JP4856576B2 - 排ガス浄化システム - Google Patents
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先ず、ケイ素系化合物が、アルカリアタックを受けることが判明した。この結果、アルカリ成分でケイ素系化合物が劣化し、担体が弱くなり、担体の強度が維持できなくなる可能性が高まった。
前記硫黄化合物吸収材は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物の1種又は2種以上の成分が含まれ、シリカ成分が含まれていない多孔質ハニカム構造体からなり、
前記三元触媒の容積と、前記硫黄化合物吸収材の容積と、前記粒子状物質低減装置の容積との比が1:2:3である排ガス浄化システムであって、
前記硫黄化合物吸収材には、白金、ロジウム、パラジウムからなる貴金属が、不可避的量を超えては含まれていないことを特徴とする。
前記立下がり部排気管に、前記三元触媒と前記硫黄化合物吸収材と前記粒子状物質低減装置とが、上から下へ排ガスの流れに沿って直列に収納されていると共に、
前記水平部排気管に前記窒素酸化物除去材が収納されていることを特徴とする。
また、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物の1種又は2種以上の成分は、担体に担持させるのではなく、多孔質ハニカム構造体に混ぜることにした。この結果、剥離、脱落の懸念が無くなった。
加えて、請求項1に係る発明では、硫黄化合物吸収材より下流で、窒素酸化物除去材より上流に、粒子状物質低減装置を配置する。
粒子状物質低減装置より上流に硫黄化合物吸収材を配置することで、硫黄化合物吸収材で硫黄分が吸収される。硫黄分が十分に低減された排ガスが粒状物質低減装置に供給されるため、粒状物質低減装置は汚れにくくなり、再生インターバルを延長させることができと共に粒状物質低減装置が触媒を備えている場合には、この触媒が硫黄で被毒される心配もない。
また、硫黄化合物吸収材は、排ガスの温度が低いと硫黄の吸収率が上がらないという性質を有する。仮に、硫黄化合物吸収材を粒状物質低減装置の下流側に配置すると、エンジンが暖まっていないようなタイミングでは、粒状物質低減装置のヒートマス(熱容量)で排ガスの温度が上がらず、硫黄化合物吸収材の性能が高まらない。この点、硫黄化合物吸収材を粒状物質低減装置の上流側に配置すれば、この問題は解消でき、エンジンが暖まっていないようなタイミングでも硫黄化合物吸収材の性能を高めることができる。
加えて、請求項1に係る発明では、硫黄化合物吸収材には、白金、ロジウム、パラジウムからなる貴金属が含まれていない。硫黄化合物吸収材では、硫黄分が硫酸塩の形態で捕捉される。しかし、白金等の貴金属は還元作用で硫酸塩を水素と硫黄酸化物(SOx)に分解し、硫黄化合物吸収材の作用を妨害する。この欠点は、硫黄化合物吸収材から貴金属を除外すれば払拭できる。そこで、硫黄化合物吸収材に、白金、ロジウム、パラジウムからなる貴金属を含めないようにした。ただし、不可避的な量は許容する。
Kなどのアルカリ金属化合物は高温で硫黄の吸収性能が高まるが、Baなどのアルカリ土類金属化合物は低温で硫黄の吸収性能が高まる。
排ガスの温度が低いときには、それが期待できないので、本発明の窒素酸化物除去材で窒素酸化物を除去させる。
すなわち、空燃比が大きくて空気が濃いときには、窒素酸化物を窒素に変換し、空燃比が小さくて空気が薄いときには、窒素酸化物をアンモニアに変換する役割を果たす触媒は、低温での除去性能が高い。
粒子状物質低減装置に、硫黄化合物吸収材を一体化することで、別々に配置するよりも搭載スペースが小さくて済み、車載に好適である。加えて、一体化することで、コストダウンが容易になる。
図1は本発明に係る排ガス浄化システムの基本構成を説明する図である。
本発明に係る排ガス浄化システム10は、(a)に示すように、ディーゼルエンジン11から延びる排気系12に、硫黄化合物を吸収する硫黄化合物吸収材13と、窒素酸化物を吸収する窒素酸化物除去材14とが、この順に排ガスの流れに沿って配置されている。
この(c)において、粒子状物質低減装置16に硫黄化合物吸収材13を一体化してもよい。すると(d)の構成となる。
図2は図1(c)の詳細な構成説明図であり、ディーゼルエンジン11から延びる排気系12は、ディーゼルエンジン11から延びた後に下げる立下がり部排気管18と、この立下がり排気管18の下端から曲がり管19を介して、略水平に且つ床21に沿って延びている水平部排気管22とを含む。
粒子状物質低減装置16は、アルミナ粒子とアルミナ繊維で構成され、気孔率が80%以上で、粒子状物質を深層濾過により捕集する基材に、K(カリウム)やCa(カルシウム)を担持させたものが望ましい。好ましい、配合割合は、アルミナ重量:カリウム重量:カルシウム重量=9:1:1である。
図4は図3の4部拡大図であり、ハニカムを構成する基材24には、微細な空洞25が無数に存在し、これらの空洞25が図面上下、左右及び表裏方向に繋がっていて、微細な迷路状の通路ができ上がっている。
粒子状物質低減装置16より上流に硫黄化合物吸収材13を配置することで、硫黄化合物吸収材13で硫黄分が吸収される。硫黄分が十分に低減された排ガスが粒状物質低減装置16に供給されるため、粒状物質低減装置16は汚れにくくなり、再生インターバルを延長させることができと共に粒状物質低減装置16が触媒を備えている場合には、この触媒が硫黄で被毒される心配もない。
Kなどのアルカリ金属化合物は高温で硫黄の吸収性能が高まるが、Baなどのアルカリ土類金属化合物は低温で硫黄の吸収性能が高まる。
排ガスの温度が低いときには、それが期待できないので、本発明の窒素酸化物除去材14で窒素酸化物を除去させる。
すなわち、空燃比が大きくて空気が濃いときには、窒素酸化物を窒素に変換し、空燃比が小さくて空気が薄いときには、窒素酸化物をアンモニアに変換する役割を果たす触媒は、低温での除去性能が高い。
粒子状物質低減装置16に、硫黄化合物吸収材13を一体化することで、別々に配置するよりも搭載スペースが小さくて済み、車載に好適である。加えて、一体化することで、コストダウンが容易になる。
Claims (6)
- エンジンから延びる排気系に、三元触媒と、硫黄化合物を吸収する硫黄化合物吸収材と、粒子状物質を捕集する粒子状物質低減装置と、窒素酸化物を吸収する窒素酸化物除去材とが、この順に排ガスの流れに沿って配置され、
前記硫黄化合物吸収材は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物の1種又は2種以上の成分が含まれ、シリカ成分が含まれていない多孔質ハニカム構造体からなり、
前記三元触媒の容積と、前記硫黄化合物吸収材の容積と、前記粒子状物質低減装置の容積との比が1:2:3である排ガス浄化システムであって、
前記硫黄化合物吸収材には、白金、ロジウム、パラジウムからなる貴金属が、不可避的量を超えては含まれていないことを特徴とする排ガス浄化システム。 - 前記多孔質ハニカム構造体は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物の1種又は2種以上が主成分とされていることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化システム。
- 前記排気系は、前記エンジンから延びた後に下げる立下がり部排気管と、この立下がり排気管の下端から曲がり管を介して、略水平に且つ車両の床に沿って延びている水平部排気管とを含み、
前記立下がり部排気管に、前記三元触媒と前記硫黄化合物吸収材と前記粒子状物質低減装置とが、上から下へ排ガスの流れに沿って直列に収納されていると共に、
前記水平部排気管に前記窒素酸化物除去材が収納されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排ガス浄化システム。 - 前記硫黄化合物吸収材は、アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物との両方が混ぜられ、アルカリ土類金属化合物が上流側、アルカリ金属化合物が下流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の排ガス浄化システム。
- 前記窒素酸化物除去材は、空燃比が大きくて空気が濃いときには、窒素酸化物を窒素に変換し、空燃比が小さくて空気が薄いときには、窒素酸化物をアンモニアに変換する役割を果たす触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の排ガス浄化システム。
- 前記粒子状物質低減装置に、前記硫黄化合物吸収材を一体化したことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の排ガス浄化システム。
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