JP4854326B2 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
また、上記課題を解決した本発明は、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に保持した、電子写真装置本体に着脱自在に装着可能なプロセスカートリッジにおいて、該帯電部材が上記本発明の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、上記課題を解決した本発明は、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置において、該帯電部材が上記本発明の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置である。
(I)加水分解性シラン化合物と、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程
(II)上記カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(I)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程
(1−1):フェニルトリメトキシシラン
(1−2):フェニルトリエトキシシラン
(1−3):フェニルトリプロポキシシラン
また、上記式(2)中のeは3であることが好ましい。上記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、上記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
(2−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(2−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(2−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(2−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
(3−1):CF3−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−2):F(CF2)2−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−3):F(CF2)4−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−4):F(CF2)6−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−5):F(CF2)8−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−6):F(CF2)10−(CH2)2−Si−(OR)3
上記式(3−1)〜(3−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
(4−1):テトラメトキシシラン
(4−2):テトラエトキシシラン
(4−3):テトラプロポキシシラン
(4−4):メチルトリメトキシシラン
(4−5):メチルトリエトキシシラン
(4−6):メチルトリプロポキシシラン
(4−7):エチルトリメトキシシラン
(4−8):エチルトリエトキシシラン
(4−9):エチルトリプロポキシシラン
(4−10):プロピルトリメトキシシラン
(4−11):プロピルトリエトキシシラン
(4−12):プロピルトリプロポキシシラン
(4−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(4−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(4−15):フェニルトリプロポキシシラン
(4−16):デシルトリメトキシシラン
(4−17):デシルトリエトキシシラン
(4−18):デシルトリプロポキシシラン
充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム及び硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。
まず、アリール基を有する加水分解性シラン化合物及びカチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物、並びに、必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る(工程I)。加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
・アリール基の含有量 :2〜30質量%
・アルキル基の含有量 :2〜30質量%
・オキシアルキレン基の含有量 :2〜50質量%
上記含有量は、いずれもポリシロキサン化合物の全質量に対する百分率を示し、通常、前記アリール基、アルキル基及びオキシアルキレン基の含有量総計は6〜70質量%とすることが好ましく、15〜50質量%とすることがより好ましい。また、通常、アリール基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して10〜50mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。
・アリール基の含有量 :2〜30質量%
・アルキル基の含有量 :2〜30質量%
・オキシアルキレン基の含有量 :2〜50質量%
・フッ化アルキル基の含有量 :2〜50質量%
上記含有量は、いずれもポリシロキサン化合物の全質量に対する百分率を示し、通常、前記アリール基、アルキル基、オキシアルキレン基及びフッ化アルキル基の含有量総計は8〜70質量%とすることが好ましく、15〜50質量%とすることがより好ましい。また、通常、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物とフッ化アルキル基を含有する加水分解性シラン化合物とのモル比は10:1〜1:10の範囲になるように配合することがより好ましい。
上記活性エネルギー線照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合がある。架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少なく、表面層のシワやクラックが発生しにくい。また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがある。架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−A(商品名)やUVD−S254(商品名)を用いて測定することができる。エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−A(商品名)やVUV−S172(商品名)を用いて測定することができる。
(帯電ローラの作製)
下記原材料を用意した。
・エピクロルヒドリンゴム 100部
(商品名:エピクロマーCG105、ダイソー(株)製)
・カーボン 2部
(商品名:EC600JD、ライオン(株)製)
・カーボン 20部
(商品名:HS−500、旭カーボン(株)製)
・ベントナイト 5部
(商品名:ベンゲルSH、ホージュン(株)製)
・酸化亜鉛 5部
この原材料を、オープンロールで30分間混練した。30分間混練したものに、下記加硫促進剤及び加硫剤を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
・加硫促進剤(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド) 1.0部
(商品名:ノクセラーDMーP、大内新興化学(株)製)
・加硫促進剤(テトラエチルチウラムジスルフィド) 1.0部
(商品名:ノクセラーTET−G、大内新興化学(株)製)
・加硫剤(硫黄) 1.2部
・フェニルトリエトキシシラン(PhTES ) 42.12g(0.175mol)
(加水分解性シラン化合物総量に対して54.75mol%相当)
・グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)
16.26g(0.058mol)
・ヘキシルトリメトキシシラン(HETMS ) 13.21g(0.064mol)
・トリデカフルオロ−1,1,2,2,テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6) 11.42g(0.013mol)
・コロイダルアルミナ 24.23g
(10.0質量%(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン固形分総量に対する質量%)、(Al2O3・H2O 商品名;アルミナゾル-520 分散溶媒;水 固形分量(質量% Al2O3として)=20〜22 製造元;日産化学工業(株))
・水 25.93g
・エタノール 66.70g
コロイダルアルミナを48.45g(20.0質量%(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン固形分総量に対する質量%))に、エタノールを60.64gに変えたこと以外は、実施例1と同様にして表面層用塗布液IIを調整して、帯電ローラIIを得、導電性弾性層の物性を測定した。
コロイダルアルミナを用いなかったこと及びエタノールの使用量を69.31gとしたこと以外は実施例1と同様の原料を用い、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流(120℃)を行うことによって、加水分解性性シラン化合物の縮合物を得た。
コロイダルシリカを40.70g(20.0質量%(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン固形分総量に対する質量%))に変えたこと以外は、実施例3と同様にして、帯電ローラIVを得、導電性弾性層の物性を測定した。
コロイダルシリカを81.40g(40.0質量%(加水分解性シラン化合物が全て脱水縮合したと仮定した時のポリシロキサン固形分総量に対する質量%))に変えたこと以外は、実施例3と同様にして、帯電ローラVを得、導電性弾性層の物性を測定した。
・フェニルトリエトキシシラン(PhTES) 56.16g(0.234mol)
・ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS) 13.21g(0.064mol)
・トリデカフルオロ−1,1,2,2,テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FT
S、パーフルオロアルキル基の炭素数6) 11.42g(0.022mol)
・水 25.93g
・エタノール 61.50g
上記原料を混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流(100℃)を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物CIを得たこと、及び、この縮合物Iを用いたこと以外は実施例1と同様にして、帯電ローラCIを得、導電性弾性層の物性を測定した。
フッ素樹脂ディスパージョン(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと表す。)(商品名;AD-2CR水性ディスパージョン 固形分濃度=45〜50質量% 比重=1.4 粘度(25℃・mPa・s)=250〜500 製造元;ダイキン工業(株))100gに、実施例3で用いたコロイダルシリカを19・08g(10質量%(PFA固形分総量に対する質量%))混合し塗布液を得たこと、及び、この塗布液を用い、スプレー法により、膜厚が5μmになるように塗布し、320℃で40分焼成して、表面層を形成したこと以外は実施例1と同様にして帯電ローラCIIを得、導電性弾性層の物性を測定した。
表1に実施例1〜5及び比較例1、2の表面層の形成に用いた原料、それらの使用量等を示す。
上記実施例及び比較例の帯電ローラの物性を、以下に示す方法で測定した。
(1)表面層における無機微粒子の平均粒子径
帯電ローラの表面層における無機微粒子の平均粒子径は、上記の方法によって観察・測定した。得られた結果は表2に示した。
帯電ローラの表面層の表面における無機微粒子の占有表面積%は、上記の方法によって観察・測定した。得られた結果は表2に示した。
無機微粒子の組成は、粉末X線回折装置(商品名;TTRII 製造元;(株)リガク)に平均粒子径及び占有表面積%を測定した時と同様の前述のサンプル片を組み込み、50KV×300mAの条件でX線を発生させ、CuKα線の平行ビームをサンプルに照射してX線回折スペクトルを測定することによって同定した。得られた結果は、表1に示した。
帯電ローラの表面層の弾性率は、表面皮膜物性試験機(商品名:フィッシャースコープH100V(商品名);フィッシャーインストルメンツ社製)を用いて測定した。圧子を測定対象の表面から1μm/7sの速度で進入させたときの値を弾性率とした。なお、弾性率測定用のサンプルには、アルミシート上に上記表面層用塗布液を、硬化後の膜厚が10μm以上になるように塗布し、帯電ローラと同条件でUV硬化させたものを使用した。得られた結果は、表2に示した。
帯電ローラの表面層の層厚は、帯電ローラの表面層付近を基層から採取したものをサンプル片として、表面層の断面側から白金蒸着を施したのち、走査型電子顕微鏡(商品名:S-4800;(株)日立ハイテクノロジーズ)に組み込んで観察・計測を行った。
得られた結果は、表2に示した。
帯電ローラの表面層の十点平均粗さ(Rzjis)はJIS B 0601:2001に準拠して測定した。
得られた結果は、表2に示した。
10〜1000倍の光学顕微鏡下、光学顕微鏡に設置した3次元粗微動マイクロマニピュレーター((株)ナリシゲ製)を用い、帯電ローラの表面層から1mg程度の試料を採取した。採取した試料を、TG−MS法(TG装置にMS装置を直結)により、加熱時に発生する気体の質量数ごとの濃度変化を、重量変化と同時に、温度の関数として追跡した。測定の条件を表3に示す。
得られた、オキシアルキレン基、アリール基、アルキル基、フッ化アルキル基及びシロキサン部分と無機微粒子の含有量を表4示す。
上記実施例及び比較例の帯電ローラを用いて、以下に示す評価を行った。
表面層の耐磨耗性は、初期の表面層の層厚と3000枚出力後の表面層の層厚を、上述したのと同じ方法で観察・計測を行い、層厚を比較することによって確認した。
得られた結果は、表5に示した。
画像評価は、表層膜の磨耗に起因するトナーの濃度差として現れるスジ状の画像不良(以下「縦スジ」と呼ぶ。)の発生を観察した。観察に使用した画像として、A4紙に、電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像(ハーフトーン画像)を用いた。この画像の1枚目出力時(初期)及び3000枚目出力時に得られた出力画像を目視することによって行った。
評価基準は以下のとおりである。
A:縦スジが全く出ていないもの。
B:縦スジが少量発生したもの。
C:縦スジが多量に発生したもの。
得られた評価結果は、表6に示した。
2 軸
3 帯電部材
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラ)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
101 支持体
102 導電性弾性層
103 表面層
Claims (14)
- オキシアルキレン基を有するポリシロキサンと、1nm以上500nm以下の平均粒子径を有する無機微粒子とを含有する材料からなる表面層を有する帯電部材であって、
前記無機微粒子が、アルミナまたはシリカからなる無機微粒子から選ばれた少なくとも1種の無機微粒子である帯電部材。 - 前記表面層の表面における前記無機微粒子の占有表面積%が、該表面層の全表面積に対し5%以上85%以下である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記ポリシロキサンが、さらに、置換及び無置換のアルキル基並びに置換及び無置換のアリール基から選ばれた少なくとも1種の基を有し、該ポリシロキサンの全質量に対して、2質量%以上30質量%以下のアリール基、2質量%以上30質量%以下のアルキル基、2質量%以上50質量%以下のオキシアルキレン基及びシロキサン部分を含有する請求項1または2に記載の帯電部材。
- 前記ポリシロキサンが、さらに、フッ化アルキル基を有し、該ポリシロキサンの全質量に対して、2質量%以上30質量%以下のアリール基、2質量%以上30質量%以下のアルキル基、2質量%以上50質量%以下のオキシアルキレン基、2質量%以上50質量%以下のフッ化アルキル基及びシロキサン部分を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電部材。
- 前記ポリシロキサンが、下記工程(I)及び(II)を経て得られるポリシロキサンである請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電部材。
(I)アリール基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程、
(II)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(I)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程 - 前記カチオン重合可能な基が、エポキシ基である請求項5乃至8のいずれかに記載の帯電部材。
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に保持した、電子写真装置本体に着脱自在に装着可能なプロセスカートリッジにおいて、該帯電部材が請求項1乃至9のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記帯電部材が、前記電子写真感光体に接触している請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置において、該帯電部材が請求項1乃至9のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
- 前記帯電部材が、前記電子写真感光体に接触している請求項12に記載の電子写真装置。
- 前記帯電部材に、直流電圧のみの電圧を印加するための電圧印加手段を有する請求項12または13に記載の電子写真装置。
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