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JP4712225B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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JP4712225B2 JP2001169369A JP2001169369A JP4712225B2 JP 4712225 B2 JP4712225 B2 JP 4712225B2 JP 2001169369 A JP2001169369 A JP 2001169369A JP 2001169369 A JP2001169369 A JP 2001169369A JP 4712225 B2 JP4712225 B2 JP 4712225B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は芳香族ポリカーボネートの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、エステル交換反応により芳香族ポリカーボネートを製造するにあたり、色相に優れ、かつ生産性に優れるポリカーボネートを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノールAとホスゲンとの界面重縮合法から得られるポリカーボネート樹脂は、その優れた機械的特性、熱的特性から各種用途、例えば電気電子部品、光学部品、自動車部品等に幅広く用いられている。しかしながら有毒であるホスゲンを用いることで安全性に問題があり、溶媒として塩化メチレンを使用することで環境保全の点で問題点が残る。また塩化メチレンや副生物である塩化ナトリウムに由来する塩素分がポリカーボネートに残留することで、各種部品成形時に金物を腐食する問題がある。そこで最近塩化メチレンやホスゲンを使用しないエステル交換法によるポリカーボネートが注目されており、実際に溶融重合法による製造が行われ、市場に見られるようになってきた。しかしながらエステル交換法で得られるポリカーボネートは高温で長時間の熱履歴を受けるため色調の悪化など品質的に優れたものは得られにくく、特に近年、DVD、DVD−RAM、MO、CD−R、CD−RWなどの高密度、高精度が必要な光学用途において使用されるポリカーボネートでは、熱安定性の不足による着色および熱変性によるゲル化は、直接的に最終製品のブロックエラーレートなどの光学特性および引張り、曲げ、靭性などの機械特性に影響を及ぼすため、エステル交換法ポリカーボネートの更なる色相の向上、熱安定性の向上が要求されている。
【0003】
このような着色を抑制するためには、反応器の材質として不活性なものを用いるのが有効であることが知られており、例えばニッケル,タンタル,クロムおよびこれらの合金を用いる方法(米国特許第4,383,902号明細書)、鉄含量が20重量%以下の材料を用いる方法(特開平4−88017号公報)などが提案されている。しかしこれらの材質の反応設備は、一般的に界面重縮合法で用いられているステンレス鋼やガラスライニング等にくらべ高価で、ポリカーボネートがコスト高になるために安価な材質の反応設備を使用する方法の開発が必要とされていた。
【0004】
安価な材質の一つとして、ステンレス鋼製のものを用いることがあげられるが、これを用いてエステル交換反応によりポリカーボネートを製造する場合に、得られるポリカーボネートが着色し、かつ高分子量のポリカーボネートが製造しにくく、生産性に劣るなど問題が生じる。
【0005】
この問題を解決するために、例えば表面を平滑化させる目的でバフ研磨処理する方法(特開平4−7328号公報)、あるいは表面のスケールの除去や不動態化などの目的で酸洗浄を行う方法(特開平4−7329号公報)などが試みられている。しかしながら、これらの方法は、いずれも充分な効果が得られず満足しうるものではなかった。
【0006】
また、生産開始または再開後は、かなり長期に渡って、着色度の高いポリカーボネートが得られることが多く、長期間格下品の生産を余儀なくされるのが実情であった。
【0007】
更に製造設備を連続して長期に渡って使用した場合、得られるポリカーボネートの品質が低下する事が生じ、品質を維持するためには時々製造設備を停止し、開放整備を行う必要があった。この為、設備稼働率は低下し、開放整備に要する費用も高価なものとなるため、稼働率を低下することなく開放整備を不要とする有効な洗浄方法の開発が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者は色相に優れ、かつ高分子量の芳香族ポリカーボネートが生産性に優れ安価に製造できるエステル交換法による芳香族ポリカーボネートの製造方法を見いだすべく鋭意検討したところ、芳香族ポリカーボネート製造中の設備を、特定の立ち下げ方法によって内部に滞留する芳香族ポリカーボネートを排出した後に、特定の洗浄処理を施した反応設備を用いて、エステル交換反応をおこなうことが有効であることを見いだし、本願発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願発明は次の通りである。
1. 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、ならびに含窒素塩基性化合物を触媒とするエステル交換反応により反応せしめ、芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、下記の(1)〜(4)の工程を順に行い洗浄した製造設備を使用する芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(1)製造設備に残存する芳香族ポリカーボネートを、カーボネート結合含有低分子化合物を用いて解重合せしめ、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を8000以下に低減させる工程。
(2)粘度平均分子量が低減した芳香族ポリカーボネートを製造設備から排出する工程。
(3)製造設備に炭酸ジエステルを受け入れ、200℃以上の温度、不活性ガス雰囲気下で製造設備を洗浄する工程。
(4)洗浄に用いた炭酸ジエステルを排出する工程。
2. 1.に記載の製造方法において、製造に使用している設備の洗浄を、設備の運転を停止する時または得られる芳香族ポリカーボネートの品質が低下した時に実施する事を特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
3. 1.に記載の製造方法において、該カーボネート結合含有低分子化合物として、芳香族ポリカーボネートの製造に原料として使用する炭酸ジエステル、または芳香族ポリカーボネートの製造の過程で生じる粘度平均分子量が8000以下のオリゴカーボネートを用い、200℃以上で解重合を行うことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
4. 1.に記載の製造方法において、(1)の工程において、製造設備内に残存する芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量が10000以上であり、かつ、(4)の工程の後に、下記の(41)の工程及び(42)の工程を順に行う芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(41)製造設備に芳香族モノヒドロキシ化合物を入れ、洗浄する工程。
(42)洗浄に用いた芳香族モノヒドロキシ化合物を排出する工程。
5. 1.または4.に記載の製造方法において、(4)の工程の後、または(42)の工程の後に、下記(5)の工程を行うことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(5)製造設備を乾燥する工程。
6. 該芳香族モノヒドロキシ化合物がフェノールであり、200℃以下の温度、不活性ガス雰囲気下で製造設備を洗浄することを特徴とする4.に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
7. エステル交換反応で用いる炭酸ジエステルがジフェニルカーボネートであることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
8. 該製造設備の接液部がステンレス鋼製のものであることを特徴とする1.〜7.のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
9. 該炭酸ジエステルを用いる洗浄、および該芳香族モノヒドロキシ化合物を用いる洗浄の少なくとも何れかを複数回実施する事を特徴とする4.〜8.のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
10. 連続製造することを特徴とする1.〜9.のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
11. 1.〜9.のいずれかに記載の方法で洗浄処理したあと、1日以上の休止のあとに、特に洗浄処理をする事なく、連続製造を開始することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
【0010】
本願発明者らは色相に優れ、かつ高分子量の芳香族ポリカーボネートを生産性よく製造するべく鋭意検討したところ、芳香族ポリカーボネートを製造中の製造設備を、例えばジフェニルカーボネートのようなカーボネート結合含有低分子化合物を用いて、製造設備内に滞留する芳香族ポリカーボネートを解重合せしめ、低分子量化および溶融粘度を低粘度化したのち反応説備外に排出し、その後炭酸ジエステルで洗浄し、更に必要に応じ芳香族モノヒドロキシ化合物で洗浄処理を施すことが有効であるとの見解を得た。
【0011】
つまり、我々は以下のような推論を立てた。
▲1▼ステンレス鋼で作られた製造設備表面は芳香族ポリカーボネートの色相を悪化させる活性物質が存在しており、表面に化学的に結合し物理的に除去不能であること、
▲2▼このためこの活性物質は不活性物質に変換させないと色相悪化を防ぐことはできないこと、
▲3▼芳香族ポリカーボネートの色相悪化にポリマー末端の水酸基が密接に関与していること、
▲4▼この不活性物質への変換方法の一つとして、カーボネート結合含有低分子化合物を用いて解重合せしめ、芳香族ポリカーボネートの低粘度化による製造設備外への排出と、その後炭酸ジエステルで洗浄し、更に必要に応じ芳香族モノヒドロキシ化合物で洗浄処理を施すこと、
次に我々はこれらの推論に基づいて、実験を行い本願発明に到達したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本願発明を更に詳しく説明する。
本願発明に係る芳香族ポリカーボネートとは、芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとをアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物ならびに含窒素塩基性化合物等のエステル交換触媒等の存在下、溶融重縮合させた芳香族ポリカーボネートである。
【0013】
芳香族ジヒドロキシ化合物としては炭素数6〜25の芳香族ジヒドロキシ化合物があげられるが、具体的には例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、p,p’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと称することがある)が好ましい。
【0014】
エステル交換反応で用いる炭酸ジエステルとしては、炭素数3〜20の炭酸ジエステルが上げられるが、具体的には例えばジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニルカーボネート(以下DPCと称することがある)が好ましい。
【0015】
本願発明で芳香族ポリカーボネートを製造するに際して、上記のような炭酸ジエステルは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1.00〜1.20モル、好ましくは1.005〜1.10モル、更に好ましくは1.01〜1.05の量で用いられることが更に好ましい。
【0016】
さらに、本願発明のポリカーボネートを製造する際に、必要に応じて脂肪族ジオールとして例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカンジオール等を、ジカルボン酸類として例えばコハク酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、テレフルタ酸等を、オキシ酸類例えば、乳酸、P−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等含有していても良い。
【0017】
触媒として用いられるアルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0018】
具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、就中、芳香族ジヒドロキシ化合物のナトリウム塩、例えばビスフェノールAのジナトリウム塩または芳香族モノヒドロキシ化合物のナトリウム塩、例えばフェノールのナトリウム塩が好ましく用いられる。
【0019】
触媒として用いられるアルカリ土類金属化合物としては、例えばアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0020】
具体例としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸ストロンチウム、シアン酸カルシウム、シアン酸バリウム、シアン酸ストロンチウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸ストロンチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素バリウム、水素化ホウ素ストロンチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸バリウム、安息香酸ストロンチウム、ビスフェノールAのカルシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩、フェノールのカルシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩などが挙げられる。
【0021】
触媒としてのアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は、当該触媒中のアルカリ金属元素が芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り1×10-8〜1×10-3当量となる場合で使用される。好ましくは1×10-8〜5×10-6当量、更に好ましくは1×10-7〜5×10-6当量となる場合で更に好ましく使用される。上記使用範囲を逸脱すると、得られるポリカーボネートの諸物性に悪影響を及ぼす、またエステル交換反応が充分に進行せず高分子量のポリカーボネートが得られない等の問題があり好ましくなく、本願発明の芳香族ポリカーボネートプレポリマーに含まれる含窒素塩基性化合物を後述の特定値としても、芳香族ポリカーボネートの色相および熱安定性が向上しないため好ましくない。
【0022】
含窒素塩基性化合物として、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)などの塩基性塩を挙げることができ、就中、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)が最も好ましく使用される。
【0023】
上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性化合物中のアンモニウム窒素原子が芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り1×10-5〜5×10-3当量となる割合で用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対し2×10-5〜5×10-4当量となる割合である。特に好ましい割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4当量となる割合である。
【0024】
なお、本願明細書において、仕込み芳香族ジヒドロキシ化合物に対するアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素塩基性化合物の用いる量を、「芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し金属または塩基性窒素としてW(数値)当量のZ(化合物名)量」として表現したが、これは、例えば、Zがナトリウムフェノキシドや2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンモノナトリウム塩のようにナトリウム原子が一つであり、またはトリエチルアミンのように塩基性窒素が一つであれば、Zの量がWモルに相当する量であることを意味し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジナトリウム塩のように二つであれば、W/2モルに相当する量であることを意味する。
【0025】
本願発明においては所望により、触媒のアルカリ金属化合物として、(a)周期律表第14族元素のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表第14族元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いることができる。ここで周期律表第14族元素とは、ケイ素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0026】
これらのアルカリ金属化合物を重縮合反応触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速かつ十分にすすめることができる利点を有する。また、重縮合反応中に生成する分岐反応のような、好ましくない副反応を低いレベルに抑えることができる。
【0027】
(a)周期率表第14族元素のアート錯体のアルカリ金属塩としては、特開平7−268091号公報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe(OEt)5、NaGe(OPr)5、NaGe(OBu)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5、LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げることができる。
【0028】
スズ(Sn)の化合物としては、NaSn(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaSn(OPr)3、NaSn(O−n−C6133、NaSn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(OBu)5、NaSn(O−n−C12255、NaSn(OEt)3、NaSn(OPh)5、NaSnBu2(OMe)3を挙げることができる。
【0029】
また(b)周期律表第14族元素のオキソ酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(silicic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(stanic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム(II)酸(germanous acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanicacid )のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙げることができる。
【0030】
ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケイ酸(monosilicic acid)またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルトケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0031】
スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノスズ酸(monostanic acid)またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・xH2O、x=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0032】
ゲルマニウム(II)酸(germanous acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナトリウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0033】
ゲルマニウム(IV)酸(germanic acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニウム酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマニウム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラナトリウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge25)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge49)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge511)を挙げることができる。
【0034】
上記の如き重縮合反応触媒は、触媒中のアルカリ金属元素が芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り1×10-8〜1×10-3当量となる場合で好ましく使用される。より好ましい割合は同じ基準に対し1×10-8〜5×10-6当量となる割合でありさらに好ましい割合は1×10-7〜5×10-6当量となる割合である。
【0035】
本願発明の重縮合反応には、上記触媒と一緒に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸および同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の助触媒を共存させることができる。
【0036】
これら助触媒を特定の割合で用いることにより、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことなく、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成形加工時における設備内での異物の生成、やけといった好ましくない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0037】
周期律表第14族元素のオキソ酸としては、例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げることができる。
【0038】
周期律表第14族元素の酸化物としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化スズ、二酸化スズ、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムおよびこれらの縮合体を挙げることができる。
【0039】
助触媒は重縮合反応触媒中のアルカリ金属元素1モル(原子)当り、助触媒中の周期律表第14族の金属元素が50モル(原子)以下となる割合で存在せしめるのが好ましい。同金属元素が50モル(原子)を超える割合で助触媒を用いると、重縮合反応速度が遅くなり好ましくない。
【0040】
助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属元素1モル(原子)当り、助触媒の周期律表第14族の金属元素が0.1〜30モル(原子)となる割合で存在せしめるのがさらに好ましい。
【0041】
これらの触媒系は、重縮合反応に用いることにより重縮合反応および末端封止反応を迅速かつ十分に進めることができる利点を有する。また重縮合反応系中に生成する分岐反応のような好ましくない副反応を低いレベルに抑えることができる。
【0042】
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを加熱溶融下反応させて芳香族ポリカーボネートを製造するにあたり、エステル交換反応を行うに際して、不活性ガス雰囲気下で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱および撹拌し生ずる溶融混合物に前述の触媒を添加し、エステル交換反応を開始させる。
【0043】
反応温度は通常140〜300℃であり、重合の進行と共に反応温度を高めることが一般に実施される。また、反応系の圧力は系を減圧にするかもしくは大量の不活性ガスを流通させて生成するモノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせ反応を進めることが一般に実施される。
【0044】
本願発明においては、エステル交換反応により芳香族ポリカーボネートを製造するが、製造設備の材質としては、安価なステンレス鋼が特に好ましいが、タンタル,クロム,ニッケルなどの非鉄系、あるいはモネル,インコネル,ハステロイなどの非ステンレス系の特殊な材質を用いてもよい。また、これらの材質は、製造設備の接液部に用いられていればよく、製造設備全体に用いられる必要はない。
【0045】
上記ステンレス鋼は、クロムを10〜30重量%含有する鋼材であって、具体例としては、SUS304,SUS304L,SUS309,SUS310,SUS316,SUS316Lなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バフ研磨などの機械的研磨や電解研磨などの研磨処理、酸またはアルカリ、あるいはそれらの併用による化学的処理を製造設備の接液部に施してもよい。
【0046】
本発明の洗浄方法は芳香族ポリカーボネートを製造している設備を、得られる芳香族ポリカーボネートの品質が低下した等の理由によって、製造設備の運転を停止し、洗浄する場合に特に顕著な効果を示す。即ち、設備内にポリカーボネートが残留している状態に適用すると、従来の洗浄方法に比較して、製造設備の運転再開後に得られるポリカーボネートの品質において大きな効果が得られる。
【0047】
この理由は定かではないが、芳香族ポリカーボネートの色相の悪化にポリマー末端の水酸基が大きく関与していると考えられること。一方、従来知られている芳香族モノヒドロキシ化合物や芳香族基を含有するアルコールや脂肪族アルコールを用いる洗浄方法では設備内に残留する芳香族ポリカーボネートが解重合を受け、溶融粘度が低下するものの、大量の水酸基末端を生成し、解重合物の色相を悪化すると考えられる。解重合物は排出され、製造設備は引き続き洗浄操作を受けることが一般的であるが、それでもなお、水酸基末端が増加した解重合物は製造設備内面に残留し、洗浄を終えてポリカーボネートの生産を再開した際に、着色など、芳香族ポリカーボネートの品質に悪影響を及ぼすものと考えられる。
【0048】
実際に、本発明者らの検討によると、製造設備内に残留するポリカーボネートを芳香族モノヒドロキシ化合物(フェノール)を用いて解重合し、引き続き芳香族モノヒドロキシ化合物(フェノール)で洗浄した後、設備を開放点検すると、設備内壁に着色した有機物が薄く付着している事が認められた。
【0049】
これに対し、本発明の方法では設備内に残留する芳香族ポリカーボネートをカーボネート結合含有低分子量化合物を用いて解重合せしめる事により解重合を行うため、末端水酸基の増加は起こらず、設備内壁に着色した有機物が残留することもない事がわかった.この結果、洗浄した設備を再び立ち上げた際に、短期間で色相の優れる芳香族ポリカーボネートを製造することができる。
【0050】
本願発明において、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を8000以下に低減させる為に用いられるカーボネート結合含有低分子化合物としては、特に制限はなく、様々な化合物を使用することができるが、例えば粘度平均分子量が8000以下のポリカーボネートオリゴマー、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが用いられる。これらのうち特にポリカーボネートオリゴマーやジフェニルカーボネートが好ましい。
【0051】
芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を8000以下に低減させる工程は、製造されている粘度平均分子量が10000以上の芳香族ポリカーボネートの粘度を低下させる工程であり、具体的には反応設備に滞留する芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.05重量部以上のカーボネート結合含有低分子化合物を反応設備に注入する工程である。
【0052】
芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を8000以下に低減させる工程は200℃以上で実施する事が好ましい。200℃未満では芳香族ポリカーボネートの解重合が起こりにくいため好ましくない。
【0053】
粘度平均分子量が8000以下に低減された芳香族ポリカーボネートは製造設備から排出させる。この際、製造設備容積の10%以下、好ましくは5%以下まで排出させることが好ましい。製造設備容積の10%以上を残したあとに、芳香族炭酸ジエステルを用いる洗浄を行った場合は、洗浄効果が不十分となり、目的とする色相の優れる芳香族ポリカーボネートを製造することができないため、好ましくない。
【0054】
本願発明において、「粘度平均分子量低減処理」および「洗浄処理」は、製造設備内の少なくとも接液部の全て、もしくは一部に接するように解重合剤や洗浄剤(以後、洗浄剤等と称する)であるカーボネート結合含有低分子化合物もしくは芳香族炭酸ジエステルもしくは芳香族モノヒドロキシ化合物を張り込み、そのまま放置することで十分その目的を達成することができる場合もあるが、撹拌、ガスの吹き込み等の手段により、その洗浄剤等をかき混ぜることを同時に行うことも、粘度平均分子量低減時間または洗浄時間を短縮する上で望ましい場合がある。加圧下または減圧下に解重合や洗浄を実施することも本願発明の範囲に属することは言うまでもない。
【0055】
粘度平均分子量低減時間は、あまり短いと、単に濡らしただけにとどまり、十分な効果を発揮できない場合もあるので、15分以上が望ましく、1時間以上が更に望ましい。また、長時間実施しても効果が増大しないため、長時間に渡って操作を行う必要はなく、1時間以上で3時間以下がより望ましい。
【0056】
洗浄時間は、あまり短いと、単に濡らしただけにとどまり、十分な効果を発揮できない場合もあるので、15分以上が望ましく、1時間以上が更に望ましい。また、長時間実施しても効果が増大しないため、長時間に渡って操作を行う必要はなく、1時間以上で3時間以下がより望ましい。
【0057】
粘度平均分子量が8000以下に低減されたポリカーボネートは製造設備容積の10%以下まで製造設備外に排出された後に、不活性ガス雰囲気下、200℃以上の温度で炭酸ジエステルを製造設備に注入される。具体的には製造設備容積の10%以上の炭酸ジエステルを用い、製造設備を洗浄する。
【0058】
本願発明において、洗浄処理に用いられる炭酸ジエステルとしては、特に制限はなく、様々な化合物を使用することができるが、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。また前述のエステル交換反応で用いる炭酸ジエステルと同一の化合物を用いることも好ましい。
【0059】
これらのうち、洗浄を液状で行うため、好ましくは該炭酸ジエステルの融点以上の温度で用いられ、更に好ましくは200℃以上300℃以下の炭酸ジエステルが用いられる。該炭酸ジエステルの融点未満の温度で用いる場合は、炭酸ジエステルが固体状となるため洗浄効果が低く、洗浄した設備を再使用した際に得られるポリカーボネートの色相が悪く、高分子量の芳香族ポリカーボネートが得られないため好ましくなく、300℃以上の温度で炭酸ジエステルを用いて洗浄した場合は、洗浄に使用した炭酸ジエステルの分解が生じ、分解物が設備内に残留するため、再開後得られる芳香族ポリカーボネートの色調が悪くなるため好ましくない。
【0060】
製造設備に注入され、洗浄処理に使用された炭酸ジエステルは、製造設備より排出される。この洗浄処理は1回もしくは複数回繰り返してもよい。
【0061】
本発明において、炭酸ジエステルによる洗浄が行われた後、必要に応じ、不活性ガス雰囲気下、200℃以下の温度で芳香族モノヒドロキシ化合物を製造設備に注入し、洗浄を行うこともできる。本操作は、本発明の必須の構成要件ではないが、芳香族モノヒドロキシ化合物は炭酸ジエステルよりも一般に沸点が低いため、洗浄に使用した炭酸ジエステルを芳香族モノヒドロキシ化合物で洗浄・置換することによって、引き続く乾燥操作を容易にする効果をもたらす。具体的には製造設備容積の10%以上の芳香族モノヒドロキシ化合物を用い、製造設備を洗浄する。
【0062】
本願発明において、洗浄処理に用いられる芳香族モノヒドロキシ化合物としては、特に制限はなく、様々な化合物を使用することができるが、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−n−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノー等が用いられる。就中フェノールが最も好ましい。
【0063】
これらのうち、洗浄を液状で行うため、好ましくは該芳香族モノヒドロキシ化合物の融点以上の温度で用いられ、更に好ましくは融点以上200℃以下の芳香族モノヒドロキシ化合物が用いられる。該芳香族モノヒドロキシ化合物の融点未満の温度で用いる場合は、該芳香族モノヒドロキシ化合物が固体状となるため洗浄効果が低いので好ましくなく、200℃以上の温度で芳香族モノヒドロキシ化合物を用いて洗浄した場合は、芳香族モノヒドロキシ化合物の分解が生じる場合があり、洗浄設備を再使用した際に得られる芳香族ポリカーボネートの色相が悪くなる場合があり、好ましくない。
【0064】
製造設備に注入され、洗浄処理に使用された芳香族モノヒドロキシ化合物は、製造設備より排出される。この洗浄処理は1回もしくは複数回繰り返してもよい。
【0065】
本発明において、炭酸ジエステルによる洗浄が行われた後は、洗浄が施された製造設備は必要に応じて、残留する洗浄液を完全に製造設備外へ除去するための乾燥工程が施される。乾燥工程は不活性ガス流通下、もしくは100torr以下の真空圧力下で洗浄液の沸点以上の温度で行われる。このような洗浄処理を施した設備は、本明細書に記載した方法にて芳香族ポリカーボネートを製造するのに好ましく用いられる。
【0066】
本願発明のカーボネート結合含有低分子化合物を用いる粘度平均分子量低減処理および特定の洗浄剤を用いずに、芳香族ポリカーボネートの製造を停止した場合には、生産開始または再開後に高度に着色した芳香族ポリカーボネートが得られる場合が多く、良好な色相の芳香族ポリカーボネートが得られるまでには、数日にもわたる時間が必要であるケースもあったが、芳香族ポリカーボネートの製造を停止する際に、本願発明の処理を実施した場合には、非常に短時間のうちに良好な色相の芳香族ポリカーボネートが得られるようになった。特に1日以上の休止の後に、特に洗浄処理をすることなく製造を開始しても全く問題なく良好な色相の芳香族ポリカーボネートを製造できるようになった。また製造を回分式の設備で行っても連続式の設備で行っても同様に短時間で良好な色相の芳香族ポリカーボネートが得られる。これらの中では生産効率の面などから連続式の設備で行うほうが好ましい。また、定常状態に達した時の芳香族ポリカーボネートの色相も、本願発明を実施した場合には、より優れた色相を示すことが判明した。
【0067】
この理由は定かではなく、先述するごとく、おそらく生産開始または再開後良好な色相のポリマーを得るためには、何らかの意味で設備内壁面を安定化させることが必要であり、従来の方法では生産再開後にその操作を行う必要があったが、本願発明の方法では生産停止前の洗浄で設備内壁面の安定化を達成させる事が可能になった為ではないかと推察される。あるいは、解重合や洗浄時に残存するポリマー末端の水酸基が増加しないために、残留するポリマーの着色、劣化が生ぜず、生産再開後、短時間で良好な色相の芳香族ポリカーボネートが得られるものと推察される。
【0068】
本願発明を実施するのに使用される設備形式は特に制限が無く、通常知られている竪型撹拌槽や横形撹拌槽やルーダー等が使用でき、槽形式に関わらず好ましくは1時間以上の洗浄処理が好ましい。
【0069】
本発明において、製造を実施する設備形式に特に制限はないが、反応を回分式で実施する場合は2基の竪型撹拌槽を用い、精留塔を付設した第1撹拌槽に芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを前記モル比で仕込み、不活性ガスで置換した後、加熱溶融させ、これに前記重合触媒を所定量添加した後、系を真空に引きつつ加熱し、初期の重合反応を行わせた後、精留塔を持たない第2の撹拌槽に反応液を移送し系を更に高真空とし、かつ温度も高めて所定の重合度となるまで重合反応を継続させることが一般的である。
【0070】
この時、含窒素塩基性化合物の反応系内濃度を本願発明範囲に維持するために、例えば第1撹拌槽における反応の途中や第2撹拌槽への移送の過程で適当量の含窒素塩基性化合物を追加して反応させることができる。
【0071】
反応を連続式で実施する場合は、複数の撹拌槽を用い、この内反応物の溶融粘度が低い初期重合槽には精留塔を付設した竪型撹拌槽を用い、反応物の溶融粘度が高まり副生する芳香族モノヒドロキシ化合物の除去が難しくなる後期重合槽には横形撹拌槽や、2軸ルーダーを使用し、これらを直列に設置し、連続的に溶融した原料と触媒とを第1重合槽に送り込むと共に最終重合槽から連続的に所定重合度の芳香族ポリカーボネートを抜き出すことが一般に実施される。この時、含窒素塩基性化合物の反応系内濃度を本願発明範囲に維持するために、例えば、第1撹拌槽を初めとする個々の重合槽に適当量の含窒素塩基性化合物を追加して反応させることができる。
【0072】
本願発明で得られた芳香族ポリカーボネートに安定剤を添加することもできる。本願発明に使用する安定剤としては、公知の安定剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類が好ましい。またスルホン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられ、就中、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。
【0073】
これらの安定剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
【0074】
これらの安定剤は直接、または適当な溶剤に溶解または分散させて、溶融状態の芳香族ポリカーボネートに添加、混練する。このような操作を実施するのに用いられる設備に特に制限は無いが、例えば2軸ルーダー等が好ましく、安定剤を溶剤に溶解または分散させた場合はベント付きの2軸ルーダーが特に好ましく使用される。
【0075】
また本願発明においては、本願発明の目的を損なわない範囲で芳香族ポリカーボネートに添加剤を添加することができる。この添加剤は安定剤と同様に溶融状態の芳香族ポリカーボネートに添加することが好ましく、このような添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、有機充填剤、無機充填剤等をあげることができる。
【0076】
これらの内でも耐熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等が特に一般的に使用され、これらは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0077】
本願発明に用いられる耐熱安定剤としては、例えば、燐化合物、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等を挙げることができる。
【0078】
また、紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収剤が用いられ、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0079】
また離型剤としては一般的に知られた離型剤を用いることができ、例えば、パラフィン類などの炭化水素系離型剤、ステアリン酸等の脂肪酸系離型剤、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリルアルコール、ペンタエリスリトール等のアルコール系離型剤、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル系離型剤、シリコーンオイル等のシリコーン系離型剤等を挙げることができる。
【0080】
着色剤としては有機系や無機系の顔料や染料を使用することができる。
【0081】
これらの添加剤の添加方法に特に制限はないが、例えば直接芳香族ポリカーボネートに添加してもよく、マスターペレットを作成してそれを添加してもよい。
【0082】
【実施例】
以下実施例によって説明する。ただし、本願発明はこれに限定されるものではない。また、実施例中の%および部は特に断らない限り重量%または重量部である。
なお以下の実施例において得られた芳香族ポリカーボネート(以下表を含めてPCと称することがある)の物性は以下のようにして測定した。
【0083】
(粘度平均分子量)
芳香族ポリカーボネートの塩化メチレン溶液を20℃のウベローデ粘度計を用い固有粘度を測定し、次式により粘度平均分子量Mvを求めた。
[η]=1.23×10-4Mv0.83
【0084】
(色相(b値))
芳香族ポリカーボネートペレット(短径×長径×長さ(mm)=2.5×3.3×3.0)の色相を日本電色工業製ND−1001DP色差計を用い反射法で測定し、黄色度の尺度としてb値を用いた。
【0085】
(製造設備)
以下の実施例では撹拌機を備えた原料溶融槽、精留塔および撹拌機を備えたジャケット付きSUS316製の竪型重合槽2基(第1槽、第2槽)、並びに熱媒が流通できるジャケット付きSUS316製の横形一軸重合槽(第3槽:反応槽容積1000L)を備えた製造設備を用いて行った。これらの重合槽の接液部がSUS316製なのは言うまでもない。
【0086】
〔実施例1〕
まず、上記の製造設備の運転を停止し、立ち下げ作業と洗浄作業を実施した。精留塔を備えたジャケット付きSUS316製の竪型重合槽2基(第1槽、第2槽)と、熱媒が流通できるジャケット付きSUS316製の横形一軸重合槽(第3槽:反応槽容積1000L)をそれぞれギアポンプを介して直列に接続した製造設備を使用して粘度平均分子量が15000のポリカーボネートを連続的に製造していたが、設備内部を空にして主要部分の分解修理を行うにあたり、製造を中止するため以下の立ち下げ手順を行い、その後に設備内部を洗浄した。
【0087】
原料(ビスフェノールAとジフェニルカーボネート)の第1重合槽への送液を停止し、竪型重合槽2基(第1槽、第2槽)の内部の反応液を反応槽内が空になるまで順次次工程の反応槽に送液した。第2槽の反応液を第3槽に送液した後も、粘度平均分子量が15000である芳香族ポリカーボネートを排出しつづけた。設備内に残留する芳香族ポリカーボネートが100Lになるまで排出したのち、反応設備に不活性ガスを導入してエステル交換反応を停止させた。第3槽のジャケットに280℃の熱媒を流通させながら、カーボネート結合含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて、反応分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0088】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した。
【0089】
ついで50torrの圧力で8時間減圧乾燥し、残存するジフェニルカーボネートを除去して、さらに熱媒温度を常温まで降温させ、第3槽のギヤポンプを取り外し、該ポンプの分解清掃を実施した。整備終了後、1日の休止を行った後、当該ギヤポンプを取り付け熱媒を昇温して、この段階で製造設備について特に洗浄作業は行わずに生産開始した。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BPAともいう)1モルに対し、ジフェニルカーボネ−トを1.02モルの割合で、撹拌機を備えた原料溶融槽に仕込み、窒素置換後150℃で溶解し、該溶融混合液を150℃に保った原料貯槽に移送した。
【0090】
次いで、該溶融混合液を精留塔を備え、内温220℃、内圧を13333Pa(100mmHg)に維持した重合第1槽に連続的に供給すると共に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対し、金属として5×10-7当量のナトリウムフェノキシド(以下NPOと略記する)と塩基性窒素として1×10-4当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)とを連続的に加え、生成するフェノールを精留塔より除去して反応を行い、得られた反応物をギヤポンプを用いて連続的に抜きだした。
【0091】
ついで該反応混合物を内温を250℃、内圧を1333Pa(10mmHg)に維持した重合第2槽に連続的に供給し、生成するフェノールを精留塔より除去して反応を行い、得られた反応混合物をギヤポンプを用いて連続的に抜きだした。
【0092】
ついで該反応混合物を内温を270℃、内圧を200Pa±70kPa(1.5mmHg±0.5mmHg)に保った横形1軸重合槽に、連続的に供給し、発生するフェノールを系外に除去しつつさらに重合させることにより芳香族ポリカーボネートを連続的に製造し、溶融状態にある芳香族ポリカーボネートをギヤポンプにより抜き出し、ダイスより押し出しペレタイザーによりペレット化した。芳香族ポリカーボネートは横形1軸重合槽に付属するギヤポンプより抜き出しを開始した時刻より8時間後および48時間後にサンプリングを行い、芳香族ポリカーボネートの色相を測定した。結果を表1に示す。
【0093】
〔実施例2〕
カーボネート結合含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート5Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合せしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が6000となった芳香族ポリカーボネートを55L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0094】
〔実施例3〕
実施例1で用いた設備の運転を停止し、立ち下げ作業を行った。カーボネート結合含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合せしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0095】
ついで第3槽の攪拌を停止して、当該反応槽のジャケットに流通する熱媒の温度を徐々に180℃まで降温した。この後、芳香族モノヒドロキシ化合物としてフェノール300Lを第3槽に注入して窒素雰囲気下、180℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。この操作をさらに1回繰り返した。
【0096】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、フェノールを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0097】
〔実施例4〕
カーボネート結合含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3層の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート100Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0098】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを100L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0099】
〔実施例5〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで芳香族炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート50Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0100】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを50L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0101】
〔実施例6〕
実施例1と同様の分子量低減とジフェニルカーボネートによる洗浄を行った後に、特別な乾燥をしなかったこと以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0102】
〔実施例7〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを抜き出すことなく、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0103】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0104】
〔実施例8〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、320℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0105】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0106】
〔実施例9〕
カーボネート含有低分子化合物として粘度平均分子量が6000であるポリカーボネートオリゴマー10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が7500となったポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0107】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表1に示す。
【0108】
〔比較例1〕
低分子化合物としてトリエチレングリコール10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が3000となった粘調物質を60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0109】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0110】
〔比較例2〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し解重合をせしめて分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルを使用せずに、トリエチレングリコールを300L重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量を抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0111】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、トリエチレングリコールを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0112】
〔比較例3〕
カーボネート含有低分子化合物などの注入を行わずに、粘度平均分子量が15000であるポリカーボネートの第3槽における残液量が100Lとした後に、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0113】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0114】
〔比較例4〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となったポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステル等を用いた更なる洗浄は行わなかった。
【0115】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様に更なる洗浄は行わずに,再度生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0116】
〔比較例5〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルを用いた洗浄は行なわず、第3槽の攪拌を停止して、当該反応槽のジャケットに流通する熱媒の温度を徐々に180℃まで降温した。この後、芳香族モノヒドロキシ化合物としてフェノール300Lを第3槽に注入して窒素雰囲気下、180℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。この操作をさらに1回繰り返した。
【0117】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、フェノールを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0118】
〔比較例6〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が4000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで第3槽の攪拌を停止して、当該反応槽のジャケットに流通する熱媒の温度を徐々に180℃まで降温した。この後、芳香族炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、180℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0119】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0120】
〔比較例7〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート1Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。1時間後、粘度平均分子量が9000となった芳香族ポリカーボネートを51L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0121】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0122】
〔比較例8〕
カーボネート含有低分子化合物としてジフェニルカーボネート10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。0.1時間後、粘度平均分子量が10000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、280℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0123】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0124】
〔比較例9〕
原料(ビスフェノールAとジフェニルカーボネート)の第1重合槽への送液を停止し、竪型重合槽2基(第1槽、第2槽)の内部の反応液を反応槽内が空になるまで順次下流の反応槽に送液した。第2槽の反応液を第3槽に送液した後も、粘度平均分子量が15000である芳香族ポリカーボネートを排出しつづけた。設備内に残留する芳香族ポリカーボネートが100Lになるまで排出したのち、反応設備に不活性ガスを導入してエステル交換反応を停止させた。第3槽のジャケットに250℃の熱媒を流通させながら、低分子化合物としてフェノール10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。なお常圧でのフェノールの沸点は180℃程度であるために、この分子量低減操作は加圧下で行った。1時間後、粘度平均分子量が12000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、250℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。
【0125】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0126】
[比較例10]
原料(ビスフェノールAとジフェニルカーボネート)の第1重合槽への送液を停止し、竪型重合槽2基(第1槽、第2槽)の内部の反応液を反応槽内が空になるまで順次下流の反応槽に送液した。第2槽の反応液を第3槽に送液した後も、粘度平均分子量が15000である芳香族ポリカーボネートを排出しつづけた。設備内に残留する芳香族ポリカーボネートが100Lになるまで排出したのち、反応設備に不活性ガスを導入してエステル交換反応を停止させた。第3槽のジャケットに250℃の熱媒を流通させながら、低分子化合物としてフェノール10Lを第3槽の攪拌を継続しながら注入して1時間保持し分子量低減をおこなった。なお常圧でのフェノールの沸点は180℃程度であるために、この分子量低減操作は加圧下で行った。1時間後、粘度平均分子量が12000となった芳香族ポリカーボネートを60L抜き出して、第3槽の残液量を50Lとした。ついで炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート300Lを重合第3槽に注入して窒素雰囲気下、250℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。次いで、この操作をさらに1回繰り返した。ついで第3槽の攪拌を停止して、当該反応槽のジャケットに流通する熱媒の温度を徐々に180℃まで降温した。この後、芳香族モノヒドロキシ化合物としてフェノール300Lを第3槽に注入して窒素雰囲気下、180℃で3時間洗浄し、全量抜き出した。この操作をさらに1回繰り返した。
【0127】
反応残液がなく空となっている重合第1および第2槽については、重合第3槽と同様の温度、時間にて、ジフェニルカーボネートを300L用いた洗浄を2回、フェノールを300L用いた洗浄を2回、攪拌下で実施した以外は実施例1と同様に処理した後、設備について特に洗浄作業は行わずに生産を開始して芳香族ポリカーボネートを得た。結果を表2に示す。
【0128】
【表1】
Figure 0004712225
【0129】
【表2】
Figure 0004712225
【0130】
【発明の効果】
本願発明では、芳香族ポリカーボネートを製造するに際して、反応設備として安価なステンレス鋼を用いても、芳香族モノヒドロキシ化合物および/または芳香族炭酸ジエステルで洗浄処理を施しているため、色調に優れ、かつ高分子量の芳香族ポリカーボネートを生産性よく製造することができるようになる。

Claims (11)

  1. 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、ならびに含窒素塩基性化合物を触媒とするエステル交換反応により反応せしめ、芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、下記の(1)〜(4)の工程を順に行い洗浄した製造設備を使用する芳香族ポリカーボネートの製造方法。
    (1)製造設備に残存する芳香族ポリカーボネートを、カーボネート結合含有低分子化合物を用いて解重合せしめ、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を8000以下に低減させる工程。
    (2)粘度平均分子量が低減した芳香族ポリカーボネートを製造設備から排出する工程。
    (3)製造設備に炭酸ジエステルを受け入れ、200℃以上の温度、不活性ガス雰囲気下で製造設備を洗浄する工程。
    (4)洗浄に用いた炭酸ジエステルを排出する工程。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、製造に使用している設備の洗浄を、設備の運転を停止する時または得られる芳香族ポリカーボネートの品質が低下した時に実施する事を特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法において、該カーボネート結合含有低分子化合物として、芳香族ポリカーボネートの製造に原料として使用する炭酸ジエステル、または芳香族ポリカーボネートの製造の過程で生じる粘度平均分子量が8000以下のオリゴカーボネートを用い、200℃以上で解重合を行うことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法において、(1)の工程において、製造設備内に残存する芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量が10000以上であり、かつ、(4)の工程の後に、下記の(41)の工程及び(42)の工程を順に行う芳香族ポリカーボネートの製造方法。
    (41)製造設備に芳香族モノヒドロキシ化合物を入れ、洗浄する工程。
    (42)洗浄に用いた芳香族モノヒドロキシ化合物を排出する工程。
  5. 請求項1または4に記載の製造方法において、(4)の工程の後、または(42)の工程の後に、下記(5)の工程を行うことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
    (5)製造設備を乾燥する工程。
  6. 該芳香族モノヒドロキシ化合物がフェノールであり、200℃以下の温度、不活性ガス雰囲気下で製造設備を洗浄することを特徴とする請求項4に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  7. エステル交換反応で用いる炭酸ジエステルがジフェニルカーボネートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  8. 該製造設備の接液部がステンレス鋼製のものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  9. 該炭酸ジエステルを用いる洗浄、および該芳香族モノヒドロキシ化合物を用いる洗浄の少なくとも何れかを複数回実施する事を特徴とする請求項4〜のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  10. 連続製造することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法で洗浄処理したあと、1日以上の休止のあとに、特に洗浄処理をする事なく、連続製造を開始することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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