより、画像データの暗部階調が暗く潰れるという現象が知られている。そこで、特許文献1の発明では、暗部階調のゲインを上げることで階調を圧縮し、暗部階調の黒つぶれを改善している。
特許2663189号
ところで、上述した暗部階調の圧縮の前には、一般的な階調変換処理が行われている。この階調変換処理においては、出力先のガンマに基づく入出力特性に加えて、いわゆるS字型の入出力特性を有する階調カーブが用いられている。S字型の入出力特性は、暗部の黒色表現を引き締め、コントラストを向上させることにより、画像の見栄えを良くする効果がある。
しかし、このようなS字型の入出力特性に起因して、暗部と中間調とでRGBの比率が変化する。そのため、暗部における色相、彩度、コントラストが中間調における色相、彩度、コントラストと異なる画像となってしまう場合がある。通常は、画像が暗いため、このような問題はそれほど目立つものではないが、上述した暗部階調の圧縮を行うと、暗部が通常の明るさとなるため、色相、彩度、コントラストが変化してしまう問題が顕在化する。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、階調圧縮時に色相回転、彩度変化、コントラスト変化が発生するのを抑えることを目的とする。
本発明の電子カメラは、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、前記撮像部から前記画像データを取得する取得部と、前記画像データの暗部階調の明度を向上する補正のための演算を行う演算部と、前記補正を行う前に、前記画像データに対して、y=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施す第1画像処理部と、前記取得部により取得した前記画像データに基づくR画像データ、G画像データ、B画像データのそれぞれについて、前記演算部による演算結果に基づいて、前記第1画像処理部により画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正を行う補正部と、前記補正を行った後に、前記補正部により補正が行われた画像データに対して、前記第1画像処理部における前記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義されるS字型の入出力特性にしたがった階調変換処理を施す第2画像処理部とを備える。
本発明の画像処理装置は、画像データを取得する取得部と、前記画像データの暗部階調の明度を向上する補正のための演算を行う演算部と、前記補正を行う前に、前記画像データに対して、少なくとも中間調以下はy=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施す第1画像処理部と、前記取得部により取得した前記画像データに基づくR画像データ、G画像データ、B画像データのそれぞれについて、前記演算部による演算結果に基づいて、前記第1画像処理部により画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正を行う補正部と、前記補正を行った後に、前記補正部により補正が行われた画像データに対して、前記第1画像処理部における前記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義されるS字型の入出力特性にしたがった階調変換処理を施す第2画像処理部とを備える。
また、上記発明に関する構成を、処理対象の画像データに対する画像処理をコンピュータで実現するための画像処理プログラムに変換して表現したものも本発明の具体的態様として有効である。
本発明によれば、階調圧縮時に色相回転、彩度変化、コントラスト変化が発生するのを抑えることができる。
第1実施形態の電子カメラ1の構成を示す図である。 第1実施形態の電子カメラ1の機能ブロック図である。 第1実施形態の電子カメラ1の撮影時の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態における階調カーブについて説明する図である。 ローパスフィルタについて説明する図である。 階調圧縮のパラメータfgについて説明する図である。 第1実施形態における階調カーブについて説明する別の図である。 第2実施形態の電子カメラ1の撮影時の動作を示すフローチャートである。 第3実施形態における階調カーブについて説明する図である。 第3実施形態における階調カーブについて説明する別の図である。
<第1実施形態>
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態について説明する。以下の第1実施形態では、本発明の電子カメラの一例として、一眼レフタイプの電子カメラを用いて説明する。
図1は、第1実施形態の電子カメラ1の構成を示す図である。図1に示すように、電子カメラ1は、撮影レンズ2、絞り3、クイックリターンミラー4、サブミラー5、拡散スクリーン6、コンデンサレンズ7、ペンタプリズム8、ビームスプリッタ9、接眼レンズ10、結像レンズ11、測光センサ12、シャッタ13、撮像素子14、焦点検出部15の各部を備える。
撮像素子14は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの半導体デバイスである。焦点検出部15は、例えば、位相差方式の焦点検出を行い、撮影レンズ2の焦点状態を検出する。
また、電子カメラ1は、撮像により生成された画像などを表示する液晶モニタなどのモニタ16、各部を制御する制御部17をさらに備える。制御部17は、内部に不図示のメモリを備え、各部を制御するためのプログラムを予め記録する。
非撮影時、すなわち撮影を行わない場合には、クイックリターンミラー4は、図1に示すように、45°の角度に配置される。そして、撮影レンズ2および絞り3を通過した光束は、クイックリターンミラー4で反射され、拡散スクリーン6、コンデンサレンズ7、ペンタプリズム8、ビームスプリッタ9を介して接眼レンズ10に導かれる。ユーザは、接眼レンズ10を介して被写体の像を目視することにより構図確認を行う。一方、ビームスプリッタ9により、上方に分割された光束は、結像レンズ11を介して測光センサ12の撮像面上に再結像される。また、クイックリターンミラー4を透過した光束は、サブミラー5を介して焦点検出部15に導かれる。
一方、撮影時には、クイックリターンミラー4が、破線で示す位置に退避してシャッタ13が開放し、撮影レンズ2からの光束は撮像素子14に導かれる。
図2は、第1実施形態の電子カメラ1の機能ブロック図である。図2に示すように、電子カメラ1は、図1の構成に加えて、タイミングジェネレータ20、信号処理部21、A/D変換部22、バッファメモリ23、バス24、カードインターフェース25、圧縮伸長部26、画像表示部27の各部を備える。タイミングジェネレータ20は、撮像素子14に出力パルスを供給する。また、撮像素子14で生成される画像データは、信号処理部21(撮像感度に対応するゲイン調整部を含む)およびA/D変換部22を介して、バッファメモリ23に一時記憶される。バッファメモリ23は、バス24に接続される。このバス24には、カードインターフェース25、図1で説明した制御部17、圧縮伸張部26、および画像表示部27が接続される。カードインターフェース25は、着脱自在なメモリカード28と接続し、メモリカード28に画像データを記録する。また、制御部17には、電子カメラ1のスイッチ群29(不図示のレリーズ釦などを含む)、タイミングジェネレータ20、および測光センサ12が接続される。さらに、画像表示部27は、電子カメラ1の背面に設けられたモニタ16に画像などを表示する。
以上説明した構成の電子カメラ1における撮影時の動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1において、制御部17は、ユーザによりスイッチ群29を介して撮影開始が指示されたか否かを判定する。そして、制御部17は、撮影開始が指示されたと判定するとステップS2に進む。
ステップS2において、制御部17は、各部を制御し、撮像素子14により被写体像を撮像し、画像データを生成する。撮像素子14により生成された画像データは、信号処理部21およびA/D変換部22を介して、バッファメモリ23に一時記憶される。
ステップS3において、制御部17は、バッファメモリ23から画像データを読み出し、通常の画像処理を行う。通常の画像処理とは、ホワイトバランス調整、補間処理、色調補正処理などである。各処理の具体的な方法は公知技術と同様であるため説明を省略する。
ステップS4において、制御部17は、ステップS3で画像処理を施した画像データに色空間変換処理を行う。色空間変換処理は、以下の式1から式3により行われる。
Rm[x,y]=mx11・Ri[x,y]+mx12・Gi[x,y]+mx13・Bi[x,y]・・・(式1)
Gm[x,y]=mx21・Ri[x,y]+mx22・Gi[x,y]+mx23・Bi[x,y]・・・(式2)
Bm[x,y]=mx31・Ri[x,y]+mx32・Gi[x,y]+mx33・Bi[x,y]・・・(式3)
なお、式1から式3中のRi[x,y],Gi[x,y],Bi[x,y]は、それぞれRGB画像の画像データを示し、mx11〜mx33は、それぞれ所定の係数である。
ステップS5において、制御部17は、ステップS4で色空間変換処理を施した画像データに第1階調変換処理を行う。第1階調変換処理は、以下の式4から式6により行われる。
Rg[x,y]=Gm1[Rm[x,y]] ・・・(式4)
Gg[x,y]=Gm1[Gm[x,y]] ・・・(式5)
Bg[x,y]=Gm1[Bm[x,y]] ・・・(式6)
なお、式4から式6中のGm1は、例えば、図4に示す階調カーブに相当する。階調カーブGm1は、図4に示すように、ほぼ1/2.2乗の階調カーブである。また、図4中の階調カーブGhは、従来の階調変換処理で、一般的に用いられていた階調カーブ(出力先のガンマに基づく入出力特性に加えて、S字型の入出力特性を有する階調カーブ)の一例である。
ステップS6において、制御部17は、ステップS5で第1階調変換処理を施した画像データに階調圧縮処理を施す。
制御部17は、まず、ステップS5で第1階調変換処理を施した画像データに対してローパス演算を行う。ローパス演算は、以下の式7から式8により行われる。
Y[x,y]=kr・Rg[x,y]+kg・Gg[x,y]+kb・Bg[x,y]・・・(式7)
Figure 0004868040
なお、式7中のkr,kg,kbは、所定の係数である。式7により、sRGB画像からYCbCr画像のうち、Y画像が求められる。また、式8中のLpwは、注目画素周りのローパスフィルタであり、このローパスフィルタは、図5に示す特性を有する。そして、式8により、Y画像からローパス画像であるLY画像の画像データが生成される。なお、ローパス画像は、ボケ画像の一例であり、他のローパスフィルタを用いてローパス画像を生成しても良いし、ローパス処理以外の手法を用いてボケ画像を生成しても良い。
次に、制御部17は、階調圧縮処理を施す。階調圧縮処理は、以下の式9から式11により行われる。
Rc[x,y]=Rg[x,y]・fg(LY[x,y])・・・(式9)
Gc[x,y]=Gg[x,y]・fg(LY[x,y])・・・(式10)
Bc[x,y]=Bg[x,y]・fg(LY[x,y])・・・(式11)
なお、式9から式11中のfgは階調圧縮のパラメータである。図6は、階調圧縮のパラメータfgを示す図である。パラメータfgは、図6に示すように、LY画像の画像データに応じたゲインを有する。そして、LY画像の画像データが小さいほど(処理画素を含む近傍範囲が暗いほど)、パラメータfgは大きくなる。逆に、LY画像の画像データが大きいほど(処理画素を含む近傍範囲が明るいほど)、パラメータfgは1に近づく。
ステップS7において、制御部17は、ステップS6で階調圧縮処理を施した画像データに第2階調変換処理を行う。第2階調変換処理は、以下の式12から式14により行われる。
Ro[x,y]=Gm2[Rc[x,y]] ・・・(式12)
Go[x,y]=Gm2[Gc[x,y]] ・・・(式13)
Bo[x,y]=Gm2[Bc[x,y]] ・・・(式14)
なお、式12から式14中のGm2は、例えば、図7に示す階調カーブに相当する。階調カーブGm2は、図7に示すように、S字型の階調カーブである。このような階調カーブを用いて階調変換処理を行うことにより、最終的な画像の見栄えを向上させることができる。また、図7中の階調カーブGhは、従来の階調変換処理で、一般的に用いられていた階調カーブ(出力先のガンマに基づく入出力特性に加えて、S字型の入出力特性を有する階調カーブ)の一例である。
ステップS8において、制御部17は、ステップS7で第2階調変換処理を施した画像データを、カードインターフェース25を介してメモリカード28に記録し、一連の処理を終了する。なお、画像データをメモリカード28に記録する前に、圧縮伸長部26を介して、必要に応じて画像圧縮処理(JPEG圧縮処理など)を施しても良い。
以上説明したように、第1実施形態によれば、画像データに対して、y=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施し、次に、1回目の画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正し、最後に、補正が行われた画像データに対して、1回目の階調変換処理における記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった2回目の階調変換処理を施す。従来、いわゆるS字型の階調カーブなどを用いた階調変換処理後に暗部階調の明度を向上する補正を行っていた場合には、S字の階調カーブに起因して、局所的に色相回転、彩度変化、コントラスト変化が発生するという問題があったが、第1実施形態によれば、階調圧縮時にこのような色相回転、彩度変化、コントラスト変化が発生するのを抑えることができる。
<第2実施形態>
以下、図面を用いて本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。そのため、以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、第1実施形態と同様の部分については、第1実施形態と同様の符号を用いて説明する。
第2実施形態は、階調圧縮処理を行う前にRGB画像をYCbCr画像に変換し、YCbCr画像に対して階調圧縮処理を行う実施例である。
YCbCr画像に対して階調圧縮処理を行う場合の撮影時の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS11からステップS15において、制御部17は、第1実施形態の図3のステップS1からステップS5と同様の処理を行う。
ステップS16において、制御部17は、ステップS15で第1階調変換処理を施した画像データのYCbCrへの色空間変換処理を行う。YCbCrへの色空間変換処理は、以下の式15から式17により行われる。
Y[x,y]=my11・Rg[x,y]+my12・Gg[x,y]+my13・Bg[x,y]・・・(式15)
Cb[x,y]=my21・Rg[x,y]+my22・Gg[x,y]+my23・Bg[x,y]・・・(式16)
Cr[x,y]=my31・Rg[x,y]+my32・Gg[x,y]+my33・Bg[x,y]・・・(式17)
なお、式15から式17中のmy11〜my33は、それぞれ所定の係数である。式15から式17により、sRGB画像がYCbCr画像に変換される。
ステップS17において、制御部17は、ステップS16で色空間変換処理を行った画像データに階調圧縮処理を施す。
制御部17は、まず、ステップS16で色空間変換処理を行った画像データに対してローパス演算を行う。ローパス演算は、以下の式18により行われる。
Figure 0004868040
なお、式18により、YCbCr画像のうち、Y画像からローパス画像であるLY画像の画像データが生成される。また、式18中のLpwは、第1実施形態の図3のステップS6で説明したものと同様のローパスフィルタである。なお、ローパス画像は、ボケ画像の一例であり、他のローパスフィルタを用いてローパス画像を生成しても良いし、ローパス処理以外の手法を用いてボケ画像を生成しても良い。
次に、制御部17は、階調圧縮処理を施す。階調圧縮処理は、以下の式19から式21により行われる。
Yc[x,y]=Y[x,y]・fg(LY[x,y])・・・(式19)
Cbo[x,y]=Cb[x,y]・fg(LY[x,y])・・・(式20)
Cro[x,y]=Cr[x,y]・fg(LY[x,y])・・・(式21)
なお、式19から式21中のfgは、第1実施形態の図3のステップS6で説明したものと同様の階調圧縮のパラメータである。
ステップS18において、制御部17は、ステップS17で階調圧縮処理を施した画像データのうち、輝度を示すY画像の画像データに第2階調変換処理を行う。第2階調変換処理は、以下の式22により行われる。
Yo[x,y]=Gm2[Yc[x,y]] ・・・(式22)
なお、式22中のGm2は、第1実施形態の図3のステップS7で説明したものと同様の階調カーブに相当する。
ステップS19において、制御部17は、ステップS18で第2階調変換処理を施した画像データを、カードインターフェース25を介してメモリカード28に記録し、一連の処理を終了する。なお、画像データをメモリカード28に記録する前に、圧縮伸長部26を介して、必要に応じて画像圧縮処理(JPEG圧縮処理など)を施しても良い。
以上説明したように、第2実施形態によれば、輝度画像データであるY画像データのみについて、2回目の階調変換処理を施す。したがって、第1実施形態よりも演算負荷を軽減しつつ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1実施形態および第2実施形態では、階調変換処理において、図4に示した階調カーブGm1を用いて階調変換処理を行う例を示した(図3ステップS5および図7ステップS15)。しかし、本発明はこの例に限定されない。y=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブであれば、図4に示した階調カーブGm1以外の階調カーブを用いても本発明と同様の効果を得ることができる。図4では、sRGB色空間におけるモニタガンマに基づく、ほぼ1/2.2乗の階調カーブである階調カーブGm1を例示したが、例えば、1/2乗の階調カーブであっても良い。
<第3実施形態>
以下、図面を用いて本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。そのため、以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、第1実施形態と同様の部分については、第1実施形態と同様の符号を用いて説明する。
第3実施形態では、第1実施形態で説明した階調カーブGm1に代えて、図9に示す階調カーブGm3を用い、第1実施形態で説明した階調カーブGm2に代えて、図10に示す階調カーブGm4を用いる。
すなわち、図3ステップS5で説明した第1階調変換処理において、制御部17は、図9に示す階調カーブGm3を用いて階調変換処理を行う。階調カーブGm3は、図9に示すように、暗部から中間調のみが、ほぼ1/2.2乗で、明部(ハイライト側)には階調カーブGm1と比較して、同じレベルの入力に対して低い出力レベルを実現する特性(ニー特性)を有する階調カーブである。これは、第1階調変換処理に起因する暗部階調の明度向上を、暗部から中間調のみにおいて行うためである。この結果、明部においては、第1階調変換処理に起因して唐突な白飛びが発生するのを抑えることにより、変化を小さくすることができる。なお、図9に示す階調カーブGm3において、ほぼ1/2.2乗の特性を有するのは、例えば、暗部の5%から20%程度である。
また、図3ステップS7で説明した第2階調変換処理において、制御部17は、図10に示す階調カーブGm4を用いて階調変換処理を行う。階調カーブGm4は、図10に示すように、明部(ハイライト側)におけるニー特性を、階調カーブGm2よりも弱めた特性を有する。
以上説明したように、第3実施形態によれば、画像データに対して、少なくとも中間調以下はy=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施し、次に、1回目の画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正し、最後に、補正が行われた画像データに対して、1回目の階調変換処理における記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった2回目の階調変換処理を施す。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第3実施形態では、階調変換処理において、図9に示した階調カーブGm3を用いて階調変換処理を行う例を示した。しかし、本発明はこの例に限定されない。少なくとも中間調以下はy=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブであれば、図9に示した階調カーブGm3以外の階調カーブを用いても本発明と同様の効果を得ることができる。例えば、少なくとも中間調以下が1/2乗の階調カーブであっても良い。
また、上述した各実施形態では、本発明の技術を電子カメラ1において実現する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コンパクトタイプの電子カメラや動画撮影を行うムービーカメラなどにも本発明を同様に適用することができる。
また、コンピュータと画像処理プログラムとにより、上記各実施形態で説明した画像処理装置をソフトウェア的に実現しても良い。この場合、図3のフローチャートで説明したステップS3以降の処理の一部または全部をコンピュータで実現する構成とすれば良い。または、図8のフローチャートで説明したステップS13以降の処理の一部または全部をコンピュータで実現する構成とすれば良い。コンピュータで実現するためには、画像データとともに、階調圧縮モードであるか否かの情報などをコンピュータに供給すれば良い。このような情報は画像データのEXIF情報などを利用して供給することができる。さらに、第3実施形態で説明した処理についても同様である。このような構成とすることにより、本実施形態と同様の処理を実施することが可能になる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
1…電子カメラ,2…撮影レンズ,14…撮像素子,17…制御部

Claims (3)

  1. 被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と、
    前記撮像部から前記画像データを取得する取得部と、
    前記画像データの暗部階調の明度を向上する補正のための演算を行う演算部と、
    前記補正を行う前に、前記画像データに対して、y=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施す第1画像処理部と、
    前記取得部により取得した前記画像データに基づくR画像データ、G画像データ、B画像データのそれぞれについて、前記演算部による演算結果に基づいて、前記第1画像処理部により画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正を行う補正部と、
    前記補正を行った後に、前記補正部により補正が行われた画像データに対して、前記第1画像処理部における前記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義されるS字型の入出力特性にしたがった階調変換処理を施す第2画像処理部と
    を備えたことを特徴とする電子カメラ
  2. 画像データを取得する取得部と、
    前記画像データの暗部階調の明度を向上する補正のための演算を行う演算部と、
    前記補正を行う前に、前記画像データに対して、少なくとも中間調以下はy=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施す第1画像処理部と、
    前記取得部により取得した前記画像データに基づくR画像データ、G画像データ、B画像データのそれぞれについて、前記演算部による演算結果に基づいて、前記第1画像処理部により画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正を行う補正部と、
    前記補正を行った後に、前記補正部により補正が行われた画像データに対して、前記第1画像処理部における前記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義されるS字型の入出力特性にしたがった階調変換処理を施す第2画像処理部と
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  3. 処理対象の画像データに対する画像処理をコンピュータで実現するための画像処理プログラムであって、
    前記画像データを取得する取得ステップと、
    前記画像データの暗部階調の明度を向上する補正のための演算を行う演算ステップと、
    前記補正を行う前に、前記画像データに対して、y=x(ただし、xは入力、yは出力)で表されるべき乗成分のみから成る階調カーブによって定義される入出力特性にしたがった階調変換処理を含む画像処理を施す第1画像処理ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得した前記画像データに基づくR画像データ、G画像データ、B画像データのそれぞれについて、前記演算ステップにおける演算結果に基づいて、前記第1画像処理ステップにおいて画像処理が施された画像データの暗部階調の明度を向上する補正を行う補正ステップと、
    前記補正を行った後に、前記補正ステップにおいて補正が行われた画像データに対して、前記第1画像処理ステップにおける前記階調カーブとは異なる階調カーブによって定義されるS字型の入出力特性にしたがった階調変換処理を施す第2画像処理ステップと
    をコンピュータで実現することを特徴とする画像処理プログラム。
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