JP4854908B2 - 乗客コンベアの制御装置及び運転制御方法 - Google Patents
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Description
この発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアに関し、特に乗客の有無に応じて運転モードが自動的に切り換えられる乗客コンベアの制御装置及び運転制御方法に関するものである。
背景技術
従来、停止形自動運転方式の乗客コンベアでは、乗降口に設置されたポールにセンサが設けられており、乗客が検出されないときには運転を停止した状態で待機し、センサにより乗客が検出されると起動され定格速度で運転される。
上記のような停止形自動運転方式に対して、低速自動運転と呼ばれる方式も提案されている。
例えば、特開昭62−275990号公報には、低速運転で待機し、乗客検出装置の検出信号により乗客コンベアをインバータで加速し、設定時間後に再び減速する制御方法が示されている。
また、特公平5−5752号公報には、VVVFインバータにより乗客コンベアを低速運転から加速した後、商用電源に切り換えて定格速度運転を行う方法が示されている。
このような低速自動運転方式は、待機状態でも低速運転が継続されるため、自動運転表示灯や運転方向表示灯を省略したり簡略化することができる。また、インバータにより緩やかに加速する場合、加速中に乗客が乗り込んでも転倒する危険性が殆どないため、乗客検出位置を乗降口の直前にすることができ、誘導柵を省略することができるとともに、乗客検出装置を乗客コンベアに容易に組み込むことができる。
しかし、低速自動運転方式では、待機中にも低速運転が行われているため、停止形に比べて省エネ効果は低くなってしまう。
これに対し、特開昭57−72581号公報及び特開昭61−162485号公報には、低速運転で待機しているとき、設定された時間乗客が検出されないと、運転を停止して待機する制御方法が示されている。しかし、この場合、閑散時には停止形自動運転方式と同じように運転を停止して待機するため、自動運転表示灯や運転方向表示灯が必要になってしまう。
上記の他に、特開昭55−161770号公報、特開昭64−14784号公報及び特開平4−58582号公報には、乗客の有無により運転速度を変える制御方法が示されている。
また、特開昭62−269882号公報には、単位時間当たりの乗客数を検出する装置からの出力により、無負荷時は低速運転、乗客検出時には定格速度運転を行う制御方法が示されている。
さらに、特開平1−281288号公報には、欄干端部及び天井にそれぞれセンサを配置し、いずれか一方のセンサで乗客が検出されたときに運転を開始する方法が示されている。
さらにまた、特開平3−243591号公報には、乗降口に第1検出装置、櫛部付近に第2検出装置を設け、第1検出装置で乗客コンベアを起動し、第2検出装置でタイマによるカウントを開始し、設定時間経過後に乗客コンベアの運転を停止する制御方法が示されている。
上記のように、従来の停止形自動運転方式では、ポール、自動運転表示灯、運転方向表示灯及び誘導柵等の付帯設備が必要であった。また、従来の低速自動運転方式では、待機中にも低速運転が行われているため、停止形に比べて省エネ効果は低くなってしまう。
また、特公昭61−57274号公報には、乗り口部の前方における通行客の有無を検出する通行客検出装置と、乗り口部の踏み板への乗客の進行を検出する乗客検出装置とを有し、通行客検出装置からの検出信号により駆動装置を休止運転から低速運転に切り換え、乗客検出装置からの検出信号により駆動装置を低速運転から通常速度に切り換える乗客コンベア運転装置が示されている。
ここで、実際の乗客コンベアにおける乗客の利用状況は、設置環境や時間帯により変化する。利用状況の例として、1)ある駅舎の通勤時間帯(ほぼ常時利用)、2)ある駅舎の通常時間帯(ぱらぱらと数十秒おきに途切れなく利用)、3)ある駅舎の深夜(数分で1回利用)、4)あるショッピングセンターの休日(ぱらぱらと数十秒おきに途切れなく利用)、5)あるショッピングセンターの平日(数分で1回利用)などが考えられる。
上記1のような利用状況では、乗客が途切れずに利用していれば、低速自動運転方式、停止形自動運転方式のいずれであっても、乗客コンベアは定格速度で運転され続け、運転モードに違いはない。しかし、乗客が利用しない時間帯がどの程度の時間、どの程度の頻度で発生するかで、運転モードに違いが生じ、どちらの運転方式を採るかによって、乗客に対する利便性と省エネ効果とに違いが発生する。
また、低速自動運転方式では、待機中に乗客コンベアが低速で運転されているため、停止形自動運転方式に比べて省エネ効果は小さい。このため、低速自動運転方式は、上記2及び4のように、比較的利用頻度の高い利用状況では、乗客に対するサービス低下を避けるために適しているが、上記3及び5のように、利用頻度の低い状況では、省エネ効果が不十分である。
一方、停止形自動運転方式の場合、低速自動運転方式に比べて省エネ効果が大きい。しかし、自動運転表示灯や運転方向表示灯により情報を表示しても、乗客が運転停止中であると勘違いすることがあった。また、利用頻度によっては、起動と停止とを頻繁に繰り返すことになり、利便性が低下してしまう。即ち、停止形自動運転方式は、上記3及び5のような状況では、省エネ効果を高めるために適しているが、上記2及び4のような状況では、利便性が低下してしまう。
発明の開示
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、利用状況に応じて、より最適な運転モードを選択することができる乗客コンベアの制御装置及び運転制御方法を得ることを目的とする。
この発明による乗客コンベアの制御装置は、運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードとを含む複数の運転モードにより乗客コンベアの運転を制御する制御装置本体、乗り口の床板上を含む第1ゾーン内の乗客の有無、及び第1ゾーンを覆うように第1ゾーンの外側に隣接している第2ゾーン内の乗客の有無を区別して監視する乗客検出装置、及び乗客検出装置からの情報に応じて運転モードを切り換えるモード切換回路、モード切換回路による運転モードの切換制御状態を、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに切り換える制御状態切換部を備え、第1の切換制御状態では、待機中は運転モードが停止待機モードにされており、停止待機モードにあるときに第2ゾーン内に乗客が検出されると、運転モードが低速モードに切り換えられ、低速モードにあるときに第1ゾーン内に乗客が検出されると、運転モードが搬送モードに切り換えられ、第2の切換制御状態では、待機中は運転モードが低速モードにされており、低速モードにあるときに第1ゾーン内に乗客が検出されると、運転モードが搬送モードに切り換えられるものである。
この発明による乗客コンベアの運転制御方法は、乗り口の床板上を含む第1ゾーン内の乗客の有無、及び第1ゾーンを覆うように第1ゾーンの外側に隣接している第2ゾーン内の乗客の有無を区別して監視し、第1及び第2ゾーン内の乗客の有無に応じて、複数の運転モードを切り換えて乗客コンベアの運転を制御する方法であって、運転モードには、運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードとが含まれ、運転モードの切換制御状態を、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに切り換え可能とし、第1の切換制御状態では、待機中は運転モードを停止待機モードとし、停止待機モードにあるときに第2ゾーン内に乗客が検出されると、運転モードを低速モードに切り換え、低速モードにあるときに第1ゾーン内に乗客が検出されると、運転モードを搬送モードに切り換え、第2の切換制御状態では、待機中は運転モードを低速モードとし、低速モードにあるときに第1ゾーン内に乗客が検出されると、運転モードを搬送モードに切り換えるものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による乗客コンベアの乗り口を示す平面図、図2は図1の乗り口を示す側面図、図3は図1の乗り口を示す正面図である。
図において、一対の欄干1には、それぞれ移動手摺2が設けられている。各欄干1の手摺引込口3の下部には、乗客の有無を検出するための乗客検出装置4が設けられている。これらの乗客検出装置4としては、例えば投光部及び受光部を有する反射光検出式センサを有するものが使用される。また、例えば超音波センサ等を使用することもできる。
また、乗客検出装置4は、乗り口の床板5上を含む乗り口側の第1ゾーン41内の乗客の有無、及び第1ゾーン41を覆うように第1ゾーン41の外側に隣接している乗り口側の第2ゾーン42内の乗客の有無を区別して監視する。第1ゾーン41は、乗客コンベアにほぼ確実に乗り込む乗客が踏み込む範囲、即ち両側の手摺反転部2から若干出た範囲とする。
第2ゾーン42は、乗客の進入経路を考慮して第1ゾーン41よりも広範囲とする。第1ゾーン41と第2ゾーン42とは、部分的に重なっていてもよい。一例として、乗客コンベアの長手方向の検出範囲は、手摺反転部2aから1.0〜2.0m程度までとする。また、第1及び第2ゾーン41,42は、乗客コンベアの両側の手摺反転部2aの外側の領域も含んでおり、これにより手摺反転部2aの外側から乗降口に回り込む乗客の検出が可能になっている。
一方の欄干1には、自動運転表示や運転方向表示等を行う表示装置6が設けられている。図4は図3の表示装置6を示す拡大図である。表示装置6には、例えば「低速運転中」等の運転モードが表示される。
図5は図1の乗客コンベアの制御装置を示すブロック図である。乗客検出装置4からの信号は、モード切換回路7へ出力される。モード切換回路7は、乗客検出装置4からの情報に応じて制御装置本体8の運転モードを切り換える。制御装置本体8は、運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードと、降り口側から進入しようとする乗客に対して運転方向が逆であることを知らせる警告モードとを含む複数の運転モードにより乗客コンベアの運転を制御する。
モード切換回路7による運転モードの切換制御状態(制御方法)は、制御状態切換部9からの信号により、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに選択的に切り換えられる。表示装置6には、切換制御状態が第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とのいずれであるかも表示される。
制御装置本体8には、表示装置6、乗客コンベアを駆動する駆動モータ10、及び降り口付近の乗客に対して警報を発する警報手段20が接続されている。
次に、図5の制御装置による制御方法について説明する。第1の切換制御状態(停止形自動運転方式)では、待機中は運転モードが停止待機モードに切り換えられている。停止待機モードにあるときに第2ゾーン42内に乗客が検出されると、運転モードが低速モードに切り換えられる。低速モードにあるときに第1ゾーン41内に乗客が検出されると、運転モードが搬送モードに切り換えられる。
搬送モードでは、予め設定された時間(乗客の搬送に要する時間に余裕時間を加えた時間)だけ、乗客コンベアが定格速度で運転される。また、降り口側にセンサを設けて、最後の乗客が降りてから所定の時間経過後に、乗客コンベアを停止させるようにしてもよい。
また、低速モードでの運転中に、第1及び第2ゾーン41,42のいずれでも乗客が検出されない時間が設定時間(例えば0〜10秒)経過すると、制御装置本体8の運転モードは停止待機モードに戻される。
一方、第2の切換制御状態(低速自動運転方式)では、待機中は運転モードが低速モードに切り換えられている。低速モードにあるときに第1ゾーン41内に乗客が検出されると、運転モードが搬送モードに切り換えられる。
乗客コンベアの降り口には、図6に示すように、乗り口と同様に、乗客検出装置4及び表示装置6が設けられている。そして、乗客検出装置4により、降り口においても、降り口側の第1及び第2ゾーン41,42内の乗客の有無が検出される。
また、第1の切換制御状態では、停止待機モードにあるときに、降り口側の第2ゾーン42内に乗客が検出されると、運転モードが低速モードに切り換えられる。低速モードにあるときに降り口側の第1ゾーン41内に乗客が検出されると、運転モードが警告モードに切り換えられる。
警告モードでは、乗客コンベアの正規の方向へ運転に加え、降り口側から進入しようとする乗客に対して警報手段20により警報が発せられ、運転方向が逆であることが知らされる。
次に、第1の切換制御状態における乗り口側の動作について説明する。乗客コンベアに乗客が乗っておらず、かつ乗降口の付近にも乗客が検出されない場合、制御装置本体8の運転モードは停止待機モードであり、乗客コンベアの運転は停止されている。この状態から、図1の乗客11が矢印の経路で乗客コンベアに進入した場合、まず第2ゾーン42内に乗客11が入ったときに、運転モードが低速モードに切り換えられる。これにより、乗客コンベアは低速運転を開始する。この後、第1ゾーン41内に乗客11が入ると、運転モードが搬送モードに切り換えられ、乗客コンベアにより乗客11が搬送される。
また、図1の乗客12が矢印の経路で第2ゾーン42内を横切った場合、第2ゾーン42内に乗客12が入ったときに、運転モードが低速モードに切り換えられ、乗客コンベアが低速運転される。しかし、乗客12が第2ゾーン42から出た後、設定時間が経過すると、運転モードは停止待機モードに戻され、乗客コンベアの運転は停止される。
次に、第1の切換制御状態における降り口側の動作について説明する。停止待機モードから、図6の乗客14が降り口側の第2ゾーン42内に進入した場合、運転モードが低速モードに切り換えられる。これにより、乗客コンベアは正規方向へ低速運転を開始する。これにより、乗客14は、逆方向から進入しようとしていたことに気付き、矢印のように降り口から離れる。
しかし、降り口側の第2ゾーン42内に入った乗客15が低速運転に気付かずに、さらに降り口側の第1ゾーン41まで入ると、運転モードは警告モードに切り換えられ、警報手段20により警報が発せられるとともに、乗客コンベアが定格速度で運転される。これにより、乗客14は、逆方向から進入しようとしていたことに気付き、矢印のように降り口から離れる。
また、図6の乗客16が矢印の経路で降り口側の第2ゾーン42内を横切った場合、第2ゾーン42内に乗客12が入ったときに、運転モードが低速モードに切り換えられ、乗客コンベアが低速運転される。しかし、乗客16が第2ゾーン42から出た後、設定時間が経過すると、運転モードは停止待機モードに戻され、乗客コンベアの運転は停止される。
次に、第2の切換制御状態における乗り口側の動作について説明する。第2の切換制御状態では、第1ゾーン41内のみの乗客の有無が検出される。待機中は、低速モードである。低速モードでの運転中、図7に示すように、第1ゾーン41内に乗客17が入ると、運転モードが搬送モードに切り換えられ、乗客コンベアにより乗客17が搬送される。
また、第2の切換制御状態における降り口側では、低速モードでの待機中に、乗客が低速運転に気付かず降り口側の第1ゾーン41内に入ると、運転モードは警告モードに切り換えられ、警報手段20により警報が発せられるとともに、乗客コンベアが定格速度で運転される。
次に、図8は図5の制御状態切換部9の一例を示す説明図であり、駅に設置されたエスカレータの例を示している。エスカレータの上部乗降口の床下には、エスカレータの運転を制御するエスカレータ制御盤21が配置されている。エスカレータ制御盤21には、モード切換回路7に信号を出力する制御状態切換回路22が設けられている。制御状態切換回路22には、タイムスイッチ23が接続されている。
エスカレータの利用状況は、複数台のITV(産業用テレビジョン)24により監視されている。ITV24により撮影された映像は、駅員室25内のITVモニタ26に映される。駅員室25には、制御状態切換回路22に接続され手動操作される切換スイッチ部27が設けられている。この例での制御状態切換部9は、制御状態切換回路22、タイムスイッチ23及び切換スイッチ部27を有している。
このような制御状態切換部9では、タイムスイッチ23に予め設定された時間に応じて切換制御状態が自動的に切り換えられる。また、駅員室の駅員がITVモニタ26を見てエスカレータの利用状況を判断し、切換スイッチ部27を手動操作してもよい。これによっても、切換制御状態が切り換えられる。
ここでは、タイムスイッチ23による自動切換と遠隔手動切換とを示したが、乗客コンベアに設けられたキースイッチ(図示せず)を手動操作することにより、据付場所で切換制御状態を手動で切り換えるようにしてもよい。また、マイコンに入力されたプログラムに従って、切換制御状態が自動的に切り換えられるようにしてもよい。
このような乗客コンベアの制御装置では、乗客コンベアの利用状況に応じて、第1及び第2の切換制御状態が切り換えられ、停止形自動運転と低速自動運転とを使い分けることができるため、利用状況に応じて、より最適な運転モードを選択することができ、省エネ効果を高めつつ、乗客の利便性も向上させることができる。
また、第1の切換制御状態では、乗り口及び降り口からやや離れた位置に乗客が達したときに低速運転が開始されるため、乗客コンベアが停止中であると乗客が勘違いするのが防止される。さらに、乗客は、第2ゾーン42内に入った段階で運転方向を目視確認することもできる。従って、自動運転表示灯や運転方向表示灯などの表示装置6は、比較的簡易的なものにすることができ、欄干1等の意匠部品に取り付けることができる。
さらにまた、図1の乗客12や図6の乗客16のように、第2ゾーン42内を横切った場合には、一時的に低速運転が行われるだけであるため、起動のためのエネルギロスを抑えることができる。
また、第1及び第2ゾーン41,42は、両側の手摺反転部2aの外側の領域も含んでいるため、手摺反転部2aの外側から乗り口又は降り口に回り込む乗客の検出が可能であり、誘導柵が不要である。
さらに、反射光検出式センサを有する乗客検出装置4を欄干1に設けたので、センサを組み込むためのポール等の設備を設ける必要がない。
さらにまた、乗り口側及び降り口側の第1及び第2ゾーン41,42の範囲を同じにすることによって、乗り口及び降り口における乗客検出装置4の構成を同一にできるので、保守調整作業等が容易となる。
また、切換制御状態が第1及び第2の切換制御状態のいずれであるかが表示装置6に表示されるので、低速運転中や定格速度での運転中であっても、乗客コンベアの管理者が切換制御状態を容易に把握することができる。
さらに、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とで第1ゾーン41を共用しているため、乗客検出装置4のコストを低減することができる。
実施の形態2.
次に、図9はこの発明の実施の形態2によるエスカレータの制御装置を示すブロック図である。図において、制御状態切換部9には、乗客検出頻度比較回路28及びモード切換頻度比較回路29が接続されており、これらの回路28,29からの情報に応じて制御状態切換部9により第1及び第2の切換制御状態の切換が行われる。
即ち、モード切換頻度比較回路29では、乗客コンベアの起動・停止の頻度が予め設定された設定頻度と比較される。第1の切換制御状態のときに、図10にも示すように、設定頻度より高い頻度で起動停止が行われると、図10のT1の時点で、切換制御状態が制御状態切換部9により第2の切換制御状態に切り換えられる。
また、乗客検出頻度比較回路28では、乗客検出装置4による乗客検出の頻度が予め設定された設定頻度と比較される。第2の切換制御状態のときに、図11にも示すように、乗り口及び降り口の第1ゾーン41内における乗客検出頻度が設定頻度より低くなると、図11のT2の時点で、切換制御状態が制御状態切換部9により第1の切換制御状態に切り換えられる。
なお、乗客検出の頻度を監視する際、第1及び第2ゾーン41,42の両方を監視してもよいが、図1の乗客12のような通行人により切換制御状態を切り換えることにもなるので、第1ゾーン41のみ監視するのが好適である。
このような制御装置によれば、乗客コンベアの起動・停止の頻度を監視して第1の切換制御状態から第2の切換制御状態への切換を自動的に行うようにしたので、利便性を向上させることができる。
また、乗客検出の頻度を監視して第2の切換制御状態から第1の切換制御状態への切換を自動的に行うようにしたので、省エネ効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明の実施の形態1による乗客コンベアの乗り口を示す平面図、
図2は図1の乗り口を示す側面図、
図3は図1の乗り口を示す正面図、
図4は図3の表示装置を示す拡大図、
図5は図1の乗客コンベアの制御装置を示すブロック図、
図6は図1の乗客コンベアの降り口を示す平面図、
図7は第2の切換制御状態における図1の乗り口を示す平面図、
図8は図5の制御状態切換部の一例を示す説明図、
図9はこの発明の実施の形態2による乗客コンベアの制御装置を示すブロック図、
図10は図9の制御装置による切換制御状態の切換方法の一例を示す説明図、
図11は図9の制御装置による切換制御状態の切換方法の他の例を示す説明図である。
Claims (9)
- 運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、上記搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードとを含む複数の運転モードにより乗客コンベアの運転を制御する制御装置本体、
乗り口の床板上を含む第1ゾーン内の乗客の有無、及び上記第1ゾーンを覆うように上記第1ゾーンの外側に隣接している第2ゾーン内の乗客の有無を区別して監視する乗客検出装置、
上記乗客検出装置からの情報に応じて上記運転モードを切り換えるモード切換回路、
上記モード切換回路による上記運転モードの切換制御状態を、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに切り換える制御状態切換部、及び
起動・停止の頻度を予め設定された設定頻度と比較するモード切換頻度比較回路
を備え、
上記第1の切換制御状態では、待機中は上記運転モードが上記停止待機モードにされており、上記停止待機モードにあるときに上記第2ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードが上記低速モードに切り換えられ、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードが上記搬送モードに切り換えられ、
上記第2の切換制御状態では、待機中は上記運転モードが低速モードにされており、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードが上記搬送モードに切り換えられ、
上記第1の切換制御状態のときに、上記設定頻度より高い頻度で起動・停止が行われると、上記切換制御状態が上記制御状態切換部により上記第2の切換制御状態に切り換えられる乗客コンベアの制御装置。 - 運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、上記搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードとを含む複数の運転モードにより乗客コンベアの運転を制御する制御装置本体、
乗り口の床板上を含む第1ゾーン内の乗客の有無、及び上記第1ゾーンを覆うように上記第1ゾーンの外側に隣接している第2ゾーン内の乗客の有無を区別して監視する乗客検出装置、
上記乗客検出装置からの情報に応じて上記運転モードを切り換えるモード切換回路、
上記モード切換回路による上記運転モードの切換制御状態を、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに切り換える制御状態切換部、及び
上記乗客検出装置による乗客検出の頻度を予め設定された設定頻度と比較する乗客検出頻度比較回路
を備え、
上記第1の切換制御状態では、待機中は上記運転モードが上記停止待機モードにされており、上記停止待機モードにあるときに上記第2ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードが上記低速モードに切り換えられ、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードが上記搬送モードに切り換えられ、
上記第2の切換制御状態では、待機中は上記運転モードが低速モードにされており、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードが上記搬送モードに切り換えられ、
上記第2の切換制御状態のときに、乗客検出頻度が上記設定頻度より低くなると、上記切換制御状態が上記制御状態切換部により上記第1の切換制御状態に切り換えられる乗客コンベアの制御装置。 - 上記制御状態切換部は、手動操作される切換スイッチ部を有している請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの制御装置。
- 上記制御状態切換部は、予め入力された情報により時間に応じて上記切換制御状態を自動的に切り換える請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの制御装置。
- 上記運転モードには、降り口側から進入しようとする乗客に対して運転方向が逆であることを知らせる警告モードが含まれており、上記乗り口の上記第1及び第2ゾーンに加えて、上記降り口周辺の乗客の有無が上記乗客検出装置により監視され、上記第1の切換制御状態で上記運転モードが上記停止待機モードにあるときに上記降り口周辺に人が検出されると、上記運転モードが上記警告モードに切り換えられる請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの制御装置。
- 上記警告モードでは、正規方向への運転が行われる請求項5記載の乗客コンベアの制御装置。
- 上記乗り口及び降り口の少なくともいずれか一方の付近に配置され、上記切換制御状態が上記第1及び第2の切換制御状態のいずれであるかを表示する表示装置をさらに備えている請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの制御装置。
- 乗り口の床板上を含む第1ゾーン内の乗客の有無、及び上記第1ゾーンを覆うように上記第1ゾーンの外側に隣接している第2ゾーン内の乗客の有無を区別して監視し、上記第1及び第2ゾーン内の乗客の有無に応じて、複数の運転モードを切り換えて乗客コンベアの運転を制御する乗客コンベアの運転制御方法であって、
上記運転モードには、運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、上記搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードとが含まれ、
上記運転モードの切換制御状態を、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに切り換え可能とし、
上記第1の切換制御状態では、待機中は上記運転モードを上記停止待機モードとし、上記停止待機モードにあるときに上記第2ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードを上記低速モードに切り換え、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードを上記搬送モードに切り換え、
上記第2の切換制御状態では、待機中は上記運転モードを低速モードとし、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードを上記搬送モードに切り換え、
起動・停止の頻度を予め設定された設定頻度と比較し、上記第1の切換制御状態のときに、上記設定頻度より高い頻度で起動・停止が行われると、上記切換制御状態を上記第2の切換制御状態に切り換える乗客コンベアの運転制御方法。 - 乗り口の床板上を含む第1ゾーン内の乗客の有無、及び上記第1ゾーンを覆うように上記第1ゾーンの外側に隣接している第2ゾーン内の乗客の有無を区別して監視し、上記第1及び第2ゾーン内の乗客の有無に応じて、複数の運転モードを切り換えて乗客コンベアの運転を制御する乗客コンベアの運転制御方法であって、
上記運転モードには、運転を停止して待機する停止待機モードと、乗客を搬送する搬送モードと、上記搬送モードよりも低速で運転を行う低速モードとが含まれ、
上記運転モードの切換制御状態を、第1の切換制御状態と第2の切換制御状態とに切り換え可能とし、
上記第1の切換制御状態では、待機中は上記運転モードを上記停止待機モードとし、上記停止待機モードにあるときに上記第2ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードを上記低速モードに切り換え、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードを上記搬送モードに切り換え、
上記第2の切換制御状態では、待機中は上記運転モードを低速モードとし、上記低速モードにあるときに上記第1ゾーン内に乗客が検出されると、上記運転モードを上記搬送モードに切り換え、
乗客検出の頻度を予め設定された設定頻度と比較し、上記第2の切換制御状態のときに、乗客検出頻度が上記設定頻度より低くなると、上記切換制御状態を上記第1の切換制御状態に切り換える乗客コンベアの運転制御方法。
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