JP4841263B2 - 蛍光増白剤水性液状組成物及びそれを用いた蛍光増白方法 - Google Patents
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すなわち本発明は、下記式(1)
(式(1)中、XおよびYはそれぞれ独立に、モノもしくはジC1−5アルキルアミノ基、モノもしくはジC1−8アルカノールアミノ基、モルホリノ基、スルホエチルアミノ基、アミノ基、置換もしくは無置換のアニリノ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、またはC1−5アルコキシ基をそれぞれ表す)で表される蛍光増白剤またはその塩およびポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする蛍光増白剤水性液状組成物に関する。
上記蛍光増白剤水性液状組成物は、式(1)で表される蛍光増白剤またはその塩を5〜60重量%含有するのが好ましい。
上記蛍光増白剤水性液状組成物において、ポリビニルアルコール系樹脂は、重合度が100〜2000、鹸化度が70〜100mol%の未変性もしくは変性ポリビニルアルコールであるのが好ましく、更に変性ポリビニルアルコールとしては、アニオン性官能基もしくはノニオン性官能基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
上記蛍光増白剤水性液状組成物は、ポリビニルアルコール系樹脂を2〜20重量%含有するのが好ましい。
更に本発明は、上記蛍光増白剤水性液状組成物を用いるセルロース系材料の蛍光増白方法に関する。
上記蛍光増白方法においては、内添法または外添法により蛍光増白するのが好ましい。
上記式(1)で示されるビストリアジニルアミノスチルベン系の蛍光増白剤において、置換基XおよびYはそれぞれ独立に、モノもしくはジC1−5アルキルアミノ基、モノもしくはジC1−8アルカノールアミノ基、モルホリノ基、スルホエチルアミノ基、アミノ基、置換もしくは無置換のアニリノ基、置換もしくは無置換のフェノキシ基、またはC1−5アルコキシ基をそれぞれ表す。
モノもしくはジC1−5アルキルアミノ基の好ましいものとしては、ジメチルアミノおよびジエチルアミノが挙げられる。
これらの塩の内、特に好ましいものはナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、アンモニアのカチオンとの間で形成される塩である。
鹸化度としては、70〜100mol%が好ましく、更には85〜99.9mol%が、特には90〜99.7mol%が好ましく用いられる。鹸化度が低すぎると、増白効果が低下する傾向にあり、逆に高すぎると、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物の粘性が高くなりすぎるため、好ましくない。
本発明の蛍光増白剤水性液状組成物は、式(1)の化合物またはその塩を5〜60重量%含有するのが好ましく、特に5〜40重量%含有するのが好ましい。また、PVA系樹脂を2〜20重量%含有するのが好ましく、特に5〜15重量%含有するのが好ましい。
本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製する際には、通常に使用されるモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン類、尿素、ジエチレングリコール、ポリエチレングルコール等のグリコール類のような添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物が通常5〜15重量%を含有する量で添加される。
本実施例においてステキヒトサイズ度はJIS P8122に従い測定した。本試験法の詳細は日本工業標準調査会のホームページ上で閲覧することが可能である。
下記式(2)の化合物(式(1)において、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yがジイソプロパノールアミノの化合物)を公知の合成方法で製造し、通常の酸塩析にてプレスケーキを得た。得られたプレスケーキ29部(重量比)にPVA(日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール NL−05」、鹸化度99mol%、重合度500)10部(重量比)を加えた後、さらに水を加えて100部(重量比)となるように調整し、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例1のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール N−300」、鹸化度99mol%、重合度1800、10部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例1のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセラン CKS−50」、鹸化度99mol%、重合度250、5部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。なお「ゴーセラン CKS−50」はスルホン酸変性PVAである。
実施例1のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセファイマー Z−100」、鹸化度99mol%、重合度500、10部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。なお、「ゴーセファイマー Z−100」はアセトアセチル基変性PVAである。
実施例1のPVAを添加しない以外は実施例1と同様にして蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
下記式(3)の化合物(式(1)においてXが2,5−ジスルホアニリノ、Yがジエタノールアミノの化合物)を公知の合成方法で製造し、通常の酸塩析にてプレスケーキを得た。得られたプレスケーキ34部(重量比)にPVA(日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール NL−05」、鹸化度99mol%、重合度500)10部(重量比)と尿素20部を加えた後、さらに水を加えて100部(重量比)となるように調整し、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例5のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセラン CKS−50」、鹸化度99mol%、重合度250、5部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例5のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール GL−05」、鹸化度88mol%、重合度500、10部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例5のPVAを添加しない以外は実施例5と同様にして蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
下記式(4)の化合物(式(1)において、Xが4−スルホアニリノ、Yがジエタノールアミノの化合物)を公知の合成方法で製造し、通常の酸塩析にてプレスケーキを得た。得られたプレスケーキ53部(重量比)にPVA(日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール NL−05」、鹸化度99mol%、重合度500)10部(重量比)と尿素10部を加えた後、さらに水を加えて100部(重量比)となるように調整し、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例8のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセラン CKS−50」、鹸化度99mol%、重合度250、5部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例8のPVAを添加しない以外は実施例8と同様にして蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
下記式(5)の化合物(式(1)において、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yがフェノキシ基の化合物)を公知の合成方法で製造し、通常の酸塩析にてプレスケーキを得た。得られたプレスケーキ51部(重量比)にPVA(日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール NL−05」、鹸化度99mol%、重合度500)10部(重量比)とトリエタノールアミン10部を加えた後、さらに水を加えて100部(重量比)となるように調整し、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例10のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセラン CKS−50」、鹸化度99mol%、重合度250、5部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例10のPVAを添加しない以外は実施例10と同様にして蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
下記式(6)の化合物(式(1)において、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yがジエチルアミノの化合物)を公知の合成方法で製造し、通常の酸塩析にてプレスケーキを得た。得られたプレスケーキ41部(重量比)にPVA(日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール NL−05」、鹸化度99mol%、重合度500)10部(重量比)と尿素10部を加えた後、さらに水を加えて100部(重量比)となるように調整し、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例12のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセラン CKS−50」、鹸化度99mol%、重合度250、5部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例12のPVAを添加しない以外は実施例12と同様にして蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
下記式(7)の化合物(式(1)において、Xがメトキシ、Yがジエタノールアミノの化合物)を公知の合成方法で製造し、通常の酸塩析にてプレスケーキを得た。得られたプレスケーキ59部(重量比)にPVA(日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセノール NL−05」、鹸化度99mol%、重合度500)10部(重量比)と尿素10部を加えた後、さらに水を加えて100部(重量比)となるように調整し、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例14のPVAを日本合成化学工業株式会社製 商品名「ゴーセラン CKS−50」、鹸化度99mol%、重合度250、5部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例14のPVAを添加しない以外は実施例14と同様にして蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物を40部にクレー500部、重質炭酸カルシウム500部、アクリル系分散剤(日本化薬株式会社製 Kayacryl Resin C−220N)3部、リン酸エステル化澱粉(日本食品加工株式会社製 MS−4600)50部、ラテックス(旭化成工業株式会社製 スチレン−ブタジエン系L−1622)120部、耐水化剤(住友化学株式会社製 Sumirez Resin 636)4部からなる混合物について、水を加えて固形物が55%になるように調整したコート液を作製し、上質紙に塗布し、120℃で乾燥して蛍光増白された紙について分光白色度測色計(スガ試験機(株)製 SC−10W)を用いて測色した結果を表1に示す。白色度は、JIS P 8148に準じて求めた。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物の代わりに、それぞれ実施例2−15で得られた蛍光増白剤水性液状組成物を用いる以外は実施例16と同様にして蛍光増白された紙を作製し、分光白色度測色計を用いて測色した結果を表1に示す。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物の代わりに、それぞれ比較例1−6で得られた蛍光増白剤水性液状組成物を用いる以外は実施例16と同様にして蛍光増白された紙を作製し、分光白色度測色計を用いて測色した結果を表1に示す。白色度は、JIS P 8148に準じて求めた。
実施例5のPVAをε−カプロラクタム10部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物の代わりに比較例13で得られた蛍光増白剤水性液状組成物を用いる以外は実施例16と同様にして蛍光増白された紙を作製し、分光白色度測色計を用いて測色した結果を表1に示す。
実施例8のPVAをε−カプロラクタム10部(重量比)に変更した蛍光増白剤水性液状組成物を調製した。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物の代わりに比較例15で得られた蛍光増白剤水性液状組成物10部を用いる以外は実施例16と同様にして蛍光増白された紙を作製し、分光白色度測色計を用いて測色した結果を表1に示す。白色度は、JIS P 8148に準じて求めた。
実施例および 用いた蛍光増白剤 白色度
比較例 水性液状組成物
実施例16 実施例1 97.9
実施例17 実施例2 97.6
実施例18 実施例3 97.5
実施例19 実施例4 97.8
比較例7 比較例1 96.2
実施例20 実施例5 96.7
実施例21 実施例6 96.4
実施例22 実施例7 96.3
比較例8 比較例2 94.9
比較例14 比較例13 95.1
実施例23 実施例8 95.7
実施例24 実施例9 95.4
比較例9 比較例3 94.2
比較例16 比較例15 94.4
実施例25 実施例10 97.3
実施例26 実施例11 97.0
比較例10 比較例4 95.4
実施例27 実施例12 97.7
実施例28 実施例13 97.0
比較例11 比較例5 96.1
実施例29 実施例14 95.0
実施例30 実施例15 94.5
比較例12 比較例6 93.5
式(3)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例20〜22の白色度は96.3〜96.7であり、PVAを使用しない比較例8が同様に94.9であるのに対して1.4〜1.8ポイントも高い白色度を示した。さらにPVAの代わりにε−カプロラクタムを使用した比較例14については同様に95.1であり、これに対しても1.2〜1.6ポイントも高い白色度を示し、コート法における本願発明の優位性が示された。
式(4)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例23〜24の白色度は95.4〜95.7であり、PVAを使用しない比較例9が同様に94.2であるのに対して1.2〜1.5ポイントも高い白色度を示した。さらにPVAの代わりにε−カプロラクタムを使用した比較例16については同様に94.4であり、これに対しても1.0〜1.3ポイントも高い白色度を示し、コート法における本願発明の優位性が示された。
式(5)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例25〜26の白色度は97.0〜97.3であり、PVAを使用しない比較例10が同様に95.4であるのに対して1.6〜1.9ポイントも高い白色度を示した。
式(6)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例27〜28の白色度は97.0〜97.7であり、PVAを使用しない比較例11が同様に96.1であるのに対して0.9〜1.6ポイントも高い白色度を示した。
式(7)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例29〜30の白色度は94.5〜95.0であり、PVAを使用しない比較例12が同様に93.5であるのに対して1.0〜1.5ポイントも高い白色度を示した。
以上のように式(1)で示される化合物とPVAを併用した場合には、PVAを用いない場合と比較し最も低い値で0.9ポイント、最も高い値では1.9ポイントもの白色度の増加が見られ、本発明の蛍光増白剤水性液状組成物の有用性が証明された。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物20部と3%酸化澱粉(日本食品加工株式会社製 MS−3800)976部とからなる水溶液にアニオン系表面サイズ剤(荒川化学工業製 ポリマロン382)4部を加えた液をサイズ塗工液とする。この液をサイズプレス機に送り、ステキヒトサイズ度7秒の弱サイズ紙に塗布し、65℃から70℃で乾燥して蛍光増白された紙について分光白色度測色計(スガ試験機(株)製 SC−10W)を用いて測色した結果を表2に示す。白色度は、JIS P 8148に準じて求めた。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物を用いる以外は実施例31と同様にして蛍光増白された紙を作製し、分光白色度測色計を用いて測色した結果を表2に示す。
実施例1で得られた蛍光増白剤水性液状組成物の代わりに、それぞれ比較例1−6で得られた蛍光増白剤水性液状組成物を用いる以外は実施例31と同様にして蛍光増白された紙を作製し、分光白色度測色計を用いて測色した結果を表2に示す。白色度は、JIS P 8148に準じて求めた。
実施例および 用いた蛍光増白剤 白色度
比較例 水性液状組成物
実施例31 実施例1 99.8
実施例32 実施例2 99.6
実施例33 実施例3 99.2
実施例34 実施例4 99.8
比較例17 比較例1 98.0
実施例35 実施例5 98.7
実施例36 実施例6 98.0
実施例37 実施例7 98.4
比較例18 比較例2 97.2
実施例38 実施例8 96.9
実施例39 実施例9 96.5
比較例19 比較例3 95.7
実施例40 実施例10 99.0
実施例41 実施例11 98.7
比較例20 比較例4 97.5
実施例42 実施例12 99.4
実施例43 実施例13 99.0
比較例21 比較例5 97.7
実施例44 実施例14 95.3
実施例45 実施例15 95.0
比較例22 比較例6 94.0
式(3)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例35〜37の白色度は98.0〜98.7であり、PVAを使用しない比較例18が同様に97.2であるのに対して0.8〜1.5ポイントも高い白色度を示した。
式(4)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例38〜39の白色度は96.5〜96.9であり、PVAを使用しない比較例19が同様に95.7であるのに対して0.8〜1.2ポイントも高い白色度を示した。
式(5)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例40〜41の白色度は98.7〜99.0であり、PVAを使用しない比較例20が同様に97.5であるのに対して1.2〜1.5ポイントも高い白色度を示した。
式(6)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例42〜43の白色度は99.0〜99.4であり、PVAを使用しない比較例21が同様に97.7であるのに対して1.3〜1.7ポイントも高い白色度を示した。
式(7)の化合物と各種PVAを併用した本発明の実施例44〜45の白色度は95.0〜95.3であり、PVAを使用しない比較例22が同様に94.0であるのに対して1.0〜1.3ポイントも高い白色度を示した。
Claims (7)
- 上記式(2)で表される蛍光増白剤またはその塩を5〜60重量%含有する請求項1に記載の蛍光増白剤水性液状組成物。
- ポリビニルアルコール系樹脂が、重合度が100〜2000、鹸化度が70〜100mol%の未変性もしくは変性ポリビニルアルコールである請求項1または2に記載の蛍光増白剤水性液状組成物。
- 変性ポリビニルアルコールが、アニオン性官能基もしくはノニオン性官能基を有する変性ポリビニルアルコールである請求項3に記載の蛍光増白剤水性液状組成物。
- ポリビニルアルコール系樹脂を2〜20重量%含有する請求項1から4のいずれか一項に記載の蛍光増白剤水性液状組成物。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の蛍光増白剤水性液状組成物を用いるセルロース系材料の蛍光増白方法。
- 内添法または外添法により蛍光増白する請求項6に記載の蛍光増白方法。
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