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JP4737026B2 - 内燃機関 - Google Patents

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JP4737026B2 JP2006275198A JP2006275198A JP4737026B2 JP 4737026 B2 JP4737026 B2 JP 4737026B2 JP 2006275198 A JP2006275198 A JP 2006275198A JP 2006275198 A JP2006275198 A JP 2006275198A JP 4737026 B2 JP4737026 B2 JP 4737026B2
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Description

本発明は、複数の燃焼室を有して、この燃焼室に対して複数の排気通路が設けられた内燃機関に関するものである。
一般的な多気筒エンジンにおいて、エンジン本体に複数の気筒(燃焼室)が設けられ、シリンダブロックの各シリンダにピストンが移動自在に嵌合し、各ピストンは下部に回転自在に支持されたクランクシャフトに連結されており、シリンダブロックの上部にシリンダヘッドが締結されることで各燃焼室が構成されている。各燃焼室には吸気ポート及び排気ポートが形成され、吸気弁及び排気弁により開閉可能となっている。そして、各吸気ポートに吸気管が連結される一方、各排気ポートに排気管がそれぞれ連結され、この排気管に過給機や浄化触媒が装着されている。
このような多気筒エンジンにて、一つの燃焼室に対して2つの独立した排気ポートを設け、各排気ポートにそれぞれ排気通路を連結し、一方の排気通路に過給機を装着し、他方の排気通路に前段浄化触媒を装着することで、残留ガス量の減少による性能向上と、冷間始動時における触媒暖機性能の向上によるエミッションの低減を図ったものがある。即ち、エンジンの冷間始動時に、排気ガスを他方の排気通路に流し、前段浄化触媒を効果的に暖機することで早期活性化により排気浄化性能が向上する。また、エンジンの高負荷時に、排気ガスを一方の排気通路に流し、この大量の排気ガスにより過給機を駆動することで、高過給を可能として性能が向上する。
なお、一つの気筒あたり二つの排気ポートを形成してそれぞれは域通路を連結し、一方の排気通路をターボ過給機に接続し、他方の排気通路を排気通路ユニットを介してターボ過給機に接続し、排気通路ユニットに運転状態に応じて開閉する制御弁を設けたものとして、下記特許文献1に記載されたエンジンの排気装置がある。また、第1気筒に接続された第1排気管と、第2気筒に接続された第2排気管とを下流端部で合流して触媒を装着し、温度の降下量の大きい第1排気管を二重構造としたものとして、下記特許文献2に記載された内燃機関の排気浄化装置がある。
特公平07−045825号公報 特開平08−121153号公報
上述した従来のエンジンでは、排気ガスを他方の排気通路に流すことで、前段浄化触媒を効果的に暖機して早期活性化を図ると共に、排気ガスを一方の排気通路に流すことで、過給機による性能向上を図っている。ところが、一つの燃焼室に対して単に2つの独立した排気通路を設け、エンジンの運転状態に応じて切換えるようにしても、全量の排気ガスが段浄化触媒や過給機に導入されるものの、排気ガスの熱エネルギが十分に活用されていない。また、エンジンの各燃焼室では、順番に爆発が発生することから、排気干渉が発生して過給機の稼動効率が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、運転状態に応じて排気ガスの熱エネルギを効果的に活用することで排気浄化効率及び性能の向上を図った内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関は、複数の燃焼室と、該複数の燃焼室に連結される吸気通路と、該吸気通路を開閉する吸気弁と、前記複数の燃焼室に連結される第1排気通路と、該第1排気通路を開閉する第1排気弁と、前記複数の燃焼室に連結されて前記第1排気通路より大きな熱容量を有する第2排気通路と、該第2排気通路を開閉する第2排気弁と、前記燃焼室から排出される排気ガスの経路を前記第1排気通路と前記第2排気通路との間で切換可能な排気切換手段と、運転状態に応じて前記排気切換手段を制御する排気制御手段とを具え、前記排気制御手段は前記排気切換手段を制御することで、冷間始動時及び低回転低負荷時には排気ガスの経路を前記第1排気通路に切換え、低回転高負荷時には排気ガスの経路を前記第2排気通路に切換え、高回転時には排気ガスの経路を前記第1排気通路及び前記第2排気通路に切換えることを特徴とするものである。
本発明の内燃機関では、前記第1排気通路における通路表面積より前記第2排気通路における通路表面積が大きく設定されることを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記複数の燃焼室に連通する前記第1排気通路における各第1排気ポートの通路断面積より前記第2排気通路における各第2排気ポートの通路断面積が大きく設定されることを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記複数の燃焼室に連通する前記第1排気通路における各第1排気ポート同士、または、前記複数の燃焼室に連通する前記第2排気通路における各第2排気ポート同士が隣接して配設され、隣接する前記各排気ポートを集合通路によりシリンダヘッド内で合流させることを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記第2排気通路は、前記複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室同士が集合することを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記排気制御手段は前記排気切換手段を制御することで、燃料カット時には排気ガスの経路を前記第2排気通路に切換えることを特徴としている。
本発明の内燃機関によれば、一つの燃焼室に対して2つの排気通路を連結し、第1排気通路の熱容量よりも第2排気通路の熱容量を大きく設定し、排気切換手段により排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能とし、排気制御手段が排気切換手段を制御することで、冷間始動時及び低回転低負荷時には排気ガスの経路を第1排気通路に切換え、低回転高負荷時には排気ガスの経路を第2排気通路に切換え、高回転時には排気ガスの経路を第1排気通路及び第2排気通路に切換えるようにしたので、運転状態に応じて排気ガスの経路が熱容量の小さい第1排気通路と熱容量の大きい第2排気通路との間で切換得られることとなり、排気ガスの熱エネルギを効果的に活用することで、触媒の暖機性能を上げて排気浄化効率を向上することができると共に、出力性能を向上することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関を表す直列4気筒エンジンの概略平面図、図2は、実施例1の直列4気筒エンジンの概略断面図、図3は、実施例1の直列4気筒エンジンにおける運転状態に対する排気通路切換マップである。
本実施例の内燃機関として直列4気筒エンジンを適用している。この直列4気筒エンジンにおいて、図1及び図2に示すように、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された4つのシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
4つの燃焼室18(18a,18b,18c,18d)は、シリンダブロック11におけるシリンダボア13の壁面とシリンダヘッド12の下面とピストン14の頂面により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この各燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に一対の吸気ポート19(19a,19b,19c,19d)及び一対の排気ポート20(20a1,20a2,20b1,20b2,20c1,20c2,20d1,20d2)が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21(21a,21b,21c,21d)及び排気弁22(22a1,22a2,22b1,22b2,22c1,22c2,22d1,22d2)の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向(図2にて上方)に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
なお、図示しないが、クランクシャフト16に固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24にそれぞれ固結された各カムシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフト16と吸気カムシャフト23と排気カムシャフト24が連動可能となっている。
従って、クランクシャフト16に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。この場合、この吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、クランクシャフト16が2回転(720度)する間に1回転(360度)するように設定されている。そのため、エンジン10は、クランクシャフト16が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が1回転することとなる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)27,28となっている。この吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の軸端部にVVTコントローラ29,30が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ31,32からの油圧をこのVVTコントローラ29,30の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフト23,24の位相を変更し、吸気弁21及び排気弁22の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気弁21及び排気弁22の作用角(開放期間)及びリフト量(開放量)も変更可能となっている。また、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ33,34が設けられている。
吸気ポート19には、吸気マニホールド35を介してサージタンク36が連結され、このサージタンク36に吸気管37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にはエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の下流側にスロットル弁39を有する電子スロットル装置40が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ41が装着されており、このインジェクタ41は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜して配置されている。各気筒に装着されるインジェクタ41はデリバリパイプ42に連結され、このデリバリパイプ42には高圧燃料供給管43を介して高圧燃料ポンプ44が連結されている。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ45が装着されている。
なお、本実施例では、吸気ポート19(19a,19b,19c,19d)、吸気マニホールド35、サージタンク36、吸気管37などにより本発明の吸気通路が構成されている。
一方、本実施例の排気系は、一つの燃焼室に対して2つの排気通路が設けられ、この各排気通路は複数の燃焼室から排出された排気ガスを集合して排出するように構成され、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。
即ち、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2は、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2により開閉可能であり、互いに隣り合う第1気筒の排気ポート20a2と第2気筒の排気ポート20b2がシリンダヘッド12内の集合通路46で集合し、第3気筒の排気ポート20c2と第4気筒の排気ポート20d2がシリンダヘッド12内の集合通路47で集合しており、各集合通路46,47が第1連結管48により連結されている。一方、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1は、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1により開閉可能であり、互いに隣り合う第2気筒の排気ポート20b1と第3気筒の排気ポート20c1がシリンダヘッド12内の集合通路49で集合しており、この集合通路49と第1気筒の排気ポート20a1と第4気筒の排気ポート20d1が第2連結管50により連結されている。
そして、第1連結管48に第1排気管51が連結され、第2連結管50に第2排気管52が連結され、各連結管51,52の下流端部が合流して排気集合管53が連結されている。この排気集合管53の上流側には前段浄化触媒54が装着され、下流側には後段浄化触媒55が装着されている。この場合、前段浄化触媒54は、三元触媒であって、排気空燃比がストイキのときに排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxを酸化還元反応により同時に浄化処理するものである。また、後段浄化触媒55は、NOx吸蔵還元型触媒であって、排気空燃比がリーンのときに排気ガス中に含まれるNOxを一旦吸蔵し、排気ガス中の酸素濃度が低下したリッチ燃焼領域またはストイキ燃焼領域にあるときに、吸蔵したNOxを放出し、添加した還元剤としての燃料によりNOxを還元するものである。
また、本実施例では、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2(第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2)の通路断面積より、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1(第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1)の通路断面積が大きく設定されると共に、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2と第1連結管48と第1排気管51とからなる第1排気通路の通路表面積より、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1と第2連結管50と第2排気管52とからなる第2排気通路の通路表面積が大きく設定されることで、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。
また、第2排気通路を構成する第2排気ポート20b1,20c1をシリンダヘッド12内で集合する集合通路49は、複数の燃焼室18のうちの爆発が連続しない燃焼室18b,18c同士が隣接して集合するようになっている。
車両には電子制御ユニット(ECU)61が搭載されており、このECU61は、インジェクタ41や点火プラグ45などを制御可能となっている。即ち、吸気管37の上流側にはエアフローセンサ62及び吸気温センサ63が装着され、また、サージタンク36には吸気圧センサ64が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、吸気圧(吸気管負圧)をECU61に出力している。また、電子スロットル装置40にはスロットルポジションセンサ65が装着されており、現在のスロットル開度をECU61に出力しており、アクセルポジションセンサ66は、現在のアクセル開度をECU61に出力している。更に、クランク角センサ67は、検出した各気筒のクランク角度をECU61に出力し、このECU61は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。また、シリンダブロック11にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ68が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU61に出力している。一方、排気集合管53には、前段浄化触媒54の上流側に位置して排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ69が設けられており、検出した排気空燃比をECU61に出力している。
従って、ECU61は、検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量(燃料噴射時間)、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ41及び点火プラグ45を駆動して燃料噴射及び点火を実行する。また、ECU61は、検出した排気ガスの空燃比をフィードバックして空燃比が所望の空燃比となるように燃料噴射量を補正している。
また、ECU61は、エンジン運転状態に基づいて吸気・排気可変動弁機構27,28を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
ところで、本実施例のエンジンにあっては、上述したように、第1排気通路として、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2、集合通路46,47、第1連結管48、第1排気管51が設けられ、第2排気通路として、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52が設けられており、第1排気通路の熱容量より第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。また、各燃焼室18(18a,18b,18c,19d)から排出される排気ガスの経路を、この第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能な排気切換手段として、排気可変動弁機構28を適用している。そして、排気制御手段としてのECU61は、エンジンの運転状態に応じて排気可変動弁機構28を制御することで、排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換えるようにしている。
即ち、図1乃至図3に示すように、ECU61は、エンジンの冷間始動時や低回転低負荷時などの運転領域Aのときには、第2排気通路を閉止して第1排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を0として第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を常時閉止する一方、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を確保して第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を開放することで、排気ガスの経路を第1排気通路に切換える。
従って、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、熱容量が低い第1排気通路を構成する第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2、集合通路46,47、第1連結管48、第1排気管51を通って排気集合管53に流れて前段浄化触媒54に流入することとなり、前段浄化触媒54より上流側の第1排気通路での排気ガスの熱エネルギの損失を低減し、排気ガスの熱エネルギを前段浄化触媒54に効率的に供給することで、前段浄化触媒54が短時間で活性化することとなる。
また、ECU61は、エンジンの低回転高負荷時などの運転領域Bのときには、第1排気通路を閉止して第2排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を0として第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を常時閉止する一方、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を確保して第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を開放することで、排気ガスの経路を第2排気通路に切換える。
従って、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、熱容量が高い第2排気通路を構成する第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52を通って排気集合管53に流れることとなり、排気干渉が抑制されて出力性能が向上することとなる。
更に、ECU61は、エンジンの高回転時などの運転領域Cのときには、第1排気通路及び第2排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を確保して第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を開放すると共に、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を確保して第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を開放することで、排気ガスの経路を第1排気通路及び第2排気通路の両方とするように切換える。
従って、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、第1排気通路を構成する第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2、集合通路46,47、第1連結管48、第1排気管51を通って排気集合管53に流れると共に、第2排気通路を構成する第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52を通って排気集合管53に流れることとなり、排気流路面積が大きくなって背圧が低減され、出力性能が向上すると共に燃費が向上することとなる。
なお、図3に表す運転状態に対する排気通路切換マップにて、エンジン回転数は、クランク角センサ67が検出した各気筒のクランク角度に基づいてECU61が算出している。また、エンジン負荷は、エアフローセンサ62が検出した吸入空気量、スロットルポジションセンサ65が検出したスロットル開度、アクセルポジションセンサ66が検出したアクセル開度、または、体積効率、筒内圧などを適用すればよい。
また、ECU61は、燃料カット時などの運転領域のときには、第1排気通路を閉止して第2排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を0として第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を常時閉止する一方、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を確保して第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を開放することで、排気ガスの経路を第2排気通路に切換える。
従って、燃料カットにより低温となって各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、熱容量が高い第2排気通路を構成する第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52を通って排気集合管53に流れて前段浄化触媒54に流入することとなり、前段浄化触媒54より上流側の第2排気通路で排気ガスの熱エネルギが奪われて低減し、更に低温となった排気ガスを前段浄化触媒54に供給することで、前段浄化触媒54を短時間で冷却することとなり、触媒貴金属の熱劣化が抑制される。
このように実施例1の内燃機関にあっては、直接4気筒エンジンにて、燃焼室18a,18b,18c,18dに対して第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2等を介して第1排気管51を連結すると共に、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1等を介して第2排気管52を連結し、第1排気管51からなる第1排気通路よりも第2排気管52からなる第2排気通路の熱容量を大きく設定し、排気可変動弁機構28により燃焼室18a,18b,18c,18dから排出される排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能とし、ECU61は、エンジン運転状態に応じて排気可変動弁機構28を制御するようにしている。
従って、エンジン運転状態に応じて排気ガスの経路が熱容量の小さい第1排気通路と熱容量の大きい第2排気通路との間で切換得られることとなり、排気ガスの熱エネルギを効果的に活用することで、前段浄化触媒54の暖機性能を上げて排気浄化効率を向上することができると共に、出力性能を向上することができる。
また、実施例1の内燃機関では、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2の通路断面積より、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1の通路断面積を大きく設定すると共に、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2と第1連結管48と第1排気管51とからなる第1排気通路の通路表面積より、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1と第2連結管50と第2排気管52とからなる第2排気通路の通路表面積を大きく設定することで、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量を大きく設定している。従って、簡単な構成で第1排気通路と第2排気通路との熱容量を変えることができ、構造の簡素化及び低コスト化を可能とすることができる。
また、実施例1の内燃機関では、ECU61は、排気可変動弁機構28を制御することで、冷間始動時及び低回転低負荷時には排気ガスの経路を第1排気通路に切換え、低回転高負荷時には排気ガスの経路を第2排気通路に切換え、高回転時には排気ガスの経路を第1排気通路及び第2排気通路の両方に切換えるようにしている。
従って、冷間始動時や低回転低負荷時に、排気ガスは熱容量が低い第1排気通路に流入することとなり、前段浄化触媒54より上流側の第1排気通路での排気ガスの熱エネルギの損失を低減し、排気ガスの熱エネルギを前段浄化触媒54に効率的に供給することで、前段浄化触媒54を短時間で活性化することができる。また、エンジンの低回転高負荷時に、排気ガスは熱容量が高い第2排気通路に流入することとなり、排気干渉が抑制されて出力性能を向上することができる。更に、エンジンの高回転時に、排気ガスは第1排気通路及び第2排気通路に流入することとなり、排気流路面積が大きくなって背圧が低減され、出力性能を向上することができると共に、燃費を向上することができる。
また、エンジンの燃料カット時に、排気ガスの経路を第2排気通路に切換えることで、排気ガスは熱容量が高い第2排気通路に流入することとなり、前段浄化触媒54より上流側の第2排気通路で排気ガスの熱エネルギが奪われて低減し、更に低温となった排気ガスを前段浄化触媒54に供給することで、前段浄化触媒54を短時間で冷却することとなり、触媒貴金属の熱劣化を抑制することができる。
更に、実施例1の内燃機関では、第2排気通路を構成する第2排気ポート20b1,20c1をシリンダヘッド12内で集合する集合通路49が、複数の燃焼室18のうちの爆発が連続しない燃焼室18b,18c同士が隣接して集合するようにしている。従って、排気脈動の干渉による性能低下を防止することができる。
そして、この実施例1では、第1排気管51と第2排気管52の下流端部を合流して排気集合管53を連結し、この排気集合管53に浄化触媒54,55を装着している。従って、エンジンのどのような運転状態であっても、排気ガスが排気集合管53から浄化触媒54,55に流入することとなり、排気浄化効率を向上することができる。
また、実施例1では、低熱容量側の第1排気通路を構成する集合通路46,47をシリンダヘッド12内に形成することで、排気マニホールドを廃止している。従って、浄化触媒54,55に流れる排気ガスの温度低下を抑制することができ、触媒暖機性を向上することができる。また、高熱容量側の第2排気通路を構成する集合通路49をシリンダヘッド12内に形成することで、排気マニホールドを廃止している。従って、高負荷時に排気ガスの温度上昇を抑制することができ、燃焼悪化を防止することができ、燃費を向上することができる。この場合、シリンダヘッド12内での集合通路46,47,49の交差をなくして排気通路をコンパクトに構成することができる。
図4は、本発明の実施例2に係る内燃機関を表す直列4気筒エンジンの概略平面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例の内燃機関として直列4気筒エンジンを適用している。この直列4気筒エンジンにおいて、図4に示すように、4つの燃焼室18a,18b,18c,18dに対して、吸気ポート19a,19b,19c,19d及び排気ポート20a1,20a2,20b1,20b2,20c1,20c2,20d1,20d2が形成されており、吸気弁21a,21b,21c,21d及び排気弁22a1,22a2,22b1,22b2,22c1,22c2,22d1,22d2により開閉可能となっている。
そして、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2は、隣り合う第1気筒の排気ポート20a2と第2気筒の排気ポート20b2が集合通路46で集合し、第3気筒の排気ポート20c2と第4気筒の排気ポート20d2が集合通路47で集合し、各集合通路46,47が第1連結管48により連結されている。一方、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1は、隣り合う第2気筒の排気ポート20b1と第3気筒の排気ポート20c1が集合通路49で集合し、この集合通路49と第1気筒の排気ポート20a1と第4気筒の排気ポート20d1が第2連結管50により連結されている。
そして、第1連結管48に第1排気管51が連結され、第2連結管50に第2排気管52が連結され、各排気管51,52の下流端部が合流して排気集合管53が連結され、前段浄化触媒54と後段浄化触媒55が装着されている。
このように本実施例では、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2の通路断面積より、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1の通路断面積が大きく設定されると共に、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2と第1連結管48と第1排気管51とからなる第1排気通路の通路表面積より、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1と第2連結管50と第2排気管52とからなる第2排気通路の通路表面積が大きく設定されることで、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。この場合、第2排気通路を構成する第2排気ポート20b1,20c1を集合する集合通路49は、複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室18b,18c同士が隣接して集合するようになっている。
また、本実施例のエンジンの排気系には、ターボ過給機71が設けられている。このターボ過給機71は、吸気管37側に設けられたコンプレッサ72と第2排気管52側に設けられたタービン73とが連結軸74により一体に連結されて構成されている。この場合、ターボ過給機71は、熱容量の大きい側の第2排気管52からの排気ガスによりタービン73が駆動可能である。そして、このターボ過給機71におけるコンプレッサ72の下流側であって、電子スロットル装置40(スロットル弁39)の上流側の吸気管37に、このコンプレッサ72により圧縮されて温度上昇した吸入空気を冷却するインタークーラ75が設けられている。
そして、本実施例のエンジンにあっては、上述したように、第1排気通路として、第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2、集合通路46,47、第1連結管48、第1排気管51が設けられ、第2排気通路として、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52が設けられており、第1排気通路の熱容量より第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。また、排気可変動弁機構28により、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出される排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能とし、ECU61がエンジンの運転状態に応じて排気可変動弁機構28を制御している。
即ち、ECU61は、エンジンの冷間始動時や低回転低負荷時には、第2排気通路を閉止して第1排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を0として第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を常時閉止する一方、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を確保して第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を開放することで、排気ガスの経路を第1排気通路に切換える。
従って、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、熱容量が低い第1排気通路を構成する第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2、集合通路46,47、第1連結管48、第1排気管51を通って排気集合管53に流れて前段浄化触媒54に流入することとなり、前段浄化触媒54より上流側の第1排気通路での排気ガスの熱エネルギの損失を低減し、排気ガスの熱エネルギを前段浄化触媒54に効率的に供給することで、前段浄化触媒54が短時間で活性化することとなる。
また、ECU61は、エンジンの低回転高負荷時には、第1排気通路を閉止して第2排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を0として第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を常時閉止する一方、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を確保して第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を開放することで、排気ガスの経路を第2排気通路に切換える。
従って、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、熱容量が高い第2排気通路を構成する第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52を通って排気集合管53に流れることとなり、ターボ過給機71を稼動して低回転であっても高トルクが発生し、また、排気干渉が抑制されて出力性能が向上することとなる。
更に、ECU61は、エンジンの高回転時には、第1排気通路及び第2排気通路を開放するために、排気可変動弁機構28を制御して、第1排気弁22a2,22b2,22c2,22d2のリフト量を確保して第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2を開放すると共に、第2排気弁22a1,22b1,22c1,22d1のリフト量を確保して第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1を開放することで、排気ガスの経路を第1排気通路及び第2排気通路の両方とするように切換える。
従って、各燃焼室18a,18b,18c,18dから排出された排気ガスは、第1排気通路を構成する第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2、集合通路46,47、第1連結管48、第1排気管51を通って排気集合管53に流れると共に、第2排気通路を構成する第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52を通って排気集合管53に流れることとなり、排気流路面積が大きくなって背圧が低減され、出力性能が向上すると共に燃費が向上することとなる。
このように実施例2の内燃機関にあっては、直接4気筒エンジンにて、燃焼室18a,18b,18c,18dに対して第1排気ポート20a2,20b2,20c2,20d2等を介して第1排気管51を連結すると共に、第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1等を介して第2排気管52を連結し、第1排気管51からなる第1排気通路よりも第2排気管51からなる第2排気通路の熱容量を大きく設定し、熱容量の大きい第2排気通路側の第2排気管52にターボ過給機71を装着し、排気可変動弁機構28により燃焼室18a,18b,18c,18dから排出される排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能とし、ECU61は、エンジン運転状態に応じて排気可変動弁機構28を制御するようにしている。
従って、エンジンの高負荷時に、排気ガスは、ターボ過給機71が装着されて熱容量が高い第2排気通路を構成する第2排気ポート20a1,20b1,20c1,20d1、集合通路49、第2連結管50、第2排気管52を通って排気集合管53に流れることとなり、このターボ過給機71を効果的に稼動させ、出力性能を向上することができる。
図5は、本発明の実施例3に係る内燃機関を表すV型6気筒エンジンの概略平面図である。
本実施例の内燃機関としてV型6気筒エンジンを適用している。このV型6気筒エンジンにおいて、図5に示すように、第1バンクの3つの燃焼室101a,101b,101c(第1、第3、第5気筒)に対して、吸気ポート102a,102b,102c及び排気ポート103a1,103a2,103b1,103b2,103c1,103c2が形成されており、吸気弁104a,104b,104c及び排気弁105a1,105a2,105b1,105b2,105c1,105c2により開閉可能となっている。
そして、第1排気ポート103a2,103b2,103c2は、隣り合う第1気筒の排気ポート103a2と第3気筒の排気ポート103b2が集合通路106で集合し、この集合通路106と第5気筒の排気ポート103c2が第1連結管107により連結されている。一方、第2排気ポート103a1,103b1,103c1は、隣り合う第3気筒の排気ポート103b1と第5気筒の排気ポート103c1が集合通路108で集合し、この集合通路108と第1気筒の排気ポート103a1が第2連結管109により連結されている。そして、第1連結管107に第1排気管110が連結され、第2連結管109に第2排気管111が連結されている。
また、第2バンクの3つの燃焼室121a,121b,121c(第2、第4、第6気筒)に対して、吸気ポート122a,122b,122c及び排気ポート123a1,123a2,123b1,123b2,123c1,123c2が形成されており、吸気弁124a,124b,124c及び排気弁125a1,125a2,125b1,125b2,125c1,125c2により開閉可能となっている。
そして、第1排気ポート123a2,123b2,123c2は、隣り合う第4気筒の排気ポート123b2と第6気筒の排気ポート123c2が集合通路126で集合し、この集合通路126と第2気筒の排気ポート123a2が第1連結管127により連結されている。一方、第2排気ポート123a1,123b1,123c1は、隣り合う第2気筒の排気ポート123a1と第4気筒の排気ポート123b1が集合通路128で集合し、この集合通路128と第6気筒の排気ポート123c1が第2連結管129により連結されている。そして、第1連結管127に第1排気管130が連結され、第2連結管129に第2排気管131が連結されている。
このように本実施例では、第1排気ポート103a2,103b2,103c2,123a2,123b2,123c2の通路断面積より、第2排気ポート103a1,103b1,103c1,123a1,123b1,123c1の通路断面積が大きく設定されると共に、第1排気ポート103a2,103b2,103c2,123a2,123b2,123c2と第1連結管107,127と第1排気管110,130とからなる第1排気通路の通路表面積より、第2排気ポート103a1,103b1,103c1,123a1,123b1,123c1と第2連結管109,129と第2排気管111,131とからなる第2排気通路の通路表面積が大きく設定されることで、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。この場合、第2排気通路を構成する集合通路108,128は、複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室101b,101c同士、燃焼室121a,121b同士が隣接して集合するようになっている。
そして、図示しない排気可変動弁機構によりエンジンの運転状態に応じて排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能となっている。
このように実施例3の内燃機関にあっては、V型6気筒エンジンにて、第1排気通路よりも第2排気通路の熱容量を大きく設定し、第2排気通路を構成する集合通路108,128を、複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室101b,101c同士、121a,121b同士が隣接して集合するように構成し、排気可変動弁機構によりエンジン運転状態に応じて排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能としている。従って、排気脈動の干渉による性能低下を防止することができる。
また、各集合通路106,108,126,128をシリンダヘッド内に形成することで、排気マニホールドを廃止している。従って、触媒暖機性を向上することができると共に、高負荷時に排気ガスの温度上昇を抑制し、燃焼悪化を防止して燃費を向上することができ、また、シリンダヘッド内での集合通路106,108,126,128の交差をなくして排気通路をコンパクトに構成することができる。
図6は、本発明の実施例4に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。
本実施例の内燃機関としてV型8気筒エンジンを適用している。このV型8気筒エンジンにおいて、図6に示すように、第1バンクの4つの燃焼室201a,201b,201c,201d(第1、第3、第5、第7気筒)に対して、吸気ポート202a,202b,202c,202d及び排気ポート203a1,203a2,203b1,203b2,203c1,203c2,203d1,203d2が形成されており、吸気弁204a,204b,204c,204d及び排気弁205a1,205a2,205b1,205b2,205c1,205c2,205d1,205d2により開閉可能となっている。
そして、第1排気ポート203a2,203b2,203c2,203d2は、隣り合う第3気筒の排気ポート203b2と第5気筒の排気ポート203c2が集合通路206で集合し、この集合通路206と第1、第7気筒の排気ポート203a2,203d2が第1連結管207により連結されている。一方、第2排気ポート203a1,203b1,203c1,203d1は、隣り合う第1気筒の排気ポート203a1と第3気筒の排気ポート203b1が集合通路208で集合すると共に、隣り合う第5気筒の排気ポート203c1と第7気筒の排気ポート203d1が集合通路209で集合し、この集合通路208,209が第2連結管210により連結されている。そして、第1連結管207に第1排気管211が連結され、第2連結管210に第2排気管212が連結されている。
また、第2バンクの4つの燃焼室221a,221b,221c,221d(第2、第4、第6、第8気筒)に対して、吸気ポート222a,222b,222c,222d及び排気ポート223a1,223a2,223b1,223b2,223c1,223c2,223d1,223d2が形成されており、吸気弁224a,224b,224c,224d及び排気弁225a1,225a2,225b1,225b2,225c1,225c2,225d1,225d2により開閉可能となっている。
そして、第1排気ポート223a2,223b2,223c2,223d2は、隣り合う第2気筒の排気ポート223a2と第4気筒の排気ポート223b2が集合通路226で集合すると共に、隣り合う第6気筒の排気ポート223c2と第8気筒の排気ポート223d2が集合通路227で集合し、この集合通路226,227が第1連結管228により連結されている。一方、第2排気ポート223a1,223b1,223c1,223d1は、隣り合う第4気筒の排気ポート223b1と第6気筒の排気ポート223c1が集合通路229で集合し、この集合通路229と第2、第8気筒の排気ポート223a1,223d1が第2連結管230により連結されている。そして、第1連結管228に第1排気管231が連結され、第2連結管230に第2排気管232が連結されている。
このように本実施例では、第1排気ポート203a2,203b2,203c2,203d2,223a2,223b2,223c2,223d2の通路断面積より、第2排気ポート203a1,203b1,203c1,203d1,223a1,223b1,223c1,223d1の通路断面積が大きく設定されると共に、第1排気ポート203a2,203b2,203c2,203d2,223a2,223b2,223c2,223d2と第1連結管207,228と第1排気管211,231とからなる第1排気通路の通路表面積より、第2排気ポート203a1,203b1,203c1,203d1,223a1,223b1,223c1,223d1と第2連結管210,230と第2排気管212,232とからなる第2排気通路の通路表面積が大きく設定されることで、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。この場合、第2排気通路を構成する集合通路208,209,229は、複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室201a,201b同士、燃焼室201c,201d同士、燃焼室221b,221c同士が隣接して集合するようになっている。
そして、図示しない排気可変動弁機構によりエンジンの運転状態に応じて排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能となっている。
このように実施例4の内燃機関にあっては、V型8気筒エンジンにて、第1排気通路よりも第2排気通路の熱容量を大きく設定し、第2排気通路を構成する集合通路208,209,229を、複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室201a,201b同士、燃焼室201c,201d同士、燃焼室221b,221c同士が隣接して集合するように構成し、排気可変動弁機構によりエンジン運転状態に応じて排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能としている。従って、排気脈動の干渉による性能低下を防止することができる。
また、各集合通路206,208,209,226,227,229をシリンダヘッド内に形成することで、排気マニホールドを廃止している。従って、触媒暖機性を向上することができると共に、高負荷時に排気ガスの温度上昇を抑制し、燃焼悪化を防止して燃費を向上することができ、また、シリンダヘッド内での集合通路206,208,209,226,227,229の交差をなくして排気通路をコンパクトに構成することができる。
図7は、本発明の実施例5に係る内燃機関を表す直列4気筒エンジンの概略平面図である。
本実施例の内燃機関として直列4気筒エンジンを適用している。この直列4気筒エンジンにおいて、図7に示すように、4つの燃焼室301a,301b,301c,301dに対して、吸気ポート302a,302b,302c,302d及び排気ポート303a1,303a2,303b1,303b2,303c1,303c2,303d1,303d2が形成されており、吸気弁304a,304b,304c,304d及び排気弁305a1,305a2,305b1,305b2,305c1,305c2,305d1,305d2により開閉可能となっている。
そして、吸気ポート302a,302b,302c,302dには、吸気マニホールド306を介してサージタンク307が連結され、このサージタンク307に吸気管308が連結されており、この吸気管308の空気取入口にはエアクリーナ309が取付けられている。そして、このエアクリーナ309の下流側にスロットル弁310を有する電子スロットル装置311が設けられている。
一方、本実施例の排気系は、一つの燃焼室に対して2つの排気通路が設けられ、この各排気通路は複数の燃焼室から排出された排気ガスを集合して排出するように構成され、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。
即ち、第1排気ポート303a2,303b2,303c2,303d2は、隣り合う第1気筒の排気ポート302a2と第2気筒の排気ポート302b2が集合通路312で集合し、第3気筒の排気ポート303c2と第4気筒の排気ポート303d2が集合通路313で集合し、各集合通路312,313に第1連結管314,315が連結されている。一方、第2排気ポート303a1,303b1,303c1,303d1は、隣り合う第2気筒の排気ポート303b1と第3気筒の排気ポート303c1が集合通路316で集合し、この集合通路316に第2連結管317が連結され、第1気筒の排気ポート303a1及び第4気筒の排気ポート303d1に第2連結管318,319が連結されている。
そして、第1連結管314,315は、下流端部が集合して第1排気管320が連結され、第2連結管317,318,319に第2排気管321が連結され、第1排気管320に前段浄化触媒322が装着され、第1排気管320と第2排気管321の下流端部が集合して排気集合管323が連結されて後段浄化触媒324が装着されている。
このように本実施例では、第1排気ポート303a2,303b2,303c2,303d2の通路断面積と、第2排気ポート303a1,303b1,303c1,303d1の通路断面積が同様に設定される一方、第1排気ポート303a2,303b2,303c2,303d2と第1連結管314,315と第1排気管320とからなる第1排気通路の通路長さより、第2排気ポート303a1,303b1,303c1,303d1と第2連結管317,318,319と第2排気管321とからなる第2排気通路の通路長さが大きく設定されることで、第1排気通路の表面積より第2排気通路の表面積が大きく設定され、第1排気通路に対して第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。この場合、第2排気通路を構成する第2排気ポート303b1,303c1を集合する集合通路316は、複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室301b,301c同士が隣接して集合するようになっている。
そして、本実施例のエンジンにあっては、上述したように、第1排気通路として、第1排気ポート303a2,303b2,303c2,303d2、集合通路312,313、第1連結管314,315、第1排気管320が設けられ、第2排気通路として、第2排気ポート303a1,303b1,303c1,303d1、集合通路316、第2連結管317,318.319、第2排気管321が設けられており、第1排気通路の熱容量より第2排気通路の熱容量が大きく設定されている。また、エンジンには吸気可変動弁機構325と排気可変動弁機構326が設けられ、排気切換手段としての排気可変動弁機構326により、各燃焼室301a,301b,301c,301dから排出される排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能とし、ECU327がエンジンの運転状態に応じて排気可変動弁機構326を制御している。
即ち、ECU327は、エンジンの冷間始動時や低回転低負荷時には、排気ガスの経路を第1排気通路に切換えることで、前段浄化触媒322が短時間で活性化することとなる。また、ECU327は、エンジンの低回転高負荷時には、排気ガスの経路を第2排気通路に切換えることで、排気干渉が抑制されて出力性能が向上することとなる。更に、ECU327は、エンジンの高回転時には、排気ガスの経路を第1排気通路及び第2排気通路の両方とするように切換えることで、排気流路面積が大きくなって背圧が低減され、出力性能が向上すると共に燃費が向上することとなる。
このように実施例5の内燃機関にあっては、直接4気筒エンジンにて、燃焼室301a,301b,301c,301dに対して第1排気ポート303a2,303b2,303c2,303d2等を介して第1排気管320を連結すると共に、第2排気ポート303a1,303b1,303c1,303d1等を介して第2排気管321を連結し、第1排気通路の長さより第2排気通路の長さを長くすることでの熱容量を大きく設定し、排気可変動弁機構326により燃焼室303a,303b,303c,303dから排出される排気ガスの経路を第1排気通路と第2排気通路との間で切換可能とし、ECU327は、エンジン運転状態に応じて排気可変動弁機構326を制御するようにしている。
従って、エンジン運転状態に応じて排気ガスの経路が熱容量の小さい第1排気通路と熱容量の大きい第2排気通路との間で切換得られることとなり、排気ガスの熱エネルギを効果的に活用することで、前段浄化触媒54の暖機性能を上げて排気浄化効率を向上することができると共に、出力性能を向上することができる。
なお、上述した各実施例では、第1排気通路の熱容量より第2排気通路の熱容量を大きく設定するために、第1排気通路と第2排気通路との通路断面積、通路表面積、通路長さを異なるように設定したが、これに限るものではなく、一方の排気通路にターボ過給機を設けて熱容量を大きくしてもよい。また、第1排気通路と第2排気通路との通路断面積を異なるものとする場合、排気ポートの径及び排気弁の径を変更するものとしたが、排気ポート及び排気弁を3つ設けて第1排気通路を一つとし、第2排気通路を二つとしても良い。
また、上述した各実施例では、排気切換手段として排気可変動弁機構28,326を適用したが、これに限らず、カム機構などにより別の切替機構を用いてもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、運転状態が変更されても適正に排気ガス中の有害成分を浄化処理することで排気浄化効率の向上を図ったものであり、いずれの内燃機関にも有用である。
本発明の実施例1に係る内燃機関を表す直列4気筒エンジンの概略平面図である。 実施例1の直列4気筒エンジンの概略断面図である。 実施例1の直列4気筒エンジンにおける運転状態に対する排気通路切換マップである。 本発明の実施例2に係る内燃機関を表す直列4気筒エンジンの概略平面図である。 本発明の実施例3に係る内燃機関を表すV型6気筒エンジンの概略平面図である。 本発明の実施例4に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。 本発明の実施例5に係る内燃機関を表す直列4気筒エンジンの概略平面図である。
符号の説明
11 シリンダブロック
12 シリンダヘッド
18,18a,18b,18c,18d,101a,101b,101c,121a,121b,121c,201a,201b,201c,201d,221a,221b,221c,221d,301a,301b,301c,301d 燃焼室
19,19a,19b,19c,19d,102a,102b,102c,122a,122b,122c,202a,202b,202c,202d,222a,222b,222c,222d ,302a,302b,302c,302d吸気ポート
20 排気ポート
20a2,20b2,20c2,20d2,103a2,103b2,103c2,123a2,123b2,123c2,203a2,203b2,203c2,203d2,223a2,223b2,223c2,223d2,303a2,303b2,303c2,303d2 第1排気ポート(第1排気通路)
20a1,20b1,20c1,20d1,103a1,103b1,103c1,123a1,123b1,123c1,121c2,203a1,203b1,203c1,203d1,223a1,223b1,223c1,223d1,303a1,303b1,303c1,303d1 第2排気ポート(第2排気通路)
21,21a,21b,21c,21d,104a,104b,104c,124a,124b,124c,204a,204b,204c,204d,224a,224b,224c,224d,304a,304b,304c,304d 吸気弁
22 排気弁
22a2,22b2,22c2,22d2,105a2,105b2,105c2,125a2,125b2,125c2,205a2,205b2,205c2,205d2225a2,225b2,225c2,225d2,305a2,305b2,305c2,305d2 第1排気弁
22a1,22b1,22c1,22d1,105a1,105b1,105c1,125a1,125b1,125c1,205a1,205b1,205c1,225a1,225b1,225c1,225d1,305a1,305b1,305c1,305d1 第2排気弁
27,325 吸気可変動弁機構
28,326 排気可変動弁機構(排気切換手段)
37,308 吸気管(吸気通路)
40,311 電子スロットル装置
41 インジェクタ
45 点火プラグ
46,47,106,126,206,226,227,312,313 集合通路(第1排気通路)
49,108,128,208,209,229,316 集合通路(第2排気通路)
48,107,127,207,228,314,315 第1連結管(第1排気通路)
50,109,129,210,230,317,318,319 第2連結管(第2排気通路)
51,110,130,211,231,320 第1排気管(第1排気通路)
52,111,131,212,232,321 第2排気管(第2排気通路)
53,323 排気集合管
54,322 前段浄化触媒
55,324 後段浄化触媒
61,327 電子制御ユニット、ECU
71 ターボ過給機

Claims (6)

  1. 複数の燃焼室と、該複数の燃焼室に連結される吸気通路と、該吸気通路を開閉する吸気弁と、前記複数の燃焼室に連結される第1排気通路と、該第1排気通路を開閉する第1排気弁と、前記複数の燃焼室に連結されて前記第1排気通路より大きな熱容量を有する第2排気通路と、該第2排気通路を開閉する第2排気弁と、前記燃焼室から排出される排気ガスの経路を前記第1排気通路と前記第2排気通路との間で切換可能な排気切換手段と、運転状態に応じて前記排気切換手段を制御する排気制御手段とを具え
    前記排気制御手段は前記排気切換手段を制御することで、冷間始動時及び低回転低負荷時には排気ガスの経路を前記第1排気通路に切換え、低回転高負荷時には排気ガスの経路を前記第2排気通路に切換え、高回転時には排気ガスの経路を前記第1排気通路及び前記第2排気通路に切換えることを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関において、前記第1排気通路における通路表面積より前記第2排気通路における通路表面積が大きく設定されることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関において、前記複数の燃焼室に連通する前記第1排気通路における各第1排気ポートの通路断面積より前記第2排気通路における各第2排気ポートの通路断面積が大きく設定されることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1に記載の内燃機関において、前記複数の燃焼室に連通する前記第1排気通路における各第1排気ポート同士、または、前記複数の燃焼室に連通する前記第2排気通路における各第2排気ポート同士が隣接して配設され、隣接する前記各排気ポートを集合通路によりシリンダヘッド内で合流させることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関において、前記第2排気通路は、前記複数の燃焼室のうちの爆発が連続しない燃焼室同士が集合することを特徴とする内燃機関。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の内燃機関において、前記排気制御手段は前記排気切換手段を制御することで、燃料カット時には排気ガスの経路を前記第2排気通路に切換えることを特徴とする内燃機関。
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