JP4712170B2 - Torque control wrench shut-off valve mechanism - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコントロールレンチの締付力が設定値に達したことを油圧式打撃トルク発生装置の作動油の圧力により開放されるリリーフバルブにより検知し、リリーフバルブを通過する作動油の圧力をピストンに作用させてパイロットバルブを操作し、エアーモータへの高圧空気の供給を遮断するシャットオフバルブを作動させるようにしたトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トルクコントロールレンチにおいて、トルクコントロールレンチの締付力が設定値に達したことを検知し、エアーモータへの高圧空気の供給を遮断するシャットオフバルブを作動させるようにしたトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構が採用されている(例えば、実開平3ー40076号公報参照)。
【0003】
シャットオフバルブ機構の一例を、図6〜図7に示すトルクコントロールレンチ1に基づいて説明する。
このトルクコントロールレンチ1は、高圧空気の供給、停止を行うメインバルブ2と正逆回転の打撃トルクを選択的に発生させるための正逆回転切換バルブ3を有し、このバルブ2、3から送気される高圧空気により回転トルクを発生するエアーモータ4を駆動する。
そして、エアーモータ4の回転トルクを打撃トルクに変換する油圧式打撃トルク発生装置5をフロントケース6内に設けるようしている。
この油圧式打撃トルク発生装置5は、ライナーケース56内にライナー本体51、ライナー上蓋52及びライナー下蓋53からなるライナー50を配設し、このライナー50内に作動油を充填密閉し、ライナー50内に同軸に嵌挿した主軸7に1個又は複数個(本例においては2個)の羽根挿入溝を設けるようにする。そして、この羽根挿入溝内に羽根54を嵌挿し、この羽根54をばね55にてライナー本体51の内周面に摺接するように付勢するとともに、主軸7の外周面に、1個又は複数個のシール面を形成する。また、ライナー本体51の内周面に、複数個(本例においては4個)のシール面を形成するとともに、打撃トルクの大きさを調整する出力調整機構8を設ける。
そして、エアーモータ4によりライナー50を回転させることにより、ライナー50のライナー本体51の内周面に形成した複数個のシール面と主軸7の外周面に形成したシール面及び羽根54、54とが合致したとき、主軸7に打撃トルクを発生させるものである。
【0004】
そして、このトルクコントロールレンチ1は、その締付力が設定値に達した場合、シャットオフバルブ機構9Aにより、エアーモータ4への高圧空気の供給を遮断するようにしている。
このシャットオフバルブ機構9Aは、トルクコントロールレンチ1の締付力が設定値に達したことを、油圧式打撃トルク発生装置5の作動油の圧力により開放される出力調整機構8のリリーフバルブ83により検知し、リリーフバルブ83を通過する作動油の圧力をライナー上蓋52に配設したピストン91に作用させ、ピストン91の背部にエアーモータ4を貫通して配設したロッド92を介して、パイロットバルブ93を操作し、エアーモータへの高圧空気の供給を遮断するシャットオフバルブ95を作動させるようにしている。
【0005】
このシャットオフバルブ機構9Aは、図7に詳示するように、シャットオフバルブ95の一端側にエアーモータ4に供給される高圧空気が導入されるエアーポート11aを、他端側に連通孔95aを介して高圧空気が導入されるエアーポート11cをそれぞれ形成し、シャットオフバルブ95を開放する方向に付勢するばね96を配設するようにするとともに、シャットオフバルブ95の他端側に形成したエアーポート11cとパイロットバルブ93の前面側(ロッド92側)のエアーポート11dを連通孔12Aにより連通し、高圧空気の圧力がパイロットバルブ93の前面にかかるようにし、一方、パイロットバルブ93の背面側(ロッド92の反対側)のエアーポート11eを連通孔13Aにより外部と連通し、さらに、エアーポート11e内にパイロットバルブ93をエアーポート11dの方向、すなわち、パイロットバルブ93を閉鎖する方向に付勢するばね94を配設するようにしている。
【0006】
これにより、トルクコントロールレンチ1の締付力が設定値に達すると、油圧式打撃トルク発生装置5の作動油の圧力により出力調整機構8のリリーフバルブ83が開放され、リリーフバルブ83を通過する作動油の圧力がライナー上蓋52に配設したピストン91に作用し、ピストン91の背部にエアーモータ4を貫通して配設したロッド92を介して、パイロットバルブ93が操作され、開放される。
パイロットバルブ93が開放されると、エアーポート11c内の高圧空気が、連通孔12A、エアーポート11d、エアーポート11e及び連通孔13Aを介して外部に放出され、エアーポート11c内の圧力が低下することとなり、これにより、シャットオフバルブ95が、図6〜図7に示す右側の位置から左側の位置に移動し、高圧空気が導入されるエアーポート11aとエアーモータ4に連通するエアーポート11bとを遮断して、エアーモータ4への高圧空気の供給が停止され、ボルト等を予め設定した所定の締付力で締め付けることができるものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このシャットオフバルブ機構9Aにおいては、ピストン91を介してパイロットバルブ93を操作し、シャットオフバルブ95を作動させた後は、ピストン91は、ロッド92のばね94に押圧されることによって元の位置に復帰するが、この際、シリンダ52b内の作動油を、ライナー上蓋52と主軸7の後部との間の隙間を通じて、油圧式打撃トルク発生装置側に戻すようにしている。
【0008】
しかしながら、このシャットオフバルブ機構の場合、シャットオフバルブ95が作動する前の通常の打撃トルク発生時において、リリーフバルブ83から漏れ出てくる微量の作動油が、ライナー上蓋52と主軸7の後部との間の隙間を通じて、常に流れることになり、その結果、寸法公差や油温等との変動要素の相乗作用によって、油圧式打撃トルク発生装置の油圧に影響が出やすくなり、このため、締付作業の作業効率が低下したり、安定した締付力が得にくくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来のトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構が有する問題点に鑑み、通常の打撃トルク発生時において、リリーフバルブから漏れ出てくる微量の作動油が、ライナー上蓋と主軸の後部との間の隙間を通じて流出することを防止することにより、締付作業の作業効率を向上するとともに、安定した締付力を得ることができるようにしたトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構は、トルクコントロールレンチの締付力が設定値に達したことを油圧式打撃トルク発生装置の作動油の圧力により開放されるリリーフバルブにより検知し、リリーフバルブを通過する作動油の圧力をピストンに作用させ、ピストンの背部に配設したロッドを介して、パイロットバルブを操作し、エアーモータへの高圧空気の供給を遮断するシャットオフバルブを作動させるようにしたトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構において、リリーフバルブの下流側からピストン側と油圧式打撃トルク発生装置側とにそれぞれ連通する作動油の通路を形成し、該通路の油圧式打撃トルク発生装置側の出口に、打撃トルクが発生する締付時において油圧式打撃トルク発生装置側に連通する作動油の通路を遮断し、シャットオフ後においてピストンが復帰するのと合わせて開放されるように、ばねによって前記通路の出口を閉鎖する方向に付勢したチェックバルブを配設したことを特徴とする。
【0011】
このトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構は、リリーフバルブの下流側からピストン側と油圧式打撃トルク発生装置側とにそれぞれ連通する作動油の通路を形成し、この通路の油圧式打撃トルク発生装置側の出口にチェックバルブを配設するようにしているので、通常の打撃トルク発生時において、リリーフバルブから漏れ出てくる微量の作動油が、ライナー上蓋と主軸の後部との間の隙間を通じて流出することを防止するとともに、シャットオフ後は、ピストンが復帰するのと合わせてチェックバルブを開放して、シリンダ内の作動油を、ライナー上蓋と主軸の後部との間の隙間を通じて、油圧式打撃トルク発生装置側に戻すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図5に、本発明のシャットオフバルブ機構を適用したトルクコントロールレンチの一実施例を示す。
このトルクコントロールレンチ1は、高圧空気の供給、停止を行うメインバルブ2と正逆回転の打撃トルクを選択的に発生させるための正逆回転切換バルブ3を有し、このバルブ2、3から送気される高圧空気により回転トルクを発生するエアーモータ4を駆動する。
そして、エアーモータ4の回転トルクを打撃トルクに変換する油圧式打撃トルク発生装置5をフロントケース6内に設けるようしている。
【0014】
この油圧式打撃トルク発生装置5は、ライナーケース56内にライナー本体51、ライナー上蓋52及びライナー下蓋53からなるライナー50を配設し、このライナー50内に作動油を充填密閉し、ライナー50内に同軸に嵌挿した主軸7に1個又は複数個(本例においては2個)の羽根挿入溝を設けるようにする。
そして、この羽根挿入溝内に羽根54を嵌挿し、この羽根54をばね55にてライナー本体51の内周面に摺接するように付勢するとともに、主軸7の外周面に、1個又は複数個(本例においては2個)のシール面7a、7aを形成する。また、ライナー本体51の内周面に、複数個(本例においては4個)のシール面5a、5a、5b、5bを形成するとともに、打撃トルクの大きさを調整する出力調整機構8を設ける。
そして、エアーモータ4によりライナー50を回転させることにより、ライナー50の内周面に形成した複数個のシール面5a、5a、5b、5bと主軸7の外周面に形成したシール面7a、7a及び羽根54、54とが合致したとき、主軸7に打撃トルクを発生させるものである。
【0015】
また、本実施例のトルクコントロールレンチにおいては、油圧式打撃トルク発生装置5の主軸7の外周面に形成したシール面7a、7aを、シール面7a、7aを結ぶ直線が、主軸7の中心を通らないように、偏心して形成するようにしている。
これにより、メインバルブ2及び切換バルブ3を操作して高圧空気をエアーモータ4に供給してエアーモータ4を回転することにより、油圧式打撃トルク発生装置5のライナー50を回転し、ライナー50の1回転につき、ライナー50のライナー本体51の内周面に形成したシール面5a、5a、5b、5bと主軸7の外周面に形成したシール面7a、7a及び羽根54、54とを1回合致させ、このとき、ライナー50の内部に形成された空洞が、2つの高圧室Hと2つの低圧室Lに区分されて羽根54、54が低圧室L側に押されることにより、ライナー50の1回転につき1回の間欠的な打撃トルクを主軸7に発生させるものである。
【0016】
ところで、ライナー50のライナー本体51には、打撃トルクの大きさを調整する出力調整機構8を配設する。
この出力調整機構8は、ライナー本体51の軸心と平行に形成した出力調整機構挿入孔51aと、シール面5bを挟んで主軸7のシール面7aにより分割される2室間と出力調整機構挿入孔51aとを連通するポートP1、P2と、出力調整機構挿入孔51a内に挿入されるリリーフバルブ軸81、調整軸82、リリーフバルブ83及びリリーフバルブ83を閉鎖する方向に付勢するばね84とで構成するようにしている。
リリーフバルブ軸81は、リリーフバルブ軸81と螺合した調整軸82を回動操作することにより、出力調整機構挿入孔51a内で摺動するようにされるとともに、リリーフバルブ軸81の外周面にポートP1とポートP2とを連通する凹溝からなる通路81qを形成し、さらに、リリーフバルブ軸81を軸と直角方向に貫通する通路81p及びこの通路81pの中間に連通し、リリーフバルブ軸81を軸方向に貫通して、出力調整機構挿入孔51aのリリーフバルブ83側に作動油を供給する通路81rを形成する。
【0017】
この出力調整機構8は、油圧式打撃トルク発生装置5のライナー50を回転すると、高圧室Hより、ポートP1、通路81q、ポートP2を経て低圧室L側へ所定量の作動油が流れる。このとき、トルクコントロールレンチ1の締付力が設定値に達する(高圧室Hの作動油の圧力が設定圧力に達する)までは、リリーフバルブ83は、ばね84の付勢力により、リリーフバルブ軸81の端面に開口した作動油の通路81rを閉鎖した状態を維持する。
そして、トルクコントロールレンチ1の締付力が設定値に達する(高圧室Hの作動油の圧力が設定圧力に達する)と、リリーフバルブ83が開放され、作動油の一部が、ポートP1より、通路81q及び通路81rを介して、リリーフバルブ83を通過して流出し、ライナー上蓋52に形成した通路10を通って、ライナー上蓋52に形成したシリンダ52b内に流入して、作動油の圧力がシリンダ52b内に配設したピストン91に作用するように構成されている。
【0018】
この場合、図4に示すように、通路10は、リリーフバルブ83の下流側からピストン91を配設したシリンダ52bに連通するとともに、油圧式打撃トルク発生装置側、すなわち、ライナー上蓋52と主軸7の後部との間の隙間を通じて、ライナー50内に連通するように形成されている。
そして、この通路10の油圧式打撃トルク発生装置側の出口に、チェックバルブ15が配設されるとともに、通路10を閉鎖する方向にチェックバルブ15を付勢するばね16を、主軸7の後部71に穿設された孔72に配設するようにしている。
【0019】
このように、通路10の油圧式打撃トルク発生装置側の出口にチェックバルブ15を配設することにより、通常の打撃トルク発生時において、リリーフバルブ83から漏れ出てくる微量の作動油が、ライナー上蓋52と主軸7の後部との間の隙間を通じて流出すること、すなわち、リリーフバルブ83からの作動油の漏れを防止することができ、これにより、締付作業の作業効率を向上するとともに、安定した締付力を得ることができるものとなる。
また、シャットオフ後は、ピストン91が復帰するのと合わせてチェックバルブ15をばね16の付勢力に抗して開放して、シリンダ52b内の作動油を、ライナー上蓋52と主軸7の後部との間の隙間を通じて、油圧式打撃トルク発生装置側に戻すことができる。
このため、チェックバルブ15を付勢するばね16の付勢力よりも、後述のパイロットバルブ93を付勢するばね94の付勢力が大きくなるように、ばね16及びばね94の付勢力を設定するようにする。
なお、リリーフバルブ83が開放されて作動油の圧力がピストン91に作用するシャットオフ時にも、ばね16の付勢力に抗してチェックバルブ15が開放されるが、ライナー上蓋52と主軸7の後部との間の隙間が狭いことから、ピストン91の移動に支障が出ることはない。
【0020】
一方、打撃トルクの大きさの調整は、調整軸82を回動操作することにより、出力調整機構挿入孔51a内でリリーフバルブ軸81を摺動させ、ばね84にて付勢されるリリーフバルブ83の付勢力を調整するとともに、ポートP1とポートP2を連通する通路81qの開口量を調整することにより行うようにする。
この場合、リリーフバルブ軸81が回動すると、通路81pの開口の方向が変動し、打撃トルクの大きさの正確な調整が困難になるため、図3に示すように、リリーフバルブ軸81の軸方向に長孔81hを穿設し、この長孔81hにライナー50のライナー本体51に設けたノックピン57を嵌挿して、回り止めをするようにする。
【0021】
また、ポートP1とポートP2を連通する通路81pの開口量を小さく設定することにより、検知圧力を低圧にし、ばね84によるリリーフバルブ83の付勢力の調整を容易にするとともに、ポートP1とポートP2を連通する通路81qの開口量の調整による打撃トルクの大きさの調整をより有効に機能させることができるが、通路81pの開口量をあまり小さく設定すると、低出力の機種や小型の機種においては、後述のシャットオフバルブ機構9を作動させるための検知圧力が低くなりすぎたり、通路81pから通路81rに流入する作動油の量が不足し、逆に打撃トルクの調整を正確に行うことができなくなる場合がある。
これを改善するため、図3に示すように、通路81pを通し孔ではなく、片方の口径を大きく、他方の口径を小としたオリフィス形状に形成し、正回転時に、高圧室H側となるポートP1側の口径が、低圧室L側となるポートP2側の口径よりも大になるように、リリーフバルブ軸81を配設するようにする。
これによって、ポートP1とポートP2を連通する通路81qの開口量の調整による打撃トルクの大きさの調整をより有効に機能させながら、通路81pから通路81rに流入する油の量を確保することができ、打撃トルクの大きさの調整を正確に行うことができる。
【0022】
また、ポートP1とポートP2を連通する通路81qの開口量を調整する際に、ポートP1とポートP2を連通する通路81pにかかる作動油の圧力の変動を防止するため、通路81pと通路81qをリリーフバルブ軸81に分離壁81sを形成することが望ましい。
【0023】
なお、リリーフバルブ軸81は、油圧式打撃トルク発生装置5のライナー上蓋52内に設けることもできる。
リリーフバルブ軸81をライナー上蓋52内に設けることにより、油圧式打撃トルク発生装置5の外径を小さくでき、かつ、ライナー50を構成するライナー本体51、ライナー上蓋52及びライナー下蓋53並びにノックピン57の精度の許容度を大きくできるとともに、ライナー本体51とライナー上蓋52間のシール性が出力調整機構挿入孔51aに影響されないものとなる。
【0024】
そして、上記のとおり、トルクコントロールレンチ1の締付力が設定値に達する(高圧室Hの作動油の圧力が設定圧力に達する)と、リリーフバルブ83が開放され、作動油の一部が、リリーフバルブ83を通過して流出し、作動油の圧力が、ピストン91に作用することになるが、ピストン91の背部には、エアーモータ4を貫通して配設したロッド92を介して、パイロットバルブ93が配設されているため、作動油の圧力を受けたピストン91が、図1において右方に移動すると、ロッド92を介して、パイロットバルブ93を操作し、エアーモータ4への高圧空気の供給を遮断するシャットオフバルブ17を作動させるようにして、シャットオフバルブ機構9を構成するようにしている。
【0025】
シャットオフバルブ機構9は、図1及び図5に示すように、断面T字状のシャットオフバルブ17の両側に、それぞれ高圧空気が導入されるエアーポート18a、18bを形成し、このうち、一方のエアーポート18aを、通路18cを介してエアーモータ4に連通するように形成している。
そして、このエアーポート18aとパイロットバルブ93を介して連通するロッド挿通部には、外部と連通した連通孔19が形成されている。
パイロットバルブ93とシャットオフバルブ17とは、ばね94を介して相互に弾支されており、ばね94は、パイロットバルブ93を閉鎖する方向に付勢するとともに、シャットオフバルブ17を開放する方向に付勢している。
【0026】
このシャットオフバルブ機構9では、トルクコントロールレンチ1の締付力が設定値に達する(高圧室Hの作動油の圧力が設定圧力に達する)と、油圧式打撃トルク発生装置5の作動油の圧力により出力調整機構8のリリーフバルブ83が開放され、リリーフバルブ83を通過する作動油の圧力がライナー上蓋52に配設したピストン91に作用し、ピストン91の背部にエアーモータ4を貫通して配設したロッド92を介して、パイロットバルブ93がばね94に抗して操作され、開放される。
パイロットバルブ93が開放されると、エアーモータ4と連通する側のエアーポート18aが連通孔19を介して外部と連通して圧力が低下することから、シャットオフバルブ17が反対側のエアーポート18bの高圧空気に押されて、図1及び図5(a)において左方に移動し、エアーモータ4に通じる通路18cを遮断する。
これにより、エアーモータ4への高圧空気の供給が停止され、ボルト等を予め設定した所定の締付力で締め付けることができる。
【0027】
以上、本発明のトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、シャットオフバルブ17の背面のエアーポート18bに、このエアーポート18bの圧力変化を検出することによってシャットオフバルブ17の作動回数を検出し、ボルト等の締付回数をカウントする検出機構20(この検出機構20は、エアーポート18bに連通する検出孔20aに制御装置に接続される管路20cを接続するようにしたもので、検出孔20aには、ばね20dにより付勢されたボール弁20bが、高圧空気をシールするために配設されている。)を接続し、締付作業を自動管理することができるようにする等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0028】
【発明の効果】
本発明のトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構によれば、リリーフバルブの下流側からピストン側と油圧式打撃トルク発生装置側とにそれぞれ連通する作動油の通路を形成し、この通路の油圧式打撃トルク発生装置側の出口にチェックバルブを配設するようにしているので、通常の打撃トルク発生時において、リリーフバルブから漏れ出てくる微量の作動油が、ライナー上蓋と主軸の後部との間の隙間を通じて流出することを防止することができ、これにより、締付作業の作業効率を向上するとともに、安定した締付力を得ることができる。
そして、シャットオフ後は、ピストンが復帰するのと合わせてチェックバルブを開放して、シリンダ内の作動油を、ライナー上蓋と主軸の後部との間の隙間を通じて、油圧式打撃トルク発生装置側に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトルクコントロールレンチのシャットオフバルブ機構を適用したトルクコントロールレンチの一実施例を示す正面縦断面図である。
【図2】同油圧式打撃トルク発生装置を示す断面図である。
【図3】出力調整機構を示し、(a)は全体のリリーフバルブ軸の正面縦断面図、(b)はリリーフバルブ軸の正面縦断面図、(c)は(b)のC−C線断面図である。
【図4】シャットオフバルブ機構の要部を示す正面縦断面図である。
【図5】検出機構を付設したシャットオフバルブ機構を示し、(a)は正面縦断面図、(b)は軸直交断面図である。
【図6】従来のトルクコントロールレンチを示す正面縦断面図である。
【図7】同シャットオフバルブ機構の要部を示す正面縦断面図である。
【符号の説明】
1 トルクコントロールレンチ
2 メインバルブ
3 正逆回転切換バルブ
4 エアーモータ
5 油圧式打撃トルク発生装置
50 ライナー
54 羽根
6 フロントケース
7 主軸
71 主軸後部
72 孔
8 出力調整機構
81 リリーフバルブ軸
82 調整軸
83 リリーフバルブ
84 ばね
9 シャットオフバルブ機構
91 ピストン
92 ロッド
93 パイロットバルブ
94 ばね
10 通路
15 チェックバルブ
16 ばね
17 シャットオフバルブ
18a、18b エアーポート
18c 通路
19 連通孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention detects that the tightening force of the torque control wrench has reached a set value by a relief valve that is released by the hydraulic oil pressure of the hydraulic striking torque generator, and determines the pressure of the hydraulic oil passing through the relief valve. The present invention relates to a shut-off valve mechanism of a torque control wrench that is operated on a pilot valve to operate a pilot valve and actuate a shut-off valve that shuts off the supply of high-pressure air to an air motor.
[0002]
[Prior art]
Torque control wrench shutoff valve that detects when the torque control wrench tightening force has reached the set value and activates a shutoff valve that shuts off the supply of high-pressure air to the air motor. A mechanism is employed (see, for example, Japanese Utility Model Publication No. 3-40076).
[0003]
An example of the shut-off valve mechanism will be described based on the torque control wrench 1 shown in FIGS.
The torque control wrench 1 has a
A hydraulic
The hydraulic
Then, by rotating the
[0004]
When the tightening force reaches a set value, the torque control wrench 1 shuts off the supply of high-pressure air to the
This shut-
[0005]
As shown in detail in FIG. 7, the shut-off
[0006]
As a result, when the tightening force of the torque control wrench 1 reaches a set value, the
When the
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in this shut-off
[0008]
However, in the case of this shut-off valve mechanism, a small amount of hydraulic oil leaking from the
[0009]
In view of the problems of the conventional torque control wrench shutoff valve mechanism described above, the present invention provides a trace amount of hydraulic oil that leaks from the relief valve when normal impact torque is generated. To provide a shut-off valve mechanism for a torque control wrench that can improve the work efficiency of tightening work and obtain a stable tightening force by preventing outflow through the gap between With the goal.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the shut-off valve mechanism of the torque control wrench of the present invention is released when the tightening force of the torque control wrench reaches a set value by the hydraulic oil pressure of the hydraulic striking torque generator. The pressure of the hydraulic oil that is detected by the relief valve and passes through the relief valve is applied to the piston, and the pilot valve is operated via the rod arranged on the back of the piston to shut off the supply of high-pressure air to the air motor. In the shut-off valve mechanism of the torque control wrench adapted to actuate the shut-off valve, a hydraulic oil passage communicating from the downstream side of the relief valve to the piston side and the hydraulic striking torque generator side is formed. to the hydraulic impact torque generator side outlet, during tightening impact torque is generated Blocks the passage of the hydraulic fluid communicating with the pressure impact torque generating apparatus, so that the piston after the shut-off is opened in conjunction with the return, check and biased in a direction to close the outlet of said passage by a spring A valve is provided.
[0011]
The shut-off valve mechanism of this torque control wrench forms a hydraulic oil passage that communicates from the downstream side of the relief valve to the piston side and the hydraulic striking torque generator side, and this passage is on the hydraulic striking torque generator side Since a check valve is arranged at the outlet of the cylinder, a small amount of hydraulic oil leaking out from the relief valve flows out through a gap between the liner top cover and the rear part of the main shaft when normal impact torque is generated. After shut-off, the check valve is opened when the piston returns, and hydraulic oil in the cylinder passes through the gap between the liner top cover and the rear part of the main shaft. It can be returned to the generator side.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of a shut-off valve mechanism for a torque control wrench according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0013]
1 to 5 show an embodiment of a torque control wrench to which the shut-off valve mechanism of the present invention is applied.
The torque control wrench 1 has a
A hydraulic
[0014]
The hydraulic
Then, the
Then, by rotating the
[0015]
In the torque control wrench of this embodiment, the straight line connecting the seal surfaces 7a, 7a formed on the outer peripheral surface of the
As a result, the
[0016]
By the way, the liner
This
The
[0017]
When the
When the tightening force of the torque control wrench 1 reaches a set value (the pressure of the hydraulic oil in the high pressure chamber H reaches the set pressure), the
[0018]
In this case, as shown in FIG. 4, the
A
[0019]
In this way, by arranging the
Further, after the shut-off, the
For this reason, the biasing force of the
The
[0020]
On the other hand, the magnitude of the impact torque is adjusted by rotating the adjusting
In this case, when the
[0021]
Further, by setting the opening amount of the
In order to improve this, as shown in FIG. 3, the
As a result, the amount of oil flowing from the
[0022]
Further, when adjusting the opening amount of the passage 81q that communicates the port P1 and the port P2, in order to prevent fluctuations in the pressure of the hydraulic fluid applied to the
[0023]
The
By providing the
[0024]
As described above, when the tightening force of the torque control wrench 1 reaches the set value (the pressure of the hydraulic oil in the high pressure chamber H reaches the set pressure), the
[0025]
As shown in FIGS. 1 and 5, the shut-off
A
The
[0026]
In the shut-off
When the
Thereby, the supply of high-pressure air to the
[0027]
The shut-off valve mechanism of the torque control wrench of the present invention has been described based on the embodiment. However, the present invention is not limited to the configuration described in the above embodiment, and for example, as shown in FIG. In addition, a
[0028]
【The invention's effect】
According to the shut-off valve mechanism of the torque control wrench of the present invention, a hydraulic oil passage communicating from the downstream side of the relief valve to the piston side and the hydraulic striking torque generator side is formed, and the hydraulic striking of this passage is formed. Since a check valve is arranged at the outlet on the torque generator side, a small amount of hydraulic oil leaking from the relief valve is generated between the liner top cover and the rear part of the main shaft when normal impact torque is generated. It is possible to prevent the fluid from flowing out through the gap, thereby improving the work efficiency of the tightening operation and obtaining a stable tightening force.
After shut-off, the check valve is opened along with the return of the piston, and the hydraulic oil in the cylinder passes through the gap between the liner top cover and the rear part of the main shaft to the hydraulic impact torque generator side. Can be returned.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front longitudinal sectional view showing an embodiment of a torque control wrench to which a shut-off valve mechanism of a torque control wrench of the present invention is applied.
FIG. 2 is a sectional view showing the hydraulic striking torque generator.
3A and 3B show an output adjustment mechanism, in which FIG. 3A is a front longitudinal sectional view of an entire relief valve shaft, FIG. 3B is a front longitudinal sectional view of a relief valve shaft, and FIG. 3C is a CC line of FIG. It is sectional drawing.
FIG. 4 is a front longitudinal sectional view showing a main part of the shut-off valve mechanism.
5A and 5B show a shut-off valve mechanism provided with a detection mechanism, in which FIG. 5A is a front longitudinal sectional view, and FIG. 5B is an axial orthogonal sectional view.
FIG. 6 is a front longitudinal sectional view showing a conventional torque control wrench.
FIG. 7 is a front longitudinal sectional view showing a main part of the shut-off valve mechanism.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
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