JP4721921B2 - 空気除菌装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、メンテナンスの頻度を低減させ、長期間運転しても電解性能および耐久性を維持し、ひいては除菌性能を維持することが可能な空気除菌装置を提供することにある。
電解水供給ユニットの電解槽は、水道水を電気分解して電解水を生成し、気液接触部材に電解水を供給する。送風ファンは、吸込口から室内の空気を吸い込んで、気液接触部材に供給した電解水に接触させて、吹出口から吹き出すことにより、室内の空気を電解水に接触させて除菌させることができる。このとき、フィルタは、電解槽の下流側で電解槽から流出したスケールを除去する。
さらにまた、前記電解水が電極に通電して水道水を電気分解することにより得られる活性酸素種を含む電解水であるようにしてもよい。
また、前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾンまたは過酸化水素のうち少なくともいずれかの物質を含むようにしてもよい。
[1]第1実施形態
図1は、実施形態の空気除菌装置の外観斜視図である。
図1において、床置き式の空気除菌装置1は、箱形の筐体2を備え、この筐体2は、脚片2Aと、前パネル2Bと、天パネル2Cとを含み、この天パネル2Cの両側には、操作蓋2D、開閉蓋2Eがそれぞれ横並びに配置されている。
図3は、空気除菌装置の筐体の縦断面図である。
この筐体2の下部には、図2に示すように、横長の吸込口3が形成され、この吸込口3の上方にはプレフィルター3Aが配置されている。このプレフィルター3Aの上方には送風ファン7が配置され、この送風ファン7の上方には、保水性の高い気液接触部材5が、図3に示すように、筋交い状に配置され、この気液接触部材5の上方には、横長の吹出口4が配置されている。また、送風ファン7の支持板8は、筐体2に支持されている。
この気液接触部材5は、ハニカム構造を持ったフィルタ部材であって、気体接触面積が広く確保され、電解水滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。
すなわち、気液接触部材5は、図4に示すように、波形状に曲げられた素材5Aと、平板状の素材5Bとを接合し、全体としてハニカム状に形成されている。これら素材5A,5Bには、後述するように電解水に反応性の少ない素材、要するに、電解水による劣化が少ない素材が使用されている。例えば、ポリオレフィン樹脂系、PET樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フッ素樹脂系またはセラミックス樹脂系等の素材が使用されている。
80°>θ>30°
が好ましく、本構成では約40°である。
図6は、空気除菌の説明図である。
この気液接触部材5の下方には、電解水を受けるための水受け皿9(図3参照)が配置され、この水受け皿9には、給水タンク支持皿10が連接されている。このとき、水受け皿9の底面は、電解水が給水タンク支持皿10に流れ込むように給水タンク支持皿10側が低くなるように傾斜している。
電解水供給管17は、外周部に多数の散水孔17A(図6参照)が形成された散水孔形成部17Bを有し、電解水を散水する。
このとき、電解水供給管17は、図5(B)に示すように、気液接触部材5の上縁部に略円筒状に形成された散水部5C中に挿入されている。
上記電極32,33により水道水に通電すると、カソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、
水に含まれる塩素イオン(水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、さらにこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
図1において、操作蓋2Dを開くと、図示を省略した操作パネルが臨んでおり、この操作パネルを操作することで、床置き式空気除菌装置1の運転が開始される。この運転が開始されると、循環ポンプ13が駆動され、給水タンク支持皿10に溜まった水道水が、電解槽31に供給される。
この電解槽31では、電極32、33への通電により、水道水が電気分解されて活性酸素種を含む電解水が生成される。この電解水は、フィルタ20を通過して、電解槽31で生成されたスケールが除去された後、電解水供給管17の散水孔17Aを経て、散水ボックス5C中に散水され、ここから気液接触部材5の上縁部にしみ込み、下部に向けて徐々に湿潤する。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
O2 -+e-+2H+→H2O2
のように、電極反応によりO2 -が生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H2O2)が生成される。
この場合、電極の極性を反転(電極のプラスとマイナスを切り替える)させることが効果的である。カソード電極をアノード電極として電気分解することで、カソード電極上に堆積したスケールを取り除くことができる。この極性反転制御では、例えばタイマを利用して定期的に反転させてもよいし、運転起動の度に反転させる等、不定期的に反転させてもよい。また、電解抵抗の上昇(電解電流の低下、あるいは電解電圧の上昇)を検出し、この結果に基づいて、極性を反転させてもよい。
図7の変形例が図5の第1実施形態と異なる点は、水受け皿9の上面側に、スケールの析出を促すための多孔質セラミック製の析出促進部材9Aが複数設けられている点である。この析出促進部材9Aを水受け皿9の上面に設けているため、水受け皿9に集められた電解水に含まれるスケールの原因となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンは、隣接する給水タンク支持皿10に電解水が流入するに際し、スケールとして析出することとなる。従って、給水タンク支持皿10に貯留された電解水は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの濃度が低下することとなり、電解槽31内でスケールとなるのを抑制することが可能となる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態の空気除菌の説明図である。
図8において、図6と同様の部分については、同一の符号を付すものとする。
図8の第2実施形態が図6の第1実施形態と異なる点は、電解槽31に入口管が接続され、電解水供給管17の散水孔形成部17Bの上流側に第1出口管が接続され、第1実施形態のフィルタ20と同様の機能を有するフィルタ41の上流側に第2出口管が接続され、所定のタイミングで所定の期間、第2出口管側(フィルタ41側)に切り替えられる三方弁41を設けた点である。
この場合において、初期状態では、三方弁41は、入口管と第1出口管側が連通している、すなわち、電解槽31と電解水供給管17が接続されている状態にあるものとする。
図1において、操作蓋2Dを開くと、図示を省略した操作パネルが臨んでおり、この操作パネルを操作することで、床置き式空気除菌装置1の運転が開始される。この運転が開始されると、図6を参照して、循環ポンプ13が駆動され、給水タンク支持皿10に溜まった水道水が、電解槽31に供給される。
ところで、本第2実施形態では、三方弁41は、所定のタイミングで所定の期間、第2出口管側、すなわち、フィルタ40側に切り替えられる。この結果、電解水は、三方弁41およびフィルタ40を通過して、電解槽31で生成されたスケールが除去された後、電解水供給管17の散水孔17Aを経て、散水ボックス5C中に散水され、ここから気液接触部材5の上縁部にしみ込み、下部に向けて徐々に湿潤することとなる。
上記構成では、三方弁41を使用したが、これに限定されるものではない。図示は省略したが、例えば、電解槽31に二本の管を接続し、一方の管に第一開閉弁を介して上記電解水供給管17を接続すると共に、他方の管に別の第二開閉弁を介して上記フィルタ40を接続する構成としてもよい。この場合には、例えば、所定のタイミングで、第一開閉弁を閉じると同時に第二開閉弁を開き、電解水供給管17をバイパスさせ、フィルタ40を介して、当該電解水を循環ポンプ13に循環させればよい。
2 筐体
3 吸込口
4 吹出口
5 気液接触部材
7 送風ファン
9 水受け皿
9A 析出促進部材
10 給水タンク支持皿(貯留部)
11 給水タンク
13 循環ポンプ
17 電解水供給管
17A 散水孔
17B 散水孔形成部
20、40 フィルタ
31 電解槽
32、33 電極
41 三方弁
Claims (6)
- 筐体内に配置される気液接触部材と、
この気液接触部材に電解水を供給する電解水供給ユニットと、
吸込口から室内の空気を吸い込んで、前記気液接触部材に供給した電解水に接触させて、吹出口から吹き出すための送風ファンと、
前記電解水を貯留する貯留部と、を備え、
前記電解水供給ユニットは、電解水を電気分解して前記電解水を生成する電解槽と、前記電解槽の下流側で前記電解槽から流出したスケールを除去するためのフィルタと、前記電解水を循環させるための循環ポンプと、前記電解槽の下流側に接続され、複数の散水孔が形成された散水孔形成部を有し、前記電解水を散水する電解水供給管と、所定のタイミングで、前記電解水供給管をバイパスさせて、当該電解水を前記循環ポンプに循環させる弁と、を備え、前記フィルタは、前記弁の下流側に配置されていることを特徴とする空気除菌装置。 - 筐体内に配置される気液接触部材と、
この気液接触部材に電解水を供給する電解水供給ユニットと、
吸込口から室内の空気を吸い込んで、前記気液接触部材に供給した電解水に接触させて、吹出口から吹き出すための送風ファンと、
前記電解水を貯留する貯留部と、を備え、
前記電解水供給ユニットは、電解水を電気分解して前記電解水を生成する電解槽と、前記電解槽の下流側で前記電解槽から流出したスケールを除去するためのフィルタと、前記電解水を循環させるための循環ポンプと、前記電解槽の下流側に接続され、複数の散水孔が形成された散水孔形成部を有し、前記電解水を散水する電解水供給管と、前記電解槽に入口管が接続され、前記散水孔形成部の上流側に第1出口管が接続され、前記フィルタの上流側に第2出口管が接続され、所定のタイミングで所定の期間、前記第2出口管側に切り替えられる三方弁と、を備え、前記フィルタは、前記貯留槽の上流側に配置されていることを特徴とする空気除菌装置。 - 請求項1または2に記載の空気除菌装置において、
定期的、或いは所定の条件下で不定期に前記電極の極性を反転させて、当該電極に形成された前記スケールを除去させるとともに、
前記所定のタイミングを前記電極の極性を反転させたタイミングとする、
ことを特徴とする空気除菌装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の空気除菌装置において、
前記電解水が電極に通電して水道水を電気分解することにより得られる活性酸素種を含む電解水であることを特徴とする空気除菌装置。 - 請求項4記載の空気除菌装置において、
前記活性酸素種は、次亜塩素酸、オゾンまたは過酸化水素のうち少なくともいずれかの物質を含むことを特徴とする空気除菌装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の空気除菌装置において、
前記電解水供給ユニットは、前記電解水を滴下することにより前記気液接触部材に前記電解水を供給することを特徴とする空気除菌装置。
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