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JP4866022B2 - ガラス割れ検出装置 - Google Patents

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JP4866022B2
JP4866022B2 JP2005145284A JP2005145284A JP4866022B2 JP 4866022 B2 JP4866022 B2 JP 4866022B2 JP 2005145284 A JP2005145284 A JP 2005145284A JP 2005145284 A JP2005145284 A JP 2005145284A JP 4866022 B2 JP4866022 B2 JP 4866022B2
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Description

本発明は、住宅や自動車等のガラスが割れたことを検出するためのガラス割れ検出装置に関する。
従来より、住宅や自動車等のガラス窓を割って侵入する不法侵入者による犯罪を防ぐために、ガラス窓が割れたことを検出するガラス割れ検出装置が提案されている(特許文献1参照)。
上記従来のガラス割れ検出装置は、導電層を有する透明導電フィルムをガラス窓に貼着し、導電層に微弱電流を流して、ガラス窓が割れた際における抵抗値の変化を検出することにより、ガラス割れを検出するよう構成されている。そして、上記導電層にはスリットを設けて、微弱電流の流れる経路の幅を狭くすると共に蛇行させることにより、ガラスが割れた際の抵抗値変化を検出しやすくしている。
しかしながら、上記ガラス割れ検出装置を製造するに当たっては、導電層にスリットを形成するための工程が必要であり、生産性を向上させることが困難である。また、ガラスに対する光の照射角度によっては、スリットの形成部分が目立ちやすく、侵入者がそのガラス窓から侵入することを避け、他の窓から侵入するということが懸念される。さらには、この透明導電フィルムをガラスに貼るに当たって、フィルムが歪みやすく、作業性がよくないなどの問題があった。
特公平7−76502号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、外観上目立ち難く、生産性、検出感度に優れたガラス割れ検出装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、ガラスに貼着される透明導電フィルムと、
該透明導電フィルムの端部に配設された複数の電極と、
該複数の電極のうち少なくとも一対の電極間に電圧を供給する電源と、
上記複数の電極のうち少なくとも一対の電極間に流れる電流を計測する電流計とを有し、
上記透明導電フィルムは、透明な樹脂からなる厚み20〜200μmの基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された表面抵抗200〜500Ω/□の透明導電膜とを有し、
該透明導電膜は14〜40nmの厚みを有し、
かつ上記透明導電フィルムは、一方の面に、上記ガラスに貼着し衝撃吸収性を得るための、スチレン系のエラストマーをゲル状にした粘着層を有し、
上記電極は、上記透明導電膜の端部に電気的に接続されていることを特徴とするガラス割れ検出装置にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガラス割れ検出装置は、上記透明導電フィルムをガラスに貼着すると共に、上記電源から上記一対の電極へ電圧を供給した状態で使用される。そのため、ガラスが割れていない状態においては、電圧に応じた一定の電流が透明導電膜に流れている。このとき、ガラスに割れが生じると、ガラスに貼着された透明導電フィルムの透明導電膜に亀裂が生ずる。すると、亀裂が生じた部分における電気抵抗が大きくなる。
これにより、上記電流計に流れる電流に変化が生ずる。例えば、上記電流計が、上記電源を接続した一対の電極に接続されている場合には、電流計に流れる電流値は小さくなる。それ以外の場合には、その配線位置や亀裂の発生位置等により、電流計に流れる電流値は小さくなったり大きくなったり、或いは流れる方向が変化したりする。
このようにして、ガラスが割れたことを検出することができる。
そして、上記透明導電膜は、表面抵抗が200〜500Ω/□であるため、亀裂が生じたときに亀裂部分に生じる抵抗値の増大幅が大きくなりやすく、電流計により検出できる電流の変化を大きくすることができる。そのため、充分な検出感度を確保することができる。
また、上記のごとく透明導電膜の表面抵抗自体が充分に高いため、特に透明導電膜にスリットを入れることなく、検出感度を高くすることができる。それ故、透明導電膜にスリットを入れる工程が不要となり、ガラス割れ検出装置の生産性を向上させることができる。
また、上記スリット等が不要であるため、外観上透明導電フィルムが目立つおそれもなく、例えば侵入者がそのガラス窓から侵入することを避けて、他の窓から侵入するなどという懸念もない。さらには、この透明導電フィルムをガラスに貼るに当たって、フィルムが歪みやすくなることもなく、貼着作業性にも優れている。
また、本発明においては、上記透明導電膜の厚みは、14〜40nmである。
そのため、ガラス割れ検出装置の動作安定性を確保することができると共に、充分に大きな表面抵抗を確保することができる。
上記厚みが14nm未満の場合には、基材フィルムの僅かな変形によっても透明導電膜の表面抵抗が変化するおそれがあり、例えば日中の日差しが強い場合に、ガラス割れ検出装置の動作が不安定になるおそれがある。
一方、上記厚みが40nmを超える場合には、透明導電膜の表面抵抗を充分に大きくすることが困難となるおそれがある。
特に本発明においては、基材フィルムとして厚み20〜200μmという薄いフィルムを用いているので、衝撃に弱い。そこで本発明においては、上記透明導電フィルムにおける一方の面に、上記ガラスに貼着し衝撃吸収性を得るための、スチレン系のエラストマーをゲル状にした粘着層を設けている。
そのため、耐衝撃性に優れている。
以上のごとく、本発明によれば、外観上目立ち難く、生産性、検出感度、耐衝撃性に優れたガラス割れ検出装置を提供することができる。
第2の発明は、ガラスに貼着される透明導電フィルムと、
該透明導電フィルムの端部に配設された複数の電極と、
該複数の電極のうち少なくとも一対の電極間に電圧を供給する電源と、
上記複数の電極のうち少なくとも他の一対の電極間に流れる電流を計測する電流計とを有し、
上記透明導電フィルムは、透明な樹脂からなる厚み20〜200μmの基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された透明導電膜とを有し、
該透明導電膜は1〜500Ω/□の表面抵抗を有しており、
かつ上記透明導電フィルムは、一方の面に、上記ガラスに貼着し衝撃吸収性を得るための、スチレン系のエラストマーをゲル状にした粘着層を有し、
上記電極は、上記透明導電膜の端部に電気的に接続されており、
上記電源を接続する上記一対の電極と、上記電流計を接続する上記一対の電極とは、互いに交差する位置に配設されていることを特徴とするガラス割れ検出装置にある(請求項5)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
第2の発明にかかるガラス割れ検出装置も、上記第1の発明にかかるガラス割れ検出装置と同様に、透明導電フィルムをガラスに貼着した状態で用いられ、電流計に流れる電流の変化に基づいて、ガラスが割れたことを検出することができる。
そして、第2の発明にかかるガラス割れ検出装置は、電源を接続する一対の電極と、電流計を接続する一対の電極とが、互いに交差する位置に配設されている。
そのため、上記透明導電膜と電源と電流計とにより形成される回路は、ホイートストン・ブリッジ回路と略等価な回路を構成することとなる。
それ故、透明導電膜の一部に亀裂が生じ、亀裂部分の抵抗値が増加したとき、上記電流計に流れる電流の大きさや向きが変化する。そして、このホイートストン・ブリッジ回路と略等価な回路は、上記亀裂部分の抵抗値の僅かな変化により、電流計に流れる電流を充分に変化させることができる。
このように、上記の電極配置にすることにより、検出感度を向上させることができる。
したがって、透明導電膜の表面抵抗値を気にすることなく、本発明を適用することができる。例えば熱線反射膜の表面抵抗値はその層構成からその抵抗値が低くなりやすいが、このような場合にも本発明を応用することが可能である。
また、上記第2の発明(請求項5)においては、上記透明導電膜の表面抵抗は、1〜500Ω/□である。そのため、上記透明導電フィルムに、例えば熱線反射機能など、ガラス割れ検知以外の機能をも付与することができる。
特に本発明においては、基材フィルムとして厚み20〜200μmという薄いフィルムを用いているので、衝撃に弱い。そこで本発明においては、上記透明導電フィルムにおける一方の面に、上記ガラスに貼着し衝撃吸収性を得るための、スチレン系のエラストマーをゲル状にした粘着層を設けている。
そのため、耐衝撃性に優れている。
また、上記のごとく透明導電膜の電極配置により、特に透明導電膜にスリットを入れなくても、検出感度を充分に高くすることができる。それ故、第1の発明と同様に、ガラス割れ検出装置の生産性を向上させ、外観上透明導電フィルムが目立つことを防ぎ、さらには、透明導電フィルムのガラスへの貼着作業性を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、外観上目立ち難く、生産性、検出感度、耐衝撃性に優れたガラス割れ検出装置を提供することができる。
上記第1の発明(請求項1)において、上記透明導電膜の厚みは、14〜40nmである。
この場合には、ガラス割れ検出装置の動作安定性を確保することができると共に、充分に大きな表面抵抗を確保することができる。
上記厚みが14nm未満の場合には、基材フィルムの僅かな変形によっても透明導電膜の表面抵抗が変化するおそれがあり、例えば日中の日差しが強い場合に、ガラス割れ検出装置の動作が不安定になるおそれがある。
一方、上記厚みが40nmを超える場合には、透明導電膜の表面抵抗を充分に大きくすることが困難となるおそれがある。
上記透明導電膜の表面抵抗が200Ω/□未満の場合には、ガラスに割れが生じた際に電流計において検出される電流の変化が小さくなり、充分な検出感度を得ることが困難となる。また、透明導電膜の光透過率が例えば80%未満となって透明導電膜の存在が外観上認識しやすくなるおそれがある。
一方、上記表面抵抗が500Ω/□を超える場合には、必然的に透明導電膜の厚みが小さくなり、その結果、上述のごとく、基材フィルムの僅かな変形によっても透明導電膜の表面抵抗が変化し、ガラス割れ検出装置の動作が不安定になるおそれがある。
また、上記透明導電膜の表面抵抗は、300〜400Ω/□であることが好ましい。この場合には、更なるガラス割れ検出装置の動作安定性を確保することができると共に、検出感度を向上させることができる。
次に、上記第2の発明(請求項5)において、上記透明導電膜の表面抵抗は、1〜500Ω/□である。この場合には、上記透明導電フィルムに、例えば熱線反射機能など、ガラス割れ検知以外の機能をも付与することができる。
また、上記透明導電膜の厚みは、単層の場合には、例えば14〜200nmであることが好ましい。この場合には、ガラス割れ検出装置の動作安定性を確保することができることができる。上記厚みが14nm未満の場合には、基材フィルムの僅かな変形によっても透明導電膜の表面抵抗が変化するおそれがあり、例えば日中の日差しが強い場合に、ガラス割れ検出装置の動作が不安定になるおそれがある。
また、例えば、透明導電膜が第1のITO膜とAg膜と第2のITO膜とからなる場合には、上記第1のITO膜の膜厚を5〜100nm、Ag膜の膜厚を5〜20nm、上記第2のITO膜の膜厚を5〜100nmとすることができる。
次に、上記第1の発明(請求項1)又は上記第2の発明(請求項5)において、上記電極は、例えば、導電テープ、銀ペースト、或いはこれらの組合せにより構成することができる。
また、上記基材フィルムには、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ア−トンフィルム、ゼオノアフィルム等、光透過率の高い樹脂フィルムを用いることができる。
また、上記基材フィルムの厚さは、20〜200μmである。
次に、第1の発明(請求項1)において、上記電流計は、上記一対の電極と上記電源とを接続する回路中に配設されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、ガラス割れ検出装置における回路を単純化して、簡単な構成のガラス割れ検出装置を得ることができる。また、これにより、ガラス割れ検出装置の生産性を向上させることができる。
また、上記電源を接続する上記一対の電極と、上記電流計を接続する上記一対の電極とは、互いに独立して形成されていると共に互いに交差する位置に配設されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、透明導電膜と電源と電流計とにより形成される回路を、ホイートストン・ブリッジ回路と略等価な回路とすることができる。これにより、上記第2の発明の説明において説明したように、検出感度を一層高くすることができる。また、かかる構成にすることにより、ガラスの面積が大きくなっても、上記電極の数を増やして、容易に検出感度の高いガラス割れ検出装置を得ることができる。
また、上記透明導電膜は、ITO(錫ドープ酸化インジウム)からなることが好ましい(請求項4)。
この場合には、光透過性を充分に確保しつつ、検出感度の高いガラス割れ検出装置を得ることができる。
上記透明導電膜としては、ITO以外にも、例えば、酸化亜鉛系の透明導電膜やカーボンを薄くコーティングした膜を用いることもできる。
次に、上記第2の発明(請求項5)において、上記透明導電膜は、ITO膜とAg膜との多層構造からなり、最上層と最下層とがITO膜からなることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記透明導電フィルムに、熱線反射機能を付与することができる。即ち、優れた検出感度を有するガラス割れ検出機能に加え、熱線反射機能をも併せ持つガラス割れ検出装置を得ることができる。
また、上記透明導電膜は、ITO(錫ドープ酸化インジウム)からなることが好ましい(請求項7)。
この場合には、光透過性を充分に確保しつつ、検出感度の高いガラス割れ検出装置を得ることができる。
上記透明導電膜としては、ITO以外にも、例えば、酸化亜鉛系の透明導電膜やカーボンを薄くコーティングした膜を用いることもできる。
次に、上記第1の発明(請求項1)又は上記第2の発明(請求項5)において、上記透明導電フィルムは、一方の面に上記ガラスに貼着するための粘着層を設けてなる。
この場合には、上記透明導電フィルムを容易かつ確実に上記ガラスに貼着することができる。
また、上記粘着層は、スチレン系のエラストマーをゲル状にしたものからなる。
この場合には、透明導電フィルムの衝撃吸収性を得ることができ、該透明導電フィルムをガラスに貼着することにより、ガラスを補強することができる。また、透明導電フィルムとガラスとの間に気泡が入ることを防ぐことができ、透明性を確保することができる。
また、上記透明導電膜は、スパッタリングにより形成してなることが好ましい(請求項)。
この場合には、基材フィルムに対する密着性が高く、薄くて膜厚が均一で、かつ緻密な透明導電膜を容易に形成することができる。その結果、耐久性に優れた検出感度の高いガラス割れ検出装置を得ることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるガラス割れ検出装置につき、図1〜図6を用いて説明する。
本例のガラス割れ検出装置1は、図1、図6に示すごとく、ガラス6に貼着される透明導電フィルム2と、該透明導電フィルム2の端部に配設された一対の電極3と、該一対の電極3間に電圧を供給する電源4と、一対の電極3間に流れる電流を計測する電流計5とを有する。
上記透明導電フィルム2は、図2に示すごとく、透明な樹脂からなる基材フィルム21と、該基材フィルム21の少なくとも一方の面に形成された表面抵抗200〜500Ω/□の透明導電膜22とを有する。
上記透明導電膜22は、ITO(錫ドープ酸化インジウム)からなる。
また、上記透明導電膜22の厚みは、14〜40nmである。
また、図2、図3に示すごとく、上記電極3は、透明導電膜22の端部に電気的に接続されている。
また、図1に示すごとく、上記電流計5は、一対の電極3と電源4とを接続する回路中に配設されている。即ち、上記一対の電極3には、それぞれリード線11が接続されており、各リード線11は、電源4の端子に接続されている。そして、一方の電極3と電源4との間の回路に、電流計5が直列接続されている。
上記電流計5は、信号線12を介してCPU13に接続されており、該CPU13を用いて電流をモニタリングすることができるよう構成されている。
上記透明導電フィルム2は、図6に示すごとく、一方の面に上記ガラス6に貼着するための粘着層23を設けてなる。粘着層23は、スチレン系のエラストマーをゲル状にしたものからなる。
また、基材フィルム21は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなる。なお、基材フィルム21として、ポリエチレン(PE)フィルム、ア−トンフィルム、ゼオノアフィルム等、光透過率の高い樹脂フィルムを用いることもできる。
また、上記基材フィルム21の厚さは、例えば20〜200μmである。
次に、本例のガラス割れ検出装置1の製造方法の一例を具体的に説明する。
まず、幅1500mm、厚さ50μmからなるPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる基材フィルム21を、長さ600m巻いたロール状態にて、樹脂フィルム成膜用のスパッタ装置に設置する。
該スパッタ装置は、成膜室内に送り側ロールと巻き取りロールとを配設し、送り側ロールに巻回された基材フィルム21を、順次、巻き取りロール側へ送り、その間に、ターゲットからITOを基材フィルム21にスパッタリングする。
上記基材フィルム21の厚さは、20〜200μmであることが好ましい。20μmより薄いと、フィルムが変形しやすいため、透明導電膜22の抵抗が経時変化しやすいため好ましくない。また200μmより厚い場合、ロールとして巻き難くなるおそれがあり、生産性の点で好ましくない。
その後、成膜する透明導電膜22と基材フィルム21との密着性、透明導電膜22の電気的特性を良くすることを目的とし、ターボ分子ポンプを用い、スパッタ装置内を5×10-4Paの高真空に真空引きを行い、装置内の残留ガス、水分量を減らす。
このように高真空にスパッタ装置を真空引きした状態で、基材フィルム21を送り出しロールから巻き取りロールへ送りつつスパッタ成膜を行なう。
具体的には、フィルム送りスピードを0.8m/分として基材フィルム21を稼動させる。また、スパッタ装置の成膜室内に、アルゴンガスを2000ml/分、酸素を15ml/分の量で導入する。ITO(Indium Tin Oxide)からなるターゲット材料に対し、パルス波形を印加できるパルス型のDC(直流)電源を用いて高電圧を印加する。即ち、陽極(グランド)と陰極(ターゲット材料)との間に8kWの電力パワーで250Vの高電圧を印加する。
これにより、基材フィルム21上に透明導電膜22を16nmの厚さで成膜を行いつつ、巻き取りロールに基材フィルム21を巻き取る。このとき、透明導電膜22の表面抵抗は400Ω、光透過率は85%とすることができる。
なお、透明導電膜22のフィルム送りスピードを適宜調整することで、透明導電膜22の膜厚を制御して、表面抵抗並びに光透過率を調整することができる。
このようにして基材フィルム21上に透明導電膜22を成膜してなる透明導電フィルム2を、1000mm幅のフィルムに裁断し、長さ600mのロールフィルムを製造する。このとき、透明導電膜22側に傷がつきにくいように保護フィルムを貼ることもある。
その後、図4に示すごとく、さらに基材フィルム21における透明導電膜22とは反対側の面に、ガラス6に貼るための粘着層23および、剥離フィルム24を施す。
粘着層23としては、スチレン系のエラストマーをゲル状にしたものをとして用いた。この場合、ゲル状のエラストマーの厚さとしては、10〜50μmとすることが、密着性・張りやすさ・透明度の点から好ましい。
なお、上記粘着層23としては、アクリル系、ウレタン系、或いはシリコン系の糊を用いることもできる。
次に、粘着層23を施した透明導電フィルム2を、長さ1800mmのガラス6の大きさにカットした後、図5、図3に示す電極3とリード線11を両端部に形成する。電極3の形成には、導電性を有する粘着剤を配設してなる導電テープ32を用いた。また、透明導電フィルム2の透明導電膜22の端部に銀ペースト31を塗布し、さらにその上から導電テープ32を貼ることにより、電極3を形成してもよい。
銀ペースト31を用いた場合は、例えば、夏の暑い時期、導電テープ32の粘着性が低下して透明導電膜22との電気的な接触が低下し不安定な動作を起こすという不具合を防ぐことができる。
このようにして得られた、図5に示す電極3付きの透明導電フィルム2の透明導電膜22側に、例えば厚さ50μmのPETフィルムからなる保護フィルム25を粘着膜251を介して形成する。
なお、この保護フィルム25としては、透明度の高い樹脂フィルムであれば、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などの樹脂フィルムを用いても構わない。
さらには、保護フィルム25を貼付する代わりに、透明導電膜22の表面に、シリコン系、アクリル系の樹脂によるコーティングを行うことも可能である。
これらの工程を経て作製した電極3付きの透明導電フィルム2を、例えば800mm×600mmの大きさに裁断する。そして、図6に示すごとく、剥離フィルム24を剥がした後、透明導電フィルム2を、窓ガラス6に貼る。
このとき、例えば、表面抵抗300Ω/□の透明導電フィルム2を用いたとき、リード線11間の抵抗は500Ω程度であったが、部分的に透明導電フィルム2を部分的に除去すると、700Ωに上昇した。
これにより、抵抗の上昇から電流値が変化し、ガラスが割れたこともモニターできることがわかる。
つまり、図1に示すごとく、リード線11に電源4をつなぐと共に電流計5を接続することによりガラス割れ検出装置1が形成される。そして、透明導電膜22に電流を流し、電流計5により計測される電流値の変化を信号線12を介してCPU13を用いモニターする。これにより、透明導電膜22に亀裂が入ったとき、モニターしていた電流が減少することから、ガラス6が割れたことの検出を行うことができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記ガラス割れ検出装置1は、図1、図6に示すごとく、透明導電フィルム2をガラス6に貼着すると共に、電源4から一対の電極3へ電圧を供給した状態で使用される。そのため、ガラス6が割れていない状態においては、電圧に応じた一定の電流が透明導電膜22に流れている。このとき、ガラス6に割れが生じると、ガラス6に貼着された透明導電フィルム2の透明導電膜22に亀裂が生ずる。すると、亀裂が生じた部分における電気抵抗が大きくなる。
これにより、上記電流計5に流れる電流に変化が生ずる。即ち、本例においては、電流計に流れる電流値は小さくなる。
このようにして、ガラス6が割れたことを検出することができる。
そして、上記透明導電膜22は、表面抵抗が200〜500Ω/□であるため、亀裂が生じたときに亀裂部分に生じる抵抗値の増大幅が大きくなりやすく、電流計5により検出できる電流の変化を大きくすることができる。そのため、充分な検出感度を確保することができる。
また、上記のごとく透明導電膜22の表面抵抗自体が充分に高いため、特に透明導電膜22にスリット等を入れることなく、検出感度を高くすることができる。それ故、透明導電膜22にスリット等を入れる工程が不要となり、ガラス割れ検出装置1の生産性を向上させることができる。
また、上記スリット等が不要であるため、外観上透明導電フィルム2が目立つおそれもなく、例えば侵入者がそのガラス窓から侵入することを避けて他の窓から侵入するなどという懸念もない。さらには、この透明導電フィルム2をガラス6に貼るに当たって、フィルムが歪みやすくなることもなく、貼着作業性にも優れている。
また、上記電流計5は、一対の電極3と電源4とを接続する回路中に配設されているため、ガラス割れ検出装置1における回路を単純化して、簡単な構成のガラス割れ検出装置1を得ることができる。また、これにより、ガラス割れ検出装置1の生産性を向上させることができる。
また、透明導電膜22は、ITOからなるため、光透過性を充分に確保しつつ、検出感度の高いガラス割れ検出装置1を得ることができる。
また、上記透明導電フィルム2は、一方の面に、粘着層23を設けてなるため、透明導電フィルム2を容易かつ確実にガラス6に貼着することができる。
そして、粘着層23は、スチレン系のエラストマーをゲル状にしたものからなるため、透明導電フィルム2の衝撃吸収性を得ることができ、該透明導電フィルム2をガラス6に貼着することにより、ガラス6を補強することができる。また、透明導電フィルム2とガラス6との間に気泡が入ることを防ぐことができ、透明性を確保することができる。
即ち、一般に、フィルムをガラスに貼着する場合、従来より、アクリル系、ウレタン系、或いはシリコン系の糊が用いられている。しかし、これらの糊を粘着層23として用いると、場合によっては、粘着強度が強すぎるために剥がし難く修正を行うことが困難であったり、フィルム貼着作業の仕方によっては、気泡がフィルムとガラスとの間に入りやすい。そのため、高い技能を有する熟練者が貼る必要があった。これに対し、粘着層23に上記のスチレン系のエラストマーをゲル状にしたものを用いることにより、透明導電フィルム2とガラス6との間に気泡を入れないように、容易に透明導電フィルム2を貼着することができる。
また、上記透明導電膜22はスパッタリングにより形成してなるため、基材フィルム21に対する密着性が高く、薄くて膜厚が均一で、かつ緻密な透明導電膜22を容易に形成することができる。その結果、耐久性に優れた検出感度の高いガラス割れ検出装置1を得ることができる。
以上のごとく、本例によれば、外観上目立ち難く、生産性、検出感度に優れたガラス割れ検出装置を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図7に示すごとく、ガラス6に貼り付けるための粘着層23を有する両面粘着フィルム230を、透明導電フィルム2における透明導電膜22側に設けた例である。
即ち、実施例1においては、図2に示すごとく粘着層23を透明導電フィルム2の基材フィルム21側に施したが、図7に示すごとく本例においては、その反対側の面である透明導電膜22側に両面粘着フィルム230を施した。
両面粘着フィルム230は、PET等からなる樹脂フィルム231の両面に粘着層23、232を設ける。そして、両面粘着フィルム230は、一方の粘着層232において透明導電膜22に貼着し、他方の粘着層23においてガラス6に貼着することができる。透明導電フィルム2をガラス6に貼着する前においては、上記粘着層23には剥離フィルム24が貼着してある。
なお、両面粘着フィルム230は、透明導電膜22の両端に配設した電極3をも覆うように貼着してある。
なお、上記両面粘着フィルム230を用いずに、ガラス6に貼着するための粘着層23を、透明導電膜22に直接塗布してもよい。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合にも、外観上目立ち難く、生産性、検出感度に優れたガラス割れ検出装置を提供することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図8〜図11に示すごとく、矩形状の透明導電フィルム2の四辺に、それぞれ1個ずつ電極3を設け、電源4を接続する一対の電極3aと、電流計5を接続する一対の電極3bとを、互いに交差する位置に配設した例である。
即ち、一対の電極3aを、透明導電フィルム2における対向する一対の辺に設けると共に、上記電極3aとは独立した一対の電極3bを、透明導電フィルム2における他の一対の辺に設ける。そして、図9に示すごとく、一対の電極3aは、リード線111を介して電源4に接続され、他の一対の電極3bは、リード線112を介して電流計5に接続されている。
上記透明導電フィルム2は、図10に示すごとく、実施例1、2と同様に、基材フィルム21とその一方の面に形成された透明導電膜22とを有する。該透明導電膜22は、第1のITO膜221と、Ag膜222と、第2のITO膜223とからなる。
上記第1のITO膜221の膜厚は5〜100nmであり、上記Ag膜222の膜厚は5〜20nmであり、上記第2のITO膜223の膜厚は5〜100nmである。
また、第1のITO膜221と第2のITO膜223とは、SnO2の混入割合が互いに異なるものとすることができる。例えば、第1のITO膜221は、SnO2を3〜20%含むITOからなり、第2のITO膜223は、SnO2を3〜10%含むITOからなるものとすることができる。
次に、本例のガラス割れ検出装置1の製造方法の一例を具体的に説明する。
基本的には、実施例1に示した方法と同様の方法で、基材フィルム21に透明導電膜22をスパッタリングにより形成する。
そして、第1のITO膜221とAg膜222と第2のITO膜223とからなる透明導電膜22を形成するに当っては、基材フィルム21にITO、Ag、ITOを順次スパッタリングする。
具体的には、フィルム送りスピードを0.8m/分として基材フィルム21を稼動させる。また、スパッタ装置の成膜室内に、アルゴンガスを2000ml/分、酸素を15ml/分の量で導入する。そして、ITO(Indium Tin Oxide)からなるターゲット材料に対し、パルス波形を印加できるパルス型のDC(直流)電源を用いて高電圧を印加する。即ち、陽極(グランド)と陰極(ターゲット材料)との間に8kWの電力パワーで250Vの高電圧を印加する。
これにより、厚さ25nmの第1のITO膜221を成膜する。
次いで、逆向きにフィルム送りスピードを1.5m/分として基材フィルム21を稼動させる。また、スパッタ装置の成膜室内に、アルゴンガスを2000ml/分の量で導入する。そして、銀(Ag)からなるターゲット材料に対し、パルス波形を印加できるパルス型のDC(直流)電源を用いて高電圧を印加する。即ち、陽極(グランド)と陰極(ターゲット材料)との間に8kWの電力パワーで250Vの高電圧を印加する。
これにより、厚さ10nmのAg膜222を成膜する。
次いで、Ag膜222の成膜時とは逆向き、即ち第1のITO膜221の成膜時と同じ向きに、フィルムを稼動させて、第1のITO膜221の成膜と同様の条件にて、スパッタリングを行う。
これにより、厚さ40nmの第2のITO膜223を成膜する。
以上により、図10に示すごとく、樹脂フィルム21の一方の面に、順次、第1のITO膜221、Ag膜222、第2のITO膜223からなる、透明導電膜22を形成する。
該透明導電膜22は、1〜10Ω/□と表面抵抗が低く、熱線反射膜としての機能をも有する。
その後、実施例1と同様に、電極3a、3b、リード線111、112、粘着層23、剥離フィルム24を形成する。また、図10においては記載を省略したが、実施例1と同様に、粘着膜251及び保護フィルム25(図2参照)を形成してもよい。
そして、透明導電フィルム2を、剥離フィルム24を剥がした後、窓ガラスに貼る。そして、図9に示すごとく、電極3aにリード線111を介して電源4をつなぎ、電極3bにリード線112を介して電流計5をつなぐことにより、ガラス割れ検出装置1を得る。
このガラス割れ検出装置1において、上記電源4によって、一対の電極3a間に電圧をかける。これにより、電流計5により検出される電流の変化を、信号線12を介して接続されたCPU13を用いてモニターすることで、ガラスが割れたことの検出を行うことができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
本例のガラス割れ検出装置1は、図9、図10に示すごとく、電源4を接続する一対の電極3aと、電流計5を接続する一対の電極3bとが、互いに交差する位置に配設されている。そのため、透明導電膜22と電源4と電流計5とにより形成される回路は、図11に示すようなホイートストン・ブリッジ回路と略等価な回路を構成することとなる。即ち、透明導電膜22を、4つの電極3a、3bの間に形成されたホイートストン・ブリッジ回路における4個の抵抗Rに見立てることができる。
それ故、透明導電膜22の一部に亀裂が生じ、亀裂部分の抵抗値が増加したとき、上記電流計5に流れる電流の大きさや向きが変化する。そして、このホイートストン・ブリッジ回路と略等価な回路は、上記亀裂部分の抵抗値の僅かな変化により、電流計5に流れる電流を充分に変化させることができる。
このように、上記の電極配置にすることにより、検出感度を向上させることができる。
また、上記のごとく透明導電膜22における電極配置により、特に透明導電膜22にスリットを入れなくても、検出感度を充分に高くすることができる。それ故、実施例1と同様に、ガラス割れ検出装置1の生産性を向上させ、外観上透明導電フィルム2が目立つことを防ぎ、さらには、透明導電フィルム2のガラスへの貼着作業性を向上させることができる。
また、図10に示すごとく、上記透明導電膜22は、第1のITO膜221と、Ag膜222と、第2のITO膜223とからなる。そのため、透明導電フィルム2に、熱線反射機能を付与することができる。即ち、優れた検出感度を有するガラス割れ検出機能に加え、熱線反射機能をも併せ持つガラス割れ検出装置1を得ることができる。
また、上述のごとく、第1のITO膜221の膜厚は5〜100nmであり、Ag膜222の膜厚は5〜20nmであり、第2のITO膜223の膜厚は5〜100nmである。そのため、表面抵抗が充分に小さく、熱線反射機能を充分に有する、薄くて安価な透明導電フィルム1を容易に得ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、本例においては、透明導電膜22を、熱光源となる赤外領域の光を遮蔽する効果の高い熱線反射膜とした例であるが、本例と同様の配線を用いることにより、表面抵抗の低い透明導電膜を用いて、高感度のガラス割れ検出装置1を得ることができる。即ち、本例は、例えば、情報管理室など電子機器の多く設置された室内の電磁波対策用ガラスとして使用される表面抵抗150Ω/□以下の低抵抗な透明導電膜や、透過率が50%程度で表面抵抗も数Ω/□と低いAgやステンレスを薄く成膜した金属薄膜にも応用することができる。
また、本例において、ガラスに貼着するための粘着層23を、透明導電フィルム2における透明導電膜22側に設けてもよい。即ち、実施例3と実施例2(図7参照)とを組合わせた態様とすることもできる。
また、実施例1に示した高抵抗の透明導電フィルム2(図2)を用いて、実施例3に示した電極3の配置を行うことにより得られるホイートストン・ブリッジ回路と略等価な回路を形成して(図8、図9、図11参照)、ガラス割れ検出装置を構成することもできる。この場合には、一層検出感度に優れたガラス割れ検出装置を得ることができる。
(実施例4)
本例は、図12、図13に示すごとく、電流計5を2個用い、それぞれの電流計5(5b、5c)に接続される二対の電極3b、3cを、透明導電フィルム2に形成した例である。
二対の電極3b、3cを、電源4に接続される一対の電極3aに対して交差するように、透明導電フィルム2に形成する。
即ち、一対の電極3aを、矩形状の透明導電フィルム2における対向する一対の辺に設けると共に、上記電極3aとは独立した二対の電極3b、3cを、透明導電フィルム2における他の一対の辺にそれぞれ設ける。そして、図13に示すごとく、一対の電極3aは、リード線111を介して電源4に接続され、他の二対の電極3bは、それぞれ、リード線112、113を介して電流計5b、5cに接続されている。
そして、電流計5b、5cにより検出される電流の変化を、それぞれ信号線12を介して接続されたCPU13b、13cを用いてモニターすることで、ガラスが割れたことの検出を行うことができる。
その他は、実施例3と同様である。
本例の場合には、透明導電フィルム2に形成した二対の電極3b、3cに、2個の電流計5b、5cをそれぞれ接続して、電流の変化を検出することができるため、比較的大きい面積のガラスについても、その割れの検出を高感度で行うことができる。即ち、本例の場合にも、透明導電膜22と電源4と電流計とにより、ブリッジ回路と略等価な回路を形成することができるため、高感度のガラス割れ検出を行うことができる。
その他、実施例3と同様の作用効果を有する。
また、上記電流計5を3個以上設けると共に、電流計5に接続する電極3を三対以上設けることにより、更に大きなガラスについても、割れの検出を高感度で行うことができる。
このように、透明導電フィルム2を貼着するガラスの大きさに合わせて、適宜、電極3の数や配置を設計することで、住宅用の窓ガラスだけでなく、ビル用の大きな窓ガラスなどにも本発明を適用することができる。また、場合によっては車の窓ガラスなど非対称な形状のガラスにも容易に対応することができる。
また、上記実施例においては、電極3、3a、3b、3cの配置は、上下対称、左右対称となっているが、必ずしも上下対称、左右対称となっていなくてもよい。例えば実施例3、4における電極3の位置関係については、電源4に接続される一対の電極3aを結ぶ線分と、電流計5に接続される一対の3b(3c)を結ぶ線分とが、互いに交わる必要はあるが、必ずしも互いに直交する必要はない。特に、窓ガラスの形状が、台形、三角形、その他の非対称の形状の場合、その形状に合わせて適宜、電極を配置する必要があり、このとき、電極の配置が対称性を有する必要は必ずしもない。
(実施例5)
本例は、図14に示すごとく、誘電体板71を配設することにより、電磁波ノイズによる誤動作、及び電磁波の外部への漏洩を防止することができるよう構成したガラス割れ検出装置1の例である。
例えば、本発明のガラス割れ検出装置1を設置する窓ガラスを有する部屋に、情報機器等の電子機器が多く設置される場合、ガラス割れ検出装置1に流す電流に起因する電磁波ノイズによって電子機器が誤動作したり、或いは逆に電子機器から発生する電磁波ノイズにより、ガラス割れ検出装置1が誤動作したりすることが懸念される。
そこで、本発明者は、図14に示すごとく、特に熱線反射膜に代表される低抵抗な透明導電膜22を用いたガラス割れ検出装置1(実施例3)において、透明導電フィルム2の部屋側に粘着層73を介して誘電体板71を配設し、さらにその透明導電フィルム2とは反対側の誘電体板71の表面に、高抵抗な透明導電フィルム72を貼る。これにより、電波吸収の機能をもつ構造とした。
即ち、図14に示すごとく、ガラス6の表面に、実施例3において示した透明導電フィルム2を貼設し、該透明導電フィルム2をガラス6との間に挟むように誘電体板71を配設する。
誘電体板71における、上記透明導電フィルム2とは反対側の面には、透明導電フィルム72を更に貼り付ける。該透明導電フィルム72は、樹脂からなる基材フィルム721に透明導電膜722をスパッタリングにより形成し、更にその表面に粘着層723を設けたフィルムである。また、上記誘電体板71は、例えば、透明なアクリル板やガラス板とすることができる。
上記誘電体板71の厚みtとしては、影響する電磁波の波長λに応じて、以下の式1により設定することができる。
t=c/(4×√3×λ) ・・・(式1)
ここで、cは光速(3×1010cm/秒)である。
例えばブルートゥースで用いられる周波数λ=5GHzの電磁波への対策を考えると、誘電体板71の板厚tは、t=3×1010〔cm/秒〕/(4×√3×5×109〔Hz〕)=8.7mmとなる。
また、誘電体板71の部屋側に設けた透明導電フィルム72の透明導電膜722は、空気のインピーダンスにマッチングさせるべく、表面抵抗が370Ω/□となるような膜厚とした。
その他は、実施例3と同様である。
本例によれば、ブルートゥースなどの電子機器による電磁波ノイズの影響、或いはこれらの電子機器に対する電磁波ノイズの影響を回避することが可能となり、室内の電子機器回路や、ガラス割れ検出装置1が誤作動することを防ぐことができる。
その他は、実施例3と同様の作用効果を有する。
実施例1における、ガラス割れ検出装置の説明図。 実施例1における、透明導電フィルムの断面説明図。 実施例1における、透明導電フィルムの平面説明図。 実施例1における、電極を配設する前の透明導電フィルムの断面説明図。 実施例1における、保護フィルムを貼着する前の透明導電フィルムの断面説明図。 実施例1における、ガラスに貼着された透明導電フィルムの断面説明図。 実施例2における、透明導電フィルムの断面説明図。 実施例3における、透明導電フィルムの平面説明図。 実施例3における、ガラス割れ検出装置の説明図。 実施例3における、透明導電フィルムの断面説明図。 実施例3における、ガラス割れ検出装置の等価回路の概念図。 実施例4における、透明導電フィルムの平面説明図。 実施例4における、ガラス割れ検出装置の説明図。 実施例5における、ガラスに貼着すると共に電磁波遮蔽手段を施した透明導電フィルムの断面説明図。
符号の説明
1 ガラス割れ検出装置
2 透明導電フィルム
21 基材フィルム
22 透明導電膜
3、3a、3b、3c 電極
4、4b、4c 電流計
5 電源
6 ガラス

Claims (8)

  1. ガラスに貼着される透明導電フィルムと、
    該透明導電フィルムの端部に配設された複数の電極と、
    該複数の電極のうち少なくとも一対の電極間に電圧を供給する電源と、
    上記複数の電極のうち少なくとも一対の電極間に流れる電流を計測する電流計とを有し、
    上記透明導電フィルムは、透明な樹脂からなる厚み20〜200μmの基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された表面抵抗200〜500Ω/□の透明導電膜とを有し、
    該透明導電膜は14〜40nmの厚みを有し、
    かつ上記透明導電フィルムは、一方の面に、上記ガラスに貼着し衝撃吸収性を得るための、スチレン系のエラストマーをゲル状にした粘着層を有し、
    上記電極は、上記透明導電膜の端部に電気的に接続されていることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  2. 請求項1において、上記電流計は、上記一対の電極と上記電源とを接続する回路中に配設されていることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  3. 請求項1において、上記電源を接続する上記一対の電極と、上記電流計を接続する上記一対の電極とは、互いに独立して形成されていると共に互いに交差する位置に配設されていることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記透明導電膜は、ITOからなることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  5. ガラスに貼着される透明導電フィルムと、
    該透明導電フィルムの端部に配設された複数の電極と、
    該複数の電極のうち少なくとも一対の電極間に電圧を供給する電源と、
    上記複数の電極のうち少なくとも他の一対の電極間に流れる電流を計測する電流計とを有し、
    上記透明導電フィルムは、透明な樹脂からなる厚み20〜200μmの基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された透明導電膜とを有し、
    該透明導電膜は1〜500Ω/□の表面抵抗を有しており、
    かつ上記透明導電フィルムは、一方の面に、上記ガラスに貼着し衝撃吸収性を得るための、スチレン系のエラストマーをゲル状にした粘着層を有し、
    上記電極は、上記透明導電膜の端部に電気的に接続されており、
    上記電源を接続する上記一対の電極と、上記電流計を接続する上記一対の電極とは、互いに交差する位置に配設されていることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  6. 請求項5において、上記透明導電膜は、ITO膜とAg膜との多層構造からなり、最上層と最下層とがITO膜からなることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  7. 請求項5において、上記透明導電膜は、ITOからなることを特徴とするガラス割れ検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記透明導電膜は、スパッタリングにより形成してなることを特徴とするガラス割れ検出装置。
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