JP4711655B2 - 多層紙袋 - Google Patents
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Description
接着性プラスチックフィルムを介装してなる多層筒状物の一方の開口部に、フィルムによ
る熱接着部を所定の間隔をあけて設け、この筒状物の他方の開口部を閉じて底部としてな
る多層紙袋に関する。
装の有無に関わりなく、本来の入口以外の各紙間が開いて内容物が入らないように、各層
間が主に接着により閉じられている。この多層紙袋が紙のみからなる場合は、リサイクル
が容易であるが、各紙層間にフィルムを介装してある多層紙袋では、紙とフィルムとは特
殊な接着剤により貼り合わせているため、紙とフィルムとを分離することが難しく、リサ
イクルが困難となる。加えて、その特殊な接着剤の染み出しがあって、製袋装置やその回
りの環境汚染が懸念される。このような状況から、各紙間にフィルムが介装してある多層
紙袋であるのに、接着剤を使用せず、リサイクルも容易である下記の多層紙袋が知られて
いる。
に疑似溶着されているから、加熱圧着機による熱が分散されずに集中して、プラスチック
フィルムbに孔をランダムに開けてしまうことがあり、疑似溶着していない部分が生ずる
ことがある。更に、孔が開かないで上手く隣接する各紙a間が疑似溶着出来ても、開口部
dの全幅にわたり帯状に疑似溶着されているから、隣接する各紙a間からのエアー抜きが
不十分となり易く、それだけ製袋の際の生産管理が厄介になる虞がある。
時に各紙層間が開くことのない充分な熱接着力を有しつつ、エアー抜きが出来て生産管理
が容易であり、加えて使用後に紙とフィルムとを容易に分離出来てリサイクルし易い多層
紙袋を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、紙と紙との間に熱接着性プラスチックフィルムを介装してなる多層筒状物からなり、該多層筒状物の一方の開口部には、前記紙と紙との間に介装された熱接着性プラスチックフィルムによる熱接着部と非接着部とが、前記開口部に対しその幅方向に交互に設けられ、且つ前記多層筒状物の他方の開口部を閉じて底部としてなるものであって、前記熱接着部と非接着部が、開口部の外方から当てたヒートシーラーによって熱接着性プラスチックフィルムが軟化した状態で、当該部に外周面に断続した凸部を有するギヤーを押圧状態で走らせることによって形成されたことを特徴とする多層紙袋が提供される。
また、前記熱接着部と非接着部は、前記ヒートシールバーを有するヒートシーラーの押圧によって熱接着性プラスチックフィルムが軟化した状態で、更に、当該部に外周面に断続した凸部を有するギヤーを押圧状態で走らせることによって形成されても良い。
との間に介装する熱接着性プラスチックフィルムに所定の間隔をあけて加熱するから、熱
が1箇所に籠もらずにフィルムに伝達されて均質な熱接着部を形成し、一方、介装してい
るフィルムの全周すべてにわたり熱接着部を形成してある場合を除き、非接着部からエア
ーが抜ける。
したがって、接着剤を使用しないため、滲み出し等の不都合がなく、内容物の充填時、
各紙層間が開くことがなく、必要なエアー抜きも出来て生産管理が容易となり、しかも使
用後に紙とフィルムとが所定の間隔をあけた熱接着であるため、容易に分離出来てリサイ
クルし易い効果がある。
ることにより、所定の間隔の非接着部から袋内の不要なエアーが抜け易くなり、生産管理
が容易となる。
また、この幅方向熱接着部は開口部に対しその幅方向並びに軸方向にも所定の間隔をあ
けて設けられていることにより、上記同様に所定の間隔の非接着部からエアーが抜け、か
つ、熱接着時には、所定の間隔の非接着部により熱が分散して、熱が1箇所に籠もらずに
フィルムに伝達されて均質な熱接着部を形成するため、上記効果に加えて更に特に各紙間
の熱接着が良好となる。
袋内方側を底辺とする三角形状に形成されているために、袋内の不要なエアーが一層抜け
易くなり、内容物充填後の生産管理がより効率的に行うことができる。また、図10の構
成では、非接着部と該接着部よりも幅広に形成された非接着部が互いに対面しながら配置
されるので、袋内の不要のエアーはジグザグ状態で非接着部の間を通って抜けてぬくこと
ができ、外からのゴミの侵入が防止出来、各紙間の熱接着状態も良好となる。
<実施例1>
本発明の多層紙袋1は、紙2と紙3との間に熱接着性プラスチックフィルム4を介装した多層筒状物5からなり、この筒状物5の一方の開口部6における紙2と紙3との間に、これらに介装してあるプラスチックフィルム4による熱接着部7と非接着部14が交互に形成され、且つ筒状物5の他方の開口部8を閉じて底部9としてなるものである。
接着性プラスチックフィルム4を介装した3層からなるが、必要に応じて、更にフィルム
及び紙層を順次追加して5層以上の多層構成としても良い。この筒状物5は、紙2、3及
びフィルム4のいずれもそれらの端部を重ね合わせて貼り付けることにより作られ、その
両端に前記開口部6、8が形成される。なお、筒状物5の層構成をする紙2、3は特に限
定がないが、通常クラフト紙が好ましく用いられ、フィルム4も熱接着性であること以外
特に限定がないが、通常、ポリオレフィン系のフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどが用いられる。
間隔を有して複数設けて、紙2とフィルム4との間あるいはフィルム4と紙3との間が開
かないようにし、多層紙袋1を構成する。そして、この多層紙袋1は、開口部6側が内容
物の入口11となり、開口部8側が底部9となって、入口11から内容物を収容する際、
紙2とフィルム4との間あるいはフィルム4と紙3との間が開かないから、これらの間に
内容物が入ることはない。
まず、開口部にヒートシーラーを当てて、フィルム4の所定幅を軟化してはいるが、まだ熱接着には至っていない状態にし、その後直ちにフィルム4の所定幅の軟化部12上に、図5に示した、外周面に断続した凸部を有するギヤー13を押圧状態で走らせ、軟化部12を熱接着部7と所定の間隔の非接着部14とにする。すなわち、熱接着部7は、フィルム4が軟化しているがまだ熱接着していない軟化部12に直ちにギヤー13の凸部13aにて押圧するから、紙2とフィルム4と紙3とが熱接着状態となることで構成したものであり、所定の間隔の非接着部14は、ギヤー13の凸部13aにて押圧していないため、時間の経過と共にフィルム4の軟化が解消し熱接着しない状態となるように構成したものである。このようにすると、筒状物5の開口部8に紙テープ10を貼り付け閉じて底部を有する多層紙袋1としても、所定の間隔の非接着部14から袋内の余分なエアーが容易に抜けて、多層紙袋1が必要以上に嵩張ることがなくなる。
まず、多層紙袋1の入口11を開き、例えば粉粒体などの内容物をを充填する。その際
、紙2とフィルム4との間あるいはフィルム4と紙3との間に熱接着部7を所定の間隔を
有して複数設けてあるため、これらの間が開かず、本来の入口11以外の隙間などに内容
物が入り込むようなことがない。また、所定の間隔の非接着部14が存在することにより
、紙2とフィルム4との間あるいはフィルム4と紙3との間に余分なエアーが入り込んで
いても、このエアーが袋内にとどまることがなく、スムーズに袋外に抜けて嵩張ることが
ない。そして、入口11には底部9の場合と同様に紙テープ10を貼り付けするなど、公
知の方法で封緘して最終製品とする。
すなわち、開口部6に図7のように形成したヒートシーラーのヒートシールバー15を当て、フィルム4の4本の所定幅を軟化しているが、まだ熱接着していない状態にし、その後直ちにフィルム4の4本の所定幅の軟化部上に図5のギャー13を押圧状態で走らせ、軟化部を4本の幅方向熱接着部7bと、これらに所定の間隔を有して挟まれた3本の非熱接着部14cとにする。これらの4本の幅方向熱接着部7bは、それぞれ非熱接着部14bが交互にあって構成している。
<実施例2>
この底辺は広く形成された非接着部14dの形状が袋内の余分なエアーをスムースに袋外に排出し、かつ、開口部6側の先細に形成された非接着部14dからは 外のゴミが袋内に侵入することはない。
なお、この実施例2では帯状の熱接着部は5列に形成されているが、帯状接着部の列の数は特に限定されるものではなく、接着強度の点からいって3列以上であることが好ましい。
<実施例3>
この実施例3に示した構成の特徴は、熱接着部の収縮によるピンホールを防止できる点にある。すなわち、熱接着部7eと熱接着部7eの間に存在する非接着部14eは、熱接着作業後に経時に伴う収縮の影響でピンホールが発生するという問題があるが、実施例3のように各帯状の熱接着部7eと非接着部14eが互いに対面状態で配設されていることにより、帯状の非接着部の収縮を、隣接する他の帯状の熱接着部が補完するように作用し、非接着部のピンホールの発生を防止するものである。
この実施例3では、接着部7eと非接着部14eを交互に有する帯状は3列に形成されているが、これに限定されるものではなく、外からのゴミの侵入を効率的に防止し、かつ、袋内の余分なエアーを排出しやすくするという観点からは、2列ないし4列に形成されていることが好ましい。
るのに、外側からゴミの侵入は防ぐことができ、生産管理が簡単であり、更に使用後に紙
とフィルムとを容易に分離出来てリサイクルし易いことを要求される場合に利用可能性が
極めて高くなる。
2,3,a 紙
4 熱接着性プラスチックフィルム
5,c 筒状物
6,8,d,f 開口部
7,7a,7e 熱接着部
7b,7d 幅方向熱接着部
7c 接着部の袋内方端
9,g 底部
10 紙テープ
11,e 入口
12 軟化部
13 ギャー
13a 凸部
14,14a,14b,14c 非接着部
15 ヒートシールバー
15a 当接部
b プラスチックフィルム
Claims (5)
- 紙と紙との間に熱接着性プラスチックフィルムを介装してなる多層筒状物からなり、該多層筒状物の一方の開口部には、前記紙と紙との間に介装された熱接着性プラスチックフィルムによる熱接着部と非接着部とが、前記開口部に対しその幅方向に交互に設けられ、且つ前記多層筒状物の他方の開口部を閉じて底部としてなるものであって、前記熱接着部と非接着部が、開口部の外方から当てたヒートシーラーによって熱接着性プラスチックフィルムが軟化した状態で、当該部に外周面に断続した凸部を有するギヤーを押圧状態で走らせることによって形成されたことを特徴とする多層紙袋。
- 紙と紙との間に熱接着性プラスチックフィルムを介装してなる多層筒状物からなり、該多層筒状物の一方の開口部には、前記紙と紙との間に介装された熱接着性プラスチックフィルムによる熱接着部と非接着部とが、前記開口部に対しその幅方向及び軸方向に交互に設けられ、且つ前記多層筒状物の他方の開口部を閉じて底部としてなるものであって、前記熱接着部と非接着部が、開口部の外方から、端面を断続的に内方に切り欠いたヒートシールバーを有するヒートシーラーで押圧させることによって形成されたことを特徴とする多層紙袋。
- 請求項2において、前記熱接着部と非接着部が、前記ヒートシールバーを有するヒートシーラーで押圧し、熱接着性プラスチックフィルムが軟化した状態で、当該部に外周面に断続した凸部を有するギヤーを押圧状態で走らせることによって形成されたことを特徴とする多層紙袋。
- 前記熱接着部と非接着部は、前記開口部に対して並行で複数の帯状に形成され、該熱接着部と熱接着部の間に形成される非接着部は、接着部の内方端同士を繋ぐラインを底辺とし、開口部に向けて先細となる複数の三角形状に形成されてなる請求項1記載の多層紙袋。
- 前記熱接着部は、前記開口部に対して並行で、それぞれが熱接着部よりも幅広に形成された非接着部を交互に有する複数の帯状からなり、各帯状の熱接着部と非接着部が互いに対面状態で配設されてなる請求項1または2記載の多層紙袋。
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