JP2009151159A - 帯電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長期間使用することにより、トナー汚れや帯電ローラの傷、および帯電ローラの外径の変形による画像不良が発生する。
【解決手段】 帯電部材と該帯電部材に清掃部材を接触させて該帯電部材の清掃を行う清掃工程を有する帯電装置において、該帯電部材が該支持体の外周の最外層に少なくともオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する事を特徴とする帯電装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 帯電部材と該帯電部材に清掃部材を接触させて該帯電部材の清掃を行う清掃工程を有する帯電装置において、該帯電部材が該支持体の外周の最外層に少なくともオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する事を特徴とする帯電装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、帯電部材及び帯電部材の表面を清掃する清掃部材を有する帯電装置に関するものであり、例えば複写機やプリンタなどの画像形成装置に適用されるものである。
従来、電子写真画像形成装置の帯電装置としてはコロナ帯電器が使用されてきたが、近年、これに代って接触帯電装置が実用化されてきている。これは、低オゾン、低電力を目的としており、中でも特に帯電部材として導電性ローラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。ローラ帯電方式では、導電性の弾性ローラを被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって放電により被帯電体への帯電を行う。
具体的には、放電開始電圧(OPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、約550V)に、必要とされる感光体表面電位Vdを足したDC電圧を印加することで帯電を行うDC帯電方式、あるいは、環境・耐久変動等による電位の変動を改善する目的として、必要とされる感光体表面電位Vdに相当するDC電圧に放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する事で帯電を行うAC帯電方式がある。
しかし、このような接触ローラ帯電方式においては、感光ドラムに接触させるという性格上、クリーニングブレードをすり抜けてくる微粉トナー、外添剤などにより帯電ローラ表面が汚染され、特に低温低湿環境において付着物の抵抗アップによる帯電不良が発生し、画像に濃度ムラ(斑点状、スジ状及び帯状)や白部へのトナーの付着(カブリ)などが発生する場合があった。
そこで、このような帯電ローラの表面汚染への対策として、フェルト材からなるクリーニングパッドまたはクリーニングローラなどからなる帯電ローラの清掃部材を有し、帯電部材の表面を清掃することにより、画像出力上問題のないレベルまで改善されてきた。(例えば、特許文献1を参照。)
特開平8−44159号公報
しかしながら、近年、市場の高画質化の要求により、トナーが小粒径化し、微粉トナーの割合も増加し、それに伴い帯電ローラの汚染の度合いも増加してきた。また、長寿命化、カラー化などの要求により、帯電ローラ及び感光ドラムを含むユニットの目標耐久寿命値(時間)が大幅に伸びており(カラー化により1枚の出力を得るための動作時間は長くなる)、それにより付着物の堆積量が大きくなり、以前の耐久枚数では発生しなかった画像不良も耐久後半で顕在化してくるようになった。
また、帯電ローラ表面の付着物を除去するため、帯電ローラ表面に固定配置した清掃部材を当接させているため、長期間使用する場合に耐久後半で帯電ローラ表面に微小な摺擦キズが発生し、縦スジムラが発生してしまうことがあった。
また、清掃部材をその構成上帯電ローラの表面に対してある程度侵入させる必要があり、接触ニップ幅が大きくなってしまい、耐久後半において帯電ローラ表面から除去した汚染物が接触ニップ幅に蓄積し、それが帯電ローラもしくは、清掃部材に固着し、最終的には固着物による摺擦キズを引き起こすことや、固着物と帯電ローラにより摩擦熱が生じ、熱膨張による表層および基層の外径変化を引き起こすこともあった。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、汚れや帯電ローラの傷、摩擦熱などによる外径変化による画像不良が出ることなく、長期間にわたり安定した画像画像を得るための画像形成方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る帯電装置は、帯電部材と該帯電部材に清掃部材を接触させて該帯電部材の清掃を行う清掃工程を有する帯電装置において、該帯電部材が該支持体の外周の最外層に少なくともオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する事を特徴とする帯電装置である。
また、該帯電部材がオキシアルキレン基およびフッ化アルキル基を有するポリシロキサンを含有する事を特徴とする帯電装置である。
該帯電部材の最外層の膜厚が0.01〜2.0μmであることを特徴とする帯電装置である。
該清掃部材が、撓み変形自在な可撓部材を備え、該可撓部材を撓ませることによる反発力によって、該可撓部材を該前記帯電部材の表面に対して面接触させることを特徴とする帯電装置である。
本発明によれば上記達成手段により、汚れや帯電ローラの傷による画像不良が出ることなく、長期間にわたり安定した画像が得られる。
また、耐熱性が安定であり、かつ基層との密着性が良好であるためクリーニング部材で生じる摩擦熱を抑え、基層に伝達せず、基層の変形を防ぎ、長期間にわたり安定した画像が得られる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の帯電部材は、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有するものである。この「表面層」とは、帯電部材が有する層のうち、帯電部材の最表面に位置する層を意味する。
本発明の帯電部材の最も簡単な構成は、該支持体上に導電性弾性層および表面層の2層を設けた構成であるが、支持体と導電性弾性層との間や導電性弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
また、導電性弾性層や表面層は、それぞれ導電性弾性層用の材料および表面層用の材料を用いて形成された層であってもよいし、または、導電性弾性層用の材料を用いて層を形成した後、該層の表面領域(表面およびその近傍)を改質し、改質後の領域を表面層とすることによって、導電性弾性層および表面層との積層構成としてもよい。
図2に、本発明の帯電部材の構成の一例を示す。図2中、1は支持体であり、2は導電性弾性層であり、3は表面層である。
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケルなどの金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などの表面処理を施してもよい。
導電性弾性層には、従来の帯電部材の弾性層(導電性弾性層)に用いられているゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性体を1種または2種以上用いることができる。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「ラバロン(登録商標)」、クラレ(株)製「セプトン(登録商標)コンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の「サーモラン(登録商標)」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマー(登録商標)」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレーン(登録商標)」などが挙げられる。
また、導電性弾性層には、導電剤を適宜使用することによって、その導電性を所定の値にすることができる。導電性弾性層の電気抵抗は、導電剤の種類および使用量を適宜選択することによって調整することができ、その電気抵抗の好適な範囲は102〜108Ωであり、より好適な範囲は103〜106Ωである。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩として、具体的には、過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩およびハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩や塩化ベンジル塩など)などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩および高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
電解質としては、例えば、周期律表第1族の金属(LiやNaやKなど)の塩(第四級アンモニウム塩など)が挙げられる。周期律表第1族の金属の塩として、具体的には、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCNおよびNaClなどが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、周期律表第2族の金属(CaやBaなど)の塩(Ca(ClO4)2など)やこれから誘導される帯電防止剤が、イソシアネート(一級アミノ基や二級アミノ基など)と反応可能な活性水素を有する基(水酸基やカルボキシル基など)を1つ以上持ったものを用いることもできる。また、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)もしくはその誘導体との錯体や、これらとモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)との錯体などのイオン導電性導電剤を用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、および、熱分解カーボンなどの導電性のカーボンを用いることもできる。ゴム用カーボンとして、具体的には、Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性)、High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性)、General Purpose Furnace(GPF:汎用性)、Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性)、Fine Thermal(FT:微粒熱分解)およびMedium Thermal(MT:中粒熱分解)などの各ゴム用カーボンが挙げられる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、天然グラファイトおよび人造グラファイトなどのグラファイトを用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、酸化スズ、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの金属酸化物や、ニッケル、銅、銀およびゲルマニウムなどの金属を用いることもできる。
また、導電性弾性層用の導電剤として、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリアセチレンなどの導電性ポリマーを用いることもできる。
また、導電性弾性層には、無機または有機の充填剤や架橋剤を添加してもよい。充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸アルミニウムなどが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イオウ、過酸化物、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤などが挙げられる。
導電性弾性層の硬度は、帯電部材と被帯電体である電子写真感光体とを当接させた際の帯電部材の変形を抑制する観点から、アスカーCで70度以上であることが好ましく、特には73度以上であることがより好ましい。
本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
次に、帯電部材の表面層について説明する。
本発明の帯電部材の表面層は、加水分解性シラン化合物の加水分解によって縮合され、得られ、少なくともオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする帯電部材である。
上記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
このオキシアルキレン基を有するポリシロキサンは、シロキサン結合を多く持つため、永久圧縮ひずみが小さくなり、柔軟性に富み、このオキシアルキレン基がポリシロキサンの中に一定量存在することで、ポリシロキサンの結晶性を阻害し、さらに柔軟性を発現させる。そのため、汚れが表面に固着しづらくなり、清掃部材で残トナーなどの汚れを容易に落とすことが出来る。また、当接した清掃部材に対して押し付けられても、表面層が柔軟であるため、清掃部材との接触による力を逃がし、摺擦による傷の発生を防いでいる。一方、シロキサン結合を多く持つことにより、耐熱性が増すため、表面層が薄膜であっても、帯電ローラと耐久後半に清掃部材に固着した固着物との摩擦熱による外径変化、性状の変化を受けにくくなる。また、オキシアルキレン基が弾性層の成分と水素結合を起こすため、弾性層、表面層の密着性を高める効果があるので、若干の摩擦熱による熱膨張に対しても、弾性層、表面層のズレによって生じる表面のシワ、クラックなどが抑制できる。
このオキシアルキレン基を含むポリシロキサンは開裂によってオキシアルキレン基を生成する官能基、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などを持つシラン化合物を用いて合成し、カチオン重合させることによって得られる。加水分解性シラン化合物が加水分解によって縮合した後に、カチオン重合可能な基を開裂させることにより、この縮合物を架橋させることによって、架橋密度を上げて、シロキサンに起因する耐熱性、密着性、などの効果をさらに高めることが出来るからである。
これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基を持つシラン化合物を用いてポリシロキサンを得た後、開環重合させる方法が好ましい。
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
上記式(1)中、R11は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R12は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z11は、2価の有機基を示す。Rc11は、カチオン重合可能な基を示す。aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、a+b=3である。
上記式(1)中のRc11のカチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
上記式(1)中のR11およびR12の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(1)中のZ11の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(1)中のbは3であることが好ましい。
上記式(1)中のaが2の場合、2個のR11は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)中のbが2または3の場合、2個または3個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(1−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(1−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(1−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(1−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
また、本発明のポリシロキサンはオキシアルキレン基およびフッ化アルキル基を含有するポリシロキサンであることが好ましい。これはフッ化アルキル基をポリシロキサンの構造に持つことによって、帯電部材の表面自由エネルギーを低減することにより、帯電部材の表面にトナーや外添剤が固着しにくくなる傾向があるからである。また、フッ素を含むことにより耐熱性が良好になり、帯電ローラと耐久後半に清掃部材に固着した固着物との摩擦熱による影響をさらに緩和し、外径変化、性状の変化を受けにくくなり、抵抗安定なローラが得られる。
(1−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(1−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(1−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
また、本発明のポリシロキサンはオキシアルキレン基およびフッ化アルキル基を含有するポリシロキサンであることが好ましい。これはフッ化アルキル基をポリシロキサンの構造に持つことによって、帯電部材の表面自由エネルギーを低減することにより、帯電部材の表面にトナーや外添剤が固着しにくくなる傾向があるからである。また、フッ素を含むことにより耐熱性が良好になり、帯電ローラと耐久後半に清掃部材に固着した固着物との摩擦熱による影響をさらに緩和し、外径変化、性状の変化を受けにくくなり、抵抗安定なローラが得られる。
この、ポリシロキサン結合を持つフッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型のアルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
また、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物が好適である。
上記式(2)中、R21は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。R22は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。Z21は、2価の有機基を示す。Rf21は、炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基を示す。dは0〜2の整数であり、eは1〜3の整数であり、d+e=3である。
上記式(2)中のR21およびR22の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基がより好ましい。
上記式(2)中のZ21の2価の有機基としては、例えば、アルキレン基およびアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、さらにはエチレン基がより好ましい。
上記式(2)中のRf21の炭素数1〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基としては、処理性の観点から、特に炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記式(2)中のeは3であることが好ましい。
上記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(2−1):CF3−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−2):F(CF2)2−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−3):F(CF2)4−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−4):F(CF2)6−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−5):F(CF2)8−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−6):F(CF2)10−(CH2)2−Si−(OR)3
上記(2−1)〜(2−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
(2−2):F(CF2)2−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−3):F(CF2)4−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−4):F(CF2)6−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−5):F(CF2)8−(CH2)2−Si−(OR)3
(2−6):F(CF2)10−(CH2)2−Si−(OR)3
上記(2−1)〜(2−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
上記(2−1)〜(2−6)の中でも、(2−4)〜(2−6)が好ましい。
上記カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物および上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
特に、上記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物として、上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合、Rf21の炭素数nA(nAは6〜31の整数)のものと、炭素数nB(nBは6〜31の整数かつnB≠nA)のものとを併用すると、得られるポリシロキサンは、炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有することになる。パーフルオロアルキル基は、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にあるため、帯電部材の表面層に含有されるポリシロキサンが炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を有していれば、帯電部材の表面に向かって長さの異なるパーフルオロアルキル基が配向することになる。この場合、単一の長さのパーフルオロアルキル基が帯電部材の表面に向かって配向する場合に比べて、帯電部材の表面近傍のフッ素原子濃度が高くなり、帯電部材の表面自由エネルギーが低くなるため、長期間繰り返し使用した際の帯電部材の表面へのトナーや外添剤などの固着をより抑制することができる。
上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を2種以上用いる場合は、上記(2−4)〜(2−6)の中から2種以上選択することが好ましい。
上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%であることが好ましい。
また、上記ポリシロキサンは、さらにアルキル基およびフェニル基を有するものが好ましい。このアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基、ヘキシル基、デシル基がより好ましい。
上記ポリシロキサンがさらにアルキル基およびフェニル基を有する場合、上記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のアルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20.0〜80.0質量%であることが好ましい。
本発明のポリシロキサンは、さらに、下記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用することが好ましい。
上記式(3)中、R31は、フェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基、または、アルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。R32は、飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基を示す。gは0〜3の整数であり、hは1〜4の整数であり、g+h=4である。
上記式(3)中のR31のフェニル基置換のアルキル基もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基が好ましい。
上記式(3)中のR31のアルキル基置換のアリール基もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
上記式(3)中のgは1〜3の整数であることが好ましく、特には1であることがより好ましい。
上記式(3)中のhは1〜3の整数であることが好ましく、特には3であることがより好ましい。
上記式(3)中のR32の飽和もしくは不飽和の1価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、さらにはメチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましい。
上記式(3)中のaが2または3の場合、2個または3個のR11は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(3)中のbが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下に、上記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の具体例を示す。
(3−1):テトラメトキシシラン
(3−2):テトラエトキシシラン
(3−3):テトラプロポキシシラン
(3−4):メチルトリメトキシシラン
(3−5):メチルトリエトキシシラン
(3−6):メチルトリプロポキシシラン
(3−7):エチルトリメトキシシラン
(3−8):エチルトリエトキシシラン
(3−9):エチルトリプロポキシシラン
(3−10):プロピルトリメトキシシラン
(3−11):プロピルトリエトキシシラン
(3−12):プロピルトリプロポキシシラン
(3−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(3−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(3−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(3−16):デシルトリメトキシシラン
(3−17):デシルトリエトキシシラン
(3−18):デシルトリプロポキシシラン
(3−19):フェニルトリメトキシシラン
(3−20):フェニルトリエトキシシラン
(3−21):フェニルトリプロポキシシラン
(3−22):ジフェニルジメトキシシラン
(3−23):ジフェニルジエトキシシラン
上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物および上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、上記式(3)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、bは1〜3の整数であることが好ましく、a個のR31のうちの1個のR31は炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、さらに、該炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数をn1(n1は1〜21の整数)とし、上記式(2)中のRf21の炭素数をn2(n2は1〜31の整数)としたとき、n2−1≦n1≦n2+1であることが好ましい。
(3−2):テトラエトキシシラン
(3−3):テトラプロポキシシラン
(3−4):メチルトリメトキシシラン
(3−5):メチルトリエトキシシラン
(3−6):メチルトリプロポキシシラン
(3−7):エチルトリメトキシシラン
(3−8):エチルトリエトキシシラン
(3−9):エチルトリプロポキシシラン
(3−10):プロピルトリメトキシシラン
(3−11):プロピルトリエトキシシラン
(3−12):プロピルトリプロポキシシラン
(3−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(3−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(3−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(3−16):デシルトリメトキシシラン
(3−17):デシルトリエトキシシラン
(3−18):デシルトリプロポキシシラン
(3−19):フェニルトリメトキシシラン
(3−20):フェニルトリエトキシシラン
(3−21):フェニルトリプロポキシシラン
(3−22):ジフェニルジメトキシシラン
(3−23):ジフェニルジエトキシシラン
上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物および上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合、上記式(3)中のaは1〜3の整数であることが好ましく、bは1〜3の整数であることが好ましく、a個のR31のうちの1個のR31は炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、さらに、該炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基の炭素数をn1(n1は1〜21の整数)とし、上記式(2)中のRf21の炭素数をn2(n2は1〜31の整数)としたとき、n2−1≦n1≦n2+1であることが好ましい。
上記炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基は、パーフルオロアルキル基と同様、帯電部材の表面に向かって配向する傾向にあるが、n1<n2+2となると、上記式(2)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物のパーフルオロアルキル基による効果が乏しくなる場合がある。一方、n1>n2−2となると、理由の詳細は不明であるが、帯電時の放電に影響を及ぼし、ハーフトーン画像を出力した際に、その前の文字や黒い図形などがわずかに残像してしまう現象(ゴースト現象)が発生しやすくなる。
上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合には、上記式(3)中のR31がアルキル基のものと上記式(3)中のR31がフェニル基のものとを併用することが好ましい。アルキル基は帯電部材の表面物性の制御の観点から好ましく、フェニル基は上記のゴースト現象抑制の観点から好ましいからである。
以下、本発明の帯電部材の具体的な製造方法(上記ポリシロキサンを含有する表面層の具体的な形成方法)について説明する。
まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物、ならびに、必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。
加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
また、加水分解性縮合物を得る際の、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、あるいは、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物および上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物の配合割合は、得られるポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%になるように、オキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%になるように、シロキサン部分の含有量がポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%になるようにすることが好ましい。
具体的には、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5〜20.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、特には1.0〜10.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。
また、上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物を併用する場合には、さらに、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物(MC)と上記式(3)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物(M1)とのモル比(MC:M1)が10:1〜1:10の範囲になるように配合することが好ましい。
次に、得られた加水分解性縮合物を含む表面層用塗布液を調製し、支持体および該支持体上に形成された導電性弾性層を有する部材(以下「導電性弾性部材」ともいう。)上に、調製した表面層用塗布液を塗布する。
表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。
次に、導電性弾性部材上に塗布された表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
上記活性エネルギー照射時に発生した熱により、導電性弾性部材の導電性弾性層が膨張し、その後冷却によって収縮した際、表面層がこの膨張・収縮に十分に追従しないと、シワやクラックが多い表面層になってしまう場合があるが、架橋反応に紫外線を用いた場合、短時間(15分以内)に加水分解性縮合物を架橋することができる上、熱の発生も少ないため、表面層のシワやクラックが発生しにくい。
また、帯電部材の置かれる環境が温湿度の変化が急激な環境である場合、その温湿度の変化による導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従しないと、表面層にシワやクラックが発生することがあるが、架橋反応を熱の発生が少ない紫外線によって行えば、導電性弾性層と表面層との密着性が高まり、導電性弾性層の膨張・収縮に表面層が十分に追従できるようになるため、環境の温湿度の変化による表面層のシワやクラックも抑制することができる。
また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150〜480nmの光を豊富に含む紫外線源が用いられる。
なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができ、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
その他のカチオン重合触媒としては、例えば、ボレート塩、イミド構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。
各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましく、特には、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記式(4)で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)や、
下記式(5)で示される構造を有する化合物(商品名:イルガキュア261、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
が好ましい。
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して1〜3質量%であることが好ましい。
次に表面層の膜厚について説明する。
一般的に、表面層の膜厚が薄い場合、帯電部材の帯電能を保持することが出来るため、画像形成上の構成として有利となるが、しかし、反面、低分子量成分のブリードアウトによるドラムアタック、また帯電ローラの清掃部材による表面の削れなどの問題があり、画像不良が発生することがある。本発明の場合、オキシアルキレン基を持つポリシロキサンは基層との密着性良好のため、低分子成分のブリードアウトを抑制することができ、またシロキサン結合が強固なため、清掃部材による削れを抑えられるため、表面層の薄膜化が可能となり、安定で良好な画像が得られる。
本発明の表面層の層厚は0.01〜2.0μmであることが好ましく、特には0.05〜1.0μmであることがより好ましい。表面層の膜厚が2.0μm以上の場合、耐久後半にて帯電能の保持が困難になることがあり、若干の画像不良が見られることがある。また表面層の膜厚が0.01μm以下の場合は、帯電ローラの清掃部材により表面が削れ易くなり、また低分子量成分のブリードアウトによるドラムアタックによる若干の画像不良が見られることがある。
また、電子写真感光体との当接ニップを十分に確保するために設けた導電性弾性層の機能を十分に発揮させる観点から、帯電部材の表面層の弾性率は2000MPa以下であることが好ましい。一方、一般的に、層の弾性率は小さくなるほど架橋密度が小さくなる傾向にあるため、帯電部材の表面にブリードアウトした低分子量成分による電子写真感光体の表面の汚染を抑制する観点から、帯電部材の表面層の弾性率は100MPa以上であることが好ましい。
また、帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着を抑制する観点から、帯電部材の表面(=表面層の表面)の粗さ(Rz)はJIS94で10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがより一層好ましい。
(2)帯電部材の清掃装置
次に、本発明の実施形態の特徴である帯電部材の清掃装置について、説明する。図1、図3、図4は本発明の実施形態に用いる帯電部材の清掃装置の説明図であり、図5、図6は帯電ローラの清掃装置の概略図である。図中、1〜3は帯電ローラの構成、4は感光ドラム、5〜8が清掃部材の構成で、5は可撓部材、6は支持部材、7は清掃ブラシ、8は清掃ローラ、δは清掃部材の侵入量である。
次に、本発明の実施形態の特徴である帯電部材の清掃装置について、説明する。図1、図3、図4は本発明の実施形態に用いる帯電部材の清掃装置の説明図であり、図5、図6は帯電ローラの清掃装置の概略図である。図中、1〜3は帯電ローラの構成、4は感光ドラム、5〜8が清掃部材の構成で、5は可撓部材、6は支持部材、7は清掃ブラシ、8は清掃ローラ、δは清掃部材の侵入量である。
本実施の形態に用いる帯電ローラの清掃部材は、特に限定されるものではないが、例えばブラシ型、ローラ型、パッド型、フィルム型などが挙げられる。その中でも、撓み変形自在な可撓部材を備え、該可撓部材を撓ませることによる反発力によって、該可撓部材を該前記帯電部材の表面に対して面接触させることを特徴とする清掃部材が好ましい。
例えば、帯電ローラの長手方向(軸方向)に対し平行に配置され、支持部材6と、可撓性を持つフィルム状部材であり該支持部材に一端を固定され自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラとの接触ニップを形成するよう配置された可撓部材としての例えばクリーニングフィルム5と、から構成されている。
クリーニングフィルム5としては、例えばフィルム厚50μmの樹脂フィルムを用いており、このクリーニングフィルムを帯電ローラの長手方向(軸方向)に対し平行に配置し、帯電ローラとの接触ニップを形成するよう配置された可撓部材としてのクリーニングフィルムを帯電部材の表面に対して面接触させる。
面接触させることにより、可撓部材と帯電部材との面接触部を摺動させながら均一に帯電部材に接触させることができ、面接触部においてこれらを摺動させることで帯電部材の表面を清掃する。すなわち、クリーニングフィルムを撓ませることによる反発力によって、可撓部材を帯電部材に対して面接触させるので軽圧かつ均一に帯電部材に接触させることができ、帯電部材に対する接触面積も小さくすることができ、面接触部の摺動により効果的に清掃できることがわかった。
このクリーニングフィルムの侵入量δの範囲は0.1〜6.0mmであることが好ましく、より好ましくは侵入量δが0.5〜4.0mmの範囲である。これは侵入量δが小さすぎると加圧力が低くなり、汚れを取りづらくなり、大きすぎると加圧力が高くなり、ローラを傷つけやすくなるからである。
また、フィルム膜厚は、10〜1000μmの範囲が好ましいが、制限されるものではなく、帯電ローラの寿命や使用するトナーの特性、感光ドラムを清掃する手段の性能などにより、適宜最適値を選択すればよい。
更に、可撓部材(クリーニングフィルム)を撓ませた反発力によって当接力を得ているので、接触ニップを0.5mm程度に抑えることができ、帯電ローラ全域において均一に当接させることができるため、帯電ローラの清掃部材が掻き取った汚染物は接触ニップ内に滞留しにくくなり、ローラ表面の汚れを画像上影響のない程度にとどめることができる。
また、清掃部材を構成する部品の精度にも従来に比べ、それほど高精度を要求されない。
なお、帯電ローラの清掃部材は、上述の様に樹脂フィルムをそのまま使用したものの他に、樹脂フィルムをグラインダー法やサンドブラスト法、ケミカルエッチング法、微粒子分散法などにより適度に粗くしたものも良い。
フィルム材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂、PTFE、PVDFなどのフッ素樹脂などから選ぶことが出来るが、この中でもポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルが好ましく、また、比較的摩擦係数が低く、機械的強度に優れており、摩擦帯電特性などの観点から良好であるポリイミドが特に好ましい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
帯電ローラの作製
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマー(登録商標)CG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)35部、ベントナイト(商品名:ベンゲル(登録商標)SH、ホージュン(株)製)、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)DM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)TS、大内新興化学(株)製)1部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマー(登録商標)CG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)35部、ベントナイト(商品名:ベンゲル(登録商標)SH、ホージュン(株)製)、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)DM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラー(登録商標)TS、大内新興化学(株)製)1部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
次に、混練物Iを、ゴム押し出し機で、外径9.5mm、内径5.4mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間1次加硫することによって、導電性弾性層用1次加硫チューブIを得た。
一方、直径6mm、長さ256mmの円柱形の鋼製の支持体(表面をニッケルメッキ加工したもの)の円柱面軸方向中央を挟んで両側115.5mmまでの領域(あわせて軸方向幅231mmの領域)に、金属およびゴムを含む熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、これを30分間80℃で乾燥させた後、さらに1時間120℃で乾燥させた。
この円柱面に熱硬化性接着剤を塗布し乾燥させた支持体を、導電性弾性層用1次加硫チューブIの中に挿入し、その後、導電性弾性層用1次加硫チューブIを1時間160℃で加熱した。この加熱によって、導電性弾性層用1次加硫チューブIが2次加硫され、また、熱硬化性接着剤が硬化した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性ローラIを得た。
次に、表面研磨前の導電性弾性ローラIの導電性弾性層部分(ゴム部分)の両端を切断し、導電性弾性層部分の軸方向幅を231mmとした後、導電性弾性層部分の表面を回転砥石で研磨することによって、端部直径8.2mm、中央部直径8.5mmのクラウン形状で、表面の十点平均粗さ(Rz)が5.5μmで、振れが22μmの導電性弾性ローラ(表面研磨後の導電性弾性ローラ)Iを得た。
十点平均粗さ(Rz)はJISB6101に準拠して測定した。
振れの測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザー測定機LSM−430vを用いて行った。詳しくは、該測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。
得られた導電性弾性ローラ(表面研磨後の導電性弾性ローラ)Iの硬度は74度(アスカーC)であり、表面自由エネルギーは39.8mJ/m2であった。
次に、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)と、水17.43gおよびエタノール37.88gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。
この縮合物Iを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分3質量%の縮合物含有アルコール溶液Iを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液I1100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Iに添加することによって、表面層用塗布液Iを調製した。
次に、導電性弾性ローラ(表面研磨後の導電性弾性ローラ)Iの導電性弾性層上に表面層用塗布液Iをリング塗布し、これに254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、表面層用塗布液Iを硬化(架橋反応による硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
紫外線の照射によってグリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基が開裂し、縮合物Iの架橋反応が生じたと考えられる。また、この際の表面層の膜厚は0.1μmであった。
以上のようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層(導電性弾性ローラIの導電性弾性層と同じ)、および、該導電性弾性層上に形成された表面層(表面層用塗布液Iを用いて形成したポリシロキサンを含有する層)を有する帯電ローラを作製した。この帯電ローラを、帯電ローラIとする。
作製した帯電ローラIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は27.5mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.26であり、表面層の静電容量(C)は1.84×10−8Fであった。
帯電ローラIの評価を実施例1の帯電ローラIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
また、帯電ローラIの表面層の組成分析を以下のとおりにして行った。
10〜1000倍の光学顕微鏡下、光学顕微鏡に設置した3次元粗微動マイクロマニピュレーター((株)ナリシゲ製)を用い、上記と同様にして作製した帯電ローラIの表面層から1mg程度の試料を採取した。
採取した試料を、TG−MS法(TG装置にMS装置を直結)により、加熱時に発生する気体の質量数ごとの濃度変化を、重量変化と同時に、温度の関数として追跡した。測定の条件を表1に示す。
上記条件で測定して得られたTG−DTG(Derivative thrmogravimetry)曲線によると、室温付近から重量減少が認められ、また、400〜500℃付近から、顕著な重量減少が認められた。
ここで、400℃〜500℃で発生する気体について、質量数(m/z)31、43、58、59のオキシアルキレン基(グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して37.36質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よってポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して100.00−37.36=62.64質量%である。
<清掃部材>
第一の清掃部材としては、帯電ローラの長手方向(軸方向)に対し平行に配置したクリーニングフィルムを選定し、該支持部材に一端を固定し、自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラ102との接触ニップを形成するよう配置した。
第一の清掃部材としては、帯電ローラの長手方向(軸方向)に対し平行に配置したクリーニングフィルムを選定し、該支持部材に一端を固定し、自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラ102との接触ニップを形成するよう配置した。
クリーニングフィルムは、フィルム厚50μmのポリイミドを主成分とする樹脂フィルムを用いており、支持部材121の固定端からl=約6mmの位置(図1)でニップ幅n=約0.5mmで当接する。この際、帯電ローラに対して侵入量を1.5mmとなるように設定した。このクリーニングフィルムを清掃部材Iとした。
・帯電ローラの画像評価
作製した帯電ローラIを用いて、以下に示す出力画像評価を行った。
作製した帯電ローラIを用いて、以下に示す出力画像評価を行った。
作製した帯電ローラIと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジをA4紙縦出力用のレーザービームプリンターに装着した。このレーザービームプリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは47mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
なお、帯電ローラIとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、上記と同様のものである。
また、上記レーザービームプリンターに使用したトナーは、ワックス、荷電制御剤、色素、スチレン、ブチルアクリレートおよびエステルモノマーを含む重合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られた粒子にシリカ微粒子および酸化チタン微粒子を外添してなるトナー粒子を含む、いわゆる重合トナーであって、そのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径は6μmである。
画像出力は、温度23℃、湿度55%の各環境下で行い、A4紙にハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を形成し、これを47mm/sのプロセススピードで6000枚出力した。
出力画像の評価は、初期と6000枚後での出力画像を目視することによって行った。
これらの帯電ローラの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラに起因する画像不良、清掃部材と帯電ローラの摺擦キズによる画像不良、ローラの外形変化による画像不良の3つの要因に分けて、以下のように評価ランクをつけた。
AA:画像不良などが確認できず、画像上全く問題のないもの。
A:画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題のないもの。
B:画像不良などが軽微に確認できるが、画像上大きな問題なく使用可能レベルのもの。
C:画像不良などが画像全体に確認でき、使用不可レベルのもの。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題が無かった。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例1において、表面層用塗布液IIを以下の表面層用塗布液IIに変更し、帯電ローラを作製した。(この帯電ローラを帯電ローラIIとする。)
表面層用塗布液IIは以下のようにして調製した。
表面層用塗布液IIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数10)3.34g(0.0047mol(加水分解性シラン化合物総量に対して2.3mol%相当))と、水16.6gおよびエタノール31.7gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IIを得た。
この縮合物IIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分3質量%の縮合物含有アルコール溶液IIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液II3100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IIIに添加することによって、表面層用塗布液IIを調製した。この塗布液IIを用いてリング塗布を行い、表面層の膜厚が0.1μmの帯電ローラIIを得た。
作製した帯電ローラIIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は22.1mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.26であり、表面層の静電容量(C)は4.78×10−8Fであった。
また、帯電ローラIIの表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラIの表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して40.00質量%であり、また、TG−DTG曲線によると、500〜600℃付近にも、顕著な重量減少が認められた。500℃〜600℃で発生する気体について、質量数(m/z)51、69、119、131のフッ化アルキル基(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシランのフッ化アルキル基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して11.90質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よって、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して48.10質量%であった。
また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などが全く無く、非常に良好な画像が得られた。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IIIに変更し、帯電ローラを作製した。(この帯電ローラを帯電ローラIIIとする。)
表面層用塗布液IIIは以下のようにして調製した。
表面層用塗布液IIIは以下のようにして調製した。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)24.04g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール53.82gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IIIを得た。
この縮合物IIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分0.5質量%の縮合物含有アルコール溶液IIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液III5100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IIIに添加することによって、表面層用塗布液IIIを調製した。この表面層用塗布液IIIをリング塗布法により表面層の膜厚が0.01μmの帯電ローラIIIを得た。
作製した帯電ローラIIIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は19.1mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.27であり、表面層の静電容量(C)は3.54×10−8Fであった。
帯電ローラIIIの評価を実施例1の帯電ローラIIIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
また、帯電ローラIIIの表面層の組成分析を、実施例1の帯電ローラIIIの表面層の組成分析と同様にして行ったところ、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して33.50質量%であり、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して12.90質量%であり、ポリシロキサン中のフェニル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して6.70質量%であり、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して46.90質量%であった。なお、400℃〜500℃で発生する気体については、質量数(m/z)78のベンゼンや質量数(m/z)91(トルエン)などのフェニル基も確認でき、これから上記フェニル基に関しての6.70質量%を算出した。
また、500℃〜600℃で発生する気体について、質量数(m/z)51、69、119、131のフッ化アルキル基(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシランのフッ化アルキル基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して19.20質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よってポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して100.00−(37.36+19.20)=43.44質量%である。
また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などが全く無く、非常に良好な画像が得られた。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例3において得られた縮合物IIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加する際に、固形分を0.2質量%まで下げた縮合物含有アルコール溶液IVを調製し、表面の膜厚が0.005μmとなる帯電ローラを作製した。また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題が無かった。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題が無かった。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例3において得られた縮合物IIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加する際に、固形分を10質量%まで上げた縮合物含有アルコール溶液IVを調製し、リング塗布法を繰り返し行うことによって表面の膜厚が1.8μmとなる帯電ローラを作製した。また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などが全く無く、非常に良好な画像が得られた。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例3において得られた縮合物IIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加する際に、固形分を20質量%まで上げた縮合物含有アルコール溶液IVを調製し、リング塗布法を繰り返し行うことによって表面の膜厚が2.2μmとなる帯電ローラを作製した。また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題が無かった。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例3において、清掃部材をブラシ形状の清掃部材IIにした以外は、実施例3と同様にして、帯電ローラの評価を行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題が無かった。
以上の評価結果を表2に示す。
実施例3において、清掃部材をポリイミド製のローラ形状の清掃部材IIIにした以外は、実施例3と同様にして、帯電ローラの評価を行った。
画像評価の結果、耐久後も画像不良などがほとんど確認できず、画像上問題が無かった。
以上の評価結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IVに変更し、帯電ローラを作製した。
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液IVに変更し、帯電ローラを作製した。
加水分解性シラン化合物としてのメチルトリメトキシシラン15.1g、メチルトリエトキシシラン17.8gと、フェニルメトキシシラン75.0gと水20.13gおよびエタノール41.88gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Iを得た。
この縮合物IVを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分3質量%の縮合物含有アルコール溶液IVを調製した。
また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、初期は大きな問題は無かったが、耐久後にローラの傷に起因する縦スジ模様が画像上全体的に見られ、トナーによる汚れに起因する帯電ムラも画像上多く見られた。また、ローラの形状変形に起因する画像不良も端部に見られ、使用不可レベルであった。
以上の評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液Vに変更し、帯電ローラを作製した。
実施例1において、表面層用塗布液Iを以下の表面層用塗布液Vに変更し、帯電ローラを作製した。
フェニルトリエトキシシラン16.04gおよびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン7.68gと、水15.23gおよびエタノール43.82gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Vを得た。
この縮合物Vを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分0.5質量%の縮合物含有アルコール溶液Vを調製した。
また、清掃部材は実施例1と同じ清掃部材Iを使用し、評価も実施例1と同様に行った。
画像評価の結果、耐久後にローラの傷に起因する縦スジ模様が画像上全体的に見られ、また、ローラの形状変形に起因する画像不良も端部に見られ、使用不可レベルであった。
以上の評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 帯電部材と該帯電部材に清掃部材を接触させて該帯電部材の清掃を行う清掃工程を有する帯電装置において、該帯電部材が該支持体の外周の最外層に少なくともオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する事を特徴とする帯電装置。
- 該帯電部材がオキシアルキレン基およびフッ化アルキル基を有するポリシロキサンを含有する事を特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
- 該帯電部材の最外層の膜厚が0.01μm以上2.0μm以下であることを特徴とする請求項1および2に記載の帯電装置。
- 該清掃部材が、撓み変形自在な可撓部材を備え、該可撓部材を撓ませることによる反発力によって、該可撓部材を該前記帯電部材の表面に対して面接触させることを特徴とする請求項1〜3に記載の帯電装置。
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